(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1の可視要素を有する第1の不織布材料を含むトップシートと、第2の可視要素を有する第2の不織布材料を含むバックシートと、該トップシートと該バックシートとの間に配置された吸収性コアと、を含み、該第1の可視要素及び該第2の可視要素が、互いに全く同じ又は回転、反転、縮小、拡大、及び/又はアスペクト比が変更された関係にある、整合する可視要素であり、前記第1の可視要素及び前記第2の可視要素が、パターンの最小基礎的要素を幾何学的に反復して配列することにより形成された反復単位セルを含むことを特徴とする、吸収性物品。
第3の可視要素を有する第3の不織布材料を含むレッグカフ材料を更に含み、前記第1の可視要素、前記第2の可視要素、及び前記第3の可視要素の少なくとも2つが、整合する可視要素であることを特徴とする、請求項1に記載の吸収性物品。
前記第1の可視要素又は前記第1の可視要素の可視部分が、前記第2の可視要素又は前記第2の可視要素の相当部分に対して回転される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第1の可視要素又は前記第1の可視要素の可視部分の大きさが、前記第2の可視要素又は前記第2の可視要素の相当部分に比べて縮小又は拡大されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第1の可視要素又は前記第1の可視要素の可視部分のアスペクト比が、前記第2の可視要素又は前記第2の可視要素の相当部分に比べて変更されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記第1の可視要素又は前記第2の可視要素の少なくとも一方が部分的に変更されており、これにより少なくとも50%の前記第1の可視要素と前記第2の可視要素が同一である、請求項1に記載の吸収性物品。
前記第1の可視要素及び前記第2の可視要素の少なくとも一方が、エンボス加工、印刷、熱結合、カレンダー結合、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される方法によって形成される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記整合する可視要素が、空気が流れる経路を示すことによって吸収性物品の構成要素間の通気性及び空気の流れに対する介護者の理解を高める、請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書で使用するとき、「吸収性物品」は、身体排出物を吸収して封じ込める装置を指し、より具体的には、身体から排出された様々な排出物を吸収して封じ込めるために、着用者の身体に対して又は近位に配置された装置を指す。吸収性物品には、おむつ、トレーニングパンツ、成人用失禁下着及びパッド、女性用衛生パッド、胸パッド、介護用マット、涎掛け、創傷包帯用品などが挙げられ得る。本明細書で使用するとき、用語「排出物」には、尿、血液、膣排泄物、母乳、汗、及び糞便が挙げられるが、これらに限定されない。
【0008】
本明細書で使用するとき、「吸収性コア」は、吸収性物品に受容される液体を吸収しかつ封じ込めるために、典型的には吸収性物品のトップシートとバックシートとの間に配置される構造物を意味する。吸収性コアはまた、カバー層又は包みを含んでもよい。カバー層又は包みは、不織布を含んでもよい。幾つかの例では、吸収性コアは、1つ以上の基材、吸収性ポリマー材料、並びにその吸収性ポリマー材料を基材に、及び任意でカバー層又は包みに接着及び固定する、熱可塑性接着剤材料/組成物を含んでもよい。
【0009】
「吸収性ポリマー材料」、「吸収性ゲル材料」、「AGM」、「超吸収体」、及び「超吸収性材料」は、本明細書で互換的に使用され、遠心分離保持容量試験(Edana、441.2−01)を使用して測定したときに、0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋されたポリマー材料を指す。
【0010】
本明細書で使用するとき、「吸収性粒子状ポリマー材料」は、乾燥状態で流動性を有する微粒子状形態である吸収性ポリマー材料を指す。
【0011】
本明細書で使用するとき、「吸収性微粒子ポリマー材料領域」は、第1の基材及び第2の基材が多数の超吸収性微粒子によって隔てられたコアの領域を指す。この領域の外側には、第1の基材64と第2の基材との間に幾つかの外部超吸収性微粒子が存在してもよい。
【0012】
本明細書で使用するとき、「エアフェルト」は、セルロース繊維の一形態である粉砕木材パルプを指す。
【0013】
本明細書で使用するとき、「使い捨て」は、通常の意味では、様々な期間にわたって限定された使用回数、例えば、約20回未満、約10回未満、約5回未満、又は約2回未満の後に、処分される又は破棄される物品を意味するのに使用される。
【0014】
本明細書で使用するとき、「おむつ」は、一般に幼児及び失禁症者により着用者の腰及び脚を囲むように胴体下部周りに着用され、尿及び糞便排泄物を受容して封じ込めるように特に適合された、吸収性物品を指す。本明細書で使用するとき、用語「おむつ」はまた、以下で定義される「パンツ」を含む。
【0015】
本明細書で使用するとき、「繊維」及び「フィラメント」は、互換的に使用される。
【0016】
本明細書で使用するとき、「フィルム」は、1つ以上のポリマーで形成される材料の皮膚様又は膜様の層を意味し、これは、固結(consolidated)ポリマー繊維及び/又は他の繊維のウェブ様構造から主に構成される形態を有さない。
【0017】
