(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Gは、マイレン酸、イタコン酸、coAMPS、アクリル酸、ビニル酢酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2アクリルアミド1メチルプロパンスルホン酸、2アクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸、2メチルアクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の使用。
前記染料残基の発色団基であるDは、メタノール溶液内での極大吸光係数が、560ナノメートル〜610ナノメートルの波長範囲で20,000〜70,000リットル/モル/cmである、負帯電性の色調染料を提供する、請求項10に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0004】
本願は、水溶性フィルムを介した組成物の移染及び漏洩を制御するための組成物の使用に関連する。漏洩という単語は、パウチ内からパウチの外側に向けて、水溶性パウチ内に封入された組成物、又は組成物の成分が移動することを意味する。移染という単語は、多区画パウチの1つの区画から同じパウチの別の区画へ漏洩することを意味する。
【0005】
可塑化は、フィルムの弾力性、柔軟性及び脆弱性を表わすために用いられる用語である。十分に弾力性のあるフィルムは、一度引き伸ばされても元の形状を回復する。可塑化されすぎたフィルムは、弾性を帯び、結果的に剛性を失って締りがなくなる傾向にある。
【0006】
可塑化が進むと、最終的にはフィルムは非常に弱くなり、機能しなくなり、裂け、及び/又は穴が開く可能性がある。一方、可塑剤を使用しないか、損失したか、又は使用量が少なすぎる場合、フィルムは時間の経過に伴い次第に脆弱となり、これもまた適切でない。実際のところ、多くの場合、可塑化溶媒は加工を容易にするために製造時にフィルムに組み込まれ得る。しかしながら、可塑化溶媒は、フィルムの他、フィルムが封入する組成物中に存在させてもよい。出願人は、本発明の特異な可塑化溶媒を組み込むことは、フィルムの有益な可塑化をもたらし、移染及び漏洩の低減を促進すると信じている。
【0007】
洗剤組成物
洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤及び溶媒系を含む。前記溶媒系は、29未満のハンセン溶解度(δ)を有する少なくとも1種の一次溶媒を含む。
【0008】
アニオン性界面活性剤
本発明の組成物はアニオン性界面活性剤を含む。好ましくは、前記組成物は1重量%〜80重量%のアニオン性界面活性剤を含む。更に好ましくは、前記組成物は、組成物の2〜60重量%、より好ましくは7〜50重量%、最も好ましくは10〜40重量%のアニオン性界面活性剤を含む。
【0009】
有用なアニオン性界面活性剤は、それら自体を、幾つかの異なる種類の界面活性剤に分類することができる。例えば、高級脂肪酸類の水溶性塩、すなわち「石鹸」は、本明細書の組成物において有用なアニオン性界面活性剤である。これには、約8〜約24個の炭素原子、及び好ましくは約12〜約18個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のナトリウム、カリウム、アンモニウム、及びアルキルアンモニウム塩のようなアルカリ金属石鹸、が挙げられる。石鹸類は、脂肪類及び油類の直接鹸化によって、又は遊離脂肪酸類の中和によって製造することができる。特に有用であるのは、ココヤシ油及び獣脂から誘導される脂肪酸類の混合物のナトリウム塩及びカリウム塩、すなわち、ナトリウム又はカリウム獣脂及びココヤシ石鹸である。
【0010】
本明細書に用いるのに好適な、石鹸以外のその他のアニオン性界面活性剤としては、その分子構造内に約10〜約20個の炭素原子を含有するアルキル基とスルホン酸又は硫酸エステル基とを有する有機イオウ反応生成物の、水溶性塩類、好ましくはアルカリ金属及びアンモニウム塩が挙げられる。(用語「アルキル」にはアシル基のアルキル部分が含まれる。)この群の合成界面活性剤の例は、a)アルキル硫酸ナトリウム、アルキル硫酸カリウム、及びアルキル硫酸アンモニウム、特に、獣脂又はココヤシ油のグリセリドの還元によって生成されるもののような高級アルコール(C
8〜C
18炭素原子)の硫酸化によって得られるもの、b)アルキルポリエトキシレート硫酸ナトリウム、アルキルポリエトキシレート硫酸カリウム、及びアルキルポリエトキシレート硫酸アンモニウム、特に、アルキル基が10〜22個、好ましくは12〜18個の炭素原子を含有し、ポリエトキシレート鎖が1〜15個、好ましくは1〜6個のエトキシレート部分を含有するもの、並びにc)アルキル基が直鎖又は分枝鎖構造中に約9〜約15個の炭素原子を含有する、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム及びアルキルベンゼンスルホン酸カリウム、例えば、米国特許第2,220,099号及び同第2,477,383号に記載の種類のものである。特に好ましくは、C
11〜C
13 LASと省略される、直鎖アルキル基中の炭素原子の平均数が約11〜13の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、12〜18個の炭素原子を有するアルキルポリエトキシレートスルホン酸のナトリウム、カリウム及びアンモニウム塩、並びにそれらの混合物である。
【0011】
溶媒系
本発明の組成物は溶媒系を含む。溶媒系は、29未満のハンセン溶解度(δ)を有する少なくとも1種の一次溶媒を含み、更に好ましくは28.5未満及び好ましくは10を超え、更に好ましくは15を超える。
【0012】
ハンセン溶解度パラメータは周知であり、三成分測定系をベースとするパラメータから計算される。ハンセン溶解度パラメータは、分散力成分(δ
d)、水素結合成分(δ
h)及び極性成分(δ
p)をベースとする。ハンセン溶解度パラメータ(δ)は、以下の式に従い、全ての凝集結合を切断するのに必要な総凝集エネルギーが、分散力(d)、分子双極子力(p)及び水素結合力(h)の組み合わせであるという事実から得られる:
δ
2=δ
d2+δ
p2+δ
h2 δは、δ
2の平方根を求めることにより得られる。
【0013】
分散力は、非極性分子間の弱い引力である。分子の分極率と分散ハンセン溶解度パラメータ(δ
d)に依存するこれらの力の大きさ(他の全ての特性はおおよそ等しい)は、一般的に分子の容積(及びサイズ)と共に増大する。ハンセン溶解度パラメータは、Hansenにより実験的に得られた溶媒についてのAllan F M Barton(CRC Press 1983)による溶解度パラメータ及び他のパラメータのハンドブックに開示された値をベースにした、未公開の独自に開発したアルゴリズムを用いる、ChemSWの分子モデリングPro v6.1.9ソフトウェアパッケージを用いて、25℃で計算される。
【0014】
前記一次溶媒は、好ましくは1500未満、より好ましくは1000未満、更に好ましくは700未満の分子量を有する。前記一次溶媒は、好ましくは10を超え、より好ましくは100を超える分子量を有する。前記一次溶媒は、好ましくは−1.0を超え、より好ましくは+10未満のcLog Pを有する。前記一次溶媒は、好ましくは、20.5未満、及び好ましくは10を超える水素結合成分(δ
h)を有する。
【0015】
前記一次溶媒は、好ましくは300〜600の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、nブトキシプロポキシプロパノール(nBPP)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。更に好ましくは、一次溶媒は、400〜600の分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、ジプロピレングリコール(DPG)、nブトキシプロポキシプロパノール(nBPP)、及びそれらの混合物からなる群から選択される。表1は、好ましい一次溶媒、及び本発明の範囲をはずれている比較としての一部の溶媒の、ハンセン溶解度を示す。
【0017】
前記一次溶媒は、好ましくは、組成物の1〜25重量%、好ましくは2.5〜20重量%、より好ましくは4〜19重量%の濃度で存在する。
【0018】
