(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記固定装置は中空の骨髄内ロッドを備え、上記1又は複数の電磁場放射器は上記中空の骨髄内ロッド内に配置されることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の整形外科用装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、概して固定装置に関する。より詳細には、本発明は、骨折及び創傷治癒の補助、感染症の治療、痛みの軽減、並びに他の整形外科的目的に有用な固定装置に関する。本発明の好ましい実施の形態は、図面を参照して説明される。
【0010】
図1は、本発明の第1の実施の形態による固定装置10を示す。この固定装置は、一般に骨髄内固定装置である中空ロッド14を含む。このような骨髄内固定装置は従来、骨空洞内、特に、大腿骨や脛骨のような長い骨への配置で知られ、破断4のある骨2の適切な再編に役立っている。従来の骨髄内ロッドのように、
図1に示される中空ロッド14は、止めねじのようなねじ12を用いて適所に保持されてもよい。好ましくは、ロッドは、治療中に破断を安定させるのに十分な強さを与える大きさ及び形状に製造される。ロッドは、磁場が通過できる材料から製造される。なぜなら、その材料自体が磁場の通過を可能にするか、又はロッドには磁場が通過する部分が設けられているからである。
【0011】
従来の骨髄内ロッドと違い、図示された実施の形態による固定装置10は、中空ロッド14の空洞15に配置された電磁場放射器16を含む。電磁場放射器16は、従来のあらゆる形状をとってもよく、好ましくは、電流が通過して磁場を作るソレノイドコイルのような電磁コイルを含む。
【0012】
コントローラ18は、電磁場放射器16の電磁コイルと連携して設けられ、信号を発生して、電磁場放射器16にエネルギーを与える。このコントローラ18は、プリント配線基板上に、及び/又は集積回路として製造されてもよい。
図1の実施の形態において、電池のような電源20もまた中空ロッド内に、電磁場放射器16及びコントローラ18と連携して設けられている。リード線又は電線22もまた中空ロッド14に設けられ、電磁場放射器16、コントローラ18及び電源20を相互に接続する。一般的に言って、コントローラは電源によってエネルギーを与えられ、信号を発生する。この信号は、電磁場放射器に供給されるとき、場、好ましくは破断又は創傷を横切る可変場を作り出す。
【0013】
本発明の一実施の形態において、コントローラ18は一連の命令でプログラムされ、電磁場放射器16によって放射される場を制御する。より詳細には、コントローラは、一連の強度、及び/又は時間依存命令のようなルーティンでプログラムされてもよい。プログラムルーティンにより、コントローラは、電源からの電力を操作し、電流を電磁場放射器16に供給し、実際に供給される電流に応じて電磁場を順番に作り出す。電流と時間を変更することによって、患者に必要とされる幾通りものルーティンを利用できる。
【0014】
コントローラは、多数のルーティンで前もってプログラムされ、多様な電磁場を損傷個所に供給する。例えば、破断の位置及び/又は重症度、又は隣接する組織及び/又は筋肉の付随する損傷に応じたルーティンを含めてもよい。さらに他の実施の形態では、コントローラは、患者への埋め込み前にプログラミング可能としてもよいし、埋め込んだ後にプログラミング可能としてもよい。テザリングを可能にするため、リード線を皮膚に通して、コントローラ18をプログラムするのに使用可能なコンピュータ等に、アクセス可能としてもよい。好ましくは、コントローラは無線受信機(wireless receiver)を含む。この無線受信機は、送信機を備えたコンピュータ等からプログラミング命令を受信するよう構成されている。さらに、コントローラは、無線送信機(wireless transmitter)を含んでもよく、コントローラによって発生した信号に対応するデータを送信する。
【0015】
