(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184946
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】バイパス領域を有する熱交換器プレート
(51)【国際特許分類】
F28D 1/03 20060101AFI20170814BHJP
F28F 3/08 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
F28D1/03
F28F3/08 311
【請求項の数】12
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-517705(P2014-517705)
(86)(22)【出願日】2012年6月28日
(65)【公表番号】特表2014-518369(P2014-518369A)
(43)【公表日】2014年7月28日
(86)【国際出願番号】EP2012062585
(87)【国際公開番号】WO2013001012
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2015年6月26日
(31)【優先権主張番号】1102061
(32)【優先日】2011年6月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】505113632
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100179338
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】ローラン、オディラール
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−ピエール、ガラン
(72)【発明者】
【氏名】セバスチャン、ドブデュ
(72)【発明者】
【氏名】デメトリオ、オネッティ
【審査官】
鈴木 充
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭62−136774(JP,U)
【文献】
特開2002−198078(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0126911(US,A1)
【文献】
特開2000−337215(JP,A)
【文献】
仏国特許出願公開第02855604(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 1/03
F28F 3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換器(50)のためのプレート(30)であって、
前記プレート(30)は、熱交換器(50)の他のプレート(30)と積み重ねられて、冷却されるべき流体の通過を前記プレート(30)間で許容するべく配置されるプレート(30)の対を形成するようになっており、前記プレート(30)は、流体との熱の交換を促すことを意図する交換領域(ZE)と称される領域と、流体が前記交換領域を迂回できるようにし得るバイパス領域(ZBP)と称される領域とを有し、
前記交換領域(ZE)内で流体を強制的に通過させるように構成される、前記プレート(30)を起点に生じ、前記バイパス領域(ZBP)から前記交換領域(ZE)に向かう方向に延びる手段(36,37)を更に備えることを特徴とするプレート(30)。
【請求項2】
前記プレート(30)を起点に生じる前記手段(36,37)が前記プレート(30)の平面(P)に対して垂直に延びる請求項1に記載のプレート。
【請求項3】
前記プレート(30)は、第1縁部および前記第1縁部に対向する第2縁部を備えるパネルの形態を成すとともに、冷却流体用の入口ポート(32)および前記冷却流体用の収集ポート(34)を前記バイパス領域に備え、
前記プレート(30)を起点に生じる前記手段(36,37)は、前記プレート(30)の前記第1縁部から延びて前記入口ポート(32)の高さで流体の通過を遮断するように構成される第1縁部側仕切り(36)、および/または、前記プレート(30)の前記第2縁部から延びて前記収集ポート(34)の高さで流体の通過を遮断するように構成される第2縁部側仕切り(37)を備える請求項1または請求項2に記載のプレート。
【請求項4】
前記プレート(32)は、長方形であって、2つの長い縁部と2つの短い縁部とを有し、
前記長い縁部が前記第1縁部および前記第2縁部を規定し、
前記入口ポート(32)および前記収集ポート(34)が前記短い縁部のうちの一方に近接する領域で穿孔される請求項3に記載のプレート。
【請求項5】
前記第1縁部側仕切り(36)および/または前記第2縁部側仕切り(37)の長さ(L)は、前記長い縁部の方向における前記ポート(32,34)の最大寸法と同一またはそれよりも大きい請求項4に記載のプレート。
