(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記スケーリングファクタを取得するステップは、前記第1のタイプの前記第1の信号と前記第1のタイプの前記第2の信号を受信すること、前記第1の信号と前記第2の信号に対する前記信号推定値を計算すること、及び前記第1のタイプの前記第2の信号に対して計算された前記信号推定値と前記第1のタイプの前記第1の信号に対して計算された前記信号推定値との比として前記スケーリングファクタを計算することを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
前記信号推定値を計算することは、前記第1のタイプの前記第1の信号と前記第1のタイプの前記第2の信号とが時間整合しているかを判定し、時間整合している場合には、前記第1の信号と前記第2の信号とに関連付けられているチャネルを推定するための複数の取り得るチャネル推定方法から、ジョイントチャネル推定方法を選択することを含んでいる
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
前記無線デバイス(122、124、126、606、1100、1200)が、前記スケーリングによって、前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を判定することができるか否かを示すケイパビリティ情報をネットワークノードへ送信するステップを更に備える
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するステップ(620)は、前記第2のタイプの前記第2の信号が、時間及び周波数の少なくとも一方における密度が所定の閾値よりも低いことを前記無線デバイスが判定することに応じて、前記スケーリングによって前記信号推定値を判定することを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するステップ(620)は、前記第1の無線ネットワークノードが前記第2の無線ネットワークノードに関するアグレッサとして機能することを前記無線デバイスが判定することに応じて、前記スケーリングによって前記信号推定値を判定することを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するステップ(620)は、前記無線デバイスが低電力あるいは低アクティビティ状態であることに応じて、前記スケーリングによって前記信号推定値を判定することを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するステップ(620)は、前記第2のタイプの前記第1の信号が前記無線デバイスにおける測定に対して利用可能でないことを前記無線デバイスが判定することに応じて、前記スケーリングによって前記信号推定値を判定することを含んでいて、
前記基準信号推定値を取得するステップは、前記第2のタイプの前記第1の信号に対する前記信号推定値を、前記第2のタイプの信号に関連付けられている仮想信号推定値として取得することを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
前記第1の無線ネットワークノードと前記第2の無線ネットワークノード(602、604)において、前記第1のタイプの信号と前記第2のタイプの信号との間の関係を記述する補正ファクタを取得するステップ(902)を更に備え、
前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を判定するステップは、更に、前記補正ファクタによって前記スケーリングファクタを調整することを含んでいる
ことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法。
前記第1のタイプの前記第1の信号と前記第1のタイプの前記第2の信号は、特定の属性を有する、時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方に関連付けられている
ことを特徴とする請求項16に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記第1のタイプの前記第1の信号と前記第1のタイプの前記第2の信号を受信することによって前記スケーリングファクタを取得し、前記第1の信号と前記第2の信号に対する前記信号推定値を計算し、かつ、前記第1のタイプの前記第2の信号に対して計算された前記信号推定値と前記第1のタイプの前記第1の信号に対して計算された前記信号推定値との比として前記スケーリングファクタを計算するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至18のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記第1のタイプの前記第1の信号と前記第1のタイプの前記第2の信号とが時間整合しているかを判定することによって前記信号推定値を計算するように構成され、また、時間整合している場合には、前記第1の信号と前記第2の信号とに関連付けられているチャネルを推定するための複数の取り得るチャネル推定方法からジョイントチャネル推定方法を選択するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至19のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記トランシーバは、前記無線デバイス(122、124、126、606、1100、1200)が前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を判定することができるか否かを示すケイパビリティ情報をネットワークノードへ送信するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至21のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記第2のタイプの前記第2の信号が、時間及び周波数の少なくとも一方における密度が所定の閾値よりも低いことを前記無線デバイスが判定することに応じて、前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至22のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記第1の無線ネットワークノードが前記第2の無線ネットワークノードに関するアグレッサとして機能することを前記無線デバイスが判定することに応じて、前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至22のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記無線デバイスが低電力あるいは低アクティビティ状態であることに応じて、前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至22のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記第2のタイプの前記第1の信号が前記無線デバイスにおける測定に対して利用可能でないことを前記無線デバイスが判定することに応じて、前記スケーリングによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を選択的に判定し、前記第2のタイプの前記第1の信号に対する前記信号推定値を前記第2のタイプの信号に関連付けられている仮想信号推定値として取得することによって前記基準信号推定値を取得するように構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至22のいずれか1項に記載の無線デバイス。
前記1つ以上の処理回路は、前記第1の無線ネットワークノードと前記第2の無線ネットワークノードにおける前記第1のタイプの信号と前記第2のタイプの信号との間の関係を記述する補正ファクタを取得し、前記補正ファクタによって前記スケーリングファクタを調整することによって前記第2のタイプの前記第2の信号に対する前記信号推定値を判定するように更に構成されている
ことを特徴とする請求項16乃至26のいずれか1項に記載の無線デバイス。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示では、一定の用語あるいは技術表現は、図示の目的のための例として使用される。これらは、本開示を1つの技術あるいは規格に制限するものとして解釈されるべきではない。
【0022】
例えば、用語、無線デバイスとユーザ機器(UE)は、記載の中では交換可能に使用される。UEは、無線インタフェースが搭載されている任意のデバイスであり、また、無線ネットワークノード及び別の無線デバイスの少なくとも一方から無線信号を少なくとも受信することができる。UEは、また、リモートノードからの無線信号を受信し、復号することができる。UEは、また、無線信号を生成し、送信することができる。ここで、いくつかの無線ネットワークノードは、更に、UE形式インタフェースを搭載することができることに注意されたい。一般的な意味で理解されるべきである「UE」のいくつかの例には、移動体、iPhone、PDA、ラップトップ、センサ、固定中継器、移動中継器、UE形式インタフェースが搭載されている任意の無線ネットワークノード(例えば、小型RBS、eノードB、フェムトBS、LMU等)がある。無線デバイスは、1つ以上の周波数と、1つ以上の無線アクセス技術(RAT)(例えば、例示のデュアルモードユーザ機器は、次の任意の2つで動作することができる。:WiFi、LTE/LTE−A、HSPA、GSM)で動作することができ、また、いくつかのデバイスは、複数の周波数と複数のRATの少なくとも一方での並行動作をサポートすることができる(例えば、キャリヤアグリゲーションが構成設定されている無線デバイス)。無線デバイスは、また、同一周波数上で、例えば、調整済マルチポイント(CoMP)動作を伴うマルチタグ(即ち、マルチリンク)動作をサポートすることができる。無線デバイスは、キャリヤアグリゲーションで、サービングセル(例えば、プライマリセル(PCell))と、1つ以上のセカンダリセル(SCell)によってサービスの提供を受けることができる。単一の無線デバイスに対しては、UEは、1つのプライマリセル(PCell)と1つ以上のセカンダリセル(SCell)を有することができる。セルは、送信ノードに関連付けられている仮想セルとすることができ、また、別の送信ノードと同一のセルIDを共有したりしなかったりすることができる。
【0023】
無線ネットワークノードは、少なくとも1つの無線信号を送信し、無線通信ネットワークに配置されている装置を備える無線ノードである。これは、送信信号シーケンスを生成したり、しなかったりすることができる。例えば、これは、無線基地局、中継器、ビーコンデバイス、リモート無線ユニット(RRU)とすることができる。選択的には、送信アンテナあるいはリモート無線ヘッド(RRH)、あるいは、単なる、リピータとすることもできる。
【0024】
無線ネットワークノードは、自身で所有するセルを作成しても良いし、作成しなくても良い。無線ネットワークノードは、別の無線ノードとセルを共有することができる、あるいは、セルセクタ(論理的あるいは地理的なセルの一部、これは、いくつかの実施形態では、一般的な方法では、「セル」として参照する場合もある)で動作することができる。無線ネットワークノードは、1つ以上のセルと関連付けることができる。無線ネットワークノードは、1つ以上の周波数で、かつ1つ以上のRAT(例えば、複合規格無線基地局(MSR BS))で動作することができ、また、任意の1つ以上の以下の無線アクセス技術をサポートすることができる:WiFi、LTE/LTE−A、WCDMA、HSPA、GSM/EDGE/GPRS。いくつかの無線ネットワークノードは、また、複数の周波数及び複数のRATの少なくとも一方での並行動作をサポートすることができる(例えば、キャリヤアグリゲーションが構成設定されている無線デバイスへサービスを提供すること、あるいは、異なる周波数及びRATの少なくとも一方における複数の無線デバイスへサービスを提供することでさえ)。無線ネットワークノードは、同一位置に配置されている、及び、分散されている内の少なくとも一方である複数のアンテナを装備することができる。無線ネットワークノードは、また、同一周波数上、例えば、CoMPを伴うマルチタグ(マルチリンクとして知られる)動作をサポートすることができる。
