(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コアラップが、前記コアラップの前記上面(16)を実質的に形成する第1の不織布と、前記コアラップの前記底面(16’)を実質的に形成する第2の不織布とを含み、前記コアラップは、吸収性材料の周りで折り重ねられたた単一の基材から作製される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記コアラップ内の前記吸収性材料の周縁部が、吸収性材料堆積エリア(8)を画定し、前記吸収性材料堆積エリアが、矩形であるか、又は幅が股ポイント(C)において、前記コアの残りの部分における前記吸収性材料堆積エリアの最大幅よりも狭い幅を有する形状にされ、前記股ポイントが、前記長手軸(80)上に前記吸収性物品の前縁部(10)からLの5分の2(2/5)の距離において配置される点として定義される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
前記吸収性コアが第1の吸収性層及び第2の吸収性層を含み、前記第1の吸収性層が第1の基材(16)及び超吸収性ポリマーの第1の層(61)を含み、前記第2の吸収性層が第2の基材(16’)及び超吸収性ポリマーの第2の層(62)を含み、かつ繊維状の熱可塑性接着材料(51)が、超吸収性ポリマーの各層をそれらのそれぞれの基材に少なくとも部分的に結合させ、前記第1の基材及び前記第2の基材が、前記コアラップを形成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【発明を実施するための形態】
【0014】
序論
本明細書で使用する場合、用語「個人衛生用の吸収性物品」は、身体から排泄された排泄物を吸収及び包含するように着用者の身体に当接又は近接させて配置される、乳児用おむつ、幼児用トレーニングパンツ、成人用失禁用製品、又は婦人衛生用生理用ナプキンなどといった使い捨ての用具を指す。本発明の吸収性物品について、以下の説明にて、そして図にて、テープ付きおむつの形態で更に説明することにする。この説明におけるいかなる内容も、しかしながら、別段の明確な指示がない限り、特許請求の範囲を制限するものと見なされるべきではない。
【0015】
本明細書で使用する場合、「不織布ウェブ」とは、摩擦及び/又は粘着及び/又は接着により結合させた、指向性に又はランダムに配向された繊維から作られたシート、ウェブ、又は打延べ綿シートを意味し、紙、及び更なるニードル加工の有無を問わず、結束糸若しくはフィラメントを組み込んだ織り製品、編み製品、タフト加工品、ステッチ結合製品、又は湿式粉砕によるフェルト製品は含まない。繊維は、天然由来のものであっても人工起源のものであってもよく、ステープル若しくは連続フィラメントであっても、又はその場で形成されたものであってもよい。市販の繊維は、約0.001mm未満から約0.2mm超の範囲の直径を有し、短繊維(ステープル繊維又は細断繊維として知られる)、連続単繊維(フィラメント又はモノフィラメント)、連続フィラメントの無撚糸束(トウ)、及び連続フィラメントの撚糸束(ヤーン)などのいくつかの異なる形態によって提供される。不織布ウェブは、メルトブロー法、スパンボンド法、溶媒紡糸法、電界紡糸法、カーディング法、及びエアレイイング法などの多くのプロセスによって形成され得る。不織布ウェブの坪量は、通常は、グラム毎平方メートル(g/m
2又はgsm)で表される。
【0016】
用語「接合された」又は「結合された」又は「付着された」は、本明細書で使用する場合、ある要素を別の要素に直接貼り付けることによりその要素が別の要素に直接固定される構成と、ある要素を中間部材に貼り付け、次に中間部材を他の要素に貼り付けることにより、その要素が別の要素に間接的に固定される構成とを包含する。
【0017】