本明細書で使用するとき、「不織布」は、まず芯状に形成され、次に摩擦、密着、粘着、又は、局部的圧縮及び/若しくは圧力、熱、超音波若しくは熱エネルギーの適用、若しくはこれらの組み合わせによってもたらされた結合部及び結合型押の1つ以上のパターンによって統合されかつ共に結合される、方向性のある、又はランダムな向きの繊維の製造シート又はウェブである。本用語には、織られた、編まれた、又は、糸若しくはフィラメントで縫い合わされた布地は含まれない。繊維は、天然由来のものであっても人工由来のものであってもよく、ステープルファイバー若しくは連続フィラメントであっても、またはその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約50ナノメートル未満から約0.2mmを超える範囲の直径を有し、いくつかの異なる形態、(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)短繊維、連続短繊維(フィラメント又はものフィラメント)、連続フィラメントの撚っていない束(麻くず(tow))、及び連続フィラメントの撚り束(編み糸)、によって提供される。不織布は、メルトブロー、スパンボンド、スパンメルト、溶媒紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、メルトフィルムフィブリル化、エアレイイング、乾式法、短繊維による湿式法、及び当該技術分野において既知のこれらのプロセスの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない、多くのプロセスによって形成できる。不織布繊維の坪量は、通常、一平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。
【0018】
スパンボンドは、スパンレイド繊維の芯をカレンダー結合し、それらを固結してある程度まで一緒に結合し、布地様構造としてのウェブを生成し、例えば、引張強度といった、材料がその後の製造プロセス及び使用される最終製品において構造的一体性及び寸法安定性を十分に維持し得るために望ましいことがある、機械的特性を高める工程を含む。カレンダー結合は、芯を、一対の回転カレンダーローラー間のニップに通し、それによって繊維を圧縮及び固結して不織布ウェブを形成することによって達成され得る。ローラーの一方又は双方は、ニップにて圧縮される重なり合った繊維間の加熱、塑性変形、噛み合い、及び/又は熱結合/融合を促進するために、加熱されてもよい。ローラーは、それらがニップにて所望の圧縮力/圧力を付与するように、制御可能な量の力によって一緒に付勢される結合メカニズムの操作可能な構成要素を形成してもよい。幾つかのプロセスでは、超音波エネルギー源が、超音波振動を繊維に伝送し、同様に繊維内に熱エネルギーを発生させて結合を改良させるように、結合メカニズムに含まれてもよい。
【0019】
ローラーの一方又は双方は、ニップにおいて芯にかかる結合圧力が、結合突出部の結合表面に集中し、陥凹領域では低減又は実質的に除去されるように、機械加工、エッチング、彫刻された、ないしは別の方法で結合突出部と陥凹領域との結合パターンをその上に有する周辺面を有してもよい。結合表面は、結合表面形状を有する。結果として、ローラー上の結合突出部のパターン及び結合表面形状に対応する結合型押及び結合形状を有する、ウェブを形成する繊維間で型押された結合パターンが、不織布ウェブ上に形成される。一方のローラー、例えばローラーは、アンビルローラーを構成するために平坦な非パターン化円柱面を有してもよく、別のローラーは、記載のパターンで形成されて結合パターンローラーを構成してもよく、このローラーの組み合わせによって結合パターンローラー上のパターンを反映するパターンがウェブ上に付与される。幾つかの例では、双方のローラーがパターンを有して形成されてもよく、特定の例では、例えば、米国特許第5,370,764号に記載されるように、ウェブ上に組み合わせパターンを型押しするように組み合わさって機能する異なるパターンを有してもよい。
【0020】
「パンツ」又は「トレーニングパンツ」は、本明細書で使用するとき、幼児及び成人の着用者用に設計された腰部開口部及び脚部開口部を有する使い捨て衣類を指す。パンツは、着用者の脚を脚部開口部に挿入し、パンツを着用者の胴体下部の周囲にまでずらすことによって着用者に対して定位置に置くことができる。パンツは、再締着可能及び/又は再締着不可能な結合を使用して、物品の一部分を一緒に接合するなどの非限定的な任意の好適な技術(例えば、シーム、溶接、接着、凝集結合、留め具など)によって予備形成され得る。パンツは、物品の外周に沿った任意の位置(例えば、側面固定、前腰部固定)において予備成形することができる。用語「パンツ」又は「パンツ類」が本明細書では使用されるが、パンツはまた、一般的に「密閉型おむつ」、「事前締結型(prefastened)おむつ」、「プルオンおむつ」、「トレーニングパンツ」、及び「おむつパンツ」とも呼ばれる。好適なパンツは、Hasseらに付与された1993年9月21日発行の米国特許第5,246,433号、Buellらに付与された1996年10月29日発行の同第5,569,234号、Ashtonに付与された2000年9月19日発行の同第6,120,487号、Johnsonらに付与された2000年9月19日発行の同第6,120,489号、Van Gompelらに付与された1990年7月10日発行の同第4,940,464号、Nomuraらに付与された1992年3月3日発行の同第5,092,861号、2002年6月13日に出願された、「Highly Flexible And Low Deformation Fastening Device」と題された米国特許出願公開第2003/0233082 A1号、Klineらに付与された1999年4月27日発行の米国特許第5,897,545号、Klineらに付与された1999年9月28日の同第5,957,908号に開示されている。
【0021】
本明細書では、「実質的にセルロースを含まない」とは、10重量%未満のセルロース繊維、5%未満のセルロース繊維、1%未満のセルロース繊維を含有する、セルロース繊維を含有しない、又は微量を超えたセルロース繊維を含有しない、吸収性コアなどの物品の記載に使用される。ごく微量のセルロース材料は、吸収性コアの薄さ、可撓性、又は吸収性に殆ど影響しない。