図1で図示した実施の形態においては、電源及びコントローラは、電磁場放射器とともに中空ロッドの中に配置されるが、他の実施の形態では、電源及び/又はコントローラは、体内であるが電磁場放射器から離間して配置されてもよい。このような配置において、電線又はリード線22は中空ロッド14の外側に延び、遠くに配置されたコントローラ18及び/又は電源20に接続してもよい。さらに他の実施の形態では、コントローラ及び/又は電源は人体の完全に外に配置されてもよい。例えば、電源は、人体外に配置された、電磁場を放射する場放射器であってもよく、体内に配置された誘導コイルに近接して設置されると、コイルをチャージし、電磁場発生器に電力を供給する。好ましくは、電源20として使用される場放射器は、電磁場放射器によって発生される場とは異なる場を放射し、それは、電磁放射器によって遂行されようとする創傷治癒に悪影響を与えない。
【0016】
電磁場放射器は一般的に従来の構造であって、約5Hzから約100Hzの間、より好ましくは約5Hzから約30MHzの間の周波数で、且つ治療容積内で60−400ガウスで、電磁場を放射する。本発明の結果として、放射器は、骨の破断及び/又は隣接する負傷した筋肉若しくは他の組織に、ごく接近して設置することができる。2つの放射器が
図1に示されているが、より多くの又はより少数の放射器が設けられてもよい。放射器は、好ましくは、中空ロッド14内の定位置にある。中空ロッド14内の放射器16の位置は、破断の位置に対するロッドの位置によって決定される。ロッド14が骨2に設置されるとき、電磁場放射器16は、破断の位置と密接に合致し、破断を電磁場にさらす。好ましい実施の形態においては、放射器は、位置決めねじのような物理的留め具などあらゆる既知の留め具、又は移植用の接着剤を用いて中空ロッドの内部に取り付けられる。
【0017】
当業者によってよく理解されるように、既知の電磁場放射器は既知の大きさと形状を有する電磁場を作り出す。
図2は、軸に沿って巻かれコイルを形成する、銅などの導線162を含む従来の電磁場放射器160を示す。電流がコイルを通るとき、電磁場が束線168によって描かれるように作り出される。必須ではないが、図示されたコイル162は、円筒形状のコア164、好ましくは鉄のコアのまわりに巻き付けられ、場を強める。
【0018】
使用にあたって、骨の破断及び/又は治療されるその他の組織が電磁場に配置されるように、コイルは位置決めされる。以前に使用されていた非埋め込み式電磁場放射器に対する本発明の利点は、破断又は手当てされる他の創傷の極めて近くで場が生成され、場の高磁束部が創傷/破断と交差できることである。この接近した位置決めは、電力低減の要求を可能にする。その理由は、場が、周囲の組織を通ることによって妨げられないので、場が破断からより遠くで生成され生物学的治癒反応を高める場合に必要とされる強さと同じ強さを、場が必要としないからである。
図1におけるように固定装置がロッドであるとき、
図2に示されたもののような一連の電磁場放射器は、電磁場がロッドの長さに沿って重なるように、中空ロッドの長さに沿って配置されてもよい。この実施の形態では、ロッドに沿ったあらゆる位置が電磁場によって影響を受ける。ロッドの全長に沿って場を供給するよう、介護人はすべてのコイルを励磁(energize)することを選ぶことができる一方、そのかわりに、コントローラは、コイルの選択的励磁を可能にするよう構成され得る。他の実施の形態において、より少数の放射器が設けられてもよく、特に破断/創傷に作用するように位置決めされる。一又は複数の放射器が設けられてもよく、ロッドの設置に先立ってロッド内を移動可能であり、放射器を治療を最も促進する位置に置くことができる。本発明のさらに別の実施の形態では、放射器は異なるロッド内の所定の位置に置かれてもよい。この場合、整形外科医が、放射器を治療の促進のために破断/創傷に合ったロッドを選ぶ。
【0019】
従来の髄内くぎ(intramedullary nail)の設置手順では、ガイドワイヤが折れた骨の中を長手方向に通り、リーマーがガイドワイヤを通って骨を長手方向にくり抜き、ロッドがガイドワイヤを通って所定位置に供給される。位置についたら、ねじが骨を横方向に通り抜けてロッドに挿入され、適所にロッドを固定する。本開示によるロッドは、同じ手順を用いて挿入されてもよい。そうするために、ロッドは好ましくは長手方向の穴を有する。電磁場放射器及び他の構成要素のそれぞれが、ロッドの穴の全断面積より小さい面積を占めるか、軸方向に貫通する穴を有することが必要になるかもしれない。
【0020】
例えば、各電磁場放射器には、貫通して形成され、ガイドワイヤが通過できるのに十分な大きさの穴があってもよい。一実施の形態において、放射器のそれぞれは