【0025】
ビクティム(対象者(ターゲット)とも呼ばれる)は、受信される無線送信(例えば、信号あるいはチャネル)、あるいは、対象となる専用時間リソース及び専用周波数リソースの少なくとも一方(無線通信のために潜在的に使用される)を備える場合がある、あるいは、他のソースによって生成される干渉及びノイズの影響下となる可能性があるものである。いくつかの実施形態では、用語「ビクティム(victim)」は、受信対象あるいは測定対象となる信号(群)あるいはチャネル(群)に関連付けられているエンティティ(例えば、セル、送信無線デバイス、あるいは送信無線ネットワークノード)とも呼ばれ、あるいは他のソースによって生成される干渉及びノイズの影響下となる可能性があるものである。ビクティム信号/チャネルは、無線ネットワークノードによって送信されるダウンリンク信号/チャネルである場合がある、あるいは、2つの無線デバイス間、例えば、デバイス間通信で送信される信号/チャネルである場合がある。ビクティム信号及びチャネルのいくつかの例には、物理信号(例えば、ブロードキャスト信号あるいはユニキャスト物理信号、基準信号、CRS、PRS(位置決め基準信号)、DM−RS(専用変調基準信号)、いわゆる同期信号、MBSFN基準信号(RS)、PSS、SSS等)、物理チャネル(ブロードキャストチャネルあるいはマルチキャストチャネル、PBCH、制御チャネル、PDCCH、PCFICH、PHICH、PUCCH、データチャネル、PDSCH、PUSCH)、論理チャネル(例えば、チャネル搬送システム情報あるいはページング情報)が含まれる。
【0026】
アグレッサ(aggressor)は、ビクティムに影響を与える干渉あるいはノイズのソースである。アグレッサは、無線送信(例えば、信号あるいはチャネル)あるいは、アグレッサ送信に関連付けられているエンティティ(例えば、セルあるいは任意の送信無線ノード)であり得る。アグレッサ信号/チャネルは、ダウンリンク信号/チャネル、あるいはデバイス間通信を含む、2つの無線ノード間の信号/チャネルである場合がある。アグレッサ信号及びチャネルのいくつかの例には、物理信号(例えば、ブロードキャスト信号あるいはユニキャスト物理信号、基準信号、CRS、PRS、DM−RS、同期信号、MBSFN RS、PSS、SSS等)、物理チャネル(ブロードキャストチャネルあるいはマルチキャストチャネル、PBCH、制御チャネル、PDCCH、PCFICH、PHICH、PUCCH、データチャネル、PDSCH、PUSCH)、論理チャネル(例えば、チャネル搬送システム情報あるいはページング情報)が含まれる。
【0027】
ネットワークノードは、任意の無線ネットワークノード、あるいは無線ネットワーク(例えば、コアネットワーク)に構成されていないネットワークノードとすることができる。いくつかの限定するものではないネットワークノードの例には、基地局、eノードB、無線ネットワークコントローラ、位置決めノード、MME、自己組織ネットワーク(SON)ノード、駆動テスト最小化(MDT)ノード、調整ノード、及び動作&メインテナンス(O&M)ノードがある。
【0028】
用語「位置決めノード」は、位置決め機能を有するノードを示すことができる。例えば、LTEでは、用語「位置決めノード」は、ユーザプレーンにおける位置決めプラットホーム(例えば、LTEにおける、セキュアユーザプレーンロケーション(SUPL)ロケーションプラットホーム(SLP))、あるいは制御プレーンにおける位置決めノード(例えば、LTEにおける、高度サービング移動ロケーションセンタ(E−SMLC))を指すものとして理解される場合がある。SUPLロケーションプラットホーム(SLP)は、また、SUPLロケーションセンタ(SLC)及びSUPL位置決めセンタ(SPC)を構成することができ、ここで、SPCは、E−SMLCとの専用インタフェースを有することができる。位置決め機能は、2つ以上のノードに渡って分割することができる。例えば、ロケーション測定ユニット(LMU)とE−SMLCとの間にゲートウェイを存在させることができ、ここで、このゲートウェイは、無線基地局あるいは別のネットワークノードとすることができる。この場合、用語「位置決めノード」は、E−SMLCとゲートウェイノードとに関連する場合がある。テスト環境では、位置決めノードは、テスト機器によってシミュレートされるあるいはエミュレートされる。
【0029】
本明細書で使用される、用語「調整ノード」は、1つ以上の無線ノードとで無線リソースあるいは無線送信を調整するネットワーク及びノードの少なくとも一方である。調整ノードのいくつかの例には、ネットワークモニタリング及びコンフィグレーションノード、OSSノード、O&M、MDTノード、SONノード、位置決めノード、MME、パケットデータネットワークゲートウェイ(P−GW)あるいはサービングゲートウェイ(S−GW)ネットワークノード、あるいはフェムトゲートウェイノードのようなゲートウェイノード、マクロノードに関連付けられている小規模無線ノードを調整するマクロノード、他のeノードBとでリソースを調整するeノードB等がある。
【0030】
本明細書で記載されるシグナリングは、直接リンク(例えば、物理制御チャネルを介する指示のような下位レイヤ信号)あるいは論理リンク(例えば、上位レイヤプロトコルを介する)を介するものである。シグナリングは、1つ以上のネットワークノード及び無線ノードの少なくとも一方を介してトランスペアレントとすることもでき、例えば、コアネットワークに構成され、無線デバイス用に向けられている調整ノードからのシグナリングは、別のネットワークノード、例えば、無線デバイスへサービスを提供するeノードBへ渡すことができる。
【0031】
本明細書で記載される実施形態で使用される用語「サブフレーム」は、時間ドメインにおける例示のリソースであり、より一般的には、これは、任意の所定時間インスタンスあるいは時間期間(例えば、TTI、無線フレーム、スロット、シンボル等)である場合もある。
【0032】
上述の実施形態はLTEに制限されるものではなく、任意の無線アクセスネットワーク(RAN)、1つのあるいは複数のRATとともに適用することができる。いくつかの他のRATの例には、LTEアドバンスド(LET−A)、UMTS、WCDMA、HSPA、GSM/EDGE/GPRS、cdma2000、WiMAX、及びWiFiがある。本明細書で記載される実施形態は、独立している実施形態とすることができる、あるいは、任意の実施形態は、少なくとも1つの他の実施形態(あるいはそれとともに適用されるもの)の全部あるいは一部との任意の組み合わせで組み合わせることができる。
【0033】
図面を参照すると、
図1は、異種ネットワーク配備100を示している。ここでは、3つの低電力ノード112、114及び116が、高電力ノード102によってサービスが提供されるマクロセル内に配備されている。低電力ノード112、114及び116のそれぞれは、クローズド加入者グループ(CSG)セルとして動作する。
図1では、3つの無線デバイス122、124及び126が存在する。無線デバイス122は、ネットワークノード114によってサービスが提供されるが、ネットワークノード122からの干渉を経験する。無線デバイス124は、マクロノード102によってサービスが提供され、また、マクロノード102への自身のアップリンク送信は、近隣ネットワークノード114と干渉する。無線デバイス126は、また、マクロノード102によってサービスが提供される。マクロノード102から無線デバイス126へのダウンリンク送信は、近隣ネットワークノード116からのダウンリンク送信によって干渉していることが示されている。
図1に示される様々な干渉の状況を、効率的なネットワーク動作を達成し、また、異種ネットワーク配備において優れたユーザ経験を達成する際のいくつかの課題について論証する。
【0034】
図2は、異種ネットワーク200において干渉を管理するあるいは制御する際の様々な課題を示している。
図2は、マクロ基地局202とピコ基地局212とを示している。無線デバイス222は、マクロ基地局202とピコ基地局212との間に配置されている。従来のセル範囲は、マクロ基地局(RSRPmacro)からの基準信号受信信号電力(RSRP)測定値と、ピコ基地局(RSRPpico)からのRSRP測定値とが等しくなる境界として定義される。セル境界は、無線デバイスからマクロ基地局202とピコ基地局212へのアップリンク送信によって経験する、経路損失あるいは経路利得に基づいて定義することもできる。例えば、新規のセル境界は、無線デバイス222からピコ基地局へのアップリンク送信によって経験する経路損失と、無線デバイス222からマクロ基地局へのアップリンク送信によって経験する経路損失とが等しくなる境界として定義することができる。従来のセル範囲と比べて、経路損失に基づいて定義されるセル境界は、セル範囲拡張(CRE)として見なすことができる。ピコセル範囲は、ここでは、パラメータΔによって拡張される。換言すれば、無線デバイス222は、RSRPpico+Δ≧RSRPmacroである場合に、ピコセルを選択する。通常は、RSRPとRSRQは、セル専用基準信号(CRS)上で実行される。
【0035】
高干渉が予期される、
図2に示される拡張セル範囲あるいはCREゾーンにおける測定を容易にするために、セル間干渉除去(ICIC)技術及び強化セル間干渉除去技術(eICIC)技術が頻繁に使用される。ICICあるいはeICIC技術の例には、無線ネットワークノードに対する送信パターンを特定すること、無線デバイスに対する測定パターンを制限することが含まれる。
【0036】
ほぼブランクのサブフレームであるABS(Almost Blank Subframe)パターンは、無線信号を送信する時を判定するために、無線ネットワークノードによって使用される送信パターンである。ABSパターンは、一般的には、セル専用であり、また、無線ネットワークノードに対して、低電力アクティビティサブフレーム及び低送信アクティビティサブフレームの少なくとも一方を特定する。ABSパターンは、X2インタフェースを介してeノードB間で交換される。しかし、これらは、制限測定パターンとは異なり、UEには信号送信されない。
【0037】
干渉しているノードに対して定義されるABSサブフレームは、その干渉している無線ノードにおける低電力アクティビティ及び低送信アクティビティの少なくとも一方の時間期間を示しているので、ABSサブフレームは、別の無線ネットワークノードにおいて測定を実行するための、UEに対して適切な時間期間となる。制限測定パターンは、しばしば、干渉しているeノードB群に対して定義される、ABSサブフレーム(あるいは、マルチキャスト/ブロードキャストオーバーシングル周波数ネットワーク(MBSFN)サブフレーム)の並びで特定される。制限測定パターン(「時間ドメインリソース制限パターン」[3GPP技術仕様書 TS 36.331]としても示される)は、測定を実行するために適切となるサブフレーム群のサブセットをUEへ通知するように構成されている。
【0038】
制限測定パターンは、UEが経験する干渉によって単独では使用されない。制限測定パターンは、UEが良好な干渉状態を経験するように構成設定することもできる。同様に、制限測定パターンを受信することは、予期される貧弱な信号品質の指示を必要としない。例えば、測定パターンは、典型的には高干渉が予期されるセル範囲拡張(CRT)内のUEに対して構成設定することができる。測定パターンは、上位ランク送信モード(例えば、ランク2の送信)を可能にするために、信号品質が典型的には良好であるサービスを提供中の基地局の近くに位置しているUEに対しても構成設定することができる。
【0039】
一般的には、制限測定パターンはUE専用であるが、そのようなパターンは複数のUENにブローキャストあるいはマルチキャストできることが従来より知られている。制限測定を可能にするための、次の3つの測定パターンが現在、規格において特定されている:無線リンク管理(RLM)及び無線リソース管理(RRM)測定用のサービングセルパターン、RRM測定用の近隣セルパターン、及びチャネル状態情報(CSI)測定用のサービングセルパターンである。
