【実施例】
【0121】
以下のHPLC−MS法を化合物の分析に用いた。
方法A:
スペクトルを、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンまたは陰イオン、細管:3.00kV、コーン:30.00V、抽出器:2.00V、ソース温度:100℃、脱溶媒温度:250℃、コーンガス流:50L/Hr、脱溶媒ガス流:400L/Hr、質量範囲:100〜900Da)を備えるWaters製のZQ Mass Spectrometer(シングル四重極型質量分析計)、および、Agilent 1100 LC(溶剤デガッサ、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器)で記録した。カラム:Phenomenex Gemini C18、3μm、30×3mm、温度:60℃、DAD波長範囲(nm):210〜500、溶剤勾配:A=水+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH:;勾配:0分0%B;2〜2.8分100%B;2.9〜3分0%B。流量(ml/min)1.7。
【0122】
方法B:スペクトルは、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンおよび陰イオン、毛管:3.00kV、コーン:30.00V、抽出器:2.00V、ソース温度:150℃、脱溶媒温度:250℃、コーンガス流:0L/Hr、脱溶媒ガス流:650L/Hr、質量範囲:100〜900Da)と、Waters製Acquity UPLC(バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器、溶剤デガッサ、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器、カラム:Phenomenex Gemini C18、3μm、30×2mm、温度:60℃、流量0.85mL/min;DAD波長範囲(nm):210〜500)溶剤勾配:A=H
2O+5% MeOH+0.05% HCOOH、B=アセトニトリル+0.05% HCOOH)とを備える質量分光計であるWaters製SQD質量分光計(シングル四重極型質量分析計)で記録した:勾配:0分0%B;0〜1.2分100%B;1.2〜1.50分100%B。
【0123】
方法C:
スペクトルを、エレクトロスプレーソース(極性:陽イオンまたは陰イオン、細管:3.00kV、コーン:30.00V、抽出器:2.00V、ソース温度:150℃、脱溶媒温度:350℃、コーンガス流:50L/Hr、脱溶媒ガス流:400L/Hr、質量範囲:100〜900Da)を備えるWaters製のZQ Mass Spectrometer(シングル四重極型質量分析計)、および、Waters製のAcquity UPLC(溶剤デガッサ、バイナリポンプ、被加熱カラムコンパートメントおよびダイオード−アレイ検出器)で記録した。カラム:Waters UPLC HSS T3、1.8μm、30×2.1mm、温度:60℃、DAD波長範囲(nm):210〜500、溶剤勾配:A=水+5%MeOH+0.05%HCOOH、B=アセトニトリル+0.05%HCOOH:勾配:0分10%B;1.2〜1.50分100%B。流量(ml/min)0.85。
【0124】
以下の略語を本セクションを通じて用いた:s=一重項;bs=幅広の一重項;d=二重項;dd=二重の二重項;dt=二重の三重項;t=三重項、tt=三重の三重項、q=四重項、m=多重項;Me=メチル;Et=エチル;Pr=プロピル;Bu=ブチル;M.p.=融点;RT=保持時間、MH
+=分子カチオン(すなわち、計測分子量)。
【0125】
実施例1:(3E,3aR,8bS)−8,8−ジメチル−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(P1)
ステップ1:
ベンジル2−(2−メチル−6−オキソ−シクロヘキセン−1−イル)アセテート
【化13】
酸(Org.Proc.Research & Dev 1997,p.222)(2.0g、11.9mmol)のMeOH(20mL)中の溶液を炭酸セシウム(1.93g、5.94mmol)と共に1時間撹拌し、溶剤を減圧中で除去した。残渣をDMF(20mL)中に採り、臭化ベンジル(1.84mL、15.5mmol)を添加した。この溶液を一晩室温で撹拌した。この溶液をジエチルエーテル(100mL)で希釈し、沈殿物をろ過により除去した。ろ液を塩水で洗浄し(3×50mL)、乾燥させ、濃縮した。この残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(9/1〜4/1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、無色の油(2.8g、90%)として所望の化合物を得た;
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)7.31〜7.41(5H,m),5.12(2H,s),3.43(2H,s),2.42(4H,s),1.99(2H,quin,J=6.2Hz),1.93(3H,s)。
【0126】
ステップ2:ベンジル2−[6,6−ジメチル−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)シクロヘキセン−1−イル]アセテート:
【化14】
−20℃で冷却したヨウ化銅(1.66g、8.71mmol)のジエチルエーテル(20mL)中の懸濁液に、メチルリチウム(ジエチルエーテル中に1.6M、10.8mL、17.4mmol)をゆっくりと添加した。この溶液を−15℃でヨウ化銅が完全に溶解するまで30分間撹拌し、次いで、ジエチルエーテル(5mL)中のベンジル2−(2−メチル−6−オキソ−シクロヘキセン−1−イル)アセテート(1.50g、5.80mmol)を−20℃で添加した。この溶液を−20℃で10分間撹拌した。次いで、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)−5−クロロ−2−ピリジルアミン試薬(2.73g、7.00mmol)をTHF(10mL)中に添加し、溶液を0℃で15分間撹拌した。飽和塩化アンモニウム、続いて、ヘキサン/酢酸エチル(9/1、100mL)を添加した。青色/白色の沈殿物をろ過し、ろ液をヘキサンおよび酢酸エチル(9/1)の混合物で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。この残渣を、シクロヘキサンおよびエチルアセテート(25/1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、表題の化合物を無色の油(1.90g、80%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.30〜7.44(5H,m),5.15(2H,s),3.22(2H,s),2.43(2H,t,J=6.4Hz),1.79(2H,m),1.52(2H,m),1.03(6H,s)ppm。
【0127】
ステップ3:ベンジル2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)アセテート:
【化15】