「含む(comprise、comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」は非限定的な用語であり、それぞれの語の後に記載されるもの(例えば構成要素)の存在を特定するものであるが、他の特徴、例えば、当該技術分野において既知であるか、又は本明細書に開示される要素、工程、構成要素の存在を除外するものではない。動詞「含む(comprise)」に基づくこれらの用語は、明記されていない任意の要素、工程、又は成分を除外する「からなる」、並びに、明記された材料又は工程及び、要素がその機能を実施する方式に実質的に影響を与えないものに要素の範囲を限定する「本質的に〜からなる」という、より狭義の用語を包含するものとして読まれるべきである。以下に記載する好ましい又は例示的な実施形態はいずれも、特記事項がない限り、特許請求の範囲を制限しない。「典型的には」、「通常は」、「有利には」などの語もまた、明確な指定がない限り、特許請求の範囲を制限することが意図されない要素を修飾する。
【0018】
吸収性物品の概説
乳児用おむつ20の形態にある本発明に従う例示的な吸収性物品を
図1〜3に表す。
図1は、例示的なおむつ20の平らに広げられた状態の平面図であり、構造の一部分を切り欠き、おむつ20の構造をより明瞭に示している。おむつ20は、本発明が広範囲に及ぶ様々なおむつ又は他の吸収性物品を製造するために使用されるため、例示目的のみで示される。
【0019】
吸収性物品は、液体透過性トップシート24、液体不透過性バックシート25、トップシート24とバックシート25との間の吸収性コア28、及び繊維層54を含む。
【0020】
図1はまた、物品の後縁部に向かって付着され、物品の正面にある結合ゾーン44と連携する接着剤タブ42と、典型的にはトップシート及び/又はバックシートを介して吸収性物品のシャーシに接合され、おむつのシャーシと実質的に平面であるバリアレッグカフ34及び弾性ガスケットカフ32とを含む締着システムなどの、他の典型的なテープ付きおむつ構成要素を示す。吸収性物品はまた、背面弾性腰部機構、前面弾性腰部機構、横方向バリアカフ(複数可)、又はローションアプリケーションなど、図示されていない他の典型的な要素を含んでもよい。
【0021】
吸収性物品20は、前縁部10、後縁部12、及び2つの側部(長手縁部)13、14を含む。物品の前縁部10は、着用されるときにユーザーの前方に向かって配置されるように意図される縁部であり、後縁部12は、物品の反対側の縁部である。吸収性物品を平らに置き、
図1のように上から見ると、この物品は、長手軸80によって概念的に分割され得、長手軸80は、物品の前縁部から後縁部へと延在し、この軸に対して実質的に対称な2つの半分に物品を分割している。物品の長さLは、前縁部10から後縁部12へと長手軸80に沿って測定され得る。本物品は、本明細書では、物品20の前縁部10から始まってLの5分の2(2/5)の距離に長手軸上に配置された点として定義される股ポイントCを含む。股ポイントでのおむつ用途のための物品の幅は、特に、50mm〜300mm、80mm〜250mmであり得る。成人用失禁用製品については。最大450mmまで大きくなってもよい。
【0022】
股領域は、股ポイントCを長手方向の中心とするおむつの領域として定義され、吸収性物品の正面に向けて、及び背面に向けて、各方向にLの5分の1(L/5)の距離をおいて延在し得る。正面領域及び背面領域は、それぞれ物品の前縁部及び後縁部に向けて配置される、おむつの残りの部分として定義することができる。
【0023】
トップシート24、バックシート25、吸収性コア28、及び他の物品構成要素は、種々の周知の構成にて、特に糊剤接着又は熱エンボス加工によって組み立てられ得る。例示的なおむつの構成が、米国特許第3,860,003号、同第5,221,274号、同第5,554,145号、同第5,569,234号、同第5,580,411号、及び同第6,004,306号に、概略的に記載されている。吸収性物品は薄いことが好ましい。物品の股ポイントCにおける厚さは、本明細書に記載の吸収性物品キャリパー試験(Absorbent Article Caliper Test)によって測定して、例えば、3.0mm〜12.0mm、特に4.0mm〜10.0mmであり得る。
【0024】
