(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0019】
驚いたことに、塩酸リトドリンが非常に特有な化学的物性を有するForm IとForm IIとの二つの多形形態で存在することが分かった。塩酸リトドリンForm Iは、非吸湿性であるので、Form IIと比較して特に有益である。非吸湿性を有するために、塩酸リトドリンForm Iの化学的物性はより簡単にコントロールすることができる。そのようなことが、塩酸リトドリンが処方される(formulated)場合に基本的に重要である。
【0020】
逆に、塩酸リトドリンForm IIは、吸湿性を有している。製薬業界において広く知られているように、吸湿性有効成分を処方する場合には、それ自体の保存及び処方中に、湿度がコントロールされた部屋を用いることを想定している。また、処方された製品は、湿度に起因する安定性の問題を回避するような適切な態様でパッケージしなければならない。この問題は、非吸湿性塩酸リトドリンForm Iを用いる場合には、回避することができる。
【0021】
塩酸リトドリンForm Iは、非吸湿性で、カールフィッシャー滴定法を介して測定されるそれの水分含量が安定している点において特徴を有する。驚いたことに、塩酸リトドリンForm Iは、75%の相対湿度に晒された場合であっても、水分を吸収しないことが分かった。
【0022】
本願において、用語「非吸湿性」とは、塩酸リトドリンForm Iが1%を下回る水分を吸収すること、例えば、75%の相対湿度の環境に晒された時に、0.5%を下回る水分を吸収することを意味する。
【0023】
逆に、塩酸リトドリンForm IIは、湿度環境であるが、有効成分について想定される環境のような通常の制御された保存状態に直接的に晒されない場合であっても、水分を吸収する。
【0024】
特に、本発明による塩酸リトドリンForm Iは、以下のように特徴付けられる結晶性固体である。
【表1】
【0025】
塩酸リトドリンForm IIは、以下のように特徴付けられる結晶性固体である。
【表2】
【0026】
塩酸リトドリンForm Iは、以下の方法によって得ることができる。 (i)溶液と塩酸リトドリンForm Iの二次沈殿物を確保するようにアルコール溶媒中の塩酸リトドリンを少なくとも一つの有機溶媒で処理する。又は、 (ii)有機溶媒中での懸濁によって、塩酸リトドリン溶媒和物又はモノハイドレート又はForm IIを変態させて、次いで、塩酸リトドリンForm Iを分離する。又は、 (iii)塩酸リトドリンForm Iを確保するように乾燥によって塩酸リトドリン溶媒和物又はモノハイドレート又はForm IIを変態させる。
【0027】
本発明の別の実施形態によれば、塩酸リトドリンは、次の工程を含んだ方法によって得ることができる。 (a)4−(2−ブロモプロピオニル)フェニルメタンスルホネート(4−(2−bromopropionyl)phenyl methanesulfonate)をベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミン(benzyl−[2−(4−benzyloxyphenyl)−ethyl]−amine)と反応させて、4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)−フェニルメタンスルホネート(4−(2−{benzyl−[2−(4−benzyloxy−phenyl)−ethyl]−amino}−propionyl)−phenyl methanesulfonate)(B)を確保する工程、 (b)対応の脱保護形態2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(2−{benzyl−[2−(4−benzyloxyphenyl)−ethyl]−amino}−1−(4−hydroxy−phenyl)−propan−1−one)(C)で工程(a)において得られた製品を加水分解する工程、 (c)2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(C)を塩化させる工程、 (d)2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドクロライド(D)を、接触水素化(catalytic hydrogenation)させ、塩酸リトドリン(A)を得るように、触媒の分離に続いて、低圧蒸留を介して濃縮させる工程。
【0028】
工程(a)において、4−プロピオニル−フェニルメタンスルホネートを臭素で臭素化させることを介して、4−(2−ブロモプロピオニル)フェニルメタンスルホネートが得られる。4−(2−ブロモプロピオニル)フェニルメタンスルホネートを、次いで、塩基存在下で(in base presence)、ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノと反応させて、メタンスルホン酸エステル2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−オキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(B)を確保する。