図2に示したもののような巻コイルである。空芯コイルとも呼ばれる例示したコイルは、線(ワイヤ)が軸に沿って連続的に、好ましくは多層に巻かれるように例示され、中央穴を規定する円筒コイルを形成する。コイルは好ましくはガイドワイヤが中央穴を通過できる大きさに形成される。別の実施の形態において、空芯コイルをフェライト磁心の周りに巻き付けることが望ましい。くぎがガイドワイヤを越えて移動するのを促進するために、フェライト磁心は、その中に形成された長手方向の穴を有してもよい。
【0021】
他の実施の形態では、電磁場放射器設置面積を中空ロッドの穴の横断面積より小さくすることによって、ガイドワイヤの使用による髄内ロッドの挿入を可能にする。これは、ソリッドコアをコイルに配置することが望まれるとき、特に有用である。例えば、放射器を穴の側壁に取り付け、ガイドワイヤを通すのに十分な大きさの空間が放射器の隣に設けられるよう、放射器を十分に小さいサイズにする。ロッドの長さに沿ったより入り組んだ経路を通ってガイドワイヤを案内するために、スリーブ又は管がロッドに設けられる。スリーブ又は管は、いくつもの方法でガイドワイヤを送る。その方法には、中空ロッドの側壁を通すことも含まれる。これは、放射器がロッドに沿った軸位置で中空ロッドの穴を実質的に塞ぐ適用例において特に有用である。さらなる例において、中空ロッドは、完全に分離した実質的に軸方向に延びるガイド穴21を含んでもよく、ガイド穴21は空洞15に平行である。この分離した穴の例は
図3Aに示され、中空ロッドの側壁に形成されている。この目的を達成するために、中空ロッドは円筒形でなく、代わりに空洞15及びガイド穴21を可能にする断面にしてもよい。例示となる断面が
図3B及び
図3Cに示される。
【0022】
理解されるであろうが、挿入中及び治療中に髄内くぎ及びロッドに大きな集中した力がしばしばかかる。ロッド内に配置された構成要素は、挿入中及び治療中に損傷又は遊離するのを避けるために、ロッドにしっかり取り付けられなければならない。
【0023】
本開示の別の実施の形態では、電磁場放射器(並びに電源及びコントローラ)は、ロッドが骨に沿って挿入された後、ロッドに挿入されてもよい。挿入された構成要素の正確な軸方向位置を得るために、締め付け要素又は突起物のような係止手段を中空ロッドの空洞15に設けてもよい。挿入された構成要素に接着剤を付与して、一旦挿入された構成要素の位置を維持してもよい。また、パッキン又は機械的係止部材を、挿入された構成要素に続いて挿入し、ロッドにおける放射器の位置を維持してもよい。構成要素を後に挿入することの利点は、その構成要素がロッドの挿入に付随する打撃的且つ潜在的な破壊を受けないことである。
【0024】
他の実施の形態において、ガイドワイヤは中空ロッドの挿入に用いられず、ロッドの中を通る軸方向の通路の備えは不要である。この例において、骨の中を通る穴は、公知の技術を用いてくり抜かれ、リーマーで広げられ、ロッドがその後挿入される。
【0025】
固定装置10は一般に患者の中に挿入され恒久的に置かれるので、構成要素のそれぞれは埋め込み品質(implant grade)を有しているべきである。さらに、
図1の実施の形態の中空ロッド14は、電磁場放射器16によって放射された電磁場に影響を与えないポリマー又はチタンのような非鉄材料である。電磁場放射器16によって放射された電磁場が固定装置10を制限されずに通り、折れた骨及び/又は損傷した組織に到達するよう、構成要素は選ばれるべきである。
【0026】
本発明は、電磁場放射器16が中空ロッド内に配置される実施の形態に限定されない。上述の実施の形態の代替手段において、電磁場放射器を中空ロッド14の側部又は端部に配置することができる。このような実施の形態において、中空ロッド14が全く必要でない場合がある。構成要素をロッド内に配置することが意図されないので、中実ロッドを代わりに使用することができる。
【0027】
他の実施の形態において、放射器となるコイルはロッドの周りに巻き付けられる。この実施の形態は
図4に示される。この図において、放射器16は、ロッド14の周りにワイヤを巻き付けることによってロッド14に沿った離間位置に形成される。この実施の形態は、ロッドの長さに沿った複数の個別のコイルを示しているが、ワイヤをロッドの全長に沿って連続して巻き付けて、より大きな場を生成してもよい。これらの実施の形態において、ロッドの全て又は一部を鉄にし、各コイルの場を強めてもよい。また、ロッドを中空にしたまま、この中空ロッド内に鉄材を配置してもよい。コントローラおよび電源は中空ロッド内に配置することができる。
【0028】