好ましい実施形態においては、前記溶媒系は二次溶媒をも含む。前記二次溶媒は、好ましくはグリセロール、水及びこれらの混合物からなる群から選択される。前記二次溶媒がグリセロールを含む場合、グリセロールは、好ましくは組成物の5重量%未満、より好ましくは4重量%未満、より好ましくは3重量%、最も好ましくは2重量%未満の濃度で存在する。好ましくは、グリセロール二次溶媒は、組成物の0.1重量%を超え、より好ましくは0.5重量%を超え、最も好ましくは1重量%を超える濃度で存在する。前記二次溶媒は水を含んでいてもよい。水が存在する場合、好ましくは組成物の20重量%未満、より好ましくは15重量%未満、最も好ましくは10重量%未満の濃度で存在する。
【0019】
更に好ましい実施形態においては、一次溶媒対二次溶媒グリセロール比は、7:1〜1:5、より好ましくは6.5:1〜1:3、最も好ましくは3:1〜1:1である。
【0020】
負電荷性の色調染料
本発明の組成物は、好ましくは負電荷性の色調染料を含む。負電荷性の色調染料という用語は、組成物内で負に帯電されることが可能な部分を含む染料残基を意味する。好ましくは、組成物は、0.00001重量%〜0.5重量%のし色調染料を含む。
【0021】
典型的には、色調染料は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。色調染料は、色相の具体的な色合いを作り出すために、及び/又は異なる布地の種類に色合いを付けるために、単独又は組み合わせのいずれかで使用することができる。これは、例えば、赤と緑−青の染料とを混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。色調染料は、アクリジン、アントラキノン(多環式のキノンを含む)、アジン、含金アゾ、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノンを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、カロチノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メチン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、リアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、トリフェノオキサジン並びにこれらの混合物を含むがこれらに限定されない、任意の既知の染料発色団の化学的クラスから選択されてもよい。
【0022】
好ましい負電荷性の色調染料は、以下の式を持つ基から選択される負電荷性の色調染料を含む。
[D]−[A]
n
式I
式中、Dは、発色団基を含む染料の残基を表し、Aは、OSO
3M、SO
3M、CO
2M、OCO
2M、OPO
3M
2、OPO
3HM及びOPO
2Mから成る群から選択される部分である。更に好ましくは、Aは、OSO
3M、SO
3M、CO
2M、及びOCO
2Mから成る群から選択される。更により好ましくは、Aは、SO
3M及びCO
2Mから成る群から選択される。Mは、任意の好適な電化平衡対イオンである。Mは、好ましくは水素、アルカリ又はアルカリ土類金属イオンから成る群から選択される。更に好ましくは、Mは、水素、ナトリウム又はカリウムイオンから成る群から選択される。指数nは、好ましくは1〜6の整数、更に好ましくは1〜4、更により好ましくはn=1又は2である。
【0023】
典型的には、式Iの染料又は染料の混合物は、0.00001〜5重量%の組成物の量内、より一般的には0.0001又は0.001〜1重量%又は0.5重量%又は0.25重量%の組成物の量内の組成物で存在する。
【0024】
染料残基である、Dは、1つ以上の任意の好適な種類の発色団基を含んでもよい。好適な発色団基は、好ましくは上記の基から選択された、任意の好適な発色団を含むが、それに限定されない。更に好ましくは、発色団基は、ベンゾジフラノン、メチン、トリフェニルメタン、アジン、トリフェノキサジン、ナフタルイミド、ピラゾール、ナフトキノン、アントラキノン、モノ−アゾ及びビズ−アゾ並びにこれらの混合物からなる群から選択される。更に好ましくは、染料残基である、Dは、アジン、アントラキノン及びアゾ発色団からなる群から選択され、いくつかの実施形態で好まれてもよい。
【0025】
好ましくは、色調染料は、青又は紫の色調染料であり、240〜345、更に好ましくは260〜325、更により好ましくは270〜310の色相角内で白い布又は布地に青又は紫色を提供する。
【0026】
一態様では、本発明での使用に適した色調染料は、約400ナノメートル〜約750ナノメートルの波長範囲内で、メタノール溶液内において、約1000リットル/モル/cmを超える極大吸光係数を有する。一態様では、本発明での使用に適した色調染料は、約540ナノメートル〜約630ナノメートルの波長範囲内で、約10,000〜約100,000リットル/モル/cmの極大吸光係数を有する。一態様では、本発明での使用に適した色調染料は、約560ナノメートル〜約610ナノメートルの波長範囲内で、約20,000〜約70,000リットル/モル/cmの極大吸光係数を有する。
【0028】
【化1】
(式中R
1及びR
2は、[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yQ]、C
1〜12アルキル、C
6〜10アリール、C
7〜C
22アリールアルキルから独立して選択され、R
1又はR
2は、[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO
yQ]である少なくとも1つの必要条件を伴い、R’は、H、C
1〜4アルキル、CH
2O(CH
2CH
2O)
zQ、フェニル及び−CH
2OR
5から成る群から選択され、R”は、H、C
1〜4アルキル、CH
2O(CH
2CH
2O)
zQ、フェニル及びCH
2OR
5)の式IIの一般化構造を有するチオフェンアゾカルボン酸塩染料からなる群から選択され、1又は2≦x+y≦50、好ましくはx+y≦25、更に好ましくはx+y≦10であり、y≧1であり、z=0又は1=20好ましくは0〜10又は5であり、並びにQは、H及び以下に記載されるようなY、但し染料が、Yであるすくなくとも1つのQ基を含み、
各R
5は、C
1〜C
16直鎖又は分枝鎖アルキル、C
6〜C
14アリール及びC
7〜C
16アリールアルキルから成る群から選択され、好ましくはR
5は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘクサデシル、フェニル、ベンジル、2−フェニルエチル、ナフチル及びこれらの混合物から成る群から選択され、Yは、
【0029】
【化2】
(式中、独立して、各Y基において、MがH又は電化均衡カチオンであり、mが0〜5、好ましくは0、1、2、又は3であり、nが0〜5、好ましくは0,1,2、又は3であり、m+nの和が1〜10、好ましくは1,2、又は3であり、各R8が独立して、H、並びに、C3〜18又はC4〜C18又は更にはC4〜7及び/又はC9〜18アルケニルからなる群から選択され、少なくとも1つのR8基がHではない)の式IIIで表わされる有機ラジカルである。このような染料は、本出願人らの同時係属中の現在未発表の特許出願、シリアル番号US61/598014(代理人明細書CM3724)で考察されている。
【0031】
【化3】
(式中、Dは上述された通りであり、かつLは、好ましくは14〜1000ダルトンの分子量、又は14〜600、又は28〜300を有する有機連結基であって、好ましくは本質的にC、Hのみ及び任意追加的に更にO及び/又はNを含み、並びに結合の連鎖においてC(O)OM基のカルボニル炭素から始まりかつ染料部分で終わり、任意の−(C
a(O)−O
b)−基は、酸素原子O
bが、カルボニル炭素C
aの前に遭遇するように組み込まれる)の式IVの構造を有するカルボキシレート染料からなる群から選択されてもよい。好ましくは、Lは、C
1〜20アルキレン鎖であり、そこに任意追加的にエーテル(−O−)及び/又はエステル及び/又はアミド連結を有し、鎖は所望により、例えば−OH、−CN、−NO
2、−SO
2CH
3、−CI、−Brと置換され、並びにMは、任意の好適な対イオン、典型的には水素、ナトリウム又はカリウムイオンである。このような染料は、本出願人らの同時係属中の特許出願、シリアル番号US61/612539(代理人明細書CM3732)で考察されている。
【0032】
本発明での使用に適したその他の染料は、本出願人らの同時係属中の特許出願、シリアル番号US13/478148(代理人明細書12149)及びWO 2012/054058 A1に記載されるものを含む。
