特許第6185013号(P6185013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185013
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ワイヤレス通信のための空間干渉緩和
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/28 20090101AFI20170814BHJP
【FI】
   H04W16/28
【請求項の数】16
【外国語出願】
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-133695(P2015-133695)
(22)【出願日】2015年7月2日
(62)【分割の表示】特願2013-150632(P2013-150632)の分割
【原出願日】2009年5月15日
(65)【公開番号】特開2015-228664(P2015-228664A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2015年7月31日
(31)【優先権主張番号】61/053,564
(32)【優先日】2008年5月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/117,852
(32)【優先日】2008年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/463,723
(32)【優先日】2009年5月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】アレクセイ・ワイ.・ゴロコブ
【審査官】 米倉 明日香
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2007/137280(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/084921(WO,A2)
【文献】 Dongguk Lim, et al.,The PMI Restriction for the downlink Closed-loop MIMO,IEEE C802.16m-08/430,2008年 5月 5日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信ネットワークにおいてデータを受信する方法であって、
第2の局において第1の局からプリコーディング情報を受信することと、前記プリコーディング情報は、前記第1の局において判断される、
第3の局への干渉を低減するために、前記プリコーディング情報に基づいて、データ送信を適合することと、
前記第の局への干渉を低減するために、前記プリコーディング情報に基づいて、適合された前記データ送信を、前記第2の局から前記第1の局に送信することとを備える方法。
【請求項2】
前記プリコーディング情報が、プリコーディング行列インジケータ(PMI)を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記PMIは、前記第1の局によってコードブックから選択されたプリコーディング行列に対応する、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記プリコーディング情報は、前記第2の局から前記第1の局へのチャネル応答に基づいて前記第1の局において計算されたプリコーディング行列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記プリコーディング行列は、前記チャネル応答に関連して固有値分解を前記第1の局において実行することによって計算される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の局がユーザ機器(UE)を備え、前記第2の局が前記UEと干渉するセルを備え、前記第3の局が前記干渉セルによってサービスされるさらなるUEを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記プリコーディング情報を前記受信することが、前記プリコーディング情報を前記干渉セルにフォワーディングする前記第1の局にサービスするセルから、前記プリコーディング情報を受信することを備える、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の局がセルを備え、前記第2の局が前記セルと干渉するユーザ機器(UE)を備え、前記第3の局が前記干渉するUEにサービスするセルを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ワイヤレス通信のための装置であって、
第2の局において判断され、前記第2の局から第1の局に送信されたプリコーディング情報を、前記第1の局において受信するように構成され、第3の局への干渉を低減するために、前記プリコーディング情報に基づいて、データ送信を適合し、前記第の局への干渉を低減するために、前記プリコーディング情報に基づいて、適合された前記データ送信を、前記の局に送信するようにさらに構成される、少なくとも1つのプロセッサ、を備える装置。
【請求項10】
前記プリコーディング情報が、プリコーディング行列インジケータ(PMI)を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記PMIは、前記第2の局によってコードブックから選択されたプリコーディング行列に対応する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記プリコーディング情報は、前記第1の局から前記第2の局へのチャネル応答に基づいて前記第2の局において計算されたプリコーディング行列を含む、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記プリコーディング行列は、前記チャネル応答に関連して固有値分解を前記第2の局において実行することによって計算される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第2の局がユーザ機器(UE)を備え、前記第1の局が前記UEと干渉するセルを備え、前記第3の局が前記干渉セルによってサービスされるさらなるUEを備える、請求項9に記載の装置。
【請求項15】
前記プリコーディング情報を前記送信することが、前記プリコーディング情報を、前記干渉セルにフォワーディングするために前記第1の局にサービスするセルに送信することを備える、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第2の局がセルを備え、前記第1の局が前記セルと干渉するユーザ機器(UE)を備え、前記第3の局が前記干渉UEにサービスするセルを備える、請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、両方とも本発明の譲受人に譲渡され、参照により本明細書に組み込まれる、2008年5月15日に出願された「SPATIAL INTERFERENCE AVOIDANCE TECHNIQUES」と題する米国仮出願第61/053,564号、および2008年11月25日に出願された「SPATIAL INTERFERENCE AVOIDANCE TIMELINE」と題する米国仮出願第61/117,852号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、一般に通信に関し、より詳細には、ワイヤレス通信ネットワークにおいてデータを送信および受信するための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークは、ボイス、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなどの様々な通信コンテンツを提供するために広く展開されている。これらのワイヤレスネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザをサポートすることが可能な多元接続ネットワークとすることができる。そのような多元接続ネットワークの例には、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、およびシングルキャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワークがある。
【0004】
ワイヤレス通信ネットワークは、いくつかのユーザ機器(UE)の通信をサポートすることができるいくつかの基地局を含むことができる。UEは、ダウンリンクおよびアップリンクを介して基地局と通信することができる。ダウンリンク(または順方向リンク)は基地局からUEへの通信リンクを指し、アップリンク(または逆方向リンク)はUEから基地局への通信リンクを指す。
【0005】
UEは、複数の基地局のカバレージ内にある場合がある。1つの基地局がUEにサービスするように選択され、残りの基地局は非サービング基地局とすることができる。UEは、ダウンリンク上で非サービング基地局からの高い干渉を観測し、および/またはアップリンク上で非サービング基地局に高い干渉を引き起こす場合がある。強い非サービング基地局の存在下でさえ良好なパフォーマンスを達成する方法でデータを送信することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
ワイヤレス通信ネットワークにおいて空間干渉緩和を用いて(空間干渉緩和を伴って)データを送信および受信するための技法について、本明細書で説明する。空間干渉緩和は、空間ヌル化および/または受信機空間処理に基づく被干渉局における干渉の低減を指す。空間ヌル化は、被干渉局への干渉を低減するために、被干渉局から離れる方向における送信のステアリング(舵取りを行って進めること)を指す。受信機空間処理は、所望の信号成分を復元し、干渉を抑制するための複数の受信アンテナの検出を指す。空間干渉緩和は協調ビームフォーミング(CEB)と呼ばれることもある。
【0007】
空間干渉緩和を用いてデータを送信する1つの設計では、第1の局(たとえば、セル)は、第1の局と通信していない第2の局(たとえば、被干渉UE)から空間フィードバック情報(SFI)を受信することができる。また、第2の局は第3の局(たとえば、被サービスUE)からプリコーディング情報を受信することができる。第1の局は、第2の局への干渉を低減するために、プリコーディング情報とSFIとに基づいてデータ送信を第3の局に送信することができる。1つの設計では、SFIは空間ヌル化情報を備えることができる。第1の局は、第2の局から離れる方向にデータ送信をステアリングするために空間ヌル化情報に基づいてデータ送信を送信することができる。
【0008】
空間干渉緩和を用いてデータを受信する1つの設計では、第1の局(たとえば、UE)は、SFI要求を受信して、第1の局と通信していない第2の局(たとえば、干渉セル)のためのSFIを送信することができる。SFI要求は、第1の局と通信している第3の局(たとえば、サービングセル)によって送信できる。第1の局は、SFI要求に応答してSFIを判断し、第2の局に送信することができる。第1の局はまた、プリコーディング情報を判断し、第3の局に送信することができる。その後、第1の局は、プリコーディング情報に基づいて第3の局によって送信されたデータ送信を受信することができる。第1の局はまた、第1の局への干渉を低減するためにSFIに基づいて第2の局によって別の局に送信された送信を受信することができる。
【0009】
本開示の様々な態様および特徴について以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】ワイヤレス通信ネットワークを示す図。
図2】空間干渉緩和を伴ったダウンリンクデータ送信を示す図。
図3A図2のダウンリンクデータ送信を説明する図。
図3B図2のダウンリンクデータ送信を説明する図。
図3C図2のダウンリンクデータ送信を説明する図。
図3D図2のダウンリンクデータ送信を説明する図。
図4】空間干渉緩和を用いたアップリンクデータ送信を示す図。
図5】空間干渉緩和を用いてデータを送信するためのプロセスを示す図。
図6】空間干渉緩和を用いてデータを送信するための装置を示す図。
図7】空間干渉緩和を用いてデータを受信するためのプロセスを示す図。
図8】空間干渉緩和を用いてデータを受信するための装置を示す図。
