(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項2に記載の方法において、前記健康リスクモデルを取り出すステップが、前記通信用ネイティブアプリケーションの使用ログと前記患者からの第1の調査応答を用いて前記健康リスクモデルを更新するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記患者についての医学的症状の変化のリスクを予測するステップが、特定の疾病に関連する症状について重篤度が高い症状のリスクを予測するステップを具え、前記ケアプロバイダに通知を送るステップが、前記特定の疾病に特異のスレッシュホールドリスクを超える前記患者についての医学的症状の変化のリスクに応じて、前記ケアプロバイダに通知を送るステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法が更に、前記患者についての医学的症状における変化のリスクに基づいて前記携帯電話機に挙動変化の提言を送信するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記通信用ネイティブアプリケーションの使用ログにアクセスするステップが、所定の時間内の前記携帯電話機からの電話発信とテキスト通信の頻度と期間の定量的評価を作成するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項6に記載の方法において、前記通信用ネイティブアプリケーションの使用ログにアクセスするステップが更に、発信した音声通信の前記頻度の重み付指数、前記期間、タイミング、及びコンタクト先の多様性と、電話アプリケーションにおける受信した音声通信の頻度、期間、及びタイミング、を作成するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法が更に、第2の患者による第2の携帯電話機で実行する通信用ネイティブアプリケーションの第2の使用ログにアクセスするステップと、前記通信用ネイティブアプリケーションの第2の使用ログと健康リスクモデルに基づいて前記第2の患者の医学的症状の変化の第2のリスクを予測するステップとを具え、前記ケアプロバイダに通知を送るステップが、前記患者についての医学的症状における変化のリスクと、前記第2の患者についての医学的症状における変化の第2のリスクとに応じて、記録した患者のトリアージリストを前記ケアプロバイダに送るステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記通知を前記ケアプロバイダに送るステップが、前記患者を伴う受診をスケジュールするように医療サービスプロバイダに指示を送るステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記健康リスクモデルを取り出すステップが、病気の進行と前記サブグループ内の患者の通信挙動との間の相関を規定する健康リスクモデルを取り出すステップを具え、前記患者の医学的症状における変化のリスクを予測するステップが、前記サブグループ内の前記病気の進行に更に基づいて前記患者の病気の医学的診断を予測するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項10に記載の方法において、前記ケアプロバイダへ通知を送るステップが、前記サブグループ内の治療効果に基づいて前記病気の治療を選択するステップと、当該治療を前記ケアプロバイダにアクセス可能な患者の健康記録に挿入するステップと、を具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記患者の医学的症状における変化のリスクを予測するステップが、所定の時間を超える前記患者の通信挙動における変化であって、同様の所定の時間を超える前記サブグループ内の患者による通信挙動の変化に似ている変化を認識するステップと、前記所定の時間を超える患者の通信挙動における変化に基づいて前記患者の健康状態の下降を予測するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項12に記載の方法において、前記所定の時間を超える患者の通信挙動における変化を認識するステップが、前記患者の生活と仕事のバランスを表すスコアにおける変化を認識するステップを具え、前記患者の健康状態の下降を予測するステップが、前記スコアにおける変化を前記健康リスクモデルに基づく健康状態の下降と相関させるステップを具えることを特徴とする方法。
請求項12に記載の方法において、前記所定の時間を超える患者の通信挙動における変化を認識するステップが、前記所定の時間を超える患者のモバイル使用における変化を認識するステップを具え、前記患者の健康状態の下降を予測するステップが、前記患者によるモバイル使用における変化を、前記健康リスクモデルに基づく健康状態の下降と相関させるステップを具えることを特徴とする方法。
請求項14に記載の方法において、前記所定の時間を超える患者のモバイル使用における変化を認識するステップが、前記所定の時間を超える患者の活動、多動、不動の変化を認識するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項1に記載の方法において、前記患者の医学的症状における変化のリスクを予測するステップが、前記患者の医学的症状における変化の予測したリスクレベルに対応する定量的リスクスコアを作成するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項18に記載の方法において、前記サブグループについての健康リスクモデルを作成するステップが、通信挙動における変化と特定期間内の入院のリスクとの間の相関を規定する健康リスクモデルを作成するステップを具え、前記次の患者についての医学的症状における変化のリスクを予測するステップが、前記特定期間内の前記次の患者についての入院のリスクを予測するステップを具え、前記ケアプロバイダに通知を送るステップが、前記特定期間内の前記次の患者による入院のリスクを、前記次の患者に関連する病院に送るステップを具えることを特徴とする方法。
請求項17に記載の方法において、前記サブグループ内の患者によって提出された調査から前記サブグループ内の患者の医学的症状の特徴を抽出するステップが、前記サブグループ内の患者サブセットによって提出された調査から当該患者サブセットの医学的症状の特徴を抽出するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項17に記載の方法において、前記サブグループ内の患者について、患者の通信挙動を特徴づけるステップが、前記患者による通信挙動の変化を検出するステップを具え、前記サブグループ内の患者の医学的症状の特徴を抽出するステップが、前記サブグループ内の患者の症状の重篤度における変化を検出するステップを具え、前記サブグループ内の患者の通信挙動と前記サブグループ内の患者の医学的症状の特徴との間の関係を認識するステップが、前記サブグループ内の患者についての通信挙動の変化と症状の重篤度の変化との関係を認識するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項22に記載の方法が更に、通信用ネイティブアプリケーションの使用ログとに関連する時間に対応する調査応答を患者から受信するステップと、前記時間内に前記患者による治療計画への順守の定量的測定を前記調査応答から抽出するステップとを具え、前記患者の母集団のサブグループを選択するステップが、更に、前記サブグループ内の患者の治療計画への順守と同様の前記患者による治療計画への順守の定量的測定に基づいて、前記患者の母集団のサブグループを選択するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項23に記載の方法において、前記治療計画順守モデルを取り出すステップが、前記通信用ネイティブアプリケーションの使用ログと前記患者の調査応答を用いて前記治療計画順守モデルを更新するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項23に記載の方法において、前記治療に関連する通知を表示するステップが、前記モバイルコンピュータデバイスへヘルスケアプロバイダからのカスタム通知を送信するステップと、当該カスタム通知を前記モバイルコンピュータデバイスのディスプレイ上に表示するステップとを具えることを特徴とする方法。
請求項23に記載の方法において、前記通信用ネイティブアプリケーションの使用ログにアクセスするステップが、所定の時間内における前記モバイルコンピュータデバイスからの発信電話とテキスト通信の頻度及び期間の定量的評価を作成するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項27に記載の方法が更に、次の患者によって対応するモバイルコンピュータデバイスで実行する通信用ネイティブアプリケーションの使用に基づいて前記次の患者の通信挙動を特徴づけるステップと、前記次の患者の通信挙動に基づいて前記次の患者を前記サブグループに関連させるステップと、前記次の患者に対する治療計画を処方するステップと、を具えることを特徴とする方法。
請求項27に記載の方法において、前記患者のサブグループを選択するステップが、前記母集団中の患者セットを選択するステップであって、前記患者セット内の患者に対する治療計画の開始前及び治療計画の管理中に、前記患者セット内の同様の患者の通信挙動に基づいて、前記患者セットを選択するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項29に記載の方法において、前記治療計画の効果を推定するステップが、前記サブグループ内の患者について、前記患者による治療計画の開始前から、前記患者への治療計画の管理中まで前記患者による通信用ネイティブアプリケーションの使用の増加を認識するステップと、前記患者による対応する通信用ネイティブアプリケーションの使用の増加を、前記患者の改善された健康ステータスと相関させるステップと、前記患者の健康状態を治療するにあたり前記患者の改善された健康ステータスを前記治療の効果と関連させるステップと、を具えることを特徴とする方法。
請求項27に記載の方法が更に、前記所定の時間を通しての前記サブグループ内の患者の、前記治療計画への順守、通信挙動、及び調査応答に基づいて、前記サブグループについての治療計画順守モデルを作成するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項27に記載の方法において、前記治療計画の効果を推定するステップが、前記サブグループ内の患者に対して物理的ハンディキャップを治療する物理セラピィ計画の効果を推定するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項27に記載の方法において、前記治療計画の効果を推定するステップが、前記サブグループ内の患者に対して精神的疾患を治療する薬剤セラピィ計画の効果を推定するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項27に記載の方法において、前記治療計画報告を作成するステップが、前記患者への治療計画を管理する間の前記サブグループ内の患者の健康状態の下降リスクを予測するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項35に記載の方法が更に、前記予測した治療計画結果を、前記次の患者に関連するデジタル健康プロファイルにおいて特定されたケアプロバイダに送るステップを具えることを特徴とする方法。
請求項36に記載の方法が更に、前記次の患者についてのカスタム治療計画を作成するステップであって、当該カスタム治療の処方が前記予測した治療計画結果に基づく薬剤投与量を規定しているステップを具え、前記予測した治療計画結果を、前記ケアプロバイダに送るステップが、前記ケアプロバイダに前記カスタム治療計画を送るステップを具えることを特徴とする方法。
請求項35に記載の方法において、前記次の患者の電話通信挙動を特徴づけるステップが、前記対応する携帯電話機で実行する電話アプリケーションからの発信ボイス通信の使用ログにアクセスするステップを具えることを特徴とする方法。
請求項35に記載の方法において、前記サブグループ内の患者の電話通信挙動を特徴づけるステップが、ボイス通信の頻度、期間、タイミング、及びコンタクト多様性と、前記サブグループ内の患者に対応する携帯電話機で実行する電話アプリケーション内の受信したボイス通信の頻度、期間、及びタイミングを特徴づけるステップを具え、前記サブグループについての治療計画モデルを作成するステップが、前記治療計画の管理中の電話通信挙動におけるパターンを認識するステップと、前記電話通信挙動におけるパターンを前記サブグループ内の患者についての治療応答に相関させるステップと、を具えることを特徴とする方法。
請求項35に記載の方法において、前記患者の母集団を選択するステップが、前記健康状態でタグを付けた匿名の患者プロファイルにアクセスするステップを具えることを特徴とする方法。
請求項35に記載の方法において、前記サブグループ内の患者が終えた調査から治療応答を抽出するステップが、前記サブグループ内の患者に対応する携帯電話機からアップロードされ、対応する患者プロファイルと関連して記録した匿名の調査応答を分析するステップを具えることを特徴とする方法。
請求項35に記載の方法において、前記予測した治療計画結果を作成するステップが前記治療計画モデルに基づいて前記次の患者についての健康状態再発リスクを予測するステップを具えることを特徴とする方法。
【図面の簡単な説明】
【0002】
【
図1A】
図1Aは、本発明の第1の方法を示すフローチャートである。
【
図1B】
図1Bは、第1の方法の変形例を示すフローチャートである。
【
図1C】
図1Cは、第1の方法の変形例を示すフローチャートである。
【
図1D】
図1Dは、第1の方法の変形例を示すフローチャートである。
【
図2A】
図2Aは、本発明の第2の方法を示すフローチャートである。
【
図2B】
図2Bは、第2の方法の変形例を示すフローチャートである。
【
図2C】
図2Cは、第2の方法の変形例を示すフローチャートである。
【
図2D】
図2Dは、第2の方法の変形例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、第1及び第2の方法による変形例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第1及び第2の方法による変形例をグラフで示した図である。
【
図5】
図5は、第1及び第2の方法による変形例をグラフで示した図である。
【0003】
[実施例の説明]
本発明の実施例についての以下の説明は、本発明をこれらの実施例に限定することを意図するものではなく、むしろ本発明を当業者が作成し使用できるようにするものである。
【0004】
1.方法
図1Aに示すように、治療計画を通じて健康状態と関連する患者をサポートする第1の方法S100は:ブロックS110において第1の期間内に患者がモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの使用の第1のログにアクセスするステップと;ブロックS112における第1の期間に対応する患者からの第1の調査応答を受信するステップと;ブロックS114における第1の調査回答に基づいて第1の期間内の治療計画に対する患者の第1の順守を推定するステップと;ブロックS116におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第1のログを治療計画の第1の順守に関連付けるステップと;ブロックS120における第2の期間内に患者によるネィティブ通信アプリケーションの使用についての第2のログにアクセスするステップと;ブロックS122における第2の期間内の患者からの第2の調査回答を受信するステップと;ブロックS124における第2の調査回答に基づいて第2の期間内の患者による第2の順守を推定するステップと;ブロックS126におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第2のログを治療計画の第2の順守に関連付けるステップと;ブロックS130におけるネィティブ通信アプリケーションの使用の第1のログと、ネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第2のログと、第1の順守と、第2の順守とを含む患者の治療計画順守モデルを生成するステップと;ステップS140における第3の期間内の患者によるネィティブ通信アプリケーションの使用の第3のログにアクセスするステップと;ブロックS144における患者の治療計画順守モデルとネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第3のログに基づいた第3の期間内の治療計画に対する第3の順守を推定するステップと;ブロックS150におけるモバイルコンピュータデバイスを通じた第3の順守に基づく治療に関連する通知を提供するステップと;を具える。
