(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
シート状または板状の透明素材の表面に、複数の凸レンズ状の集光素を各集光素の並びに方向性を持たせて2次元的に配列して集光素パターンが形成されるとともに、前記透明素材の裏面に、複数の画素を各画素の並びに方向性を持たせて2次元的に配列して画素パターンが形成され、各画素の配列ピッチが各集光素の配列ピッチよりも大きくなるように前記集光素パターンと前記画素パターンとが形成されることにより、前記画素の拡大虚像を透明素材の上方に現出させる装飾表示体であって、
前記各画素の配列ピッチを前記各集光素の配列ピッチの102%以下で配列して、前記各画素全体で所定の図柄を構成する画素パターンが形成され、
各画素の拡大虚像が前記画素パターンの領域の80%以上となるように各画素が拡大されることを特徴とする装飾表示体。
前記各画素中の複数の画素の配列ピッチを前記集光素の配列ピッチの102%以下で配列して、各画素全体で第1の所定の図柄を構成する第1の画素パターンが形成されるとともに、
前記各画素中の別の複数の画素の配列ピッチを前記集光素の配列ピッチの102%以下で配列して、各画素全体で第2の所定の図柄を構成する第2の画素パターンが形成される請求項1に記載の装飾表示体。
前記第1の画素パターンの各画素と第2の画素パターンの各画素とを方向性を持たせて2次元的に交互に配列して、第1の画素パターンと第2の画素パターンの少なくとも一部が重なって形成される請求項2に記載の装飾表示体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の上記装飾表示体では、画素パターンに係る各画素の拡大虚像が透明素材の上方または下方にはっきりと現出するのみであり、見る位置によって画素パターンが現出したり、消滅したり、あるいは切り替わったりするものではなかった。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、見る位置によって所定の図柄の画素パターンが現出したり、消滅したり、あるいは切り替わったりすることができる装飾表示体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、シート状または板状の透明素材の表面に、複数の凸レンズ状の集光素を各集光素の並びに方向性を持たせて2次元的に配列して集光素パターンが形成されるとともに、前記透明素材の裏面に、複数の画素を各画素の並びに方向性を持たせて2次元的に配列して画素パターンが形成され、各画素の配列ピッチが各集光素の配列ピッチよりも大きくなるように前記集光素パターンと前記画素パターンとが形成されることにより、前記画素の拡大虚像を透明素材の上方に現出させる装飾表示体であって、前記各画素の配列ピッチを前記各集光素の配列ピッチの102%以下で配列して、前記各画素全体で所定の図柄を構成する画素パターンが形成されることを特徴とする。なお、画素パターンからなる図柄は、図形、絵柄、文字、記号など、何らかの形状を構成するものをいう。
【0008】
これによれば、画素の配列ピッチが集光素の配列ピッチに極めて近い102%以下に設定されているため、第1の画素パターンの領域の全体または大部分まで画素の拡大虚像が拡大されてぼやけた状態となり、見る角度によって画素パターンの領域に画素の拡大虚像が見えたり見えなかったりする状態となる。このため、観察者が本装飾表示体を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、画素パターンからなる所定の図柄が現出したり、消滅したりするように視認することができる。
【0009】
また、前記各画素中の複数の画素の配列ピッチを前記集光素の配列ピッチの102%以下で配列して、各画素全体で第1の所定の図柄を構成する第1の画素パターンが形成されるとともに、前記各画素中の別の複数の画素の配列ピッチを前記集光素の配列ピッチの102%以下で配列して、各画素全体で第2の所定の図柄を構成する第2の画素パターンが形成されてもよい。これによれば、観察者が本装飾表示体を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、第1の画素パターンからなる第1の所定図柄と、第2の画素パターンからなる第2の所定図柄が装飾表示体の所定箇所で現出したり、消滅したりするように視認することができる。
【0010】
また、前記第1の画素パターンの各画素と第2の画素パターンの各画素とを方向性を持たせて2次元的に交互に配列して、第1の画素パターンと第2の画素パターンの少なくとも一部が重なって形成されてもよい。これによれば、観察者が本装飾表示体を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、第1の画素パターンからなる第1の所定図柄と、第2の画素パターンからなる第2の所定図柄が切り替わるように視認することができる。
【0011】
