(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御部は前記アシストモータの出力を低下させている時間が閾値以上のとき、前記アシストモータの出力を増加させる、または、前記アシストモータの出力をオフしている時間が閾値以上のとき、前記アシストモータの出力をオンする
請求項1〜6のいずれか一項に記載の自転車用電動システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1を参照して、自転車用電動システムを搭載する自転車10の構成について説明する。自転車10は、フレーム12、ハンドルバー14、前輪16、後輪18、駆動機構20、アシスト機構22、バッテリユニット24、変速装置26、シフター70、および、制御部28を備えている。アシスト機構22、変速装置26、シフター70、および、制御部28は、自転車用電動システムを構成する。
【0016】
駆動機構20は、左右のクランクアーム30、クランク軸32、左右のペダル34、フロントスプロケット36、リアスプロケット38、および、チェーン40を含む。左右のクランクアーム30は、1つのクランク軸32を介して回転可能にフレーム12に取り付けられている。ペダル34は、ペダル軸まわりに回転可能にクランクアーム30に取り付けられている。
【0017】
フロントスプロケット36は、クランク軸32に連結されている。フロントスプロケット36は、クランク軸32と同軸に設けられる。フロントスプロケット36は、クランク軸32と相対回転しないように連結されてもよいし、クランク軸32が前転するときには、フロントスプロケット36も前転するようにワンウェイクラッチ(図示略)を介して連結されてもよい。
【0018】
リアスプロケット38は、後輪18の車軸18Aまわりに回転可能に取り付けられている。リアスプロケット38は、ワンウェイクラッチを介して後輪18に連結される。チェーン40は、フロントスプロケット36とリアスプロケット38とに巻き掛けられている。ペダル34に加えられる人力駆動力によりクランクアーム30が回転するとき、フロントスプロケット36、チェーン40、および、リアスプロケット38によって、後輪18が回転する。
【0019】
アシスト機構22は、アシストモータ42の駆動により、フロントスプロケット36を回転させる人力駆動動力をアシストする。アシスト機構22はクランクから入力される人力駆動力を検出するセンサを備え、人力駆動力に応じてアシストモータ42を駆動する。アシスト機構22は、アシストモータ42および減速機(図示略)を備えている。アシストモータ42は、電気モータである。アシストモータ42の回転は、減速機を介してフロントスプロケット36に伝達される。アシストモータ42とフロントスプロケット36との間には、クランクアーム30が前転したときに人力駆動力によってモータが回転することを防止するためにワンウェイクラッチ(図示略)が設けられてもよい。
【0020】
バッテリユニット24は、バッテリ48、および、バッテリ48をフレーム12に着脱可能に取り付けるためのバッテリホルダ50を備えている。バッテリ48は、1または複数のバッテリセルを含む。バッテリ48は、2次電池によって構成される。バッテリ48は、アシストモータ42に電気的に接続されて、アシストモータ42に電力を供給する。
【0021】
アシスト機構22は、
図4に示すアシスト操作部44と電気的に接続されている。アシスト操作部44のボタン46Aが押されたとき、制御部28は、アシストモータ42を駆動させる、または、アシストモータ42の出力を上昇させる。アシスト操作部44のボタン46Bが押されたとき、制御部28は、アシストモータ42を停止させる、または、アシストモータ42の出力を低下させる。
【0022】
図1および
図2に示されるように、変速装置26は、リアスプロケット38の回転を変速する変速機52、および、変速機52に連結される連結部54を備えている。変速装置26は、後輪18の車軸18Aのハブと一体化された内装変速機によって実現される。変速機52は、複数の変速段を備えている。
【0023】
図3に示されるように、連結部54は、ハブ軸に直接的または間接的に固定される固定部と、ハブ軸に対して回転可能に前記固定部に設けられる回転体56を備えている。回転体56は、
図2に示す変速機52の端部に着脱可能に取り付けられている。回転体56の外周には、変速用のケーブル58の一端が巻き掛けられている。ケーブル58が移動することにより、回転体56が回転する。これにより、回転体56と連結されている変速機52の内部の機械要素が回転する。これにより、遊星歯車機構を構成する歯車の連結状態が変更されて、変速段が変更される。
【0024】
図4に示されるように、ハンドルバー14には、ハンドルバー14に対して回転可能にグリップ60が取り付けられている。ハンドルバー14およびグリップ60には、ユーザのグリップ60の操作に応じてケーブル58を移動させるためのシフター70が取り付けられている。
【0025】
シフター70は、ハンドルバー14に固定される本体部72を備えている。
図5に示されるように、本体部72は、ハンドルバー14に図示しないホルダを介して着脱可能に取り付けられるケース74、ケーブル58を巻き取る巻取部76、巻取部76の回転を規制するクラッチ78、現在の変速段を表示する表示部80(