【0005】
図1Bに示すように、第1の方法S100の一変形例は:ブロックS110におけるモバイルコンピュータデバイスで患者が実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログにアクセスするステップと;ブロックS160におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログに基づいて患者母集団のサブグループと、このサブグループに共通する通信挙動を選択するステップと;ブロックS162におけるサブグループに関連する治療計画順守モデルであって、当該サブグループ内の患者に対する治療計画順守と通信挙動との相関を規定する治療計画順守モデルを取り出すステップと;ブロックS144におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログと治療計画順守モデルに基づいて治療計画に対する患者の順守を予測するステップと;ブロックS150におけるモバイルコンピュータデバイスを通じて患者の順守に基づく治療に関連する通知を提供するステップと;を具える。
【0006】
図1Cに示すように、第1の方法の別の変形例は:ブロックS110においてモバイルコンピュータデバイスで患者が実行するネィティブ通信アプリケーションの使用のログにアクセスするステップと;ブロックS160におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログに基づいて患者母集団のサブグループと、このサブグループに共通する通信挙動を選択するステップと;ブロックS162におけるサブグループに関連する治療計画順守モデルであって、当該サブグループ内の患者に対する治療計画順守と通信挙動との相関を規定する治療計画順守モデルを取り出すステップと;ブロックS144におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログと治療計画順守モデルに基づいて治療計画に対する患者の順守を予測するステップと;ステップS112における期間に対応する患者の調査から患者の治療応答を抽出するステップと;ステップS172における治療応答と患者による治療計画への順守との比較によって患者の健康状態を治療する治療計画の効率を推定するステップと;ブロックS150におけるスレッシュホールド効率を下回る治療計画の効率に応じて患者に関連するケアプロバイダに通知を送信するステップと;を具える。
【0007】
図1Dに示すように、第1の方法の更なる変形例は:ブロックS110におけるモバイルコンピュータデバイスで患者が実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログにアクセスするステップと;ブロックS160におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログに基づいて患者母集団のサブグループと、このサブグループに共通する通信挙動を選択するステップと;ブロックS162におけるサブグループに関連する健康リスクモデルであって、サブグループ内の患者についての医学的症状の変化のリスクと通信挙動との間の相関を規定する健康リスクモデルを取り出すステップと;ブロックS172におけるネィティブ通信アプリケーションの使用に関するログと健康リスクモデルに基づいて患者の医学的症状の変化に関するリスクを予測するステップと;ブロックS150におけるスレッシュホールドリスクを上回る患者についての医学的症状の変化に関するリスクに応じて患者に関連するケアプロバイダに通知を送信するステップと;を具える。
【0008】
図2Aに示すように、第2の方法S200は:ブロックS220における患者母集団から患者のサブグループを選択するステップであって、サブグループ内の患者が同様の挙動特性を示した健康状態に関連するサブグループと選択するステップと;ブロックS230において対応するモバイルコンピュータデバイスを通じて患者が入力した調査応答に基づいてある期間のサブグループ内の患者について、予め記載された治療計画に対する患者の順守を推定するステップと;ブロックS240においてサブグループ内のある患者についてその期間に患者が対応するモバイルコンピュータデバイスで実行しているネィティブ通信アプリケーションの使用に基づく患者の通信挙動を特徴づけるステップと;ブロックS250において、サブグループ内の患者について患者の通信挙動を患者の健康状態に相関させるステップと;ブロックS260において、サブグループ内の患者の処方した治療計画への順守と患者の健康状態に基づいて、サブグループ内の患者についての健康状態を治療する治療計画の効率を推測するステップと;ブロックS270において治療計画の効率に基づいてサブグループに特定の治療計画報告を作成するステップと;を具える。
【0009】
図2Bに示すように、この方法の一変形例は:ブロックS210における健康状態についての治療計画を処方した患者母集団を選択するステップと;ブロックS240における母集団内のある患者について、治療計画の開始前で患者への治療計画の管理を行う間に患者による対応するモバイルコンピュータデバイスを実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づく患者の通信挙動を特徴づけるステップと;ブロックS220においける治療計画開始前の同様の通信挙動に基づいて患者母集団から患者のサブグループを選択するステップと;ブロックS230における治療計画の管理を行う間サブグループ内の患者によって完了する調査から治療応答を抽出するステップと;ブロックS280におけるサブグループ用の治療計画モデルを生成するステップであって、その治療計画モデルがサブグループ内の患者についての通信挙動、治療応答、及び治療計画の結果を規定するものであるステップと;ブロックS242における次の患者による対応するモバイルコンピュータデバイスを実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づく次の患者の通信挙動を特徴づけるステップと;ブロックS282における次の患者の通信挙動とサブグループ内で共通する通信挙動との間の相同性に基づいて次の患者についての予測治療計画結果を生成するステップと;を具える。
【0010】
図2Cに示すように、第2の方法の別の変形例は:ブロックS220における患者母集団から健康状態に関連する患者のサブグループを選択するステップであって、このサブグループの患者が同様の挙動特性を示すステップと;ブロックS240におけるその期間患者による対応するモバイルコンピュータデバイスを実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づいて患者の通信挙動を特徴づけるステップと;ブロックS230におけるサブグループ内の患者によって提出された調査からサブグループ内の患者の医学的症状の特徴を抽出するステップと;ブロックS232におけるサブグループ内の患者の通信挙動と、サブグループ内の患者の医学的症状の特徴と、サブグループ内の患者に与えた治療計画との間の関係を認識するステップと;ブロックS280における、その関係に基づいてサブグループについての治療効率モデルを作成するステップであって、通信挙動の変化とサブグループ内の患者の医学的症状を緩和するに当たっての治療計画の効率との間の相関を規定する治療効率モデルを生成するステップと;を具える。
【0011】
図2Dに示すように、第2の方法のさらに別の変形例は:ブロックS220における患者母集団から健康状態に関連する患者のサブグループを選択するステップであって、サブグループの患者が同様の挙動特性を示しているステップと;ブロックS240においてこのサブグループ内の患者についてある期間患者による対応するモバイルコンピュータデバイスを実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づく患者の通信挙動を特徴づけるステップと;ブロックS230におけるサブグループ内の患者によって提出された調査からサブグループ内の患者の医学的症状の特徴を抽出するステップと;ブロックS232におけるサブグループ内の患者の通信挙動とサブグループ内の患者の医学的症状の特徴との間の関係を認識するステップと;ブロックS280におけるこの関係に基づいてサブグループについての健康リスクモデルを生成するステップであって、この健康リスクが通信挙動の変化と医学的症状における変化のリスクとの相関を規定するステップと;を具える。
【0012】
2.方法のアプリケーション
一般的に、第1及び第2の方法S100、S200は、患者(ユーザまたは、危険な状態にある者)に関連するモバイルコンピュータデバイスからの患者の通信データを集め、患者の通信データに基づいて患者の健康ステータスを予測するよう機能する。この方法は、次いで、予測した患者の健康状態を適用して患者に行動を低減する、及び/又は、看護師、ケアプロバイダ、家族員、薬剤師、薬理学者、保険プロデューサ、病院、又はその他の医療関係者又はネットワーク、その他に予測した患者の健康関連情報を通知する。この方法は、追加で又は代替的に、予測した患者の健康状態を実装して、電話、電子メール、健康法通知、洞察、又はその他の電子通信を介して患者に対する自動又は手動での目的の治療介入を行う。この方法はまた、患者の予測した健康ステータスを適用して、患者に治療を行うよう、治療プログラムまたは治療計画を通じた患者の進歩をモデリングするよう、患者の治療プログラムの結果を予測するよう、患者についての治療プログラムを変形又はカスタマイズするよう、患者母集団内の同様の患者群について治療計画モデル及び/又は治療計画の結果を生成するよう、患者及び/又はその他の同様の患者による自発的調査データ及び/又は自発的又は予測した治療計画順守に基づくなどして患者の症状の変化又は健康状態の変化、その他を予測あるいはモニタするようにしている。
【0013】
一例では、時間の経過につれて、この方法が患者の毎日の電話、テキストメッセージ、及び電子メールに関する、頻度、期間、期間通信、時間に関連する通信パターン、及び/又は患者に関するスマートホン(又はタブレット)で実行する一またはそれ以上のネィティブアプリケーションを介したコンタクトの多様性(例えば、電話アプリケーション、テキストメッセージアプリケーション、及び電子メールアプリケーション)を含む、データを回収する。最初に、この方法は、患者を、その健康リスク評価、症状スコア、及び/又は現在の症状の度合い(例えば患者がどのように感じているか)について調査を行い、次いで、患者の健康状態、症状スコアその他を相関させて、健康リスクモデルを生成する。例えば、この方法は、患者の挙動及び対応する健康リスクモデルとの間の相関に基づいて患者の医学的症状における変化のリスクに関する予測したレベルに対応する数値によるリスクスコアを生成できる。
【0014】
この方法は、次いで、健康リスクモデルを実装して、その患者の症状レベルを、及び/又は、患者の健康に関連する通知がコンピュータデバイスを介して患者の通信挙動に基づいて(単独で又は主に)作成されているかどうか、を予測できる。この例では、第1の方法S100が患者の通信データから患者の健康ステータスを外挿して、応答を調査し、患者の健康ステータスを患者の通信挙動と組み合わせ、健康リスクモデルを生成でき、第1の方法はその後、患者の通信データを健康リスクモデルに送ることによって患者の健康リスクの変化を予測して、続く患者の健康リスクを決定し、患者についての通知を生成することができる。
【0015】
別の例では、時間の経過につれて、この方法が患者の毎日の電話、テキストメッセージ、電子メール、及び/又は患者のモバイルコンピュータデバイスからのインバウンド及び/又はアウトバウンド通信に関連する、頻度、期間、期間通信、時間に関連する通信パターン、及び/又は患者に関するスマートホン(又はタブレット)で実行する一またはそれ以上のネィティブアプリケーションを介したコンタクトの広がり(例えば、電話アプリケーション、テキストメッセージアプリケーション、及び電子メールアプリケーション)を含むデータを回収する。この方法は、いずれかの以前のデータを集めて操作し、治療計画に対する患者の順守(例えば、患者が薬を飲んだかどうか)及び患者がどのように「感じる」か(すなわち、症状の度合い)を推定し、次いで、患者の治療順守と「感じ」を患者の通信挙動に関連付けて、治療計画順守モデルを生成する。この方法は、次いで、患者がどのように感じているか及び/又は患者が患者の治療計画をどのように続けているかを、患者のスマートホンを通じた通信挙動に基づいて予測することができる。この例では、第1の方法S100が患者の治療計画順守を調査応答から外挿し、患者の治療計画順守を患者の通信挙動に組み合わせて、治療計画順守モデルを生成し、その後、続く通信挙動を治療計画順守モデルに送ることによって患者の治療計画順守を予測し、患者に対する通知を生成する。
【0016】
同様の例では、この方法は治療ブログラム又は治療計画に先立って及び/又はその間に患者の挙動データを適用して、特定の患者の通信挙動と同様の通信挙動を示す患者のサブグループに関連する治療計画順守モデルを選択する。患者の通信挙動データを健康リスクモデルに送ることによって、この方法は、追加の患者情報(例えば、追加の調査結果)なしで、患者がどのように感じているか(すなわち、患者の症状の表示)を予測することができる。この例にあるように、この方法は、従って、調査応答と患者の通信挙動を組み合わせて、患者母集団サブグループモデルを生成し、その後、患者の次の通信挙動をこのモデルに送ることによって、患者の健康リスクを生成−それに従って通知を生成することができる。
【0017】
更なる例では、第1の方法S100が、治療プログラム又は治療計画に先立って及び/又はその間に、患者の挙動データを適用し、その患者の通信挙動と同様の通信挙動を示すサブグループに関連する治療計画順守モデルを選択することができる。次の患者の通信挙動を治療計画順守モデルに送ることによって、第1の方法S100は、特定の時間に患者がどのように感じているか(すなわち、患者の症状の表示)、及び/又は、あらかじめ決められた回数及びあらかじめ決められた投与量であらかじめ決められた薬を消費することによるなどで、追加の患者情報(例えば、追加の調査結果)なしで、患者がどのようにあるいはいつその治療計画を実行しているかを予測できる。この例にあるように、第1の方法S100のこの変形は、従って、調査応答からの患者の治療計画順守を外挿し、患者の治療計画順守を患者の通信挙動と組み合わせて、患者母集団サブグループと関連する治療計画順守モデルとを選択して、その後、続く通信挙動を治療計画順守モデルに送ることによって患者の治療計画順守を予測して、それに従って、患者に対して通知を生成することができる。
【0018】
さらに別の例では、この方法は、患者の挙動データを実装してその患者の通信挙動と同様の通信挙動を示す特定の患者サブグループに関連する健康リスクモデルを選択する。次の患者の通信挙動データを健康リスクモデルに送ることで、この方法は、特定の時間に患者がどのように感じているか(すなわち、患者の症状の表示)及び/又は患者のリスクを表示する通知をどのように、いつ、ケアプロバイダに送信するべきかを、追加の患者情報を必要とすることなく(例えば、追加の調査結果)予測できる。
【0019】