【0022】
本明細書で使用するとき、「実質的に連続的に分布した」は、吸収性微粒子ポリマー材料領域内において、第1の基材64及び第2の基材72が多数の超吸収性微粒子によって隔てられていることを示す。吸収性粒子状ポリマー材料領域内において、第1の基材64と第2の基材72との間に小さな偶然接触領域が存在してもよいことが認められる。第1の基材64と第2の基材72との間にある偶然接触領域は、意図的であっても意図的でなくてもよい(例えば人工物の製造)が、枕状体、ポケット、管などのような形状を形成しない。
【0023】
「可視要素」は、本明細書で使用するとき、約3.0mmを超えるLmax寸法及び約0.3mmを超えるWmax寸法を有する吸収性物品の構成要素上にある単位セルであり、Lmaxとは、可視要素の外縁から可視要素の反対側の外縁までを測定した可視要素の計測可能な最大の長さであり、Wmaxとは、可視要素の外縁から可視要素の反対側の外縁までを測定した、Lmaxに垂直の計測可能な最大の幅であり、可視要素は、実線又は点線によって構成され得る。「単位セル」は、本明細書で使用するとき、パターンの最小基礎的要素であり、単位セルの幾何学的な配列は、パターンの特徴的な対称性を定義し、空間における単位セルの反復により、パターン全体を再構成することができる。可視要素は、印刷、エンボス加工、熱結合、カレンダー結合、それらの組み合わせ、又は吸収性物品の構成要素上にある可視信号を示すその他の任意の方法によって形成されてもよい。
【0024】
図1は、水平面上に開かれて置かれたように見える、解放され、開いて置かれた状態のおむつ10の斜視図である。
図2は、下層構造が見えるよう切り取られたおむつ10の部分を有して示された、平らな非収縮状態(すなわち、収縮を誘発する弾性を伴わない)おむつ10の平面図である。おむつ10は、その長手方向軸線36及び横方向軸線38と共に
図2に描かれている。着用者に接触するおむつ10の部分は、
図1では上向きに配向して示され、また
図2では観察者に向いて示されている。
図3は、
図1及び2において線2−2で取られたおむつの断面である。
【0025】
おむつ10は、一般に、シャーシ12と、シャーシ内に配置される吸収性コア14と、を含んでもよい。シャーシ12は、おむつ10の本体を含んでもよい。
【0026】
シャーシ12は、通常、吸収性物品の着用者に面する表面上にあり、透液性であり得るトップシート18と、通常吸収性物品の衣類に面する表面上にあり、不透液性であり得るバックシート20と、を含んでもよい。吸収性コア14は、トップシート18とバックシート20との間に包まれていてもよい。シャーシ12は、サイドパネル22と、弾性レッグカフ24と、弾性ウエスト機構26と、を更に含んでもよい。シャーシ12はまた、締結システムを備えてもよく、これは少なくとも1つの締結部材46と、少なくとも1つのランディング領域48と、を含んでもよい。トップシート及び/又はバックシートの1つ以上の層は、下記のように不織布ウェブで形成されてもよい。
【0027】
レッグカフ24及び弾性ウエスト機構26は通常、弾性部材28をそれぞれ含んでもよい。おむつ10の1つの末端部は、おむつ10の第1の腰部区域30として構成されてもよい。おむつ10の反対側の末端部は、おむつ10の第2の腰部区域32として構成されてもよい。おむつ10の中間部分は、股領域34として構成されてもよく、これは、第1の腰部区域30と第2の腰部区域32との間を長手方向に延びている。股領域34は、おむつ10の全長の33.3%〜50%を含んでもよく、また各腰部区域30、32は、それぞれ、おむつ10の全長の25%〜33.3%を含んでもよい。
【0028】
腰部区域30及び32は、着用者のウエストの周りでギャザーを寄せて改善されたフィット性及び封入性をもたらすように、弾性要素を含んでもよい(弾性ウエスト機構26)。股領域34は、おむつ10が装着されるとき、着用者の脚部の間に概ね位置付けられる、おむつ10の諸部分である。
【0029】
おむつ10はまた、より良いフィット性、封入性、及び美的特徴を提供するための前方イヤーパネル及び後方イヤーパネル、ウエストキャップ機構、弾性体などの他の機構を含んでもよい。かかる追加の特徴は、例えば、米国特許第3,860,003号及び同第5,151,092号に記載されている。
【0030】
おむつ10を着用者の周りの所定位置に適用し保持するために、第2の腰部区域32は、締結部材46によって第1の腰部区域30に取り付けられて、(複数の)脚部開口部及び物品の腰部を形成することが可能である。締結する時、締結システムが物品の腰部周辺の引張荷重を支える。
【0031】
幾つかの例によれば、おむつ10は、再閉鎖可能な締結システムと共に提供されてもよく、又はパンツ型のおむつの形態で提供されてもよい。吸収性物品がおむつである場合、吸収性物品は、おむつを着用者に固定するためにシャーシに接合された再閉鎖可能な締結システムを含んでもよい。吸収性物品がパンツ型のおむつである場合、物品は、シャーシ及び互いに接合されてパンツを形成する少なくとも2つのサイドパネルを含んでもよい。締結システム及びその任意の構成要素は、かかる使用に好適な任意の材料を含んでもよく、それにはプラスチック、フィルム、発泡体、不織布、織布、紙、積層体、伸縮性積層体、活性伸縮性積層体、繊維強化プラスチックなど、又はそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。幾つかの例では、締結装置の作製材料は可撓性であってもよい。幾つかの例では、締結装置は、追加的な柔軟性又は消費者による柔軟性の知覚のための、綿又は綿様の材料を含んでもよい。こうした可撓性により、締結システムを身体の形状に適合させることができるため、締結システムが着用者の皮膚を刺激したり傷つけたりする可能性を低減させることができる。