【0033】
好適な色調染料は、小分子染料及び高分子染料も含んでよい。好適な小分子染料は、例えば、青、紫、赤、緑、又は黒に分類され、単独で又は組み合わせで所望の色合いをもたらす、直接染料、塩基性染料、反応染料、又は加水分解した反応性染料、加水分解した溶剤染料、若しくは加水分解した分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料を含んでもよい。別の態様では、好適な小分子染料は、色指数(染料及び着色料技術者協会(Society of Dyers and Colourists、(Bradford、UK))番号ダイレクト紫染料(9、35、48、51、66、及び99など)ダイレクトブルー染料(1、71、80、及び279など)、アシッドレッド染料(17、73、52、88及び150など)、アシッド紫染料(15、17、24、43、49、及び50など)、アシッドブルー染料(15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など)、アシッドブラック染料(1など)、ベーシック紫染料(1、3、4、10及び35など)、ベーシックブルー染料(3、16、22、47、66、75及び159など)、分散又は溶媒染料(米国特許出願公開第2008/034511(A1)号、又は米国特許出願公開第8,268,016(B2)号又は染料米国特許出願公開第7,208,459(B2)号に記載される通りのものなど)、及びこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料を含んでもよい。別の態様では、適切な小分子染料は、C.I.番号が、アシッド紫17、ダイレクトブルー71、ダイレクト紫51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料を含んでもよい。
【0034】
好適なポリマー染料としては、共有結合(共役とも称される場合がある)色素原(染料−ポリマー共役体)を含有するポリマー、例えばポリマーの主鎖の中に共重合された色素原を有するポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されるポリマー染料を含んでもよい。好適な染料は、WO第2011/98355号、米国特許出願公開第2012/225803 A1号、同第2012/090102 A1号、同第7,686,892 B2、及びWO第2010/142503号に記載される染料を含んでもよい。
【0035】
別の態様では、適切なポリマー染料は、Liquitint(登録商標)(Milliken、米国サウスカロライナ州スパータンバーグ)の名称で市販されている布地直接着色剤、及び少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分、及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーから形成されている染料−ポリマー共役体を含んでもよい。また別の態様では、好適なポリマー染料は、Liquitint(登録商標)紫CT、C.I.と共役するCMC等のリアクティブブルー、リアクティブ紫、又はリアクティブレッドの染料に共有結合するカルボキシメチルセルロース(CMC)からなる群から選択されるポリマー染料を含んでもよい。Megazyme(Wicklow,Ireland)から商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19とコンジュゲートしているCMC等のリアクティブブルー、リアクティブ紫、又はリアクティブレッドの染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、アルコキシル化トリフェニール−メタン高分子着色料、アルコキシル化チオフェン高分子着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。
【0036】
好ましい色調染料は、PCT公報第WO 08/87497 A1号、同第WO2011/011799号、及び米国特許出願公開第2012/129752 A1号に含まれる増白剤が含まれてもよい。本発明で使用するために好適な色調染料は、PCT公報第WO2011/011799号の表5の実施例1〜42から選択される染料を含む、これらの参考文献に開示される好適な染料であってよい。その他の好適な染料は、米国特許出願公開第8,138,222号に開示されている。その他の好適な染料は、米国特許出願公開第7,909,890 B2号に開示されている。
【0037】
上記布地色相剤は、組み合わせて使用することができる(布地色相剤の任意の混合物を使用することができる)。
【0038】
試験方法
I.色素沈着の判定方法
a.)明るくない色の糸で裁ち目かがりされたUnbrightened Multifiber Fabric Style 41見本(MFF41、5cm×10cm、平均重量1.46g)は、Testfabrics,Inc.(ペンシルバニア州ウェストピッツトン)から購入した。MFF41見本は、49℃でAATCC耐久性液体洗濯用洗剤(HDL)nil増白材において2回の全サイクルで洗濯し、かつ洗剤を使わずに49℃で3回の追加の全サイクルで洗濯することによって使用前に剥離される。4つの複製見本は、各フラスコ内に配置される。
b.)AATCC標準nil増白剤HDL洗剤溶液の十分な量は、リットル当たり1.55gの濃度で、室温で0g/L(0gpg)水中において洗剤を溶解することにより調製される。
c.)染料の濃縮された原液は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール又は50対50のエタノール対水から選択される適切な溶媒内で調製される。エタノールが好ましい。染料原料は、1.0cmの経路長のキュベット内で0.4AU(±0.01AU)のλ
maxで水溶液吸光度を製造するのに十分な量の(上記ステップI.bで調製された)400mLの洗剤溶液を含むビーカーに添加される。濃縮された原液からの洗浄液中の全有機溶媒濃度は、0.5%以下である。洗浄液の125mL部分標本は、3つの別個の使い捨て250mLErlenmeyerフラスコ内に配置される(ニューヨーク州ロチェスター、Thermo Fisher Scientific)。
d.)4つのMFF41見本は、各フラスコ内に配置され、フラスコは蓋が閉じられ、かつ手動で振って見本を濡らす。フラスコは、Burrell Scientific,Inc.製(ペンシルバニア州ピッツバーグ)Model 75手首アクション振とう器上に置かれ、最高設定である10(14.6°の弧で毎分390振動)で撹拌される。12分後、洗浄液は、真空吸引によって除去され、125mLの0g/L(0gpg)水が、すすぎのために添加され、フラスコは、更に4分撹拌される。すすぎ溶液は、真空吸引によって除去され、見本は、5分間Mini Countertop Spin Dryer(The Laundry Alternative Inc.、ニューハンプシャー州ナシュア)内で遠心脱水され、その後暗所で空気乾燥される。
e.)綿、ナイロン及びポリエステルの3つの最も消費者に関連した布地の種類のL
*、a
*、及びb
*値は、LabScan XE反射率分光計(HunterLabs、バージニア州レストン、D65光源、10°観測器、紫外線を除く)を用いて乾燥した見本上で測定された。12の見本(3つのフラスコそれぞれが4つの見本を含む)のL
*、a
*、及びb
*値は平均され、染料の色調沈着(HD)は、以下の式を用いて
HD=DE
*=((L
*c−L
*s)
2+(a
*c−a
*s)
2+(b
*c−b
*s)
2)
1/2
(式中、添え字c及びsは、それぞれ制御、すなわち染料を含まない洗剤で洗浄した布地、並びに上述した方法に従って染料を含む洗剤で洗浄した布地を指す)、各布地の種類ごとに算出される。
【0039】
II.染料がシェーディング染料の場合の判定方法
染料は、HD
綿、HD
ポリエステル又はHD
ナイロンが、上記の式に従って2.0DE
*ユニット以上の場合、本発明の目的のためのシェーディング染料(色調染料としても知られる)とみなされる。各布地の種類のHD値が2.0DE
*ユニット未満の場合、染料は、本発明の目的のためのシェーディング染料ではない。
【0040】
水溶性フィルム
本発明のフィルムは、水に可溶性であるか、又は分散性であり、20マイクロメートルの最大孔径を有するガラスフィルターを用いた後に本明細書で示される方法によって測定する場合に、好ましくは少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更に少なくとも95%の水溶性を有する:
50グラム±0.1グラムのパウチ材料が、予め秤量された400mlビーカー内に添加され、245ml±1mlの蒸留水が加えられる。これを、600rpmに設定した電磁撹拌器上で30分間激しく撹拌する。続いて、その混合物を、上で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳んだ定性焼結ガラスフィルターを介して濾過する。回収した濾液からいずれかの従来法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を決定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度(%)又は分散度(%)を計算することができる。好ましいフィルム材料は、好ましくは高分子性物質である。フィルム材料は、当該技術分野において既知であるように、例えば、ポリマー材料のキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形により得ることができる。
【0041】
パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸類及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有することができるが、好ましくは約1000〜1,000,000、より好ましくは約10,000〜300,000、更により好ましくは約20,000〜150,000である。
【0042】
ポリマーの混合物もまた、パウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的性質及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。同様に好適なものは、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後のPVA又はそのコポリマーとの混合物である。同様に本明細書で好適なものは、例えば、ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することによって得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチドと約65重%〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコールのような、加水分解によって分解可能でありかつ水溶性のポリマーブレンドを含む、ポリマーブレンド組成物である。本明細書での使用に好ましいポリマーは、材料の溶解プロファイルを改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0043】
好ましいフィルム材はポリマー材である。フィルム材は、例えば、当該技術分野において既知のように、ポリマー材をキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するのに好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリビニルアセテート、ポリカルボン酸類及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴム(carragum)などの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート及び水溶性アクリレートコポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレートから選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマー、例えばPVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有することができるが、好ましくは約1000〜1,000,000、より好ましくは約10,000〜300,000、更により好ましくは約20,000〜150,000である。ポリマーの混合物もまた、パウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的性質及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。同様に好適なものは、異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後のPVA又はそのコポリマーとの混合物である。同様に本明細書で好適なものは、例えば、ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することによって得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチドと約65重%〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチド及びポリビニルアルコールのような、加水分解によって分解可能でありかつ水溶性のポリマーブレンドを含む、ポリマーブレンド組成物である。本明細書での使用に好ましいポリマーは、材料の溶解プロファイルを改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0044】
好ましいフィルムは、冷たい水、つまり蛇口から直接得た、熱されていない水の中で良好な溶解を呈する。好ましいこのようなフィルムは、25℃以下、更に好ましくは21℃以下、更に好ましくは15℃以下の温度で良好な溶解を呈する。良好な溶解は、上述された、20マイクロメートルの最高孔径内でガラスフィルターを用いた後に本明細書で示される方法によって測定する場合に、フィルムが、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%の水溶性を呈することを意味する。
【0045】
好ましいフィルムは、信用照会M8630、M8900、M8779、M9467、M8310でMonosolによって供給されたものであり、米国特許出願公開第6 166 117号及び同第6 787 512号に記載されるフィルム、並びにPVAフィルムの対応する溶解度及び変形性能特性である。更に好ましいフィルムは、米国特許出願公開第2006/0213801号、WO 2010/119022号及び米国特許出願公開第6787512号に記載されているものである。
【0046】
好ましい水溶性フィルムは、1つ以上のPVAポリマー、好ましくはPVAポリマーの配合物を含む前記水溶性フィルム樹脂を含む樹脂である。例えば、PVA樹脂は、少なくとも2種のPVAポリマーを含むことができ、本明細書で使用する場合、第1のPVAポリマーは、第2のPVAポリマーよりも低い粘度を有する。第1のPVAポリマーは、少なくとも8cP(cPは、センチポアズを意味する)、10cP、12cP、又は13cP、多くとも約40cP、20cP、15cP、又は13cP、例えば、約8cP〜約40cP、又は約10cP〜約20cP、又は約10cP〜約15cP、又は約12cP〜約14cPの範囲、又は13cPの粘度を有していてもよい。更に、第2のPVAポリマーは、少なくとも約10cP、20cP、又は22cP、最大で約40cP、30cP、25cP、又は24cP、例えば、約10cP〜約40cP、20〜約30cP、約20〜約25cP、又は約22〜約24、あるいは約23cPの粘度を有し得る。PVAポリマーの粘度は、British Standard EN ISO 15023−2:2006 Annex E Brookfield Test methodに記載のように、ULアダプターを備えたBrookfield LVタイプ粘度計を使用して、調製したての溶液を測定することによって決定される。これは、20℃における4%のポリビニルアルコール水溶液の粘度を決めるための国際的慣行である。本明細書においてcPで明記されている全ての粘度は、特に指定のない限り、20℃における4%のポリビニルアルコール水溶液の粘度を指すと理解すべきである。同様に、樹脂が特定の粘度を有する(又は有しない)と記載されるとき、特に言及しない限り、指定された粘度は、対応する分子量分布を固有に有する、樹脂の平均粘度であることを意味する。
【0047】