図4上に単独で表す例示的な吸収性コア28は、吸収性材料と、吸収性材料を封入するコアラップとを備える。コアラップは、典型的には、それぞれコアの上面及び底面のための2つの基材16及び16’を備え得る。吸収性コアは、吸収性材料によって囲まれる(吸収性コアによって形成される平面における)吸収性材料26を実質的に含まない1つ又は2つ以上のエリア(複数可)を更に含む。コアラップの上面は、1つ又は2つ以上のラップ結合(複数可)27によって、吸収性材料26を実質的に含まない1つ又は2つ以上のエリア(複数可)を通してコアラップの底面に付着され、それにより、吸収性材料が膨潤するときに、吸収性コアに、コアラップ結合27に沿ってエリア(複数可)26における1つ又は2つ以上のチャネル(複数可)26’を形成させる。これらのチャネルは、チャネルの長さに沿って排泄された流体を分配するように作用することができる。
【0025】
吸収性物品は、トップシートと吸収性コアと間に繊維層54を更に備える。繊維層は、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)(26)においてコアラップの上面に少なくとも部分的に結合される。吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26におけるコアタラップの上面中の繊維層の結合は、
図3及び
図14〜15で概略的に表すように、繊維層において1つ又は2つ以上の対応する水路29の形成を引き起こす。物品のこれらの構成要素及び他の構成要素を、これから更に詳細に考察する。
【0026】
トップシート24
トップシート24は、着用者の肌に直接接する吸収性物品の一部である。トップシート24は、当該技術分野で既知のように、バックシート25、コア28、及び/又は他のいずれかの層に接合させることができる。通常、トップシート24及びバックシート25は、物品の周辺部又はその近くで相互に直接接合し得、別の位置では、物品20の1つ又は2つ以上の他の要素へこれらを直接接合することにより、間接的に接合している。トップシートは、任意の従来手段、特に、糊剤接着、機械的又は熱結合、及びこれらの組み合わせによって、繊維層54か、又は捕捉層52などの別の層であってもよい下層に付着され得る。トップシートは、特に、
図3及び14に例示的に示すように、繊維層の水路が形成されるエリアにおいて繊維層54に直接的又は間接的に付着されてもよい。これは、物品の表面で第2の水路の形成をもたらし得るか、又は形成を支援し得る。
【0027】
トップシート24は、着用者の皮膚にとってしなやかで、柔らかい感触で、かつ非刺激性であることが好ましい。更に、トップシートの少なくとも一部分は、液体透過性であり、液体がその厚さを通して容易に浸透できる。好適なトップシートは、例えば、多孔質発泡体、網目状発泡体、有孔プラスチックフィルム、あるいは天然繊維(例えば、木材繊維又は綿繊維)、合成繊維又はフィラメント(例えば、ポリエステル繊維、若しくはポリプロピレン繊維、若しくは二成分PE/PP繊維、又はそれらの組み合わせ)、あるいは天然繊維と合成繊維との組み合わせの織布又は不織布材料などの、広範囲の材料から製造されてもよい。トップシートが繊維を含む場合、繊維は、スパンボンド繊維、カーディングした繊維、ウエットレイド繊維、メルトブローン繊維、水流交絡繊維、又は具体的に、スパンボンドPP不織布のように当該技術分野で既知の方法で作製されたものであってもよい。ステープル長のポリプロピレン繊維のウェブを含む好適なトップシートとして、マサチューセッツ州ウォルポール(Walpole)所在のインターナショナル・ペーパー社(International Paper Company)の一部門であるヴェラテック(Veratec,Inc.)社によってP−8の製品名にて製造されるものがある。
【0028】
好適な成形フィルムのトップシートがまた、米国特許第3,929,135号、同第4,324,246号、同第4,342,314号、同第4,463,045号、及び同第5,006,394号に記載されている。他の好適なトップシートが、Curroらに発行された米国特許第4,609,518号及び同第4,629,643号に従って作製され得る。このような成形フィルムが、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)(オハイオ州シンシナティ(Cincinnati))から「DRI−WEAVE」として、及びトレデガー社(Tredegar Corporation)(本拠地バージニア州リッチモンド(Richmond))から「CLIFF−T」として入手可能である。
【0029】