ベンジル2−[6,6−ジメチル−2−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)シクロヘキセン−1−イル]アセテート(2.30g、5.66mmol)のジオキサン(10mL)中の溶液をアルゴンでパージした。次いで、アリルスタナン(2.10mL、6.79mmol)、パラジウムトリフェニルホスフィンテトラキス(327mg、0.28mmol)および塩化リチウム(360mg、8.49mmol)を添加した。この溶液を還流で7時間加熱し、次いで、濃縮して粗黄色の油を得、これを、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(25/1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して表題の化合物を無色の油(1.55g、92%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.33〜7.40(5H,m),5.72(1H,ddt,J=16.8,10.5,6.2Hz),5.11(2H,s),4.97(1H,dt,J=16.8,1.5Hz),4.96(1H,dt,J=10.5,1.5Hz),3.11(2H,s),2.71(2H,d,J=6.2Hz),2.00(2H,t,J=6.2Hz),1.58〜1.65(2H,m),1.46〜1.50(2H,m),0.97(6H,s)ppm。
【0128】
ステップ4:2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)酢酸:
【化16】
ベンジル2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)アセテート(1.5g、5.02mmol)のジオキサン(12mL)および水(4mL)中の溶液に、NaOH(2M、5.5mL)を添加した。この溶液を100℃に30時間加熱した。この溶液を減圧中で濃縮し、水を添加した。水性層をエーテルで2回抽出し、有機層を除去した。次いで、水性層のpHを1に調節した。この溶液を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、所望の生成物を無色の油(1.05g、定量的)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ5.77(1H,dd,J=16.9,10.3Hz),4.88〜5.09(2H,m),3.13(2H,s),2.74(2H,d,J=6.2Hz),1.96〜2.08(2H,m),1.59〜1.69,(2H,m),1.43〜1.57(2H,m),0.98〜1.06(6H,s)ppm。
【0129】
ステップ5:2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン:
【化17】
2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)酢酸(80mg、0.38mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(103mg、0.54mmol)および1−ヒドロキシ−7−アザ−ベンゾトリアゾール(73mg、0.54mmol)のDMF(2mL)中の溶液に、ピロリジン(55mg、0.77mmol)、続いて、Et
3N(117mg、1.15mmol)を添加した。溶液を、Ar下で18時間撹拌した。水(20mL)を添加し、溶液をエーテルで抽出した(3×20mL)。組み合わせた有機層を水(3×30mL)および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。この残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(4−1〜3/1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、表題の化合物を無色の油(82mg、82%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ5.75(1H,ddt,J=16.7,10.5,6.1,6.1Hz),4.93(2H,m,J=19.1,1.8Hz),4.93(0H,dd,J=8.1,1.8Hz),3.44(4H,td,J=6.8,4.0Hz),2.93(2H,s),2.64(2H,d,J=5.9Hz),1.89〜2.02(4H,m),1.82(2H,quin,J=6.6Hz),1.58(2H,d,J=11.7Hz),1.43〜1.50(2H,m)0.90〜0.99(6H,s)ppm。
【0130】
ステップ6:3,3−ジメチル−2a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−シクロブタ[a]インデン−2−オン:
方法1
【化18】
2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)−1−ピロリジン−1−イル−エタノン(60mg、0.23mmol)のジクロロメタン(3mL)中の溶液に、コリジン(31mg、0.25mmol)、続いて、トリフリック無水物(71mg、0.25mmol)のジクロロメタン(1mL)中の溶液を添加した。この溶液を室温で4時間撹拌した。コリジン(31mg、0.25mmol)およびトリフリック無水物(71mg、0.25mmol)を再度添加し、溶液を、1時間撹拌した。溶剤を減圧中で除去し、残渣を四塩化炭素(2mL)および水(2mL)中にとった。二相混合物を還流に2時間加熱した。ジクロロメタン(20mL)を添加し、水性層をジクロロメタン(20mL)で抽出した。組み合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮した。この残渣をシクロヘキサン中の5%酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、32mgの無色の油(79%)を得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ4.11〜4.22(1H,m),3.08(1H,ddd,J=17.2,7.7,4.8Hz),2.56〜2.75(3H,m),2.21(2H,dd,J=16.1,3.7Hz),1.85〜1.97(2H,m),1.59(2H,quin,J=6.2Hz),1.26〜1.43(2H,m),0.95(6H,s)ppm;ES+:191(M+H+)
方法2
【化19】
2−(2−アリル−6,6−ジメチル−シクロヘキセン−1−イル)酢酸(424mg、2.04mmol)のジクロロメタン(50mL)中の溶液に、Ghosez試薬(326mg、2.44mmol)を添加した。この溶液を1時間撹拌し、次いで、還流に加熱した。次いで、トリエチルアミン(0.567mL、4.08mmol)のジクロロメタン(1mL)中の溶液を5分間かけてゆっくりと添加し、溶液を還流で2時間加熱した。次いで、この溶液を室温に冷却し、ジクロロメタンをさらに添加した(20mL)。この溶液をHCl(1M)で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。この残渣を、シクロヘキサン中の5%酢酸エチルで溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して、310mgの無色の油(79%)を得た(方法Aと同等のデータ)。
【0131】
ステップ7:8,8−ジメチル−1,3,3a,4,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−2−オン:
【化20】