【0029】
本発明の一実施形態においては、工程(b)における2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−オキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(B)のメタンスルホン酸エステルの加水分解を、一例であって、本発明を何ら限定するものではない、アルカリ金属及び又はアルカリ土類金属の水酸化物、典型的には、アセトン水とメチルエチルケトン水との混合物によって作られる溶媒中の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム、又は、それらの混合物である塩基によって実施する。得られた化合物(C)は、アセトン,メチルエチルケトン,アセトン水とメチルエチルケトン水との混合物、又は、それらの混合物による結晶化を介して単離される。
【0030】
工程(c)においては、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(C)は適切な酸で塩化される。本発明の一実施形態においては、一例であって本発明を何ら限定するものではないが、トルエン,エタノール,メタノール,水,アセトン,メチルエチルケトン,エチルアセテート、又は、それらの混合物から選択された溶媒中でガス状になっている又は溶解している塩酸を用いて、化合物(C)をそれの対応のハイドロクロライド塩(hydrochloride salt)(D)に変態させる。
【0031】
それに代えて、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−オキシ−フェニル)−プロパン−1−オン メタンスルホネート(B)を塩化された形態2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(D)に直接変態させることを、フリーベイス(free base)(C)を単離することなく実施する。
【0032】
工程(d)においては、触媒の存在下で、水素で処理することを介して、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)を対応の化合物4−((1RS,2SR)−1−ヒドロキシ−2−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}プロピル)フェノール ハイドロクロライド(塩酸リトドリン)(A)に変態させる。本発明の一実施形態においては、化合物(D)の接触水素化は、有機溶媒中、好ましくは、アルコール、又は、水と混合されたアルコール中におけるパラジウム炭素(palladium on carbon (Pd/C))から成る触媒を用いることにより起こる。本発明を何ら限定するものではない一例として、アルコールは、メタノール、又は、エタノール、又は、それらの混合物の中から選択される。
【0033】
水素化反応は、当業者によって知られている技術に従って、特に、好ましくは、2バールと12バールとの間の圧力で且つ20℃〜45℃との間の温度の水素雰囲気中で実施することができる。その様な条件において、特許文献2に記載のものと相違して、その反応は、非常に厳選され、約98:2のエリトロ/トレオ(erythro/threo)の混合物を生じさせる。
【0034】
触媒のろ過に続く水素化反応から得られる塩酸リトドリンの溶液を、低圧蒸留を介して濃縮させる。
【0035】
水素化反応から得られたアルコール溶媒中の塩酸リトドリンを、次に、塩酸リトドリンの沈殿物が得られるまで、エーテル、又は、本発明を何ら限定するものではないが、例えば、メチル−tert−ブチルエーテル,ヘプタン、又は、それらの混合物、又は、メチルエチルケトンのような、脂肪族炭化水素で希釈する。固体を、ろ過を介して単離させる。
【0036】
こうして得られた湿潤な固体は、所望の結晶形態、Form Iを有する。本発明による別の実施形態においては、上述したようにForm Iを確保するために用いられるアルコール溶媒中の塩酸リトドリンは、固形の塩酸リトドリンをアルコール溶媒と混合させることにより得る。
【0037】
本発明の別の側面によれば、触媒のろ過とそれに続いて低圧蒸留を介して実施される濃縮の後に水素化反応によって得られる塩酸リトドリンの溶液を、適切な有機溶媒で処理することを介して、溶媒和形態(solvated form)として沈殿させる。
【0038】
本発明の別の実施形態においては、溶媒和化合物(solvate)を得るために用いられるアルコール溶媒中の塩酸リトドリンは、固形の塩酸リトドリンをアルコール溶媒と混合させ、次に、適切な有機溶媒による処理を介して沈殿させることにより得られる。
【0039】
