(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184977
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】放熱用ピストンピン
(51)【国際特許分類】
F01P 3/08 20060101AFI20170814BHJP
F16J 7/00 20060101ALI20170814BHJP
F16J 1/16 20060101ALI20170814BHJP
F16C 7/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
F01P3/08 Z
F16J7/00
F16J1/16
F16C7/02
【請求項の数】14
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-551412(P2014-551412)
(86)(22)【出願日】2013年1月9日
(65)【公表番号】特表2015-505347(P2015-505347A)
(43)【公表日】2015年2月19日
(86)【国際出願番号】US2013020753
(87)【国際公開番号】WO2013106377
(87)【国際公開日】20130718
【審査請求日】2015年10月13日
(31)【優先権主張番号】13/345,851
(32)【優先日】2012年1月9日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599058372
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】FEDERAL−MOGUL LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アゼベド,ミゲル
(72)【発明者】
【氏名】ゼブリック,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ワン,カイ
【審査官】
稲葉 大紀
(56)【参考文献】
【文献】
英国特許出願公開第01244588(GB,A)
【文献】
特開昭63−030658(JP,A)
【文献】
特開2006−152879(JP,A)
【文献】
実開昭61−108564(JP,U)
【文献】
特開2005−140255(JP,A)
【文献】
特開昭55−091741(JP,A)
【文献】
特開昭58−041248(JP,A)
【文献】
英国特許出願公開第00905705(GB,A)
【文献】
スイス国特許発明第00130752(CH,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01P 3/08
F16C 7/02
F16J 1/16
F16J 7/00
F02F 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関において使用される種類のピストンアセンブリのためのリストピンであって、
前記リストピンは、
閉鎖端を有する概ね円筒状の外面と、
前記外面および閉鎖端の内部の密封されたキャビティと、
前記キャビティ内部に貯留された固定量の熱伝達媒体とを備え、
前記密封されたキャビティは、複数の別個の区画を含み、
前記複数の別個の区画は互いに開放されており、1つの前記区画における前記熱伝達媒体は別の前記区画に移動し、
スチールシェルが、前記概ね円筒状の外面の周りに配置される、リストピン。
【請求項2】
前記密封されたキャビティはある容積を有し、前記熱伝達媒体は、前記容積を部分的にのみ充填する、請求項1に記載のリストピン。
【請求項3】
前記熱伝達媒体は、前記密封されたキャビティの容積を約10〜50%の範囲で充填する、請求項2に記載のリストピン。
【請求項4】
前記熱伝達媒体は、低温可融組成を含む、請求項1に記載のリストピン。
【請求項5】
内燃機関において使用される種類のピストンアセンブリのためのリストピンであって、
前記リストピンは、
閉鎖端を有する概ね円筒状の外面と、
前記外面および閉鎖端の内部の密封されたキャビティと、
前記キャビティ内部に貯留された固定量の熱伝達媒体とを備え、
コネクティングロッドをさらに含み、前記コネクティングロッドは、一体構造として前記リストピンに直接接続された上端部を有し、前記コネクティングロッドは、その前記上端部から延在するシャンクを含み、前記シャンクは、ある量の前記熱伝達媒体を含む密封されたキャビティをその中に含む、リストピン。
【請求項6】
前記シャンク内の前記密封されたキャビティは、前記リストピンの前記密封された通路と流体連通している、請求項5に記載のリストピン。
【請求項7】
内燃機関において使用するためのピストンアセンブリであって、前記ピストンアセンブリは、