【0040】
測定パターンは、どの無線ネットワークノードで、いつ測定を実行するかについてのUEへの指示と見なすことができる。UEは、一般的には、サービングセルコンフィグレーションを気付いている。しかしながら、UEは、サービングセルからデータを送受信するだけでなく、サービングセルに対する測定を実行し、また、移動性のために近隣セル上での測定も実行する。ハンドオーバ決定のような移動性決定は、近隣セルの測定に基づいている。無線リソース管理(RRM)タスクのような他のタスク、セル検索、及びセル識別も、近隣セルの測定に依拠している。
【0041】
近隣セルを参照する際には、いくつかの場合、例えば、LTE技術仕様書リリース10(Rel−10)に準拠しているUEは、集約近隣セル情報、即ち、すべての近隣セルによって共有される情報を受信することができる。例えば、UEは、すべての近隣セルが同一のMBSFNコンフィグレーションを自身のサービングセルとして使用するかについての指示を受信する。UEは、また、近隣セル識別子を含む近隣セルリストを受信することができる。近隣セルリストは、移動性のためと、従前のネットワーク、例えば、ユニバーサル地上無線アクセス(UTRA)ネットワークにおけるRRM目的のために、必須なものとなっている。しかしながら、このようなリストは、LTEではオプションとなっている。UEに近隣セル情報のリストが提供されるかに関わらず、UEは、同一の測定を行い、同一の要件を満たすことを必要とする。
【0042】
近隣セルリストとは別に、UEには、自身の近隣セルについての他の情報を提供することができる。例えば、UEは、近隣セルからの干渉を経験し、そして、自身の近隣セルの干渉特性についての知識からの恩恵を預かることができる。干渉特性の例には、いつ信号の干渉が発生しているか、また、周波数ドメインのどこで干渉している信号が位置しているかを含んでいる。このような干渉特性は、UEが、強化セル間干渉除去(eICIC)を実行することを支援することができる。eICICは、干渉を削減するためにUEによって使用されるタイプの技術である。LTE Rel−10では、eICICを実現可能にするために、UEは、自身のサービングセルあるいはピコセルを介して、サービングセルと自身の近隣セルに対する測定を実行するための測定パターンを受信することができる。近隣セルに対しては、1つの測定パターンだけが、複数のセルに対する周波数毎に提供される。1つの測定パターンが、セルアイデンティティ(例えば、物理セルアイデンティティ(PCI))のリストに従って提供される。近年の開発では、例えば、LTE Rel−11では、UEは、より高い干渉を取り扱うことが要求され、また、干渉除去のためのより大きなネットワーク支援を要望することができる。例えば、UEは、セル専用基準信号(CRS)ポートのような情報と、少なくともいくつかの干渉している近隣セルのMBSFNコンフィグレーションを問い合わせる(及び提供を受ける)ことができる。
【0043】
セル間干渉調整技術では、測定パフォーマンスを、干渉抑制技術あるいは干渉除去技術のような高度な受信機技術によって改善することができる。例えば、受信機は、高度共分散推定技術に従う最小平均二乗誤差(MMSE)−干渉除去合成(IRC)復号/復調方法を実現するように構成することができる。最小平均二乗誤差−遂次干渉除去(MMSE−SIC)は、システムパフォーマンスを更に向上させるために、非線形減算型干渉除去を実行することができる。
【0044】
上述の干渉除去技術、干渉調整技術、及び干渉抑制技術は、あらゆるタイプのネットワーク配備に有益であるが、特に、異種配備で有用である。しかしながら、コンピュータの複雑化及び制限のあるリソースのために、これらの技術は、特定の信号あるいはチャネル上の干渉を軽減するための目的だけにUEによって使用される場合がある。一例では、UEは、干渉軽減あるいは除去技術をデータチャネルだけに適用する。別の例では、より洗練されたUEは、データチャネルと1つ以上の制御チャネルに干渉軽減を適用する。基準信号と同期信号は、制御チャネル上で送信される2つの信号の例である。
【0045】
干渉除去、干渉調整、及び干渉抑制は高干渉環境でのUEによる信号推定を改善することに頼りにできるが、これらの技術は、更なるコンピュータの複雑化に関わり、かつ、より大きな処理電力及びより多くのメモリの少なくとも一方を要求する。そのため、これらの技術は、測定を実行する場合にUEによって常に頼さることができるものではない。
【0046】
更なる測定は、いくつかの基本UE動作において本質的なものである。例えば、セル検索(サーチ)及びセル識別は、基準信号と同期信号を検出し測定することをUEに要求する。
【0047】
セル検索では、UEは、UEに知られている特定の署名(シグネチャ)を有する信号を検索する。新規のセルを識別するために、UEは、セルを識別しなければならず、そして、オプションで、あるいは要求に応じて、大局的に固有のセルグローバルアイデンティティ(CGI)を取得しなければならない。LTEでは、セル識別は、セルの検出、及び、更なる信号強度測定(検証としても知られている)の実行を含んでいて、これには、例えば、セル専用基準信号(CRS)上で実行される基準信号受信電力測定がある。
【0048】
セル検出は、プライマリ同期信号(PSS)及びセカンダリ同期信号(SSS)のような同期信号群に基づいて実行される。LTEでは、504個の固有の物理レイヤセルアイデンティ(PCI)が存在する。物理レイヤセルアイデンティティは、168個の固有物理レイヤセルアイデンティティグループにグループ化される。各物理レイヤセルアイデンティティグループは、3つの固有アイデンティティを含み、各物理レイヤセルアイデンティティは、その1つの唯一のグループの一部である。物理レイヤセルアイデンティティは、
【0050】
として表すことができ、これは、物理レイヤセルアイデンティティグループを表す0から167の範囲における数
【0052】
と、物理レイヤセルアイデンティグループ内の物理レイヤアイデンティを表す0から2の範囲内の数
【0054】
によって固有に定義される。セルアイデンティティグループは、既知のSSSシーケンスに基づいて判定され、そのグループ内のアイデンティティは、既知のPSSシーケンスに基づいて判定される。PSSとSSSの固有の組み合わせのすべては、504個の固有PCIを提供し、これは、1つの周波数上で、及び/あるいは複数の周波数に渡って、同一の公衆地上移動ネットワーク(PLMN)ネットワーク内で再使用することができる。セルのPCIは、他の信号(例えば、セル専用基準信号であるCRS、位置決め基準信号であるPRS等)のシーケンスと、それらの時間周波数グリッド内での配置を判定するために使用することができる。
【0055】
図3、
図4a及び
図4bは、同期信号群(PSS及びSSS)とCRS信号群(例えば、3GPP技術仕様書TS 36.221セクション6.10.1.2参照)に対する様々な割当スキームを示している。
【0056】
図3は、OFDMリソース要素(300)に割り当てられる同期信号群を示している。
図3では、同期信号群は、割当済帯域幅の中心で62個のリソース要素を占有している。同期ネットワークでは、1つのセルからの同期信号群(PSS/CSS)は、別のセルからの同期信号群(PSS/CSS)と重複あるいは干渉していて、このことは、これらの信号群において、1%あるいは100%の負荷をずっと再使用することに相当する。
【0057】
図4a及び
図4bは、リソース要素に対するセル専用基準信号群(CRS群)の例示のマッピング400を示している。
図4a及び
図4bは、1つのアンテナポートと、2つのアンテナポートと、4つのアンテナポートに対する時間周波数グリッドにおける、様々なCRS信号の割当を示している。様々なセルが、周波数内で6種類のシフトを使用することができる。実際には、1つの送信アンテナポートから送信されるCRSに対して6つの再使用パターンと、2つの送信アンテナポートから送信されるCRSに対して3つの再使用パターンとが存在する。負荷が低い状態でのネットワークでは、干渉は、CRS信号群の時間測定に対しては有益である場合がある。負荷が高い状態でのネットワークでは、干渉状況は、PSS/SSS信号群によって経験することと同様のこととなる。しかしながら、実際には、ネットワークは、70%よりも高いダウンリンク負荷で動作することはまれであり、そのため、干渉状況は、典型的には、PSS/SSS信号よりもCRS信号に対してより好ましい。CRS信号群によって経験する干渉状態は、干渉しているアグレッサセル群でABS(電力制限あるいは低アクティビティサブフレーム)を構成設定することによって更に改善することができる。
【0058】
一般的には、セル識別は、プライマリセル(イントラ周波数(intra-frequency))の周波数上で、あるいはセカンダリセルの周波数上で実行することができ、このセカンダリセルは、キャリヤアグリゲーション(CA)(キャリヤアグリゲーションを伴うインター周波数)を伴うサービングセルでもある。セル識別は、サービングセル周波数群(インター周波数)とは異なる周波数で、あるいは異なる無線技術(RAT)(例えば、インターRAT)で実行することもできる。インター周波数及びインターRATも、周波数群が異なる周波数帯に属している場合にも、インター帯域(inter-band)とすることができる。
【0059】
現在のセル識別要件は、UEがセル識別を実行し、そして、対応するイベントをネットワークに報告(レポート)しなければならない、一定時間期間Tを特定する。この要求された期間Tは、セルを検出するために必要な時間と、測定を実行するための時間(T1)の両方を含んでいる。現在の規格は、T及びT1に対する時間期間の長さを特定している。また、UEは、典型的には、その要求された期間内にN個(例えば、N=8)の識別されたセルを報告することが要求される。セル識別の要件は、測定期間長、セルの数、周波数の数等を含んでいる。セル識別に対する要件は、例えば、イントラ周波数、インター周波数及びインターRAT等の様々な状況毎に典型的には異なっている。
【0060】
非キャリヤアグリゲーション(非CA)UEは、通常は、インター周波数セル識別あるいはインターRATセル識別を実行するための測定ギャップを要求する。同一のことが、構成設定されていないあるいはアクティベートされていないキャリヤ上でセル識別を実行する場合でのキャリヤアグリゲーションが可能な(CA可能)UEにもあてはまる。しかしながら、CA可能UEは、通常は、SCC上での測定に対する測定ギャップを要求しない。
【0061】
また、セル識別は、例えば、時間ドメイン測定リソース制限パターンによって示される、具体的に構成設定されている低干渉時間期間中に実行することもでき、この時間ドメイン測定リソース制限パターンでは、ネットワークは、UEへ信号を送信して、異種配備における強化セル間干渉調整(eICIC)を容易にすることができる。しかしながら、このような測定パターンは、同期ネットワークあるいはフレーム整合ネットワーク(frame-aligned network)内のPSS/SSS上での干渉状況を改善することは支援しないことに注意されたい。ここで、フレーム整合ネットワークでは、PSS/SSSは、常に、100%の負荷を経験する。それは、これらの信号群が常にすべてのセル内で送信されるからである。しかしながら、このパターンは、異なるサブフレームに別々に割り当てることができるCRS信号群に関連付けられているRSRP精度あるいはRSRQレベルを改善するために有用である。このネットワークは、測定しているUEへ、制限測定パターンでの所定の干渉状態を伴うサブフレームを信号送信する。
【0062】
上述の記載によって説明されるように、UEによって測定を実行し、レポートすることは、UEの要求される基本機能群の内の1つあるが、これは、特に、高干渉状態においては能力が試されることになる。このことは、高干渉状態では、干渉が高すぎる場合があり、また、ビクティム信号も弱すぎる場合があるからである。例えば、LTE 3GPP技術仕様書TS Rel−11では、セル範囲拡張(CRE)バイアスは、9dBまでは上がることがあるが、Es/lotは、ビクティム信号及びアグレッサ信号のEs/Nocの絶対値に依存してー9dBよりも低くなることがある。高干渉状態では、UEあるいは無線デバイスは、干渉除去に対する干渉しているチャネルを推定することが必要な場合がある。干渉しているチャネルを推定することは、追加のUEリソースと時間を要求することになるであろう。