【0032】
一体型吸収性物品のために、シャーシ12及び吸収性コア14は、複合的なおむつ構造を形成するために付加された他の機構を有して、おむつ10の本体構造を形成してもよい。トップシート18、バックシート20、及び吸収性コア14を様々な既知の構成で組み立ててもよいが、好適なおむつの構成は、概して、Roeらに付与された1996年9月10日発行の米国特許第5,554,145号「Absorbent Article With Multiple Zone Structural Elastic−Like Film Web Extensible Waist Feature」、Buellらに付与された1996年10月29日発行の米国特許第5,569,234号「Disposable Pull−On Pant」、及びRoblesらに付与された1999年12月21日発行の米国特許第6,004,306号「Absorbent Article With Multi−Directional Extensible Side Panels」に記載されている。
【0033】
トップシート18は、完全に又は部分的に伸縮性であってもよく、及び/又はトップシート18と吸収性コア14との間に隙間を形成するように縮小させてもよい。伸縮性の又は縮小させたトップシートを含む代表的な構造は、Allenらに付与された1991年8月6日発行の米国特許第5,037,416号「Disposable Absorbent Article Having Elastically Extensible Top sheet」、及びFreelandらに付与された1993年12月14日発行の同第5,269,775号「Trisection Top sheets for Disposable Absorbent Articles and Disposable Absorbent Articles Having Such Trisection Top sheets」に更に詳細に記載されている。
【0034】
バックシート20は、トップシート18に接合されてもよい。バックシート20は、吸収性コア14によって吸収され、おむつ10内に封じ込められる排出物が、ベッドシーツ及び衣服といったおむつ10に接触し得る他の外部物品を汚すのを防ぐ役目を果たしてもよい。
図2Bを参照すると、バックシート20は、液体(例えば、尿)に対して実質的に不透過性であってもよく、不織布21の積層体、及び約0.012mm(0.5ミル)〜約0.051mm(2.0ミル)の厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いポリマーフィルム23で形成されてもよい。不織布21は、本明細書に記載の不織布ウェブであってもよい。好適なバックシートフィルムとしては、Terre Haute,Ind.所在のTredegar Industries Inc.の製造する、X15306、X10962、及びX10964の商品名で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材料としては、蒸気をおむつ10から逃がす一方で液体排出物がバックシート20を通過するのを依然として防止する通気性材料が挙げられる。代表的な通気性材料には、織布ウェブ、不織布ウェブなどの材料、フィルムコートされた不織布ウェブなどの複合材料、並びに日本のMitsui Toatsu Co.よりESPOIRの表記で、及びBay City,Texas所在のEXXON Chemical Co.よりEXXAIREの表記で製造されるものなどの微多孔性フィルムが挙げられ得る。ポリマーブレンドを含む好適な通気性複合材料は、Cincinnati,Ohio所在のClopay CorporationよりHYTREL blend Pl 8−3097の名称で入手可能である。かかる通気性複合材料の他の例は、E.I.DuPontの名前で1995年6月22日に公開されたPCT出願第WO 95/16746号により詳細に記載される。不織布ウェブ及び孔あき成形フィルムなどの他の通気性バックシートについては、Dobrinらに付与された1996年11月5日発行の米国特許第5,571,096号に記載されている。
【0035】
幾つかの例では、本発明のバックシートは、WSP 70.5(08)に従って、37.8℃及び相対湿度60%で測定され、約2,000g/24h/m2を超える、約3,000g/24h/m2を超える、約5,000g/24h/m2を超える、約6,000g/24h/m2を超える、約7,000g/24h/m2を超える、約8,000g/24h/m2を超える、約9,000g/24h/m2を超える、約10,000g/24h/m2を超える、約11,000g/24h/m2を超える、約12,000g/24h/m2を超える、約15,000g/24h/m2を超える、水蒸気透過率(WVTR)を有してもよい。
【0036】
本発明に有用である好適な不織布ウェブ材料として、当該技術分野において既知であるような、ポリマー繊維の一部又は全体で形成される、スパンボンド、メルトブローン、スパンメルト、溶媒紡糸、電界紡糸、カーディング、フィルムフィブリル化、メルトフィルムフィブリル化、エアレイド、乾式、湿式短繊維、及びその他不織布ウェブ材料が挙げられるが、これらに限定されない。好適な不織布ウェブ材料は、スパンボンド、メルトブロー及び更にスパンボンドされた階層若しくは層、又はSMMS若しくはSSMMS等のスパンボンド及びメルトブローされた層の任意のその他の組み合わせを含むSMS材料であってもよい。例としては、1ミクロン(ナノファイバー及びナノファイバー層)より小さい直径を有する繊維の1つ以上の層が挙げられ、これらの例は、SMS、SMNS、SSMNS、又はSMNMS不織布ウェブ(「N」がナノファイバー層を表す)の組み合わせに基づく。幾つかの例では、永久的な親水性を有する不織布、特に耐久的な親水性のコーティングを備えた不織布が望ましい場合がある。典型的には、好適な不織布は空気透過性である。典型的には、好適な不織布は水又は液体透過性であるが、繊維寸法及び密度、並びに繊維の疎水性故に水不透過性であってもよい。下記のように、繊維を親水性にする処置によって、水又は液体透過性を高めることができる。