ピストン本体を備え、前記ピストン本体は一対のピンボスを含み、前記ピンボスの各々はその中にピン孔を有し、前記ピン孔は共通のピン孔軸の周りに配置され、介在する空間によって互いから離間された周方向に延在するピン孔面を各々が有し、さらに、
コネクティングロッドを備え、前記コネクティングロッドは、前記ピンボス間の前記介在する空間に配置された上端部を有し、さらに、
リストピンを備え、前記リストピンは、前記ピストン本体の前記ピン孔内に配置され、
前記コネクティングロッドの前記上端部に動作可能に接続されて、前記ピストン本体と前記コネクティングロッドとを旋回可能に相互接続し、前記リストピンは、密封されたキャビティをその中に含み、固定量の熱伝達媒体が前記密封されたキャビティ内部に貯留され、
前記密封されたキャビティは、複数の別個の区画を含み、
前記複数の別個の区画は互いに開放されており、1つの前記区画における前記熱伝達媒体は別の前記区画に移動し、
スチールシェルが、前記リストピンの外面の周りに配置される、ピストンアセンブリ。
【請求項8】
前記密封されたキャビティはある容積を有し、前記熱伝達媒体は、前記容積を部分的にのみ充填する、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項9】
前記熱伝達媒体は、前記密封されたキャビティの容積を約10〜50%の範囲で充填する、請求項8に記載のアセンブリ。
【請求項10】
前記熱伝達媒体は、低温可融組成を含む、請求項7に記載のアセンブリ。
【請求項11】
前記低温可融組成は、本質的に金属、合金、NaK、およびシリコーンオイルからなる群から選択される、請求項10に記載のアセンブリ。
【請求項12】
内燃機関において使用するためのピストンアセンブリであって、前記ピストンアセンブリは、
ピストン本体を備え、前記ピストン本体は一対のピンボスを含み、前記ピンボスの各々はその中にピン孔を有し、前記ピン孔は共通のピン孔軸の周りに配置され、介在する空間によって互いから離間された周方向に延在するピン孔面を各々が有し、さらに、
コネクティングロッドを備え、前記コネクティングロッドは、前記ピンボス間の前記介在する空間に配置された上端部を有し、さらに、
リストピンを備え、前記リストピンは、前記ピストン本体の前記ピン孔内に配置され、
前記コネクティングロッドの前記上端部に動作可能に接続されて、前記ピストン本体と前記コネクティングロッドとを旋回可能に相互接続し、前記リストピンは、密封されたキャビティをその中に含み、固定量の熱伝達媒体が前記密封されたキャビティ内部に貯留され、
前記コネクティングロッドは、その前記上端部から延在するシャンクを含み、前記シャンクは、ある量の前記熱伝達媒体を含む密封されたキャビティをその中に含む、アセンブリ。
【請求項13】
前記シャンク内の前記密封されたキャビティは、前記リストピンの前記密封された通路と流体連通している、請求項12に記載のアセンブリ。
【請求項14】
内燃機関において使用するためのピストンアセンブリであって、前記ピストンアセンブリは、
ピストン本体を備え、前記ピストン本体はクラウンと、前記クラウンから下方に延在する概ね円筒状のスカートと、前記クラウンに隣接して前記スカートに形成された少なくとも1本のリング溝と、前記クラウンから下方に延在し、概ね前記スカート内に配置された一対のピンボスとを有し、前記ピンボスの各々は、ピン孔をその中に有し、前記ピン孔は共通のピン孔軸の周りに配置され、介在する空間によって互いから離間された周方向に延在するピン孔面を各々が有し、さらに、
コネクティングロッドを備え、前記コネクティングロッドは、上端部、下端部、および前記上端部と下端部との間に延在するシャンクを有し、前記上端部は、前記ピンボス間の前記介在する空間に配置され、前記コネクティングロッドの前記下端部は、回転クランクシャフトにジャーナル連結するように適合化されたクランク孔を含み、さらに、
リストピンを備え、前記リストピンは、前記ピストン本体の前記ピン孔内に配置され、前記コネクティングロッドの前記上端部に動作可能に接続されて、前記ピストン本体と前記コネクティングロッドとを旋回可能に相互接続し、前記リストピンは、密封されたキャビティをその中に含み、固定量の熱伝達媒体が前記密封されたキャビティ内部に貯留され、前記熱伝達媒体は、低温可融組成を含み、
前記密封されたキャビティは、複数の別個の区画を含み、
前記複数の別個の区画は互いに開放されており、1つの前記区画における前記熱伝達媒体は別の前記区画に移動し、
スチールシェルが、前記リストピンの外面の周りに配置される、ピストンアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互参照
無し
発明の背景
発明の分野
本発明は、内燃機関のためのピストンに関し、特に、ピストン本体をコネクティングロッドに相互接続させるためにピストンアセンブリにおいて使用されるリストピンに関する。
【背景技術】
【0002】