塩酸リトドリンの沈殿のために用いるのに好適な有機溶媒は、本発明を何ら限定するものではないが、その一例として、アセトン,エチルアセトン、又は、それらの混合物を用いることができる。塩酸リトドリンの沈殿物は、場合によっては、適切にプライム(primed)することができる。溶媒和形態として塩酸リトドリンを単離させることは、高い化学的純度を有する塩酸リトドリンを提供するので、非常に有益である。得られた製品は、98%より高い、典型的には、99%より高い、又は、99.8%より高い高化学的純度を有する塩酸リトドリン溶媒和化合物(Ritodrine hydrochloride solvate)である。
【0040】
本発明を何ら限定するものではないが、塩酸リトドリン溶媒和化合物は、一例として、アセトンを有する溶媒和化合物であって、以下のように特徴付けられる。
【表3】
【0041】
本発明を何ら限定するものではないが、塩酸リトドリン溶媒和化合物は、別の例として、エチルアセテートを有する溶媒和化合物であって、以下のように特徴付けられる。
【表4】
【0042】
本発明の別の側面においては、触媒のろ過とそれに続いて低圧蒸留を介して実施される濃縮の後に水素化反応によって得られる塩酸リトドリンの溶液を、水溶液で処理することを介して、モノハイドレートとして沈殿させる。塩酸リトドリンの沈殿物は、場合によっては、適切にプライムすることができる。こうして得られた混合物を、15℃と30℃との間の温度、好ましくは、20℃の温度で、4〜48時間、好ましくは、10〜24時間、攪拌させた状態に維持しつつ結晶化させる。
【0043】
本発明の別の実施形態においては、塩酸リトドリンモノハイドレートは、固形の塩酸リトドリンと水溶液とを混合させることにより得られる。
【0044】
そのような条件で得られた化合物は、98%より高い、典型的には、99%又は99.8%よりも高い化学的純度を有する塩酸リトドリンモノハイドレートである。その塩酸リトドリンモノハイドレートは、次のように特徴付けられる。
【表5】
【0045】
カールフィッシャー滴定法(Karl Fischer titration)を介して測定される塩酸リトドリンモノハイドレートの水分含有量は、5.3%(重量/重量)であり、結晶格子中の水分の一分子の存在に相当する。
【0046】
驚いたことに、塩酸リトドリンForm Iは、溶媒和化合物,モノハイドレート及びForm IIのような、塩酸リトドリンのその他の結晶形態からさえも得られることが観察された。本発明の一実施形態においては、変態は、有機溶媒での懸濁とそれに続く塩酸リトドリンForm Iの分離によって、湿潤で起こる。本発明の更に別の実施形態においては、塩酸リトドリン溶媒和化合物、又は、モノハイドレート、又は、Form Iの懸濁は、エーテルにおいて、又は、例えば、メチル−tert−ブチルエーテル、又は、ヘプタン、又は、メチルエチルケトン、又は、それらの混合物のような脂肪族炭化水素(aliphatic hydrocarbons)において実施される。
【0047】
そのような溶媒における懸濁は、0℃より高い温度、好ましくは、20℃と溶媒の沸点との間の温度、更に好ましくは、30℃と50℃との間の温度で、少なくとも1時間攪拌することを通して実施される。
【0048】
塩酸リトドリンの所望の形態、Form Iへの変態は、当業者によって広く知られている好適な方法を用いてモニタリングすることができる。
【0049】
本発明の別の側面によれば、変態は乾燥した状態で起こる。驚いたことに、塩酸リトドリン溶媒和化合物、又は、モノハイドレート、又は、Form IIが、乾燥プロセスを介して塩酸リトドリンForm Iに変態することが観察された。また、驚いたことに、そのような変態が、特定の温度で、特定の時間を越えた時に起こることが発見された。これらの条件を厳格に適用しない場合に、塩酸リトドリンは、むしろ、Form II、又は、Form IとForm IIの混合体として得られる。有効成分中にForm IIが存在することが望ましくないことは明らかである。塩酸リトドリンForm Iの乾燥状態での変態は、少なくとも60℃の温度、好ましくは75℃と85℃との間の温度で、少なくとも1時間、作用することによって生じる。
【0050】
塩酸リトドリンの所望の形態、Form Iへの変態は、当業者によって広く知られている好適な方法を用いてモニタリングすることができる。塩酸リトドリンForm Iの乾燥状態での変態は、85℃よりも高い温度においても生ずるが、有効成分の化学的純度を低減させるチラミンのような副産物の生成を伴った、化合物の部分的な分解を伴う。
【0051】
本発明の別の側面においては、塩酸リトドリンの化学的純度は、塩酸リトドリンの固形物の分離に続いて実施される、
a´)完全な溶解で再結晶化させるという方法、又は、
b´)完全な溶解に達することなく、有機溶媒中で再懸濁させるという方法によって、向上させることができる。
【0052】
本発明を何ら限定するものでない後述する実施例における、本発明の適用について説明する。
実験の欄
【0053】