図4参照)を備えている。巻取部76は、ケーブル58の端部が嵌め込まれる溝76Aを備えている。
【0026】
クラッチ78は、円盤状の部材であり、ケース74に固定される。クラッチ78は、表面に周方向に並ぶ複数の三角爪78Aを備えている。巻取部76は、内部に形成される面に周方向に並ぶ複数の三角爪76Bが形成されており、これら三角爪76Bがクラッチ78の三角爪78Aと噛み合わせられている。巻取部76は、図示しないばねによりクラッチ78に押し付けられている。
【0027】
シフター70は、本体部72に取り付けられて巻取部76を動かす操作部82を備えている。操作部82は、巻取部76を動かす第1の操作部84、および、第1の操作部84と連結され、第1の操作部84に対して動作可能な第2の操作部86を備えている。なお、第2の操作部86の外周にゴム製のカバーを取り付けることもできる。
【0028】
第1の操作部84は筒状の部材であり、内周に雌スプライン84Aが形成されている。雌スプライン84Aは、巻取部76の外周に形成される雄スプライン76Cに嵌め込まれている。このため、第1の操作部84は、巻取部76に対して一体的に回転することができる。
【0029】
第2の操作部86は、第1の操作部84を覆う筒状の部材である。第2の操作部86は、第1の操作部84の端部に形成される爪84Cに連結されて、回転軸方向の移動が規制されている。
【0030】
図6に示されるように、第2の操作部86の内周には凹部86Bが形成されている。凹部86Bには、第1の操作部84の外周に形成される凸部84Bが嵌め込まれている。操作部82の周方向において、凹部86Bは凸部84Bよりも大きい。このため、第2の操作部86は、第1の操作部84に対してわずかに相対回転できる。第1の操作部84の外周面と第2の操作部86の内周面との間には、相対移動を円滑にするために、スリーブまたはベアリングが設けられてもよい。
【0031】
第2の操作部86が動作可能な範囲のうちの第2の操作部86の第2初期位置から第2所定位置までの範囲である自由範囲において第2の操作部86が動いても第1の操作部84は動かない。第2初期位置は、例えば、
図6に示す相対回転位置であり、周方向において凸部84Bの中央が凹部86Bの中央と一致する回転位置である。第2所定位置は、例えば、
図7に示す相対回転位置であり、周方向において凸部84Bが凹部86Bに対してそれ以上動けない相対回転位置である。なお、操作部82は、周方向の両方に回転する。このため、第2所定位置には、
図7に示す相対回転位置と、
図7と左右対称の相対回転位置とが含まれる。
【0032】
第1の操作部84が動作可能な範囲のうちの第1の操作部84の第1初期位置から第1所定位置までの範囲である連動範囲において第1の操作部84とともに巻取部76が動く。第1初期位置は、例えば、
図7に示す第1回転位置であり、周方向において凸部84Bが凹部86Bに対してそれ以上動けない回転位置である。第1所定位置は、例えば、第1の操作部84が
図7よりも回転して、
図5に示す巻取部76の三角爪76Bがクラッチ78の三角爪78Aを乗り越えた回転位置である。
【0033】
図6に示されるように、操作部82はさらに復帰機構90を備えている。復帰機構90は、操作部82が操作されていないときに、第2の操作部86を第2初期位置に復帰させる。復帰機構90は、第1のばね90Aおよび第2のばね90Bを備えている。第1のばね90Aは、凸部84Bの周方向の一端と凹部86Bとの間に配置されている。第2のばね90Bは、凸部84Bの周方向の他端と凹部86Bとの間に配置されている。復帰機構90は、第1の操作部84に対する第2の操作部86の相対回転位置が、第2の操作部86の第2初期位置に復帰するように第2の操作部86に反力を与える。第1のばね90Aおよび第2のばね90Bは、たとえば圧縮コイルばね、または板バネによって実現される。
【0034】
シフター70は、巻取部76に対する操作部82の動きに応じて信号を出力する検出部92をさらに備えている。検出部92は、第1の検出部94および第2の検出部96を備えている。第1の検出部94は、スイッチであり、凸部84Bの周方向の一端と凹部86Bとの間に配置されている。第2の検出部96は、スイッチであり、凸部84Bの周方向の他端と凹部86Bとの間に配置されている。第1の検出部94および第2の検出部96は、第2の操作部86が第1の操作部84に対して動くことにより押される。検出部92は第2の操作部86が第1の操作部84に対して動いた量が所定量以上のときにオンに設定されて、オン信号を制御部28(
図1参照)に出力する。第1の検出部94および第2の検出部96は、
図6においては凸部84Bに固定して設けられているが、凹部86Bに固定して設けられてもよい。各スイッチは、ノーマリーオフ、ノーマリーオンのスイッチのいずれであってもよいが、ノーマリーオフのスイッチがより好ましい。
【0035】
図2〜
図7を参照して、シフター70の動作について説明する。
操作者の操作により、
図4に示す第2の操作部86が周方向の一方に回されたとき、第2の操作部86が周方向の一方に回転する。そして、第2の操作部86が第2初期位置から第2所定位置に向かって移動を開始する。第2の操作部86の凹部86Bの内面が第2の検出部96と接触すると、第2の検出部96がオン信号を出力する。そして、さらに第2の操作部86の相対回転位置が