図9】基地局およびUEのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明する技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAおよび他のネットワークなど、様々なワイヤレス通信ネットワークに使用できる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)、cdma2000などの無線技術を実装することができる。UTRAは、Wideband CDMA(WCDMA(登録商標))およびCDMAの他の変形態を含む。cdma2000は、IS−2000、IS−95およびIS−856規格をカバーする。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM(登録商標))などの無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、Evolved UTRA(E−UTRA)、Ultra Mobile Broadband(UMB)、IEEE802.11(Wi−Fi(登録商標))、IEEE802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE−UTRAは、Universal Mobile Telecommunication System(UMTS)の一部である。3GPP Long Term Evolution(LTE)およびLTE−Advanced(LTE−A)は、E−UTRAを使用するUMTSの新しいリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTE、LTE−AおよびGSMは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。cdma2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。本明細書で説明する技法は、上記のワイヤレスネットワークおよび無線技術、ならびに他のワイヤレスネットワークおよび無線技術に使用できる。明快のために、本技法のいくつかの態様について以下ではLTEに関して説明し、以下の説明の大部分でLTE用語を使用する。
【0012】
図1は、ワイヤレス通信ネットワーク100を示しており、これはLTEネットワークまたは何らかの他のネットワークとすることができる。ワイヤレスネットワーク100は、いくつかの進化型ノードB(eNB)および他のネットワークエンティティを含むことができる。簡単のために、図1には、2つのeNB、eNB110aおよび110bのみを示す。eNBは、UEと通信する固定局とすることができ、ノードB、基地局、アクセスポイントなどとも呼ばれる。各eNB110は、特定の地理的エリアに対して通信カバレージを提供することができる。3GPPでは、「セル」という用語は、この用語が使用される状況に応じて、eNBのカバレージエリアおよび/またはこのカバレージエリアにサービスしているeNBサブシステムを指すことがある。
【0013】
eNBは、マクロセル、ピコセル、フェムトセル、および/または他のタイプのセルに通信カバレージを与えることができる。マクロセルは、比較的大きい地理的エリア(たとえば、半径数キロメートル)をカバーし、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にする。ピコセルは、比較的小さい地理的エリアをカバーし、サービスに加入しているUEによる無制限アクセスを可能にする。フェムトセルは、比較的小さい地理的エリア(たとえば、家庭)をカバーし、フェムトセルとの関連を有するUE(たとえば、家庭におけるユーザのためのUE)による限定アクセスを可能にする。マクロセルのためのeNBをマクロeNBと呼ぶ。ピコセルのためのeNBをピコeNBと呼ぶ。フェムトセルのためのeNBをフェムトeNBまたはホームeNBと呼ぶ。図1に示す例では、eNB110aは、マクロセルXのためのマクロeNBである。eNB110bは、ピコセルYのためのピコeNB、またはフェムトセルYのためのフェムトeNBである。eNBは、1つまたは複数の(たとえば、3つの)セルをサポートすることができる。
【0014】
ワイヤレスネットワーク100はまた、中継局を含むことができる。中継局は、上流局(たとえば、eNBまたはUE)からデータおよび/または他の情報の送信を受信し、そのデータおよび/または他の情報の送信を下流局(たとえば、UEまたはeNB)に送信する局である。中継局はまた、他のUEに対する送信を中継するUEとすることができる。
【0015】
ワイヤレスネットワーク100は、1つのタイプのeNB、たとえば、マクロeNBのみ、またはフェムトeNBのみを含む同種ネットワークとすることができる。ワイヤレスネットワーク100はまた、様々なタイプのeNB、たとえばマクロeNB、ピコeNB、フェムトeNB、中継器などを含む異種ネットワークとすることができる。これらの様々なタイプのeNBは、様々な送信パワーレベル、様々なカバレージエリア、およびワイヤレスネットワーク100中の干渉に対する様々な影響を有する。たとえば、マクロeNBは、高い送信パワーレベル(たとえば、20ワット)を有するが、ピコeNB、フェムトeNB、および中継器は、より低い送信パワーレベル(たとえば、1ワット)を有する。本明細書で説明する技法は同種ネットワークと異種ネットワークの両方のために使用できる。
【0016】
ネットワークコントローラ130は、eNBのセットに結合し、これらのeNBの調整および制御を行うことができる。ネットワークコントローラ130はバックホールを介してeNB110と通信することができる。eNB110はまた、たとえば、ワイヤレスバックホールまたはワイヤラインバックホールを介して直接または間接的に互いに通信することができる。
【0017】
UEはワイヤレスネットワーク100全体にわたって分散でき、各UEは固定または移動とすることができる。簡単のために、図1には、4つのUE120a、120b、120cおよび120dのみを示し、これらはそれぞれ、UE1、2、3および4とも呼ばれる。UEは、端末、移動局、加入者ユニット、局などとも呼ばれる。UEは、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ワイヤレス通信デバイス、ハンドヘルドデバイス、ラップトップコンピュータ、コードレス電話、ワイヤレスローカルループ(WLL)局などとすることができる。図1において、片矢印付きの実線は、サービングセルからUEへの所望のデータ送信を示し、片矢印付きの破線は、干渉セルからUEへの干渉送信を示す。サービングセルは、ダウンリンクおよび/またはアップリンク上でUEにサービスするために指定されたセルである。非サービングセルは、ダウンリンク上でUEに対して干渉を引き起こしている干渉セル、および/またはアップリンク上でUEからの干渉を観測している被干渉セルとすることができる。簡単のために、図1にはアップリンク送信を示さない。
【0018】
LTEは、ダウンリンク上では直交周波数分割多重(OFDM)を利用し、アップリンク上ではシングルキャリア周波数分割多重化(SC−FDM)を利用する。OFDMおよびSC−FDMは、システム帯域幅を、一般にトーン、ビンなどとも呼ばれる複数(K個)の直交サブキャリアに分割する。各サブキャリアはデータで変調される。一般に、変調シンボルは、OFDMでは周波数領域で、SC−FDMでは時間領域で送信される。サブキャリアの総数(K)はシステム帯域幅に依存することがある。たとえば、Kは、それぞれ1.25、2.5、5、10または20メガヘルツ(MHz)のシステム帯域幅に対して128、256、512、1024または2048に等しいとすることができる。システム帯域幅はまたサブバンドに分割され、各サブバンドはLTE中で1.08MHzをカバーすることができる。
【0019】
LTEでは、各リンクに対する送信タイムラインはサブフレームのユニットに分割される。各サブフレームは、所定の継続時間、たとえば、1ミリ秒(ms)を有し、2つのスロットを含む。各スロットは、拡張された巡回プレフィックスに対して6つのシンボル期間を含むか、または通常の巡回プレフィックスに対して7つのシンボル期間を含む。各リンクに利用可能な時間周波数リソースはリソースブロックに分割される。各リソースブロックは、特定の時間および周波数次元、たとえば、LTE中の1つのスロット中で12個のサブキャリアをカバーする。
【0020】
UEは、(i)UEがダウンリンク上で1つまたは複数の干渉セルから高い干渉を観測し、および/または(ii)サービングセルがアップリンク上で1つまたは複数の干渉UEから高い干渉を観測するという支配的干渉シナリオでサービングセルと通信することができる。支配的干渉シナリオは範囲拡張のために行われ、これは、UEが、UEによって検出されたすべてのセルのうち、より低い経路損失とより低いジオメトリとをもつセルに接続するシナリオである。たとえば、図1では、UE2は、マクロセルXとピコセルYとを検出し、ピコセルYについて、マクロセルXよりも低い受信パワーを有する。とはいえ、ピコセルYの経路損失がマクロセルXの経路損失よりも低い場合、UE2はセルYに接続することが望ましい。これにより、UE2の所与のデータレートに対してワイヤレスネットワークへの干渉が少なくなる。支配的干渉シナリオはまた、制限付き関連付けのために行われる。たとえば、図1では、UE1は、フェムトセルYに近接しており、このセルについて高い受信パワーを有する。しかしながら、UE1は、制限付き関連付けのためにフェムトセルYにアクセスすることができず、次いで、より低い受信パワーをもつ無制限マクロセルXに接続する。その場合、UE1は、ダウンリンク上でフェムトセルYから高い干渉を観測し、また、アップリンク上でセルYに高い干渉を引き起こすことがある。
【0021】
一態様では、UEへの干渉を低減するために、ダウンリンク上でのデータ送信に対して空間干渉緩和を実行することができる。1つの設計では、UEは、空間フィードバック情報(SFI)を判断し、干渉セルに与えることができる。干渉セルは、UEへの干渉を低減するためにSFIに基づいてその送信を送信することができる。
【0022】
以下のタイプの情報が利用可能である。
【0023】
・空間フィードバック情報− 被干渉局への干渉を低減するために使用される情報
・空間ヌル化情報− 被干渉局から離れる方向に送信をステアリングするために使用される情報
・プリコーディング情報− ターゲット局のほうへ送信をステアリングするために使用される情報
・ヌル化利得情報− 空間干渉緩和による干渉の低減を示す情報
ダウンリンク上での空間干渉緩和の場合、SFIは、(i)UEから離れるように干渉セルの送信をステアリングするために干渉セルによって使用される、干渉セルのための空間ヌル化情報、(ii)UEのサービングセルからUEへの方向から離れるように干渉セルの送信をステアリングするために干渉セルによって使用される、サービングセルのためのプリコーディング情報、(iii)ヌル化利得情報、および/または(iv)他の情報を含むことができる。SFIのための様々なタイプの情報は、以下で説明するように判断できる。
【0024】
1つの設計では、UEは、たとえば、ダウンリンク上で干渉セルによって送信された基準信号またはパイロットに基づいて、そのセルのダウンリンクチャネル応答を推定することができる。ダウンリンクチャネル推定値は、次のように与えられるR×Tチャネル行列によって与えられる。
【数1】
【0025】
上式で、Hiuは、干渉セルiからUE uへのダウンリンクチャネルのためのチャネル行列であり、
rt、r=1、...、Rおよびt=1、...、Tは、干渉セルにおける送信アンテナtとUEにおける受信アンテナrとの間の複素利得であり、
Tは干渉セルにおける送信アンテナの数であり、
RはUEにおける受信アンテナの数である。
【0026】
チャネル行列Hiuは、UEにおけるR個の受信アンテナに対するR個の行を含む。Hiuの各行は、UEにおける1つの受信アンテナに対する1つのチャネルベクトルhiuに対応する。UEが単一のアンテナを備えている場合、Hiuは、単一のチャネルベクトルに対する単一の行を含む。したがって、行列は、1つの行または1つの列しかないとき、ベクトルに縮退する。ダウンリンクチャネル推定値は、システム帯域幅の全部または一部分に対して、たとえば、UEがスケジュールされるサブバンドに対して得られる。
【0027】
第1のSFI設計では、SFIは、干渉セルのためのチャネル方向インジケータ(CDI)を備えることができる。干渉セルのためのCDIは様々な方法で判断できる。1つの設計では、UEは、量子化チャネル行列のコードブックに基づいてHiuを量子化することができる。UEは、コードブック中の各量子化チャネル行列を次のように評価することができる。