トップシート24の任意の部分が、当該技術分野で既知のローションでコーティングされてもよい。好適なローションの例としては、米国特許第5,607,760号、同第5,609,587号、同第5,635号、同第5,643,588号、同第5,968,025号、及び同第6,716,441号に記載されるものが挙げられる。トップシート24はまた、抗菌剤を含むか、あるいは抗菌剤にて処理されてもよく、その一部の例は国際公開第95/24173号に開示されている。更に、トップシート24、バックシート25、又はトップシート若しくはバックシートのいずれかの部分には、より布に近い外観を持たせるためにエンボス加工及び/又はつや消し仕上げを施してもよい。
【0030】
トップシート24は、尿及び/又は糞便(固体、半固体、若しくは液体)など、それを通る排泄物の浸透を容易にするための1つ又は2つ以上の開口を備えていてもよい。少なくとも一次開口部のサイズは、所望の排泄物封入性能を達成するために重要である。一次開口部が小さ過ぎると、排泄物は、排泄物源と開口位置の位置合わせがよくないことが原因で、又は開口より大きい直径を有する糞便の塊が原因で、開口部を通過しない場合がある。開口部が大き過ぎると、物品からの「再湿潤」により汚染される可能性のある皮膚面積が増加する。典型的には、おむつの表面の開口部の総面積は、約10cm
2〜約50cm
2、特に、約15cm2〜35cm
2の面積であってもよい。開口部付きのトップシートの例が、BBA NONWOVENS SIMPSONVILLEに譲渡された米国特許第6632504号に開示されている。国際公開第2011/163582号にもまた、12〜18gsmの坪量を有し、かつ複数の結合点を含む、好適な着色トップシートが開示されている。各結合点は、2mm
2〜5mm
2の表面積を有し、複数の接合点の累積表面積は、トップシートの合計表面積の10〜25%である。
【0031】
典型的なおむつのトップシートの坪量は、約10〜約28gsmであり、特に、約12〜約18gsmであるが、他の坪量も可能である。
【0032】
バックシート25
バックシート25は、概して、ユーザーが装着したときに物品の外部表面の大半を形成する吸収性物品20のその部分である。バックシートは、吸収性コアの底面に向けて位置付けられ、その中に吸収及び包含された排泄物がベッドシーツ及び下着などの物品を汚すのを防止する。バックシート25は、典型的には、液体(例えば尿)に対して不透過性である。バックシートは、例えば、約0.012mm〜約0.051mmの厚さを有する熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムであるか、又はそれを含んでもよい。例示的なバックシートフィルムとしては、Richmond,VAを拠点とするTredegar Corporationによって製造され、CPC2フィルムの商標で販売されるものが挙げられる。他の好適なバックシート材としては、おむつ20から蒸気を逃す一方で、依然として排泄物がバックシート25を通過することを防止する通気性材料が挙げられる。例示的な通気性材料としては、織布ウェブ、不織布ウェブ、フィルム被覆された不織布ウェブなど複合材料、日本のMitsui Toatsu Co.により、名称ESPOIR NOで製造され、かつTredegar Corporation(Richmond,VA)によって、名称EXAIREで販売されているような微孔性フィルム、及びHYTEL blend P18−3097の商品名にて、Clopay Corporation(Cincinnati,OH)により製造されているようなモノリシックフィルムを挙げることができる。一部の通気性複合材料については、E.I.DuPontの名義で1995年6月22日に公開された国際公開第 95/16746号、同第5,938,648号(LaVonら)、同第4,681,793号(Linmanら)、同第5,865,823号(Curro)、同第5,571,096号(Dobrinら)、同第6,946,585B2号(London Brown)においてより詳細に記載されている。
【0033】