図7に示す第2所定位置に達したとき、第2の操作部86が第1の操作部84を押すことによって、変速可能である場合に第1の操作部84が周方向の一方に回転する。
図7では、第2の操作部86は、第2の検出部96を介して第1の操作部84を押しているが、第2の操作部86および第1の操作部84の少なくともいずれか一方に、第2の検出部96のスイッチの接点が閉じた後に、第2の操作部86および第1の操作部84の周方向の一方への相対回転を規制する規制部を設けることもできる。この場合、第2の操作部86は、この規制部を介して第1の操作部84を押すことができる。規制部を設けることによって、第2の検出部96に過度な力が加えられることを防止できる。なお、変速可能である場合とは、シフトアップ側への操作においては、現在の変速段が最大の変速段よりも小さい場合である。シフトダウン側への操作においては、現在の変速段が最小の変速段よりも大きい場合である。
【0036】
このとき、巻取部76にかかるトルクにより、三角爪76Bがクラッチ78の三角爪78Aを押しあがり、巻取部76がクラッチ78に対して周方向の一方に回転する。これにより、巻取部76によるケーブル58の巻き取り量が増加する。このため、ケーブル58がシフター70側に移動し、
図3に示す連結部54の回転体56を回転させる。これにより、
図2に示す変速機52の変速段が変更される。
【0037】
操作者の操作により、第2の操作部86が周方向の他方に回されたとき、第2の操作部86が周方向の他方に回転する。そして、第2の操作部86の回転位置が第2初期位置から第2所定位置に向かって移動を開始する。第2の操作部86の凹部86Bの内面が第1の検出部94と接触すると、第1の検出部94がオン信号を出力する。そして、さらに第2の操作部86の位置が
図7と左右対称の位置である第2所定位置に達したとき、第2の操作部86が第1の操作部84を押すことによって、変速可能である場合に第1の操作部84が周方向の他方に回転する。
図7では、第2の操作部86は、第1の検出部94を介して第1の操作部84を押しているが、第2の操作部86および第1の操作部84の少なくともいずれか一方に、第1の検出部94のスイッチの接点が閉じた後に、第2の操作部86および第1の操作部84の周方向の一方への相対回転を規制する規制部を設け、この規制部を介して第2の操作部86が第1の操作部84を押してもよい。規制部を設けることによって、第1の検出部94に過度な力が加えられることを防止できる。
【0038】
このとき、巻取部76にかかるトルクにより、三角爪76Bがクラッチ78の三角爪78Aを押しあがり、巻取部76がクラッチ78に対して周方向の他方に回転する。これにより、巻取部76によるケーブル58の巻き取り量が減少する。このため、ケーブル58が
図2に示す変速装置26側に移動し、
図3に示す連結部54の回転体56を回転させる。これにより、変速機52の変速段が変更される。
【0039】
図1に示されるように、変速機52には、クランクアーム30からの駆動力とアシストモータ42の駆動力とが入力される。
図2に示される変速機52は、変速段を変更するとき、ケーブル58により動かされる機械要素を動作させることにより遊星歯車機構を構成する歯車の連結状態を変更する。変速機52に入力されるトルクが大きいほど、機械要素が動作しにくくなる。このため、制御部28は、検出部92の出力信号に基づいてアシストモータ42を制御する。
【0040】
図8を参照して、制御部28が所定周期ごとに行う処理手順について説明する。
ステップS11に示されるように制御部28は、第1の検出部94または第2の検出部96のスイッチがオンされたか否かを判定する。具体的には、第1の検出部94または第2の検出部96からオン信号が入力されたとき、第1の検出部94または第2の検出部96のスイッチがオンされた旨を判定し、ステップS12に進む。
【0041】
次に、制御部28は、ステップS12において、アシストモータ42の出力を低下させる。
次に、制御部28は、アシストモータ42の出力を低下させてから所定時間TXが経過したか否かを判定する。所定時間TXは、変速機52(
図2参照)による変速段の変更に必要と考えられる標準的な時間よりも十分に大きい時間が設定されることが好ましい。
【0042】
制御部28は、アシストモータ42の出力を低下させてから所定時間TXが経過するまでステップS13の判定処理を繰り返す。制御部28は、アシストモータ42の出力を低下させてから所定時間TXが経過した旨判定したとき、ステップS14においてアシストモータ42の出力の低下させる制御を終了し、本処理を終了する。この結果、アシストモータ42の出力が増加する。
【0043】
図9に示すように、制御部28は、第1の検出部94または第2の検出部96のスイッチがオンされた時刻t10から、時刻t10から所定時間TXが経過した時刻t11の間において、アシストモータ42の出力が、時刻t10よりも以前の出力よりも小さくなる。また、時刻t11以降において、人力駆動力が変化していない場合には、アシストモータ42の出力は、時刻t10よりも以前と同じ大きさになる。アシストモータ42の出力は、人力駆動力に応じて変動するので、アシストモータ42の出力が低下している間に、人力駆動力が大きくなったり、小さくなったりした場合には、時刻t11以降においてアシストモータ42は変動した人力駆動力に応じたアシスト力を出力する。