図4に示された実施の形態は、コイルを覆って形成された保護層26も含む。この保護層26は、好ましくは、整形外科医によってロッドが挿入される時に、コイルを損傷から保護するよう選択される。例えば、保護層は、コイルを覆って配置されたポリマー又は金属箔の覆いであってもよく、コイルによって放射される場に影響を与えないであろう。また、
図4は各コイルに軸方向に隣接して設置された案内突起24を示している。突起は、ロッドから径方向に突出し、コイルよりさらに突出している。ロッドが
図4の矢印方向に沿って挿入されるとき突起が初めに骨に入るように、突起は配置される。このようにして、突起は骨の中の経路を少しずつ進み、骨とコイルの接触を最小化し、これによりコイルへの損傷の可能性を低減する。
【0029】
図4の代替手段において、保護層26及び突起24の一方又は双方は、設けられなくてもよい。突起は、ロッドの周りに配置される環状輪であってもよく、又はロッドの周りに配置される突起群であってもよい。さらに、
図4に示されるように、突起は好ましくは傾斜してロッドの骨への挿入し易さを促進する。
【0030】
本発明は、髄内のロッド又はくぎに限定されない。
図5は本発明の実施の形態を示し、この実施の形態では、固定装置110が、ねじ軸112aと頭部112bを有するねじ112に組み込まれる。そこでは、
図2のコイルのようなコイルとして複数の巻線を備える電磁場放射器116が、頭部112bに近接してねじ112の軸に設置されている。したがって、電磁場放射器は、例えば挿入のために、ねじの頭部へのアクセスを禁じないであろうが、スクリューがどこに挿入されようとも放射器を設置することができる。ねじは、髄内ロッド又は板材と結合して用いられるタイプのような止めねじであってもよく、その他のタイプのねじであってもよく、脊髄手術に用いられるペディクルスクリュー(pedicle screw)を含むがこれに限定されるものではない。
【0031】
図5に例示されるように、ねじ112はねじ山とコイルの間に配置された環状のストッパ128をさらに含む。整形外科医がねじを挿入するとき、ねじの回転は、ねじが挿入されている骨又は板材にストッパ128が接触したとき、停止される。この方法においては、外科医は、コイルを骨又は板材に接触させコイルに潜在的損傷をもたらすほど、ねじをきつく締め過ぎることはない。例示されないが、先の実施の形態におけるように、リード線はコイルからコントローラ及び/又は電源に延びる。このような構成要素は、ねじ又は別個のインプラント(埋設物)に設けられる。
【0032】
本発明のさらに別の実施の形態が
図6に例示される。
図6が、インプラント214及び電磁場放射器216を含む固定装置210を示している点で、
図6は先の実施の形態と同様である。他の実施の形態と違って、インプラントは、手術用又は整形外科用の板材のような板材214であって、板材は、例えば、脊髄手術などで折れた骨の位置をその骨の治療又は骨の癒着のために維持するのに用いられるような、あらゆる既知の板材又は板状構造であってもよい。好ましい実施の形態においては、放射器216は、板材において骨に接触しない側に支えられる。放射器216は、締結具及び接着剤を含むいくつもの方法で板材に固定されてもよい。
図6はさらに、板材に支えられる、コントローラ218及び電源220、並びに前述の構成要素を相互接続する導線222を示す。板材が、放射器によって生成された場を歪めない材料から作られることが望ましいが、放射器及び板材は、破断部/創傷と効果的に交差する場の生成において協働するように設計されてもよい。
【0033】
放射器は、生成された場への破断部の最大曝露を確実にするために、板材のあらゆる位置に搭載されてもよい。いくつかの実施の形態においては、整形外科医は、接着剤又は機械的締結具のような既知の締結手段を用いて、手術中に放射器を取り付ける。他の実施の形態では、一つの放射器又は複数の放射器は、板材上の所定の位置に固定されてもよい。外科医はその後適切な板材を選び、その板材を設置して、放射された場が損傷部に正確に合致することを確保する。
図6はさらに、使用者が放射器を用いた治療のために板材を簡単に正しく並べることができる、印し又は記録マーク224(図における点線)を例示する。この例示された実施の形態において、外科医は点線224を破損部に合致させ、放射器が正しく並べられることを確実にする。
【0034】