バックシート25は、当該技術分野において既知のいずれかの付着手段によって、トップシート24、吸収性コア28、又はおむつ20の他のいずれかの要素に接合してよい。好適な付着手段は、トップシート24を物品20の他の要素に接合するための手段に関して上で説明される。例えば、付着手段としては、接着剤の均一な連続層、接着剤のパターンが施された層、又は接着剤の分離した線、螺線、若しくは点の配列を挙げることができる。好適な付着手段として、米国特許第4,573,986号に開示されるように、接着剤のフィラメントの開放パターン網目構造(open pattern network)が挙げられる。他の好適な付着手段として、米国特許第3,911,173号、同第4,785,996号、及び同第4,842,666号に示される装置及び方法により例示されるような、螺線パターンに渦を巻く接着剤フィラメントのいくつかの線が挙げられる。満足のいくものであることが判明した接着剤は、H.B.Fuller Company(St.Paul,Minesota)が製造し、HL−1620及びHL 1358−XZPの名称で市販されている。あるいは、付着手段は、熱接着、圧力接着、超音波接着、動的機械的接着、又は当該技術分野で既知の他の任意の好適な付着手段、若しくはこれら付着手段の組み合わせを含んでもよい。
【0034】
吸収性コア28
吸収性コアは、典型的には、最も高い吸収能力を有する、物品の構成要素である。吸収性コアは、コアラップ、吸収性材料、及び任意選択でコアラップ内に封入された接着剤を備える。吸収性材料は超吸収性ポリマー(本明細書では「SAP」として省略される)を含み、特に、本発明の吸収性材料は、大量の超吸収性ポリマーがコアラップ内に封入された吸収性材料を含み得る。SAP含有量は、コアラップ内に包含された吸収性材料の少なくとも40重量%以上(特に、少なくとも60重量%、又は少なくとも80重量%)を示してもよい。吸収性コアはエアフェルトを含まなくてもよい。コアラップは、吸収性コア内のSAPの百分率を評価する目的では吸収性材料とは見なされない。
【0035】
「吸収性材料」とは、SAP、セルロース系繊維及び合成繊維など、何らかの吸収特性又は液体保持特性を有する材料を意味する。通常、吸収性コアの作製に使用される糊剤は、吸収特性を有せず、吸収性材料とは見なされない。SAP含有量は、コアラップに包含された吸収性材料の重量の80%超、例えば少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、更には最大で100%となり得る。これにより、通常は40%〜60%のSAPと高含量のセルロース繊維とを含む従来のコアと比較して、相対的に薄いコアが得られる。吸収性材料は、特に、10重量%未満又は5重量%未満の天然若しくは合成繊維を含んでもよく、又は更には天然及び/若しくは合成繊維を吸収性材料を実質的に含まなくてもよい。吸収性材料は有利にも、エアフェルト(セルロース)繊維をほとんど又は全く含まなくてもよく、特に、吸収性材料は、吸収性コアの15重量%、10重量%、5重量%未満のエアフェルト(セルロース)繊維を含んでもよく、又は更にはセルロース繊維を実質的に含まなくてもよい。
【0036】
種々のコア設計で比較的大量のSAPを含むコアが過去に提案されており、例えば、米国特許第5,599,335号(Goldman)、欧州特許第1,447,066号(Busam)、国際公開第95/11652号(Tanzer)、米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)、国際公開第2012/052172号(Van Malderen)、及び同第2012/170778号(Rosatiら、同第2012/170779号、同第2012/170781号、及び同第2012/1708008号も参照)を参照されたい。吸収性コアは薄くてもよく、本明細書に記載の乾燥吸収性コアキャリパー試験(Dry Absorbent Core Caliper Test)によって測定した場合、例えば、5mmを超えない、例えば、1〜4mmの厚さを有してもよい。
【0037】
図1の吸収性物品の吸収性コア28を、
図4〜6に単独で示す。示した吸収性コア及びその説明は、例示目的のみであり、特許請求の範囲を限定することは意図していない。吸収性コアは、典型的には、前側280、後側282、及び前側280と後側282とを接合する2つの長手側284、286を含む。吸収性コアはまた、コアラップによって形成される、概して平面である上面及び概して平面である底面を備える。コアの前側280は、吸収性物品の前縁部10に向けて配置されるコアの側部である。コアは、