【0044】
自転車用電動システムは、以下の作用および効果を奏する。
(1)シフター70は、巻取部76に対する操作部82の動きに応じて制御部28にオン信号を出力する。このため、制御部28は、変速機52による変速比の変更の動作に応じたアシストモータ42の出力の制御を行うことができる。このため、変速性能が向上する。
【0045】
(2)検出部92は、操作部82が動いても巻取部76が動かない自由範囲において制御部28にオン信号を出力する。すなわち、巻取部76によりケーブル58が移動を開始する前に制御部28にオン信号を出力する。このため、変速機52による変速比の変更の動作が開始する前にアシストモータ42の出力を制御することができる。このため、変速性能がさらに向上する。
【0046】
(3)シフター70は、復帰機構90を備える。このため、操作者が操作部82を操作しないとき、第1の操作部84に対する第2の操作部86の位置が第2の操作部86の初期位置に復帰する。このため、操作部82を操作しないときに検出部92がオン信号を出力することが抑制される。このため、不適切なタイミングでアシストモータ42の出力を低下することが抑制される。
【0047】
(第2実施形態)
本実施形態の自転車用電動システムは、アシスト機構22、変速装置26、制御部28、および、
図10に示されるレバー型のシフター100を備えている。
【0048】
図10に示されるように、シフター100は、ハンドルバー14に固定される本体部102を備えている。
図11に示されるように、本体部102は、ハンドルバー14にホルダ104A(
図10参照)を介して取り付けられるケース104、ケーブル58を巻き取る巻取部106、巻取部106に連結されて巻取部106の回転を規制するラチェット108を備えている。巻取部106は、ボビンであり、ケーブル58の端部が嵌め込まれる溝106Aを備えている。ラチェット108は、円盤状または扇形の部材である。ラチェット108は、外周部に複数のラチェット歯を備える。
【0049】
図10に示されるように、シフター100は、本体部102に回動可能に取り付けられて巻取部106を動かすシフトアップ用の操作部110、および、シフトダウン用の操作部112を備えている。
【0050】
シフトアップ用の操作部110は、巻取部106を動かす第1の操作部114、第1の操作部114のレバー軸116(
図11参照)、および、第1の操作部114と連結されて第1の操作部114に対して動作可能な第2の操作部118を備えている。
【0051】
図11に示されるように、第1の操作部114は、レバーであり、本体部102に設けられるレバー軸116まわりに回転する。レバー軸116の外周には、雄スプライン116Aが形成されている。雄スプライン116Aには、ラチェット108の内周に形成される雌スプライン108Bに嵌め込まれている。雄スプライン116Aと雌スプライン108Bとの間にはクリアランスC1が形成されている。このため、ラチェット108は、レバー軸116に対して動くことができる。第1の操作部114には軸124を介して送り爪124Aが設けられる。送り爪124Aはラチェット108のラチェット歯に係合可能である。軸124は、レバー軸116からオフセットして設けられ、かつレバー軸116に平行に設けられる。送り爪124Aは軸124まわりに回転可能に設けられる。第1の操作部114を第1初期位置からレバー軸116まわりの第1方向に操作すると、送り爪124Aがラチェット108のラチェット歯に係合して、ラチェット108が回転する。これによって巻取部106が回転してケーブル58が巻き取られる。レバー軸116には、ばね116Bが取り付けられている。ばね116Bは、第1の操作部114および巻取部106にレバー軸116の第2方向に向かう力を付与する。これによって第1の操作部114は、操作されていないときには、レバー軸116の第2方向にバイアスされて第1初期位置に戻り、また後述する位置決め爪がラチェット108から外れた時に、巻取部106が第1初期位置に戻る方向に回転する。
【0052】
第2の操作部118は、第1の操作部114に対して相対変位可能に取り付けられている。第2の操作部118は、第1の操作部114のうちの操作者が接触する部分に設けられ、操作者が接触する部分を覆って設けられるのが好ましい。ここでは、第2の操作部118は、レバーであり、第1の操作部114に回動可能に取り付けられている。第2の操作部118の回動軸は、たとえば第1の操作部114の回転軸と並行に設けられる。
【0053】
第2の操作部118が動作可能な範囲のうちの第2の操作部118の第2初期位置から第2所定位置までの範囲である連動範囲において第2の操作部118が動いても第1の操作部114は動かない。第2初期位置は、例えば、
図10に実線で示す位置であり、第2の操作部118に外部から力を与えないときの第2の操作部118の位置である。第2所定位置は、例えば、
図10に二点鎖線で示す位置であり、第2の操作部118が第1の操作部114に対してそれ以上動けない位置である。
【0054】