【数2】
【0028】
上式で、Hは、コードブック中のl番目の量子化チャネル行列であり、
H,lは、HとHiuとの間の直交性を示すメトリックであり、
」はエルミート共役または複素共役を示す。
【0029】
メトリックQH,lは、コードブック中の各量子化チャネル行列に対して計算できる。最大のQH,lを有し、Hiuをできるだけ近接して整合させる量子化チャネル行列Hは、干渉セルのためのCDIとして選択され、与えられる。したがって、チャネル行列Hiuは、(Hiuに最大限に直交するのではなく)Hiuと最大限に相関するHに量子化される。別の設計では、UEは、量子化チャネルベクトルのコードブックに基づいてHiuの各行を量子化し、Hiuの各行に対して量子化チャネルベクトルを得ることができる。UEはまた、他の方法でHiuを量子化することができる。量子化チャネル行列またはベクトルのコードブックのサイズは、シグナリングオーバーヘッドを低減しながら良好なヌル化パフォーマンスを得るように選択できる。干渉セルのためのCDIは、量子化チャネル行列のインデックス、各量子化チャネルベクトルのインデックスおよび/または他の情報を含むことができる。UEは、CDIをSFIとして干渉セルに送信することができる。報告されたHが干渉セルからUEへの方向を示すので、干渉セルは、UEへの干渉を低減するためにHにできるだけ直交するプリコーディング行列を選択することができる。
【0030】
第2のSFI設計では、SFIは、干渉セルのためのプリコーディング行列インジケータ(PMI)を備えることができる。干渉セルのためのPMIは様々な方法で判断できる。1つの設計では、UEは、プリコーディング行列のコードブックからHiuにできるだけ直交するプリコーディング行列を選択することができる。UEは、コードブック中の各プリコーディング行列を次のように評価することができる。
【数3】
【0031】
上式で、Pは、コードブック中のl番目のプリコーディング行列であり、
P,lは、PとHiuとの間の直交性を示すメトリックである。
【0032】
UEは、最小のQP,lを有し、Hiuに最も直交するプリコーディング行列を選択することができる。UEは、このプリコーディング行列のインデックスを干渉セルのためのSFIとして送信することができる。選択されたプリコーディング行列は、UEにおいて最大の干渉低減を生じる有効アンテナの線形結合の「最良の」セットを含むことができる。
【0033】
別の設計では、UEは、Hiuにできるだけ直交するプリコーディング行列Piuを計算することができる。UEは、次のように固有値分解を実行することができる。
【数4】
【0034】

ユニタリ行列Eは、性質EE=Iによって特徴づけられ、Iは単位行列である。Eの列は互いに直交し、各列は単位パワーを有する。干渉セルからUEへのダウンリンクチャネルはS個の固有モードを有し、S≦min{R,T}である。EのT個の列は、T個の固有ベクトルと呼ばれ、Hiuの固有モードでデータを送信するために使用できる。Λの対角要素は、Hiuの固有モードのパワー利得を表す固有値である。ΛのT個の対角要素は、EのT個の固有ベクトルに関連する。R<Tの場合、Λは、最高R個の0でない対角要素と、残りの対角要素に対する0とを含むことができる。Λ中の0対角要素に対応するE中の固有ベクトルは、Hiuに直交し、プリコーディング行列Piu中に含めることができる。UEは、干渉セルのためのSFIを得るために、(たとえば、上述のようにHiuのための)Piuを量子化することができる。UEはSFIを干渉セルに送信し、次いで、干渉セルは、UEへの干渉を低減するために、量子化されたPiuをできる限り整合させるプリコーディング行列を選択することができる。
【0035】
さらに別の設計では、UEは、複数の受信アンテナを備えており、その受信ヌル化機能を考慮に入れることによって干渉セルのためのプリコーディング行列を判断することができる。UEは、サービングセルのためのチャネル行列に基づいて空間フィルタ行列を導出することができる。次いで、UEは、その空間フィルタ行列を用いて、サービングセルからの送信に対して受信機空間処理を実行することができる。UEは、空間フィルタ行列がUEによって使用されると仮定して、コードブック中の各プリコーディング行列を評価することができる。UEは、空間フィルタ行列を用いて最良の受信機パフォーマンスを与えることができるプリコーディング行列を選択することができる。UEは、選択されたプリコーディング行列を干渉セルのためのSFIとして与えることができる。
【0036】
第3のSFI設計では、干渉セルのためのSFIは、サービングセルのためのCDIまたはPMIを備えることができる。UEは、サービングセルのためのダウンリンクチャネルを推定し、サービングセルのためのダウンリンクチャネル行列Hsuに基づいてCDIまたはPMIを判断することができる。CDIは、量子化チャネル行列のインデックス、各量子化チャネルベクトルのインデックスなどを含むことができる。PMIは、UEのためのサービングセルによって使用されるプリコーディング行列またはベクトルのためのインデックスなどを含むことができる。UEは、サービングセルのためのCDIまたはPMIを干渉セルのためのSFIとして送信することができる。サービングセルのためのCDI/PMIはサービングセルからUEへの方向を示すので、干渉セルは、UEへの干渉を低減するために、サービングセルのためのCDI/PMIにできるだけ直交するプリコーディング行列を選択することができる。たとえば、干渉セルは、サービングセルによって選択されたビームによって受ける影響が最小限となるUEをスケジュールすることができる。
【0037】
別の設計では、干渉セルのためのSFIは、UEにおけるある受信機空間処理を仮定する、直交ベクトルのセットを備えることができる。たとえば、SFIは、式(4)に示すように得られるチャネル行列Hiuの1つまたは複数の主要な固有ベクトルに直交する1つまたは複数のベクトルを備えることができる。別の例として、サービングセルからのデータ送信のためにUEに対してある受信機空間処理を仮定する。その場合、SFIは、干渉セルにおける送信アンテナとUEにおける受信機空間処理の出力との間の有効チャネルに直交する1つまたは複数のベクトルを備えることができる。
【0038】
一般に、干渉セルのための空間ヌル化情報は、干渉セルのためのCDIまたはPMI、サービングセルのためのCDIまたはPMI、および/あるいは何らかの他の情報を備えることができる。干渉セルは、空間ヌル化情報を使用して、その送信をUEの方向から離れるようステアリングすることができるプリコーディング行列を判断することができる。
【0039】
1つの設計では、SFIは、UEによって供給された空間ヌル化情報を適用する干渉セルから生じる送信ヌル化利得(TNG)を備えることができる。UEは、(i)干渉セルが空間ヌル化情報を適用する場合の干渉セルからの干渉パワーISFI、および(ii)干渉セルが空間ヌル化情報を適用しない(または、開ループを動作しない)場合の干渉セルからの干渉パワーIOLを推定することができる。UEは、送信ヌル化利得をIOLに対するISFIの比として判断することができる。したがって、空間ヌル化情報が開ループ送信ではなく干渉セルによって使用された場合、送信ヌル化利得は干渉セルからの干渉パワーの低減の量を示すことができる。干渉セルは、UEのためのターゲット干渉レベルを得るために使用すべき送信パワーレベルを判断することができる。空間ヌル化情報が干渉セルによって適用されたとき、干渉セルは送信ヌル化利得によってこの送信パワーレベルを増加させることが可能である。
【0040】
別の設計では、SFIは、サービングセルに対して受信機空間処理を実行するUEから生じる、干渉セルのための受信ヌル化利得(RNG)を備えることができる。干渉セルが単一の送信アンテナを備え、空間ヌル化のためのステアリングを実行することができない場合、この設計は特に適用可能である。受信ヌル化利得は、受信機空間処理を実行するUEによる干渉パワーの低減の量を示し、以下で説明するように判断される。次いで、干渉セルは、たとえば、UEのためのターゲット干渉レベルを達成するために、受信ヌル化利得に基づいてその送信パワーレベルを判断する。受信ヌル化利得はまた、UEのためのターゲット干渉レベルに因数分解される。干渉セルは、受信ヌル化利得の値を知る必要はないが、むしろ、UEのための得られたターゲット干渉レベルを知る必要がある。
【0041】
UEは、空間干渉緩和をサポートするために干渉セルのためのSFIを送信することができる。SFIは、干渉セルのためのCDIまたはPMI、サービングセルのためのCDIまたはPMI、送信ヌル化利得、受信ヌル化利得、および/あるいは他の情報を備えることができる。1つの設計では、UEは、SFIを干渉セルに直接送信することができる。別の設計では、UEはSFIをサービングセルに送信することができ、サービングセルは、たとえば、バックホールを通して交換されたレイヤ3(L3)シグナリングを介して、SFIを干渉セルにフォワーディングすることができる。UEは十分に速いレートでSFIを送信することができ、レートはUEのモビリティおよび場合によっては他のファクタに依存することがある。たとえば、UEは、UEの低いモビリティ条件下で干渉マクロセルによる送信ヌル化を使用可能にするように、SFIをより速いレートでこのセルに送信することができる。UEは、UEの静的または準静的条件下で、SFIをより遅いレートで干渉ピコまたはフェムトセルに送信することができる。UEはまた、以下で説明するように、要求されたときはいつでもSFIを送信することができる。一般に、SFIは、良好な送信ヌル化を得るために、比較的最近のチャネル推定値に対応しなければならない。
【0042】
別の態様では、セルへの干渉を低減するために、アップリンク上でのデータ送信に対して空間干渉緩和を実行することができる。アップリンクに対する空間干渉緩和は、UEが1つまたは複数の送信アンテナを備えているかどうかに応じて様々な方法で実行される。
【0043】
1つの設計では、複数の送信アンテナを備えた干渉UEは、セルへの干渉を低減するために、その送信を空間的にステアリングすることができる。セルは、干渉UEからセルへのアップリンクチャネルを推定し、たとえば、ダウンリンクに対して上記の設計のいずれかを使用して推定されたアップリンクチャネルに基づいて空間ヌル化情報を判断することができる。セルはまた、たとえば、上述のように、ダウンリンクに対して送信ヌル化利得を判断することができる。干渉UEのためのSFIは、空間ヌル化情報、送信ヌル化利得などを備えることができる。セルは、SFIを干渉UEに送信することができる。干渉UEは、SFIを使用して、空間的にセルから離れる方向にその送信をステアリングし、および/またはその送信パワーを低減することができる。
【0044】
別の設計では、セルは、単一の送信アンテナを備えている干渉UEに対して受信干渉ヌル化を実行することができる。セルは、干渉UEを考慮に入れることによってサービスすべきUEを選択することができる。
【0045】
セルは、次式で表すことができる受信シンボルを得ることができる。
【数5】
【0046】
上式で、sは、被サービスUE uによって送信されたデータシンボルであり、
は、干渉UE jによって送信されたデータシンボルであり、
usは、被サービスUE uからセルsへのアップリンクチャネルに対するチャネルベクトルであり、
jsは、干渉UE jからセルsへのアップリンクチャネルに対するチャネルベクトルであり、
は、セルsにおける受信シンボルのベクトルであり、
tsは、セルsにおける全雑音と干渉とのベクトルであり、
は、セルsにおける、UE jからを除く全雑音と干渉とのベクトルである。
【0047】
セルは、被サービスUEからのデータシンボルを復元し、干渉UEからのデータシンボルを抑圧/ヌル化するために、受信機空間処理を実行することができる。セルは、(i)被サービスUEに対するhusをできるだけ近接して整合させ、および(ii)干渉UEに対するhjsにできるだけ直交する空間フィルタベクトルmを選択することができる。1つの設計では、空間フィルタベクトルmを最小平均2乗誤差(MMSE)受信フィルタに基づいて判断し、
【数6】
【0048】
として計算することができ、aはスケーリングファクタであり、Rnnは全雑音と干渉との共分散行列である。別の設計では、セルは、空間フィルタベクトルのコードブック中の各エントリを評価し、最良の信号対雑音および干渉比(SINR)を用いて空間フィルタベクトルを選択することができる。セルはまた、他の方法で空間フィルタベクトルを判断することができる。
【0049】
セルは、受信機空間処理を、次のように実行することができる。