また、前記第1の画素パターンの各画素と第2の画素パターンの各画素の直径が互いに異なるように形成されてもよい。これによれば、直径が小さい画素の画素パターンからなる所定の図柄に比べて、直径が大きい画素の画素パターンからなる所定の図柄が優先的に現出するように視認することができる。
【0012】
また、前記第1の画素パターンの各画素と第2の画素パターンの各画素の色が互いに異なるように形成されてもよい。これによれば、様々な色が付された画素パターンからなる所定の図柄が装飾表示体の所定箇所で現出したり、消滅したり、あるいは切り替わったりするように視認することができる。
【0013】
また、前記各画素は、前記各集光素の配列ピッチの5%〜50%の直径に形成されているのが好ましい。これによれば、複数の画素パターンの各画素を方向性を持たせて2次元的に確実に配列することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、画素の配列ピッチが集光素の配列ピッチに極めて近い102%以下に設定されているため、第1の画素パターンの領域の全体または大部分まで画素の拡大虚像が拡大されてぼやけた状態となり、見る角度によって画素パターンの領域に画素の拡大虚像が見えたり見えなかったりする状態となる。このため、観察者が本装飾表示体を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、画素パターンからなる所定の図柄が現出したり、消滅したりするように視認することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係る装飾表示体の第1の実施形態について
図1〜
図5を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態に係る装飾表示体1は、
図1に示すように、アクリル板等の合成樹脂からなる透明素材10を備え、該透明素材10の表面に集光素20aからなる集光素パターン20が形成されているとともに、該透明素材10の裏面にシート材11を介して3種の画素パターン31、32、33からなる画素パターン30が形成されている。ここに用いられる透明素材10は、平面視において正方図柄に形成され、厚みが3.0mmとなされた板状部材である。
【0018】
前記集光素パターン20は、
図1に示すように、紫外線硬化樹脂等のような無色透明のインキを用いて複数の凸レンズ状の集光素20aを透明素材10の表面に直接印刷して形成されたものである。なお、
図1では、説明の便宜上、集光素20aを大きく図示しているが、実際にはさらに小さいものである。
【0019】
この集光素パターン20は、
図3に示すように、集光素20aを各集光素20aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは透明素材10の平面方向にx方向とこれに90度傾斜したy方向に、それぞれ同じ配列ピッチpで各集光素20aをマトリクス状に等配列させて規則正しく形成されている。
【0020】
なお、本実施形態では、各集光素20aの直径が1mm、配列ピッチpが1.1mmに設定されている。また、各集光素20aの配列方向は、必ずしも90度の角度をなす必要はなく、一方の配列方向に対する他方の配列方向が90度より小さい角度または90度より大きい角度をなすようにしてもよい。
【0021】
前記画素パターン30は、紙製等のシート材11において着色された透明又は不透明インキを用いて複数の平面視円形のドット状(点状)の画素31a、32a、33aを印刷し、画素31a、32a、33aの印刷面が透明素材10側となるようにシート材11を透明素材10の裏面に貼り合わすことにより、透明素材10の裏面に形成されている。
【0022】
この画素パターン30は、
図2に示すように、全体で「ステルス機」の機影A1を構成する第1の画素パターン31と、全体で「ステルス」の文字A2を構成する第2の画素パターン32と、それら「ステルス機」の機影A1と「ステルス」の文字A2の背景A3を構成する第3の画素パターン33とから構成されている。なお、これら第1および第2の各画素パターン31、32は、同一のシート材11の同一平面上に形成されているが、互いに重なっておらず、それぞれの画素パターン31、32の領域において各画素31a、32aが独自に配列されている。
【0023】
前記第1の画素パターン31は、
図3(a)および
図4(a)に示すように、複数の画素31aを各画素31aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは集光素20aと同じ方向に90度の角度で、それぞれ同じ配列ピッチq1で各画素をマトリクス上に等配列させて規則正しく形成されている。
【0024】