シフトアップ用の操作部110はさらに復帰機構120を備えている。復帰機構120は、第2の操作部118が操作されていないときに、第2の操作部118を第2初期位置に復帰させる。復帰機構120は、ばねであり、第1の操作部114と第2の操作部118との間に配置されている。復帰機構120は、第1の操作部114に対する第2の操作部118の位置が、第2の操作部118の第2初期位置に復帰するように第2の操作部118に反力を与える。
【0055】
シフトダウン用の操作部112は、巻取部106を動かすための第1の操作部122、第1の操作部122のレバー軸124、および、第1の操作部122と連結されて第1の操作部122に対して動作可能な第2の操作部126を備えている。
【0056】
第1の操作部122は、レバーであり、第1の操作部122の基端部は、本体部102に設けられる第2レバー軸(図示せず)に連結されている。第1の操作部122は、第2レバー軸に対して動くことができる。第1の操作部122には、位置決め爪(図示せず)と、保持爪(図示せず)とが設けられる。位置決め爪は、ラチェット108のラチェット歯に嵌め込まれて各変速段に対応する回転位置でラチェット108の回転を規制する。保持爪は、位置決め爪と共同して動作し、保持爪がラチェット108から外れた時に、ラチェット108がその初期位置まで一気に戻ってしまうことを抑制する。すなわち、位置決め爪がラチェット108から外れた時には、保持爪がラチェット108に係合する。第1の操作部122が第1初期位置から第2レバー軸まわりの第2方向に回転すると、位置決め爪がラチェット108から外れて、保持爪がラチェット108に係合する。これによって、ラチェット108が初期位置に戻る方向に一段分だけ回転する。第1の操作部122は、第1初期位置に戻る方向にバイアスされており、操作力が与えられていないときには第1初期位置に戻る。本実施の形態では、シフトアップ用の操作部110およびシフトダウン用の操作部112の初期位置からの操作方向は、互いに反対向きに構成されている。操作者がシフトアップ用の操作部110については押すことによって変速し、およびシフトダウン用の操作部112については引っ張ることによって変速する。他の形態としては、シフトアップ用の操作部110およびシフトダウン用の操作部112の初期位置からの操作方向は同じ方向であってもよい。すなわち操作者がシフトアップ用の操作部110についても、シフトダウン用の操作部112についても、押すことによって変速する構成にしてもよい。
【0057】
第2の操作部126は、第1の操作部122に対して相対変位可能に取り付けられている。第2の操作部126は、第1の操作部122のうちの操作者が接触する部分に設けられ、操作者が接触する部分を覆って設けられるのが好ましい。ここでは、第2の操作部126は、レバーであり、第1の操作部122に回動可能に取り付けられている。第2の操作部126の回動軸は、たとえば第1の操作部122の回転軸と並行に設けられる。
【0058】
第2の操作部126が動作可能な範囲のうちの第2の操作部126の第2初期位置から第2所定位置までの範囲である連動範囲において第2の操作部126が動いても第1の操作部122は動かない。第2初期位置は、例えば、
図10に実線で示す位置であり、第2の操作部126に外部から力を与えないときの第2の操作部126の位置である。第2所定位置は、例えば、
図10に二点鎖線で示す位置であり、第2の操作部126が第1の操作部122に対してそれ以上動けない位置である。
【0059】
シフトダウン用の操作部112はさらに復帰機構128を備えている。復帰機構128は、第2の操作部126が操作されていないときに、第2の操作部126を第2初期位置に復帰させる。復帰機構128は、ばねであり、第1の操作部122と第2の操作部126との間に配置されている。復帰機構128は、第1の操作部122に対する第2の操作部126の位置が、第2の操作部126の初期位置に復帰するように第2の操作部126に反力を与える。
【0060】
シフター100は、巻取部106に対する操作部110,112の動きに応じて信号を出力する検出部132をさらに備えている。検出部132は、第1の検出部134および第2の検出部136を備えている。
【0061】
第1の検出部134は、スイッチであり、第1の操作部114と第2の操作部118との間に配置されている。第1の検出部134は、第2の操作部118が第1の操作部114に対して第1の操作部114側に動くことにより押される。第1の検出部134は第2の操作部118が第1の操作部114に対して動いた量が所定量以上のときにオンに設定されて、オン信号を制御部28(
図1参照)に出力する。
【0062】
第2の検出部136は、スイッチであり、第1の操作部122と第2の操作部126との間に配置されている。第2の検出部136は、第2の操作部126が第1の操作部122に対して動くことにより押される。第2の検出部136は第2の操作部126が第1の操作部122に対して動いた量が所定量以上のときにオンに設定されて、オン信号を制御部28(
図1参照)に出力する。第1の検出部134および第2の検出部136は、
図10においては第1の操作部114,122にそれぞれ固定して設けられているが、第2の操作部118,126にそれぞれ固定して設けられてもよい。各スイッチは、ノーマリーオフ、ノーマリーオンのスイッチのいずれであってもよいが、ノーマリーオフのスイッチがより好ましい。
