特許第6185112号(P6185112)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185112
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】加振器
(51)【国際特許分類】
   H04R 13/00 20060101AFI20170814BHJP
   H04R 7/04 20060101ALI20170814BHJP
   H04R 9/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   H04R13/00
   H04R7/04
   H04R9/02 102Z
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-98917(P2016-98917)
(22)【出願日】2016年5月17日
(62)【分割の表示】特願2015-172822(P2015-172822)の分割
【原出願日】2015年9月2日
(65)【公開番号】特開2017-50842(P2017-50842A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2016年5月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000114710
【氏名又は名称】ヤマウチ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 高良
【審査官】 冨澤 直樹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2002−531037(JP,A)
【文献】 特開2002−055683(JP,A)
【文献】 特開2011−030013(JP,A)
【文献】 特開2013−081151(JP,A)
【文献】 再公表特許第2008/084796(JP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04R 13/00
H04R 11/02
H04R 7/04
H04R 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1振動板と、
前記第1振動板に取り付けられたマグネットと、
前記マグネットと間隔を隔てて対峙するように設けられたコイルとを備え、
前記マグネットは、球体である、加振器。
【請求項2】
前記第1振動板と間隔を隔てて配置された第2振動板をさらに備え、
前記コイルは、前記第2振動板に取り付けられている、請求項1に記載の加振器。
【請求項3】
有底部と、前記有底部の両端から立設されたフランジ部とを含み、ヨークで形成されたカップ状ヨーク材をさらに備え、
前記カップ状ヨーク材の内部には、前記コイルが配置され、
前記カップ状ヨーク材の前記有底部の外側底面は、前記第2振動板に接着されている、請求項2に記載の加振器。
【請求項4】
前記カップ状ヨーク材の前記フランジ部の先端と、前記第1振動板との間に設けられた弾性部材をさらに備える、請求項3に記載の加振器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加振器に関し、例えば、オーディオ機器等に用いられるスピーカー等の加振器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、オーディオ機器等に用いられるスピーカー等の加振器は、ボイスコイルの内側にマグネットが配置された内磁型磁気回路、または、ボイスコイルの外側にマグネットが配置された外磁型磁気回路を有している。
【0003】
内磁型磁気回路を有するスピーカーとして、例えば、特開平7−203589号公報(特許文献1)が挙げられる。外磁型磁気回路を有するスピーカーとして、例えば、特開平9−233594号公報(特許文献2)、特開2005−277561号公報(特許文献3)、国際公開第2011/007441号(特許文献4)などが挙げられる。
【0004】
上記特許文献1〜4には、ボイスコイルが取り付けられた振動板に振動が伝達されて、振動板から音声が出力されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−203589号公報
【特許文献2】特開平9−233594号公報
【特許文献3】特開2005−277561号公報
【特許文献4】国際公開第2011/007441号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、上記特許文献1〜4のスピーカーと異なるとともに、簡易な構造の加振器を実現することを課題とした。すなわち、本発明は、簡易な構造の加振器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の加振器は、第1振動板と、この第1振動板に取り付けられたマグネットと、このマグネットと間隔を隔てて対峙するように設けられたコイルとを備えている。