CuKα1線(CuKα1 raditation)を用いて、X線粉末回折図(XRPD)を得た。この回折図を、5〜40°2θの範囲内の反射モダリティで調整した。
【0054】
IRスペクトルを、ATR(減衰全反射)モダリティで取得し、cm−1単位で測定した。
【0055】
ラマンスペクトルを、785nmで作動する400mWのレーザ源を用いて取得し、cm−1単位で測定した。
【0056】
水分含有量を、カールフィッシャー滴定法を介して測定した。
【0057】
実施例1:
4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)フェニルメタンスルホネート(B)の調製。
【0058】
100gの4−プロピオニル−フェニルメタンスルホネートと360mlのジクロロメタンとを2リットルの反応器内に入れた。得られた溶液を、0℃まで冷却し、そのような温度で、酢酸中に33%の臭化水素(Hbr)が含まれた3gの溶液を添加し、次に、23ml(71.6g)のデカメトニウム(Br2)を添加した。これらを添加した時点で、得られた溶液を、約0℃の温度で、1時間攪拌した状態にさせた。
【0059】
その溶液に200mlのH2Oを添加した後に、その全体を20℃まで加熱し、約30分間、そのような温度に維持させた。
【0060】
攪拌を停止させた時点で、二つの相に分離し、有機相を反応器に再充填させて、それに260mlのエタノールを添加した。
【0061】
得られた溶液を、ジクロロメタンを徐々に蒸留させる約80℃の温度まで加熱した後に、40℃まで冷却して、1780mlのエタノールで希釈した。
【0062】
溶液を攪拌しながら、その溶液中に、133.2gのベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミンを添加し、次に、104mlのトリエチルアミンを添加した。その全体を加熱して還流させて、約18時間、還流状態に維持させた後に、室温まで徐々に冷やし、懸濁液を得て、それをろ過した。
【0063】
得られた結晶性固体を、10時間、60℃の温度で真空乾燥させた。
【0064】
195gの4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)フェニルメタンスルホネート(B)を得た。
モル収率82%、純度97.5% HPLC(A%)。
【0065】
実施例2:
4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)フェニルメタンスルホネート(B)の調製。
【0066】
100gの4−(2−ブロモプロピオニル)−フェニルメタンスルホネートと1750mlのエタノールを3リットルの反応器内に入れた。
【0067】
攪拌しながら、103gのベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノをそれに添加し、その後に、77mlのトリエチルアミンを添加した。その全体を加熱し、還流させて、約18時間、還流状態に維持させてから、室温まで徐々に冷やして、懸濁液を確保し、その懸濁液をろ過した。
【0068】
得られた結晶性固体を、10時間、60℃の温度で真空乾燥させた。
【0069】
235gの4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)フェニルメタンスルホネート(B)を得た。
モル収率84%、純度98.4% HPLC(A%)。
【0070】
実施例3:
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミ
ノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン(C)の調製。
【0071】
50gの4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)フェニルメタンスルホネート(B)と100mlの水と355mlのアセトンと18.4gの水酸化カリウムとを、室温である1リットルガラス反応器内に入れた。その混合物を還流温度(約59℃)まで加熱し、2時間そのような温度に維持させた。次に、その混合物を45〜50℃まで冷やして、約7のpHが得られるまで、30%塩酸を添加した。下相を分離させて、有機相を100mlの水で希釈した。懸濁液を確保して、それを0℃まで冷やした。固体を、ろ過を通じて単離させて洗浄した後に、40℃の温度で真空乾燥させた。白い固体(white solid)として、41.4gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシル−フェニル)−プロパン−1−オン(C)を確保した。
モル収率96%、化学的純度99.63% HPLC(A%)。
【0072】
実施例4:
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシル−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)の調製。