【0063】
図11を参照して、シフター100の動作について説明する。
操作者の操作により、シフトアップ用の操作部110が押されたとき、第2の操作部118が第1の操作部114に近づく。すなわち、第2の操作部118の位置が初期位置から第2所定位置に向かって移動を開始する。第2の操作部118の位置が第2の操作部118が第1の検出部134と接触する中間位置に達したとき、第1の検出部134がオン信号を出力する。そして、さらに第2の操作部118の位置が第2所定位置に達したとき、第1の操作部114と第2の操作部118とが連動して第1の操作部114を回動させる。
【0064】
このとき、第1の操作部114とともにレバー軸124が回転することによりレバー軸124の送り爪124Aがラチェット108を周方向の一方に回転させる。これにより、巻取部106のケーブル58の巻き取り量が大きくなる。このため、ケーブル58がシフター100側に移動し、
図3に示す連結部54の回転体56を回転させる。これにより、
図2に示す変速機52の変速段が変更される。
図11では、第2の操作部118は、第1の検出部134を介して第1の操作部114を押しているが、第2の操作部118および第1の操作部114の少なくともいずれか一方に、第1の検出部134のスイッチの接点が閉じた後に、第2の操作部118および第1の操作部114の相対回転を規制する規制部を設けてもよい。この場合、第2の操作部118がこの規制部を介して第1の操作部114を押すことができる。規制部を設けることによって、第1の検出部134に過度な力が加えられることを防止できる。
【0065】
操作者の操作により、シフトダウン用の操作部112が押されたとき、第2の操作部126が第1の操作部122に近づく。すなわち、第2の操作部126の位置が第2初期位置から第2所定位置に向かって移動を開始する。第2の操作部126の位置が第2の操作部126が第2の検出部136と接触する中間位置に達したとき、第2の検出部136がオン信号を出力する。そして、さらに第2の操作部126の位置が第2所定位置に達したとき、第1の操作部122と第2の操作部126とが連動して第1の操作部122を回動させる。
【0066】
このとき、第1の操作部122の位置決め爪がラチェット108から離れる。ラチェット108は、ばね116Bの反力により周方向の他方に回転する。これにより、巻取部106のケーブル58の巻き取り量が小さくなる。このため、ケーブル58が
図3に示す連結部54側に移動し、連結部54の回転体56を回転させる。これにより、
図2に示す変速機52の変速段が変更される。自転車用電動システムは、第1実施形態の(1)〜(3)に準じた効果を奏する。
【0067】
(第3実施形態)
本実施形態の自転車用電動システムは、アシスト機構22、シフター70、制御部28、および、
図12に示される外装型の変速機140を備えている。また、リアスプロケット38(
図1参照)は、歯数の異なる複数のリアスプロケット38が軸方向に並べられたものである。
【0068】
図12を参照して、変速機140の構成について説明する。
変速機140は、ベース部材142、連結機構144、および、支持部材146を含む。ベース部材142は、フレーム12(
図1参照)に取り付け可能である。
【0069】
ベース部材142は、ケーブル58の端部が固定される固定部142Aを備えている。
連結機構144は、インナーリンク148、アウターリンク150、および、可動部材152を含む。
【0070】
インナーリンク148は、ベース部材142と可動部材152とを連結している。インナーリンク148は、ベース部材142に対して回転する。具体的には、インナーリンク148の一端と可動部材152とがピボットピン154により接続されている。インナーリンク148は、可動部材152に対してピボットピン154まわりに回転できる。インナーリンク148の他端と可動部材152とがピボットピン156により接続されている。インナーリンク148は、可動部材152に対してピボットピン156まわりに回転できる。
【0071】
アウターリンク150は、ベース部材142と可動部材152とを連結している。アウターリンク150の一端とベース部材142とがピボットピン158により接続されている。アウターリンク150は、ベース部材142に対してピボットピン158まわりに回転できる。アウターリンク150の他端と可動部材152とがピボットピン160により接続されている。アウターリンク150は、可動部材152に対してピボットピン160まわりに回転できる。
【0072】
アウターリンク150のベース部材142側の端部と、インナーリンク148の可動部材152側の端部との間には、図示しないばねが配置されている。このばねは、ローノーマルまたはトップノーマルとなるように、可動部材152をバイアスしている。
【0073】
可動部材152は、インナーリンク148、および、アウターリンク150を介して、移動可能にベース部材142に取り付けられている。支持部材146は、回転可能に可動部材152に取り付けられている。支持部材146は、一対のプレートを有し、ガイドプーリ162およびテンションプーリ164を回転可能に支持している。
【0074】