【0008】
本発明の加振器によれば、コイルに電流を流すと、この電流とマグネットの磁束とによって、マグネットが取り付けられた第1振動板に振動が伝達されるので、第1振動板から音声を出力することができる。このため、本発明の加振器は、上記特許文献1〜4と異なり、マグネットが取り付けられた第1振動板から音声を出力することが可能であり、かつ簡易な構造を実現している。
【0009】
本発明の加振器においてマグネットは、球体である。これにより、マグネットと第1振動板とは点接触になる。このため、マグネットと第1振動板との接触面積を低減できるので、マグネットが第1振動板の振動を妨げることを抑制できる。
【0010】
本発明の加振器において好ましくは、第1振動板においてマグネットが取り付けられた面と反対側の面に配置されたヨーク材をさらに備え、マグネットとヨーク材とは磁気吸着力により保持されている。
【0011】
これにより、第1振動板を介して設けられるマグネットとヨーク材とは磁気吸着力により保持されているので、接着剤等を用いずにマグネット及びヨーク材を配置することができる。また、マグネット及びヨーク材の位置の変更が容易である。このため、より簡易な構造を実現できる。また、ヨーク材により、磁力を有効に利用できる。
【0012】
本発明の加振器において好ましくは、第1振動板と間隔を隔てて配置された第2振動板をさらに備え、コイルは、第2振動板に取り付けられている。
【0013】
これにより、コイルに電流を流すと、この電流とマグネットの磁束とによって、コイルが取り付けられた第2振動板に振動が伝達される。このため、第1及び第2振動板の両方を振動させることができるので、第1及び第2振動板の両方から音声を出力することができる。
【0014】
本発明の加振器において好ましくは、有底部と、この有底部の両端から立設されたフランジ部とを含み、ヨークで形成されたカップ状ヨーク材をさらに備え、カップ状ヨーク材の内部には、コイルが配置され、カップ状ヨーク材の有底部の外側底面は、第2振動板に接着されている。
【0015】
これにより、カップ状ヨーク材はコイルを包含するので、洩れ磁束を低減できるため、磁力を有効に利用できる。
【0016】
本発明の加振器において好ましくは、カップ状ヨーク材のフランジ部の先端と、第1振動板との間に設けられた弾性部材をさらに備えている。
【0017】
弾性部材により、第1及び第2振動板の振動による抵抗を吸収できるので、音声の出力を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、簡易な構造の加振器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態1における加振器を概略的に示す断面図である。
図2】本発明の実施の形態1における別の加振器を概略的に示す断面図である。
図3】本発明の実施の形態2における加振器を概略的に示す断面図である。
図4】本発明の実施の形態3における加振器を概略的に示す断面図である。
図5】本発明の実施の形態4における加振器を概略的に示す断面図である。
図6】本発明の実施の形態5における加振器を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
【0021】
(実施の形態1)
1及び図2を参照して、本発明の一実施の形態の加振器10a、10cについて説明する。
【0022】
図1に示すように、本実施の形態の加振器10aは、第1振動板11と、第2振動板12と、マグネット13と、ヨーク材14と、コイル15と、カップ状ヨーク材16と、ボビン17と、弾性部材18とを備えている。第2振動板12上には、カップ状ヨーク材16が配置されている。このカップ状ヨーク材16の内部には、ボビン17が配置されている。カップ状ヨーク材16の内部であって、ボビン17の外周にはコイル15が巻回されている。このコイル15上には間隔を隔ててマグネット13が配置されている。このマグネット13上には、第1振動板11が配置されている。この第1振動板11上には、ヨーク材14が配置されている。
【0023】
本実施の形態の加振器10aにおいては、第1及び第2振動板11、12のそれぞれが振動し、第1振動板11を含む第1振動ユニット及び第2振動板12を含む第2振動ユニットのそれぞれから音声が出力される。
【0024】
詳細には、第1振動板11と第2振動板12とは、間隔を隔てて配置されており、本実施の形態では互いに平行に並設されている。第1及び第2振動板11、12は、板状部材である。第1振動板11と第2振動板12とは、同じ大きさであってもよく、異なる大きさであってもよい。