【0073】
20gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシル−フェニル)−プロパン−1−オンと100mlのメチルエチルケトンとを、250mlの反応器内に入れた。20℃の温度で、2−ブタノン(2−butanone)中に重量で19%でHClが存在する9gの溶液を添加した。固体の沈殿が生じた時点で、それを50℃まで加熱し、40mlのメチルエチルケトンで希釈した。それを1時間攪拌させた状態に維持してから、20℃まで再び冷やした。固体をろ過し、80mlのメチルエチルケトンで洗浄した。40℃で真空乾燥させた後に、白い固体として、20.6gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライドを得た。
モル収率95%、化学的純度99.76% HPLC(A%)。
【0074】
実施例5:
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロク
ロライド(D)の調製。
【0075】
400gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オンと2000mlのアセトンとを室温である1リットル反応器内に入れた。20℃の温度に維持しつつ、34.8gのガス状塩酸を注入させた。その酸を添加した時点で、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライドでプライムして、製品の沈殿物を得た。その懸濁液を一晩20℃の温度で攪拌した状態に維持させた。その製品を、ろ過を通じて最終的に単離させて、200mlのアセトンで洗浄して、40℃で真空乾燥させた。白い固体として、413gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシル−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライドを得た。
モル収率95%、化学的純度99.84% HPLC(A%)。
【0076】
実施例6:
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)の調製。
【0077】
500mlの反応器内に、20gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オンと200mlのトルエンと10mlのエタノールを入れた。こうして得られた懸濁液を50℃の温度にさせて、そのような温度で、攪拌しながら、4mlの37%HClを添加して、遊離物質(suspended solid)の完全な溶解を観察した。
【0078】
次に、その溶液を先ず32℃まで冷却し、次に、0℃まで冷却した。結晶化を通して得られた固体をろ過し、15mlのイソプロパノールで洗浄し、55℃の温度で真空乾燥させた。
【0079】
白い固体として、21gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)を得た。
モル収率97%、化学的純度99.66% HPLC(A%)。
【0080】
実施例7:
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)の水素化。
【0081】
5リットルのスチール・オートクレーブに130gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)と481mlのメタノールと4.6gの5%パラジウム炭素(palladium on carbon)とを充填した。その混合物を30℃まで加熱し、6バールの圧力を維持しつつ、ゼロ吸収(zero absorption)になるまで水素を注入した。その混合物をろ過して触媒を除去し、塩酸リトドリンの504gのアルコール溶液を確保した。
化学的純度(面積、HPLC):塩酸リトドリン98.1%、スレオ異性体(threo isomers)1.3%。
【0082】
実施例8:
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)の水素化。
【0083】
5リットルのスチール・オートクレーブに、716gの2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド(D)と2650mlの無水エタノール(absolute ethanol)と60%の湿度を有する107.7gの5%パラジウム炭素とを充填した。その混合物を40℃まで加熱し、6バールの圧力を維持しつつ、ゼロ吸収になるまで水素を注入した。その混合物をろ過して触媒を除去して、塩酸リトドリンの2778gのアルコール溶液を確保した。
化学的純度(面積、HPLC):塩酸リトドリン98.1%、スレオ異性体1.2%。
【0084】
実施例9:
4−((1RS,2SR)−1−ヒドロキシ−2−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}プロピル)フェノール ハイドロクロライド(塩酸リトドリン)Form I。
【0085】
実施例8の欄において述べたように得られて、58gの製品が存在することが認められた塩酸リトドリンのメタノール溶液を残留物として濃縮させて、89mlのメタノールで希釈させた。こうして得られた溶液を、1180mlのメチル−tert−ブチルエーテルで処理し、37℃まで加熱して、懸濁液を得た。それを、11時間攪拌し、次に、20℃まで冷やして、ろ過し、その固体をメチル−tert−ブチルエーテルで洗浄した。それを40℃で真空乾燥して、76.8gの塩酸リトドリンを確保した。そのX線回折図形は、表1に示したForm IのX線回折図形に相当する。
【0086】
実施例10:
アセトンで溶媒和された−4−((1RS,2SR)−1−ヒドロキシ−2−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}プロピル)フェノール ハイドロクロライド(塩酸リトドリン)。
【0087】
実施例8の欄において述べたように得られて、約65gの塩酸リトドリンが存在することが認められた塩酸リトドリンのメタノール溶液を、低圧蒸留を介して残留物として濃縮させた。その残留物を、10mlのメタノールと650mlのアセトンで希釈した。その混合物を37℃の温度にさせて、37℃の温度で11時間攪拌した状態に維持させた。それを室温まで冷やして、ろ過を介して製品を単離した。それを200mlのアセトンで洗浄して、102gの塩酸リトドリンを得た。
化学的純度:99.84% HPLC(A%)。そのX線回折図形は、表3に示した、アセトンで溶媒和された塩酸リトドリンのX線回折図形に相当する。
【0088】
実施例11:
エチルアセトンで溶媒和された−4−((1RS,2SR)−1−ヒドロキシ−2−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}プロピル)フェノール ハイドロクロライド(塩酸リトドリン)。
【0089】
実施例8の欄で述べた方法により得られた、塩酸リトドリンのエタノール溶液であって、約15gの塩酸リトドリンを含有している100gの溶液を50gの溶媒の真空蒸留によって濃縮させた。こうして得られた溶液を0℃まで冷やした。200mlのエチルアセテートを滴らせて、製品の沈殿物を得た。その懸濁液を0℃で、一晩攪拌させた状態に維持させた。その固体をろ過した。
14.5gの塩酸リトドリンを確保した。
化学的純度:99.25% HPLC(A%)。そのX線回折図形は、表4に示した、エチルアセトンで溶媒和された塩酸リトドリンのX線回折図形に相当する。
【0090】
実施例12:
4−((1RS,2SR)−1−ヒドロキシ−2−{[2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ}プロピル)フェノール ハイドロクロライド(塩酸リトドリン)モノハイドレート。
【0091】
25gの塩酸リトドリンを50mlの水中で懸濁させて、20℃の温度で20時間攪拌させた状態に維持した。次に、それを、約1時間0℃まで冷やして、3時間0℃に維持させた。
【0092】
固体をろ過して、24時間50℃の温度で真空乾燥させた。21gの塩酸リトドリンモノハイドレートを得た。
そのX線回折図形は、表5に示した塩酸リトドリンモノハイドレートのX線回折図形と同じである。
【0093】
実施例13:
アセトンで溶媒和された塩酸リトドリンの塩酸リトドリンForm Iへの変態。
【0094】
実施例10の欄において述べたように得られた、アセトンで溶媒和された、20gの塩酸リトドリンを、40mlのメチル−tert−ブチルエーテル中に懸濁させた。その懸濁液を3時間50℃〜55℃の温度で攪拌させた状態に維持させ、次に20℃まで冷やした。それをろ過して、メチル−tert−ブチルエーテルで洗浄し、50℃の温度で真空乾燥させた。13.3gの塩酸リトドリンForm Iを確保した。
【0095】
実施例14:
アセトンで溶媒和された塩酸リトドリンの塩酸リトドリンForm Iへの変態。
【0096】
実施例10の欄で述べたように得られた、アセトンで溶媒和された、20gの塩酸リトドリンを、100mlのヘプタン中に懸濁させた。その懸濁液を1〜1.5時間、還流温度まで加熱し、次に、20℃まで冷やした。固体をろ過し、50℃の温度で真空乾燥させた。13.8gの塩酸リトドリンForm Iを確保した。
【0097】
実施例15:
塩酸リトドリンモノハイドレートの塩酸リトドリンForm Iへの変態。
【0098】
塩酸リトドリンモノハイドレートを、80℃の温度のオーブン中に12時間置いて真空乾燥させた。塩酸リトドリンForm Iを確保した。
【0099】
実施例16:
エチルアセテートで溶媒和させた塩酸リトドリンの塩酸リトドリンForm Iへの変態。
【0100】
エチルアセテートで溶媒和させた塩酸リトドリンを、80℃の温度のオーブン中に26時間置いて真空乾燥させた。塩酸リトドリンForm Iを確保した。