【数7】
【0050】
上式で、
【数8】
【0051】
は、被サービスUE uの検出されたシンボルであり、
は、セルsにおける受信機空間処理後の雑音および干渉である。
【0052】
式(6)に示す処理は、各シンボル期間中に各サブキャリアに対して実行できる。
【0053】
セルは、被サービスUEに対して受信機空間処理を実行するセルから生じる干渉UEに対して受信ヌル化利得を判断することができる。セルは、(i)セルが受信機空間処理を実行している場合の干渉UEからの干渉パワーIRXP、および(ii)セルによる受信機空間処理がない場合の干渉UEからの干渉パワーIno_RXPを推定することができる。セルは、受信ヌル化利得をIno_RXPに対するIRXPの比として判断することができる。したがって、受信ヌル化利得は、受信機空間処理を実行するセルによる干渉パワーの低減の量を示すことができる。セルは、受信ヌル化利得を干渉UEに与えることができる。セルまたは干渉UEは、セルのためのターゲット干渉レベルを得るために、受信ヌル化利得を考慮に入れることによってUEのためのターゲット送信パワーレベルを計算することができる。干渉UEは、受信ヌル化利得によってその送信パワーを増加させることが可能である。
【0054】
セルは、被サービスUEと干渉UEとの特定のペアに対して受信ヌル化利得を判断することができる。UEペアリングが望ましくない場合、セルは、サービスされる可能性がある様々なUEとそれらのチャネル状態とに基づいて、予想される(たとえば、平均)受信ヌル化利得または最悪受信ヌル化利得を計算することができる。受信ヌル化利得の使用は、各フェムトセルが1つまたは少数のUEにしかサービスせず、1つまたは少数の干渉UEしか有しないフェムト展開において特に適用可能である。したがって、被サービスUEと干渉UEとの限られた数のペアがフェムト展開において存在する。
【0055】
セルは、干渉UEのためのSFIを送信することができる。SFIは、(i)UEが複数のアンテナを備えている場合の空間ヌル化情報および/または送信ヌル化利得、(ii)UEが単一のアンテナを備えている場合の受信ヌル化利得、ならびに/あるいは(iii)他の情報を備えることができる。1つの設計では、セルは、SFIを干渉UEに直接送信することができる。別の設計では、セルは、たとえば、バックホールを通して交換されたL3シグナリングを介して、SFIを干渉UEのサービングセルに送信する。次いで、サービングセルはSFIを干渉UEに送信する。セルは、SFIを適切なレートで送信することができる。良好な空間ヌル化を得るために、SFIに対する量子化を選択することができる。同じまたは異なる量子化レベルは、無線で送信されたSFIとバックホールを介してフォワーディングされたSFIとのために使用できる。
【0056】
ダウンリンクおよびアップリンクに対する空間干渉緩和は、様々な方法で実行できる。1つの設計では、所与のリンクに対する空間干渉緩和は、(常時実行されるのではなく)保証されたときにトリガされる。たとえば、支配的な干渉物が検出されたとき、空間干渉緩和はトリガされる。1つの設計では、SFIは、空間干渉緩和をサポートするために適切なレートで送信される。別の設計では、SFIは、イベントによってトリガされたときに送信され、それによりシグナリングオーバーヘッドを低減することができる。たとえば、空間ヌル化情報、送信ヌル化利得、および/または受信ヌル化利得に顕著な変化があった場合、たとえば、空間ヌル化情報またはヌル化利得の変化があるしきい値を超えたとき、SFIを送信することができる。
【0057】
本明細書で説明する空間干渉緩和技法は、周波数分割二重(FDD)ネットワークならびに時分割二重(TDD)ネットワークのために使用できる。FDDの場合、ダウンリンクおよびアップリンクは別々の周波数チャネルを割り振られ、ダウンリンクのチャネル応答は、アップリンクのチャネル応答とそれほど相関しない。FDDネットワークの場合、UEは、干渉セルのダウンリンクチャネル応答を推定し、ダウンリンクチャネル応答に基づいてSFIを判断し、上述のように、SFIを干渉セルに送信することができる。セルはまた、干渉UEのアップリンクチャネル応答を推定し、アップリンクチャネル応答に基づいてSFIを判断し、また上述の様にSFIを干渉UEに送信することができる。TDDの場合、ダウンリンクおよびアップリンクは同じ周波数チャネルを共有し、ダウンリンクのチャネル応答はアップリンクのチャネル応答と相関することができる。TDDネットワークの場合、干渉セルは、UEからの基準信号に基づいてUEのアップリンクチャネル応答を推定し、アップリンクチャネル応答に基づいてダウンリンクチャネル応答を推定し、ダウンリンクチャネル応答を使用してUEから離れる方向にその送信をステアリングすることができる。干渉UEはまた、セルからの基準信号に基づいてセルのダウンリンクチャネル応答を推定し、ダウンリンクチャネル応答に基づいてアップリンクチャネル応答を推定し、アップリンクチャネル応答を使用してセルから離れる方向にその送信をステアリングすることができる。したがって、干渉局は、被干渉局からSFIを受信する必要なしに、そのチャネル推定値に基づいてSFIを得ることが可能である。
【0058】
空間干渉緩和は、様々なシグナリングメッセージおよびタイムラインを使用して所与のリンクに対してサポートされる。ダウンリンクおよびアップリンクに対する空間干渉緩和のためのいくつかの例示的なタイムラインおよびメッセージについて以下に説明する。
【0059】
図2に、空間干渉緩和を用いたダウンリンクデータ送信方式200の設計を示す。簡単のために、図2には、図1の2つのセルXおよびY、ならびに2つのUE1および2のみを示す。セルXは、UE1のサービングセルであり、UE2に対する干渉セルである。セルYは、UE2のサービングセルであり、UE1に対する干渉セルである。
【0060】
セルXは、UE1に送信すべきデータを有し、UE1がダウンリンク上で高い干渉を観測しているという知識を有する。たとえば、セルXはUE1からパイロット測定報告を受信し、その報告は強い干渉セルYを示し、および/または識別することができる。セルXは、(i)SFIを判断し干渉セルYに送信すること、および/または(ii)フィードバックを判断しサービングセルXに送信することをUE1に依頼するために、SFI要求をUE1に送信する。SFI要求は、以下で説明するように様々なタイプの情報を含む。同様に、セルYは、UE2に送信すべきデータを有し、UE2がダウンリンク上で高い干渉を観測しているという知識を有する。次いで、セルYは、SFIを判断し干渉セルXに送信するようにUE2に依頼するために、SFI要求をUE2に送信する。
【0061】
UE1は、そのサービングセルXからSFI要求を受信する。SFI要求に応答して、UE1は、たとえば、上述のように干渉セルYのダウンリンクチャネル応答を推定し、ダウンリンクチャネル応答に基づいてセルYのためのSFIを判断する。次いで、UE1はSFIを干渉セルYに送信する。UE1はまた、そのサービングセルXのダウンリンクチャネル応答を推定し、セルXのためのプリコーディング情報(たとえば、CDIまたはPMI)を判断し、プリコーディング情報をセルXに送信する。同様に、UE2は、そのサービングセルYからSFI要求を受信し、干渉セルXのダウンリンクチャネル応答を推定し、ダウンリンクチャネル応答に基づいてセルXのためのSFIを判断し、SFIをセルXに送信する。UE2はまた、そのサービングセルYのダウンリンクチャネル応答を推定し、セルYのためのプリコーディング情報を判断し、プリコーディング情報をセルYに送信する。
【0062】
セルXは、UE1からプリコーディング情報を受信し、被干渉UE2からSFIを受信する。セルXは、UE1からのプリコーディング情報とUE2からのSFIとに基づいて、データ送信に使用するプリコーディング行列Pを判断する。セルXはまた、UE2からの送信ヌル化利得、UE2のためのターゲット干渉レベル、および/または他の情報に基づいて、データ送信に使用する送信パワーレベルPdata,Xを判断する。次いで、セルXは、プリコーディング行列Pを用いて、Pdata,XまたはPdata,Xのスケーリングされたバージョンに等しい送信パワーレベルPRQI−RS,Xにおいてリソース品質インジケータ(RQI)基準信号を送信する。基準信号またはパイロットは、送信機および受信機によってアプリオリ(a priori)に知られる送信である。RQI基準信号はパワー決定パイロットとも呼ばれる。RQI基準信号は、プリコーディング行列を用いて送信されたステアリングされた基準信号であり、および/または可変送信パワーレベルを有する。セルXはまた、RQI要求を、UE1、および/またはセルXによってサービスされる他のUEに送信する。RQI要求は、RQI基準信号に基づいてセルXのチャネル品質を推定することと、RQIをセルXに送信することとをUE1に依頼する。同様に、セルYは、UE2からのプリコーディング情報とUE1からのSFIとに基づいて、データ送信に使用するプリコーディング行列Pを判断する。セルYはまた、UE1からの送信ヌル化利得、UE1のためのターゲット干渉レベル、および/または他の情報に基づいて、データ送信に使用する送信パワーレベルPdata,Yを判断する。次いで、セルYは、プリコーディング行列Pを用いて、Pdata,YまたはPdata,Yのスケーリングされたバージョンに等しい送信パワーレベルPRQI−RS,YにおいてRQI基準信号を送信する。セルYはまた、RQI要求を、UE2、および/またはセルYによってサービスされる他のUEに送信する。
【0063】
UE1は、セルXおよびYからRQI基準信号を受信し、ならびにそのサービングセルXからRQI要求を受信する。RQI要求に応答して、UE1は、すべてのセルからのRQI基準信号に基づいてサービングセルXのチャネル品質を推定する。RQI基準信号により、UE1は、セルが使用することを予想するプリコーディング行列と送信パワーレベルとを考慮に入れることによって、サービングセルXからのデータ送信についてUE1が予想するチャネル品質をより正確に推定することが可能になる。UE1は、チャネル品質のSINR推定値、そのSINR推定値に基づいて判断される変調および符号化方式(MCS)などを備えるRQIを判断する。UE1はRQIをそのサービングセルXに送信する。同様にUE2は、セルXおよびYからRQI基準信号を受信し、ならびにそのサービングセルYからRQI要求を受信する。UE2は、サービングセルYのチャネル品質を推定し、RQIを判断し、RQIをセルYに送信する。
【0064】
セルXは、UE1からRQIを受信し、データ送信のためにUE1をスケジュールし、RQIに基づいてMCSを選択し、選択されたMCSに従ってUE1のデータを処理する。セルXは、リソース割当て、スケジューリング許可などとも呼ばれるダウンリンク(DL)許可を発生する。ダウンリンク許可は、割当てリソース、選択されたMCSなどを示す。セルXは、ダウンリンク許可およびデータ送信をUE1に送信する。UE1は、ダウンリンク許可およびデータ送信を受信し、選択されたMCSに従って受信した送信を復号する。UE1は、データが正しく復号されたか、または間違って復号されたかを示す肯定応答(ACK)情報を発生する。UE1はACK情報をそのサービングセルXに送信する。同様に、セルYはデータ送信をUE2に送信する。
【0065】
図3A図3Dに、図2のダウンリンクデータ送信方式のメッセージの送信について示す。各セルは、最初に、時間周波数リソースのセット(たとえば、1つまたは複数のリソースブロック)上で可能なデータ送信のために1つまたは複数のUEを選択する。最初のUE選択は、異なるセルにおけるUEの優先度、UEのためのチャネル情報、セルのダウンリンクバッファステータス、サービス品質(QoS)要件、ネットワーク最適化基準(たとえば、スループット、フェアネス)などの様々なファクタに基づく。UEのためのチャネル情報は長期であり、バックホール、たとえばLTEにおけるX2インターフェースを介してセル間で交換される。選択されたUEは、暫定的にスケジュールされたUEと考えられる。図3Aに示すように、各セルは、SFI要求を各選択されたUEに送信する。各選択されたUEは、プリコーディング情報(たとえば、CDI)を判断し、そのサービングセルに送信し、また、図3Bに示すように、SFIを判断し、そのUEのためのSFI要求中に示される各干渉セルに送信する。
【0066】