更なる例では、第1の方法S100は患者の挙動データを、治療プログラム又は治療計画に先立って及び/又はその間に適用して、その患者の通信挙動と同様の通信挙動を示すサブグループに関連する治療計画順守モデルを選択することができる。次の患者の通信挙動を治療計画順守モデルに送ることによって、第1の方法S100が特定の時間に患者がどのように感じているか(すなわち、患者の症状の表示)を予測し、及び/又は患者がどのように又はいつその治療計画を実行するかを追加の患者情報(例えば、追加の調査結果)なしで、あらかじめ決められた時間にあらかじめ決められた投与量であらかじめ決められた薬を消費するなどで、予測することができる。
【0020】
別の例では、第2の方法S200は、複数患者、すなわち認識した通信挙動による患者群から通信データを回収し、治療プログラムを介して進捗と、選択したグループの患者に対する治療プログラムの効果を予測する。患者及び/又はケアプロバイダによって手動で入力したデータを信頼するというよりむしろ、動作データ(不明確であってもよく、実質的なパワーの計算を要する必要がなく、ヘルスケアスペースについての適切な的確さが欠如していてもよい)からの患者のアクティビティ又は動作の予測を信頼して、第2の方法S200は、治療を症状の表示及び患者についての最終健康状態の出力にリンクしたモデル(例えば、薬物療養計画、物理療法プログラム)を、時間が経過した時にどのように、いつ、及び又は誰と、といった患者の通信(例えば、1日1回又は4時間ベース)に基づいて生成できる。本例では、第2の方法S200が患者母集団の通信挙動に基づいて患者母集団内の患者のサブグループを選択して、このサブグループ内の患者による自発的な調査応答に基づいてサブグループ内の治療計画順守を推定し、患者の通信挙動に基づいてサブグループ内の患者の健康ステータスを推定し、サブグループ内の患者の治療順守と通信挙動を組み合わせて、患者のサブグループに特定の治療計画の効率を推定できる。
【0021】
上述の例では、第2の方法S200が更に、このようなモデルを特定の患者に適用して、患者が治療計画にどのように応答するかを予測し、及び/又は、その患者の通信挙動とその他の患者(同様に診断された健康状態及び/又は上述の治療計画を持つ以前の又は現在の患者)の通信挙動との間の同一性及び/又は差異に基づいてその患者についての治療計画をカスタマイズすることができる。
【0022】
第1及び第2の方法S100、S200は、従って、患者に関連するモバイルコンピュータデバイスを通じて受動的に回収した、電話、テキストメッセージ、電子メール、及び/又はその他の通信データから外挿した患者の通信挙動から、個々の患者及び/又は患者群についての有意義な健康関連データを取り出すことができる。このようにして取り出した健康関連データを患者のモバイルコンピュータデバイスに実装して、ケアプロバイダによって患者の医学的症状が進むリスク又は健康ステータスの変化のリスクを予測する、医師によって患者の進歩をモニタする又は処方を変更する、看護師によって患者へのマニュアルサポートを提供する必要性を認識する、及び/又は、薬剤師によって母集団内の薬剤セラピー及び薬剤応答を調べるように、治療プログラムを通して患者を個人的に案内する。例えば、第1及び第2の方法S100、S200のブロックを実装して、実験、調査研究、商業的打ち上げ、マーケッティング研究、ヘルスケアプロバイダ(例えば、医師又は医療研究所(例えばホスピタルセンター)の推奨によるものなどの患者のコミュニティの研究、を集めて、患者のケアを改良する。本例では、第1及び第2の方法S100、S200は、患者向インターフェース、看護師向インターフェース、及び/又は、薬剤師向インターフェース、その他とインターフェースを取って、患者、医師、看護師、薬剤師、及び/又は、その患者に直接的に又は間接的に関連するその他のケアプロバイダに通知及び関連するデータを送ることができる。別の例では、第1及び第2の方法S100、S200を特定の患者に関連するコンピュータデバイスに、パーソナル健康追跡ツールとして実装することができる。
【0023】
一実装例では、第1及び第2の方法S100、S200が患者のモバイルコンピュータデバイス(例えば、スマートホン、タブレット、パーソナルデータアシスタント(PDA)、パーソナルミュージックプレーヤ、車両、その他)で実行しているネィティブデータ回収アプリケーションとインターフェースを取り、患者の通信データを取り出すようにしている。例えば、ネィティブデータ回収アプリケーションは患者のモバイルコンピュータデバイスにインストールして、そのモバイルコンピュータデバイスを使用しながら及び/又は「ON」にしたままで、患者のモバイルコンピュータデバイスからの各インバウンド及びアウトバウンド通信の記録時間、期間、コンタクトタイプ(例えば、家族、友人、同僚、仕事関係者)をほぼ連続的に実行できる。このモバイルコンピュータデバイスは、次いで、このデータを遠隔データベースへ、リアルタイムで、1時間ごとに、1日の終わりに、その他といったときに、インターネット接続を介してアップロードして、コンピュータネットワーク(例えば、クラウド)に実装した第1及び/又は第2の方法で患者の通信データをこの遠隔データベースから取り出して、患者の通信データを分析し、患者の症状及び/又は治療順守を予測し、患者への通知を生成することができ、患者のモバイルコンピュータデバイスは、その患者への通知、自働的に操作でき、ネィティブデータ回収アプリケーション又はそのモバイルコンピュータデバイスで実行している代替の患者向ネィティブデータ回収アプリケーションによるバックグラウンドにある動きをダウンロードして表示することができる。コンピュータネットワークは、追加でまたは代替的に、患者の治療計画順守モデル、患者の成果モデル、患者の挙動モデル、健康リスクモデルなどを生成し、一またはそれ以上のモデルを、医師、看護師、薬剤師、セラピスト、その他に送信できる。
【0024】
したがって、第1及び第2の方法S100、S200のブロックを、クラウドベースのコンピュータシステム(例えば、Amazon EC3)、メインフレームコンピュータシステム、グリッド−コンピュータシステム、あるいはその他の適当なコンピュータシステム、といった一またはそれ以上のコンピュータシステムに実装できる。第1及び第2の方法S100、S200は、インターネットを介して、患者のスマートホンで実行するネィティブアプリケーションから直接取った通信データ、患者のスマートホンによって回収してインターネット接続を介して遠隔データベースにアップロードしたウエアラブルセンサからのモーションデータなどの患者データを回収できる。第1及び第2の方法S100、S200のブロックにおける患者データの回収、操作及び送信は、更に、患者データのプライバシーを守る、又は匿名化し、暗号化して送信するあるいは患者、及び/又は医師、看護師、薬剤師、調査師、患者に関連するその他へのプライベート通知(患者の治療順守に関連する)にするなどで、健康関連のプライバシー法を順守する。
【0025】
上述の実装例のように、患者がこのようなネィティブデータ回収アプリケーションを通じてパーソナル通信データの回収及び送信をインストール及び/又は同意した場合、ネィティブデータ回収アプリケーションは、患者にプロファイルとアカウントの作成を促進することができる。アカウントは、患者のモバイルコンピュータデバイスにローカルで、及び/又はコンピュータネットワークに遠隔で保存して、名前、年齢、性別、位置、職業、健康状態のリスト、現在の健康関連治療及び投薬リスト、医療歴、主治医(名前、オフィス、コンタクト情報、その他を含む)、健康保険情報、処方専用保険プラン、ローカル薬局情報、又はその他の総合及び/又は健康関連情報を含んでいる。これらの情報のいずれも患者、家族、医師、看護師、あるいはその他の患者に関連する者によって加えることができ、及び/又は、医療、保険、ソーシャルネットワーク、あるいはその他の関連するデータベースから取り出すことができる。第1及び第2の方法S100、S200のブロックはまた、症状の提示、患者の治療順守の推定、及び/又は患者の予測した治療計画結果といった追加の患者情報とともに、患者のアカウントを経時的に更新することができる。
【0026】
これらの方法のブロックは、健康上のアウトカム又は症状リスクと観察した患者の挙動変化との間の相関を、患者のモバイルコンピュータデバイス(例えば、モバイルホン、スマートホン、及び/又はタブレット、その他)から受動的に集めたデータに基づいて、実質的に、患者、医師、看護師、薬剤師、その他からの手動データ入力なしで、定性化及び/又は定量化するよう機能する。これらの方法のブロックは同様に、患者の健康ステータスと患者のモバイルコンピュータデバイスから集めた観察した患者の挙動との間の相関を定量化して、更に、自己報告患者データ(すなわち、調査応答)を伴う受動的挙動データコレクションを組み合わせて、健康関連モデル、外挿した健康関連通知トリガ、患者の推測、患者の症状リスク予測、その他の品質を、個々の患者に対して及び/又は患者のサブグループに対して強化することができる。特に、第1及び第2の方法S100、S200は、健康上のアウトカムと、通信関連挙動の変化(例えば、所定の期間における電話、テキストメッセージ、電子メールの頻度)の間の関係を認識できる。この変化は、治療の投与前から及び/又は患者の治療投与後の患者の通信挙動における変化などである。
【0027】
第1及び第2の方法S100、S200は、また、健康上のアウトカムと患者のアクティビティデータ(すなわち、対応するモバイルデバイス又はウエアラブルセンサからの加速度計とジャイロスコープデータ)、局所環境データ、患者の位置データ、患者の調査データ、その他、との相関を認識できる。第1及び第2の方法S100、S200は、次いで、認識した(通信)挙動変化と患者の健康又は所定期間にわたるクオリティオブライフの変化との間の関係を実装して、患者の健康リスクの変化、自働又は手動の介入(例えば自動通知)のトリガ又はターゲット化を行い、治療計画を通して患者を補助し、症状の再発を予測し、患者の再入院のリスクを推測することができる。この方法は、同様に、上述した関係を実装して、患者母集団内の同様の患者のカテゴリィ、クラスタ、又はサブグループを認識し、治療計画、特定の患者クラスタについての患者の健康リスクモデルを変更又はカスタマイズし、カスタマイズした又はサブグループに特定の治療計画を続いて患者に説明し、患者トリアージでケアプロバイダを補助し、ヘルスケアの利用を支持又は調整を正当化し、患者母集団内及び/又はこれにかかる健康上のアウトカム(例えば、投与/再投与レートと健康ケアの利用)を比較することができる。このように、これらの方法は、特定の患者について及び/又は患者母集団のサブグループ内の患者についての健康上のアウトカムを改善し、ヘルスケアの使用を改善できる。
【0028】
一般的に、第1及び第2の方法S100、S200は、治療に関連する健康上のアウトカム、その他と、患者のモバイルコンピュータデバイス(例えば、モバイルホン、スマートホン、及び/又はタブレット、その他)から受動的に集めたデータに基づく観察した挙動変化との間の相関を、実質的に、患者、医師、看護師、薬剤師、その他から手動でデータを入力することなく、定性化及び/又は定量化するよう機能する。第1及び第2の方法、S100、S200は、同様に、患者の健康ステータスと、患者のモバイルコンピュータデバイスから集めた患者データに基づく観察した患者挙動との間の相関を定性化して、受動的挙動データコレクションと自己報告患者データ(すなわち、調査)とを組み合わせて、患者及び/又は患者のサブグループについての治療計画、推定、及び治療予測の品質を強化することができる。特に、第1及び第2の方法S100、S200は、健康上のアウトカムと、個人患者について、治療の投与前から治療中及び/又は治療後までの患者の通信挙動の変化といった、通信関連挙動変化(例えば、電話、テキストメッセージ、電子メール)との間の関係を認識できる。これらの方法はまた、患者についての複合した仕事と生活のバランスにおける変化を、患者のトータル通信時間、1日の内のトータルの患者が起きている時間、あるいは井出過ごした時間に対する、患者が仕事関連の電話に費やした時間または仕事関連の遠視メールを送信した時間、あるいは、物理的なオフィス又は仕事場における時間に基づくなどして、認識することができる。従って、これらの方法は、健康リスクモデルに基づいて患者の複合した仕事と生活のバランスにおける変化を、患者の健康ステータスの下降又は患者の健康リスクの上昇(例えば、再発又は重篤度が上がった症状)と相関させることができる。同様に、これらの方法は、電話に費やした時間とソーシャルイベントに関連する物理的位置における時間、家族との電話と仕事の電話、及び仕事場とこれらの位置間の移動にもとづいて、その患者についての複合的なクォリティオブライフのスコアを計算することができ、健康リスクモデルに基づいて複合したクォリティオブライフの変化と患者の健康ステータスの下降又は患者の健康リスクの上昇と相関させることができる。
【0029】
第1及び第2の方法S100、S200は、更に、健康上のアウトカムと、患者のモバイルコンピュータデバイスで実行するオペレーションシステム又はタスクマネージャから取り出した患者のモバイルホンの使用(すなわち、スクリーンのアンロック、モバイルアプリケーションの使用)との相関を決定して、患者の行動、多動性(例えば、患者が眠ることができず夜遅くに頻繁にアンロックする)、及び不動性の期間を測定できる。第1及び第2の方法S100、S200は、次いで、対応する健康リスクモデルに基づいて所定の時間に亘るモバイル使用挙動の変化と患者の健康又はクオリティオブライフの変化との間の認定した関係を実装できる。
【0030】
第1及び第2の方法S100、S200は、また、健康アウトカムと患者の行動データ(すなわち、モバイルコンピュータデバイス又は外付けウエアラブルセンサからの加速度計及びジャイロスコープデータ)、ローカル環境データ、患者の位置データ、患者の調査データ、その他の間の相関を決定することができる。第1及び第2の方法S100、S200は、次いで、(通信)挙動変化と一定期間にわたる患者の健康又はクォリティオブライフの変化との間の認識した関係を実装して、治療効果及び/又は治療に対する患者の応答を予測し、患者の治療計画順守(すなわち、コンプライアンス)を推定し、治療、トリガ又はターゲットの自動又は手動介入(例えば自動通知)における患者の満足度を推定して、治療を通じて患者を補助し、症状の再発を予測し、再入院のリスクを推定する。第1及び第2の方法S100、S200は、同様に、このような認識した関係を実装して、患者母集団内の同様の患者のカテゴリィ、クラスタ又はサブグループを認識し、治療計画又は特定の患者クラスタへの通知の変更またはカスタマイズを行い、次の患者へカスタマイズした又はサブグループ得意の治療計画を支持し、患者の重症度の判定でケアプロバイダを補助し、調整ヘルスケア利用をサポートし、患者の母集団内及び/又は母集団にわたって治療結果(例えば、承認/再送人率とヘルスケア利用)を比較して、特定の患者について、及び/又は患者母集団のサブグループ内の治療アウトカム、セラピーの効果、及び治療プログラムの順守、及びヘルスケア利用を改善する。
【0031】
以下の説明は、本発明を特に、治療順守をモニタする及び/又は推定する中で説明しているが、第1及び第2の方法S100、S200は、同様の機能と技術を実装して、患者のリスクを認識し治療効果を評価するようにしている。
【0032】
3.挙動データ
第1の方法S100のブロックS110は、第1の期間における、患者がモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの使用の第1ログの認識を記載している。ブロックS120とS140は、同様に、第2及び第3の期間における患者がモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの使用の第2及び第3ログの認識を記載している。一般的に、ブロックS110、S120及びS140は、上述したように、患者のモバイルコンピュータデバイスから通信関係データを、ネィティブデータ回収アプリケーション内のインテグレーションを介して、又はネィティブデータ回収アプリケーションとインターフェースを取ることによって、控えめに回収する及び/又は取り出すよう機能する。例えば、ネィティブデータ回収アプリケーションは、患者のモバイルコンピュータデバイスを、患者が一旦そのアカウントにログインしたら患者のデータを集めるバックグラウンドプロセスとして着手する。特に、ブロックS110その他は、患者のモバイルコンピュータデバイスで生成された通信データ及び/又はネィティブ通信アプリケーション利用データを回収して、どのように及びどのくらい頻繁に(すなわち、どのくらいの頻度で)患者が他の人と、電話、電子メール、簡易メッセージ、オンラインソーシャルネットワーク、その他を通じて交流し通信したかを認識する。