ガイドプーリ162およびテンションプーリ164は、チェーン40が巻き掛けられる。ガイドプーリ162およびテンションプーリ164は、チェーン40の回転にともなって支持部材146に対して回転する。
【0075】
図1および
図12を参照して、変速機140の動作について説明する。
変速機140は、チェーン40を異なるリアスプロケット38に巻き掛けることにより自転車10の変速比を変更する。
【0076】
シフター70の操作によってケーブル58が移動することにより、インナーリンク148がピボットピン154およびピボットピン156まわりに回転する。また、アウターリンク150がピボットピン158およびピボットピン160まわりに回転する。インナーリンク148およびアウターリンク150の動作により、支持部材146が車体中心側、または、車体中心側とは反対側に移動する。これにより、ガイドプーリ162およびテンションプーリ164に巻き掛けられるチェーン40の位置が変化し、チェーン40が巻き掛けられるリアスプロケット38が変更される。また、支持部材146がリアスプロケット38の軸中心側、または、軸中心側とは反対側に移動することにより、テンションプーリ164のリアスプロケット38に対する位置が変化し、チェーン40のテンションが調整される。本実施形態の自転車用電動システムにおいても、第1実施形態の(1)〜(3)に準じた効果を奏する。
【0077】
(第4実施形態)
図13を参照して、第4実施形態の自転車用電動システムについて説明する。
自転車用電動システムは、変速装置170、制御部28、および、アシスト機構22を備えている。変速装置170は、
図2に示す変速機52、
図3に示す連結部54、および、検出部172を備えている。検出部172は、変速機52の動きに応じた信号を制御部28に出力する。例えば、検出部172は、連結部54の回転体の動きを検出して、制御部28に信号を出力する。検出部172は、たとえばポテンショメータ、磁気センサまたはロータリーエンコーダなどによって構成されてもよく、連結部54の固定部と回転体56との相対回転位置を検出可能なセンサであればよい。制御部28は、検出部172からの信号に基づいて、変速装置170による変速比の変更が行われていると判定したとき、アシストモータ42の出力を低下させる。自転車用電動システムによれば、変速装置170による変速比の変更の動作に応じたアシストモータ42の出力の制御を行うことができる。このため、変速性能が向上する。
【0078】
(第5実施形態)
図14を参照して、第5実施形態の自転車用電動システムについて説明する。
自転車用電動システムは、変速装置182、制御部28、アシスト機構22、および、シフター180を備えている。
【0079】
シフター180は、制御部28と電気的に接続されている。制御部28は、シフター180からの信号に基づいて変速装置182を制御する。
変速装置182は、
図2に示す変速機52、
図14に示す電動アクチュエータ184、および、検出部186を備えている。電動アクチュエータ184は、電動モータを含み、さらに減速機を含んでいてもよい。検出部186は、電動アクチュエータ184の動きに応じた信号を制御部28に出力する。例えば、検出部186は、電動アクチュエータ184の出力軸、減速機の中間軸、または電動モータ軸の回転角度に応じた信号を制御部28に出力する。制御部28は、検出部186からの信号に基づいて、変速装置182による変速比の変更が行われていると判定したとき、アシストモータ42の出力を低下させる。検出部186は、たとえばポテンショメータ、磁気センサまたはロータリーエンコーダなどによって構成される。自転車用電動システムによれば、変速装置182による変速比の変更の動作に応じたアシストモータ42の出力の制御を行うことができる。このため、変速性能が向上する。
【0080】
(第6実施形態)
図15を参照して、第6実施形態の自転車用電動システムについて説明する。
自転車用電動システムは、変速装置190、制御部28、アシスト機構22、および、シフター180を備えている。
【0081】
変速装置190は、電動アクチュエータ194を備える変速機192、および、検出部196を備えている。変速機192は、例えば
図12に示す変速機140の固定部142Aに電動アクチュエータ194を搭載したものであり、電動アクチュエータ194の駆動により、連結機構144(
図12参照)が動作する。
【0082】
検出部196は、変速機192の動きに応じた信号を制御部28に出力する。例えば、検出部196は、連結機構144の回転角度に応じた信号を制御部28に出力する。具体的には、検出部196は、固定部142Aに対する連結機構144のピボットピン154またはピボットピン158まわりの回転、連結機構144に対する可動部材152のピボットピン156またはピボットピン160まわりの回転、あるいは支持部材146の可動部材152に対する回転を検出する。検出部196は、例えば、ポテンショメータ、磁気センサまたはロータリーエンコーダなどによって構成される。検出部196は、固定部142A、連結機構144または支持部材146の少なくともいずれか間に配置される。制御部28は、検出部196からの信号に基づいて、変速装置182による変速比の変更が行われていると判定したとき、アシストモータ42の出力を低下させる。自転車用電動システムによれば、変速装置190による変速比の変更の動作に応じたアシストモータ42の出力の制御を行うことができる。このため、変速性能が向上する。