3,3−ジメチル−2a,4,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−1H−シクロブタ[a]インデン−2−オン(150mg、0.79mmol)のジクロロメタン(3mL)中の溶液に、アミノ2,4,6−トリメチルベンゼンスルホネート(水中に60%、0.280mg、0.86mmol)(Organic Process Research and Development 2009,p.263)を添加した。この溶液を室温で1時間撹拌し、溶液をジクロロメタン(10mL)で希釈し、飽和NaHCO
3で洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して所望のラクタムを白色の固体(200mg、定量的)として得た。この残渣を、さらに精製することなく次のステップにおいて用いた。LCMS(方法A)RT=1.61min、206(M+H
+);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.26(1H,br.s.),4.53(1H,d,J=7.0Hz),2.80〜3.02(1H,m),2.50〜2.69(2H,m),2.05〜2.22(2H,m),1.92(2H,q,J=6.2Hz),1.57〜1.78(2H,m,)1.30〜1.50(2H,m),1.05(3H,s),1.04(3H,s)ppm。
【0132】
ステップ8:T−ブチル8,8−ジメチル−2−オキソ−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3H−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート:
【化21】
粗8,8−ジメチル−1,3,3a,4,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(200mg、0.974mmol)のジクロロメタン(10mL)中の溶液に、ジ−t−ブチルジカーボネート(414mg、1.94mmol)、Et
3N(0.272mL、1.94mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(12mg、0.097mmol)を添加した。この溶液を24時間撹拌した。この溶液を1N HClで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。この残渣を、酢酸エチルおよびシクロヘキサン(1/9〜3/7)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して133mgの黄色の油を得た(2ステップで55%)。LCMS(方法B)RT=1.17min、634(2M+Na+);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ5.31(1H,d,J=7.3Hz),2.84(1H,ddd,J=16.5,9.2,7.3Hz),2.65(1H,dd,J=17.6,9.2Hz),2.41(1H,dd,J=16.1,7.0Hz),2.25(1H,dd,J=17.6,10.3Hz),2.01(3H,s),1.53〜1.66(11H,m),1.39〜1.52(2H,m),1.16(3H,s),0.99(3H,s)ppm。
【0133】
ステップ9:T−ブチル(3E)−3−(ジメチルアミノメチレン)−8,8−ジメチル−2−オキソ−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート:
【化22】
t−ブチル8,8−ジメチル−2−オキソ−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3H−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート(110mg、0.36mmol)のトルエン(2mL)中の溶液に、ブレデレック試薬((t−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン)(0.30mL、1.44mmol)を添加した。この溶液を110℃に5時間加熱した。この溶液を室温に冷却し、水を添加した。この溶液を酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。この残渣を、シクロヘキサンおよび酢酸エチル(7/3〜1/1)で溶離するフラッシュクロマトグラフィにより精製して白色の固体(83mg、64%)を得た。Mp170〜172℃;LCMS(方法B)RT=1.14min、361(M+H+);
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.10(1H,d,J=1.8Hz),5.27(1H,d,J=8.1Hz),3.65(1H,tt,J=8.1,1.8Hz),2.99(6H,s),2.24(1H,d,J=15.4Hz),1.75〜1.97(2H,m),1.49〜1.60(11H,m),1.38〜1.46(1H,m),1.32(1H,m),1.19(3H,s),0.97(3H,s)ppm。
【0134】
ステップ10:(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−8,8−ジメチル−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン:
【化23】
t−ブチル(3E)−3−(ジメチルアミノメチレン)−8,8−ジメチル−2−オキソ−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート(83mg、0.23mmol)のTHF(2mL)中の溶液に、1N HCl(0.35mmol)を添加した。この溶液を室温で3時間撹拌し、水を添加した。この溶液を酢酸エチル(2×30mL)で抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して、黄色の油(78mg、定量的)を得た。この生成物を0℃でジクロロメタン(2mL)中にとり、トリフルオロ酢酸(0.2mL)を添加した。この溶液を0℃で30分間撹拌し、飽和NaHCO
3を添加した。この溶液をジクロロメタンで抽出し、乾燥させ、濃縮して表題の化合物を得、これを粗生成物として次のステップに用いた(55mg、定量的)。LCMS(方法A):RT=1.54min、ES+234(M+H+)。ES−232(M−H+)。
【0135】
ステップ11:(3E,3aR,8bS)−8,8−ジメチル−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(P1)
【化24】
0℃で、(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−8,8−ジメチル−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(55mg、0.23mmol)のDMF(2mL)中の溶液に、カリウムtertブトキシド(35mg、0.283mmol)を添加した。30分後、ジクロロメタン(0.5mL)中のブロモブテノリド(54mg、0.30mmol、Johnson & all,J.C.S.Perkin I,1981,1734−1743に準拠して調製した)を添加し、この溶液を1時間撹拌した。水を反応混合物に添加し、この溶液を酢酸エチルで抽出し(3×15mL)、塩水で洗浄し(3×15mL)、乾燥させ、濃縮した。この残渣をフラッシュクロマトグラフィ(CyH/EA、1/1〜1/4)により精製して、ジアステレオ異性体P1を低極性異性体として、および、B1を強極性異性体として得た。