この第1の画素パターン31は、各画素31aの直径が0.3mm、配列ピッチq1が集光素20aの配列ピッチよりも大きい1.105mmに設定されている。これにより、透明素材10のx−y方向について、複数個おきに集光素20aと画素31aが重なる部分と、その周囲の画素31aが集光素20aから順次外側に位置ずれする部分とが長いスパンで繰り返し生じる。このように画素31aの配列ピッチq1が集光素20aの配列ピッチpよりも大きくなるように設定されている場合、画素31aの拡大虚像が透明素材10の表面側に現出することになる。
【0025】
特に、本発明では、画素31aの配列ピッチq1を集光素20aの配列ピッチpに極めて近い102%以下に設定されているため、第1の画素パターン31の領域の全体または大部分(第1の画素パターン31の領域の好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上)まで画素の拡大虚像が拡大されてぼやけた状態となり、見る角度によって第1の画素パターン31の領域に画素31aの拡大虚像が見えたり見えなかったりする状態となる。このため、観察者が本装飾表示体1を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、第1の画素パターン31からなる「ステルス機」の機影A1が、
図5(a)(b)に示すように、次第に現出したり、
図5(b)(c)に示すように、次第に消滅したりするように視認することができる。
【0026】
前記第2の画素パターン32は、同じく
図3(a)および
図4(a)に示すように、複数の画素32aを各画素32aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは集光素20aと同じ方向に90度の角度で、それぞれ同じ配列ピッチq2で各画素をマトリクス上に等配列させて規則正しく形成されている。
【0027】
この第2の画素パターン32は、各画素32aの直径が0.3mm、配列ピッチq2が集光素20aの配列ピッチよりも大きい1.105mmに設定されている。これにより、透明素材10のx−y方向について、複数個おきに集光素20aと画素32aが重なる部分と、その周囲の画素32aが集光素20aから順次外側に位置ずれする部分とが長いスパンで繰り返し生じる。このように画素32aの配列ピッチq2が集光素20aの配列ピッチpよりも大きくなるように設定されている場合、画素32aの拡大虚像が透明素材10の表面側に現出することになる。
【0028】
特に、本発明では、画素32aの配列ピッチq2が集光素20aの配列ピッチpに極めて近い102%以下に設定されているため、第2の画素パターン32の領域の全体または大部分(第2の画素パターン32の領域の好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上)まで画素の拡大虚像が拡大されてぼやけた状態となり、見る角度によって第2の画素パターン32の領域に画素32aの拡大虚像が見えたり見えなかったりする状態となる。このため、観察者が本装飾表示体1を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、第2の画素パターン32からなる「ステルス」の文字A2が、
図5(a)(b)に示すように、次第に現出したり、
図5(b)(c)に示すように、次第に消滅したりするように視認することができる。
【0029】
前記第3の画素パターン33は、
図3(b)および
図4(b)に示すように、複数の画素33aを各画素33aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは集光素20aと同じ方向に90度の角度で、それぞれ同じ配列ピッチq3で各画素をマトリクス上に等配列させて規則正しく形成されている。
【0030】
この第3の画素パターン33は、各画素33aの直径が0.3mm、配列ピッチq3が集光素20aの配列ピッチよりも小さい1.040mmに設定されている。これにより、透明素材10のx−y方向について、複数個おきに集光素20aと画素33aが重なる部分と、その周囲の画素が集光素20aから順次内側に位置ずれする部分とが短いスパンで繰り返し生じる。このように、画素33aの配列ピッチq3が集光素20aの配列ピッチpよりも小さくなるように設定されている場合、画素33aの拡大虚像が透明素材10の裏面側に現出することになる。この画素33aの拡大虚像は、
図5に示すように、「ステルス機」の機影A1と「ステルス」の文字A2の背景A3として、従来品と同じく見る位置に制限を受けることなく、揺らぎの少ない静的な状態で、透明素材10の裏面側に現出する。
【0031】
而して、観察者が本装飾表示体を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、
図5に示すように、「ステルス機」の機影A1や「ステルス」の文字A2が背景A3の浮かんだ状態で次第に現出したり、次第に消滅したりするように視認することができる。
【0032】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係る装飾表示体の第1の実施形態について
図6〜
図9を参照しつつ説明する。