図7に例示した、さらに別の実施の形態において、放射器316は、上述したようなコイル328及びコイルから垂れ下がる突起330を含む。突起330は、放射器316を整形外科用板材314に形成されたどの基準穴部315にも合致する大きさに形成されている。理解されるように、整形外科用板材は一般に複数の穴部315を有し、板材を骨に取り付けるための最大限の融通性を、外科医に与える。破断部に位置する穴部は一般には使用されない。なぜなら破断部にねじを用いることは殆ど無いからである。しかしながら、上述した理由により、放射器を破断部に位置させることは有益である。この実施の形態の突起330により、放射器を破断部の位置で板材に取り付けることができる。突起は、板材に対して圧入又は締まりばめを形成してもよく、放射器と板材の結合を容易にする。また、突起を有する放射器は、接着剤のようなあらゆる既知の固定方法を用いて板材に固定されてもよい。放射器とともにコントローラ及び/又は電源を含んでもよく、コントローラ及び/又は電源は、板材上のどこにでも又は板材から離れて配置してもよい。
【0035】
上述の実施の形態は、放射器を板材の上部に固定することを述べているが、放射器は、板材が取り付けられる骨に近接して、板材の端部又は板材の底面を含む板材のどこに設置してもよい。
図8に例示される別の実施の形態においては、電磁場放射器316は、板材314に形成された凹部313に配置される。板材314はさらに板材取り付け用の穴部315を含む。さらに、コントローラ318及び電源320が凹部313に示されている。凹部313により、放射器を板材のトップに置くよりも低い配置が可能である。板材の凹んだ部分は、破断部を安定化させ応力を最小化するのに十分な剛性をもたらすよう設計されるべきである。
【0036】
図9は、
図8の実施の形態の変形であって、放射器416、コントローラ418及び電源420が配線422とともに整形外科用板材414の中に封入されている。この実施の形態においては空洞413が板材414に設けられ、構成要素が空洞に配置される。板材414の形成を容易にするために、板材は複数のピースで作られてもよく、複数のピースは、放射器416及び他の構成要素を一つのピースに取り付けた後で組み立てられる。例えば、必要に応じて板材は第1及び第2の対向するピ−ス、例えば、互いに対向する水平面を有する上側ピースと下側ピースとを備え、組み立てられたとき、放射器及び他の構成要素を受け入れる大きさの空洞を形成する。また、板材は、
図8におけるような凹部を有し、この凹部に構成要素を設置し、さらにカバーを取り付けて板材内の構成要素を実質的に封入してもよい。このような実施の形態において、外科医は好ましくは放射器、コントローラ及び電源のような構成要素を内蔵した単一の製品を受け取るだろう。
【0037】
先の実施の形態のように、放射された電磁場が板材の中を通って治療部位に容易に達するように、
図6−
図9で使用される板材は好ましくは非鉄材料である。
【0038】
これまで例示した実施の形態は、
図2で例示したもののような空芯又は軸状のコイルを利用するが、他のタイプのコイルを用いてもよい。
図10の実施形態では、電磁場放射器が、整形外科用板材のような板材514に配置された、平坦なコイル又はパンケーキ・コイル516である。パンケーキコイルは一般に
図11に例示したもののような磁束線568を有する場を放射する。さらに
図11は、磁場に配置された部位である治療領域570を例示する。実際には、治癒されるべき負傷した骨又は組織が、放射器516の最大限の効能のためにこれらの治療領域に570に配置されるべきである。
【0039】
図10の実施の形態においては、複数のパンケーキコイルが、二次元配列、即ち1x4の配列で板材514上に設けられる。適切な制御を用いて、コイルは、望ましい周波数で好ましい継続期間、選択的に励磁されてもよい。例えば、
図10に例示されたもののような板材が使用されるとき、骨折部に最も近い一又は複数のコイルは第一の治療法に従って励磁されるだろう。他のコイルは、それぞれに励磁されてもよく、まったく励磁されなくてもよい。他の実施の形態において、より多くの又はより少数のパンケーキコイルが設けられてもよい。さらに、パンケーキコイルは、
図9の実施の形態におけるように、板材上に配置されるのに代えて板材に封入されてもよい。
【0040】
本発明の別の実施の形態が
図12に例示される。そこでは、複数のパンケーキコイル616がフレキシブル基板614上に設けられ、フレキシブル基板により、コイルの配列を表面にぴったり合わせることができる。コイルの配列はワイヤを巻いて形成してもよいが、よりふさわしくは、基板上に銅のような金属をコイルとして蒸着させることによって形成する。この場合、マスキング及び/又はエッチングを含む既知の蒸着技術を用いる。蒸着コイルは単一層コイルであってもよく、多層巻きであってもよい。即ち、蒸着パンケーキコイルは、次のコイルの上部に積み重ねられてもよい。このような構成において、絶縁層のような中間層は、積み重ねられたコイルの間に設けられてもよい。このような配置は、巻き数の増加をコイルにもたらすが、依然として比較的薄型なものを提供する。