P1:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δppm 7.22(1H,d,J=2.6Hz),6.91(1H,t,J=1.5Hz),6.11(1H,t,J=1.5Hz),5.96(1H,br.S),4.61(1H,d,J=7.7Hz),3.59(1H,ddq,J=9.9,7.7,2.3Hz),2.71(1H,dd,J=16.9,9.9Hz),2.25〜2.37(1H,m),2.02(3H,t,J=1.5Hz),1.86〜1.96(2H,m),1.58〜1.68(2H,m),1.36〜1.49(2H,m),1.06(3H,s),1.05(3H,s)。LCMS(方法B):RT=0.94min、ES+330(M+H+)。
B1:
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δppm 7.22(1H,d,J=2.6Hz),6.91(1H,t,J=1.5Hz),6.11〜5.96(2H,m),4.59(1H,d,J=7.7Hz),3.59(1H,ddq,J=9.9,7.7,2.3Hz),2.71(1H,dd,J=16.9,9.9Hz),2.25〜2.37(1H,m),2.01(3H,t,J=1.5Hz),1.86〜1.96(2H,m),1.58〜1.69(2H,m),1.36〜1.50(2H,m),1.06(3H,s),1.05(3H,s)。LCMS(方法B):RT=0.93min、ES+330(M+H+)。
【0136】
(3E,3aR,8bS)−8,8−ジメチル−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(P9)
【化25】
これらの化合物は、(3E)−3−(ヒドロキシメチレン)−8,8−ジメチル−3a,4,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オンC1と、2−クロロ−3,4−ジメチル−2H−フラン−5−オン(Tetrahedron,1978,34,1935−1942)と、ジアステレオ異性体P9およびB9の混合物とから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=0.75min、ES+344(M+H
+)。
【0137】
実施例2:(3E,3aR,4aS,8bS)−3−[[(2R)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−1,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−2−オンの合成
ステップ1:
T−ブチル2−(2−アリルシクロヘキシリデン)アセテート
【化26】
−10℃で、ジイソプロピルアミン(6.60mL、46.6mmol)のTHF(200mL)中の溶液に、n−ブチルリチウム(20.4mL、44.4mmol)の2.22M溶液を添加した。この溶液を−10℃で15分間撹拌し、−78℃に冷却し、1mLのTHF中のt−ブチル2−トリメチルシリルアセテート(9.7mL、44.4mmol)を滴下した。この溶液を−78℃で15分間撹拌し、2−アリルシクロヘキサノン(3.3mL、22.2mmol)を滴下した。この反応混合物を−78℃で1時間、および、−25℃で3時間撹拌した。次いで、これを飽和NH
4Clで失活させ、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン)による精製で、tert−ブチル2−(2−アリルシクロヘキシリデン)アセテート(5.06g、96%)を無色の液体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)5.62(1H,m),5.41(1H,s),4.89(2H,m),3.83(1H,m),2.16(3H,m),1.90(1H,m),1.73(1H,m),1.61(1H,m),1.47〜1.22(4H,m),1.36(9H,s)。
【0138】
t−ブチル2−(2−アリルシクロペンチリデン)アセテート
【化27】
この化合物を、2−アリルシクロペンタノンから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=1.28min;ES+167(M−tBu+H
+)。
【0139】
ステップ2:2−(2−アリルシクロヘキシリデン)酢酸
【化28】
室温で、t−ブチル2−(2−アリルシクロヘキシリデン)アセテート(1.00g、4.230mmol)のジクロロメタン(40mL)中の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.688mL、8.883mmol)を添加し、この溶液を、室温で一晩撹拌した。次いで、溶剤を蒸発させ、過剰量のトリフルオロ酢酸をトルエンとの共蒸発により除去して、2−(2−アリルシクロヘキシリデン)酢酸(768mg、100%)を無色の油として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)5.59(1H,m),5.46(1H,s),4.82(2H,m),3.36(1H,m),2.19(1H,m),2.12(2H,m),1.93(1H,m),1.71(1H,m),1.61(1H,m),1.55(1H,m),1.47(2H,m),1.22(1H,m)。
【0140】
2−(2−アリルシクロペンチリデン)酢酸
【化29】
この化合物を、t−ブチル2−(2−アリルシクロペンチリデン)アセテートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=0.90min;ES+167(M+H+)。
【0141】
ステップ3:1,2a,4,5,6,6a,7,7a−オクタヒドロシクロブタ[a]インデン−2−オン
【化30】
2−(2−アリルシクロヘキシリデン)酢酸(800mg、4.44mmol)のジクロロメタン(200mL)中の溶液をGhosez試薬(5.77mmol、0.795mL)に室温で添加した。この溶液を酸塩化物が形成されるまで45分間撹拌した。次いで、N,N−ジメチルアミノピリジン(55mg、0.45mmol)を添加し、この溶液を還流に加熱した。トリエチルアミン(8.9mmol、1.25mL)のジクロロメタン(3.75mL)中の溶液を30分間かけて滴下した。この溶液をさらに1時間還流し、溶剤を留出した。フラッシュクロマトグラフィ(ペンタン/Et
2O95/5)による精製で、1,2a,4,5,6,6a,7,7a−オクタヒドロシクロブタ[a]インデン−2−オン(600mg、83%)を、四置換位置異性体20%を含む無色の液体として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)5.59(1H,brs),3.92(1H,brs),3.21(1H,dddd),2.92(1H,m),2.73(1H,m),2.51(1H,m),2.04(4H,m),1.79(1H,m),1.48(2H,m),1.05(1H,m)。
【0142】
1,2a,4,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロシクロブタ[a]ペンタレン−2−オン
【化31】