PVA樹脂の加水分解度が本明細書に記載の範囲内にある限り、個々のPVAポリマーは、任意の好適な加水分解度を有し得る。所望により、PVA樹脂は、更に又は代わりに、約50,000〜約300,000ダルトン、又は約60,000〜約150,000ダルトンの範囲のMwを有する第1のPVAポリマー、及び約60,000〜約300,000ダルトン、又は約80,000〜約250,000ダルトンの範囲のMwを有する第2のPVAポリマーを含むことができる。
【0048】
PVA樹脂は、約10〜約40cPの範囲内の粘度と、約84%〜約92%の範囲内の加水分解と、を有する、1種以上の追加のPVAポリマーを更に含み得る。
【0049】
PVA樹脂が、約11cPよりも低い平均粘度と約1.8〜約2.3の範囲内の多分散指数とを有する第1のPVAポリマーを含む場合には、ある種の実施形態では、PVA樹脂は、約30重量%未満の第1のPVAポリマーを含有する。同様に、PVA樹脂が、約11cP未満の平均粘度と、約1.8〜約2.3の範囲内の多分散指数と、を有する第1のPVAポリマーを含む場合には、別の非限定的な種類の実施形態では、PVA樹脂は、約70,000ダルトン未満のMwを有するPVAポリマーを約30重量%未満含有する。
【0050】
本明細書で記載されるフィルム内の全PVA樹脂含量のうち、PVA樹脂は、約30〜約85重量%の第1のPVAポリマー、又は約45〜約55重量%の第1のPVAポリマーを含んでもよい。例えば、PVA樹脂は、各PVAポリマーを約50重量%ずつ含有することができ、その場合、第1のPVAポリマーの粘度は約13cPであり、第2のPVAポリマーの粘度は約23cPである。
【0051】
ある種の実施形態は、約10〜約15cPの範囲内の粘度と、約84%〜約92%の範囲内の加水分解度と、を有する第1のPVAポリマーを約40〜約85重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。他の種の実施形態は、約10〜約15cPの範囲内の粘度と、約84%〜約92%の範囲内の加水分解度と、を有する第1のPVAポリマーを約45〜約55重量%含むPVA樹脂によって特徴付けられる。PVA樹脂は、約20〜約25cPの範囲内の粘度と、約84%〜約92%の範囲内の加水分解度と、を有する第2のPVAポリマーを約15〜約60重量%含み得る。1つの想到される種類の実施形態は、約45〜約55重量%の第2のPVAポリマーを含むPVA樹脂によって特徴付けられる。
【0052】
PVA樹脂が複数のPVAポリマーを含む場合、PVA樹脂のPDI値は、あらゆる個々の含まれたPVAポリマーのPDI値よりも大きい。所望により、PVA樹脂のPDI値は、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.5、又は5.0を超える。
【0053】
好ましくは、重みづけを持つPVA樹脂は、平均加水分解度(H.deg.)が、約80及び約92%の間、又は約83%及び約90%の間、又は約85及び89%である。例えば、2つ以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂のH.deg.は、式H.deg.=(Wi−H,)で計算され、1/2は、それぞれのPVAポリマーの重量パーセントであり、かつH,は、それぞれの加水分解度である。更に、約10〜約25,約12〜22、又は約13.5〜約20の重み付け対数平均粘度を有するPVA樹脂を選ぶのが望ましい。2つ以上のPVAポリマーを含むPVA樹脂のための.micro.は、式.micro.=e(11)によって−YW−In/で計算され、.micro.[]は、それぞれのPVAポリマーの粘度である。
【0054】
また更に、0.255〜0.315、又は0.260〜0.310、又は0.265〜0.305、又は0.270〜0.300、又は0.275〜0.295、好ましくは0.270〜0.300の範囲の樹脂選択指数(RSI)を有するPVA樹脂を選択することが望ましい。RSIは、式(w[t]\.micro.[{]−A|)/.Sigma.((W)iMi)>によって計算され、.micro.[(]は17、/,は、各PVAポリマーの平均粘度、及びWiは、それぞれのPVAポリマーの重量パーセントである。
【0055】
更により好ましいフィルムは、
[Y]−[G]
n
(式中、Yは、ビニルアルコールモノマーを表し、Gは、アニオン基を含むモノマーを表し、並びに指数nは、1〜3の整数である)の式を伴う、少なくとも1つのアニオン的に変性されたモノマーを含む水溶性コポリマーフィルムである。Gは、アニオン基を運搬可能な任意の好適なコモノマーであり、より好ましくは、Gはカルボン酸類である。Gは、好ましくは、マイレン酸、イタコン酸、coAMPS、アクリル酸、ビニル酢酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、エチレンスルホン酸、2アクリルアミド1メチルプロパンスルホン酸、2アクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸、2メチルアクリルアミド2メチルプロパンスルホン酸、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0056】
アニオン基のGは、好ましくはOSO
3M、SO
3M、CO
2M、OCO
2M、OPO
3M
2、OPO
3HM及びOPO
2Mから成る群から選択される。更に好ましくは、アニオン基のGは、OSO
3M、SO
3M、CO
2M、及びOCO
2Mから成る群から選択される。最も好ましくは、アニオン基のGは、SO
3M及びCO
2Mから成る群から選択される。
【0057】
当然のことながら、異なるフィルム材及び/又は異なる厚さのフィルムもまた、本発明の区画を作製するために選択できる。異なるフィルムを選択した場合、得られる区画が、異なる溶解度特性、すなわち放出特性を呈し得るという利点が存在する。
【0058】
また、本明細書のフィルム材料には、1つ以上の添加剤成分を含有させてもよい。例えば、可塑剤、例えばグリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物を添加することは有益であり得る。他の添加剤としては、洗浄水に送達されることになる機能的洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0059】
単回投与パウチ
本明細書で記載されるパウチは、単一又は多区画パウチであってよい。パウチが多区画パウチである場合、該区画は、好ましくは異なる審美的外観を有する。審美的外観の違いは、任意の好適な方法により達成することができる。パウチの一区画は、半透明(translucent)の、透明の、半透明(semi-transparent)の、不透明の、又は半不透明のフィルムを用いて作製することができ、パウチの第2の区画は、区画の外観が異なるような、半透明の(translucent)、透明の、半透明の(semi-transparent)、不透明の又は半不透明のフィルムから選択される、異なるフィルムを用いて作製することができる。パウチの区画は同じ大きさ及び容量であってもよい。別の方法としては、パウチの区画は異なる内部容積を有する、異なる大きさであってもよい。区画は、材質又は色に関して互いに異なっていてもよい。それゆえ、1つの区画には光沢がある一方で他方はマットであってもよい。多くの場合、このような態様は、水溶性フィルムの片面は光沢のあるものにし、なおかつ他方の面にはマット仕上げを施すなどして、容易に達成することができる。あるいは、区画を作製するために使用するフィルムは、フィルムにエンボス加工する、彫り込み加工する又は印刷加工するなどの方法で処理することもできる。エンボス加工は、当該技術分野において記載される任意の好適な手段を用いて物質をフィルムに付着させることで達成することができる。彫り込み加工は、当該技術分野において利用可能な好適な技術を用いて圧力をフィルムに印加することで達成することができる。印刷加工は、当該技術分野において利用可能な任意の好適なプリンタ及びプロセスを用いることで達成することができる。別の方法としては、フィルム自体を着色して、製造者に各区画に関し異なった着色をされたフィルムを選択させるようにすることもできる。別の方法としては、フィルムは透明であっても半透明(translucent)あってもよく、内部に含まれる組成物が着色されていてもよい。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、第1の区画は白、緑、青、オレンジ、赤、黄、ピンク又は紫からなる群から選択される色を有し、第2の区画は白、黄、オレンジ、青又は緑からなる群から選択される異なった色を有する。