【0063】
上述のように、ABSサブフレームは、UEが測定を実行することを容易にするように構成設定することができる。しかし、高干渉状態では、ABSサブフレーム中に所望のセル専用基準信号以外のアグレッサ送信干渉信号が存在する場合がある。ABSサブフレーム中に存在する可能性のある干渉信号の例は、S1送信(無線ネットワークノードと高度パケットコア間の送信)、ページング、あるいは、電力削減ABSのような特殊な場合でのデータ送信をもが含まれる。このアグレッサはネットワークに対しては未知である、あるいは、アグレッサセルに関する情報は利用不可能である場合がある。例えば、アグレッサセルに関する情報は、近隣PDSCHあるいは制御チャネルに不規則に割り当てられている時間周波数リソースを含むことができる。アグレッサについてのこのような情報なしでは、干渉除去を、信号測定中あるいは推定中にUEによって達成することは困難な場合がある。
【0064】
無線通信システム内、特に、異種ネットワーク内に位置しているUEに対して、新規の信号推定技術が要望されている。
【0065】
図5は、第1の無線ネットワークノード602、第2の無線ネットワークノード604及び無線デバイス606を備えるネットワーク配備500を示している。いくつかの実施形態では、2つの無線ネットワークノード602及び604は、同一位置に配置されている。他の実施形態では、2つの無線ネットワークノード602及び604は、単に、同一基地局の2つの異なる送信アンテナ(例えば、2つの異なるセル内で)を表している。
【0066】
無線ネットワークノード602及び604の両方から異なるタイプの信号が、無線デバイス606で受信される。
図5で示される実施形態では、無線デバイス606は、第1のタイプの第1の信号と、第2のタイプの第1の信号とを無線ネットワークノード602から受信する。無線デバイス606は、また、第1のタイプの第2の信号と、第2のタイプの第2の信号とを無線ネットワークノード604から受信する。いくつかの実施形態では、第1のタイプの信号は同期信号(例えば、PSSあるいはSSS)であり、一方、第2のタイプの信号は基準信号(例えば、CRS、PRS、DM−RS、MBSFN RS)である。しかしながら、その逆についても、他の実施形態では当てはまる。そのため、概して、第1のタイプは、単に、第2のタイプと異なっているということである。
【0067】
図5では、第1の信号と第2の信号とは、第1の無線ネットワークノード602と第2の無線ネットワークノード604とによってそれぞれ送信される実際の信号として示される。但し、いくつかの実施形態では、1つ以上のこれらの信号は無線ネットワークノード602及び604によって実際には送信されない。特定の信号が特定の無線ネットワークノードによって実際に送信されない、1つ以上のこのような実施形態では、以下で詳細に記載される無線デバイス606は、無線ネットワークノードによって信号が送信されたかのうように、その信号に対する信号推定値を取得する。この信号に対する信号推定値は、本明細書では、仮想信号推定値と呼ぶことにし、この信号というのは、無線ネットワークノードによって実際に送信されないが、それにもかかわらず、その無線ネットワークノードに関連付けられることを無線デバイス606によって考慮される信号である。こうして、
図5におけるすべての信号が実際に送信されるかどうかに関わらず、第1の信号は第1の無線ネットワークノード602に関連付けられていて、第2の信号は第2の無線ネットワークノード604によって関連付けられている。
【0068】
この理解の下で、
図6aは、第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を判定するための1つ以上の実施形態で、無線デバイス606が実現する信号推定プロセスを示している。
【0069】
図6aでは、無線デバイス606は、第1のタイプの第1の信号と第1のタイプの第2の信号に対する信号推定値との間の関係を記述するスケーリングファクタを取得する(ステップ600)。例えば、いくつかの実施形態では、スケーリングファクタは、第1のタイプの第2の信号に対する推定値と第1のタイプの第1の信号に対する推定値との比率である。これとは関係なく、無線デバイス606は、更に、第2のタイプの第1の信号に対する信号推定値を含む基準信号推定値を取得する(ステップ610)。次に、無線デバイス606は、スケーリングファクタによって基準信号推定値をスケーリングすることによって、第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を選択的に判定する(ステップ620)。このようなスケーリングによる第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を判定する方法は、本明細書では、概して「スケーリング方法」と捉える。
【0070】
ここで、本明細書で使用される信号に対する信号推定値は、例えば、信号に対するチャネル推定値(例えば、経路利得あるいは経路損失)、信号に対する電力推定値(例えば、基準信号受信電力であるRSRP)、信号に対する品質推定値(例えば、基準信号受信品質であるRSRQ)あるいはその類を一般的に指すことに注意されたい。例えば、信号推定値がチャネル推定値あるいは受信信号電力推定値を含む実施形態では、スケーリング方法は、以下のようなリニアスケールで数学的に記述することができる。
【0074】
ここで、cとpはそれぞれ、第2のタイプの第2の信号に対する判定対象のチャネル推定値と受信信号電力推定値である。
【0078】
は、第2のタイプの第1の信号に対する信号推定値を含む対応の基準信号推定値であり、また、
【0082】
は、対応のスケーリングファクタである。ここで、サブインデックス1は、第1のタイプの第1の信号に対応し、サブインデックス2は、第1のタイプの第2の信号に対応する。2つのスケーリングファクタは、互いに、例えば、
【0084】
に関連する。ここで、αは、チャネル推定値の送信電力レベル、帯域幅等と、受信信号電力推定値の送信電力レベル、帯域幅等との間の比率を反映する。上述のスケーリングファクタと数的関係は、いくつかの他の実施形態では、対数尺度(スケール)で定義される。
【0085】
使用される特定のタイプの信号推定値にかかわらず、無線デバイス606は、いくつかの実施形態では、他のノードからスケーリングファクタを受信することによってスケーリングファクタを取得する。この別のノードは、例えば、無線ネットワークノード、位置決めノード等であっても良い。無線デバイス606は、また、スケーリングファクタに対する調整に関する情報、あるいは、第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を判定するため
にスケーリングファクタに対する調整値
を適用するかスケーリングファクタを適用するかを無線デバイスが判定することを支援する情報を、別のノードから受信することができる。もちろん、無線デバイス606は、無線デバイスが、スケーリングによって第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を判定することができるかどうかを示す自身のケイパビリティ情報をネットワークノードへ送信することを必要とする場合がある。
【0086】
他の実施形態では、対照的に、無線デバイス606は、そのスケーリングファクタを計算することによってスケーリングファクタを取得する。具体的には、無線デバイス606は、第1のタイプの第1の信号と第1のタイプの第2の信号とを受信して、それらの信号に対する信号推定値を計算し、そして、その計算された信号推定値に基づいてスケーリングファクタを計算する。例えば、無線デバイス606は、第1のタイプの第2の信号に対する計算された信号推定値と、第1のタイプの第1の信号に対する計算された信号推定値との比率としてスケーリングファクタを計算する。
【0087】
しかしながら、そのようにして取得されたスケーリングファクタは、いくつかの実施形態では、第1の無線ネットワークノード602と第2の無線ネットワークノード604における第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との間の関係を記述する補正ファクタの適用を通じて調整される。このような補正ファクタは、第1の無線ネットワークノードと第2の無線ネットワークノードとの間の違い、あるいは、時間、周波数及びそれ以外での、第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との違いを考慮するために、スケーリングファクタに適用することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、例えば、無線デバイス606は、(i)第1のタイプの第1の信号と第2のタイプの第1の信号との間の第1の電力比と、(ii)第1のタイプの第2の信号と第2のタイプの第2の信号との間の第2の電力比との間の違いに基づいて、補正ファクタを計算する。選択的には、無線デバイス606は、帯域幅情報、電力クラス、及び第1の無線ネットワークノードと第2の無線ネットワークノードとに関連付けられている送信アンテナの数の少なくとも1つに基づいて、補正ファクタを計算する。
【0089】
これとは別に、無線デバイス606が補正ファクタによってスケーリングファクタを調整する場合、無線デバイス606は、以下のような第2のタイプの第2の信号に対するチャネル推定値、あるいは受信信号電力推定値を判定する。
【0093】
ここで、補正ファクタβ
pとβ
cは、更に、第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との間の違い、例えば、電力の違い、帯域幅の違い、送信アンテナポートの数を考慮する。この違いは、時間及び周波数の少なくとも一方のリソース専用である場合がある。例えば、いくつかの信号は、ある時間インスタンスでは低電力で送信され、別の時間インスタンスでは高電力で送信される。
【0094】
これらの代替とは無関係に、スケーリング方法は、例えば、第1の無線ネットワーク602が高電力無線ネットワークノードで、第2の無線ネットワークノード604が低電力無線ネットワークノードである実施形態において、特定の効果を証明する。高電力ノード602から受信される第1の信号は、低電力ノード604から受信される第2の信号よりも強いので、これらの第1の信号は、これらの第2の信号と干渉する。高電力ノード602との干渉は、低電力ノード604から無線デバイス606が受信する第2の信号について従来の測定を実行する、無線デバイス606の機能を脅かす場合がある。第2のタイプの信号が基準信号である場合の実施形態では、例えば、このことは、低電力ノード604から受信される干渉信号に対する信号推定値を取得するための、無線デバイス606の機能を脅かし、それゆえ、パフォーマンスを脅かすことになるであろう。
【0095】
一般的には、高干渉状態での無線デバイスには、典型的には、アグレッサセル(群)からの干渉が削減されたサブフレーム群を示す測定パターンが提供されることになろう。例えば、現在の規格では、無線サブフレーム内の10サブフレームの1つは、そのような干渉が削減されたサブフレームである場合がある。高密度の干渉が削減されたサブフレーム群は、システム全体の容量の観点からは望ましくない場合がある。これは、アグレッサセルが、一般的には、干渉が削減されたサブフレームで送信しないからである。アグレッサセルは、たいていは、マクロセルであるので、通常は、大規模の通信範囲エリアを有している。そのため、干渉が削減されたサブフレーム群の密度の増加は、システム容量の損失をもたらすことになる。このような損失は、ピコセル群の拡張通信範囲によって補償できい場合がある。結果として、干渉が削減されたサブフレーム群は一般的にはいずれ希薄となり、これは、これらの低干渉サブフレーム群で測定を実行することが制限される高干渉状態にある無線デバイスが、要求される測定を実行するための多くの機会を得られないことを意味する。一方、干渉が削減されたサブフレーム群以外のサブフレーム群で測定を実行することは、通常、劣化した測定パフォーマンス(例えば、精度)をもたらす、あるいは、特定の測定要件を満足することができない。