【0037】
不織布ウェブは、主にポリマー繊維から形成され得る。幾つかの例では、好適な不織布繊維材料として、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、又は具体的にはポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及び/又はこれらのブレンドなどのポリマー材料が挙げられ得るが、これらに限定されない。不織布繊維は、添加物又は変性剤として、脂肪族ポリエステル、熱可塑性多糖類、又はその他バイオポリマー(生体系又は再生可能ポリマー)などの成分で形成されてもよく、又は含んでもよい。
【0038】
個々の繊維は、単成分又は多成分であってもよい。多成分繊維は、芯鞘型又は並列型配列等の2成分であってもよい。多くの場合、個々の成分は、ポリプロピレン若しくはポリエチレン等の脂肪族ポリオレフィン、又はそれらのコポリマー、脂肪族ポリエステル、熱可塑性多糖類、又は他のバイオポリマーを含む。
【0039】
更に有用な不織布、繊維組成物、繊維及び不織布の構成、並びに関連する方法は、Cramerらに付与された米国特許第6,645,569号、Cramerらに付与された同第6,863,933号、Rohrbaughらに付与された同第7,112,621号、Cramerらによる同時係属中の米国特許出願第10/338,603号及び同第10/338,610号、Luらによる同第13/005,237号、並びにXuらによる同第13/428,404号に記載されている。
【0040】
不織布繊維の製造に用いられる一部のポリマーは、本質的に疎水性であってもよく、特定の用途では、これらを親水性にする様々な剤で表面処理、又はコーティングされてもよい。表面コーティングとして、界面活性剤コーティングが挙げられる。かかる界面活性剤コーティングの1つとして、Schill & Silacher GmbH(Boblingen,Germany)からSilastol PHP 90の商標名で入手可能である。
【0041】
耐久的な親水性コーティングを有する不織布を製造するための別の方法は、同時係属中の米国特許公開第2005/0159720号に記載されているように、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布に塗布し、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。
【0042】
主に疎水性ポリマー、例えばポリオレフィン製の親水性不織布を製造するための別の方法は、押出し前の溶解物に親水性添加物を添加することである。
【0043】
耐久的な親水性コーティングを有する不織布を製造するための別の方法は、Rohrbaughらに対する同時係属出願米国特許第7,112,621号及びPCT出願公開第WO 02/064877号に記載されているように、親水性のナノ粒子を用いて不織布をコーティングすることである。
【0044】
典型的には、ナノ粒子は、750ナノメータ未満の最大寸法を有する。2〜750ナノメータの範囲の寸法を有するナノ粒子が経済的に製造され得る。ナノ粒子の利点は、その多くが水溶液中で容易に分散して、不織布上にコーティングを適用可能であり、典型的には透明なコーティングを形成し、また、水溶液から塗布されたコーティングは、典型的には水への曝露に対して十分に耐久性があることである。ナノ粒子は、有機又は無機、合成又は天然であってもよい。無機ナノ粒子は、一般に、酸化物、ケイ酸塩、及び/又は炭酸塩として存在する。好適なナノ粒子の典型例は、層状粘土鉱物(例えば、Southern Clay Products,Inc.(USA)からのLAPONITE(商標)、及びベーマイトアルミナ(例えば、North American Sasol.Inc.製のDisperal P2(商標))である。一つの例に従って、好適なナノ粒子でコーティングされた不織布は、Ponomarenko及びSchmidtによる「Disposable absorbent article comprising a durable hydrophilic core wrap」と題された同時係属第10/758,066号に開示されたものである。
【0045】
場合によっては、不織布ウェブ表面は、ナノ粒子コーティングを適用する前に、高エネルギー処置(コロナ、プラズマ)で前処理され得る。高エネルギーの前処理は、典型的には低表面エネルギー表面(PPなど)の表面エネルギーを一時的に増大させ、その結果、水中のナノ粒子の分散による不織布のより良好な濡れを可能にする。
【0046】
特に、親水性不織布は、吸収性物品の他の部分にも有用である。例えば、上記に述べたような永久的な親水性を有する不織布を含んだトップシート及び吸収性コア層は、順調に機能することが判明した。
【0047】
また、不織布は、他の種類の表面コーティングを含んでもよい。一例では、表面コーティングには、表面摩擦を低減し触覚的潤滑性を高める繊維表面変性剤が含まれ得る。好ましい繊維表面変性剤は、米国特許第6,632,385号及び同第6,803,103号、並びに米国特許出願公開第2006/0057921号に記載されている。
【0048】
一例によると、不織布は、外部圧力が印加され除去されるときに良好な回復をもたらす材料を含んでもよい。更に、一例によると、不織布は、例えば上述のポリマー繊維の種類から選択される、異なる繊維のブレンドを含んでもよい。幾つかの実施形態では、繊維の少なくとも一部分は、螺旋形状を有するスパイラル捲縮を示してもよい。一例によると、繊維は、それぞれが異なる材料、通常は第1及び第2のポリマー材料を含む個別の繊維である、2成分繊維を含んでもよい。並列型2成分繊維の使用は、繊維にスパイラル捲縮を付与するのに有益であると考えられる。