【請求項6】
前記第1縁部側仕切り(36)と前記第2縁部側仕切り(37)とが平行である請求項3から5のいずれか一項に記載のプレート。
【請求項7】
前記第1縁部側仕切り(36)および前記第2縁部側仕切り(37)が斜めの先端縁を有する請求項3から6のいずれか一項に記載のプレート。
【請求項8】
前記プレートを起点に生じ且つ前記入口ポート(74)と前記収集ポート(76)との間で延びる中央仕切り(71a,71b)をさらに備える請求項3から7のいずれか一項に記載のプレート。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の複数のプレート(30,70a,70b)を備えるプレートのコア(52)であって、
前記プレートは、対を形成する2つの隣接するプレート(30,70a,70b)が冷却されるべき流体のための循環チャネルを画定するとともに2つの異なる隣接する対の2つのプレート(30,70a,70b)が冷却流体のための循環チャネルを形成するように、他方の上面に一方が積み重ねられる、コア(52)。
【請求項10】
1つの同じ対のプレートとなった2つのプレート(30,70)の仕切り(36,37,71a,71b)が重なり合う請求項9に記載のコア(52)。
【請求項11】
1つの同じ対のプレート(30,70)となった2つのプレート(30,70a,70b)間には、冷却されるべき流体と冷却流体との間の熱の交換を促すようにタービュレータ(40)が配置され、
前記タービュレータ(40)は、前記仕切り(36,37,71a,71b)の高さとほぼ同じ高さを有する請求項9または請求項10に記載のコア(52)。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一項に記載のコア(52)を備える熱交換器(50)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の熱交換器のためのプレート、そのような熱交換器のプレートのコア、および、そのようなコアを備える熱交換器に関する。特に、本発明は給気冷却器の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ターボチャージャー付きエンジンと称されるターボチャージャーを備える自動車用のエンジンは既に良く知られている。そのようなターボチャージャー付きエンジンは、機能するために、空気の流入のためのシステムによって、または、空気とエンジンからの排気で収集される再循環排ガスと称される排ガスとの混合気の流入のためのシステムによって、給気される場合がある。エンジンのための充填空気という表現は、以下では、空気の流入のためのシステムからくる空気、および、空気と再循環排ガスとの混合気の流入のためのシステムからくる混合気の両方を示すために使用される。
【0003】
エンジンのための充填空気の密度を増大させるために、給気冷却器(RAS)とも称される熱交換器を用いて前記充填空気を冷却することが従来技術から良く知られている。
【0004】
まず、チューブ・挿入体タイプの給気冷却器が主に使用されており、このタイプの給気冷却器は、チューブ内で循環する充填空気と車両の外部からきてチューブ間で循環する空気流との間で熱の交換を可能にする。
【0005】
重ね合わされるプレートの積層体から形成されるコアを備え、充填空気と、冷却流体、一般的には液体との間の熱の交換を可能にする熱交換器も提案されてきた。プレートは、2つの横切るポートを備える長方形の長尺なパネルの形態を成す。積み重ねられたプレートは、冷却されるべき充填空気のための循環チャネルと、冷却流体のための循環チャネルとを交互に形成する。
【0006】
冷却されるべき充填空気は、上流側側面と称される熱交換器の側面のうちの一方を介して熱交換器内に入り、それにより、冷却されるべき充填空気のための循環チャネル内で循環して、冷却流体がその内側で循環する上下に位置されるプレートとの接触により冷却される。冷却された充填空気は、その後、下流側側面と称される反対側の側面を介して熱交換器から出る。“上流”および“下流”という表現も、明細書本文の残りの部分において、熱交換器のコア内での充填空気流のための入口および出口のそれぞれを示すために使用される。
【0007】
冷却流体を熱交換器内で循環させるために、冷却流体のための入口チャネルおよび収集チャネルがコアの一部に設けられる。したがって、プレートは、それらの2つのポートのそれぞれの周囲に、プレートが積み重ねられるときに冷却流体のためのこれらの入口チャネルおよび収集チャネルを形成するようにプレートの平面に対して垂直に延びる隆起縁部を備える。
【0008】
しかしながら、冷却流体のための入口チャネルおよび収集チャネルに対応する熱交換器のコアの部分は、熱の交換に関与しない。したがって、流体との熱の交換を促すことを意図する交換領域と、冷却流体のための入口チャネルおよび収集チャネルが形成される領域に対応する、流体が前記交換領域を迂回できるようにするバイパス領域と称される領域とが観察され得る。より具体的には、ポートの周囲に位置される空間は、冷却されない或いは冷却が不十分な充填空気の循環をコアの上流側から下流側へと許容し、そのため、伝熱性能に関して大きな不都合がもたらされる。