【0033】
一実装例では、ブロックS110その他で、送信及び/又は受信した番号、通話時間、通話開始及び/又は終了時間、通話前、通話中、及び/又は通話後の患者の位置、及び通話しなかったあるいは無視した番号及び回数を含む電話に関連するデータを回収する。ブロックS110その他では、また、送信及び/又は受信したメッセージの番号、メッセージの長さ、メッセージの入力速度、効率、及び/又は正確性、送信及び/又は受信したメッセージの時間、及びメッセージを送信及び/又は受信したときの患者の位置を含む、テキストメッセージ(例えば、SMSテストメッセージ)データも回収する。ブロックS110その他は、オンラインソーシャルネットワークシステムを通じて患者のコンタクト先に送られたパブリック及び/又はプライベートテキストメッセージや、製品のレビュー、サービス、あるいはオンラインランキング及び/又はレビューサービスを通じたビジネス、及び/又は、患者が作成して、別の者及び/又はコンピュータネットワークに通信したその他のテキストベースの通信、といったその他の通信場を通じて送られたテキストメッセージについての同じタイプのデータを回収する。
【0034】
ブロックS110、その他は、更に、通話中のその他の者との通信(例えば電話)及び/又はコンピュータネットワーク(例えば、ソーシャルネットワークメッセージ)を行う前、その間、及び/又はその後の患者の位置データを、患者のモバイルコンピュータデバイス内のGPSセンサからGPS位置を取り出す、ローカル携帯電話中継塔の三角測量を介しての患者のモバイルコンピュータデバイスの位置の推定、又は、地球位置ローカルWi−Fiホットスポットを特定するなどによって、回収することができる。ブロックS110、その他は、このデータを適用して、患者の移動、患者が一人でいる期間、患者の仕事生活(例えば、特定の位置で過ごした時間に基づくバランス)、その他といった、患者の挙動特性を追跡することができる。ブロックS110、その他は、また、電話を介して、及び/又は、コンピュータネットワーク(例えば、ソーシャルネットワークメッセージ)を通じて、といった別の者との通信を行う前、その間、及び/又は、その後の患者の位置データを回収して、患者の位置を患者の通信(又はその他の)データと合わせることもできる。ブロックS110、その他は、従って、通信を行っている間の患者の移動を追跡できる。ブロックS110、その他は、追加で又は代替的に、第1の期間中その他の間に、患者とコンタクトのあった者に関するデータを回収することができる。このデータは、電話中のその者の位置、電話番号、患者とのコンタクト期間及び/又はタイプ、患者によって特定されるあるいは以前の患者の通信からわかる、患者又は患者のコンタクトグループとの関係(例えば、トップコンタクト、配偶者、家族の一員、友人、同僚、仕事関係者、その他)、その他、などである。
【0035】
ブロックS110、S120、その他は、更に、モバイルコンピュータデバイス上のモバイルオペレーティングシステムのログ又はタスクマネージャからの使用情報を取り出すなどにより、スクリーンアンロックやモバイルアプリケーションの使用などのモバイル使用データを捕捉することができる。この方法のブロックは、従って、患者のモバイルコンピュータデバイスで自動的に回収したデータを通じて患者についての活動及び非活動のヴァリエーションと期間を追跡して、患者がそのデバイスで異常に活発であるあるいは寝ていないときの長期間を推定することができる。
【0036】
一実装例では、ブロックS110その他は、患者の身体的活動、あるいは肉体的行動に関するデータ(例えば、加速度計及びジャイロスコープデータ)、ローカル環境データ、患者の栄養又は摂食に関連するデータ、その他を、患者のモバイルコンピュータデバイス内のセンサを介して、あるいはウエアラブル又は患者のモバイルコンピュータデバイスと通信するその他の周辺デバイスを介するなどして、回収あるいは取り出すこともできる。例えば、ワイヤレス可能なスケール、血圧センサ、心拍ドジメータセンサは、患者の体重、血圧、及び血中酸素レベルを患者のモバイルコンピュータデバイスに送信することができ、ブロックS110でこのデータを患者のアカウントに加えて、患者の挙動データを更に増やすことができる。
【0037】
ブロックS110は、電話、テキストメッセージ、電子メール、ソーシャルネットワーク、及び/又はその他の患者の通信データを特定の期間連続的に集めて、その特定の期間の患者についての定性的及び/又は定量的特徴とすることができる。この特徴は、1日、1週間、1か月、1日の期間(例えば、午前、午後、夕方、夜)、1日の時間ブロック(例えば、1時間)、特定の通信動作(例えば、単純な電話、同じタイプの通信動作のセット(例えば、2時間の間の電話のセット)、ある期間内の全ての通信、その他)に特定することができる。例えば、ブロックS110は、患者のモバイルコンピュータデバイスで行われる、発するすべての声(例えば電話)による通信の、頻度、期間(すなわち、長さ)、タイミング(すなわち、開始及び/又は終了)、及びコンタクト多様性の、及び、第1の期間内に電話のアプリケーションを介した頻度、長さ、及びタイミング及び受ける声の通信の応答時間(すなわち、受けるまでの時間)の、重みづけした複合要素を作成できる。ブロックS110は、追加であるいは代替的に、モバイルコンピュータデバイスで実行するテキストメッセージアプリケーションからの受信する及び/又は送信するテキスト通信を評価できる。ブロックS110は、また、第1の期間内の、モバイルコンピュータデバイスの受信及び/又は送信する電話、及びテキスト通信の頻度、その期間、及びそれに対する応答時間を、第1の期間に相当する単一の定性的及び/又は定量的特徴として、定量的評価を生成することができる。ブロックS120及びS140は、同様の方法を実装して、第2の期間及び第3の期間について特徴を生成することができる。
【0038】
ブロックS112、S122、その他は、更に、音声通信、テキスト通信、モバイルアプリケーション活動の使用、位置データ、その他に基づいて特徴を抽出できる。これらは、合成活動スコア、合成ソーシャライゼーションスコア、仕事と生活のバランススコア、クオリティオブライフスコア、その他などの、基本データの不一致、エントロピィ、又はその他の数学的及び確率的計算に基づく。
【0039】
一例では、ブロックS110は機械学習、データマイニング、及び統計的アプローチを実装して、患者の通信データを関連する患者の通信挙動特徴(例えば、データポイント)に処理する。ブロックS110は、同様の技術を実装して、患者の動きデータ、ローカル環境データ、及びその他の自動的/受動的に回収したデータを同様に処理できる。
【0040】
第2の方法S200のブロックS240は、サブグループの患者について、ある期間中に対応するモバイルコンピュータデバイスで患者が実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づいて患者の通信挙動を特徴づけることを記載している。ブロックS240は,したがって、ブロックS110、S120、その他と同様の機能性を実装して、一またはそれ以上の患者に関連する一またはそれ以上のモバイルコンピュータデバイスで実行する一またはそれ以上の通信アプリケーションを介して発信及び/又は終了する、電話、テキストメッセージ、ソーシャルネットワーク通信、電子メール、及び/又はその他の通信から、患者の通信挙動を外挿することができる。一例では、ブロック240は、複数の患者の通信挙動を、その患者による対応するモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づいて、その患者、関連する看護師、医師、ケアプロバイダ、他に向けられた自動的な通知で特定される行動アイテムの投与開始前と、投与中の両方において、特徴づける。別の例では、ブロックS240は、複数の患者の通信挙動を、同じ治療計画の投与開始前とその治療計画の投与中の両方で、患者が対応するモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に基づいて特徴づける。
【0041】
第2の方法のブロックS242は、次の患者が対応するモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの挙動の特徴づけを記載しており、このブロックは、新しい患者(すなわち次の患者)の通信挙動を特徴づけるこのような機能を実装できる。例えば、ブロックS242は、新しい患者の通信挙動特性をブロックS282に送って、ブロックS282で、二つの通信挙動に基づいて新しい患者と患者のサブグループ間の同一性を決定し、この決定した同一性とサブグループ内の健康関連の通知の効果とから、新しい患者についての健康関連の通知を生成する。別の例では、ブロックS242が、新しい患者の通信挙動特性をブロックS282に渡して、ブロックS282で新しい患者と患者のサブグループ間の同一性をこの二つの通信挙動に基づいて決定し、この決定した同一性から、サブグループ内の治療計画の効果に基づいて新しい患者についての治療計画の効果を予測する。
【0042】
しかしながら、ブロックS110、S120、S140、S240、S242、その他は、その他の方法である時間内で患者によるネィティブ通信アプリケーションの使用を認識及び/特徴づけるよう機能してもよい。
【0043】
4.調査
第1の方法S100のブロックS112は、患者から第1の期間に対応する第1の調査応答を受信する旨を記載している。ブロックS122は、同様に、第2の期間内の患者からの第2の調査応答を受信する旨を記載している。一般的に、ブロックS112その他は、患者に、第1及び/又は第2の方法S200で実装できる追加健康関連データを自分で報告するよう指示し、患者の通信データを特定して、患者の通信に関連する治療計画順守モデルを、患者の治療計画順守及び/又は患者の症状表示に対して表示するようにする。例えば、ブロックS112は、患者のモバイルコンピュータデバイスに調査を送信し、そのモバイルコンピュータデバイスで実行しているネィティブ通信アプリケーションがその調査を開き、患者に関連するデータを入力させる。ブロックS112は、その調査が完了するとモバイルコンピュータデバイスからその調査に対する患者の応答を受信する。この例では、ブロックS170は、対応する調査から患者の治療応答を抽出するよう機能する。
【0044】
ブロックS112は、痛みの度合い(例えば、身体の位置特定ベース)、症状の表示(例えば、健康状態特定ベース)、治療計画の順守(例えば、患者がある投与量の所定の医薬を摂取したか及びいつ摂取したか)、治療後の症状の表示の変化、一般的に患者がどのように「感じる」か、治療を伴う経験及び対応する効果、ムード、睡眠の質又は覚せい状態を入力させることを含む調査を生成できる。この調査は、大鬱病性障害、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患など、診断を受けた疾病又は症状に関する情報を患者に提供させることもできる。代替的に、ブロックS112は、患者の医療記録、歴、あるいはプロファイルから関連する患者の健康データを取り出すことができる。一例では、ブロックS112は、ヘルスケアプロバイダ又は健康保険会社が主催する電子医療記録(EMR)システムから、サポートされたアプリケーションプログラマブルインターフェース(API)を介するなどして、患者の投薬記録を取り込むことができる。
【0045】
調査は、あらかじめ設定された又は患者が選択した開始時間及び/又は頻度でモバイルコンピュータデバイス上で患者に提示できる。例えば、ブロックS112は、患者に、患者が決められた薬を摂取したか及び症状の緩和においてその治療に全体的に満足しているかどうかを含む、二つの質問形式の調査を毎朝9:00に、又は各食後に記入させることができる。代替的に、調査の提示は、決められた患者の挙動又は症状の変化でトリガすることができる。一例では、ブロックS112は、過去の患者の通信挙動に基づいて期待されるよりも患者の通話時間が有意に多い又は有意に少ないなど、実際の及び予測される患者の通信挙動における格差に応じて患者に調査の提示をトリガできる。別の例では、ブロックS112は、患者の位置の検出の変化なしで(例えば、患者がその家を離れない)及び/又は患者が開始した電話の検出なしで、あらかじめ決められた時間に及び/又はある期間(例えば72時間)が始まってから、のいずれかでそのアプリケーション内で開始する板名に関する調査の送達をトリガすることができる。
【0046】
調査は、
図1Aに示すように、各々が単一回答選択を伴う複数チョイスの質問、各々が複数回答選択を伴う複数チョイスの質問、テキスト又は数字の手動入力、スライダ(例えば、ある範囲からの簡単な数字又はレベルの選択)、アイコンアニメーションの選択(例えば、いろいろな強度又は兆候を表すアイコン)、その他、といった、単一の質問と答え又はその組み合わせを具えていてもよい。例えば、調査は、患者の健康に関する質問票(PHQ9)、WHO精神的健康状態表(WH05)、あるいは一問の痛みの評価スケールについての質問を含むものでもよい。
【0047】
ブロックS112は、追加であるいは代替的に、患者に関連して、家族、ケアプロバイダ、保健機関などにおいてターゲットとなっているプロンプトを生成できる。例えば、ブロックS112は、看護師から、手動入力した患者の症状及び治療データを含む調査応答を促し回収できる。代替的に、ブロックS112は、この情報を患者の家族のパーソナルモバイルコンピュータデバイスから取り出すことができる。ブロックS112は、同様に、患者の治療に関連する薬剤師又は薬理学者に、患者の処方データを調査に直接入力させるようにできる。代替的に、ブロックS112は、このデータを関連する薬剤データベースから自動的に摂りだすことができる。更なる代替として、ブロックS112は、第3者システム、患者が使用したデバイス、又は関連するケアプロバイダから、埋め込みセンサ付のインターネット可能なピルボックスといった、患者の治療データを回収することができる。
【0048】
ブロックS112は更に、現金、ギフトカード、薬局のディスカウント、健康保険のディスカウントといったもので、患者のデータを薬剤リサーチに提供して治療計画を作成する第1及び第2の方法S200のアプリケーションなどで、調査を行う参加者を補償するよう機能できる。
【0049】
ブロックS112は、ネィティブデータ回収アプリケーションで、モバイルコンピュータデバイスと通信するコンピュータネットワーク上で、あるいはその他の適切な方法で実装することができる。ブロックS112、ブロックS122が他の方法で患者から様々な時間に対応して調査応答を回収するように機能できるが、ブロックS122、その他は、同様の技術又は機能を実装できる。
【0050】
5.データストレージ
第1及び第2の方法S100、S200は、患者のモバイルコンピュータデバイスに及び/又はコンピュータネットワーク上の遠隔データベース内に、局所的にデータを保存できる。例えば、個人的な健康関連患者データは、患者のモバイルコンピュータデバイスで、集積したあるいは取り出し可能なメモリ上にロックをかけて暗号化したファイルフォルダで一時的に保存できる。本例では、安全なインターネットコネクションが設定されれば、患者のデータを暗号化して遠隔データベースにアップロードできる。しかしながら、患者データは、その他のローカルデバイスに、あるいはその他の適切な方法で遠隔データに保存して、二つのデータ間でその他の適切な通信及び/又は暗号化プロトコルを介してその他のコネクションを通じて転送できる。
【0051】
6.治療順守