各セルは、各選択されたUEからプリコーディング情報を受信し、ならびに各被干渉UEからSFIを受信する。各セルは、たとえば、ユーティリティレベル、優先度などに基づいて、被干渉UEからのSFIを遵守するか、または却下することができる。各セルは、最初のUE選択について上述したファクタなどの様々なファクタに基づいて、時間周波数リソースのセット上でデータ送信のために1つまたは複数のUEをスケジュールする。各セルについて、スケジュールされた(1つまたは複数の)UEは、最初に選択された(1つまたは複数の)UEと同じか、または、それとは異なることがある。所与のセルは、たとえば、そのセルと別のセルとの間のスケジューリング競合により、選択されたUEのための適切なプリコーディング行列を適用することができず、その場合、別のUEをスケジュールすることがある。たとえば、セルYは、UE2を最初に選択し、セルXとのスケジューリング競合により、UE2のための適切なプリコーディング行列を使用することができず、その場合、セルXからの干渉による影響をそれほど受けないUE4をスケジュールすることができる。このフレキシビリティにより、セルは、セルが利用可能な空間ビームから恩恵を被るUEをスケジュールすることが可能になる。
【0067】
各セルは、スケジュールされた(1つまたは複数の)UEに使用するプリコーディング行列を判断し、また、データ送信に使用する送信パワーレベルを判断する。次いで、各セルは、図3Cに示すように、RQI基準信号ならびにRQI要求を各スケジュールされたUEに送信する。所与のセルは、RQI要求およびSFI要求を異なるUEに送信することができる。たとえば、セルYは、SFI要求をUE2に送信し、後でRQI要求をUE4に送信する。セルはまた、セルがこれらのUEからのRQIに基づいて機会主義的なスケジューリング決定を行うことができるように、時間周波数リソースの同じセットを求めてRQI要求を複数のUEに送信することができる。各スケジュールされたUEは、図3Dに示すように、RQIを判断し、そのサービングセルに送信する。
【0068】
図2図3Dに示す設計では、サービングセルは、SFIを干渉セルに送信するようにUEに依頼するために、SFI要求をUEに送信することができる。別の設計では、干渉セルは、SFIをそのセルに送信するようにUEに依頼するために、SFI要求をUEに送信することができる。SFI要求はまた、他のエンティティによって送信されることがある。たとえば、UEは、SFIを強い干渉セルに送信することを自律的に決定することができる。
【0069】
図4に、空間干渉緩和を用いたアップリンクデータ送信方式400の設計を示す。簡単のために、図4には、図1の2つのセルXおよびY、ならびに2つのUE1および2のみを示す。セルXは、UE1のサービングセルであり、アップリンク上でUE2によって干渉される。セルYは、UE2のサービングセルであり、アップリンク上でUE1によって干渉される。
【0070】
UE1は、そのサービングセルXに送信すべきデータを有し、リソース要求を送信する。リソース要求は、要求の優先度、UE1によって送信すべきデータの量などを示す。図4に示さない1つの設計では、UE1は、SFI要求を被干渉セルYに送信しない。この設計では、被干渉セルYは、UE1による空間干渉緩和が所望されると判断した場合、SFIをUEに送信する。図4に示す別の設計では、UE1は、SFIを判断することと、UE1に送信することとをセルYに依頼するために、SFI要求を被干渉セルYに送信する。UE1はまた、各セルがUE1のための空間ヌル化情報またはプリコーディング情報を判断できるように、基準信号をリソース要求とともに送信する。
【0071】
サービングセルXは、UE1からリソース要求を受信し、場合によってはUE2からSFI要求を受信する。セルXは、RQI基準信号を送信するようにUE1に依頼するために、基準信号要求をUE1に送信する。セルXはまた、UE1のためのプリコーディング情報(たとえば、CDIまたはPMI)を判断し、プリコーディング情報をUE1に送信する(図4には示さない)。セルYは、UE1からSFI要求を受信し、UE1からのアップリンク送信に基づいてSFIを判断し、SFIをUE1に送信する。UE1が単一の送信アンテナを備えている場合、SFIはUE1のための受信ヌル化利得および/または他の情報を備える。UE1が複数の送信アンテナを備えている場合、SFIは、UE1がセルYから離れる方向にその送信をステアリングできるように、空間ヌル化情報(たとえば、セルYのためのCDIまたはPMI)を備える。
【0072】
UE1は、そのサービングセルXから基準信号要求を受信し、被干渉セルYからSFIを受信し、および場合によってはサービングセルXからプリコーディング情報を受信する。UE1が単一の送信アンテナを備えている場合、UE1は、セルYからの受信ヌル化利得、セルYのためのターゲット干渉レベル、および/または他の情報に基づいてデータ送信に使用する送信パワーレベルPdata,1を判断する。UE1が複数の送信アンテナを備えている場合、UE1は、セルXからのプリコーディング情報とセルYからの空間ヌル化情報とに基づいて、データ送信に使用するプリコーディング行列Pを判断する。次いで、UE1は、送信パワーレベルPRQI−RS,1において、場合によってはプリコーディング行列Pを用いてRQI基準信号を送信する。PRQI−RS,1は、Pdata,1、またはPdata,1のスケーリングされたバージョンに等しい。
【0073】
サービングセルXは、UE1とUE2とからRQI基準信号を受信する。セルXは、RQI基準信号に基づいてUE1のチャネル品質を判断し、チャネル品質に基づいてUE1のためのMCSを選択する。セルXはアップリンク許可を発生し、アップリンク許可は選択されたMCS、割当てリソース、割当てリソースに使用する送信パワーレベル、および/または他の情報を含む。セルXは、アップリンク許可をUE1に送信する。UE1は、アップリンク許可を受信し、選択されたMCSに従ってデータを処理し、割当てリソース上でデータ送信を送信する。セルXは、UE1からデータ送信を受信し、受信した送信を復号し、復号結果に基づいてACK情報を判断し、ACK情報をUE1に送信する。
【0074】
図2に示す設計では、SFI要求はダウンリンクサブフレームt中で送信され、SFIはアップリンクサブフレームt中で送信され、RQI要求およびRQI基準信号はダウンリンクサブフレームt中で送信され、RQIはアップリンクサブフレームt中で送信され、ダウンリンク許可およびデータはダウンリンクサブフレームt中で送信され、ACK情報はアップリンクサブフレームt中で送信される。サブフレームt、t、t、t、tおよびtは、同じまたは異なる数のサブフレームだけ、たとえば、送信のために使用される連続するサブフレーム間の2〜4つのサブフレームだけ分離される。1つの設計では、ダウンリンクサブフレームt、tおよびtは1つのダウンリンクインターレースに属し、そのダウンリンクインターレースは、L個のサブフレームだけ離れて離間したダウンリンクサブフレームを含み、Lは任意の適切な値である。アップリンクサブフレームt、tおよびtは1つのアップリンクインターレースに属し、そのアップリンクインターレースは、L個のサブフレームだけ離れて離間したアップリンクサブフレームを含む。
【0075】
図4に示す設計では、リソース要求およびSFI要求はアップリンクサブフレームt中で送信され、SFIおよび基準信号要求はダウンリンクサブフレームt中で送信され、RQI基準信号はアップリンクサブフレームt中で送信され、アップリンク許可はダウンリンクサブフレームt中で送信され、データはアップリンクサブフレームt中で送信され、ACK情報はダウンリンクサブフレームt中で送信される。サブフレームt、t、t、t、tおよびtは、同じまたは異なる数のサブフレームだけ分離される。1つの設計では、アップリンクサブフレームt、tおよびtは、1つのアップリンクインターレースに属し、ダウンリンクサブフレームt、tおよびtは、1つのダウンリンクインターレースに属する。
【0076】
1つの設計では、メッセージおよびデータ送信のためのリソースは明示的に搬送される。たとえば、図2では、SFI要求は、特定のデータリソースのためのSFIを要求し、RQI要求は、特定のデータリソースのためのRQIを要求するなどである。別の設計では、メッセージを送信するために使用されるリソース、基準信号を送信するために使用されるリソース、およびデータ送信を送信するために使用されるリソースは、暗黙的に搬送される。たとえば、図2では、SFI要求はダウンリンクリソースRSFI−REQ上で送信され、RSFI−REQにリンクされるダウンリンクデータリソースRDATAのためのSFIを要求する。同じデータリソースRDATAに対応するすべてのセルのRQI基準信号は重複するので、UEが、これらのUEによって観測される、すべてのセルからの全干渉を測定することができる。SFIはアップリンクリソースRSFI上で送信され、アップリンクリソースRSFIは、SFI要求を送信するために使用されるダウンリンクリソースRSFI−REQにリンクされるか、またはSFI要求中に明示的に示される。RQI要求はダウンリンクリソースRRQI−REQ上で送信され、ダウンリンクリソースRRQI−RSのためのRQIを要求し、ダウンリンクリソースRRQI−RSはRRQI−REQにリンクされる。RQIは、ダウンリンクリソースRRQI−RS上で送信されたRQI基準信号に基づいて判断され、アップリンクリソースRRQI上で送信され、アップリンクリソースRRQIはダウンリンクリソースRRQI−REQにリンクされるか、またはRQI要求中に明示的に示される。RQI基準信号は、ダウンリンクリソースRRQI−RS上で送信され、ダウンリンクデータリソースRDATA上で使用されるプリコーディング行列と送信パワーレベルとを搬送することができる。
【0077】
空間干渉緩和のためのメッセージおよび送信は様々なタイプの情報を備えることができる。たとえば、ダウンリンク上での空間干渉緩和のためのメッセージおよび送信は、以下で説明する情報を含むことができる。
【0078】
1つの設計では、UEに送信されたSFI要求は以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0079】
・UEがSFIを送信すべき各干渉セル、
・SFIを判断するための時間周波数リソース、
・SFIを送信するために使用するアップリンクリソース、
・SFI要求の優先度、
・ターゲット干渉レベル、および/または
・他の情報。
【0080】
干渉セルは、UEによってサービングセルに送信されるパイロット測定報告に基づいて識別できる。1つの設計では、各干渉セルは、シグナリングオーバーヘッドを低減するために、たとえば、干渉セルごとに2〜3ビットの短いセル識別子(ID)によって識別できる。別の設計では、UEが報告すべき干渉セルのセットに対してビットマップを使用することができ、各干渉セルをビットマップ中のビットに関連付けることができる。シグナリングオーバーヘッドを低減するために、干渉セルの数を(たとえば、6つのセルに)制限することができる。干渉セルを、受信パワーがサービングセルの受信パワーの所定の値以内(たとえば、10dB以内)にあるセルに制限することもできる。UEは、SFIを、SFI要求中に示される各干渉セルに送信することができる。
【0081】
SFIを判断するための時間周波数リソースは、システム帯域幅、たとえば、サブバンド、1つまたは複数のリソースブロックなどの全部または一部とすることができる。リソースは、SFI要求によって(たとえば、リソースインデックスによって)明示的に示されるか、または暗黙的に搬送(たとえば、SFI要求が送信されるリソースにリンク)される。
【0082】
SFI要求の優先度は様々なファクタに基づいて判断できる。1つの設計では、優先度は中〜長期効用関数に基づいて判断できる。優先度は、長期優先度に対する短期優先度の差をも含むことができる。優先度は、シグナリングオーバーヘッドを低減するために、少数の値(たとえば、1〜2ビット)に量子化できる。1つの設計では、優先度は、送信するデータのタイプ、たとえばベストエフォート(BE)、保証付き転送(AF)、優先転送(EF)などによって判断できる。
【0083】
1つの設計では、干渉セルのためのSFIは以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0084】
・空間ヌル化情報、たとえば、干渉セルのためのCDIまたはPMI、サービングセルのためのCDIまたはPMIなど、
・送信ヌル化利得および/または受信ヌル化利得、
・干渉セルによる干渉を低減する時間周波数リソース、
・UEのためのターゲット干渉レベル、
・干渉セルによる干渉を低減したいという要求の優先度、
・フィードバック情報のタイプ、および/または
・他の情報。
【0085】