【0009】
熱交換器の上流側側面14に取り付けられるとともに充填空気流の一部がバイパス領域の位置で熱交換器のコア内に入らないようにすることができる壁12を備える
図1に示される装置10は、既に良く知られている。しかしながら、そのような装置は、特に組み付けの理由で、満足できない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
状況を改善するため、本発明は、熱交換器のためのプレートであって、前記プレートが、熱交換器の他のプレートと積み重ねられて、冷却されるべき流体の
通過(循環
)を前記プレート間で許容するべく配置されるプレートの対を形成するようになっており、プレートが、流体との熱の交換を促すことを意図する交換領域と称される領域と、流体が前記交換領域を迂回できるようにし得るバイパス領域と称される領域とを有し、交換領域内で流体を強制的に
通過(循環
)させるように構成されるプレートを起点に生じる手段を更に備えることを特徴とするプレートに関する。
【0011】
このように、バイパス領域は、プレートを起点に生じる手段により形成される。したがって、これらの手段は、プレートの製造時に形成され、もはや、先の解決策の場合のようにコアに取り付けられる必要がない。
【0012】
好ましくは、プレートを起点に生じる手段は、プレートの平面に対して垂直に延びる。そのような形態は、交換領域へ向かう流体の循環を容易にする。
【0013】
有利には、プレートは、2つの上流側縁部および下流側縁部を備えるパネルの形態を成すとともに、冷却流体用の入口ポートおよび前記冷却流体用の収集ポートをバイパス領域に備え、プレートを起点に生じる手段は、プレートの上流側縁部から延びて入口ポートの高さで流体の
通過(循環
)を遮断するように構成される上流側仕切り、および/または、プレートの下流側縁部から延びて収集ポートの高さで流体の
通過(循環
)を遮断するように構成される下流側仕切りを備える。
【0014】
本発明の1つの態様によれば、上流側仕切りおよび/または下流側仕切りの長さは、上流側および/または下流側縁部の方向におけるポートの最大寸法と同一またはそれよりも大きい。したがって、冷却されるべき流体はその全体が交換領域へと方向付けられ、そのため、熱交換器がより一層効率的となる。
【0015】
本発明の更なる態様によれば、プレートは、長方形であって、2つの長い縁部と2つの短い縁部とを有し、前記長い縁部が前記上流側縁部および前記下流側縁部を規定し、入口ポートおよび収集ポートが短い縁部のうちの一方に近接する領域で穿孔される。
【0016】
本発明の1つの態様によれば、上流側仕切りと下流側仕切りとが平行である。
【0017】
本発明の1つの態様によれば、上流側仕切りおよび下流側仕切りが斜めの先端縁を有する。
【0018】
本発明の更なる態様によれば、
プレートは、プレートを起点に生じ
且つ入口ポートと収集ポートとの間で延びる中央仕切りを
さらに備える。
【0019】
また、本発明は、先に規定された複数のプレートを備えるコアであって、前記プレートは、対を形成する2つの隣接するプレートが冷却されるべき流体のための循環チャネルを画定するとともに2つの異なる隣接する対の2つのプレートが冷却流体のための循環チャネルを形成するように上下に積み重ねられる、コアに関する。
【0020】
本発明の1つの態様によれば、プレートの1つの同じ対の2つのプレートの仕切りが重なり合う。
【0021】
有利には、プレートの1つの同じ対の2つのプレート間には、冷却されるべき流体と冷却流体との間の熱の交換を促すようにタービュレータが配置され、前記タービュレータは、仕切りの高さとほぼ同じ高さを有する。
【0022】
また、本発明は、先に規定されたコアを備える熱交換器にも関連する。
【0023】
本発明の他の特徴および利点は、非限定的な一例として与えられる添付図面に関連してなされる以下の説明から理解できる。同一の参照符号が同様の対象に対して与えられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】既に解説済の、熱交換器のコアの良く知られたプレートの平面図である。
【
図2】良く知られた熱交換器の部分分解斜視図である。
【
図4】本発明に係る一対のプレートの斜視図であり、これらのプレート間にタービュレータが挿入される。
【
図5】一方のプレートの仕切りと他方のプレートの仕切りとの重ね合わせを示す本発明に係る一対のプレートの部分断面図である。
【
図6】本発明に係る複数のプレート対を備える熱交換器の斜視図である。
【