【0049】
吸収性物品の柔らかさの知覚を高めるために、バックシートを形成する不織布は、水力改良又は水力拡張されてもよい。水力改良/水力拡張された不織布は、米国特許第6,632,385号及び同第6,803,103号、並びに米国特許出願公開第2006/0057921号に記載されている。
【0050】
不織布はまた、「セルフィング」メカニズムで処理されてもよい。不織布を「セルフィング」することにより、不織布基材の表面から突出する高密度のループ(>150インチ−2)が形成され得る。これらのループは、微小で柔軟なブラシとして作用するため、これらはバネ様のロフトの追加的な層をつくり、これにより柔軟性を向上することができる。セルフィング機構で処理された不織布は、米国特許出願公開第2004/0131820に記載されている。
【0051】
本明細書に記載の任意の種類の不織布は、トップシート、バックシート、外部層、バリアカフ、吸収性物品の面ファスナー式締着システムのループ要素、又は他の任意の製造された物品の一部、例えば、不織布ウェブで形成された層を含む、掃除用拭取り布及びその他の個人衛生用製品、布巾及びほこり取り布、家庭用洗浄布及び拭取り布、洗濯用袋、乾燥機用袋及びシートとして使用することができる。
【0052】
一実施形態では、吸収性物品は、米国特許第7,750,203号、同第7,744,576号、及び米国特許公開第2008/0312617A1号に記載されている、実質的にセルロースを含まない吸収性コア14を含む。好適な吸収性コアの例の断面図は、
図4〜6で概略的に示されている。一実施形態では、吸収性コア14は、材料281、282の第1及び第2の層と、第1の層281と第2の層282との間に配置された吸収材料283と、を含む。一実施形態では、材料の第1及び第2の層は、不織布繊維ウェブ、織布繊維ウェブ、及び熱可塑性接着材料の層のうちの少なくとも1つから選択される繊維材料であってもよい。第1の層及び第2の層は、同一の材料から作製されてもよいが、一実施形態では、第1の層281は不織布繊維ウェブであり、第2の層282は、熱可塑性接着材料の層である。不織布繊維ウェブ281は、合成繊維、例えばPE、PET、及びPPの単構成成分繊維、多構成成分繊維、例えば並列型、芯鞘型、又は海島型繊維を含み得る。かかる合成繊維は、スパンボンドプロセス又はメルトブロープロセスを介して形成されてもよい。不織布繊維ウェブ281は、繊維の単層を含んでもよいが、それはまた、多層の繊維、例えば多層のスパンボンド繊維、多層のメルトブロー繊維、又はスパンボンドとメルトブロー繊維の(複数の)個々の層の組み合わせを有する不織布ウェブを提供することが有利であり得る。一実施形態では、不織布ウェブ281は、ウェブの繊維の表面エネルギーを増加させる剤(例えば、界面活性剤)で処理されてもよい。かかる剤は、不織布ウェブを尿などの液体に対して、より透過性にする。他の実施形態では、不織布ウェブは、不織布ウェブの繊維の表面エネルギーを低下させる剤(例えば、シリコーン)で処理されてもよい。かかる剤は、不織布ウェブを尿などの液体に対して、透過性を小さくする。
【0053】
第1の層281は、第1の表面2811及び第2の表面2812を含み、第1の表面の少なくとも領域2813は、有意な量の吸収性材料283に直接面する関係にある。一実施形態では、吸収性材料は、第1の層281上の領域2813を形成するためのパターンにおいて、第1の表面2811上に堆積され、これは有意な量の吸収性高分子材料283と、ほんのわずかな量の吸収性材料とのみ面する関係である第1のウェブ上の領域2814と、直面する関係である。「有意な量の吸収性材料に直接面する関係」によって、一部の吸収性材料は、少なくとも100g/m
2、少なくとも250g/m
2、又は更には少なくとも500g/m
2の坪量で領域2813の上面に堆積されるということを意味する。パターンは、すべてが同一の形状及び寸法(すなわち、突出表面積及び/又は高さ)を有する領域を含んでよい。代替としては、パターンは、領域の勾配を形成するために異なる形状又は寸法を有する領域を含んでもよい。
【0054】
一実施形態では、第2の層282は、熱可塑性接着材料の層である。「熱可塑性接着剤材料」は、本明細書で使用するとき、それから繊維が形成され、乾燥した状態及び濡れた状態の両方において吸収性材料を固定する目的で吸収性材料に塗布されるポリマー組成物であると理解される。熱可塑性接着材料の非限定例は、単一の熱可塑性ポリマー又は熱可塑性ポリマーのブレンドを含み得る。熱可塑性接着材料はまた、少なくとも1つの熱可塑性ポリマーを、粘着付与樹脂、可塑剤、及び酸化防止剤などの添加剤と組み合わせで含むホットメルト接着剤であってもよい。特定の実施形態では、熱可塑性ポリマーは、典型的には、10,000よりも大きい分子量(Mw)、及び通常、室温よりも低い、又は−6℃>Tg<16℃であるガラス転移温度を有する。特定の実施形態では、ホットメルト中のポリマーの一般的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲である。例示的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を含む(スチレン)ブロックコポリマーであり、ただしAブロックは、一般的にポリスチレンからなる非エラストマーポリマーブロックであり、Bブロックは不飽和共役ジエン又はその(部分)水素添加物である。Bブロックは典型的には、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。使用してもよい他の好適な熱可塑性ポリマーは、メタロセンポリオレフィンであり、これは、単一サイト又はメタロセン触媒を使用して調製されるポリマーである。例示的な実施形態では、粘着付与樹脂は一般的に5,000未満の分子量(Mw)、及び通常、室温よりも高いTgを有し、ホットメルト中の樹脂の一般的な濃度は約30〜約60重量%の範囲であり、可塑剤は一般的には1,000未満の低い分子量(Mw)及び室温よりも低いTgを有し、一般的な濃度は約0〜約15%である。