【0060】
多区画パウチの仕切りを分離してもよいが、好ましくは任意の適切な方法で接続する。最も好ましくは、第2の及び場合により第3の又はそれに続く区画は、第1の区画上に重ね合わせられる。一実施形態では、第3の区画を第2の区画上に重ね合わせ、次に、これを第1の区画上に挟み込む配置で重ね合わせることができる。別の方法としては、第2の及び第3の、並びに所望によりそれに続く区画を、全て第1の区画上に重ね合わせることもできる。しかしながら、第1の、第2の、場合により第3の、並びにそれに続く区画を、隣り合わせたもの同士互いに接着できることも同様に予想される。好ましい実施形態においては、本発明のパウチは1つの大きい区画と2つのより小さな区画とから構成される、3つの区画を含む。第2の及び第3のより小さな区画は、第1のより大きな区画上に重ねて置かれる。区画の大きさ及び形状は、この構成を達成できるように選択される。区画を一続きにパックして、ミシン目線により各区画をそれぞれ分離できるようにしてもよい。それゆえ例えば、区画に含まれる組成物で布地を前処理又は後処理するために、各区画がエンドユーザにより一続きの残りの部分からそれぞれ切り離されてもよい。
【0061】
区画の形状は同じでも異なっていてもよい。好ましい実施形態においては、第2の及び所望により第3の、又はそれに続く区画は、第1の区画に対して異なる形状及び外形を有する。この実施形態において、第2の及び場合により第3の区画は第1の区画上のデザイン中に配置される。例えばこのデザインは、コンセプト又は取扱の説明に役立つように装飾的、教育的、例証的なものであってよく、あるいは製品の供給元を示すために使用することもできる。好ましい実施形態においては、第1の区画は、周囲が封止された2つの大きな面を有する最も大きな区画である。第2の区画は、第1の区画の1つの面の表面積の75%未満、より好ましくは50%未満をより小さく覆う。第3の区画が存在する実施形態においては、上記の構成は同様であるが、第2の及び第3の区画は、第1の区画の1つの面の表面積の60%未満、より好ましくは50未満%、更により好ましくは45未満%を覆う。
【0062】
パウチ単回投与製剤の作製方法
本発明のパウチは、任意の好適な装置及び方法を用い作製することができる。単一区画のパウチは、縦型の充填技術を用いて作製されるが、好ましくは、当該技術分野において既知である水平型の充填技術を用いて作製される。好ましくはフィルムを濡らし、より好ましくは加熱して、展延性を上昇させる。更により好ましくは、方法にはまた、好適な型にフィルムを引き入れるための真空の使用を含む。型の中にフィルムを引き入れる真空は、フィルムを表面の水平部分上に置いてすぐに、0.2秒〜5秒間、好ましくは0.3秒〜3秒間、又は更により好ましくは0.5秒〜1.5秒間適用することができる。この真空は、好ましくは、それが+10kPa〜100kPa(+10ミリバール〜+1000ミリバール)、更に好ましくは+10kPa〜60kPa(+100ミリバール〜+600ミリバール)の間の負圧をもたらすようなものであってよい。
【0063】
パウチを作製する型は、必要とされるパウチ寸法に応じる任意の外形、長さ、幅及び深さであってよい。型はまた、所望するならば大きさ及び外形が互いに異なっていてもよい。例えば、最終パウチの容積が、5mL〜300mL、又は更には10mL〜150mL、又は更には20mL〜100mLの間であることが好ましい場合があり、この場合、型の大きさはそれに応じて調節する。
【0064】
熱成形として一般的に既知であるプロセスで、任意の方法により、フィルムに熱を印加できる。例えば、フィルムは、表面上に供給する前に、又は表面上に供給してすぐに加熱要素の下あるいは熱風の中を通過させることで直接加熱できる。別の方法としては、例えば、表面を加熱するか、あるいは熱した物品をフィルム上に適用することにより、フィルムを間接的に加熱することもできる。最も好ましくは、フィルムは赤外光を用いて加熱される。フィルムは、好ましくは50〜120℃、又は更には60〜90℃の温度まで熱せられる。あるいは、フィルムを、どのような手段によっても、例えばそれを表面上にフィードするか、又は表面上に一度それを表面上にフィードする前に、フィルムの上に湿潤剤(水、フィルム材料の溶液又はフィルム材料用の可塑剤を含む)を直接にスプレーすることにより、又は表面を間接的に濡らすか、又はフィルムの上に濡れた物品をあてがうことにより、濡らすことができる。
【0065】
フィルムは、加熱/湿潤させてすぐに、適切な型の中に好ましくは真空を用いて引き入れる。物品を充填(好ましくは移動)するための任意の既知の方法により成形フィルムの充填を行うことができる。最も好ましい方法は、製品形態及び必要とされる充填速度によって決まる。好ましくは、成形フィルムをインライン充填技術により充填する。次に、充填し、未だ口の開いているパウチを、任意の好適な方法により第2のフィルムを用いて閉じる。好ましくは、この工程はまた、水平位置で、連続的に、一定の動作で実行される。好ましくは、封止は、開放パウチを覆って及びその上に第2のフィルム、好ましくは水溶性フィルムを連続的に供給し、次いで好ましくは、第1のフィルムと第2のフィルムを共に封止することにより、典型的には型と型との間、ひいてはパウチとパウチとの間の領域を共に封止することにより行われることが好ましい。
【0066】
好ましい封止方法としては、熱封止、溶媒溶接、及び溶媒封止又は湿潤封止が挙げられる。封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤により処理するのが好ましい。熱又は溶剤は、いずれかの方法により、好ましくは閉鎖材料の上に、好ましくは封止を形成することになる区域の上のみに適用されることができる。溶剤若しくは湿潤封止又は溶着が使用される場合、熱もまた適用されることが好ましい場合がある。好ましい湿式又は溶剤封止/溶着方法には、溶剤を鋳型間、又は閉鎖材料上に、例えばこれをこれらの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用すること、次いで圧力をこれらの領域に適用して封止を形成することが挙げられる。例えば上記のようなシーリングロール及びベルト(任意に熱も提供する)が使用され得る。
【0067】
次いで、作製したパウチを切断装置によって切り出してもよい。切り出しは任意の既知の方法を用いて行うことができる。切り出しはまた、連続方式で、並びに好ましくは一定速度で及び好ましくは水平位置にある間に行うことが好ましい場合がある。切断装置は、例えば鋭利な物品又は加熱した物品であることができ、それによって後者の場合には、加熱した物品はフィルム/封止領域を「焼き」落とす。
【0068】
多区画パウチの異なる区画を、サイドバイサイドスタイルで一緒に作製してもよく、この場合、連続したパウチは切断されない。あるいは、区画を別々に作製してもよい。このプロセス及び好ましい構成に従って、パウチは以下の工程を含むプロセスによって作製される。
a)(上記したように)第1の区画を形成する工程と、
b)工程(a)で作製した閉鎖区画の一部又は全ての内部にくぼみを形成して、上記の第1の区画上に重ね合わせられる第2の成形区画を作製する工程と、
c)第3のフィルムを用いて、前記第2の区画を充填し、閉じる工程と、
d)第1、第2及び第3のフィルムを封止する工程と、
e)フィルムを切断して多区画パウチを作製する工程と、を含む。
【0069】
工程bで形成される前記くぼみは、好ましくは、工程a)で作製された区画に真空を適用することによって得られる。
【0070】
別の方法としては、本明細書に参照として組み込まれる、我々の同時係属出願欧州特許第08101442.5号に記載されるように、第2の及び場合により第3の区画を別個の工程で作製し、次いで第1の区画と組み合わせることもできる。特に好ましいプロセスは、
a)第1の形成機械に第1のフィルムを用いて、所望により熱及び/又は真空を使用して第1の区画を形成する工程と、
b)かかる第1の区画に第1の組成物を充填する工程と、
c)第2の形成機械において、所望により熱及び真空を用い第2のフィルムを変形させて、第2の及び所望により第3の成形区画を作製する工程と、
d)第2の及び所望により第3の区画を充填する工程と、
e)第3のフィルムを用いて第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
f)封止した第2の及び所望により第3の区画を、第1の区画上に配置する工程と、
g)第1の、第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