第1の方法S100のブロックS114は、第1の調査応答に基づいた第1の時間内で患者による治療計画への第1の順守の推定について記載している。第1の方法S100のブロックS124は、同様に、第1の調査応答に基づいた第2の時間内での患者の第2の治療順守の推定について記載している。更に、第2の方法S200のブロックS230は、サブグループ内の患者について、患者が対応するモバイルコンピュータデバイスを介して入力した調査応答に基づいて所定の時間予め記載された治療計画に対する患者の順守の推定について記載している。一般的に、ブロックS114、S124、S230、その他は、ブロックS112、S122、その他で回収した対応する調査応答から時間が経過した治療計画に対する患者の順守を抽出するよう機能する。例えば、調査には、薬物療法計画において特定された薬剤を摂取したかどうか、いつ、及びどのような要領で摂取したかどうか、及び/又は、患者が理学療法セッションの期間を完了したかどうかについての明確な問いが含まれており、ブロックS114は、そのプロンプトに対する患者の応答を認識し、患者の応答を対応する時間における患者に振り分けられた治療計画と比較して、患者が対応する時間に治療計画を満たしたかどうか及び/又はどの程度満たしたかを判定する。ブロックS114は、次いで、患者の治療計画への順守の度合いをブロックS116に送る。ブロックS124とブロックS230、その他は、同じ機能を実装することができる。
【0052】
第1の方法S100のブロックS116は、ネィティブ通信アプリケーションの使用の第1のログと治療計画への第1の順守との相関について記載しており、ブロックS126は同様に、ネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第1のログと治療計画への第1の順守との相関について記載しており、ブロックS126は、ネィティブ通信アプリケーションの使用の第2のログと治療計画に対する第2の順守との相関について記載している。一般的に、ブロックS116、ブロックS126、その他は、治療計画に対する患者の順守の度合いと、対応する機関の患者の通信の質及び/又は量(すなわち、通信挙動)との関係を規定している。
【0053】
一実装例では、ブロックS116は、第1の調査から患者が提供した治療順守データを特徴化し、この治療順守特徴をブロックS110からの通信挙動特徴に関連付ける。その後、患者の通信挙動が第1の期間の通信挙動に似てくると、第1の方法S100が後の患者の治療順守が第1の期間中の患者の治療挙動を模倣すると予測する。一例では、
図4に示すように、ブロックS116は第1の期間における電話アプリケーションからの第1の発信ボイス通信セットの使用のログを、患者の治療計画に対する整合性と関連付け、ブロックS126は、電話アプリケーション中の第2の発信ボイス通信セットの頻度を、患者による治療計画の不履行と関連付ける。ここで、第1の発信ボイス通信セットの使用のログは、第2の発信ボイス通信セットの頻度より大きい。
【0054】
ブロックS116は、追加で又は代替的に、治療計画及び/又は患者の通信挙動を、患者の症状の提示といった、患者の健康状態に関連付ける。一例では、ブロックS116は、第1の調査からの患者の症状レベルと、患者の通信挙動(例えば、患者がある期間にどのように、いつ、誰とコンタクトを取ったか)を伴う患者の症状の提示(例えば、患者が以下に良好と感じているか)を抽出する。本例では、ブロックS116が、患者が少ない量のテキストメッセージを多くのコンタクトタイプに送信し、長い電話による会話を限定されたコンタクト数に関連付ける間の期間が、最小の症状提示に対応することを決定し、ブロックS126は、患者が少ない量のテキストメッセージを数少ない独自のコンタクト先へ送り、短い電話による会話を単一のコンタクトに関連付ける間の期間が、高い割合での症状提示に対応することを決定する。本例では、ブロックS116も、最小症状提示を第1の期間内のある程度の治療順守(例えば、患者が治療順守に的確に従った)に関連付けることができ、ブロックS126は、更に、高い割合での治療提示を第2の期間内のより低い割合の治療順守(例えば、患者が治療をしなかった、又は、適切でない投与量を摂取した)に関連付けあることができる。
【0055】
第1の方法S100は、ブロックS110、S112、S114、S116、その他のエレメントを繰り返して、時間をかけて患者についての通信挙動−治療順守(及び健康状態)特徴セットを生成でき、これらの特徴は、ブロックS130、ブロックS160、ブロックS144、ブロックS150、ブロックS172、及び/又はブロックS180、その他に送って、更なる機能化が可能となる。
【0056】
第2の方法のブロックS250は、ある患者の通信挙動をサブグループ内の患者の健康状態への関連付けを記載しており、同様の機能を実装して患者のサブグループ内の通信挙動−治療順守(及び健康状態)特徴を生成する。例えばブロックS250は、治療計画の前、その間、及びその後といった、時間において同様の挙動を示す様々な患者からの匿名の通信データを、対応する時間における対応する患者からの調査応答と対にして、そのサブグループに特異な特徴のコレクションを出力できる。ブロックS250は、このように、この特徴のコレクションをブロックS280に送ることができる。ブロックS280は、この特徴のコレクションを実装して、母集団の通信挙動、治療順守、及び症状の提示間の傾向又はパターンを認識でき、以下に述べるように、そのサブグループについての対応する治療計画モデルを生成することができる。
【0057】
7.サブグループ
第1の方法S100のブロックS160は、ネィティブ通信アプリケーションの使用の第1ログに基づく患者母集団のサブグループの選択と、そのサブグループに共通の通信挙動について記載している。一般的に、ブロックS160は、その(現在の、新規、あるいは連続する)患者の特徴に類似する特徴を示す患者母集団内の一またはそれ以上の患者を認識するように機能し、第1の方法S100の続くブロックは、前から存在する通信挙動データ、治療順守データ、健康状態データ、その他と、このデータの対応する特徴、パターン、モデル、その他を適用して、患者の健康関連データの操作を通知及び/又は改善する。
【0058】
一実装例では、ブロックS110は、治療計画を開始する前の患者の通信挙動を特徴づけ、ブロックS160は、同様の治療計画を開始する前に同様の通信挙動を示す(示した)患者母集団内のその他の患者セットを選択する。ブロックS160は、更に、診断、処方、年齢、性別、位置、及び/又は、同様の治療プログラム開始前のその他の人口動態的行動挙動、及び/又はこれらの患者と同様のその他の要因又は変数に基づく、患者母集団を選択及び/又はフィルタにかける。ブロックS160は更に、これらの患者セットを選択し、及び/又は、患者と患者母集団中のその他の患者の間の、同様の治療中の通信挙動(及びその他の挙動又は変数)に基づいて患者の治療計画中のその他の患者セットを更新する。
【0059】
ブロックS160は、従って、ブロックS110やブロックS120から、患者と患者母集団内のその他の患者の通信挙動特性を受信して、この患者とこのサブグループに共通する通信挙動を認識する。ブロックS160は、また、治療順守データ及び/又は経口及び/又は症状データ及び/又はその患者とそのサブグループに共通する傾向に基づいて、関連する治療計画前及び/又はその間などの、患者に関連するサブグループを選択することができる。同様に、ブロックS160は、患者とサブグループ内のその他の患者に共通する治療順守と通信データ間で決定した関係に基づいて、サブグループを選択することができる。
【0060】
第2の方法のブロックS210は、健康状態で診断した患者の母集団の認識について記載しており、ブロックS220は、同様の挙動特性を示す母集団内の患者サブグループの選択について記載している。これらのブロックは、同様の機能を実装して、一又はそれ以上の診断、健康状態、症状、治療計画、通信挙動特性、治療順守特性、その他といった、共通点を持つ患者母集団中の患者サブセットを認識する。例えば、ブロックS210は、特定の診断を受けた健康状態でタグを付けた匿名の患者のプロファイルを認識するなどによって、特定の診断を受けた健康状態についての治療計画を記載した患者の母集団を認識することができ、ブロックS220は、ブロックS220で治療計画を開始する前の同様の通信挙動に基づいて患者の母集団から患者のサブグループを選択することができる。ブロックS230、S240、及びS250は、従って、そのサブグループがブロックS220で選択される前及び/又は後に、そのサブグループ内の選択された患者に関連する通信及び/又は調査データを分析及び操作する(すなわち、治療計画順守を推定する、通信挙動を特徴づける、及び患者の通信挙動と健康状態をそれぞれ相関させる)ことができる。しかしながら、ブロックS160、S210、及びS220は,ほかの方法で患者の母集団から関連する患者のサブグループを選択するよう、機能できる。
【0061】
8.挙動特徴エンジン
第1及び第2の方法S100、S200の上述したブロックの一又はそれ以上は、挙動特徴エンジン(BFE:Behavior Feature Engine)を実装して、治療計画の前、間、及び/又は後に患者のデータを操作し、次いで、患者データを効果的なモデルに操作することができる。
【0062】
BFEは、とりわけ、患者、症状、及び疾病の状態で変化する、統計データの回収−独自の変数又は「特徴」−を含む。従って、BFEで規定された特徴のサブセットを実装して、患者の所定の通信挙動及び/又は治療順守といった、患者の健康状態を予測することができる。この方法は、ブロックS110、S112、その他を介するなどして上述したデータ回収アプリケーションから患者の生データを回収し、この生データを、患者のサブグループについての遠隔サーバ上、あるいは特定の患者についてのローカルなモバイルコンピュータデバイス上などで、BFEを生成する統計的特徴に変換できる。
【0063】
特定に患者について、BFEは、様々なタイプのデータ又はモダリティ(例えば、電話、テキストメッセージ、インスタントメッセージ)の一つから個別の特徴を抽出できる。例えば、BFEは、
図1Aに示すように、特定の日にあるいは別の時間に、かけた、受けた、受け入れた、受けなかった、その他の電話の総数、及び送信した、受信した、無視した、その他のテキスト(例えば、SMSテキスト)メッセージの総数を含む患者の通信データを集めることができる。このデータから、ある期間内の総通信に対する入ってくる通信の比率を計算するなどしてBFEは患者についての相互バランス、並びに、患者がその時間に受けなかった電話の数又はテキストメッセージに基づいてその時間フレーム内の「ミスした」交流の数を計算するなどして、患者の応答特性を推定することができる。
【0064】
BFEは、また、ボイス通信アプリケーション又はテキストメッセージアプリケーションを介するなどして、患者が交流した総人数を含むその時間内での患者の交流の多様性を計算できる。BFEは、更に、特定の電話の間又は対応するトータル時間における患者の移動概算を含む、患者の通信位置データから、患者のモバイルコンピュータデバイス(例えば、スマートホン)のGPS位置データに基づく、歩き又はバイクによる推定移動距離に基づいて(自動車、電車、その他による移動距離は除く)患者の移動度を抽出できる。BFEは、次いで、所定の時間内に患者が訪問した位置に亘る虚円のおよその半径を規定する移動半径ファクタを作り、この移動半径ファクタにタグを付ける又はこれに患者の通信データを関連させることができる。
【0065】
BFEは、また、家で過ごした時間、仕事に費やした時間、家/仕事/社会の位置間での移動、特定の位置での長時間の隔離、位置情報の予測不可能性(すなわち、エントロピィ)、その他、といったその他の位置データ特徴を計算することができる。BFEは、また、スクリーンのアンロックや、アプリケーションの使用などのモバイルホンの使用を実装して、患者の活動及び非活動のバリエーションと期間を概算する特徴を計算し、患者がデバイスに非常に活発である期間を認識し、及び/又は、睡眠パターンを決定することができる。
【0066】
BFEは、更に、その他のタイプの患者データを取り扱うことができる。例えば、BFEは、
図1Bに示すように、患者のモバイルコンピュータデバイス又はウエアラブルデバイスに記録された動きセンサ(例えば、加速度計)データに基づいてある期間内に患者が取った物理的活動量を推定することができる。本例では、BFEは、特徴抽出又はパターンマッチングなどの機械学習を実装して、行動データを、ウォーキング、テニス、又は摂食といった、特定の行動に関連付けることができる。BFEは、次いで、通信データ(例えば、時間及びタイプ)を、ある行動の間、行動セットの間、又は一またはそれ以上の特定の行動を含む時間に患者が電話に費やした時間などの行動データに結び付けることができる。しかしながら、BFEは、上述したように集めたいずれかのデータなど、その他のタイプの患者データを、取り扱う、操作する、及び/又は集めることができる。
【0067】
BFEは、患者の挙動をセグメント化して、患者の挙動パターンを認識を可能にすることができる。例えば、BFEは、全一日、あらかじめ設定した時間、昼間及び夜間、平日及び週末、付、その他といった、適当な時間又は時間フレームによって患者データをセグメント化して、時間ごと、日ごと、週ごと、あるいはその他の時間に依存した挙動パターンを外挿することができる。BFEは、同様に、家、職場、その他といった患者の位置によって患者の挙動データをセグメント化して、位置に関連する患者の挙動パターンを認識することができる。
【0068】
BFE内の患者データの特徴抽出は、特定の患者についての、特質、アグリゲーション、エントロピィ、又は掲示変化のパーセンテージといった、あらかじめ決められた基準によって駆動され、BFEでこれらの特徴を時間、患者、患者のサブグループ、その他によってグループ分けすることができる。特徴は、独立した特徴として、又は挙動変化、回数の違いからの2又はそれ以上の独立した特徴の比較(又は、グループに亘る、又は、ベースラインの特徴との比較)によって生じた特徴として、保存することができる。BFEは、次いで、これらの特徴から患者又は患者サブグループについての時間に依存した挙動パターンを抽出できる。例えば、BFEは、その治療を行う前、間、及び/又は後を含む治療(例えば、薬剤治療、物理セラピィ、その他)を通じて患者の挙動における統計的に有意な変化を認識、及び測定することができる。
【0069】
BFEは、また、ベースになる患者挙動特徴の比較表示を作ることができる。例えば、BFEは、経時的に集めた患者データ、歴史的な患者挙動データ(例えば、一日の内の同じ時間、又は1週間のうちの同じ日)、エキスパートやヘルスケアの専門家が提言した、文献、過去の研究、及び/又は、患者のうちの同様の挙動患者の母集団又は患者サブグループに平均的な又は共通の挙動を示す患者サブグループに見られる、期待される又は健康な挙動、によって表示されるような患者についてのベースラインとなる(すなわち、典型的な又は正常な)一またはそれ以上の挙動に対して、特定期間の患者の挙動特徴値を比較することができるBFEは、差異、割合、パーセンテージその他の形でのこのような比較表現を出力し、区別できる特徴としてこの比較表現を取り扱うことができる。
【0070】
9.予測可能モデリングエンジン
第1及び第2の方法S100、S200のブロックS130、S280、S284は、一またはそれ以上の患者の通信及び調査データに基づくモデルの生成について記載している。一般的に、第1及び第2の方法S100、S200のブロックは、予測可能モデリングエンジン(PME)と共にBFEを実装して、患者の、患者サブグループの、及び/又は治療の、特定モデルを生成できる。
【0071】
一般的に、PMEは、治療(例えば、薬剤治療、物理セラピィ、その他)を施す前、その間、及びまたその後を含む、変化した症状を表す期間を通じて、あるいは治療全体を通じて患者の統計的に有意な変化を認識し、測定するよう機能し、それに従って、(患者の、又はサブグループレベルの)予測可能なモデルを生成し、掲示的な追加の患者データを用いてこの予測可能なモデルを養成する。PMEは、患者の挙動、症状、治療順守、及びBFEで抽出したその他の特徴の相関を認識し、大量の患者データを、一またはそれ以上の治療(すなわち、セラピィ)、患者のウエルネス、クォリティオブライフ、及び/又は患者の一般的な健康を介して、このような観察した患者データと関連する効能、患者の症状の緩和、軽減、及び/又は健康状態間のリンクを規定する予測可能なモデルに代える。
【0072】
したがって、PMEは、患者の通信データを実装して、所定の時間(例えば、1日、1週間)に亘る電話の全期間、平日と週末(又は、昼間と夜間)の電話に費やした時間の比率、患者と通信する独自のコンタクト回数、ベースライン期間にわたる所定のコンタクトとの患者の通信におけるパーセンテージの変化を含む、複数の患者に関連する特徴から患者の挙動モデルを構築できる。PMEは、また、ベースラインに関連する、特徴を、患者の治療順守、症状の表示、及び健康状態の進み具合に関連付けて、相対的な患者、又はサブグループに特異の治療モデルを生成する。