【0083】
(変形例)
本自転車用電動システム等が取り得る具体的な形態は、上記実施形態に例示された形態に限定されない。本自転車用電動システム等は、上記実施形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記実施形態の変形例は、本自転車用電動システム等が取り得る各種の形態の一例である。
【0084】
・第1実施形態の第1の操作部84の外周に凹部を形成し、第2の操作部86の内周に凸部を形成することもできる。
・第1実施形態の第1の操作部84を省略して、巻取部76の外周に第2の操作部86を設ける構成としてもよい。この場合、巻取部76のうちの第2の操作部86に外囲される部分の形状を第1の操作部84の形状と同様に形成すればよい。
【0085】
・第1実施形態の第1の検出部94および第2の検出部96の一方を省略することもできる。この場合には、アップシフトおよびダウンシフトのいずれか一方のときに、アシストモータ42の出力が制御される。
【0086】
・第2実施形態の第1の検出部134および第2の検出部136の一方を省略することもできる。この場合には、アップシフトおよびダウンシフトのいずれか一方のときに、アシストモータ42の出力が制御される。
【0087】
・第1実施の形態の検出部92および第2実施形態の検出部132を光学センサに変更することもできる。例えば、光学センサは、第1の操作部84,114,122および第2の操作部86,118,126のいずれか一方に取り付けられて、他方の移動量に応じた信号を出力する。
【0088】
また第1実施形態および第2実施の形態において、第2の操作部86,118,126を省略し、第1の操作部84,114,122の動きを、光学センサ、磁気センサなどによって実現される検出部によって検出してもよい。検出部は、ケース74,104に設けられる。この場合、第1の操作部84,114,122が第1初期位置から動作した後、巻取部76,106が動作する前までの間に、検出部が信号を制御部に出力するように構成される。
【0089】
・第2実施形態のシフター100を、シフトアップ用の操作部110とシフトダウン用の操作部112とが一体に構成されているシフターに変更することもできる。このシフターは、レバー軸に対して一方に回転することによりシフトアップが行われ、レバー軸に対して他方に回転することによりシフトダウンが行われる。
【0090】
・第1および第2実施形態のシフター70,100にマイクロコンピュータを備えることもできる。検出部92,132は、マイクロコンピュータに電気的に接続される。マイクロコンピュータは、制御部28と電気的に接続されて、検出部92,132の信号を制御部28に送信する。マイクロコンピュータと制御部28とは、たとえば電力線通信(PLC)によって通信してもよい。
【0091】
・第2実施形態のシフター100の第1の操作部114,122を巻取部106と相対的に移動しない構成にすることもできる。この場合も、第1実施形態の(2)の効果を奏することができる。
【0092】
・第1〜3実施形態の制御部28は、検出部92,132からの出力信号が入力される時間が閾値以上のときにアシストモータ42の出力を低下させる、または、アシストモータ42の出力をオフすることもできる。この場合、操作者が変速段の変更を意図しないときに操作者の手が触れる等して第2の操作部86,118,126が移動したときに、アシストモータ42の出力を低下させることを抑制できる。
【0093】
・第6実施形態の検出部186を、第5実施形態と同様に電動アクチュエータ194の動きに応じた信号を制御部28に出力するものに変更してもよい。
・各実施形態の変速装置は、フロントディレイラおよびフロント内装変速装置などのフロント変速装置であってもよい。
【0094】
・各実施形態の制御部28は、変速比を変更するときにアシストモータ42の駆動をオフにすることもできる。この場合、ステップS14において、アシストモータ42の駆動がオンになる。
【0095】
・各実施形態の制御部28は、ステップS13において、変速が完了したとき、アシストモータ42の出力の低下させる制御を終了することもできる。変速が完了したときとは、変速機が動作して、変速比が変更されたときが好ましい。変速が完了したことを検出する変速検出部としては、自転車の速度を検出する速度センサと、クランクの回転数を検出するケイデンスセンサと、変速段を検出する段数検出センサと、制御部とを含んで構成される。この場合、タイヤ周長と、各変速段に対応するギア比とを予め制御部が記憶しておき、各センサからの検出結果に基づいて制御部が計算によって変速比の変更が完了したことを正確に検出することができる。また変速の完了は、例えば第4〜6実施形態の検出部172,186,196の出力信号を用いて判断してもよい。検出部172,186,196は、角度位置を検出可能なセンサによって構成する。この場合、検出部172,186,196は、変速検出部に相当する。
【0096】
・第6実施形態において変速機192から電動アクチュエータ194を取り除いて、第3実施形態のようにケーブル58で変速機192を制御する構成としてもよい。この場合にはシフターとしては、センサを備えない一般的なシフターを用いることができる。