図7】冷却液のための入口ポートと収集ポートとの間に仕切りを備える本発明に係る一対のプレートの部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図2は、プレートの良く知られたコア21を有する良く知られた熱交換器20を描いている。なお、本発明に係るプレートは、良く知られたプレートの代わりにこのタイプの熱交換器で利用されてもよいことに留意されたい。
【0026】
そのような熱交換器20は、冷却されるべき流体と冷却液との間の熱の交換を可能にする。明細書本文の残りの部分では、冷却されるべき流体が空気である。このことは、本発明の範囲に何ら限定的な効果を与えず、そのため、熱交換器の他のタイプでは、冷却されるべき流体が他のガスとなり得る。
【0027】
図2に示される熱交換器20は、
−冷却流体用の入口パイプ23aと、前記冷却液用の収集パイプ23bとを備える上壁22と、
−2つの側壁24a,24bと、
−1つの開放した上流側側面(見えない)および1つの開放した下流側側面26と、
−下壁と、
−下壁と上壁22との間で上下に積み重ねられたプレート25の複数の対を備えるコア21
を備える。
【0028】
そのようなコア21は、充填空気と、冷却流体、一般に液体との間の熱の交換を可能にする。このため、積み重ねられたプレート25は、冷却されるべき充填空気のための循環チャネルと、冷却流体のための循環チャネルとを交互に形成する。より具体的には、1つの同じ対の2つのプレート25は、冷却されるべき充填空気のための循環チャネルを形成し、また、2つの異なる隣接する対の2つのプレート25は、冷却流体のための循環チャネルを形成する。
【0029】
熱交換器20のコア21のプレート25間で冷却流体を循環させるため、冷却流体のための入口チャネルおよび収集チャネルがコア21の一部に設けられる。
【0030】
熱交換器20の入口パイプ23aおよび収集パイプ23bはそれぞれ、冷却流体用の循環チャネル内の冷却流体の流入および収集を可能にする。
【0031】
冷却されるべき空気を流入させるため、冷却されるべき空気のための入口ボックス28が熱交換器20の開放した上流側側面に設置されてもよい。同様に、空気を収集するために、熱交換器20のプレート間を通過することにより冷却された後に、冷却された空気のための収集ボックス29が熱交換器20の開放した下流側側面26に設置されてもよい。
【0032】
したがって、冷却流体は、入口パイプを介して熱交換器に入って、入口チャネル内で循環し、冷却流体用の循環チャネル内に積層されるプレートの対間で循環した後、収集チャネルを介して、その後に収集パイプを介して、熱交換器から出る。
【0033】
従来技術の前述した欠点の一部を排除するため、本発明は、
図3に示されるように、熱交換器のためのコアのプレート30に関連する。そのようなプレート30は、ここでは、長手方向軸Xに沿って平面P内で延びるとともに、上面(31a)と、下面(見えない)と、2つの末端31b,31cと、プレート30の末端のうちの一方31bに近接する領域に設けられる冷却流体用の入口ポート32および冷却流体用の収集ポート34とを備える、長方形の長尺なパネルの形態を成して存在する。プレートはボウルの形態を成し(
図3では逆さにされる)、冷却流体用の1または複数の循環チャネルを規定するために入口ポート32および収集ポート34がボウルの底部と連通する。
【0034】
プレート30は、冷却流体用の入口ポート32の周囲に、プレート30の平面Pに対して垂直に延びる縁部33を備える。同様に、プレート30は、冷却流体用の収集ポート34の周囲に、プレート30の平面Pに対して垂直に延びる縁部35を備える。縁部33,35は、プレート30の積層体により形成されるコアの高さに関して、冷却流体用の入口チャネルおよび収集チャネルのそれぞれをプレートの平面Pに対して垂直に形成できるようにする。
【0035】
プレート30は、空気と冷却流体との間の熱の交換を促すことを意図する交換領域ZEと称される領域と、空気が前記交換領域ZEを迂回できるようにし得るバイパス領域ZBPと称される領域とを有する。
【0036】
図3に示される本発明に係るプレート30では、プレートを起点に生じる手段が、交換領域ZE内で流体を強制的に循環させるように構成される。これらの手段は、ここでは、以下の形態を成す。
−ポート32の高さで、プレート30の長手方向軸に対して垂直な軸に沿って、プレート30の平面Pに対して略垂直に、プレート30の縁部から延びる長さLを有する上流側仕切り36、および、
−ポート34の高さで、プレート30の長手方向軸に対して垂直な軸に沿って、プレート30の平面Pに対して略垂直に、プレート30の縁部から延びる長さLを有する下流側仕切り37。
【0037】
したがって、バイパス領域ZBPは、上流側仕切り36と下流側仕切り37との間で延びる。交換領域はプレート30の残りの部分にわたって延びる。また、前記バイパス領域ZBPの高さにおける空気の通過が遮断される。
【0038】
本発明に係る2つのプレート30は、プレート30の対として、冷却されるべき空気流Fのための循環チャネルを形成するように、