【0025】
第1及び第2振動板11、12の材料は特に限定されないが、軽量化の観点から、紙類であることが好ましく、良好な振動特性の観点から、表面と裏面とを有し、表面と裏面との間に空隙を有する材料であることが好ましい。本実施の形態では、軽量化及び良好な振動特性の観点から、段ボールを用いている。
【0026】
第1振動板11には、マグネット13が取り付けられている。マグネット13は、永久磁石である。マグネット13の材料は特に限定されないが、高い磁力を示す観点から、Nd‐Fe‐B焼結磁石を用いることが好ましい。高い磁力を示すマグネット13を用いることにより、マグネット13として小型のものを用いることができるので、マグネット13が取り付けられた第1振動板11を容易に振動させることができる。
【0027】
マグネット13の形状は図1に示すように球体である。マグネット13が球体であると、第1振動板11とマグネット13とは点接触になるため好ましい。なお、球体とは、外形が球体であることを意味し、内部が空洞であるものを含む。
【0028】
また、マグネット13の数は特に限定されず、図1に示すように単数であってもよく、図2に示すように複数であってもよい。複数の場合には、図2に示すように第1振動板11の延在方向(表面)と交差する方向に配置されてもよく、第1振動板11の延在方向に沿って配置されてもよい(図示せず)。
【0029】
第1振動板11においてマグネット13が取り付けられた面と反対側の面には、ヨーク材14が配置されている。つまり、第1振動板11を介して一方面にはマグネット13が位置し、他方面にはヨーク材14が位置している。マグネット13とヨーク材14とは、磁気吸着力により保持されている。つまり、マグネット13とヨーク材14とは、第1振動板11を挟み込んで、磁気吸着力により保持されている。
【0030】
マグネット13及びヨーク材14は第1振動板11に接着剤により接着されていてもよく、磁気吸着力のみにより保持されていてもよい。容易に位置の変更ができる観点から、マグネット13及びヨーク材14は、接着剤を介さずに、磁気吸着力のみで位置決めされていることが好ましい。
【0031】
ヨーク材14は、ヨーク(継鉄)で形成されている。ヨークとは、マグネットが持つ吸着力を増幅する軟鉄であり、鉄を含んでいればよく、軟磁性材料を含む。
【0032】
ヨーク材14は、図1及び図2に示すように板状であってもよく、球体、柱体(図示せず)などであってもよい。振動特性への影響が小さい観点から、薄板状であることが好ましい。例えば、ヨーク材14は、厚みが0.5mm以下の板状部材である。
【0033】
マグネット13と間隔を隔てて対峙するように、コイル15が設けられている。コイル15は、マグネット13の磁束の通り道に配置されている。
【0034】
コイル15は、第2振動板12に取り付けられており、本実施の形態ではカップ状ヨーク材16及びボビン17を介して第2振動板12に取り付けられている。コイル15は、例えばソレノイドコイルである。
【0035】
このコイル15が巻回されるために、ボビン17が設けられている。ボビン17は、カップ状であり、有底部17aと、この有底部17aの両端から立設されたフランジ部17bとを含んでいる。有底部17aは、第2振動板12に取り付けるための部材であり、板状である。本実施の形態では、有底部17aの外側底面17a1は、カップ状ヨーク材16に接着されている。フランジ部17bは、コイル15が巻回されるための部材であり、筒状である。
【0036】
ボビン17は、非磁性体で形成されている。非磁性体とは、強磁性体ではない物質で、常磁性体、反磁性体及び反強磁性体を含む。非磁性体として、例えば、アルミニウムなどの金属、プラスチックなどの合成樹脂などが挙げられる。
【0037】
このコイル15及びボビン17を内部に収容するように、カップ状ヨーク材16が設けられている。カップ状ヨーク材16は、コイル15及びボビン17が中央に位置するように、コイル15及びボビン17を保持している。カップ状ヨーク材16は、高透磁率を有する材料、すなわちヨークで形成されている。
【0038】
カップ状ヨーク材16は、カップ状であり、有底部16aと、この有底部16aの両端から立設されたフランジ部16bとを含んでいる。有底部16aは、第2振動板12に取り付けるための部材であり、板状である。本実施の形態の有底部16aの外側底面16a1は、第2振動板12に接着されている。フランジ部16bは、コイル15を取り囲む部材であり、筒状である。なお、フランジ部16bは、互いに間隔を隔てて配置された2枚の板状部材であってもよい。フランジ部16bの外側表面は視認される場合があるので、この外側表面は塗装されていることが好ましい。
【0039】
第1振動板11と、マグネット13と、ヨーク材14とで、第1振動ユニットを構成している。第2振動板12と、コイル15と、ボビン17と、カップ状ヨーク材16とで、第2振動ユニットを構成している。