【0096】
スケーリング方法を用いると、無線デバイスには、希薄な制限されたサブフレーム群だけで、弱められることが分かっている信号における測定を実行することが課されない。これは、無線デバイスは、ほとんどのサブフレーム群を記憶しているアグレッサRSRPを測定することだけを必要とするからである。無線デバイスは、ピコセルのRSRPを測定する必要はない。無線デバイスは、スケーリングファクタと基準推定値(アグレッサRSRP)に基づいて、それを計算することができる。ここで、弱いピコRSRPは、より高速かつより正確に推定することができる(精度は、アグレッサRSRPのそれと同じくらいの正確であるであろう)。
【0097】
そのため、高干渉状況では、本明細書の少なくともいくつかの実施形態は、スケーリングファクタによって同一タイプの強信号の推定値をスケーリングすることによって弱信号を効果的に推定する。低電力ノードの基準信号に対する信号推定値を受信信号から直接導出する従来の方法に依ることなく、無線デバイス606は、本明細書では、スケーリング方法を使用して信号推定値を効果的に判定する。一特定例では、無線デバイス606は、第1のタイプの信号として、無線ネットワークノード602と604とに関連付けられている同期信号を有効に使用することによってそれを実行する。つまり、無線デバイス606は、低電力ノード604に関連付けられている同期信号に対する信号推定値と、高電力ノード602に関連付けられている同期信号に対する信号推定値との間の関係を記述するスケーリングファクタを取得する。無線デバイス606は、また、高電力ノード602に関連付けられている基準信号に対する信号推定値を含む基準信号推定値を取得する。次に、無線デバイス606は、低電力ノード604に関連付けられている基準信号に対する信号推定値を判定するために、スケーリングファクタによってこの基準信号推定値を変倍(スケール)する。
【0098】
弱信号がセル範囲拡張(CRE)ゾーンにおけるUEに対するピコセルのCRSであり、強信号がマクロセルのCRSである場合の特定の例に詳細について検討する。スケーリングファクタは、2つの信号リソースに対するチャネルあるいは電力推定値との間の比率を示している。例えば、
【0100】
ここで、p
weakは弱信号の計算された電力推定値であり、p
strongaは基準信号推定値とする既知の強信号の電力推定値(例えば、RSRP)であり、γはスケーリングファクタである。いくつかの実施形態では、スケーリングファクタであるγは、セカンダリ同期信号(SSS)を使用して計算される。SSSは定期的に送信され、既知のセルに対して測定することが容易であり、そして、プライマリ同期信号(PSS)のような他の同期信号と比べて、セル計画に対する耐性がある。スケーリングファクタであるγを使用すると、ピコセルの基準信号(例えば、CRS)の受信信号電力の信号推定値は、以下のように表現される。
【0102】
ピコCRSの推定値はマクロCRS信号の推定値に依存するので、弱信号(ピコCRS)に対して取得された推定値の精度は、強アグレッサ信号に対する推定値と同じくらい正確にすることができる。このことは、弱信号の直接推定値を使用する方法と比べて、著しいパフォーマンス利得を表す。簡単のため、上述の式において、同一セル内のSSSとCRSとの間の電力差は、同一であると仮定する。より一般的な場合では、この電力差は、例えば、eICIC支援情報の一部として受信される、UEによって取得することができる。いくつかの実施形態におけるSSSとCRSとの間の電力差は、上述の補正ファクタによって補正される。
【0103】
上述の状況でのスケーリングファクタは、同一のタイプの信号の信号推定値を使用して計算され、これは、背景技術で説明される従来技術と比べて有効である。従来技術の方法は、受信パイロット電力と同期チャネル電力との比率が異なるセルに対して同一であることを想定していて、この想定は一般的も当てはまらない。
【0104】
もちろん、このスケーリング方法は、この状態及び他の状況で有効であることを証明するが、このスケーリング方法は、一定の条件下で有効でない場合がある。従って、
図6aのステップ620では、いくつかの実施形態では、無線デバイス606は、スケーリング方法が有効性を証明することになるのであろうか、あるいはスケーリング方法が必要とされるかを示す、1つ以上の条件あるいはパラメータを評価することによって、このスケーリング方法を適用するかどうかを決定する。
【0105】
スケーリング方法が有効でないあるいは必要とされない場合、無線デバイス606は、第2のタイプの第2の信号を推定するために従来の方法を適用することを頼りにすることができる。
図6bに示されるように、この場合での無線デバイス606は、ステップ722でスケーリング方法を採用するかどうかを適応的に判定する。判定が肯定である場合、無線デバイス606は、スケーリング方法を使用して第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を判定することになる(ステップ724)。判定が否定である場合、無線デバイス606は、従来の方法を使用して第2のタイプの第2の信号に対する信号推定値を判定することになる(ステップ726)。
【0106】
いくつかの実施形態では、無線デバイス606は、第1の無線ネットワークノード602が第2の無線ネットワークノード604に関するアグレッサとして機能するかを判定することに応じて、つまり、ビクティム−アグレッサの状況を検出することに応じて、スケーリング方法を適用することを判定する。実際には、上述で立証されるように、スケーリング方法は、たいていは、ビクティム−アグレッサ状況におけるよりリソース効率が良い方法であり、そうでなければ、従来の方法の下、高度な受信機を要求することになろう。
【0107】
無線デバイス606がビクティム−アグレッサの状況で動作するかどうかを検出するための様々な方法を、無線デバイス606に対して利用することができる。例えば、無線デバイス606は、アグレッサ無線ネットワークノードを示す指示を別の無線ネットワークノードから受信することができる。いくつかの実施形態では、この指示は、サービングeノードBから受信される、干渉を処理するための支援データの一部であっても良く、及び/あるいは、この指示は、改善された干渉状態のサブフレーム群のサブセットを示す測定リソース制限パターンであっても良い。無線デバイス606は、移動性イベント、例えば、CREゾーンへのハンドオーバ中にビクティム−アグレッサ状況で動作することを判定することができる。無線デバイス606は、第2のタイプの第1の信号の信号強度あるいは品質が劣化していることを検出して、その劣化はアグレッサによるものであることを決定することができる。無線デバイス606は、ネットワーク支援に依拠することによって、あるいは、ブラインド検出によって自律的に、ビクティム−アグレッサ状況を検出することができる。無線デバイス606は、また、そのデバイスに記憶されている履歴データに基づいて、あるいは、専用リソース要素のような専用時間−周波数リソースにおける全体干渉測定あるいは干渉測定群に基づいて、ビクティム−アグレッサ状況を検出することができる。
【0108】
他の実施形態では、無線デバイス606は、これに加えて、あるいは、これに代えて、第2のタイプの第2の信号が、所定の閾値よりも低い、時間、周波数あるいはそれらの両方における密度を有していることを判定することに応じて、スケーリング方法を適用することを判定する。LTEの実施形態における信号の密度は、例えば、OFDMリソース要素あるいはLTEサブフレームへの信号のマッピングパターンを指している。
図3、
図4a、及び
図4bを参照されたい。例えば、
図4a及び
図4bでは、基準信号の密度は、OFDMリソースブロック内でどれくらいの数のリソース要素が基準シンボルに対して割り当てられているかを反映している。第2のタイプの第2の信号の密度が、正確な測定を実現可能にするには低く過ぎる場合には、第2のタイプの第1の信号と第2のタイプの第2の信号が重複していて、推定上、チャネル推定を促進することができるとしても、このチャネル推定は、スケーリング方法が使用されない場合は、依然として、低いものとなる可能性がある。同様に、別の実施形態では、これに加えて、あるいは、これに代えて、無線デバイス606は、推定対象の信号、例えば、第2のタイプの第2の信号の重複に基づいて、このスケーリング方法を採用することを決定する。
【0109】
更に、また、別の実施形態では、無線デバイス606は、これに加えて、あるいは、これに代えて、無線デバイス606が低電力状態あるいは低アクティビティ状態であることに応じてスケーリング方法を適用することを決定する。例えば、これらの実施形態では、バッテリレベルあるいはメモリレベルのようなデバイスのリソースがクリティカルレベルである場合に、このスケーリング方法が適用される。別の例として、これに加えて、あるいは、これに代えて、無線デバイス606が、アイドル状態、不連続受信(DRX)状態のような低アクティビティ状態である場合に、このスケーリング方法が適用される。
【0110】
更に、また、別の実施形態では、無線デバイス606は、これに加えて、あるいは、これに代えて、第2のタイプの第1の信号を無線デバイス606での測定のために利用することができないことを判定することに応じて、このスケーリング方法を適用することを決定する。実際に、この場合は、無線デバイス606は、従来の方法を適用することはできないであろう。このような場合は、例えば、第2のタイプの第1の信号が、第1の無線ネットワークノード602によって送信されない、例えば、新規のキャリヤタイプ(非レガシー)のCRSである場合である。これにかかわらず、無線デバイス606は、特定の方法で基準信号推定値を取得することによって、これらの環境下でこのスケーリング方法を適用する。即ち、無線デバイスは、第2のタイプの信号に一般的には関連付けられている仮想信号推定値として、第2のタイプの第1の信号に対する信号推定値を取得することによって、基準信号推定値を取得する。換言すれば、仮想信号推定値は、第2のタイプの信号に一般的には関連付けられている無線測定値である。例えば、RSRP測定値は、一般的には、CRS信号上で実行される。但し、これらの信号は、無線ネットワークノードが新規のキャリヤタイプで構成設定されない場合には無線ネットワークノードによって常に送信されるわけではない。しかしながら、RSRP測定は、CRSが送信されないキャリヤに対しても依存として繰り返され、そして、そのようなRSRP測定値は、基準推定値として使用することができる。
【0111】
それゆえ、一般的には、無線デバイス606は、これらの実施形態では、第2のタイプの信号を測定することが、より挑戦的なものとなる、あるいは一定の特定の構成設定(コンフィグレーション)あるいは条件下で不可能である場合に、このスケーリング方法を採用する。
【0112】
1つ以上の他の実施形態では、無線デバイス606は、信号情報の可用性を評価することによってこのスケーリング方法を採用するかどうかを決定する。この信号情報には、例えば、信号シーケンス生成のために使用される既知のパラメータがあり、例えば、事前符号化制御指示(PCI)、時間アライメント、信号送信のために使用される時間及び周波数リソース等がある。無線デバイス606は、従来の方法によってたいていは要求される、干渉しているノードからの干渉を除去することを実現可能であるかを判定することができる。例えば、物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)あるいは制御チャネルが基準信号(例えば、第2のタイプの第1の信号)と干渉している場合、一般的には、PDSCHあるいは制御チャネルからの干渉を除去することができない。このような場合において、第1のタイプの第1の信号と第1のタイプの第2の信号とが既知である場合には、このスケーリング方法は、特に、有用である。
【0113】
いくつかの実施形態では、無線デバイス606は、スケーリングファクタが既に利用可能である場合、あるいは、既に利用可能である測定に基づいてスケーリングファクタを取得することが容易である場合には、このスケーリング方法を採用することを決定する。