干渉セルのためのCDIまたはPMI、およびサービングセルのためのCDIまたはPMIは、上述のように判断できる。各セルのためのCDI/PMIは、所望の送信ヌル化パフォーマンスを達成するために十分な解像度(たとえば、8〜10ビット)を備えることができる。サービングセルは、異なるセル間の正確なスケジューリング調整を可能にするために、干渉セルのためのCDI/PMIとサービングセルのためのCDI/PMIとを同時に送信するようにUEに要求することができる。上述のように、送信および/または受信ヌル化利得を判断し、報告することもできる。
【0086】
干渉を低減する時間周波数リソースは、(たとえば、リソースインデックスを用いて)SFIによって明示的に示されるか、または暗黙的に搬送(たとえば、SFIが送信されるリソースにリンク)される。時間周波数リソースは、1つのサブフレーム中の1つのサブバンド、1つのサブフレーム中の複数のサブバンド、複数のサブフレームにわたるサブバンド、または何らかの他の時間周波数次元をカバーすることができる。SFIの優先度はSFI要求の優先度に等しいとすることができる。(たとえば、5MHz帯域幅を超える)広帯域展開では、フィードバックペイロードを低減するために、(たとえば、5MHzの)帯域幅部分ごとに別々のSFIを送信することができる。フィードバック情報のタイプは、SFIが、(i)干渉セルとUEとの間のチャネルに対応するCDIと、(ii)UEのサービングセルによって使用できるPMIとを備えるかどうかを示すことができる。情報のいずれか一方または両方のタイプは、干渉セルにおいてスケジューリング決定を行うために有用とすることができる。
【0087】
1つの設計では、UEに送信されたRQI要求は、以下のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0088】
・RQIを判断するための時間周波数リソース、
・RQIを送信するために使用するアップリンクリソース、
・RQI要求の優先度、および/または
・他の情報。
【0089】
1つの設計では、RQI基準信号は、サブフレームt中に指定されたリソース中のセルによって送信でき、プリコーディング行列と、サブフレームt=t+Δ中の対応するリソース上で使用される可能性がある送信パワーレベルとを搬送することができ、上式で、Δは固定オフセットとすることができる。対応するリソース中の送信パワーレベルは、たとえば、QoS、チャネル品質状態などに応じて、RQI基準信号中で搬送された送信パワーレベルと同じであるか、またはそれとは異なることがある。1つの設計では、すべてのセルは、それらのRQI基準信号を同じリソース上で送信することができ、セル固有の異なるスクランブルを使用することができる。これにより、UEは、サービングセルからの所望の信号成分と、干渉セルの異なるスクランブリングコードに基づくこれらのセルからの干渉とを測定することができる。RQI基準信号は、オーバーヘッドが比較的小さい、リソース固有のチャネル状態の正確な測定を可能にすることができる。オーバーヘッドの量は所望のリソースグラニュラリティに依存することができる。
【0090】
1つの設計では、UEからサービングセルへのRQIは、RQI要求中に明示的または暗黙的に示される、時間周波数リソースのチャネル品質を搬送することができる。RQIは、UEへのデータ送信に使用するために、少なくとも1つのレイヤの各々の(たとえば、4ビット以上の)量子化チャネル品質を備えることができる。各レイヤは、サービングセルからUEへのMIMOチャネルにおける空間チャネルに対応することができる。RQIは、ベースレイヤの量子化チャネル品質と、各追加のレイヤの差分値とを備えることもできる。RQIは、データ送信に使用するレイヤの数を搬送するために、(たとえば、1または2ビットの)ランクインジケータ(RI)を備えることもできる。
【0091】
アップリンク上での空間干渉緩和のためのメッセージおよび送信は、(i)ダウンリンク上での空間干渉緩和に関して上述した情報と同様の情報、および/または(ii)他の情報を含むことができる。
【0092】
1つの設計では、UEは、他の送信を除去される制御セグメント上でSFIおよび/またはRQIを送信することができる。たとえば、セルXは、セルXにSFIおよび/またはRQIを送信するために、セルYおよび場合によっては他のセル中のUEの制御セグメントを予約することができる。UEは、OFDMAまたはNxSC−FDMAを使用して、SFIまたはRQIをセルに送信することができる。
【0093】
1つの設計では、シグナリングオーバーヘッドを低減するために、空間干渉緩和のためのメッセージおよび送信をサブサンプリングすることができる。たとえば、図2に示すメッセージおよび送信のシーケンスはスケジューリング間隔ごとに1回送信でき、スケジューリング決定(たとえば、選択されたプリコーディング行列および送信パワーレベル)はスケジューリング間隔全体に対して有効とすることができる。スケジューリング間隔は、1つのインターレース中のM個のサブフレームまたは何らかの他の適切な持続期間をカバーすることができる。各インターレースは、L個のサブフレームだけ離れて離間したサブフレームを含むことができる。異なるインターレースのためのスケジューリング間隔は、サブサンプリングによって初期待ち時間が長くなるのを回避するために、時間的にずらして配置できる。別の設計では、永続的スケジューリングのために、メッセージは、延長時間期間にわたってその妥当性を示す持続性ビットを含むことができる。
【0094】
図2および図4中のメッセージおよび送信は、様々なチャネル上で送信できる。たとえば、LTEでは、セルは、物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)上でSFIおよびRQI要求をUEに送信することができる。1つの設計では、セルは、他のタイプのメッセージからSFI要求またはRQI要求を区別するために、既存のダウンリンク制御情報(DCI)フォーマットを使用して、たとえば、巡回冗長検査(CRC)のための異なるスクランブルを用いてSFI要求またはRQI要求を送信することができる。別の設計では、セルは、新しいDCIフォーマットを使用してSFI要求またはRQI要求を送信することができる。セルは、異なるCRCを使用して、複数のSFI要求またはRQI要求を1つのPDCCHに対応する空間において一緒に送信することができる。セルは、ダウンリンク許可を、PDCCH上で、スケジュールされたUEに送信することもできる。セルは、1つまたは複数のHARQ送信において物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上でデータを送信することができる。セルは、PDSCH上で、専用基準信号を、スケジュールされたUEに送信することもできる。
【0095】
UEは、SFI、RQI、および/またはACK情報を、(i)制御情報だけを送信する場合は物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)上で、または(ii)データおよび制御情報を両方とも送信する場合は物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)上で送信することができる。したがって、データをも送信する場合は、SFIおよびRQIをバンド内で送信することができる。PUCCHは、1つのサブフレーム中の2つのリソースブロック(RB)上で、最高12の情報ビットを搬送することができる。12の情報ビットは(20、12)ブロック符号を用いて符号化されて20の符号ビットを得ることができ、これがさらに処理され、2つのRB上で送信される。1つの設計では、SFIのためのQビット(たとえば、13〜16ビット)のより大きいペイロードはより高い(たとえば、20、Q)符号レートをもつPUCCH上で送信でき、ここで、Qは12よりも多いとすることができる。別の設計では、より大きいペイロードを新しいPUCCHフォーマットで送信することができる。ペイロードは、畳み込み符号またはリード−マラー(Reed-Muller)符号を用いて符号化でき、2つのハーフRBにわたって送信できる。各ハーフRBは、6つまたは7つのシンボル期間の1つのスロット中に6つのサブキャリアをカバーすることができ、スロットの中心の2つのシンボル期間中に基準信号を含むことができる。さらに別の設計では、より大きいペイロードを複数の部分に分割することができ、既存のPUCCHフォーマットを使用して各部分を送信することができる。複数の部分は、部分ごとにより高い送信パワーの使用を可能にするために、NxSC−FDMAをもつ同じサブフレーム中、または異なるサブフレーム中のサブキャリアの異なるセット上で送信できる。図2および図4中の様々なメッセージおよび送信は、他のデータチャネルおよび/または制御チャネル上でも送信できる。
【0096】
本明細書で説明する空間干渉緩和技法は、ダウンリンク上でアップリンクと同様に次元を増加させることができる。本技法は、(たとえば、カバレージ拡張のための)無計画展開、制限付き関連付けシナリオ、および他のシナリオにおいて実質的な利得を与えることができる。本技法は、少数の近接セル(たとえば、フェムト展開)からの高い干渉を観測する少数の被サービスUEをもつシナリオ、およびバースト的なトラフィックシナリオにおいて特に有利とすることができる。
【0097】
本明細書で説明する技法は、サイト間パケット共有(ISPS)および協調サイレンシング(CS)のためにも使用できる。ISPSでは、(同じまたは異なるeNBの)複数のセルが、パケットを単一のUEに送信することができる。各セルは、UEによって判断される、そのセルのためのプリコーディング情報に基づいて、UEにそのデータ送信を送信することができる。ISPSでは、サービングセル以外の各セルは、UEからのプリコーディング情報に基づいて(UEから離れるのではなく)UEのほうへその送信をステアリングすることができる。CSでは、干渉セルは、近接セルにおけるUEへの干渉を低減するために、その送信パワーを(場合によっては0に)低減することができる。干渉セルは、UEから離れるようにステアリングすべきかまたは単にその送信パワーを低減すべきかを判断することができる。
【0098】
図5に、ワイヤレス通信ネットワークにおいて、空間干渉緩和を用いてデータを送信するためのプロセス500の設計を示す。プロセス500は、ダウンリンク上でのデータ送信のためのセル、アップリンク上でのデータ送信のためのUE、または何らかの他のエンティティとすることができる第1の局によって実行できる。
【0099】
第1の局(たとえば、セル)は、第1の局と通信していない第2の局(たとえば、被干渉UE)からSFIを受信する(ブロック512)。第2の局は、第2の局のサービングセルまたは第1の局によって第2の局に送信されたSFI要求に応答して、SFIを第1の局に送信する。第1の局がSFI要求を第3の局(たとえば、被サービスUE)に送信し、第3の局がSFIを判断して1つまたは複数の他の干渉局に送信することもできる。したがって、SFIはポーリング時またはオンデマンドで送信できる。第1の局は第3の局からプリコーディング情報(たとえば、CDIまたはPMI)を受信する(ブロック514)。第1の局は、第2の局への干渉を低減するためにプリコーディング情報とSFIとに基づいてデータ送信を第3の局に送信する(ブロック516)。
【0100】
1つの設計では、SFIは第1の局のための空間ヌル化情報(たとえば、CDIまたはPMI)を備えることができる。次いで、第1の局は、第2の局から離れる方向にデータ送信をステアリングするために空間ヌル化情報に基づいてデータ送信を送信する。たとえば、第1の局は第2の局からのSFIと第3の局からのプリコーディング情報とに基づいてプリコーディング行列を選択する。次いで、第1の局はプリコーディング行列に基づいてデータ送信を第3の局に送信する。
【0101】
別の設計では、SFIは、空間ヌル化情報と、第1の局による空間ヌル化情報の使用による第2の局への干渉の低減を示す送信ヌル化利得とを備える。第1の局は、送信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断し、その送信パワーレベルでデータ送信を送信する。さらに別の設計では、SFIは、第2の局による受信機空間処理の使用による第2の局への干渉の低減を示す受信ヌル化利得を備える。第1の局は、受信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断し、その送信パワーレベルでデータ送信を送信する。
【0102】
ダウンリンク上でのデータ送信では、第1の局はサービングセルを備え、第2の局は被干渉UEを備え、第3の局は被サービスUEを備えることができる。サービングセルは、被干渉UEから直接SFIを受信することができる。代替的に、サービングセルは、別のセルを介して被干渉UEから間接的にSFIを受信することができる。アップリンク上でのデータ送信では、第1の局はUEを備え、第2の局は被干渉セルを備え、第3の局はUEのためのサービングセルを備えることができる。