【0040】
第1振動ユニットと第2振動ユニットとを連結するように、弾性部材18が設けられている。本実施の形態では、弾性部材18は、カップ状ヨーク材16のフランジ部16bの先端と、第1振動板11との間に設けられている。弾性部材18は、フランジ部16b及び第1振動板11に接着されている。弾性部材18は、クッション性を有する材料であり、例えば、スポンジ、ゴム、樹脂等である。
【0041】
続いて、図1及び図2を参照して、本実施の形態の加振器10a及び10cの動作について説明する。
【0042】
マグネット13から発生される磁束は、図1の矢印Bに示すように、カップ状ヨーク材16内のコイル15が配置された空間を通過する。この状態で、コイル15に音声信号電流等の電流を供給すると、この電流とマグネット13による磁力とによってフレミングの左手の法則にしたがって、図1及び図2において上下方向に力が発生する。これにより、第1振動板11及び第2振動板12に振動が伝達される。このため、第1振動板11及び第2振動板12の振動が空気圧の変化となり、音声へ変換されるので、第1振動板11及び第2振動板12から音声を出力することができる。
【0043】
従来は、マグネットが重いため、マグネットが取り付けられた振動板を振動させるという技術的思想はなく、相対的に軽量のコイルに取り付けられた振動板を振動させていた(上記特許文献1〜4参照)。しかし、本発明者は、小型で高磁力のマグネットを用いることにより、上記特許文献1〜4と異なり、マグネットが取り付けられた振動板を振動させることを着想し、マグネット13が取り付けられた第1振動板11から音声が出力される簡易な構造の加振器10a及び10cを実現した。
【0044】
本発明の加振器において、第2振動板12は省略されてもよいが、本実施の形態の加振器10a及び10cは、コイル15が取り付けられた第2振動板12にも振動が伝達されるので、第1及び第2振動板11、12の両面から音声を出力できる簡易な構造を実現している。
【0045】
また、第1及び第2振動板11、12を段ボールなどの紙類で形成することによって、軽量かつ薄型の加振器10a及び10cを実現できる。
【0046】
また、本実施の形態の加振器10a及び10cの第1及び第2振動板11、12の外側表面(図1及び図2おいて、第1振動板11におけるヨーク材14側の表面、及び第2振動板12におけるカップ状ヨーク材16と反対側の表面)には、装飾が施されてもよく、フォトフレームが付加されてもよい。この場合、インテリア性を向上した加振器10a及び10cを実現することができる。
【0047】
なお、ヨーク材14は省略されてもよい。この場合、第1振動板11に接着剤を介してマグネット13を接着させる。しかし、第1振動板11にヨーク材14を取り付けることによって、洩れ磁束を低減できるとともに、接着剤を省略できるため、第1及び第2振動板11、12からの音声の出力を向上できる。
【0048】
また、カップ状ヨーク材16は省略されてもよいが、コイル15を包含するようにカップ状ヨーク材16を配置することによって、洩れ磁束を低減できるため、第1及び第2振動板11、12からの音声の出力を向上できる。また、カップ状ヨーク材16において有底部16aは省略されてもよいが、有底部16aによりカップ状ヨーク材16を第2振動板12に容易に取り付けることができる。
【0049】
また、弾性部材18は省略されてもよいが、カップ状ヨーク材16のフランジ部16bの先端と第1振動板11との間に弾性部材18を配置することにより、第1及び第2振動板11、12の両方が振動する加振器10a及び10cにおいて、互いの振動を吸収できるので、振動特性を向上できる。
【0050】
また、ボビン17は省略されてもよいが、ボビン17を配置することによって、コイル15を容易に保持できる。また、ボビン17の有底部17aは省略されてもよいが、有底部17aによりボビン17を第2振動板12に容易に取り付けることができる。
【0051】
(実施の形態2)
図3を参照して、実施の形態2の加振器20について説明する。実施の形態2の加振器20は、基本的には、図1に示す実施の形態1の加振器10aと同様の構成を備えているが、カップ状ヨーク材16の代わりに、第2振動板12において第1振動板11と反対側に第2ヨーク材21が配置されている点において異なる。
【0052】
第2振動板12において第1振動板11と対向する側の表面には、ボビン17の有底部17aが接着されている。第2振動板12において第1振動板11と反対側の表面には、第2ヨーク材21が接着されている。
【0053】
第2ヨーク材21は、ヨークで形成されている。第2ヨーク材21は、図4に示すように板状であってもよく、球体、柱体(図示せず)などであってもよい。ヨーク材14と第2ヨーク材21との間で磁気閉回路を形成している。