【0114】
それゆえ、概して、このスケーリング方法を採用することは、特に有益であり、また、1つ以上の以下の条件に合致する場合に、更なる効果、例えば、より効率的な受信機動作を実現する。例えば、複数の弱信号(例えば、CRS、DM−RS、及びPRS)を推定することが必要である場合、このスケーリング方法を採用することが有益な場合がある。あるいは、複数のアグレッサセルが存在する場合(これらのすべてが推定されなければならず、かつ、取り去られなければならない場合の干渉除去と比べて)。あるいは、アグレッサセル及びビクティムセルがABS内で異なるCPを使用している場合、この場合には、スケーリング方法が直接的な推定を回避して、ABSサブフレーム内でビクティム信号を測定するための必要性を回避する。あるいは、時間周波数リソース要素グリッドにおいて低密度で弱信号が送信される場合。あるいは、アグレッサセルとビクティムセルに対して重複しているSSSに基づくジョイント(連帯)チャネル推定(以下で、詳細に説明する)をスケーリングファクタを推定するために使用することができる場合、これは、ジョイントチャネル推定がパフォーマンスを促進するからである。あるいは、既知の弱信号と既知の強信号が衝突している場合(例えば、マクロCRSとピコCRSとが周波数上でシフトしている)。あるいは、ネットワークがSFNで調整されている場合、これは、例えば、同期信号に対する、干渉の観点から一般的には問題であるが、スケーリング方法とジョイントチャネル推定は、実際には、SFN調整(アライメント)からの恩恵を受ける場合がある。
【0115】
上述の状況では、UEが信号推定において従来の方法あるいはスケーリング方法を採用するべきかあるいは採用する場合を判定するための様々な実施形態を記載している。以下の項では、このスケーリング方法をより詳細に説明する。
【0116】
スケーリングファクタの取得
いくつかの実施形態では、スケーリングファクタは、任意のチャネル推定方法あるいは信号電力推定方法を使用することによって、あるいは、タイミング測定(例えば、電力に基づく測定あるいはタイミング測定、あるいはタイミング差測定)でさえも使用することによってよって取得される。一般的には、スケーリングファクタを取得することは、第1のタイプの信号が送信される場合、例えば、リソースが重複しているあるいはしていない場合での時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方の特定の関係に制限されない。しかしながら、いくつかの特定のアルゴリズムに対しては、このオーバラップは、例えば、以下で説明する、ジョイントチャネル推定を適用することを可能にすることが有益である。
【0117】
この場合、無線デバイス606は、ジョイントチャネル推定方法を使用してスケーリングファクタを計算し、これによって、無線デバイス606は、第1のタイプの第1の信号に対するチャネル推定値と、第1のタイプの第2の信号に対するチャネル推定値を同時に判定する。一般的には、これらの2つの信号が同一の時間インスタンスで送信される場合にこれらの2つの信号についてジョイントチャネル推定を実行することが可能である。従って、いくつかの実施形態では、無線デバイス606は、第1のタイプの第1の信号と第1のタイプの第2の信号とが実質的に時間整合している(time-aligned)かを判定し、そうである場合、これらの信号に関連付けられているチャネルを推定するための複数の取り得るチャネル推定方法から、ジョイントチャネル推定方法を選択する。この方法で、ジョイントチャネル推定を実行することは、典型的には、より強いチャネルを推定して、そのより強いチャネルを取り去る(即ち、干渉を除去する)ことによってより弱いチャネルを推定する通常の方法よりも良好な方法である。ジョイントチャネル推定は、干渉除去と比べて、パフォーマンスを促進するために使用することができる。
【0118】
より詳細には、ジョイントチャネル推定部は、2つの対応するチャネル
【0124】
を推定し、ここで、i=1,2、Lはチャネルメモリ長である。2つのチャネル(2×(L+1)行列)に対する複合チャネルインパルス応答は、
【0126】
であり、受信信号は、次のように表される。
【0128】
ここで、S=[S
1 S
2]は、2つの送信信号シーケンスを記述する2つの行列を結合(ジョイント)し、eはノイズである。
【0129】
チャネル推定値は、例えば、平方誤差量を最小化することによる最小二乗法を使用することによって検出することができ、これは、AWGNの下、以下のチャネル推定値の解を生み出す。
【0131】
いくつかの実施形態では、スケーリングファクタγ
cは、連帯的に判定されているチャネル推定値群を使用して導出される。このスケーリングファクタγ
cは、次のように表すことができる。
【0133】
ここで、|| ||は、二乗(平方)ノルムである。更なる詳細については、国際特許出願番号第2009/059986号公報を参照されたい。これは、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0134】
ジョイントチャネル推定プロセスを使用して、スケーリングファクタを取得するかの決定は、以下の1つ以上の考慮事項に基づいている。1つの考慮事項は、一定の信号情報の可用性である。例えば、弱信号が未知である場合、干渉除去が必要とされる場合があり、これは、ジョイント推定をできない状態にするであろう。
【0135】
別の考慮事項は、第1の無線ネットワークノードと第2の無線ネットワークノードのとの間の同期あるいは不均衡のレベルである。いくつかの実施形態では、密なアライメントが有益である場合、ジョイントチャネル推定を使用することができる。いくつかの実施形態では、異なる周期的なプレフィックスが使用される場合には、より高度なジョイントチャネル推定スキームが必要とされる場合がある。詳細は、国際特許出願番号第2009/059986号公報を参照されたい。
【0136】
いくつかの実施形態では、更なる別の考慮事項は、第1のタイプの第1の無線信号と第1のタイプの第2の無線信号の送信に使用される時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方の重複するレベルである。一定の状況では、少なくとも時間上で完全に重複するあるいは十分に重複するレベルが、信頼性のあるジョイント信号推定を実現可能にするために必要とされる。時間における重複の例は、2つの信号が同一のシンボルで受信される場合がある。
【0137】
いくつかの実施形態では、第2のタイプの第1の無線信号と第2のタイプの第2の信号の送信のために使用される時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方の重複するレベルも考慮される。しかしながら、時間及び周波数の少なくとも一方における重複は発生する場合もあれば発生しない場合もあり、重複が存在しない場合には、スケーリング方法を使用することによる更なる利点が存在することに注意されたい。もちろん、他の考慮事項も可能である場合がある。
【0138】
ジョイントチャネル推定は、特に、第2のタイプの第1の信号と第2のタイプの第2の信号とが重複していない場合に、特に、有益である。ジョイントチャネル推定は、また、第2のタイプの第2の信号が、時間リソースグリッド及び周波数リソースグリッドの少なくとも一方で低密度で送信され、それゆえ、高精度の測定のために使用することができない場合に有益である。
【0139】
無線デバイス606がスケーリングファクタを取得する際の時間(群)に関しては、無線デバイス606は、スケーリングファクタを定期的に生成するあるいは所定の時間インスタンスで生成するように構成することができる。無線デバイス606は、トリガリングイベントあるいは状態でスケーリングファクタを取得するように構成することもできる。無線デバイス606は、別のノードからの明示的なあるいは暗示的な指示/リクエストでスケーリングファクタを取得するように構成することもできる。
【0140】
一例では、スケーリングファクタの推定は、基準推定値が利用可能である場合、例えば、アグレッサのRSRPが実行される場合、あるいは目標推定値(例えば、第2のタイプの第2の信号)を取得することが予期される場合のどちらか一方の時間インスタンスに近い時間でトリガされるあるいは開始される。一例では、スケーリングファクタがSSSに基づいて推定され、かつ目標推定値がCRSに対するものである場合、UEは、RSRP測定に続いてより頻繁に、例えば、40−60ms毎にSSSを受信することを必要とする。セル検出目的のためのSSSの測定は、一般的には、異なる定期性を要求し、これは、SSSの送信周期性とは異なる(より長い)場合もある。いくつかの実施形態では、専用ルールあるいは最小要件が事前に定義されている場合もある。この要件は、SSS推定の精度と、例えば、少なくともタイミング及びPCIの少なくとも一方が既知であるセルあるいは検出されたセルのSSS推定を実行するための測定期間を含んでいる。このような事前に定義されているルールは、スケーリングファクタを計算する目的のために、推定値、例えば、チャネルあるいは受信信号電力推定値を取得するために使用される。
【0141】
一例では、スケーリングファクタは、スケーリングファクタを取得するために使用される2つの推定値を連続して計算することによって導出される。別の例では、干渉除去は、スケーリングファクタを取得するために使用される2つの推定値の少なくとも1つを取得するために使用される。更に別の例では、スケーリングファクタは、別のノード、例えば、eノードBによって送信される支援データで無線デバイスによって受信することができる、あるいは別のノードから受信されるデータに基づいて導出することができる。
【0142】
補正ファクタの取得
一例では、補正ファクタは、別のノードからの上位レイヤでのシグナリングを介して受信されるデータに基づいて取得される。この補正ファクタは、補正ファクタを導出するために使用されるデータあるいはインジケータの形式で明示的に信号送信する、あるいは、暗黙的に提供することができる。このようなデータの例には、帯域幅情報、基地局電力クラス、公称電力レベルとの偏差、送信アンテナの数を含んでいる。別の例では、補正ファクタは、例えば、物理ブロードキャストチャネルあるいは物理制御チャネルを読み取ることによる、下位レイヤのシグナリングを介して受信される情報に基づいて、無線デバイス606によって取得される。更に別の例では、補正ファクタは、無線デバイスの他の測定値及びロケーション情報の少なくとも一方に基づいて導出される。更に別の例では、補正ファクタは、特定の時間リソース及び特定の周波数リソースの少なくとも一方に関連付けられている。これらのリソースは、送信パターンあるいは測定パターンのようなパターンによって示すことができる。もちろん、上述のものの任意の組み合わせを適用することができる。
【0143】
基準信号推定値の取得
図6aに示されるように、スケーリング方法では、スケーリングファクタは、所望の信号の信号推定値を取得するために、基準推定値に適用される。一般的には、基準推定値に対しては、十分な密度で時間/周波数リソースグリッドに割り当てられ、かつ既知の特性(例えば、信号シーケンス)、十分な送信電力、及び受信信号強度をもたらす信号のタイプを使用することが望ましい。基準推定値に対して使用される信号のタイプは、予め定義されていても良いし、あるいは無線デバイス606によって決定されても良い。ネットワークノードは、基準推定値として使用するための信号のタイプを、例えば、その信号のタイプの指示を無線デバイス606に送信することによって、無線デバイス606へ示唆あるいは勧告することができる。
【0144】