図4に示されるように上下に組み付けられてもよい。より具体的には、
図3に示されるプレート30が、逆さにされるとともに、前記対を形成するように
図3に示される他方の逆さにされないプレート30上に配置されてもよい。なお、プレート30の平面Pに対して垂直にポートの輪郭から延びる縁部33,35のサイズは、それらの縁部が相補的であるとともに2つのプレートが単一の対として組み付けられる際に入口チャネルおよび収集チャネルを形成するべく縁部同士が嵌合するように、1つの同じプレート対の2つのプレート間で異なってもよい。
【0039】
図4に示されるように、内部挿入体またはタービュレータ40が、例えば組み付け前に、プレート30の対の2つのプレート30間に挿入されてもよい。そのようなタービュレータ40は、熱の交換を向上できるようにする。
【0040】
バイパス領域ZBPは、上流側仕切り36と、下流側仕切り37と、プレート30の対として組み付けられる2つのプレート30との間に形成される空間によっておおむね規定される。交換領域ZEは、タービュレータ40が挿入される空気の循環のための空間によって、プレート30の対として組み付けられる2つのプレート30間におおむね規定される。
【0041】
プレート30の組み付けられた対のプレート30の長手方向軸Xに対して垂直な断面図である
図5に示されるように、仕切り36,37のそれぞれの先端36’,37’は、仕切り36,37が容易に重ね合わされる、重なり合う、或いは、互いに嵌合するように構成されてもよい。
【0042】
この目的のため、仕切り36,37は、例えば、斜めの先端縁を有してもよい。
図5において、先端36’は、2つのプレート30の組み付けによって画定される空間の内部へ向けて曲げられ、また、先端37’は、2つのプレート30の組み付けによって画定される空間の外部へ向けて曲げられる。したがって、2つのプレートがプレート30の対として組み付けられるように重ね合わされる際には、先端36’,37’の対向する湾曲部が2つのプレート30の組み付けを更に容易にする。
【0043】
同じ目的のため、1つの同じプレート30の仕切り36,37は、前記プレート30の長手方向軸Xに対して対称ではない。したがって、1つの同じプレート対の2つの同じプレート30が一方のプレートを他方のプレートに対して長手方向軸X周りに180°回転させた状態で互いに対向すると、一方のプレートの仕切り36は、他方のプレートの仕切り37に対して、プレート30の小さい側面の方向にオフセットされ、それにより、プレートの重ね合わせが容易になる。
【0044】
図6に示されるように、プレート30の対が熱交換器50内に設置されると、空気流Fは、冷却されるべき空気のための循環チャネルを画定するプレート30のそれぞれの対間で、上流側から下流側へ向けて、2つの異なる対のプレート30間の冷却流体循環用の各チャネル内で循環する冷却流体により冷却されるように、コア52を通過する。
【0045】
プレート30の材料から形成される仕切り36,37は、プレート30を積み重ねることによって、空気流Fを熱交換器50の上流側側面の高さで遮断できるようにする上流壁(見えない)を形成するとともに、空気流Fを熱交換器50の下流側側面の高さで遮断できるようにする下流壁54を形成する。したがって、上流壁および下流壁54は、コアのバイパス領域の高さで空気の循環を防止する。交換領域ZEは、冷却されるべき空気の循環のために開放するコアの上流部と下流部との間に画定される。
【0046】
なお、
図6では、明確にするため、入口パイプ23aおよび収集パイプ23bが部分的にのみ描かれ、また、熱交換器50の下壁51が見える。
【0047】
前述の実施形態において、交換領域ZE内で流体を強制的に循環させるように構成されるプレートを起点に生じる手段は、熱交換器50の上流面および下流面26の両方に配置される。本発明の更なる実施形態では、プレートを起点に生じる手段を例えば熱交換器50の上流面だけに配置することができる。
【0048】
図7に示される実施形態において、プレート70は、冷却流体のための循環チャネルを形成する入口ポート74と収集ポート76との間で延びる中央仕切りを備える。この場合のこの中央仕切りは、2つのプレート70a,70bの材料から形成されるとともに、交換領域ZEとバイパス領域ZBPとの間で空気流を遮断するようにプレート70a,70bに対して略垂直に延びる2つの隆起縁部71a,71bを備える。また、中央仕切りは、交換領域ZEとバイパス領域ZBPとの間での空気流の遮断を向上させるために、入口ポート74と収集ポート76との間に隆起縁部72a,72bを更に備える。
【0049】
入口ポート74と収集ポート76との間で冷却流体を案内するべく配置されるプレート70bのボウル形状形態73もこの図から理解され得る。
【0050】
プレート30およびコアの残りの部分は、有利には、金属、例えばアルミニウムおよび/またはアルミニウム合金から形成される。