【0054】
コイル15の外周側には、第1振動板11と第2振動板12とを連結する連結部材(図示せず)が形成されている。連結部材は、第1振動板11と第2振動板12とを保持できる形態であればよく、コイル15全体を覆っていてもよく、コイル15全体を覆っていなくてもよい。連結部材は、例えば、図3において上下方向に延びる板状部材と、図1における弾性部材18と同様の弾性部材とを含む。板状部材は、非磁性体で形成されている。弾性部材は、板状部材の先端の少なくとも一方の先端に設けられる。
【0055】
(実施の形態3)
図4を参照して、実施の形態3の加振器30について説明する。実施の形態3の加振器30は、基本的には、図1に示す実施の形態1の加振器10aと同様の構成を備えているが、ヨーク材14の代わりに、マグネット31が配置されている点において異なる。
【0056】
マグネット31の形状及び材料は、マグネット13と同様であってもよく、異なっていてもよい。図4では、マグネット31は、球体であるが、柱状、板状などであってもよく、特に限定されない。
【0057】
マグネット31とマグネット13とは、接着剤を介して第1振動板11に接着されていてもよいが、磁気吸着力により保持されていることが好ましい。
【0058】
(実施の形態4)
図5を参照して、実施の形態4の加振器40について説明する。実施の形態4の加振器40は、基本的には、図1に示す実施の形態1の加振器10aと同様の構成を備えているが、第1振動板11と異なる材料で形成された第1振動板41を備えている点、及び、ヨーク材14が省略されている点において異なる。
【0059】
第1振動板41は、ヨークで形成されている。このため、第1振動板41とマグネット13とは、磁気吸着力により保持されていることが好ましい。また、第1振動板41カップ状ヨーク材16との間で磁気閉回路を形成している。
【0060】
(実施の形態5)
図6を参照して、実施の形態5の加振器50について説明する。実施の形態5の加振器50は、基本的には、図1に示す実施の形態1の加振器10aと同様の構成を備えているが、加振器10aを挟み込む第3振動板51及び第4振動板52をさらに備えている点、及び、第3振動板51と第4振動板52との端部間を連結する連結部材53をさらに備えている点において異なる。
【0061】
第3振動板51は、ヨーク材14において第1振動板11と反対側の表面に設けられており、本実施の形態ではヨーク材14に接着されている。第3振動板51は、第1振動板11よりも大きい板状部材である。
【0062】
第4振動板52は、第2振動板12において第1振動板11と反対側の表面に設けられており、本実施の形態では第2振動板12に接着されている。第4振動板52は、第2振動板12よりも大きい板状部材である。
【0063】
第3振動板51と第4振動板52とは、同じ大きさであってもよく、異なる大きさであってもよい。本実施の形態では、第1振動板11と第2振動板12とは同じ大きさであり、第3振動板51と第4振動板52とは、同じ大きさであり、かつ第1及び第2振動板11、12より大きい。
【0064】
第3及び第4振動板51、52の材料は特に限定されないが、軽量化の観点から紙類であることが好ましく、本実施の形態では形状維持の観点も含めて、段ボールを用いている。第3及び第4振動板51、52の外側表面には、インテリア性を向上する観点から、装飾が施されてもよく、フォトフレームが付加されてもよい。
【0065】
第3振動板51の一端及び他端と、第4振動板52の一端及び他端とのそれぞれを連結するように、連結部材53がそれぞれ設けられている。連結部材53は、互いに対向して設けられる2枚の板状部材である。連結部材53の材料は特に限定されないが、例えば紙類であり、本実施の形態では意匠性の観点を含めて、和紙を用いている。
【0066】
本実施の形態の加振器50の外郭は、第3振動板51、第4振動板52、及び連結部材53で形成されている。この加振器50の内部には、LEDなどの照明部材など任意の部材を配置してもよい。加振器50の内部に照明部材を配置し、かつ連結部材53が和紙の場合には、インテリア性を向上できる。
【0067】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、各実施の形態の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0068】
10a,10c,20,30,40,50 加振器、11,41 第1振動板、13,31 マグネット、14 ヨーク材、15 コイル、16 カップ状ヨーク材、16a,17a 有底部、16a1,17a1 外側底面、16b,17b フランジ部、17 ボビン、18 弾性部材、21 第2ヨーク材、51 第3振動板、52 第4振動板、53 連結部材。
図1
図2
図3
図4
図5
図6