関連する技術
内燃機関において使用されるピストンアセンブリは、使用の際、極めて高い温度、力および慣性に晒される。そのようなエンジンの最適な動作は、強い軽金属合金から典型的に製造されるピストンアセンブリの構成要素の温度を入念に管理することを必要とする。
【0003】
ディーゼルエンジン用途において長く守られている慣行は、様々なジョイントのための潤滑剤およびピストンクラウンから熱を取出す冷媒の両方として機能するようにピストンアセンブリの通路を通って潤滑油を循環させることである。1956年4月24日付でSmithに対して発行された米国特許番号第2,742,883号は、冷却油が中空のリストピンを通って運ばれ、次にピストンヘッドのクラウンの真下に形成された上側孔に移動されるピストンアセンブリを開示している。
【0004】
別の例では、1972年11月7日付でZollnerに対して発行された米国特許番号第3,702,092号は、完全に貫通して延在する複数の開いた風洞または通路が形成された軽量のリストピンアセンブリを開示している。通路は円形であってもよいし、他の形状および2〜6の数の範囲を有していてもよい。ある例では、通路は完全に貫通して延在せず、内部で止められ、リストピンの一端においてのみ開いている。リストピン内の止まり穴または通路は、この場合は減量化の目的で作成される。
【0005】
さらに別の例では、1997年2月1日付でWizemann他に対して発行された米国特許番号第4,005,686号は、加圧された冷却液(つまり潤滑油)をコネクティングロッドから受取るように開いている中空の通路を有するリストピンを含むピストンアセンブリを開示している。油は、リストピンを通って、ピストンヘッドまたはクラウン領域に引回される。
【0006】
少なくともディーゼル機関用途においては、0.4kW/cm
2以上の熱負荷の下で作動するピストンは一般に、270℃未満の温度を維持するために、強制的なピストン冷却を必要とすると言われている。したがって6気筒の大型トラックエンジンでは少なくとも2kWが必要とされ、エンジンの寸法および/または比出力(kW/リットル)が増大するにつれて、さらにより多くが必要とされる。この強制的なピストン冷却は、寄生損失を意味する。すなわち、いずれかの対応する有用なパワーが生じることなくこの冷却液を移動させるために、燃料が燃焼される。
【0007】
したがって当該分野には、強制冷却に伴う損失を低減するかまたは完全に排除する目的で、吸収された熱をピストンのクラウンから除去するためのより効果的かつ効率的な手段を提供する必要がある。したがって、先行技術のエンジンシステムに固有の寄生損失を回復する目的で、向上した方法が要求される。
【発明の概要】
【0008】
内燃機関において使用される種類のピストンアセンブリのためのリストピンが提供される。リストピンは、閉鎖端を有する概ね円筒状の外面を備える。密封されたキャビティが、閉鎖端において外面の内部に形成される。固定量の熱伝達媒体がキャビティ内部に貯留される。
【0009】
リストピンの密封されたキャビティ内部に貯留された伝熱媒体は、付加的なヒートシンクとして機能して、ピストンアセンブリ内の熱負荷を管理するのを助け、それにより、他の場合ならばピストンアセンブリ中を強制的に冷却液を通らせることが必要とされる寄生損失を減少させる。換言すると、リストピン内の密封されたキャビティは、連結されるピストン本体のピンボス構造から直接熱を吸収する熱交換器として機能し、それゆえピストンクラウンからの伝導熱移動を可能にする。
【0010】
本発明の別の局面によれば、内燃機関において使用するためのピストンアセンブリが提供される。ピストンアセンブリは、一対のピンボスを含むピストン本体を備える。各ピンボスはピン孔を有する。ピン孔は共通のピン孔軸に沿って位置し、周方向に延在するピン孔面を各々が有する。2つのピン孔面は、介在する間隙または空間によって互いから離間される。コネクティングロッドは、ピンボス間の介在する空間に配置された上端部を有する。リストピンがピストン本体のピン孔内に配置され、コネクティングロッドの上端部に動作可能に接続されて、ピストン本体とコネクティングロッドとを旋回可能に相互接続する。リストピンは、密封されたキャビティをその中に含む。固定量の熱伝達媒体が密封されたキャビティ内部に貯留される。
【0011】
本発明は、付加的なヒートシンクとしてリストピンを使用するという独特かつ比較的安価な解決策を提供し、それによって、しきい値温度下限未満の温度を維持するために強制的なピストン冷却を必要とする先行技術システムに固有の寄生損失を回復させることに、エンジン技術を一歩近付かせる。
【0012】
図面の簡単な説明
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の図面に関連して考慮されると、より容易に理解されるようになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】例示的なピストン本体を部分断面図で示すピストンアセンブリの分解斜視図である。