【0033】
本実施形態に係る装飾表示体1は、
図1と同様に、アクリル板等の合成樹脂からなる透明素材10を備え、該透明素材10の表面に集光素20aからなる集光素パターン20が形成されているとともに、該透明素材10の裏面に複数の画素からなる画素パターン30が形成されている。ここに用いられる透明素材10も、平面視において正方図柄に形成され、厚みが3.0mmとなされた板状部材である。
【0034】
前記集光素パターン20は、紫外線硬化樹脂等のような無色透明のインキを用いて複数の凸レンズ状の集光素20aを透明素材10の表面に直接印刷して形成されたものである。
【0035】
この集光素パターン20は、
図7に示すように、集光素20aを各集光素20aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは透明素材10の平面方向にx方向とこれに60度傾斜したy方向に、それぞれ同じ配列ピッチpで各集光素20aをマトリクス状に等配列させて規則正しく形成されている。
【0036】
なお、本実施形態でも、各集光素20aの直径が1mm、配列ピッチpが1.1mmに設定されている。また、各集光素20aの配列方向は、必ずしも60度の角度をなす必要はなく、一方の配列方向に対する他方の配列方向が60度より小さい角度または60度より大きい角度をなすようにしてもよい。
【0037】
前記画素パターン30は、紙製等のシート材11において着色された透明又は不透明インキを用いて複数の平面視円形のドット状(点状)の画素34a、35aを印刷し、画素34a、35aの印刷面が透明素材10側となるようにシート材11を透明素材10の裏面に貼り合わすことにより、透明素材10の裏面に形成されている。
【0038】
この画素パターン30は、
図6(a)に示すように、全体で正面から見た女性の顔(以下、第1の女性の顔B1という)を構成する第1の画素パターン34と、全体で斜めから見た女性の顔(以下、第2の女性の顔B2という)を構成する第2の画素パターン35とから構成される。これら第1および第2の各画素パターン34,35は、同一のシート材11の同一平面上において、一部が互いに重なって形成されている。
【0039】
なお、実際の装飾表示体1の画素パターン30は、
図6(a)に示すものであるが、説明の便宜上、第1の画素パターン34のみ抽出したものを
図6(b)に示すとともに、第2の画素パターン35のみ抽出したものを
図6(c)に示す。
【0040】
前記第1の画素パターン34は、
図7(b)および
図8(b)に示すように、複数の画素34aを各画素34aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは集光素20aと同じ方向に60度の角度で、それぞれ同じ配列ピッチq1で各画素をマトリクス上に等配列させて規則正しく形成されている。
【0041】
この第1の画素パターン34は、各画素34aの直径が0.4mm、配列ピッチq1が集光素20aの配列ピッチよりも大きい1.105mmmmに設定されている。これにより、透明素材10のx−y方向について、複数個おきに集光素20aと画素34aが重なる部分と、その周囲の画素34aが集光素20aから順次外側に位置ずれする部分とが長いスパンで繰り返し生じる。このように画素34aの配列ピッチq1が集光素20aの配列ピッチpよりも大きくなるように設定されている場合、画素34aの拡大虚像が透明素材10の表面側に現出することになる。
【0042】
特に、本発明では、画素34aの配列ピッチq1が集光素20aの配列ピッチpに極めて近い102%以下に設定されているため、第1の画素パターン34の領域の全体または大部分(第1の画素パターン34の領域の好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上)まで画素34aの拡大虚像が拡大されてぼやけた状態となり、見る角度によって第1の画素パターン34の領域に画素34aの拡大虚像が見えたり見えなかったりする状態となる。このため、観察者が本装飾表示体1を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、第1の画素パターン34からなる第1の女性の顔B1が、
図9(a)に示すように現出したり、
図9(b)に示すように消滅したりするように視認することができる。
【0043】
一方、前記第2の画素パターン35は、
図7(c)および
図8(c)に示すように、複数の画素35aを各画素35aの並びに方向性を持たせて2次元的に配列して形成され、ここでは集光素20aと同じ方向に60度の角度で、それぞれ同じ配列ピッチq2で各画素をマトリクス上に等配列させて規則正しく形成されている。
【0044】
この第2の画素パターン35は、
図7(c)および