【0055】
熱可塑性接着材料282は、吸収性材料283内に実質的に均一に堆積されてもよい。代替としては、熱可塑性接着材料282は、吸収性材料283の上面、及び僅かな量の吸収性材料とのみ面する関係にある第1の表面2811の領域2814上に配置される繊維層として提供可能である。一実施形態では、熱可塑性接着材料は、1〜20g/m
2、1〜15g/m
2、又は更に2〜8g/m
2の量で塗布されてもよい。第1の層281上での吸収性材料の不連続な堆積は、熱可塑性材料282の繊維層に本質的な三次元構造を付与する。換言すれば、熱可塑性接着材料の層は、第1の不織布層ウェブ281上に堆積された吸収性材料283と、わずかな量の吸収性材料のみを含む領域2814から生じるトポグラフィに従う。理論に束縛されることを意図しないが、本明細書に開示される熱可塑性接着材料は、乾燥及び湿潤状態における吸収性材料の固定化を強化すると考えられる。
【0056】
一実施形態では、吸収性コア14は、不織布繊維材料284の第2の層を更に含んでもよい。この第2の層は、不織布繊維層281と同一の材料から提供されてもよく、又は代替では、異なる材料から提供されてもよい。異なる機能性を有するこれらの層を提供するために、第1の不織布繊維層281と第2の不織布繊維層284が異なっているということは有利であり得る。
【0057】
領域2813は、吸収性コアのx−y次元に任意の好適な形状を有してもよい。一実施形態では、領域2813は、第1のウェブ281の第1の表面上に広がるディスクのパターンを形成する。一実施形態では、領域2813は、吸収性コアの長手方向軸線に沿って(すなわち、y次元に沿って)連続的に延在する、長手方向の「細片」のパターンを形成する。代替の実施形態では、これらの細片は、吸収性物品の長手方向軸線に対して、10〜90度、20〜80度、30〜60度、又は更には45度の角度を形成するように配置されてもよい。
【0058】
一実施形態では、前述のとおり、有意な量の吸収性材料283と直接面する関係にある領域2843、及びわずかな量の吸収性材料とのみ面する関係にある、第1の表面2841上の領域2844のパターンを形成するために、第2の不織布層284は、第1の表面2841と、第2の表面2842と、その第1の表面2841に適用される吸収性材料283と、を有する。一実施形態では、第1のウェブ/吸収性材料/熱可塑性材料複合体との関連で前述のとおり、熱可塑性接着材料285は、第2の不織布層284の上面に更に塗布されてもよい。第2の不織布層284は次いで、第1の不織布層281の上面に適用され得る。一実施形態では、第2の不織布層284上に存在する吸収性材料のパターンは、第1の不織布層281上に存在する吸収性材料のパターンと同一であってもよい。他の実施形態では、第1及び第2の不織布層上に存在する吸収性材料のパターンは、領域の形状、領域の突出した表面積、領域上に存在する吸収性材料の量、及び領域上に存在する吸収性材料のタイプの、少なくとも1つに関して異なる。
【0059】
吸収性コア14はまた、図面に例示されていない補助接着剤を含んでもよい。吸収性材料の接着、及び対応する不織布層281、284への熱可塑性接着材料282、285の接着性を向上させるために、補助的な接着剤が、吸収性材料283の適用前に第1の不織布層281及び第2の不織布層284の少なくとも1つ、又は更には両方の上に堆積されてもよい。補助接着剤は、また、吸収性材料の固定化を補助することができ、上述したものと同一の熱可塑性接着材料を含んでもよく、又はH.B.Fuller Co.(St.Paul,MN)製品番号HL−1620−Bなどの噴霧可能なホットメルト接着剤を含むが、これに限定されない他の接着剤も含んでもよい。補助接着剤は、あらゆる好適な手段によって不織布層281、284に塗布されてもよいが、特定の実施形態によると、約0.5〜約2mm離間した幅約0.5〜約1mm幅のスロットに塗布されてもよい。好適な吸収性材料283の非限定例には、吸収性高分子材料、遠心分離保持容量試験(Edana 441.2−01)を使用して測定したときに、0.9%食塩水溶液をその重量の少なくとも5倍吸収可能な架橋された高分子材料など、吸収性高分子材料が挙げられる。一実施形態では、吸収性材料283は、乾燥した状態で流動可能なように粒子状形態である吸収性高分子材料である。
【0060】
本発明は、整合する可視要素を有する複数の不織布材料を含む吸収性物品を目的とする。具体的には、トップシート/インナーライナー及び/又はバックシート/アウターカバー、及び/又はレッグカフ材料の不織布材料の物理的パターン及び/又はグラフィックパターンを整合することは、全体的な空気の流れ及び吸収性物品の通気性の理解を高め、消費者への視覚的訴えを高めることができる。消費者が、吸収性物品のすべての要素が全体的な調和のとれた様式で協調して機能することを理解する際、整合する可視要素及びパターンは、空気及び湿度の全体的な流れをより良く暗示することができる。
【0061】
不織布材料の物理的パターン及び/又はグラフィックパターンを整合することは、介護者が、流れる物体が辿る経路又は接続が必要であると認識する際、吸収性物品の構成要素間の通気性及び空気の流れの理解を高める際に大きな影響を与える。不織布材料上に整合する物理的パターン及び/又はグラフィックパターンを有さない吸収性物品においては、不織布層間の空気の流れ又は通気性が認識されず、それ故、不織布材料上に物理的パターン又はグラフィックパターンがあったとしても、吸収性物品内の他の不織布材料への潜在的接続はない。物理的不織布パターン及び/又はグラフィック不織布パターンが整合するとき、空気の流れ及び調整された通気性が不織布材料間に存在するという認識がある。
【0062】