h)フィルムを切り出して多区画パウチを作製する工程と、を含む。
【0071】
第1の及び第2の形成機械は、上記のプロセスを実施するための適合性に基づいて選択される。好ましくは第1の形成機械は水平式の形成機である。好ましくは第2の形成機械は回転ドラム式形成機械であり、好ましくは第1の形成機械上に配置される。
【0072】
適切な供給ステーションの使用により、様々な、異なる若しくは独特の組成物、及び/又は異なる若しくは独特の液体、ゲル又はペースト組成物を組み込む、多区画パウチが作製可能であることは更に理解されるであろう。
【0073】
補助洗剤組成物成分
本発明の組成物は、好ましくは液体である。用語「液体」とは、液体、ペースト、ワックス、又はゲル組成物を含むことを意味する。液体組成物は、固体を含んでもよい。固体は、マイクロカプセル、ビーズ、ヌードル、又は1つ以上の真珠様光沢ボール、又はこれらの混合物等の粉末又は粒塊を含んでもよい。このような固体成分は、洗浄を通して、又は前処理、遅延放出若しくは順次放出成分として、技術的利点を提供することができる。あるいはこのような固体成分は、審美的な効果も提供し得る。本発明の組成物は、以下に説明する1種以上の成分を含んでいてもよい。
【0074】
界面活性剤又は洗浄界面活性剤
本発明の組成物は、好ましくは更に界面活性剤を含む。界面活性剤の合計濃度は、組成物の約1重量%〜80重量%の範囲であってもよい。
【0075】
利用する追加の洗浄性界面活性剤は、非イオン性、双極性、両性又はカチオン性タイプであってもよく、又はこれらのタイプの相溶性混合物であってもよい。より好ましくは、界面活性剤はアニオン性、非イオン性、カチオン性の界面活性剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましくは組成物は、ベタイン系界面活性剤を実質的に含まない。本明細書において有用な洗剤界面活性剤は、米国特許第3,664,961号(Norris、1972年5月23日発行)、同第3,919,678号(Laughlinら、1975年12月30日発行)、同第4,222,905号(Cockrell、1980年9月16日発行)、及び同第4,239,659号(Murphy、1980年12月16日発行)に記載されている。アニオン性及び非イオン性の界面活性剤が好ましい。
【0076】
好ましい非イオン性界面活性剤は、式R
1(OC
2H
4)
nOHの非イオン界面活性剤であり、式中R
1は、C
10〜C
16アルキル基又はC
8〜C
12アルキルフェニル基であり、nは、3〜約80である。特に好ましいのは、C
12〜C
15アルコールと、アルコール1モル当たり約5〜約20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であり、例えば、C
12〜C
13アルコールをアルコール1モル当たり約6.5モルのエチレンオキシドと縮合させたものである。
【0077】
布地ケア有益剤
組成物は布地ケア有益剤も含み得る。本明細書で使用するとき、「布地ケア有益剤」は、その成分が適切な量で衣類/布地の上にあるときに、布地ケアに効果を与えるあらゆる材料を指し、例えば、布地柔軟化、着色保護、毛玉/毛羽削減、磨耗防止、皺防止、などの効果を衣類及び布地、特に綿及び綿が多い衣類並びに布地に対して与える。布地ケア有益剤の非限定的な例として、カチオン性界面活性剤類、シリコーン類、ポリオレフィンワックス類、ラテックス類、油性糖誘導体類、カチオン性多糖類、ポリウレタン類、脂肪酸類、及びこれらの混合物が挙げられる。布地ケア有益剤は、組成物中に存在する場合、好適には、組成物の約30重量%、より一般的には約1重量%〜約20重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%の濃度である。
【0078】
洗浄用酵素
本発明の組成物には、洗浄用酵素を含有させてもよい。本明細書で用いる好適な洗浄用酵素には、プロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼ及びエンドグルカナーゼを含むカルボヒドラーゼ、並びにこれらの混合物が挙げられる。酵素類は、その技術分野で教示される濃度、例えば、Novo及びGenencorのような供給元によって推奨される濃度で使用することができる。組成物中での典型的な濃度は約0.0001%〜約5%である。酵素が存在する場合、それらは本発明の特定の実施形態では、非常に低濃度、例えば、約0.001%以下で使用でき、あるいは本発明に従う高濃度、例えば、約0.1%以上の濃度でより強力型の洗剤処方に使用できる。「非生物学的」洗剤を好む消費者もいるため、本発明は酵素含有の実施形態と、酵素不含有の実施形態の両方を包含する。
【0079】
付着助剤
本発明の組成物には、付着助剤を組み込んでもよい。本明細書で使用する場合、「付着助剤」は、洗濯中に布地への布地ケア有益剤の付着を顕著に高める、任意のカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。
【0080】
好ましくは、付着助剤はカチオン性又は両性ポリマーである。本発明の両性ポリマー類は、カチオン性の正味電荷も有し、すなわち、これらのポリマー上にあるカチオン性電荷の合計が、アニオン性電荷の合計を上回る。付着増強剤の非限定例は、カチオン性多糖類、キトサン及びその誘導体、並びにカチオン性合成ポリマーである。好ましいカチオン性多糖類としては、カチオン性セルロース誘導体、カチオン性グアーガム誘導体、キトサン及び誘導体、並びにカチオン性デンプンが挙げられる。
【0081】
レオロジー変性剤
本発明の好適な実施形態では、組成物はレオロジー変性剤を含む。レオロジー変性剤は、非高分子結晶性のヒドロキシ官能性材料、高分子レオロジー変性剤からなる群から選択され、組成物の水性液体マトリックスに減粘特性を付与する。結晶性、ヒドロキシ官能性材料はレオロジー変性剤であり、それはマトリックス中でのその場での結晶化により、組成物のマトリックスの全体にわたって糸状構造系を形成する。具体的な、好適な結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としてはひまし油及びその誘導体が挙げられる。特に好ましいものは、硬化ヒマシ油及び水素添加キャスターワックスなどの硬化ヒマシ油誘導体である。市販のひまし油系の結晶性、ヒドロキシル含有レオロジー変性剤としては、Rheox Inc.(現Elementis)からのTHIXCIN(登録商標)が挙げられる。高分子レオロジー変性剤は、好ましくはポリアクリレート、高分子ゴム、その他の非ゴム多糖類、及びこれらの高分子材料の組み合わせから選択される。好ましい高分子ゴム材料としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアゴム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0082】
ビルダー
本発明の組成物は任意でビルダーを含んでもよい。好適なビルダーとしては、米国特許第3,923,679号、同第3,835,163号、同第4,158,635号、同第4,120,874号、及び同第4,102,903号に記載のもののような、環状化合物、特に脂環式化合物を含むポリカルボン酸塩ビルダーが挙げられる。特に好ましいのはクエン酸塩ビルダー、例えばクエン酸及びその可溶性の塩(特にナトリウム塩)である。
【0083】
他の好ましいビルダーとしては、エチレンジアミンジコハク酸及びその塩(エチレンジアミンジコハク酸、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸及びその塩(エチレンジアミン四酢酸、EDTA)、並びにジエチレントリアミンペンタ酢酸及びその塩(ジエチレントリアミンペンタアセテート、DTPA)、ゼオライトA、B又はMAPなどのアルミノケイ酸塩;脂肪酸又は塩、好ましくはそれらのナトリウム塩、好ましくはC12〜C18飽和及び/又は不飽和脂肪酸;並びにアルカリ又はアルカリ土類金属炭酸塩(好ましくは炭酸ナトリウム)が挙げられる。
【0084】
漂白剤系