【0101】
実施例17:
塩酸リトドリンForm IIの調製。
【0102】
アセトンで溶媒和された塩酸リトドリンを、40℃の温度のオーブン中に22時間置いて真空乾燥させた。塩酸リトドリンForm IIを確保した。そのX線回折図形は、表2に示した、塩酸リトドリンForm IIのX線回折図形に相当する。
【0103】
実施例18:
塩酸リトドリンForm IIの塩酸リトドリンForm Iへの変態。
【0104】
塩酸リトドリンForm IIを80℃の温度のオーブン中に17時間置いて真空乾燥させた。塩酸リトドリンForm Iを確保した。
【0105】
実施例19:
塩酸リトドリンの再結晶化。
【0106】
100gの塩酸リトドリンを、300mlのメチルエチルケトン中に、室温で懸濁させた。80mlのメタノールを添加して、溶液を確保し、その溶液を次に37℃まで加熱し、700mlのメチルエチルケトンで希釈した。プライマー(primer)を添加することにより、沈殿を開始させた。その懸濁液を4時間37℃の温度に維持させて、次に、室温まで冷やした。それをろ過し、200mlのメチルエチルケトンで洗浄した。その固体を60℃の温度で真空乾燥して、60gの塩酸リトドリンForm Iを確保した。
化学的純度:99.9% HPLC(A%)。
【0107】
実施例20:
塩酸リトドリンForm Iの安定度。
【0108】
塩酸リトドリンForm Iを24時間、40℃の温度と、75%の相対湿度に維持させた。カールフィッシャー滴定法を介して測定されたそれの水分含量は、0.5%(重量/重量)であった。
【0109】
実施例21:
塩酸リトドリンForm IIの安定度。
【0110】
塩酸リトドリンForm IIを、乾燥剤(シリカゲル)を伴ったポリエチレン製ダブルバッグ内に置いて、有効成分を保存するための標準状態に維持させた。数か月後、カールフィッシャー滴定法を介して測定されたそのような塩酸リトドリンの水分含量は、2.2%(重量/重量)であった。
以下に、本願の種々の実施態様を付記する。
[1]
塩酸リトドリンを調製するための方法であって、
(a)4−(2−ブロモプロピオニル)フェニルメタンスルホネートを、ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミンと反応させて、4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)−フェニルメタンスルホネートを得る工程と、 (b)4−(2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−プロピオニル)−フェニルメタンスルホネートを加水分解して、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オンを得る工程と、 (c)2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オンを塩化する工程と、 (d)2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライドを接触水素化させて、98:2のエリトロ/トレオ混合物として塩酸リトドリンを確保する工程とを有する、塩酸リトドリンを調製するための方法。
[2]
前記工程(b)における加水分解を塩基によって実施し、該塩基が、アルカリ金属及び又はアルカリ土類金属の水酸化物,アセトン水とメチルエチルケトン水との混合物によって作られる溶媒中の水酸化カリウム又は水酸化ナトリウム、又は、それらの混合物である、[1]に記載の方法。
[3]
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オンが、結晶化によって、アセトン、メチルエチルケトン、アセトン水とメチルエチルケトン水との混合物、又は、それらの混合物から単離される、[2]に記載の方法。
[4]
前記塩化が、有機溶媒中でガス状になっている又は溶解している塩酸を用いることにより起こり、該有機溶媒が、トルエン、又は、エタノール、又は、メタノール、又は、水、又は、アセトン、又は、メチルエチルケトン、又は、エチルアセテート、又は、それらの混合物である、[1]に記載の方法。
[5]
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]アミノ}−1−(4−オキシ−フェニル)−プロパン−1−オン メタンスルホネートを、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライド塩に直接変態させる、[1]に記載の方法。
[6]
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライドの接触水素化が、2バールと12バールとの間圧力で且つ20℃と45℃の間の温度の水素雰囲気中で、アルコール、又は、水と混合されたアルコールである有機溶媒中のパラジウム炭素(Pd/C)によって構成される触媒を用いることにより生じる、[1]に記載の方法。