それゆえ、一般的には、いくつかの実施形態では、特定のタイプの信号を基準信号推定値に対して使用される(そして、これによって、「第2のタイプ」の信号と呼ばれる)ことになり、また、特定のタイプの信号がスケーリングファクタに対して使用される(そして、これによって、「第1のタイプ」と呼ばれる)ことになる、様々なオプションが存在する。概して、(A)特定のタイプの信号が既知である場合、(B)スケーリングファクタを取得する際に使用が考慮される信号のタイプに対する推定値が十分には正確でない場合(例えば、以要件あるいは目標閾値を下回る)、(C)その特定のタイプの信号が最大の帯域幅を有している、及び/あるいは、その特定のタイプの信号のより多くのサンプルを取得することができる場合、(D)その特定のタイプの信号の推定値がスケーリングファクタに基づいているタイプの信号よりもより正確である場合、及び/あるいは、(E)その特定のタイプの信号がより少ない干渉している時間/周波数リソースで送信される場合、基準信号推定値に対してその特定のタイプの信号(例えば、基準信号)を使用することが好適であることがある。
【0145】
一方、いくつかの実施形態では、スケーリング及び信号推定値のための本来選択されているタイプ群のいずれかが最適でない場合、基準信号推定値に対して、様々なタイプの信号(例えば、同期信号)を使用することが好適であることがある。このことには、次のことを含んでいる。(A)スケーリングを取得するために考慮される信号のタイプが、時間ドメイン及び周波数ドメインの少なくとも一方において、正確な推定値に対しては十分でない密度を有していること、(B)基準信号推定値を取得するために考慮される信号の別の候補のタイプの信号が存在しない(例えば、送信されるCRSがない)、(C)その信号のタイプの測定オケージョンと、スケーリングファクタを取得するために考慮される信号のタイプの測定オケージョンと間の時間ギャップが存在していて、そうすることで、特に、チャネルが高速である(例えば、ドップラー周波数が閾値を上回る)場合あるいは無線デバイスが高速に移動している(例えば、速度が閾値を上回る)場合、第1のタイプの信号におけるチャネル推定値と第2のタイプの信号における基準推定値とが正確でないあるいは信頼できない可能性がある、及び/あるいは(D)その信号のタイプと、スケーリングファクタを取得するために考慮される信号のタイプとの間の電力関係が未知であるあるいは動的に変化している場合である。
【0146】
他の実施形態
上述のように、いくつかの実施形態では、第1のタイプの信号(即ち、スケーリングファクタに基づいている信号群)は同期信号(例えば、PSSあるいはSSS)を含んでいて、第2のタイプの信号(即ち、基準信号推定値に基づいている信号群)は基準信号(例えば、CRS、PRS、DM−RS、MBSFN RS、あるいは同期信号でない他の信号)を含んでいる。この開示はこのような実施形態に限定されるものではないが、PSSあるいはSSSのような同期信号は、他のタイプの信号、例えば、基準信号よりもより標準的な基準でたいていは送信される。それゆえ、いくつかの場合、UEは、基準信号における測定を実行する前に、同期信号を既に推定している場合がある。他の場合、同期信号は、相対的に小さい動作で推定することができる。ここで、既に既知の信号推定値を再使用することは効果的であろう、あるいは、弱ビクティム信号の推定を導出するための信号推定値を取得することが容易となろう。
【0147】
より一般的な実施形態では、スケーリング方法は、第2のタイプの複数の信号を推定するために適用することができる。このスケーリング方法は、第3のタイプの信号に適用することができる。同一あるいは異なるスケーリングファクタを、異なる信号のペアに適用することができ、これらは、そのペアでの2つの信号の構成設定、送信機と受信機との間の距離、等のファクタに依存することになる。一例では、ジョイントチャネル推定は、複数のタイプの信号にも適用される。
【0148】
いくつかの実施形態では、無線デバイス606は、セルグルーピングを実行し、それに従って自身の方法を信号推定に対して採用する。例えば、セルは、スケーリング方法が使用されるセル(弱セル)と、スケーリング方法が使用されないセル(例えば、他のセル)との、2つのセルグループにグループ化することができる。また、スケーリング方法が使用されるセルを含むセルグループ内では、2つのサブグループは、次のように形成することができる:スケーリング方法がジョイントチャネル推定に基づいているセル(例えば、時間整合しているセル(time-aligned cell))と、スケーリング方法がいくつかの他のチャネル推定に基づいているセル(例えば、時間整合していないセル(non-time aligned cell))。セルグルーピングは、少なくともいくつかの時間期間中に並行してどのセルが測定されるかについて影響を与え得る。
【0149】
以下の状況では、上述の原理及び技術を示すために、2つの例示の実施形態が記載される。
【0150】
図7は、LTEの実施形態のフローチャートを示している。この実施形態では、2つの無線ネットワークノード602及び604(
図5参照)が、(ほぼ)時間整合していると想定する、即ち、同期信号は時間軸(周期プレフィックス内)で重複している。無線ネットワークノード602及び604は、それぞれマクロセル及びピコセルである。同期信号群、例えば、SSS信号群と、基準信号群、例えば、CRS信号群との間の相対電力は、一定であり、また、両方のセルに対して同一であると想定する。また、対応するセル群に対するセル識別子(ID)群は、これらの2つのセルのCRSが重複しないようになっている。それゆえ、セル範囲拡張(CRE)ゾーン内の無線デバイスが非ブランクサブフレーム内でピコセルに対するRSRPを推定することを試行する場合、干渉レベルは高くなる場合があり、RSRP推定値は不正確になる場合がある。しかしながら、高SNRを有するマクロセルに対するRSRPは、正確に推定することができる。
【0151】
図7では、無線デバイス内のトランシーバは、第1のタイプの既知の(パイロット)信号を使用して、無線デバイス606と第1の無線ネットワークノード602との間のリンクに関連付けられている無線チャネルと、無線デバイス606と第2の無線ネットワークノード602及び604との間のリンクに関連付けられている無線チャネルとを(連帯して)推定する(ステップ802)。LTE実施形態の一例では、第1のタイプの信号は、セカンダリ同期信号(SSS)である。一例では、第1の無線ネットワークノード602はマクロセルとすることができ、第2の無線ネットワークノード604はピコセルとすることができ、そうすることで、第1の無線ネットワークノード602に対するSSSと第2の無線ネットワークノード604に対するSSSとの間の電力比は、ステップ804で示されるように、次のように推定することができる。
【0153】
次に、無線デバイスは、第2のタイプの第1の(既知)の信号(例えば、CRS)を使用して、第1のネットワークノード(例えば、マクロセル)に対するチャネルを推定する(ステップ806)。無線デバイス606は、また、基準推定値
【0155】
を取得するために、第1のネットワークノードに対して推定されたチャネルを使用して、第1のネットワークノードに対するRSRP(CRS上で測定される)を推定する。ピコセルに対する(仮想)RSRPである
【0157】
は、電力比と、例えば、以下のような、マクロセル602に対するRSRP推定値
【0159】
とに基づいて判定される。
図7のステップ808を参照されたい。
【0160】
図8は、第2の例示の実施形態を示している。この実施形態では、第1の無線ネットワークノードに対する、第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との間の電力比は、第2の無線ネットワークノードに対する、第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との間の電力比とは異なる。第1の無線ネットワークノード602はマクロセルであり、第2の無線ネットワークノードがピコセルであると想定する。第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との間の電力比は、例示の補正ファクタとして使用する。2つの補正ファクタβ
macroとβ
picoは、次のように表現することができる。
【0164】
である。スケーリング方法で使用される補正ファクタは、次のように計算することができる。
【0166】
図8では、無線デバイスは、2つのネットワークノード602及び604に対する第1のタイプの信号と第2のタイプの信号との間の電力関係を判定することによって開始することができる(ステップ902)。ステップ904で、無線デバイス内のトランシーバは、第1のタイプの既知の信号を使用して、無線デバイス606と、第1の無線ネットワークノード602と、第2の無線ネットワークノード604との間のリンクに関連付けられている無線チャネルを(連帯して)推定する。LTEの実施形態では、第1のタイプの信号は、セカンダリ同期信号(SSS)とすることができる。限定しない例では、ピコセルからの第1のタイプの信号とマクロセルからの第1のタイプの信号との間のスケーリングファクタ(この例では、電力比)は、以下のように計算することができる。
【0168】
ステップ906を参照されたい。無線デバイスは、次に、第2のタイプの信号(例えば、CRS)を使用して第1のネットワークノードに対するチャネルを推定して、基準推定値
【0170】
を取得するために第1のネットワークノードに対するCRS上のRSRPを測定する(ステップ906)。次に、ピコセル
【0172】
に対する(仮想)RSRPが、電力スケーリングファクタγ
pと、補正ファクタβ
macroとβ
picoと、マクロセルに対するRSRP推定値
【0174】
とに基づいて判定される(ステップ910)。ピコセル
【0176】
は、次のように推定することができる。
【0178】
ステップ910を参照されたい。RSRP測定/推定は、例えば、ハンドオーバの判定のために無線デバイスによって使用することができる。
【0179】
上述の議論では、無線デバイス606は、測定された信号電力、信号品質あるいはチャネル推定に基づいてスケーリングファクタを計算するように構成されている。しかしながら、ネットワークノードは、スケーリング方法を支持する無線デバイスへ、スケーリングファクタあるいはスケーリングファクタに対する調整値を提供するように構成することができる。
【0180】
図9は、無線ネットワークノード602あるいは604によって実現される例示のプロセスを示している。
図9では、無線ネットワークノードは、少なくとも1つの以下の情報あるいはデータを生成する(ステップ1010):スケーリングファクタを指示する情報、スケーリングファクタへの調整を指示する情報、及び
、信号推定値を判定するため
にスケーリングファクタを適用するかスケーリングファクタへの調整値を適用する
かを決定することを無線デバイスに支援する情報である。スケーリングファクタは、第1の無線ネットワークノードと第2の無線ネットワークノードとにそれぞれ関連付けられている同一のタイプの第1の信号と第2の信号との間の関係を記述している。次に、無線ネットワークノードは、生成された情報を無線デバイスへ送信する(ステップ1020)。
【0181】
いくつかの実施形態では、ネットワークノードは、無線デバイス
が信号推定値を判定するため
にスケーリングファクタあるいはスケーリングファクタへの調整値を適用することができることを示すケイパビリティ情報を無線デバイスから受信することに応じて、上述の情報を選択的に生成する。いくつかの実施形態では、
図9の例示のプロセスは、更に、ネットワークノードが、上述の情報を生成して送信することができることを示すケイパビリティ情報をノードへ送信することを含んでいる。
【0182】
スケーリング方法を支持する無線デバイスへのネットワーク支援を実現可能にするために、スケーリングファクタ及び補正ファクタ(群)の少なくとも一方を無線デバイスへ送信することを無線ネットワークノードに可能にする追加のシグナリング手段を提供することができる。少なくともいくつかの実施形態では、このシグナリング手段は、また、スケーリング方法を使用して信号推定値を取得する際の新規のケイパビリティを無線ネットワークノードと無線デバイスへ通知するために必要とされる。そして、いくつかの実施形態では、シグナリング手段は、スケーリング方法からの結果をレポートするために必要とされる。
【0183】