【
図2】発明の一実施形態に係る別の例示的なピストンアセンブリの横断面図である。
【
図3】概ね
図1の線3−3に沿ったリストピンの横断面図である。
【
図4】
図3のような横断面図であるが、密封されたキャビティの代替的な実施形態を示す図である。
【
図5】リストピンおよびコネクティングロッドが一体型ユニットとして形成される別の代替的な実施形態に係るピストンアセンブリの分解図である。
【
図6】概ね
図5の線6−6に沿った横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
好ましい実施形態の詳細な説明
図を参照して、同じ数字はいくつかの図にわたって同じかまたは対応する部品を示し、発明の好ましい実施形態に従って構成されたピストンアセンブリが
図1および
図2において概ね10に示される。ピストンアセンブリ10は、概ね12に示されるピストン本体を含む。ピストン本体は単一片または複片型であっても、開いたもしくは閉じた孔または他の構造が形成されていてもよい。
図1および
図2に示されるそれらの設計は、本発明の好ましい実装例であるディーゼルエンジンでの使用が意図されているが、本発明の新規な概念が実施され得る排他的な手段ではない。結果として、本発明は、図示されているディーゼル機関型に加えて、ガソリン、天然ガスおよび他の種類の内燃機関に適用可能である。ピストン本体12は、これらの例では燃焼クレーターまたはボウル16をその上端に有するクラウン14が形成されている。概ね円筒状のスカート18がクラウン14から下方に延在する。従来のやり方でピストンリングを含むように意図された1本以上のリング溝20を含むように、クラウン14とスカート18との間にリングベルトを形成してもよい。一対のピンボス22がクラウン14の下側から下方に延在し、概ねスカート18の境界内に配置される。各ピンボス22には、ピン孔24が形成されている。ピン孔24は、共通のピン孔軸Aに沿って配置され、介在する空間または間隙によって互いから離間された周方向に延在するピン孔面を各々が有する。典型的に、ピン孔24はスカート18を通って延在する。
【0015】
コネクティングロッドは、概ね26に示される。コネクティングロッド26は、回転クランクシャフト(図示せず)を往復動ピストン本体12に動作可能に相互接続させるために内燃機関において使用されるいずれかの好適な種類であり得る。特に、図示された例におけるコネクティングロッド26は、一般に小端部とも称される上端部28を有する。コネクティングロッド26は、下端部30、および上端部28と下端部30との間に延在するシャンク32も含む。典型的に、コネクティングロッド26全体は、鋳造もしくは鍛造作業、または他の好適な製造プロセスで作製された一体構造として形成される。コネクティングロッド26の下端部30は、従来のやり方のいずれかでクランクシャフトに連結されるように設計される。
【0016】
ピストンアセンブリ10内では、コネクティングロッド26の上端部28は、ピストンアセンブリ12のピンボス22間の介在空間に配置される。最も典型的でありかつ好ましい実施形態では、上端部28に、ピン孔24の直径と等しい直径の大きさであり得る小端孔34が形成される。小端孔34は、ピン孔24と共に中心決めされるように、ピン孔軸Aに沿っても位置合わせされる。
【0017】
本発明に係るリストピンは、概ね36に示される。リストピンは、閉鎖端38を有する概ね円筒状の構造であることが好ましい。リストピン36は、直径および長さ双方の点から、ピン孔24および小端孔34内にぴったり嵌合し、かつそれぞれのピン孔24においてクリップ溝40に据え付けられたばねクリップによって所定の位置に保持されるように寸法決めされる。このように、リストピン36は、ピストン本体12がシリンダボア(図示せず)において直線的に往復運動することができ、コネクティングロッド26がその下端部30の、回転クランクシャフト(図示せず)との接続によって概ね平面動作を受けるように、ピストン本体12とコネクティングロッド26とを旋回可能に相互接続する。
【0018】
おそらく