この化合物を、唯一の位置異性体として2−(2−アリルシクロペンチリデン)酢酸から開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=1.01min;ES+149(M+H
+)。
【0143】
ステップ4:3,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン
【化32】
1,2a,4,5,6,6a,7,7a−オクタヒドロシクロブタ[a]インデン−2−オン(3.70mmol、0.600g)のジクロロメタン(40mL)中の溶液に、O−メシチレンスルホニルヒドロキシルアミン(4.44mmol、1.47g)を添加し、溶液を、室温で3時間撹拌した。混合物を飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)による精製でラクタム(562mg、85%)を、四置換位置異性体20%を含む黄色の油として得た。
1H NMR(400MHz,MeOD)5.53(1H,d),4.30(1H,d),2.97(1H,m),2.63(2H,m),2.50(1H,m),2.04(4H,m),1.83(1H,m),1.68(1H,m),1.51(1H,m),1.39(1H,m),1.02(1H,m).);LCMS(方法B):RT=0.76min;ES+178(M+H
+)。
【0144】
3,3a,4,5,6,7,8,8b−オクタヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン
【化33】
3,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(600mg、3.38mmol)のクロロホルム−d−3(4mL)中の溶液に、アルゴン下で、トリフリック酸(0.152mL)を添加し、この溶液を、40℃で4時間撹拌した。この溶液を冷却し、セライトに通し、ジクロロメタンで洗浄し、蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)による精製で3,3a,4,5,6,7,8,8b−オクタヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(322mg、53%)をオレンジ油として得た。LCMS(方法B):0.76min;ES+178(M+H
+)。
【0145】
(3aR,4aS,7bS)−1,3,3a,4,4a,5,6,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オン
【化34】
この化合物を、1,2a,4,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロシクロブタ[a]ペンタレン−2−オンから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=0.69min;ES+164(M+H
+)。
【0146】
1,3,3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−デカヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オン
【化35】
この化合物を、1,2a,4,5,5a,6,6a−ヘキサヒドロシクロブタ[a]ペンタレン−2−オンから開始して同様の手法を用い、3当量のO−メシチレンスルホニルヒドロキシルアミンを用い、一晩反応させて調製した。LCMS(方法C):RT=0.71min;ES+166(M+H
+)。
【0147】
ステップ5:
t−ブチル−2−オキソ−3,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化36】
3,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オン(547mg、3.08mmol)のCH
2Cl
2(30mL)中の溶液に、ジ−t−ブチルジカーボネート(2.1mL、9.25mmol)、Et
3N(1.3mL、9.25mmol)およびN,N−ジメチルアミノピリジン(38mg、0.31mmol)を添加した。この溶液を20時間撹拌し、水中に注ぎいれ、CH
2Cl
2で抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン/酢酸エチル3/1)により精製して、所望の化合物を、四置換位置異性体20%を含む黄色の油(403mg、47%)として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)6.01(1H,brs),4.81(1H,d),2.78(2H,m),2.44(1H,m),2.27(1H,m),2.02(4H,m),1.81(2H,m),1.51(9H,s),1.32(1H,m),0.99(1H,m);LCMS(方法B):RT=1.09min;ES+577(2M+Na
+)。
【0148】
t−ブチル−2−オキソ−(3aR,4aS,7bS)、3,3a,4,4a,5,6,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化37】
この化合物を、1,3,3a,4,4a,5,6,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンから開始して同様の手法を用いて調製した;LCMS(方法C):RT=1.02min;ES+286(M+Na
+)。
【0149】
t−ブチル2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−3H−ペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化38】
この化合物を、1,3,3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−デカヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンから開始して同様の手法を用いて調製した;LCMS(方法B):RT=1.04min;ES+288(M+Na
+)。
【0150】
t−ブチル(3aR,8bS)−2−オキソ−3,3a,4,5,6,7,8,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化39】
この化合物を、3,3a,4,5,6,7,8,8b−オクタヒドロ−1H−インデノ[1,2−b]ピロール−2−オンから開始して同様の手法を用いて調製した;LCMS(方法C):RT=1.09min;ES+577(2M+Na
+)。
【0151】
ステップ6:
t−ブチル(3E,3aR,4aS,8bS)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,8b−ヘプタヒドロ−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化40】