無線ネットワークノードは、例えば、ロケーション、UL測定、無線デバイスに対するタイミングあるいはタイミング差測定、あるいは他の情報に基づいて、スケーリングファクタ及び補正ファクタの少なくとも一方を取得することができる。また、例えば、支援データ(例えば、eICICに関連付けられている、セル間干渉調整、アグレッサ干渉を取り扱うための拡張受信機に対する支援データ、及び改良信号検出に対する支援データ、一般的な測定値等)で、スケーリングファクタ及び補正ファクタ(群)を少なくとも一方の無線デバイスへ信号送信することができる。信号送信されたシグナリングファクタは、「概算の」スケーリングファクタとすることができ、これは、無線デバイスによって更に改善することができる。改善されたあるいは概算のスケーリングファクタのどちらかは、本明細書で記載される実施形態を実現する無線デバイスによって使用することができる。
【0184】
スケーリングファクタは、また、別のネットワークノード、例えば、eノードBあるいはコアネットワークノードへ信号送信される。例えば、スケーリングファクタ及び補正ファクタの少なくとも一方が基準推定値を受信する無線ネットワークノードに対して既知である場合、ノード自身は、この情報を使用して弱信号(群)の推定値を取得することができる。この結果は、別のノードへ信号送信されても良い。
【0185】
また、スケーリングファクタあるいは補正ファクタが、どの信号、例えば、RSRP、PRS等に関連しているかを示す指示を、更に、スケーリングファクタ及び補正ファクタの少なくとも一方に関連付けることができる。例えば、アンテナポート情報に基づいて、ファクタを定義するための、あるいは、複数の信号タイプに関連している複数のスケーリングファクタ及び補正ファクタ(群)の少なくとも一方を含めることを可能にするための、所定のルールが存在する場合がある。このことは、特定の信号のタイプに対する測定値が、測定/受信無線ノードによって提供される場合に有用であることがある。測定/受信無線ノードは、また、取得されたスケーリングファクタ及び補正ファクタの少なくとも一方を信号送信することができる。
【0186】
スケーリングファクタ及び補正ファクタ(群)の少なくとも一方は、専用の時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方に関連付けることができる。ここで、一例では、無線ネットワークノードは、無線デバイスあるいはネットワークノードへ、スケーリングファクタ及び補正ファクタ(群)の少なくとも一方に関連付けられている時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方を記述するあるいは指示するデータを提供することができる。別の例では、時間周波数リソースは、セル間干渉調整に対して構成設定されている制限測定パターンによって示すことができ、また、スケーリングファクタは、信号送信してもしなくても良い。
【0187】
時間リソース及び周波数リソースの少なくとも一方と、スケーリングファクタの少なくとも1つは、所定のルールに基づいて導出することができる。
【0188】
少なくともいくつかの実施形態では、無線ネットワークノードへ、スケーリング方法を使用するための能力に関連する無線デバイスの新規のケイパビリティを通知するためのシグナリングが必要とされる。新規のケイパビリティは、少なくとも1つ他のノード(例えば、eノードB、位置決めノード、別の無線デバイス)へ、無線デバイスによっても通信することができる。このようなケイパビリティを有する無線デバイスは、そのようなケイパビリティを持たない無線デバイスよりもより高干渉状態で動作することができる場合がある。しかしながら、これは、そのようなケイパビリティを持たない無線デバイスに対して必要とされない一定の基準と条件を満足する干渉処理用の支援データ(例えば、同期/不整合情報)を要求する場合がある。
【0189】
このケイパビリティ情報は、例えば、無線デバイス用の無線測定を構成設定する場合、無線デバイス用の移動性関連パラメータ(例えば、セル選択/再選択パラメータ)を構成設定する場合、測定あるいはチャネル推定を実行する際に無線デバイスを支援するための支援データを構成設定する場合、あるいは、第2のタイプの信号の送信を構成設定することの必要性を決定する場合に、使用することができる。
【0190】
スケーリングに基づく信号推定方法の拡張サポートに関連する無線ネットワークケイパビリティが存在しても良い。一例では、このようなケイパビリティを持たない無線ネットワークノードは、スケーリングに基づく推定方法を使用する無線デバイスに対して追加のサポートを提供することができない、例えば、スケーリングファクタ及び補正ファクタの少なくとも一方を信号送信することができない場合がある。無線ネットワークノードは、また、別のネットワークノードあるいは無線デバイスにさえ、自身のケイパビリティを信号送信することができる場合がある。
【0191】
スケーリング方法(例えば、本明細書で記載されるような)に基づいて少なくとも1つの信号に対する推定を実行する無線デバイスは、その結果を、ネットワークノード(例えば、eノードBあるいは位置決めノード)あるいは別の無線デバイスへ送信することができる。この結果は、次の1つ以上のものを含むことができる:スケーリング方法に基づいて取得される推定値、スケーリングファクタ、補正ファクタ、基準推定値についての情報(例えば、信号タイプ)、スケーリングファクタ及び基準推定値の少なくとも一方を推定するために使用される時間−周波数リソースについての情報あるいは指示(例えば、「低干渉サブフレーム」あるいは「通常/未保護サブフレーム」)がある。
【0192】
一例では、本明細書で記載されるスケーリング方法に基づいて取得される推定値、例えば、チャネル推定値、受信信号電力推定値、あるいは受信信号品質推定値は、別のノード、例えば、eノードB、MDTノード、SONノード、あるいは別の無線デバイスへ信号送信される。
【0193】
推定値は、また、所定の測定値(例えば、CRS上で実行されるRSRPあるいはRSRQ)を形成するために使用することができ、これは、別のノードに提供することができ、また、一般的には、無線リソース管理(RRM)タスク、移動性、位置決め、無線ネットワーク計画及び最適化等に対して使用することができる。
【0194】
この推定値は、経路損失測定値に一般的には基づいているアップリンク電力制御に対する無線デバイスによって使用することができ、これによって、特に、アグレッサ干渉の存在時により正確なアップリンク電力制御を実現可能である。
【0195】
無線デバイスは、また、取得した推定値の品質を推定することができる。この推定した品質は、別のノードへ送信することができる、あるいは、無線デバイスによる内部決定、例えば、取得した推定値の品質が閾値を超える場合にその取得した推定値に基づく測定値のレポート(報告)のために使用することができる。
【0196】
図10は、本発明の実施形態に従って動作する無線デバイスあるいはUE100のブロック図を示している。この無線デバイスは、アンテナユニット1101、フロントエンドトランシーバユニット(FE TRX)1102、信号を無線キャリヤ周波数(不図示)へダウンコンバートする(RX用)及びアップコンバートする(TX用)、そして、デジタルからアナログへ、アナログからデジタルへと変換する変換ユニット(DAC/ADC)1104を含んでいる。この変換ユニット(DAC/ADC)1104は、ベースバンド信号をアナログからデジタルへ(RX用)またはデジタルからアナログへ(TX用)へ変換することを担当する。また、無線デバイスは、デジタルRXフィルタ1106と、デジタルTXフィルタ1108を含み、これらは、所望の形式にデジタル信号を処理するように構成されている。
【0197】
UE1100は、また、受信部と送信部を備える。無線デバイス1100の受信部は、セル検索ユニット1110、チャネル推定ユニット1112、復号ユニット1114、及び制御及び測定ユニット1118を含んでいる。セル検索ユニット1110は、新規のセルを検出し、その検出した新規のセルのネットワークノードと同期をとることを担当する。チャネル推定部1112は、無線チャネルを推定するように構成され、また、チャネルを個別に推定するとともに、複数のチャネルを連帯して推定することができる。復号ユニット1114は、受信信号を復号し、また、更なる処理のためのデータを生成するように構成されている。セル検索ユニット1110、チャネル推定ユニット1112、及び復号ユニット1114からの情報は、測定及び制御ユニット1118へ供給される。測定及び制御ユニット1118は、上述の基準推定値あるいは測定レポートを生成するように構成されている。基準推定値は、RSRPあるいは他の信号強度推定値であっても良い。
【0198】
無線デバイス1100の送信機部では、符号化ユニット1116が存在し、これは、ネットワークノードへの送信用の所望のフォーマットに従ってデータ信号を符号化するように構成されている。
【0199】
無線デバイス1100は例示の実施形態として示されていることに注意されたい。無線デバイス1100は、上述のもの以外の多くのユニットを含むことができる。いくつかの移動体では、上述のユニットのすべては、「シングルチップ」内に存在することができる。例えば、チャネル推定部1112と符号化ユニット1116/復号ユニット1114は、TRXユニット1102及びADC/DACユニット1104として同一のチップに含まれていても良い。もちろん、これらのユニットは、別々のチップに含まれていても良い。
【0200】
図11は、上述の実施形態に従って構成される無線デバイス1100を示している。無線デバイス1100は、トランシーバ1202と1つ以上の処理回路1212を備える。トランシーバ1202は、1つ以上のアンテナシステム1214に接続されている。1つ以上の処理回路1212は、スケーリングファクタ取得部1204、基準推定値取得部1206、信号推定部1208、及びメモリ1210を備えている。スケーリングファクタ取得部1204は、上述のスケーリングファクタを取得するように構成されている。基準推定値取得部1206は、上述の基準推定値を取得するように構成されている。スケーリングファクタと基準推定値は、信号推定部1208へ入力される。信号推定部1208は、上述の基準推定値とスケーリングファクタとに基づいて、第2のタイプの信号に対する信号推定値を判定するように構成されている。いくつかの実施形態では、メモリ1210は、スケーリングファクタ1204、基準推定値取得部1206、スケーリングに基づくセル測定方法で使用されるデータを記憶する信号推定部1208とのインタフェースを提供するように構成されている。
【0201】
図12は、上述のいくつかの実施形態における、無線デバイスが無線通信システムでの信号に対する信号推定値を判定することを支援するように構成されているネットワークノード1300を示している。ネットワークノード1300は、1つ以上の処理回路1306とトランシーバ1304とを備えている。1つ以上の処理回路1306は、次の情報あるいはデータの少なくとも1つを生成するように構成されている:(a)スケーリングファクタを示す情報、(b)スケーリングファクタへの調整を示す情報、及び(c
)信号推定値を判定するため
にスケーリングファクタを適用するかスケーリングファクタへの調整を適用する
かを無線デバイスが決定することを支援する情報である。1つ以上の処理回路1306は、無線デバイス606からのケイパビリティ情報の受信に応じて、上述の情報の少なくとも1つを選択的に生成するように構成することができる。ケイパビリティ情報は、無線デバイス606
が信号推定値を判定するため
にスケーリングファクタあるいはスケーリングファクタへの調整値を適用することができることを示している。
【0202】
図12では、トランシーバ1304は、生成された情報を無線デバイスへ送信するように構成されている。トランシーバ1304は、更に、ノードへ、ネットワークノード1300が上述の情報の少なくとも1つを生成し送信することができるか否かを示すケイパビリティ情報を送信するように構成することができる。
【0203】
もちろん、本明細書で開示される実施形態の内の任意の実施形態を、単独で実現することもできるし、任意の他の実施形態と、全体的にあるいは部分的に組み合わせることもできる。
【0204】
上述の記載と添付の図面は、本明細書で教示される方法及び装置を制限するものではない例を表している。このように、本発明は、上述の説明及び添付の図面に制限されるものではない。むしろ、本発明は、添付の請求項及びその法的な等価物によってのみ制限されるものである。