図3に最良に示されるように、リストピン36は、概ね42に示される密封されたキャビティを含む。固定量の熱伝達媒体44が密封されたキャビティ42内部に貯留される。伝熱媒体44は、ピストン本体12の往復運動中の「カクテルシェーカ」動作によってキャビティ42の内壁からの熱抽出を行うことができるように、密封されたキャビティ42内部の利用可能な空間を部分的にのみ充填することが好ましい。液体、ペレット状の固形材料、ならびに低温可融金属および合金を含むいずれかの好適な材料が伝熱媒体44に使用され得る。可融合金は、容易に融解することができる、つまり比較的低温で容易に溶融可能な合金である。可融合金は、一般に、しかし必ずではないが、共融合金である。溶融した可融合金は、加熱下で安定しており、かつ多くの他の冷却液よりはるかに高い熱伝導度を与えることができるため、冷却液として使用することができることが知られている。特に、これは、インジウムまたはナトリウムなどの高い熱伝導度を有して作製された合金の場合であり得る。他の好適な可融金属合金は、リチウム系材料、およびナトリウム‐カリウムなどの液体を含む。他の好適な冷却材料は、銅またはアルミニウムを添加したシリコーンオイルを含んでもよい。密封されたキャビティ42内部の冷却液の容積は変動することがある。いわゆる「カクテルシェーカ」効果を促進するために、密封されたキャビティ42の容量が10〜50%充填されることが好ましい。
図3に示されるように、密封されたキャビティ42は、リストピン36にライフルドリル加工(rifle-drilled)され、閉鎖端38によって封止される複数の別個の区画46で構成されてもよい。この例では、1つの区画46内の伝熱媒体44が別の区画46に移動することができないように、区画46は互いに分離される。
【0019】
図4は、
図3のような横断面図であるが、鋳造、焼結、またはブランクからの機械加工を含むいずれかの好適な方法によって形成されたカルトゥーシュ(cartouche)として密封されたキャビティ42′を形成することができる代替的な実施形態を表す。この例では、同じかまたは対応する部品を先の実施形態で導入された同じ参照符号で示すためにダッシュ記号を用いる。密封されたキャビティ42′は、選択された冷却液44′で部分的に充填され、容積範囲はすでに特定されている。キャビティ42′の内部輪郭は区画46′を形成する。区画46′は互いに分離されてないものの、実際には互いに開放されているため、1つの区画46′の伝熱媒体44′は別の区画46′に移動することができる。密封されたキャビティ42′の内部輪郭は一例としてここに示されるにすぎず、当業者は、処理に適合するように形状および輪郭を変化させることができると認識する。本実施形態は、カルトゥーシュが薄いスチールシェル48′に圧入または締まり嵌めされ、さらにはコネクティングロッドとピストン本体とを相互接続させるための耐久性のある外面またはスリーブをもたらす概念も実証する。換言すると、シェル48′は、ピン孔に対抗する軸受要素として作用することになる。カルトゥーシュは、負荷に耐えるのに必要な構造的剛性をスチールシェル48′に与えることになる。
【0020】
図5および
図6を参照して、ピストンアンダークラウンに機械加工されたサドル124に支えられるようにリストピン136が設計される本発明の一層さらなる実施形態が示される。
図5および
図6の実施形態では、上で採用されたものと同じかまたは対応する参照符号に100が付される。この場合、コネクティングロッド126およびリストピン136は、一体構造として互いに一体的に接続される。2つの構成要素間は、ボルト締め、溶接等を含むいずれかの好適な技術によって取付けることができる。キャップ軸受150がピンボス122に依存するスタッド154にナット152によって取付けられている。キャップおよび上部軸受表面は、マンガンリン酸塩のような減摩コーティング、DLC(ダイヤモンドライクコーティング)、PVD処理に由来したコーティング、およびクロムマトリックスおよびナノダイヤモンドによって含まれるRoC(ロバストコーティング)で覆われてもよい。このように、リストピン136は、周知の方法での機能的な接合のためにピン孔軸に沿って取込まれる。
【0021】
図6に示されるように、リストピン136およびコネクティングロッド126は、リストピン136およびコネクティングロッドシャンク132の長さにある程度食い込む、一致したライフルドリル加工で形成されてもよい。シャンク132内の密封されたキャビティは、参照符号156によって示される。このキャビティ156も、選択された冷却液で、かつ先に特定されたのと同じ容積範囲で充填される。この構成の特別な利点は、ピストン本体112からの熱負荷が、リストピン136/コネクティングロッド126の対に放散され、伝熱媒体144を介してコネクティングロッドシャンク132に効果的に伝達されるという点である。コネクティングロッド126は次いで、クランクピン(図示せず)を流れる油膜(図示せず)と、アセンブリ110が配置される内燃機関のクランクケース(図示せず)内部のオイルミストおよび空気とに、この熱を伝達する。当業者には理解されるように、記載した熱伝達経路は、このアセンブリ110内の構成要素の典型的な原動力、およびクランクケース環境に関連する非常に速い相対速度により、非常に効果的である。
【0022】
前述の発明は関連する法的基準に従って記載されており、ゆえに記載は本質的に限定ではなく例示である。開示した実施形態に対する変更および修正が当業者にとって明白となり、発明の範囲内にあり得る。