[7]
2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン、又は、それの塩である化合物。
[8]
化学式が、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−オキシ−フェニル)−プロパン−1−オン メタンスルホネートである、[7]に記載の化合物。
[9]
化学式が、2−{ベンジル−[2−(4−ベンジルオキシフェニル)−エチル]−アミノ}−1−(4−ヒドロキシ−フェニル)−プロパン−1−オン ハイドロクロライドである、[7]に記載の化合物。
[10]
非吸湿性結晶多形塩酸リトドリンForm I。
[11]
以下のように特徴付けられる、[10]に記載の塩酸リトドリン。
【表6】
[12]
少なくとも、98%より高い、又は、99%より高い、又は、99.8%より高い化学的純度を有する、[10]又は[11]に記載の塩酸リトドリン。
[13]
[10]〜[12]の何れか一に記載の塩酸リトドリンを得るための方法であって、 (i)少なくとも一つの有機溶媒で、アルコール溶媒中の塩酸リトドリンを処理し、続いて塩酸リトドリンForm Iを沈殿させる工程、又は、 (ii)有機溶媒中での懸濁によって、塩酸リトドリン溶媒和物、モノハイドレート、又は、塩酸リトドリンForm IIを変態させ、次に、塩酸リトドリンForm Iを分離する工程、又は、 (iii)塩酸リトドリンForm Iを得るために少なくとも60℃の温度での乾燥によって塩酸リトドリン溶媒和物、又は、モノハイドレート、又は、Form IIを変態させる工程を含んでいる、塩酸リトドリンを得るための方法。
[14]
前記(i)工程が、塩酸リトドリンForm Iを、エーテル、又は、脂肪族炭化水素、又は、それらの混合物で、沈殿させることを含んでいる、[13]に記載の方法。
[15]
前記(i)工程において用いられる前記溶媒が、メチル−tert−ブチルエーテル、又は、ヘプタン、又は、メチルエチルケトン、又は、それらの混合物である、[13]に記載の方法。
[16]
前記(ii)工程が、エチル、又は、脂肪族炭化水素、又は、それらの混合物における懸濁を実施することを含んでいる、[13]に記載の方法。
[17]
前記(ii)工程において用いられる前記溶媒が、メチル−tert−ブチルエーテル、又は、ヘプタン、又は、メチルエチルケトン、又は、それらの混合物である、[13]に記載の方法。
[18]
懸濁が、0℃より高い、又は、20℃と前記溶媒の沸点との間、又は、30℃と50℃との間の温度で実施される、13[13],[16]及び[17]の何れか一に記載の方法。
[19]
塩酸リトドリンと有機溶媒との混合物を少なくとも1時間攪拌させた状態に維持させる、[13],[16]及び[17]の何れか一に記載の方法。
[20]
前記(iii)工程における乾燥温度が、75℃と85℃の間の温度である、[13]に記載の方法。
[21]
前記(iii)工程における乾燥を少なくとも1時間実施する、[13]又は[20]に記載の方法。
[22]
塩酸リトドリンを有機溶媒又は適切な有機溶媒の混合物と混合させることにより塩酸リトドリン溶媒和化合物を確保する、[13]〜[21]の何れか一に記載の方法。
[23]
前記溶媒が、アセトン、又は、アセトンとアルコールとの混合物、又は、エチルアセテート、又は、エチルアセテートとアルコールとの混合物である、[22]に記載の方法。
[24]
塩酸リトドリンを水溶液と混合させることにより塩酸リトドリンモノハイドレートを確保する、[13]〜[21]の何れか一に記載の方法。
[25]
アセトンで溶媒和されて、以下のような特徴を有する塩酸リトドリン。
【表7】
[26]
少なくとも98%、又は、99%より高い、又は、99.8%より高い、化学的純度を有する、[25]に記載の塩酸リトドリン。
[27]
エチルアセテートで溶媒和されて、以下のような特徴を有する塩酸リトドリン。
【表8】
[28]
少なくとも98%、又は、99%より高い、又は、99.8%より高い、化学的純度を有する、[27]に記載の塩酸リトドリン。
[29]
以下の特徴を有する塩酸リトドリンモノハイドレート。
【表9】
[30]
少なくとも98%、又は、99%より高い、又は、99.8%より高い、化学的純度を有する、[29]に記載の塩酸リトドリン。
[31]
塩酸リトドリンを純化させるための方法であって、塩酸リトドリンの固形物の分離に続いて実施される、 a´)完全な溶解で塩酸リトドリンを再結晶化させる工程、又は、 b´)完全な溶解に達することなく、有機溶媒中で再懸濁させる工程を有する、塩酸リトドリンを純化させるための方法。
[32]
少なくとも99.5%、又は、99.8%より高い、又は、99.9%より高い、化学的純度を有する、[31]に記載の塩酸リトドリン。
[33]
前記塩酸リトドリンが、[1]〜[9]、[31]及び[32]の何れか一に記載の方法によって調製されている、[13]〜[30]の何れか一に記載の方法。