【0103】
図6に、空間干渉緩和を用いてデータを送信するための装置600の設計を示す。装置600は、第1の局において、第1の局と通信していない第2の局によって送信されたSFIを受信するためのモジュール612と、第3の局からプリコーディング情報を受信するためのモジュール614と、第2の局への干渉を低減するためにプリコーディング情報とSFIとに基づいて第1の局からのデータ送信を第3の局に送信するためのモジュール616とを含む。
【0104】
図7に、ワイヤレス通信ネットワークにおいて、空間干渉緩和を用いてデータを受信するためのプロセス700の設計を示す。プロセス700は、ダウンリンク上でのデータ送信のためのUE、アップリンク上でのデータ送信のためのセル、または何らかの他のエンティティとすることができる第1の局によって実行できる。
【0105】
第1の局(たとえば、UE)は、第1の局と通信していない第2の局(たとえば、干渉セル)のためのSFIを送信せよというSFI要求を受信する(ブロック712)。1つの設計では、SFI要求は、第1の局と通信している第3の局(たとえば、サービングセル)によって送信される。別の設計では、SFI要求は第2の局によって送信される。いずれの場合も、SFI要求に応答して、第1の局は第2の局のためのSFIを判断する(ブロック714)。第1の局は、SFIを第2の局に送信するか、または第3の局に送信し、第3の局が第2の局にSFIをフォワーディングする(ブロック716)。第1の局は、第3の局のためのプリコーディング情報(たとえば、CDIまたはPMI)を判断し(ブロック718)、プリコーディング情報を第3の局に送信する(ブロック720)。その後、第1の局は、プリコーディング情報に基づいて第3の局によって送信されたデータ送信を受信する(ブロック722)。第1の局はまた、第1の局への干渉を低減するためにSFIに基づいて第2の局によって別の局に送信された送信を受信する(ブロック724)。
【0106】
1つの設計では、SFIは空間ヌル化情報を備える。第1の局は、第2の局から第1の局へのチャネル応答を判断する。次いで、第1の局は、第1の局への干渉を低減するためにチャネル応答に基づいてプリコーディング行列のコードブックからプリコーディング行列を選択する。空間ヌル化情報は、選択されたプリコーディング行列、第2の局のためのCDIまたはPMI、第3の局のためのCDIまたはPMIなどを備える。いずれの場合も、第2の局は、第1の局から離れる方向に送信をステアリングするために、空間ヌル化情報に基づいてその送信を送信する。
【0107】
別の設計では、SFIは、空間ヌル化情報と送信ヌル化利得とを備える。その場合、第2の局は、送信ヌル化利得に基づいて判断された送信パワーレベルでその送信を送信する。さらに別の設計では、SFIは受信ヌル化利得を備える。その場合、第2の局は、受信ヌル化利得に基づいて判断された送信パワーレベルでその送信を送信する。
【0108】
ダウンリンク上でのデータ送信では、第1の局はUEを備え、第2の局は干渉セルを備え、第3の局はUEのためのサービングセルを備えることができる。UEは、SFIを干渉セルに直接送信することができる。代替的に、UEはSFIをサービングセルに送信し、サービングセルはSFIを干渉セルにフォワーディングすることができる。アップリンク上でのデータ送信では、第1の局はセルを備え、第2の局は干渉UEを備え、第3の局はセルによってサービスされるUEを備えることができる。
【0109】
図8に、空間干渉緩和を用いてデータを受信するための装置800の設計を示す。装置800は、第1の局において、第1の局と通信していない第2の局のためのSFIを送信せよというSFI要求を受信するためのモジュール812と、第2の局のためのSFIを判断するためのモジュール814と、SFIをたとえば第2の局に送信するためのモジュール816と、第3の局のためのプリコーディング情報を判断するためのモジュール818と、プリコーディング情報を第3の局に送信するためのモジュール820と、プリコーディング情報に基づいて第3の局によって第1の局に送信されたデータ送信を受信するためのモジュール822と、第1の局への干渉を低減するためにSFIに基づいて第2の局によって別の局に送信された送信を受信するためのモジュール824とを含む。
【0110】
図6および図8のモジュールは、プロセッサ、電子デバイス、ハードウェアデバイス、電子構成要素、論理回路、メモリ、ソフトウェアコード、ファームウェアコードなど、またはそれらの任意の組合せを備えることができる。
【0111】
図9に、図1の基地局/eNBの1つである基地局/eNB110および図1のUEの1つであるUE120の設計のブロック図を示す。基地局110はT個のアンテナ934a〜934tを備え、UE120はR個のアンテナ952a〜952rを備えることができ、ただし一般にT≧1およびR≧1である。
【0112】
基地局110において、送信プロセッサ920は、データソース912からデータを受信し、コントローラ/プロセッサ940からメッセージを受信する。たとえば、コントローラ/プロセッサ940は、図2および図4に示す空間干渉緩和のためのメッセージを供給する。送信プロセッサ920は、データおよびメッセージを処理(たとえば、符号化、インターリーブ、およびシンボルマッピング)し、それぞれデータシンボルおよび制御シンボルを供給する。送信プロセッサ920はまた、RQI基準信号および/または他の基準信号またはパイロットのための基準シンボルを発生する。送信(TX)多入力多出力(MIMO)プロセッサ930は、適用可能な場合、データシンボル、制御シンボル、および/または基準シンボルに対して空間処理(たとえば、プリコーディング)を実行し、T個の出力シンボルストリームをT個の変調器(MOD)932a〜932tに供給する。各変調器932は、(たとえば、OFDMなどの)それぞれの出力シンボルストリームを処理して出力サンプルストリームを得る。各変調器932はさらに、出力サンプルストリームを処理(たとえば、アナログへの変換、増幅、フィルタ処理、およびアップコンバート)して、ダウンリンク信号を得る。変調器932a〜932tからのT個のダウンリンク信号は、それぞれT個のアンテナ934a〜934tを介して送信される。
【0113】
UE120において、アンテナ952a〜952rは、基地局110からダウンリンク信号を受信し、受信信号をそれぞれ復調器(DEMOD)954a〜954rに供給する。各復調器954は、それぞれの受信信号を調整(たとえば、フィルタ処理、増幅、ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを得る。各復調器954はさらに、(たとえば、OFDMなどの)入力サンプルを処理して受信シンボルを得る。MIMO検出器956は、R個の復調器954a〜954rのすべてから受信シンボルを得て、適用可能な場合は受信シンボルに対してMIMO検出を実行し、検出されたシンボルを供給する。受信プロセッサ958は、検出されたシンボルを処理(たとえば、復調、デインターリーブ、および復号)し、UE120の復号されたデータをデータシンク960に供給し、復号されたメッセージをコントローラ/プロセッサ980に供給する。
【0114】
アップリンク上で、UE120において、送信プロセッサ964は、データソース962からのデータと、コントローラ/プロセッサ980からの(たとえば、空間干渉緩和のための)メッセージとを受信し処理する。送信プロセッサ964はまた、RQI基準信号および/または他の基準信号またはパイロットのための基準シンボルを発生する。送信プロセッサ964からのシンボルは、適用可能な場合はTX MIMOプロセッサ966がプリコードし、さらに変調器954a〜954rが処理し、基地局110に送信する。基地局110において、UE120からのアップリンク信号は、アンテナ934によって受信され、復調器932によって処理され、適用可能な場合はMIMO検出器936によって検出され、さらに受信プロセッサ938によって処理されて、UE120によって送信された復号データおよびメッセージを得る。
【0115】
コントローラ/プロセッサ940および980は、それぞれ基地局110およびUE120における動作を指示する。基地局110におけるプロセッサ940および/または他のプロセッサおよびモジュールは、図5のプロセス500、図7のプロセス700、および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示する。UE120におけるプロセッサ980および/または他のプロセッサおよびモジュールは、プロセス500、プロセス700、および/または本明細書で説明する技法のための他のプロセスを実行または指示する。メモリ942および982は、それぞれ基地局110およびUE120のためのデータおよびプログラムコードを記憶する。スケジューラ944は、ダウンリンクおよび/またはアップリンク上でのデータ送信についてUEをスケジュールし、スケジュールされたUEにリソース許可を与える。
【0116】
情報および信号は様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明全体にわたって言及されるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁性粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0117】
さらに、本明細書の開示に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装できることを、当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0118】
本明細書の開示に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態マシンとすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。
【0119】
本明細書の開示に関して説明する方法またはアルゴリズムのステップは、直接ハードウェアで実施するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施するか、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROM(登録商標)メモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐することができる。ASICはユーザ端末中に常駐することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末中に個別構成要素として常駐することができる。
【0120】
1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装することができる。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、あるいは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、もしくは命令またはデータ構造の形の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用でき、汎用または専用コンピュータあるいは汎用または専用プロセッサによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができる。また、いかなる接続もコンピュータ可読媒体と適切に呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(登録商標)(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(登録商標)(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記の組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含めるべきである。
【0121】
本開示の前述の説明は、いかなる当業者でも本開示を作成または使用することができるように提供される。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用できる。したがって、本開示は、本明細書で説明する例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1] ワイヤレス通信ネットワークにおいてデータを送信する方法であって、