t−ブチル2−オキソ−3,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート(349mg、1.26mmol)のトルエン(13mL)中の溶液に、t−ブトキシビス(ジメチルアミノ)メタン(0.78mL、3.77mmol)を添加した。この溶液を110℃で2時間加熱した。次いで、これを室温に冷却し、水(20mL)中に注ぎいれ、酢酸エチル(20mL)で希釈し、3回抽出した。組み合わせた有機層を塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)により精製して、所望の化合物を、四置換位置異性体20%を含むオレンジ色の油(392mg、89%)として得た;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)7.11(1H,s),5.97(1H,m),4.68(1H,d),3.52(1H,m),3.02(6H,s),2.39(1H,m),1.98(4H,m),1.71(1H,m),1.57(1H,m),1.53(9H,s),1.40(1H,m),0.96(1H,m);LCMS(方法B):RT=1.10min;ES+687(2M+Na
+)。
【0152】
t−ブチル(3E,3aR,4aS,7bS)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化41】
この化合物を、t−ブチル−2−オキソ−3,3a,4,4a,5,6,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した;
1H NMR(400MHz,CDCl
3)7.06(1H,s),5.57(1H,m),4.55(1H,d),3.78(1H,t),3.05(1H,m),3.02(6H,s),2.58(1H,m),2.45(1H,m),2.01(1H,m),1.96(1H,m),1.53(9H,s),1.40(2H,m)。
【0153】
t−ブチル(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化42】
この化合物を、t−ブチル2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−3H−ペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法B):RT=1.08min;ES+321(M+H
+)。
【0154】
t−ブチル(3E,3aR,8bS)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−4,5,6,7,8,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート
【化43】
この化合物を、t−ブチル2−オキソ−3,3a,4,5,6,7,8,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法B):RT=1.11min;ES+333(M+H
+)。
【0155】
ステップ7:
t−ブチル(3Z,3aR,4aS,8bS)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−4,4a,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートC2
【化44】
t−ブチル(3E,3aR,4aS,8bS)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−4,4a,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート(380mg、1.09mmol)のジオキサン(10mL)中の溶液を塩酸(2M、1.63mL、3.27mmol)と共に室温で1.5時間撹拌した。この溶液を酢酸エチルで希釈し、水および塩水で洗浄し、乾燥させ、濃縮して所望の化合物を、四置換位置異性体20%を含む黄色の油(324mg、97%)として得た;
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)10.79(1H,d),7.38(1H,d),5.94(1H,brs),4.69(1H,d),2.17(2H,m),1.98(4H,m),1.69(1H,m),1.46(9H,s),1.18(2H,m),0〜91(1H,m)。LCMS(方法C):RT=1.04min;ES+328(M+Na
+)。
【0156】
t−ブチル(3E,3aR,4aS,7bS)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートC3
【化45】
この化合物を、t−ブチル3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した;LCMS(方法C):RT=0.99min;ES+314(M+Na
+)。
【0157】
t−ブチル(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートC4
【化46】
この化合物を、t−ブチル(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法B):RT=1.02min;ES−292(M−H
+)。
【0158】
t−ブチル(3Z,3aR,8bS)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−4,5,6,7,8,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートC5
【化47】
この化合物を、t−ブチルt−ブチル(3E,3aR,8bS)−3−(ジメチルアミノメチレン)−2−オキソ−4,5,6,7,8,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法B):RT=1.06min;ES+328(M+Na
+)。
【0159】
ステップ8:
t−ブチル(3E,3aR,4aS,8bS)−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−2−オキソ−4,4a,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートP3およびB3
【化48】
t−ブチル(3Z,3aR,4aS,8bS)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−4,4a,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレート(324mg、1.06mmol)の0℃に冷却したTHF(10mL)中の溶液に、カリウムt−ブトキシド(1.59mmol、0.184g)および18−クラウン−6(1.59mmol、0.420g)を添加した。10分後、1mLのTHF中の2−クロロ−4−メチル−2H−フラン−5−オン(1.27mmol、0.169g)を添加し、この溶液を、1時間撹拌した。水を添加し、水性層を酢酸エチルで抽出した(4×20mL)。組み合わせた有機層を乾燥させ、濃縮した。生成物をフラッシュクロマトグラフィ(シクロヘキサン中の30%酢酸エチル〜50%酢酸エチル)により精製して、所望の生成物を、ステップ3由来の四置換位置異性体20%をそれぞれ含有する2種の異性体として得た。
−低極性ジアステレオ異性体:t−ブチル(3E,3aR,4aS,8bS)−3−[[(2R)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−4,4a,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートP3(83mg、19%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)7.49(1H,d),6.91(1H,s),6.14(1H,s),6.02(1H,brs),4.79(1H,d),3.34(1H,dd),2.28(1H,m),2.17(1H,m),2.04(2H,m),2.01(3H,s),1.75(1H,m),1.60(9H,s),1.40(1H,m),1.28(1H,m),0.96(1H,m)。LCMS(方法B):RT=1.13min;ES+402(M+H