【0041】
図12の実施の形態による基板は好ましくはポリマーブレンドで作られる。フレキシブル基板は、従来の板材のような板材に取り付けられてもよく、ある実施の形態では、患者の骨に直接取り付けることもできる。接着剤を基板の背面と治療される部位の間に配置して基板を接着することができる。接着剤を事前に塗布し、裏当ての又は他の保護用のコーティングを取り除くことによって露出してもよいし、基板の取り付け時に塗布してもよい。もしそうでなければ、基板はあらゆる既知のやり方を用いて取り付けることができる。
【0042】
電磁場放射器を有するフレキシブル基板は、既存の整形外科用装置に適合できる利点、言い換えれば、基板をこのような装置に取り付けることによる利点を有する。多くの装置がコイルを有する基板を含むように改良することができる。例えば、フレキシブル基板上の一又は複数のコイルを、基板を髄内ロッドの周りに巻き付けるか又はロッドの長さに沿って取り付けることにより、髄内ロッドに配置してもよい。他の用途において、基板は骨又は体内の他の身体構造に直接適用されてもよい。
【0043】
上述のあらゆる実施の形態において、使用時に放射された場が望ましい治療部位に作用するように、電磁場放射器を配置することが好ましい。
図6乃至11の実施の形態は一般に板材の上面に垂直な軸を有するコイルを例示するが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、コイルの軸が板材の上面と平行になるように横向きにコイルを設けることができる。
【0044】
上述したいくつかの実施の形態において、本発明による装置は、ロッド又は板材等の従来の装置のような埋め込み可能な装置を含み、場放射器及び信号発生器を支持するように構成されている。さらに他の組み合わせが考えられる。場放射器及び信号発生器はプロテーゼ(prosthesis:人工挿入物、人口補てつ物)のようなインプラントに支持されてもよい。例えば、人工股関節置換手術中、大腿部の一部が取り除かれ、インプラントに置き換えられる。このインプラントは、ステムに付いている新しい球と、ソケットを含む協働要素とを有している。場放射器及び信号発生器は、インプラントの球又はシャフトによって支持されてもよい。一実施の形態において、球及び/又はシャフトは中空であってもよく、場放射器及び信号発生器が中空の球又はシャフト内に配置される。当業者は代替の同様の実施の形態が本開示の教示を用いて達成されることを理解するだろう。
【0045】
本発明で設けられた電源は、コイルに電力供給するのに十分な、あらゆる既知の又は発展した電源であってもよい。電池は、従来、例えばペースメーカにおいて、人体内に埋め込まれてきて、このような電力供給技術が本発明の実施の形態に適用可能である。
【0046】
制御回路は、好ましくは、電磁放射器に適用される電流の強さと期間を使用者が選択できるように設けられる。コントローラはプログラム可能であって、即ち、外部入力装置から患者への遠隔制御を用いて、各患者のあつらえの治療ができる。他の実施の形態において、コントローラは治療法を事前にプログラムされ、単にスイッチを入れると所定の治療計画を実行する。さらに制御回路は覚醒回路等を含んでもよく、遅延型の動作を可能にする。例えば、整形外科医は、手術後のある程度の時間まで電磁場治療をしないことを決定できる。放射器はその時まで励磁されるべきではない。
【0047】
上述した通り、電磁場放射器、コイルの励磁を指示する信号発生部(signal generating electronic)、及びコイルを励磁するために電力供給する電源のたくさんのアレンジメントが本開示から理解されるだろう。比較的単純な実施の形態において、電源としての電池、信号発生部及びワイヤコイルは患者に直接埋め込まれる。信号発生部は、要望通りにコイルを励磁する治療ルーティンとして事前にプログラムされた動作シーケンス含む。
【0048】
電池、信号発生電子部及び磁気コイルに加え、埋込装置はさらに、外部装置と通信できる受信機と送信機を含んでもよい。このような構成により、埋込装置に例えば特定の治療のための信号パターン及びスケジュールをダウンロードすること、同様にアップデートすることができるとともに、装置から、例えば、蓄積された線量測定及び/又は他の治療特性のような治療についての情報を受けることができる。