図8(c)に示すように、各画素35aの直径が0.2mm、配列ピッチq2が集光素20aの配列ピッチよりも大きい1.105mmに設定されている。これにより、透明素材10のx−y方向について、複数個おきに集光素20aと画素35aが重なる部分と、その周囲の画素35aが集光素20aから順次外側に位置ずれする部分とが長いスパンで繰り返し生じる。このように画素35aの配列ピッチq2が集光素20aの配列ピッチpよりも大きくなるように設定されている場合、画素35aの拡大虚像が透明素材10の表面側に現出することになる。
【0045】
特に、本発明では、画素35aの配列ピッチq2を集光素20aの配列ピッチpに極めて近い102%以下に設定されているため、第2の画素パターン35の領域の全体または大部分(第2の画素パターン35の領域の好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上)まで画素35aの拡大虚像が拡大されてぼやけた状態となり、見る角度によって第2の画素パターン35の領域に画素35aの拡大虚像が見えたり見えなかったりする状態となる。このため、観察者が本装飾表示体1を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、第2の画素パターン35からなる第2の女性の顔B2が、
図9(b)に示すように現出したり、
図9(a)に示すように消滅したりするように見える。
【0046】
而して、第1の画素パターン34と第2の画素パターン35は、
図7(a)および
図8(a)に示すように、互いに重なっている領域において、前記第1の画素パターン34の各画素34aと第2の画素パターン35の各画素35aとを方向性を持たせて同一平面上で2次元的に交互に配列して形成されている。このため見る角度によって第1の画素パターン34の領域に画素34aの拡大虚像のみが見えたり、第2の画素パターン35の領域に画素35aの拡大虚像のみが見えたりする状態となる。よって、観察者が本装飾表示体1を表面側から角度を変えながら所定距離を隔てて見ると、
図9に示すように、第1の画素パターン34からなる第1の女性の顔B1と、第2の画素パターン35からなる第2の女性の顔B2が切り替わるように視認することができる。
【0047】
また、本実施形態では、第2の画素35aの直径に比べて第1の画素34aの直径が大きいため、第2の画素パターン35からなる第2の女性の顔B2に比べて、第1の画素パターン34からなる第1の女性の顔B1が優先的に現出するように視認することができる。
【0048】
また、上記各実施形態では、各画素31a、32a、34a、35aの直径が各集光素20aの配列ピッチの50%以下に設定されているため、各画素31a、32a、34a、35aを方向性を持たせて2次元的に確実に配列することができる。但し、各画素の直径をあまり小さくしすぎると、各画素の拡大虚像が画素パターンの領域の全部または大部分(各画素パターンの領域の好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上)に拡大して現出しにくくなるため、各画素の直径が各集光素20aの配列ピッチの5%以上、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上に設定されているのが好ましい。
【0049】
また、第1の画素パターン31、34の各画素31a、34aと第2の画素パターン32、35の各画素32a、35aは、互いに同じ色としてもよいし、互いに異なる色に形成されてもよい。
【0050】
また、集光素20aの直径や配列ピッチは上述のものに限定されるものでないが、直径は0.2〜1.6mm、配列ピッチは0.33〜1.7mmであるのが好ましい。
【0051】
また、各画素31a、32a、34a、35aの直径や配列ピッチは上述のものに限定されるものでないが、直径は0.05〜0.8mm、配列ピッチは0.335〜1.705mmであるのが好ましい。
【0052】
また、透明素材10の厚さは上述のものに限定されるものではないが、0.3〜10mmであるのが好ましい。
【0053】
また、各画素31a、32a、34a、35aの配列ピッチが集光素20aの配列ピッチpに極めて近い102%以下に設定されるものとしたが、101%以下に設定されるのが好ましい。
【0054】
また、第1の画素パターン31、34と第2の画素パターン32、35からなる図柄について説明したが、3種以上の複数の画素パターンを構成する図柄が現出したり、消滅したり、あるいは切り替わるものとしてもよい。
【0055】
また、各画素パターン31、32、34、35からなる所定の図柄については、上述の図柄に限定されるものではなく、その他の図柄に形成されてもよい。
【0056】
また、各画素パターン31、32、34、35は、平面視円形のドット状(点状)に形成されるものとしたが、その他の形状(但し、線状を除く)に形成されてもよい。
【0057】
また、
図3、
図7において、説明の便宜上、罫線が図示されているが、実際の画素には該罫線は形成されていない。
【0058】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。