+)。
−強極性ジアステレオ異性体:t−ブチル(3E,3aR,4aS,8bS)−3−[[(2S)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−4,4a,5,6,7,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートB3(79mg、18%)。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)7.49(1H,d),6.91(1H,s),6.12(1H,s),6.01(1H,brs),4.79(1H,d),3.32(1H,dd),2.28(1H,m),2.14(1H,dd),2.04(3H,m),2.01(3H,s),1.72(1H,m),1.60(9H,s),1.40(1H,m),1.25(1H,m),0.92(1H,m)。LCMS(方法B):RT=1.14min;ES+402(M+H
+)。
【0160】
T−ブチル(3E,3aR,4aS,7bS)−3−[[4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートP5
【化49】
この化合物を、異性体P5およびB5の混合物としてのt−ブチル3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した:LCMS(方法C):RT=1.09min;ES+797(2M+Na
+)。
【0161】
t−ブチル(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−[4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートP7およびB7。
【化50】
この化合物を、異性体P7およびB7の混合物としてのt−ブチル(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法B):RT=1.12min;ES+390(M+H
+)。
【0162】
t−ブチル(3E,3aR,8bS)−3−[[(2R)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−4,5,6,7,8,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートP10およびB10。
【化51】
この化合物を、異性体P10およびB10の混合物としてのt−ブチル(3Z,3aR,8bS)−3−(ヒドロキシメチレン)−2−オキソ−4,5,6,7,8,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートから開始して同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法B):RT=1.15min;ES+465(M+MeCN+Na
+)。
【0163】
ステップ9:
(3E,3aR,4aS,8bS)−3−[[(2R)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−1,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−2−オンP2
【化52】
P3(70mg、0.174mmol)および塩化マグネシウム(25mg、0.261mmol)のアセトニトリル(2.0mL)中の溶液を40℃で一晩撹拌した。この溶液を酢酸エチルで希釈し、ろ過し、ろ液を蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィ(酢酸エチル)により精製して、四置換異性体20%を含む所望の生成物P2(36mg、68%)を得た。1H NMR(400MHz,CDCl
3)7.21(1H,brs),6.92(1H,brs),6.11(1H,brs),5.70(1H,brs),4.26(1H,d),3.49(1H,dd),2.37(1H,m),2.11(1H,m),2.01(3H,s),1.99(2H,m),1.76(1H,m),1.62(1H,m),1.38(2H,m),0.96(1H,m)。LCMS(方法B):RT=0.90min;ES+302(M+H
+)。
【0164】
(3E,3aR,4aS,8bS)−3−[[(2S)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−1,3a,4,4a,5,6,7,8b−オクタヒドロインデノ[1,2−b]ピロール−2−オンB2
【化53】
表題の化合物をB3から同様の手法を用いて調製した。(方法B):0.89min;ES+302(M+H
+)。
【0165】
3E3−[[4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−1,3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロ−ペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンP4
【化54】
表題の化合物を、P5およびB5の1:1混合物から同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=0.85min;ES+288(M+H
+)。
【0166】
(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−ペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンP8およびB8
【化55】
表題の化合物を、P7およびB7の1:1混合物から同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=0.85min;ES+290(M+H
+)。
【0167】
(3E,3aR,4aS,7aS,7bR)−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−3a,4,4a,5,6,7,7a,7b−オクタヒドロ−1H−ペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンP11およびB11
【化56】
化合物を、t−ブチル(3E,3aR,8bS)−3−[[(2R)−4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−2−オキソ−4,5,6,7,8,8b−ヘキサヒドロ−3aH−インデノ[1,2−b]ピロール−1−カルボキシレートP10およびB10の1:1混合物から同様の手法を用いて調製した。LCMS(方法C):RT=0.90min;ES+290(M+H
+)。
【0168】
ステップ10:
(3E,3aR,4aS,7bS)1−アセチル−3−[(4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル)オキシメチレン]−3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンP6