本明細書に好適な漂白剤には、塩素漂白剤及び酸素漂白剤が挙げられ、特に無機過水和物塩、例えば、過ホウ酸ナトリウム一水和物及び四水和物、並びに制御された放出速度を提供するために任意にコーティングされた過炭酸ナトリウム(例えば、硫酸塩/炭酸塩コーティングについてはGB−A−1466799を参照のこと)、予備形成有機ペルオキシ酸及び有機ペルオキシ酸漂白剤前駆体とのこれらの混合物、並びに/又は遷移金属含有漂白触媒(特にマンガン又はコバルト)が挙げられる。無機過水和物塩は、典型的には、組成物の約1重量%〜約40重量%、好ましくは約2重量%〜約30重量%、及びより好ましくは約5重量%〜約25重量%の範囲の濃度で組み込まれる。本明細書で使用するのに好ましいペルオキシ酸漂白剤前駆体には、過安息香酸及び置換型過安息香酸の前駆体;カチオン性ペルオキシ酸前駆体;過酢酸前駆体、例えばTAED、アセトキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、及びペンタアセチルグルコース;過ノナン酸(pernonanoic)前駆体、例えば、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(イソ−NOBS)及びノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム(NOBS);アミド置換型アルキルペルオキシ酸前駆体(EP−A−0170386);並びにベンゾオキサジンペルオキシ酸前駆体(EP−A−0332294及びEP−A−0482807)が挙げられる。漂白剤前駆体は、典型的には、組成物の約0.5重量%〜約25重量%、好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲の濃度で組み込まれ、それに対し予備形成有機ペルオキシ酸自体は、典型的には、組成物の0.5重量%〜25重量%、より好ましくは1重量%〜10重量%の範囲の濃度で組み込まれる。本明細書で使用するのに好ましい漂白触媒としては、マンガントリアザシクロノナン及び関連する錯体(米国特許第4246612号、同第5227084号);Co、Cu、Mn及びFeビスピリジルアミン及び関連する錯体(米国特許第5114611号);並びにペンタミンアセテートコバルト(III)及び関連する錯体(米国特許第4810410号)が挙げられる。
【0085】
その他の補助剤
他の適切な洗浄助剤の例としては、酵素安定系;酸化防止剤、乳白剤、真珠光沢剤、色相染料、スカベンジャー(アニオン性染料用定着剤、アニオン性界面活性剤用錯化剤、及びそれらの混合物を含む);光学的光沢剤又は蛍光剤;防汚ポリマー;分散剤;消泡剤;染料;着色剤;トルエンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸塩等のヒドロトロープ;カラースペックル;香料及び香料マイクロカプセル、着色ビーズ、球体又は成形品:クレイ用柔軟剤及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
【0086】
組成物の調製
本明細書の組成物は一般的に配合成分を共に混合することにより調製できる。真珠光沢材料を使用する場合、混合の後の方の段階で添加するべきである。レオロジー変性剤を使用する場合、プレミックスを最初に調製することが好ましく、レオロジー変性剤は、組成物を構成するために最終的に用いられる、水及び所望により他の配合成分の一部に分散させる。プレミックスは、構造化された液体を調製するこのような方法で調製する。次に、この構造化したプレミックスを攪拌しながら添加することができ、水及びあらゆる任意の洗剤組成物補助剤と共に、界面活性剤及び必須の洗剤補助剤材料を使用できる。
【0087】
二次パッケージング
好ましくは、本発明の多区画パウチは更に、外側パッケージによりパッケージングする。かかる外側パッケージは、例えば透明又は半透明(translucent)の袋、タブ、カートン又はボトルなどの容器を透過して、あるいは部分的に透過して見ることができる。このパックは、輸送の間にパウチを保護するのに十分な強度を有する材料であるならば、プラスチック又は任意の他の好適な材料から作製できる。この種類のパックは更に、ユーザーがパックを開けて、どの程度の数のパウチが残っているのか確認する必要がなくなることから、非常に有用である。あるいは、パックは透視できない外側パッケージ、恐らくパックの視覚的に内容物の特色を表すしるし又は図柄を備える外側パッケージを有することもできる。
【0088】
洗浄プロセス
本発明のパウチは、洗濯洗浄用途に好適である。パウチは、手洗い条件又は機械洗い条件に好適である。機械洗いの場合、パウチは分与装置から送達することができ、あるいは洗濯機ドラムの中に直接投入することもできる。
【0089】
漏洩の測定方法
水溶性パッケージの外側へのフィルムを介した液体化合物の移染は、ドイツ、ケルン、Courage−Khazaka Electronicによって製造されたCM−825プローブを搭載したコルネオメータCM825を用いて定量化されてもよい。装置は、供給元の助言に従って調製される。装置は、記録されたコルネオメータ値を示す。コルネオメータは、誘電率(すなわちパウチの外側の流体の存在)がコルネオメータ値を変更するため、漏洩レベルのわずかな変化も検出できる。
【0090】
装置は、20℃+/−3℃及び50%+/−10の相対湿度に調節された実験室に配置される。パウチは、測定前に20+/−3℃の温度にする。プローブは、乾いた清潔な紙ティッシュで掃除され、その後ブランク測定は、清潔な紙ティッシュ(Cat.No.115−0600、ベルギー、ルーヴェン、VWR International bvba)上のセンサーを緩徐に拭取ることによって行われ、装置が0のコルネオメータ値を示すまでプローブ上に混入物がないことを確認する。プローブは、使用方法通りにパウチ上に垂直に配置する。10の複製が各パウチ用に計測される。パウチの頂部及び底部の中心及び角が試験される。測定は、5つの異なるパウチで繰り返される。このように、データは、50回の測定の平均である。プローブは、各測定間で掃除される。
【0091】
以下の表は、漏洩のコルネオメータ値の解釈を示す。
【0093】
以下は本発明の実施例である。以下の洗剤組成物(以下に提示されるような、組成物A)は、溶媒の異なる組み合わせ及び濃度を含んで調製された。
【0095】
全濃度は組成物の重量パーセントである。
【0096】
モノ−区画パウチは、組成物Aの液体洗剤で満たされ、溶媒系は、以下の式1〜9より選択される。パウチは、標準熱成型技術を用いてMonosolより入手可能な、M8779フィルムを用いて作成される。具体的には、0.7gの76μm厚フィルムM8779は、41mm×43mmの単一区画パウチに熱成型される。パウチは、23.7mL(25.4g)の上記組成物Aで満たされる。
【実施例】
【0097】
(実施例1)
以下の溶媒系処方1〜4は、溶媒の異なる組み合わせ及び濃度を含んで調製された。コルネオメータ値は、32℃及び80%の相対湿度で4週間貯蔵された後に測定された。値に基づいて、漏洩特性が分類される。
【0098】
【表4】
【0099】
DPG(ジプロピレングリコール)は、ドイツ、ケルンのIneos Manufacturingによって供給された。溶媒は、28.5のHSP及び−0.6のcLogPを有する。
【0100】
DEG(エチレングリコール)は、オランダ、シッタルトのSabic Petrochemicalsによって供給された。
【0101】
グリセロールは、フランス、オルレアンのBrenntag Saによって供給された。
【0102】
Pジオール(プロパンジオール)は、ドイツ、ケルンのIneos Manufacturingによって供給された。
【0103】
(実施例2)
以下の溶媒系処方2〜5は、溶媒の異なる組み合わせ及び濃度を含んで調製された。コルネオメータ値は、32℃及び80%の相対湿度で4週間貯蔵された後に計測された。値に基づいて、漏洩特性が分類される。
【0104】
【表5】
【0105】
(実施例3)
以下の溶媒系処方1、2、5及び7は、溶媒の異なる組み合わせ及び濃度を含んで調製された。コルネオメータ値は、32℃及び80%の相対湿度で4週間貯蔵した後に測定された。値に基づいて、漏洩特性が分類される。
【0106】
【表6】
【0107】
(実施例4)
以下の溶媒系処方1〜8は、溶媒の異なる組み合わせ及び濃度を含んで調製された。コルネオメータ値は、32℃及び80%の相対湿度で4週間貯蔵された後に測定された。値に基づいて、漏洩特性が分類される。
【0108】
【表7】
【0109】
(実施例5)
以下の溶媒系処方5、7、8、及び9は、溶媒の異なる組み合わせ及び濃度を含んで調製された。コルネオメータ値は、32℃及び80%の相対湿度で4週間貯蔵された後に測定された。値に基づいて、漏洩特性が分類される。
【0110】
【表8】
【0111】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。