【0049】
本発明のさらに別の実施の形態において、体内に埋め込まれた装置についての有用な情報を提供することを支援するために、装置はさらに感知コイルを含んでもよい。このようなコイルは、電磁場放射器から距離をあけて配置され、発生コイルから既知の距離で発生した磁場を受ける。受信コイルは、埋込装置に沿って放射器から離れた位置又は治療される破断部の反対側のような位置に置かれ、発生した磁場の大きさ及び継続時間を計測する。前述した送信機を用いて、感知コイルによって計測された結果が、医師又は専門家による解釈のために遠隔装置に送られる。
【0050】
上述の実施の形態の多くは、電源として電池を埋め込むことを必要とするが、ある応用例においては、電池は最善の電源ではないかもしれない。例えば、従来の電池を使用することは、電池が十分に長く持続しないかもしれないから、実用的でないかもしれない。本発明による装置を用いて慢性的な痛みが治療されているとき、患者が求める限り、装置が機能することが好ましい。したがって、装置は、充電可能な電源として誘導コイルをさらに含む。より具体的には、誘導コイルは患者の中に埋め込まれ、誘導棒(induction wand;誘導ワンド)のような誘導装置が患者の外部で使用され、装置を充電する。その誘導棒は、例えば使用者が眠っているとき装置を充電できる装着型装置に設けられることを含む、あらゆる既知の形態をとってもよい。
【0051】
図13は本発明のよるシステムの概略図を例示する。そこでは、電池42が電源であって、誘導ループ44が設けられ、電池42を充電する。信号発生器50の例と同様に、受信機46及び送信機48も例示される。信号発生器50が例示され、コイル60を駆動するために用いられる一又は複数の信号形状を記憶する信号形状メモリ52、信号再生発生器54、信号レベル制御手段56、及び最終治療増幅器58を含む。これらの要素は、すべて治療コイル60に接続される。さらに概略図は、上述したような感知コイル62、及び感知コイル62からの情報を受ける制御手段64を示す。この概略図は単に例として示され、他のシステム及び構成は、この開示によって教示されているので、当業者に明らかであろう。
【0052】
本発明を、電磁場放射器としてコイルを利用する実施形態について、述べてきた。他の実施の形態は異なる場発生器を含んでもよい。例えば、代替の実施の形態は、既知の場の強さ及び形状を有する永久磁石を含んでもよい。磁石は、振動され、回転され、又は移動されることにより、場を調節し(modulate;変動させ)、望ましい生物学的効果を与える。
図14は、その例である。そこでは、永久磁石716が既知の強さ及び形状を有する磁場を発生させる。磁石716は軸790に設けられ、圧電アクチュエータのような回転アクチュエータ792によって回転可能である。磁石を回転させることによって、磁場が調節され、その磁場の調節は折れた骨又は創傷の治療のために最適化される。したがって、アクチュエータ/永久磁石の組み合わせは、制御可能な磁場発生器を形成する。例示されないが、アクチュエータ/永久磁石場発生器は、固定装置、又は整形外科用板材、髄内ロッド、置換インプラント等の他の埋め込み可能な担体に支持される。
【0053】
回転アクチュエータは
図14で例示されるが、これは単に例証及び例示の目的のために過ぎない。
図15に示される代替の実施の形態において、磁石816は圧電アクチュエータのようなリニアアクチュエータ892に設けられ、
図15の矢印によって示される方向に沿って移動する。アクチュエータ892を作動させることによって、骨802の破断部804は、選択的に、磁束線868で示される磁石の場に配置されたり、この場から離れて配置される。アクチュエータを駆動する信号発生器は
図15に示される。磁石816及びアクチュエータ892は、この実施の形態において中空ロッド814におかれているものとして例示される。他の実施の形態において、これらの要素は、あらゆる他のインプラント(上述したものを含むがこれに限定されない)に支持することができる。
【0054】
本発明は、そのいくつかの現在好ましい実施の形態に関連して記述されてきたが、当業者は、多くの変形例及び変更が本発明の真の精神と範囲から逸脱することなくなされ得ることを当業者は理解する。本発明は、添付の特許請求の範囲によってのみ規定されることが意図される。