【0073】
一例では、PMEは、個人患者について、あるいは患者母集団サブグループに亘る患者について、BFEにおいて強くなった患者の症状によって特徴づけられる日および比較的正常な症状で特徴づけられる日の挙動の統計的に有意な変化を認識し測定することによって抽出した、患者の健康状態と患者の挙動特徴間の取り出したリンクを含むモデルを生成する。この例では、PMEは、患者の活動の少ないことと症状の強さとの相関関係を認識して、それに従って予測モデルを作成できる。このようなデータは、特定の患者、患者サブグループ、及び/患者母集団に適用して、いかに効率よく治療で患者をより活動的にして、正常な仕事と生活のバランスに戻すことができるかを、代替治療に比較して定量化できる。別の例では、PMEは、躁鬱患者の挙動データを分析して、患者の挙動を患者の症状に相関させる。この例では、PMEとBFEが共働して、ベースラインの患者の通信挙動を認識し、これを正常な患者の状態に関連付け、患者の活動が低く通信挙動が隔離されている期間を認識し、これを鬱エピソードに関連付け、患者の活動が多く、働いている時間が長く、社会とのかかわりの度合いが高い期間を認識して、これを躁エピソードに関連付ける。このように、PMEは、患者の挙動を正常、躁、あるいは鬱状態に関連づけた患者特定のモデルを作る。PMEは、従って、患者の活性又は挙動、仕事、仕事と生活のバランス、生産性、ストレス、及び不安、健康とウエルネス、治療成果(例えば、患者自身による報告、又は、介護士、家族、プロバイダ、雇用者による入力、など)の変化を操作して、患者の挙動と患者の健康との間の相関を認識し、挙動の変化、治療順守、症状の表示、及び/又は治療成果のパターンに基づいて、予測モデルを構築できる。
【0074】
上述したように、PMEは機械学習、データマイニング、及び/又は、統計的アプローチを実装して、患者、患者サブグループ、又は患者母集団に特定した一またはそれ以上のモデルを作成する。特に、PMEは、統計的アプローチを適用して、BFE内の下の特徴抽出をホームドクタ、看護師、薬剤師、その他からといった、臨床的洞察及びドメイン特有の直観と対にして、統計分布、相関、仮設検定を通じて基本的な患者の挙動データの理解を通知することができる。PMEは、特徴抽出アプローチを適用して、最も予測的な特徴サブセットを決定できる。例えば、PMEは、相関関係をベースにした特徴選択(CFS)、最小冗長最大関連性(mRMR)、レリーフ−R、対称不確実性、情報獲得、又はその他の統計的方法及び統計的フィッティング技術を実装して、BFEから特徴出力セットを選択することができる。PMEは、また、サポートベクターマシーン、集合学習(例えば、ブースティング、ランダムフォレスト)、ロジスティック回帰、ベイズ学習(例えば、結果変数があらかじめ決められたクラス又はカテゴリィである場合)、あるいはその他の機械学習技術を実装して、患者の挙動、症状、治療結果、その他を予測することができる。所定の場合においては、このプロセスに追加で複雑性を加えることができる。例えば、PMEは、対象となる症状が患者を研究した総日数の10%より少ない日数で患者に検出できる、うつ病である場合など、カテゴリィ又はクラス間のデータ分布が同じでない場合、費用重視の学習及びサンプリングアプローチを実装できる。
【0075】
一実装例では、PMEが回帰手法と、症状重篤性の予測といった連続値を含むモデル出力用の汎用リニアモデルを実装する。別の実装例では、PMEは、患者の健康リスク予測用といった、離散値を含むモデル出力用のサポートベクターマシーン(SVM)分類アプローチを提供する。別の実装例では、
図5に示すように、PMEは、患者の挙動に基づくクラスタを規定する、重心ベース、密度ベース、接続性ベース、及び/又は分布ベースのアプローチといった、規定されていないクラスタセットを含むモデル出力用のクラスタ技術を適用する。例えば、PMEは、互いに同じ症状又は挙動を有する患者グループを特定するモデル出力用のクラスタ技術を適用できる。PMEは、同様の技術を適用して、治療に応答しない又はより大きな患者母集団に特徴的でない副作用を示す母集団内の患者など、回収したデータにおける異常なケースに例外及び/又は例外を検出することができる。PMEは、更に、回収したデータ又は特徴に系統連合させることによって、リニアモデルをトレーニングすることができ、PMEは、期待値最大化を介して、ベイジアンネットワーク分類モデル及び/又はガウス混合分類モデルをトレーニングすることができる。
【0076】
PMEは、追加で又は代替的に、患者の母集団を用いて患者のサブグループをモデル化することができる。一実装例では、PMEは、患者のサブセット(すなわち、サブグループ)を、一またはそれ以上の挙動に対するものなど、母集団中の患者の一サブセットを持つ所定の度合いの類似性と、母集団中の患者の別のサブセットを持つ所定の度合いの非類似性と、を用いて認識することができる。例えば、特定の治療について、PMEは、治療中により活動的になる患者の第1のサブグループと、この第1のグループを除き、治療中にマークした挙動の変化が少ない患者の第2のサブグループを選択できる。この例では、PMEは、様々な介入トリガ、リマインダタイプ、通知トリガ、その他を、第1及び第2のサブグループに各々振り分けることができる。PMEは、したがって、
図5に示すように、患者母集団から受動的に回収された挙動データを適用して、その母集団内の患者に関連するクラスタを認識することができる。
【0077】
上述した通り、PMEは、上述の患者の治療順守、患者の症状表示、治療効果、治療に対する患者の応答、その他を出力するモデルを作成できる。しかしながら、PMEは、追加で又は代替的に、関連するケアプロバイダに、入院の又は再入院のリスク、差し迫った救急外来受診のリスク、慢性症状信仰のリスク、その他の内の一またはそれ以上を組み入れる又は出力するモデルを作成することができる。PMEを介して作成されたモデルは、従って、よりリスクが高い患者の早期検出、患者の入院又は症状の再発の予測、及び患者の挙動を改善又は変更するための時宜にかなった患者の介入及びメッセージ送付をサポートし、あるいは可能にできる。
【0078】
PMEはさらに、特定の患者からの新しいデータあるいは患者のサブグループからの匿名データが入手可能である時など、経時的にモデルを方向付けるあるいは更新できる。例えば、PMEは、患者からのフィードバックの受取に対して特定の患者についての以前の予測結果モデルを認証できる。代替的に、PMEは、患者を代替のサブグループに関連付けて、従って、新しい患者のフィードバックに基づいて、その患者についての代替モデルを選択する。
【0079】
10.健康リスク認識
この方法の第2の方法S200のブロックS232は、サブグループ内の患者の通信挙動間の関係と、サブグループ内の患者の医学的症状の特徴と、サブグループ内の患者に投与した治療計画の認識について記載している。第2の方法S200のブロックS280は更に、その関係に基づくサブグループについての健康リスクモデルの作成について記載しており、この健康リスクモデルは、通信挙動の変化と、医学的症状における変化のリスクとの間の相関を規定している。
【0080】
第1の方法のこの実装例では、個人患者が所定の病気であるとのあるいはそのリスクがあるとの診断を受けることができ、第1の方法のブロックは、従って、対応する患者のサブグループについて、自発的な調査結果及び/又は適応可能な健康リスクモデルに基づいて、その患者についての症状の重篤性、健康状態又は健康リスクの変化を診断できる。一般的に、第1の方法S100は、第2の方法S200で作成した健康リスクモデルを実装して、個人患者の健康リスクを予測できる。特に、第1の方法のブロックS162は、サブグループに関連する(及び、サブグループ内の患者についての、医学的症状が変化するリスクと、通信挙動との相関関係を規定する)健康リスクモデルを取り出すことができ、ブロックS172は、患者のネィティブ通信アプリケーションと健康リスクモデルの使用ログに基づいて、患者のための医学的症状における変化のリスクを、取り出すことができる。
【0081】
これらの方法のブロックは、従って、これらの方法の対応するブロック(例えば、ブロックS112、S122、など)で回収した対応する調査応答から時間を経た患者の症状重篤度あるいは健康状態を抽出できる。例えば、患者に送達した調査は、症状が起きたかどうか及びいつ起きたか及び症状表示の重篤度についての明らかな質問を含めることができ、ブロックS114は、調査に対する患者の応答を分析して、患者の症状が対応する機関に現れたかどうか及び/又はどの程度現れたかを決定することができる。ブロックS114は、症状の重篤度をS116に送る。ブロックS124、ブロックS230、その他は、同様の機能を実装して、患者の調査を送達し評価できる。
【0082】
ブロックS116(及びブロックS126、その他)は、次いで、症状の重篤度又は健康状態と、対応する所定の時間についての患者の通信の質及び/又は量(すなわち、通信挙動、一挙動、及び/又は電話の使用挙動)、との間の関係を規定することができる。ブロックS116は、次いで、この関係をブロックS172に送って、その患者及び/又は対応するサブグループのその他の患者の症状の重篤性又は健康状態を予測することができる。
【0083】
一実装例では、ブロックS116が、第1の調査から患者が提供した症状の重篤性と健康状態データを特徴づけて、この特徴をブロックS110からの通信挙動特性と関連させる。後の、患者の通信挙動が第1の期間中の通信挙動と似ている場合、第1の方法S100は後の患者の症状の重篤性と健康状態が、対応する期間中の患者の治療挙動と似ていると予測できる。一例では、ブロックS116は、第1の期間における電話のアプリケーションからの第1の出力ボイス通信セットの頻度を、患者の高い症状重篤度と関連付け、ブロックS126は、電話アプリケーション内の出力ボイス通信の第2セットの頻度を、患者の低い症状重篤度と関連付けることができ、第1の出力ボイス通信セットの頻度が、第2の出力ボイス通信セットの頻度より高い。
【0084】
ブロックS116は、追加であるいは代替的に、患者の症状の重篤度又は健康状態、及び/又は、患者の通信挙動を、再入院又は通院回数の増加、といったヘルスケアの利用の変化に関連付けることができる。一例では、ブロックS116は、第1の調査からの患者の症状重篤度(例えば、患者がどのくらい良好に感じているか)と、患者の通信挙動を伴う患者の症状提示(例えば、どのように、いつ、及び誰と、ある期間患者がコンタクトをとったか)を抽出する。この例では、ブロックS116は、患者が少量のテキストメッセージを大きなコンタクトタイプに送り、限定された数のコンタクト先との電話での長い会話と合わせる期間が、長い症状の重篤性に対応することがわかり、ブロックS126では患者が少量のテキストメッセージを少数の独自のコンタクト先に送り、短い電話での会話を一コンタクト先に合わせる期間が、症状の高い重篤度に対応することがわかる。この例では、ブロックS116は、また、症状の低い重篤度を、第1の期間中における所定量又は所定パターンのヘルスケア利用と関連させ(例えば、患者が、定期的なチェック以外のための医師を訪れなくてもよい)、ブロックS126は、症状の高い重篤度を、第2の期間中のヘルスケア利用度の増加と関連付けることができる(例えば、患者は、定期的な通院を超えて何度も医師を訪れなければならない。)
【0085】
第1の方法S100は、ブロックS110、S112、S114、S116、その他のエレメントを繰り返して、その患者について、経時的に、通信挙動−症状重篤度(及び健康状態)特徴のセットを作成することができ、これらの特徴はブロックS130、S160、S162、S144、S150、及び/又はS180,その他に送り、更なる機能を実現することができる。
【0086】
第2の方法S200のブロックS232は、サブグループ内の患者の通信挙動と、サブグループ内の患者の医学的症状の特徴と、サブグループ内の患者に与えられた治療計画との間の関係を認識することについて記載しており、同様の機能を実施することによって、患者のサブグループ内の通信挙動−症状重篤性(及び健康状態)の特徴を生成することができる。例えば、ブロックS232は、経時的に同様の挙動を示し、一方で低いあるいは高い症状の重篤性を示す様々な患者からの特定の通信データからの匿名の通信データを、対応する患者からの対応する時間における調査応答と対にして、サブグループに特異的な特徴を回収して出力できる。ブロックS232は、このように、この回収特徴をブロックS280に送ることができる。
【0087】
一実装例では、ブロックS280は、この特徴の回収を適用して、通信挙動、症状、症状の重篤度、及び母集団を超えたヘルスケア利用との間の傾向又はパターンを認識して、以下に述べるように、患者の症状重篤度あるいは、サブグループに対応する介入プランを生成してもよい。
【0088】
11.健康リスクモデル
上述したように、第1及び第2の方法S100、S200のブロックは、PMEを実装して、患者に特異的な及び/又はサブグループに特異的なモデルを作成できる。
【0089】
特に、ブロックSは、ネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第1のログ(例えば、頻度)、ネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第2のログ、第1の症状重篤度又は健康状態、及び第2の症状重篤度又は健康状態を含む健康リスクモデルの作成について記載しており、PMEを実装して、患者の通信挙動と健康リスク(例えば、症状重篤度、再発リスク、再入院のリスク、健康状態、その他)とリンクするモデルを作成することができる。例えば、ブロックS130は、BFEを実装して、通信期間の短さが一般的に、患者が高い重篤度に相関している期間にあたり、比較的高レベルの患者の行動によって特徴づけられる期間が、低い重篤度に対応することがわかる。この例では、ブロックS130は、次いで、PMEを実装して、患者に特異的な対応モデルを作成できる。ブロックS130は、ついで、このモデルをブロックS144に送り、連続する時間における連続する患者の健康リスクを、この連続する時間における患者の挙動に基づいて推定できる。特に、この例では、ブロックS144は、患者の挙動(例えば、通信挙動及び/又は活動レベル)が、その症状重篤度に関連する記録された患者の重篤度(健康リスクモデルによって規定されているような)と合致すれば、患者が症状重篤度について高リスクがあると決定できる。
【0090】
ブロックS162は、サブグループに関連する健康リスクモデルの回収について記載しており、PMEで作成された患者のサブグループに関連する、既に存在する健康リスク(又はリスク認識)モデルを、ブロックS160のサブグループの選択に基づいて、選択することができる。ブロックS144は、同様に、続く患者の挙動データを健康リスクモデルに渡すように機能して、スレッシュホールド重篤度より高い症状を提示するよう患者の続くレベルを予測する。第1の方法のこの変形例では、ブロックS172は追加で、又は代替的に、高い重篤度又は健康状態の変化あるいは病気の進行について、所定の時間にわたり、患者の通信挙動の変化に基づくなどして、短期及び/又は長期にわたる患者のリスクを予測できる。例えば、患者の総通信量が所定期間内で増え、この症状の重篤度における通信の増加が、健康リスクモデルで規定したように、症状の重篤得度の低減を示すサブグループ内の患者に共通であれば、ブロックS172は、患者が症状の重篤度に同様の低減を示すであろうことを予測できる。
【0091】
しかしながら、ブロックS130及びブロックS160は、その他の方法で機能して、症状の重篤性又は健康状態と、経時的な患者の通信挙動との関係を規定している予測モデルを作成し取り出すことができる。
【0092】