【化57】
3E3−[[4−メチル−5−オキソ−2H−フラン−2−イル]オキシメチレン]−1,3a,4,4a,5,6,7b−ヘキサヒドロ−ペンタレノ[1,2−b]ピロール−2−オンP4およびB4、ならびに、N,N−ジメチルアミノピリジン(0.9mg、0.007mmol)をジクロロメタン(1mL)に溶解し、トリエチルアミン(0.019mL、0.14mmol)、続いて、無水酢酸(0.010mL、0.11mmol)を滴下し、この反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液に注ぎいれ、酢酸エチルで抽出し、塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、溶剤を蒸発させた。生成物をフラッシュクロマトグラフィ(1:1酢酸エチルおよびシクロヘキサン)により精製してP6およびB6(4mg、35%)を得た。LCMS(方法C):RT=0.97min;ES+330(M+H
+)。
【0169】
【表15】
【0170】
【表16】
【0171】
【表17】
【0172】
【表18】
【0173】
生物学的実施例
ハマウツボ(Orobanche cumana Wallr)の発芽に対する式(I)の化合物の効果。種子をペトリ皿中のガラスファイバーフィルタ紙(GFFP)上で評価した。水分および好適な温度で種子をプレコンディショニングして特定の化学発芽刺激剤に対して応答性とした。
【0174】
テスト化合物をDMSO(10000mg l
-1)に溶解させ、乾燥剤の入っているデシケータ内において室温で保管した。ストック溶液を適切な最終テスト濃度に脱イオン水で溶解した。
【0175】
ハマウツボ(O.cumana)品種「F」の種子を2006年(IN146)および2008年(IN153)それぞれにManzanilla(Seville,Spain)のヒマワリ畑から収穫し、室温で保管した。種子を重い有機質の細片から分離するために、Hartman & Tanimonure(Plant Disease(1991),75,p.494)に記載の変性スクロース浮遊技術を適用した。種子を分液漏斗に入れ、水の中で撹拌した。種子が表面に浮かんだら、重い細片を含有する水画分を廃棄した。種子を2.5Mスクロース溶液(比重1.20)の中に再度懸濁させ、重い細片を60分間かけて沈降させた。細片を取り除いた後、種子を1%次亜塩素酸ナトリウム溶液および0.025%(v/v)Tween 20中で2分間消毒した。種子を2重のチーズクロスにデカントし、滅菌脱イオン水ですすぎ、滅菌脱イオン水中に再懸濁させた。およそ150〜400粒の種子を含有する2mlの種子懸濁液を、ペトリ皿(9cm径)中の2層の滅菌ガラスファイバーろ紙ディスク(9mm径)の上に均一にひろげた。ディスクを3mlの滅菌脱イオン水で濡らした後、ペトリ皿をパラフィルムで密封した。種子を暗中に20℃で10日間インキュベートして、種子をコンディショニングした。コンディショニングした種子が載っている上方のディスクを簡単に乾燥させ、乾燥したGFFPディスクを敷いたペトリ皿に移し、6mlの適切なテスト溶液で濡らした。式(I)の化合物は、0.001、0.01および0.1mg l
-1の濃度でテストした。ストリゴラクトン類似体GR24を陽性対照として含ませ、0.001%DMSOを陰性対照として含ませた。すべての処理を5回反復でテストした。種子を暗中に20℃で再度インキュベートし、10日後に発芽試験をした。出芽した種子の幼根を、Long et al.(Seed Science Research(2008),18,p.125)に準拠して、5%酢酸中の青いインク(MIGROS,Switzerland)で5分間染色した。染色後、デジタルSLRカメラ(Canon製EOS 5D)を備えつけたカメラスタンドを用いて種子を撮影した。反復毎の100個の種子の発芽をデジタル画像で評価した。種子は種皮から幼根が突出していたら出芽とみなした。ハマウツボ属(Orobanche)種子発芽テストの結果を表3〜6に示す。
【0176】
【表19】
【0177】
【表20】
【0178】
【表21】
【0179】
【表22】
【0180】
結果から、化合物P1、P2、B2、P4およびP5は発芽誘起効果をもたらすことが分る。
【0181】
生物学的実施例
ヤセイカンラン(Brassica oleracea cv Botrytis)または一般的なカリフラワーの発芽に対する式(I)の化合物の効果を、温帯種および熱帯種の2種のカリフラワーでテストした。発芽の最中に光条件および温度に対して異なる感受性を示すために、これらの2つの種を選択した。感受的な温帯種の発芽を10℃で光により阻害する一方で、熱帯種については、光の下に20度で発芽を刺激する。従って、光の下で10℃および暗中で20℃が、2つの種の発芽についてそれぞれ最適以下またはストレス条件としてみなされる。
【0182】
テストした温帯種子バッチは、10℃で光に対して感受性であることが知られている種々の品種の商業的に生産された種子バッチの一部である。これらの種子を、標準的な商業的な手法に従って収穫し、洗浄した。Ready種子バッチを用いた(Readyは、これらの種子の処理レベルを示す:これらは洗浄済みで、サイズが揃えられているが、それ以外の処理は行われていない)。テストした熱帯性種子バッチは、基本的な種子(親系統維持のため)として生産された種子バッチの一部であり、しかるべく処理した。
【0183】
ブラシカ属(Brassica)に対する標準的な紙を用いた発芽テストを用いて発芽率を査定した:閉じた矩形の発芽箱中において、適切な溶液で湿らせた青い発芽紙の上に50粒の種子を置いた。各条件を二重にテストした。発芽箱を、適切な温度および光条件に制御された発芽キャビネット中に置いた。種子の発芽を定期的に計数した。種子は、種皮および内乳から突き出た場合に発芽したとみなした(根のサイズはおよそ1mm)。パラメータ:G
max(最大発芽率)およびt
50(G
maxの50%に達するのに必要な時間)を得るために発芽力試験分析ツールを用いて発芽動態学を分析した。発芽力試験分析ツールは、University of Wageningen:Joosen,R.V.L.,J.Kodde,et al.(2010).(“Germinator:A Software Package for High−Throughput Scoring and Curve Fitting of Arabidopsis Seed Germination.”The Plant Journal 62(1):148−159.)によって開発されたexcel用のアドインである。
【0184】
テスト化合物を50mMの濃度でDMSO中に溶解させ、−20℃で保管した。ストリゴラクトン類似体GR24(2種のジアステレオ異性体のラセミ混合物として市販されており、「合成ストリゴラクトンGR−24」と称され、Johnson A.W.&allによって初めて調製された:Journal of the Chemical Society,Perkin Transactions 1,1981,page 1734−1743)を陽性対照として含めた。発芽溶液を、ストック溶液を脱イオン水で25μMまで希釈することにより調製した。対照溶液として、脱イオン水および0.05% v/v DMSO溶液を用いた。
【0185】
発芽に対するストリゴラクトン誘導体の効果は表7および8に示されている。これらの結果は、ストリゴラクトンが最適以下の条件で発芽を刺激することを示す。
【0186】
【表23】
【0187】
【表24】