本発明の一実施形態において、吸収性物品内に存在する2つ以上の不織布材料は、(本明細書で定義されるように)整合する可視要素(100)を有し、不織布材料の表面上で反復される。整合する可視要素は、不織布材料間において全く同じ又は回転、反転、縮小、拡大、及び/又はアスペクト比が変更されてもよく、それらは、依然整合する可視要素と考えられてもよい。したがって、一実施形態において、整合する可視要素は不織布材料上で同一の大きさである。一実施形態において、整合する可視要素は不織布材料間において縮小又は拡大される。
【0063】
更に、整合する可視要素(100)は、部分的に変更されてもよく、これにより少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%の可視要素が、両方の不織布材料上で同一となり、それらは依然として整合する可視要素と考えられる。一実施形態において、整合する可視要素(100)は、両方の不織布材料上において100%同一である。複数の不織布上に存在する可視要素を有する吸収性物品の一例は、
図7に示される。
図7では、内側のトップシート、外側のバックシート、及びレッグカフ材料(パターンは示されない)は、すべて整合する可視要素(100)を有する。
【0064】
更に、整合する可視要素(100)は、反復単位セルを含んでもよく、1つのセルは、少なくとも1回不織布材料上で反復する。かかる実施形態において、反復単位セルは、不織布材料間において回転、反転、縮小、拡大、及び/又はアスペクト比が変更されてもよく、それらは依然として整合する可視要素と考えられる。
【0065】
また、整合する可視要素(100)は、不織布材料上において同一又は異なる色を有してもよく、それらは依然として整合する可視要素と考えられる。更に、可視要素(100)の背景は、可視要素(100)と同一又は異なる色を有してもよい。当業者は、色相環から整合する色を選択してもよい。
【0066】
色相環は、赤、オレンジ、黄、緑、シアンブルー、インディゴ、及びバイオレットを自然の流れの環に配列することによって作成された。色素の原色は、青、黄、及び赤であり、色相環上の三等分を表す。これらは、色の基礎的要素である。これらは、他の色に分解されることはできず、これらを生成するために他の任意の色を組み合わせることもできない。二次色は、原色を補足することによって生成される。各原色の間に2つの組み合わせから生成される濃淡があり、例えば、青及び黄は緑を生成し、黄及び赤はオレンジを生成し、赤及び青はバイオレットを生成する。三次色は、1つの二次色と1つの原色を混ぜ合わせることによって生成され(例えば、黄緑)、それぞれの原色と二次色との間にあり、補色の真向いにある。
【0067】
可視要素上又は可視要素の背景としての整合する色は、色相環の反対端からそれぞれ選択されてもよく、各色を引き立たせ、目に心地よく見えるようにしてもよい。あるいは、鎮静効果を生み出し、調和のとれた様式で互いに引き立たせるため、色相環の近傍の色から選択されてもよい。
【0068】
本発明に使用され得る可視要素(100)の非限定例は、
図8〜10に示されている。
【0069】
一実施形態では、トップシート/インナーカバーは、第1の可視要素(101)を有する第1の不織布材料を含み、バックシート/アウターカバーは、第2の可視要素(102)を有する第2の不織布材料を含み、これにより第1の可視要素(101)及び第2の可視要素(102)は、整合する可視要素となる。一実施形態では、バックシート/アウターカバーは、第2の可視要素(102)を有する第2の不織布材料を含み、レッグカフは、第3の可視要素(103)を有する第3の不織布材料を含み、これにより第2の可視要素(102)及び第3の可視要素(103)は、整合する可視要素となる。一実施形態では、トップシート/インナーカバーは、第1の可視要素(101)を有する第1の不織布材料を含み、レッグカフは、第3の可視要素(103)を有する第3の不織布材料を含み、これにより第1の可視要素(101)及び第3の可視要素(103)は、整合する可視要素となる。一実施形態では、トップシート/インナーカバーは、第1の可視要素を有する第1の不織布材料を含み、バックシート/アウターカバーは、第2の可視要素(102)を有する第2の不織布材料を含み、レッグカフは、第3の可視要素(103)を有する第3の不織布材料を含み、これにより第1の可視要素(101)、第2の可視要素(102)及び第3の可視要素(103)は、すべて整合する可視要素となる。一実施形態では、不織布材料であり得る、又はあり得ない吸収性物品の構成要素は、整合する可視要素を有する。かかる構成要素は、サイドパネル、ウエスト機構、締着装置、締着部材、ランディング領域、フィルム、積層体等を含むが、これらに限定されるものではない。
【0070】
一実施形態では、可視要素は、当該技術分野において既知の任意の好適なエンボス加工技術によって形成される。一実施形態では、可視要素は、当該技術分野において既知の任意の好適な印刷技術によって形成される。一実施形態では、可視要素は、当該技術分野において既知の任意の好適な熱結合技術によって形成される。一実施形態では、可視要素は、当該技術分野において既知の任意の好適なカレンダー結合技術によって形成される。一実施形態では、可視要素は、エンボス加工、印刷、熱結合、カレンダー結合、及びそれらの組み合わせを含むがそれらに限定されない少なくとも2つの技術によって形成される。一実施形態では、可視要素は、吸収性物品の1つの構成要素上の1つの技術及び吸収性物品の他の構成要素上の異なる技術によって形成される。
【0071】
本明細書に開示した寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0072】
「発明を実施するための形態」で引用するすべての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0073】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。