ブロックS172は、更に、患者の症状の重篤性又は健康状態における変化の比較に基づいて患者の健康状態を改善するにあたっての患者の介入(例えば、看護師のアウトリーチ、医師−患者の通信、患者のモバイルコンピュータデバイスを通じて送達された自動化健康チップ)の効果を推定できる。ブロックS172は、従って、BFE及び/又はPMEのエレメントを実装して、患者についての介入の効果を予測できる。例えば、ブロックS172は、患者の通信挙動のパターンを認識して、この通信挙動のパターンを介入効果と相関させ、次いで、この介入を(例えば、患者が入力した様々な調査応答で記録された症状の提示に基づいて)ヘルスケア利用における変化と比較することができる。この例では、患者に関連する介入が送られているが、症状の悪化又は変化なしが示されている場合、ブロックS172は、患者の病気の治療においてその介入の効果が低いと推定できる。更に、この例では、ブロックS172で、患者をすでにある健康状態データ及び/又は患者のサブグループについての健康リスクモデルと比較して、症状が悪化したにもかかわらず、患者の診断した健康状態、及び/又は同様の患者(すなわち、サブグループ内の患者)について、介入の送達が当たり前である、あるいは、期待される。ブロックS172は、従って、この介入の効果を予測できる。
【0093】
第2の方法S200のブロックS260は、サブグループ内の患者への介入の送達に基づいて、サブグループ内の患者の健康状態を改善する場合のその介入効果を推定することを記載している。一般的に、ブロックS260は、ブロックS172と同様の技術を実装し、BFE及び/又はPMEのエレメントを適用して、患者母集団内の患者サブグループについての介入結果を予測する。例えば、選択されたサブグループ内の患者について、ブロックS260は、患者への介入の前から患者への介入の送達中及び送達後に、患者によるネィティブ通信アプリケーションの使用の増加を認識できる。これは、患者の改善した健康状態を、サブグループ内の患者の健康状態を改善するときの介入の効果と相関させている。この例では、ブロックS260は、調査応答と、サブグループ内の患者の通信挙動、及びサブグループ内の患者に共通する既知の健康状態、を適用して、サブグループ内の患者の精神的な健康問題に対するサポートを提供する介護士のアウトリーチプログラムの効果を予測できる。追加で、又は代替的に、ブロックS260は、このような患者データを実装して、サブグループ内の糖尿病患者の健康に関連する挙動を改善するに当たって、健康チッププログラムの効果を推定できる。
【0094】
一実施例では、ブロックS172及びブロックS260で、患者及び患者サブグループに対する介入効果の定量的値を出力する。例えば、ブロックS172は、80%の推定介入効果を出力し、これは、5人の同様の患者の内4人が症状の重篤度又は健康状態の改良の低下を見せていることを示している。この例にあるように、ブロックS172は、更に、介入計画における統計的信頼度を示す信頼区間を出力できる。これは、
図1A及び1Cに示すように、その患者の治療効果を推定するのに使用した介入効果モデルに関連する患者サブグループのサイズに依存する、あるいは、患者の通信及び調査応答データの予測した精度及び/又は入手可能性に依存する。
【0095】
代替的に、ブロックS172とブロックS260は、介入効果の二値表示を出力する。例えば、予測した介入効果が、予測した改良率の70%を下回るなど、スレッシュホールド内にあれば、ブロックS172及び/又はブロックS260は、介入効果について負の表示を出力できる。負の予測した介入効果に応答して、ブロックS172は、ブロックS180に、別の介入プランが患者により良いであろうと提言しているケアプロバイダに自動的に通知を出すよう指示できる。過去の介入成功例に関するデータが入手できるのであれば以下に説明するように、治療計画の変更又はケアプロバイダへの現存の治療計画を変更するように又は患者の新しい治療計画を処方するようにとの指示を出す。同様に、負の予測治療効果に応じて、ブロック260は、ブロックS284に、同様の機能を実装して、患者のサブグループに対する治療のマニュアルを変更するよう又は指示を行うようにする。
【0096】
図1Cに示すように、第1の方法S100の一変形例は、ブロックS180を具えており、これは、介入計画の効果による更新した介入計画の作成について記載している。一般的に、ブロックS180は、ブロックS172で出力した介入効果予測に基づいて介入計画を変更するよう機能する。一例では、例えば、患者の症状が、関連する介入が送達されているにも関わらず改善が期待されている場合に、時間の経過に伴い悪化する場合、ブロックS180は、医師、薬剤師、その他に、代替の介入プログラムを記載するよう指示を出すことができる。
【0097】
図2Bに示すように、第2の方法S200の一変形例のブロックS284は、同様に、サブグループ内の患者の介入計画、及び、ブロックS260で記載された介入計画による現在記載されている介入計画の更新について記載している。
【0098】
ブロックS284の一実装例では、第2の方法S200は、医学的症状の診断に続いて、また、介入プログラムの投与前における患者の通信挙動を特徴づけ、この特徴づけた通信挙動を適用して、介入プログラムの投与前に同様の診断を受け通信挙動を持つ患者のサブグループを選択し、その患者の介入の予測される効果に基づいてその患者についての介入プログラムを選択する。これは、選択されたサブグループ内の実際の介入効果(及び/又は、上述したように、サブグループについての対応する介入効果モデル)によって通知される。ブロックS284は、新しい患者を現在及び/又は、以前の患者のサブグループと対にして、自動的に新しい患者に介入計画を記載するよう機能する。
【0099】
12.順守モデル
上述したように、第1及び第2の方法S100、S200のブロックは、PMEを実装して、患者に特異的な、及び/又は、サブグループに特異的なモデルを作成することができる。
【0100】
特に、ブロックS130は、ネィティブ通信アプリケーションの第1ログ、第1の順守、及び第2の順守を含む患者の計画順守モデルの作成について記載しており、PMEを実装して、患者の通信挙動と治療順守をリンクさせたモデルを作成する。例えば、ブロックS130は、BFEを実装して、短い通信時間が、通常、患者が予め記載されている治療計画からそれている期間を追従することを決定し、その期間は治療計画への適切な順守に対応する比較的高レベルな患者の活動によって特徴づけられる。この例では、ブロックS130は、次いで、PMEを実装して、患者に特異な対応するモデルを作成する。ブロックS130は、次いで、このモデルをブロックS144に送り、その後の時間における患者の挙動に基づいてその後の時間に続く患者の治療順守を推定する。特に、この例では、ブロックS144は患者の挙動(例えば、通信挙動及び/又は活動レベル)が、治療順守コンプライアンス(患者の治療順守モデルによって規定されている)に関連する実質的に記録されている患者の挙動と合致していれば、患者が予め記載された治療プログラムを効率的に実施していることがわかる。また、ブロックS144は、患者の挙動が治療順守を無視した記録した患者の挙動に実質的に合致している場合は、患者が患者の予め記載された治療プログラムを適切に実施していないことがわかる。
【0101】
上述した実装例では、患者の計画順守モデルとネィティブ通信アプリケーションの使用の第3ログに基づいた第3の時間内の第3の順守を推定することを記載したブロックS144は、続く第3の時間からのデータを、ブロックS130で作成した順守モデルに送り、第3の時間における治療計画への患者の順守を予測する。ブロックS144は、追加で又は代替的に、治療順守モデルの患者応答コンポーネントに基づくなどして、最近の治療プログラム管理に対する患者の応答を推定することができる。
【0102】
代替的に、ブロックS162は、サブグループに関連する計画順守モデルの回収について記載しており、これは、PMEによって作成し患者のサブグループに関連する既存の治療順守モデルを、ブロックS160のサブグループの選択に基づいて選択することができる。ブロックS144は、同様に、次の患者の挙動データを計画順守モデルに送り、所定の治療についての患者の次の順守レベルを予測するよう機能する。第1の方法のこの変形例では、ブロックS172は、追加で又は代替的に、治療に対する短期及び/又は長期の患者の応答を、治療プログラム開始直後の患者の通信挙動における変化に基づいて予測できる。例えば、患者の特定の病気に対する治療計画開始直後に患者の総通信量が増加し、この通信量の増加が、計画順守モデルに規定されているように治療計画に対し得積極的に応答するサブグループ内の患者に共通である場合は、ブロックS172は、その患者が治療計画に対して同様の積極的な応答を示すであろうと予測できる。ブロックS172は、同様に、サブグループ内のその他の患者のデータと、治療順守モデルに基づいて、治療計画における患者の満足度を予測できる。
【0103】
しかしながら、ブロックS130及びブロックS160は、その他の方法で、治療計画順守と経時的な患者の通信挙動間の関係を規定する予測モデルを作成及び読み出すように機能できる。
【0104】
13.治療計画モデル
図2Bに示すように、第2の方法S200の一変形例は、ブロックS280を具えており、これは、サブグループについての治療計画モデルの作成を記載している。この治療計画モデルは、サブグループ内の患者についての通信挙動、治療応答、治療計画結果間の相関を規定する。一般的に、ブロックS280は、PMEを実装して、患者のサブグループについて、患者の挙動を患者治療結果に相関させるモデルを作成することができる。一例では、ブロックS242は、次の患者の挙動データを実装して、当該次の患者をサブグループにマッチングさせ、ブロックS282で当該次の患者の挙動データを対応する治療計画モデルに送り、
図2Bに示すように治療計画の投与に続く当該次の患者の予測した治療計画結果を作成することができる。ブロックS282は、同様に、再発リスク出力コンポーネントを具える治療計画モデルなど、治療計画モデルに基づいて当該次の患者についての健康状態再発リスクを予測できる。
【0105】
一実装例では、ブロックS280は、PMEを実装して、ある期間を通してサブグループ内の患者の治療計画順守、通信挙動、及び調査応答に基づいてサブグループについての治療計画モデルを作成する。例えば、ブロックS280は、PMEを実装して、治療計画の投与中の通信挙動のパターンを認識すること、及び通信挙動のパターンをサブグループ内の患者の治療応答に相関させることによって、サブグループについての治療計画モデルを作成することができる。この実装例では、ブロックS282で、治療計画への順守、通信挙動、次の患者の調査応答の一またはそれ以上を治療計画モデルに送り、次の患者への治療プログラムを管理する特定の期間における次の患者の関連する治療の予測効果を、出力できる。
【0106】
しかしながら、ブロックS280は、別の方法で、患者についての治療結果と経時的な患者の通信挙動との間の関係を規定する予測モデルを作成することができる。
【0107】
14.治療効果モデル
ブロックS172は、患者の治療応答と治療計画への順守との比較によって患者の健康状態を治療する治療計画の効果の推定について記載しており、BFE及び/又はPMEのエレメントを実装して、患者の治療計画効果を予測するよう機能する。例えば、ブロックS172は、患者の通信挙動パターンを認識し、この通信挙動パターンを治療順守パターンと相関させ次いで、治療順守パターンと患者の治療応答とを、たとえば、患者が入力した様々な調査応答に記録されている症状提示に基づいて)比較する。この例では、患者が治療計画にしっかり遵守しているが症状に悪化が見られる場合、ブロックS172は、患者の病気の治療において治療効果が低いと推定できる。更に、この例では、ブロックS172は患者を既存の健康状態データ及び/又は患者のサブグループの治療結果モデルと比較して、治療計画をしっかり遵守しているにもかかわらず症状が悪化することが普通であるのか、あるいは、患者の診断された健康状態として及び/又は同様の患者(すなわち、サブグループ内の患者)として考えられることなのか、決定できる。ブロックS172は、このように、治療の効果を予測することができる。
【0108】
第2の方法S200のブロックS260は、同様に、所定の治療計画への順守と差鵜部グループ内の患者の健康ステータスに基づいてサブグループ内の患者に対して健康状態を治療するにあたっての治療計画の効果の予測を記載している。一般的に、ブロックS260は、ブロックS172と同じ技術を実装して、BFE及び/又はPMEのエレメントを適用し、患者母集団内の患者のサブグループについての治療計画の結果を予測する。例えば、選択したサブグループ内の患者について、ブロックS260は、患者が治療計画を開始する前から患者が治療計画を管理している間に、患者によるネィティブ通信アプリケーションの使用の増加を認識し、この患者のネィティブ通信アプリケーションの使用の増加を、患者の改善した健康ステータス(例えば、ウエルネスの増加、症状の軽減)と相関させ、患者の改善した健康ステータスを、サブグループ内の患者の健康状態を治療する際の治療効果と相関させる。この例では、ブロックS260は、調査応答とサブグループ内の患者の通信挙動と、サブグループ内の患者に共通する既知の健康状態を適用して、サブグループ内の患者についての物理的ハンディキャップを治療する物理セラピィ計画の効果を予測する。追加で又は代替的に、ブロックS260は、このような患者のデータを実装して、サブグループ内の患者の精神的疾患を治療する薬物療法計画の効果を推定することができる。
【0109】
一実装例では、ブロックS172及びブロックS260は、治療値のスケール又はスペクトルから、患者及び患者サブグループそれぞれの治療効果の定量値を出力する。例えば、ブロックS172は、予測治療効果80%を出力でき、これは、5人の同様の患者の内4人が、対応する治療計画を行って診断を逝けた病気から快復したことを示す。この例にあるように、ブロックS172は、更に、予測した治療計画における統計的な信頼を示す信頼期間を出力できる。これは、
図1A及び1Cに示すように、患者の治療効果を推定するのに使用した治療効果モデルに関連する患者サブグループのサイズ、あるいは、患者の通信及び調査応答データの予測した精度及び/又はアベィラビリティ、に依存している。
【0110】
代替的に、ブロックS172及びブロックS260は、治療効果の二値インディケータを出力する。例えば、予測した治療効果が、70%の成功率を下回るといった、スレッシュホールド効果を下回る場合、ブロックS172及び/又はブロックS260は、治療効果の負のインディケータを出力できる。負の予測した治療効果に応じて、ブロックS172は、以下に述べるように、ブロックS180に自動的に治療計画の変更をトリガするように指示する、あるいは、ケアプロバイダに既存の治療計画の変更する又は患者に新しい治療計画を処方するよう指示することができる。同様に、負の予測治療効果に応じて、ブロックS260は、ブロックS284に、患者のサブグループについての治療計画を自動的に変更する又は手動での変更を指示するように、同様の機能を実装できる。
【0111】
図1Cに示すように、第1の方法S100の一変形例は、ブロックS180を具え、これは、治療計画の効果に応じて更新治療計画を生成することを記載している。一般的に、ブロックS180は、治療の処方を、ブロックS172で出力した治療効果予測に基づいて変更するよう機能する。一例では、薬の用量を患者がスキップしたあるいはうっかり減らしてしまったときに患者が症状の改善を示す場合は、ブロックS180は、
図1Cに示すように、患者の治療計画において特定された処方された薬の用量を変更することによって、このような改善された症状に対応できる。別の例では、患者が治療プログラムに良く遵守しているにもかかわらず、改善が期待されているときに患者の症状が時間が経つにつれて悪化した場合、ブロックS180は、現在の治療プログラムをキャンセルし、自働的に代替のプログラムを処方するか、あるいは医師、薬剤師、その他に、代替の治療プログラムを処方するよう指示できる。
【0112】
図2Bに示すように、第2の方法S200の一変形例であるブロックS284は、サブグループ内の患者の治療計画の更新、及び、ブロックS260に記載した治療効果による現在処方されている治療計画の更新について記載している。
【0113】
ブロックS284の一実装例では、第2の方法S200が、医学的状態の診断後及び治療プログラムの投与後、患者の通信挙動を特徴づけて、この特徴づけた通信挙動を適用して、治療プログラムの投与に先立って同様の診断と通信挙動を示す患者のサブグループを選択し、患者の治療の予測した効果に基づいて患者の治療プログラムを選択する。これは、選択したサブグループ(及び/又は、上述の、サブグループに対する対応する治療効果モデル)内の治療の実際の効果によって通知される。例えば、ブロックS282は、サブグループ治療計画結果モデルに異なる薬剤を送り、予測治療効果が最も高い特定の薬剤及び/又は用量を選択するなどして、患者の予測した治療結果に基づいて患者についてのカスタム薬剤及びカスタム投与量を処方することができる。従って、ブロックS284は、新しい患者を現在の及び/又は以前の患者のサブグループと対にして、自働的に新しい患者に治療計画を処方するよう機能する。