第1の局において、前記第1の局と通信していない第2の局によって送信された空間フィードバック情報(SFI)を受信することと、
前記第2の局への干渉を低減するために前記SFIに基づいて前記第1の局からのデータ送信を第3の局に送信することとを備える方法。
[C2] 前記第3の局からのプリコーディング情報を受信することと、
前記第2の局からの前記SFIと前記第3の局からの前記プリコーディング情報とに基づいてプリコーディング行列を選択することとをさらに備え、前記データ送信が、前記プリコーディング行列に基づいて前記第1の局から前記第3の局に送信されるC1に記載の方法。
[C3] 前記SFIが空間ヌル化情報を備え、前記データ送信が、前記第2の局から離れる方向に前記データ送信をステアリングするために前記空間ヌル化情報に基づいて前記第1の局によって送信される、C1に記載の方法。
[C4] 前記空間ヌル化情報が、前記第1の局のためのチャネル方向インジケータ(CDI)またはプリコーディング行列インジケータ(PMI)を備える、C3に記載の方法。
[C5] 前記SFIが、空間ヌル化情報と、前記第1の局による前記空間ヌル化情報の使用による前記第2の局への干渉の低減を示す送信ヌル化利得とを備え、前記データ送信を前記送信することが、
前記送信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断することと、
前記送信パワーレベルで前記第1の局からの前記データ送信を送信することとを備える、C1に記載の方法。
[C6] 前記SFIが、前記第2の局による受信機空間処理の使用による前記第2の局への干渉の低減を示す受信ヌル化利得を備え、前記データ送信を前記送信することが、
前記受信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断することと、
前記送信パワーレベルで前記第1の局からの前記データ送信を送信することとを備える、C1に記載の方法。
[C7] 前記SFIが、前記第1の局または第4の局によって前記第2の局に送信されたSFI要求に応答して、前記第2の局によって前記第1の局に送信される、C1に記載の方法。
[C8] SFIを少なくとも1つの干渉局に送信するように前記第3の局に依頼するために、SFI要求を前記第3の局に送信することをさらに備える、C1に記載の方法。
[C9] 前記第1の局がサービングセルを備え、前記第2の局が被干渉ユーザ機器(UE)を備え、前記第3の局が被サービスUEを備える、C1に記載の方法。
[C10] 前記SFIを前記受信することが、前記被干渉UEによって前記サービングセルに送信された前記SFIを受信することを備える、C9に記載の方法。
[C11] 前記SFIを前記受信することが、前記被干渉UEによって第2のセルに送信され、前記サービングセルにフォワーディングされた前記SFIを受信することを備える、C9に記載の方法。
[C12] 前記第1の局がユーザ機器(UE)を備え、前記第2の局が被干渉セルを備え、前記第3の局が前記UEのためのサービングセルを備える、C1に記載の方法。
[C13] ワイヤレス通信のための装置であって、
第1の局において、前記第1の局と通信していない第2の局によって送信された空間フィードバック情報(SFI)を受信するための手段と、
前記第2の局への干渉を低減するために前記SFIに基づいて前記第1の局からのデータ送信を第3の局に送信するための手段とを備える装置。
[C14] 前記第3の局からのプリコーディング情報を受信するための手段と、
前記第2の局からの前記SFIと前記第3の局からの前記プリコーディング情報とに基づいてプリコーディング行列を選択するための手段とをさらに備え、前記データ送信が、前記プリコーディング行列に基づいて前記第1の局から前記第3の局に送信されるC13に記載の装置。
[C15] 前記SFIが空間ヌル化情報を備え、前記データ送信が、前記第2の局から離れる方向に前記データ送信をステアリングするために前記空間ヌル化情報に基づいて前記第1の局によって送信される、C13に記載の装置。
[C16] 前記SFIが、空間ヌル化情報と、前記第1の局による前記空間ヌル化情報の使用による前記第2の局への干渉の低減を示す送信ヌル化利得とを備え、前記データ送信を送信するための前記手段が、
前記送信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断するための手段と、
前記送信パワーレベルで前記第1の局からの前記データ送信を送信するための手段とを備える、C13に記載の装置。
[C17] 前記SFIが、前記第2の局による受信機空間処理の使用による前記第2の局への干渉の低減を示す送信ヌル化利得を備え、前記データ送信を送信するための前記手段が、
前記受信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断するための手段と、
前記送信パワーレベルで前記第1の局からの前記データ送信を送信するための手段とを備える、C13に記載の装置。
[C18] ワイヤレス通信のための装置であって、
第1の局において、前記第1の局と通信していない第2の局によって送信された空間フィードバック情報(SFI)を受信することと、前記第2の局への干渉を低減するために前記SFIに基づいて前記第1の局からのデータ送信を第3の局に送信することとを行うように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える装置。
[C19] 前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第3の局からのプリコーディング情報を受信することと、前記第2の局からの前記SFIと前記第3の局からの前記プリコーディング情報とに基づいてプリコーディング行列を選択することと、前記プリコーディング行列に基づいて前記第1の局からの前記データ送信を前記第3の局に送信することとを行うように構成された、C18に記載の装置。
[C20] 前記SFIが空間ヌル化情報を備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記第2の局から離れる方向に前記データ送信をステアリングするために前記空間ヌル化情報に基づいて前記データ送信を送信するように構成された、C18に記載の装置。
[C21] 前記SFIが、空間ヌル化情報と、前記第1の局による前記空間ヌル化情報の使用による前記第2の局への干渉の低減を示す送信ヌル化利得とを備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記送信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断することと、前記送信パワーレベルで前記第1の局からの前記データ送信を送信することとを行うように構成された、C18に記載の装置。
[C22] 前記SFIが、前記第2の局による受信機空間処理の使用による前記第2の局への干渉の低減を示す受信ヌル化利得を備え、前記少なくとも1つのプロセッサが、前記受信ヌル化利得に基づいて送信パワーレベルを判断することと、前記送信パワーレベルで前記第1の局からの前記データ送信を送信することとを行うように構成された、C18に記載の装置。
[C23] 少なくとも1つのコンピュータに、第1の局において、前記第1の局と通信していない第2の局によって送信された空間フィードバック情報(SFI)を受信させるためのコードと、
前記少なくとも1つのコンピュータに、前記第2の局への干渉を低減するために前記SFIに基づいて前記第1の局からのデータ送信を第3の局に送信させるためのコードとを備えるコンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品。
[C24] ワイヤレス通信ネットワークにおいてデータを受信する方法であって、
第1の局によって、前記第1の局と通信していない第2の局のための空間フィードバック情報(SFI)を判断することと、
前記第2の局のための前記SFIを送信することと、
前記第1の局への干渉を低減するために前記SFIに基づいて前記第2の局によって送信された送信を受信することとを備える方法。
[C25] 前記第1の局によって第3の局のためのプリコーディング情報を判断することと、
前記プリコーディング情報を前記第3の局に送信することと、
前記第1の局への前記プリコーディング情報に基づいて前記第3の局によって送信されたデータ送信を受信することとをさらに備える、C24に記載の方法。
[C26] 前記第2の局から前記第1の局への第1のチャネル応答を判断することであって、前記SFIが、前記第1のチャネル応答に基づいて判断される、第1のチャネル応答を判断することと、
前記第3の局から前記第1の局への第2のチャネル応答を判断することであって、前記プリコーディング情報が、前記第2のチャネル応答に基づいて判断される、第2のチャネル応答を判断することとをさらに備える、C25に記載の方法。
[C27] 前記SFIが空間ヌル化情報を備え、前記送信が、前記第1の局から離れる方向に前記送信をステアリングするために前記空間ヌル化情報に基づいて前記第2の局によって送信される、C24に記載の方法。
[C28] 前記空間ヌル化情報が、前記第2の局のためのチャネル方向インジケータ(CDI)またはプリコーディング行列インジケータ(PMI)を備える、C27に記載の方法。
[C29] 前記空間ヌル化情報が、データ送信を前記第1の局に送信する第3の局のためのチャネル方向インジケータ(CDI)またはプリコーディング行列インジケータ(PMI)を備える、C27に記載の方法。
[C30] 前記空間ヌル化情報を前記判断することが、
前記第2の局から前記第1の局へのチャネル応答を判断することと、
前記第1の局への干渉を低減するために、前記チャネル応答に基づいてプリコーディング行列のコードブックからプリコーディング行列を選択することとを備え、前記空間ヌル化情報が前記選択されたプリコーディング行列を備えるC27に記載の方法。
[C31] 前記SFIが、空間ヌル化情報と、前記第2の局による前記空間ヌル化情報の使用による前記第1の局への干渉の低減を示す送信ヌル化利得とを備え、前記送信が、前記送信ヌル化利得に基づいて判断された送信パワーレベルで前記第2の局によって送信される、C24に記載の方法。
[C32] 前記SFIが、前記第1の局による受信機空間処理の使用による前記第1の局への干渉の低減を示す受信ヌル化利得を備え、前記送信が、前記受信ヌル化利得に基づいて判断された送信パワーレベルで前記第2の局によって送信される、C24に記載の方法。
[C33] 前記第1の局と通信している第3の局からSFI要求を受信することをさらに備え、前記SFIが、前記SFI要求に応答して前記第1の局によって送信されるC24に記載の方法。
[C34] 前記第1の局がユーザ機器(UE)を備え、前記第2の局が干渉セルを備え、前記第3の局が前記UEのためのサービングセルを備える、C25に記載の方法。
[C35] 前記SFIを前記送信することが、前記SFIを前記干渉セルに送信することを備える、C34に記載の方法。
[C36] 前記SFIを前記送信することが、前記SFIを、前記干渉セルにフォワーディングするために前記サービングセルに送信することを備える、C34に記載の方法。
[C37] 前記第1の局がセルを備え、前記第2の局が干渉ユーザ機器(UE)を備え、前記第3の局が前記セルによってサービスされるUEを備える、C25に記載の方法。
[C38] ワイヤレス通信のための装置であって、
第1の局によって、前記第1の局と通信していない第2の局のための空間フィードバック情報(SFI)を判断するための手段と、
前記第2の局のための前記SFIを送信するための手段と、
前記第1の局への干渉を低減するために前記SFIに基づいて前記第2の局によって送信された送信を受信するための手段とを備える装置。
[C39] 前記第1の局によって第3の局のためのプリコーディング情報を判断するための手段と、
前記プリコーディング情報を前記第3の局に送信するための手段と、
前記第1の局への前記プリコーディング情報に基づいて前記第3の局によって送信されたデータ送信を受信するための手段とをさらに備える、C38に記載の装置。
[C40] 前記SFIが空間ヌル化情報を備え、前記送信が、前記第1の局から離れる方向に前記送信をステアリングするために前記空間ヌル化情報に基づいて前記第2の局によって送信される、C38に記載の装置。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
図6
図7
図8
図9