【0114】
15.通知
第1の方法S100のブロックS150は、モバイルコンピュータデバイスを通じて第3の順守に基づいて治療に関連する通知を提示することを記載している。一般的に、ブロックS150は、患者のモバイルコンピュータデバイスを通じて患者への通知を生成して提示し、特定のタスクを実行する督促の形などで(
図1Aに示すように)、治療プログラム中に患者にガイダンスを提供し、挙動の変化を提言あるいは主張し、挙動について積極的な強化を提供し、挙動の洞察を提供し、あるいは、患者の症状及び/又は挙動のタイムラインを強要する。例えば、ブロックS144が治療順守が低いあるいは治療を無視した時間を認識すると、ブロックS150は、処方された薬剤摂取の督促を含む通知を作成し、その督促を患者のモバイルコンピュータデバイスに送信する。ここで、モバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションが、その通知をポップアップ通知の形などで表示する。ブロックS150は、この通知を、患者が治療プログラムを無視したと推定した後、医師が処方した投与時間である午前9時と午後5時といった、一日の処方された治療投与時間に表示するようモバイルコンピュータデバイスに通知を送信できる。代替的に、ブロックS150は、患者の行動、非行動、挙動、あるいは挙動の変化に応じてほぼリアルタイムで患者のモバイルコンピュータデバイスにその通知を送ることができる。例えば、ブロックS150は、「everything all right?」と記載した通知を作成し、患者の挙動パターンで検出した突然の変化(例えば、患者が毎朝9時に同じ家族に電話をするが、その日は電話を掛けることもかかってくることもなく、9時15分を過ぎた)に応じて、この通知を患者に送信することができる。
【0115】
ブロックS150はまた、その通知に追加の患者情報を含めることもできる。例えば、ブロックS150は、所定のタイプ(または、サイズ、形状、色、その他)の何錠の錠剤を含む、といった患者に対する薬剤投与量を特定する通知を作成できる。この例では、この通知は、ブロックS180の出力など、更新した治療計画に基づいた投与量情報を含めてもよい。ブロックS150は、追加で又は代替的に、患者の又はサブグループの治療順守モデルに基づくなどで、患者が治療計画を順守している場合に期待される結果、及び/又は、患者が治療計画を順守しない場合に期待される結果、を表す過去の患者データを含む通知を作成できる。
【0116】
ブロックS150は、この通知で特定された行動アイテム(例えば、患者が処方された薬剤を摂取した)を患者が実行したことの確認をリクエストする指示を含む通知を作成できる。例えば、この通知は、
図1Aに示すように、「It’s time to take your meds」と記載してもよく、「Roger that!」及び「Remind me later」と記載した入力領域を含むものでもよい。ブロックS150は、続いて、
図3に示すように、「Roger that!」の選択を、治療プログラムの順守として患者の治療順守モデルに送り、ブロックS150は、「Remind me later」の選択を、治療プログラムを実行しなかったまたは遅れとして、治療順守モデルに送ることができる。
【0117】
ブロックS150は、追加であるいは代替的に、看護師又は医師などのケアプロバイダと(例えば、対応するコンピュータデバイスで実行しているケアプロバイダのインターフェースを介して)インターフェースを取って、カスタム通知を作成することができる。例えば、ブロックS150は健康状態、治療計画、実際の及び指定した患者の順守、調査応答、及び/又は、実際の及び推定した患者の治療応答データ、を含む患者の情報を、送信し又はケアプロバイダと共用することができる。また、ケアプロバイダを患者の問題又は要求を認識するよう案内することができる。ブロックS150は、次いで、ケアプロバイダから、入手可能な及び/又は適用可能なデフォルト通知の予め用意されたリストから、デフォルト通知についての選択を受け取ることができる。代替的に、ブロックS150は、ケアプロバイダに、患者についてのカスタムテキスト及び/又は画像ベースの(すなわち、情報画像)通知を入力するよう指示し、次いで、この通知を患者に戻すことができる。一例では、ブロックS172で、選択したサブグループに関連する(例えば、診断された)特定の疾病に関係する症状について、高い重篤度のリスクに基づいて、その患者についての医学的症状が変化するリスクを予測し、ブロックS150では、その患者についての医学的症状が変化するリスクが、糖尿病と診断された患者について、患者の症状重篤度が(近い)生来システマチックに上がる可能性が70%であったり、ADHDと診断された患者について、患者の症状重篤度が(近い)生来システマチックに上がる可能性が88%であるといった、特定の疾病に特異的なスレッシュホールドリスクを超える場合、ケアプロバイダに通知を送る。
【0118】
治療プログラムへの順守に関してといった、患者についての督促を作成するのに加えて、ブロックS150は追加で又は代替的に患者に調査の完了、医師又はヘルスケアプロバイダを訪問するスケジュール、予定した健康に関連する訪問、その他を指示する又は督促する通知を作成できる。しかしながら、ブロックS150は、その他の情報を含み、その他の適切な方法で又はその他の適切な媒体を介して患者に提示した通知を作成できる。
【0119】
16.サービス
第1及び第2の方法S100、S200は、患者及び患者のサブグループに関係するケアプロバイダに一またはそれ以上のサービスを提供するように機能できる。一実装例では、第1及び第2の方法S100、S200が、フィードバックと引き換えによりコストのかからない治療及びセラピィを患者に提供できるようにすることで、疾病管理プログラムをサポートしている。個尾では、第1及び第2の方法S100、S200が上述したように患者のフィードバックを集める。この実装例では、第1の方法S100は、ツールと一またはそれ以上のモバイルアプリケーション(すなわちモバイルコンピュータデバイスのネィティブアプリケーション)をサポートして、より良好な患者が駆動する状態管理を可能とし、症状の再発を低減する。また、第2の方法S200は、サブグループに亘る患者データから価値のある情報を集めて抽出し、ケアプロバイダによる疾病管理プログラムをサポートする。例えば、第2の方法S200は、分析したデータを管理し又はケアプロバイダに提供して、臨床背景外の患者についてのデータを回収することによるなどで慢性症状を持つ母集団を管理し、リスクがより高い患者について重症度判定検査を補てんするレポート及び/又はモデルを作成する。または、第1の方法S100は、第2の方法S200と共働して、通信現場又はネットワークをサポートして、ケアプロバイダ空患者へのより効果的なアウトリーチを可能にする。
【0120】
一例では、第1の方法S100は、第2の患者による第2のモバイルコンピュータデバイスで実行するネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第2ログにアクセスして、このネィティブ通信アプリケーションの使用に関する第2ログと健康リスクモデルに基づいて第2の患者についての医学的症状における変化の第2のリスクを予測し、ブロックS150は、患者についての医学的症状の変化のリスクと、第2の患者についての医学的症状の変化の第2のリスクとによって、ケアプロバイダ(例えば、看護師、病院、クリニック、その他)に記録した患者のトリアージリストを送信する。別の例では、ブロックS150は、ケアプロバイダに特定の患者の受診スケジュールの指示を含む通知を送信する。
【0121】
第1及び第2の方法S100、S200は、従って、患者の介入をターゲットにして、患者の健康を改善し、ヘルスケアの利用(例えば、ケアコスト、救急外来受診、薬剤依存、その他)を低減させる例えば、第1及び第2の方法S100、S200は、健康状態が悪くなるリスクがより高く、ヘルスケアの利用が増え、入院の可能性が高い患者を認識するためのモデルを作成して実装することができる。このような患者が認識されると、第1及び第2の方法S100、S200は、ケアプロバイダに、介入の指示を出し、これによって、目的のケア介入を開始して、患者の健康と満足できる生活状態を改善する。
【0122】
第1及び第2の方法S100、S200は、追加で又は代替的に、母集団レベルのデータからインサイトを外挿し、ケアプロバイダを実際の改善に案内し、これによって、ケアプロバイダをより良好化な患者の成果へと案内にする。例えば、第2の方法S200は、同様の行動及び成果パターンを示す母集団中の患者のクラスタを検出し、再入院率が実質的に異なる患者の二つのクラスタを認識し、この二つのクラスタにまたがる異なる治療プラクティスを認識し、従って、ケアプロバイダを、再入院率と二つの患者クラスタにまたがる治療プラクティスに基づいて治療プラクティスを設計するよう案内する。
【0123】
特に、第1及び第2の方法S100、S200の様々なブロックは、ケアプロバイダと様々な方法でインターフェースを取っている。
【0124】
上述したように、ブロックS172は、患者についての予測(推定)した治療計画の効果を、その患者に関連するヘルスケアプロバイダに通知できる。例えば、予測した治療効果が、その患者についての健康状態のスレッシュホールド効果を下回る場合、ブロックS172は、警告又はその他の通知を、医師、看護師、あるいは患者の医療ファイルに記されている、あるいはその患者の特定の健康状態の治療管理として記録されているその他のケアプロバイダに送信できる。一実装例では、ブロックS172は、ケアプロバイダのプライベートアカウントにログインして、そのケアプロバイダに関連するコンピュータデバイスで実行するケアアプリケーションなど、プロバイダに特定のインターフェース(例えば、オンラインヘルスケアダッシュボード)を介してアクセスできるプライベートケアプロバイダアカウントを通じて、対応するケアプロバイダに警告を送信する。第1の方法S100は、また、ケアプロバイダが、オンライダッシュボードを介するなど、ケアアプリケーション及び/又はプライベートケアアカウントを介して追加の患者情報にアクセスできるようにする。ブロックS172は、また、上述したように、患者の挙動及び患者のサブグループ内の挙動とサブグループにおける治療効果(例えば、治療効果モデルを介して)との間の同一性に基づいて、保存してあるリスト中の患者の健康状態に関する入手可能な治療プログラムのリストを表示するなどして、既存の治療プログラムを変更するあるいは代替の治療プログラムを選択するようケアプロバイダを案内することができる。しかしながら、ブロックS172は、その他の方法で、患者についての予測した治療計画の効果を、対応するケアプロバイダに通信するように機能できる。
【0125】
第2の方法のブロックS290は、次の患者による治療計画の管理の後の予測した治療計画結果を次の患者に関連するデジタル健康プロファイルに特定されているケアプロバイダに送信することを記載しており、同じ技術及び/又は方法を実装して、健康及び治療に関連する情報を、その次の患者に関連するケアプロバイダと共用できる。例えば、ブロックS290は、次の患者の現健康状態に応答する指示を含む通知を対応するケアプロバイダに送信できる。しかしながら、ブロックS290は、その他の方法で、患者についての予測した治療結果をケアプロバイダに送信するよう機能できる。
【0126】
第2の方法のブロックS270は、治療計画の効果に基づいて、サブグループに特異的な治療計画報告を作成することを記載しており、同じ技術又は機能を実装して、特定の治療計画についてのサブグループの幅にある効果報告を、ケアプロバイダに通信する。一般的に、ブロックS270は、ブロックS260で出力した治療計画の推定した効果に基づいて、その母集団を用いて治療計画の効果についての報告を説明するよう機能する。例えば、ブロックS270は、治療順守における治療パターンに患者の症状パターンと、経時的なサブグループについての患者の挙動及び調査応答におけるパターンの変化等に関連するチャートを含む報告を作成する。別の例では、ブロックS270は、
図2Aに示すように、サブグループ内の特定の患者に特異的な、治療計画の管理中の特定の患者についての健康状態の予測されたリスクを含む、治療報告を作成する。この例では、ブロックS270は、ケアプロバイダにサブグループ内の特定の患者についての治療プログラムを、予測した又は外挿した患者のリスクに基づくなどして、変更するよう指示を出すことができる。
【0127】
ブロックS172にあるように、ブロックS270も、サブグループ内の治療を無視する(予期しない)パターン、又は改善した患者の症状及び/又は患者の挙動に関連する患者の「カスタマイゼーション」を認識し表示することなどによって、サブグループについての治療計画を変形する又は変更するようケアプロバイダを案内できる。例えば、第2の方法S200は、サブグループ内の患者の挙動データを実装して、患者の満足できる生活状態を比較して、最も必要としているものを認識することができる。ブロックS270は、従って、必要性と症状に基づいて、サブグループ内の患者のランキングを含む治療計画報告を作成できる。治療計画中にサブグループ内の患者ランダムに選択して接触するのではなく、多数の患者を管理している看護師がサブグループについての治療報告をレビューして、より効率よくトリアージし、サポートを必要としている患者を決定することができる。ブロックS270(及び、一般的には第2の方法S200)は、従って、看護師又はその他のケアプロバイダが、リアルタイムで決定を行い、実際の患者データに基づいて特定の患者に対して介入及び/又は手を差し伸べられるようにする。
【0128】
しかしながら、ブロックS270は、その他の適切な患者情報を含む報告を作成し、その他の方法でこの報告を、一またはそれ以上の患者及び/又はサブグループについて処方された治療計画に関連するといった、一またはそれ以上のケアプロバイダが入手可能とすることができる。
【0129】
上述した通り、上述の記載は特に、治療順守をモニタする及び/又は推測するコンテキストにおいて本発明を説明しているが、第1及び第2の方法S100、S200は、同様の機能及び技術を実装して、患者のリスクを認識し、治療効果を評価することができる。
【0130】
実施例のシステム及び方法は、少なくとも部分的に、コンピュータで読み取り可能な支持を保存するコンピュータで読み取り可能な媒体を受けるように構成した機械で実施及び/又は実装することができる。指示は、アプリケーション、アプレット、ホスト、サーバ、ネットワーク、ウエブサイト、通信サービス、通信インターフェース、患者のコンピュータ又はモバイルデバイスのハードウエア/ファームウエア/ソフトウエア、あるいはこれらの適切な組み合わせと一体化されているコンピュータで実行可能なコンポネントで実行できる。この実施例のその他のシステム及び方法を、少なくとも部分的に、コンピュータで読み取り可能な指示を保存するコンピュータで読み取り可能な媒体を受けるように構成した機械で実施及び/又は実装できる。上述したタイプの装置及びネットワークと一体化したコンピュータで読み取り可能なコンポーネントによって一体化されたコンピュータで読み取り可能なコンポーネントによって実行することができる。コンピュータで読み取り可能な媒体は、RAMs、ROMs、フラッシュメモリ、EEPROMs、光学デバイス(CD又はDVD)、ハードドライブ、フロッピィドライブ、又はその他の適切なデバイスあんど、適切なコンピュータで読み取り可能な媒体上に保存できる。コンピュータで実行可能なコンポーネントは、プロセッサであってもよいが、適切な専用ハードウエアデバイス(代替的に又は追加で)がこの指示を実行することができる。
【0131】
当業者は、上述の詳細な記載から、及び図面及び請求の範囲から特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の実施例に行うことができる変形例と変更を認識できる。