図1においてのように平面図で上部から見て、物品80の長手軸に実質的に対応する長手軸80’を有してもよい。典型的には、吸収性材料は有利にも、より高い吸収性が前部で要求されるため、後側に向かうよりも前側に向かって、より多くの量が分配されることになる。典型的には、コアの前側及び後側は、コアの長手側よりも短い。コアラップは、吸収性コアの側部に沿って少なくとも部分的に封止され得る2つの不織布材料16、16’によって形成されてもよい。第1の不織布は、実質的にコアラップの上面の全体を、第2の不織布は、実質的にコアラップの底面(16’)の全体を形成してもよい。上面及び第1の不織布は図面上同一の番号16で、第2の不織布の底面は番号16’で表す。コアラップは、その前側、後側、及び/又は2つの長手側に沿って少なくとも部分的に封止されて、使用中の吸収性材料の閉じ込みを向上させ得る。
【0038】
本発明の吸収性コアは、特に、SAPをコアラップ内に固定するのを助けるため、コアラップの一体性を確実にするため、及び/又は吸収性材料を実質的に含まない1つ又は2つ以上のエリア(複数可)を通してコアラップの底面をコアラップの上面に付着」させるために、少なくとも1つの接着剤を更に含んでもよい。使用することができる糊剤の第1の型は、いわゆる補助糊剤(図示せず)であり、これは、上面の内部表面及び/又はコアラップの底面に適用することができる。補助糊剤は、当該技術分野で使用される任意の従来の糊剤、特にホットメルト糊剤であり得る。糊剤の例は、SIS(スチレン−イソプレン−ブロックコポリマー)、SBS(スチレン−ブタジエン−ブロックコポリマー)、又はmPO(メタロシン(metalocin)ポリオレフィン)などの接着性ポリマーに基づく。糊剤はまた、水素添加炭化水素樹脂などの粘着付与剤、並びに油及び抗酸化剤を含んでもよい。水素添加炭化水素樹脂は、後に選択的に水素添加して、低色度、高安定性、及び広い相溶性を持つ多種多様な材料をもたらす芳香族/脂肪族混合樹脂から作製される。市販の接着剤の例は、HL1358LO及びNW1286(共にHB Fuller製)、並びにDM 526(Henkel製)として利用可能である。
【0039】
補助糊剤は、2gsm〜20gsm、より具体的には4gsm〜10gsmの範囲の平均量で、コアラップの上面及び/又は底面に適用され得る。補助糊剤は、均一に適用され得るか、又は不連続に、特に、一定間隔をあけて長手方向に配向された一連のストライプ、例えば、1mm〜3mmの範囲の距離で相互に離間配置された一連の約1mm幅の補助糊剤のストライプとして、適用されてもよい。コアラップの上面及び/又は底面の内部表面における補助糊剤の適用エリアは、吸収性材料の堆積エリア8全体に対応する。補助糊剤は、十分な圧力が無材料エリア26内に適用されてコアラップの両側部を付着させる場合に、コアラップ結合27を形成するのに役立つことができる。補助糊剤層は、底面の内側表面、上面の内側表面、又はコアラップの両方の内側表面に適用され得る。
【0040】
超吸収性ポリマー(SAP)
本明細書で使用する場合、「超吸収性ポリマー」(「SAP」)は、遠心保持容量(CRC)試験(EDANA法WSP 241.2−05E)を使用して測定したとき、重量の少なくとも10倍の0.9%生理食塩水溶液を吸収可能な架橋ポリマー材料である吸収性材料を指す。使用されるこのSAPは、具体的には、CRC値が20g/g超、又は24g/g超、又は20〜50g/g、又は20〜40g/g、又は24〜30g/gであってもよい。本発明で有用なSAPとしては、非水溶性ではあるが大量の流体を吸収できる種々の水膨潤性ポリマーが挙げられる。
【0041】
超吸収性ポリマーは、乾燥状態において流動性があるように、粒子形態であってもよい。典型的な粒子状吸収性ポリマー材料は、ポリ(メタ)アクリル酸ポリマーから形成される。しかしながら、例えば、澱粉系の粒子状吸収性ポリマー材料も使用でき、更に、ポリアクリルアミド共重合体、エチレン無水マレイン酸共重合体、架橋カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール共重合体、架橋ポリエチレンオキシド、及びポリアクリロニトリルの澱粉グラフト共重合体も使用できる。超吸収性ポリマーは、内部及び/又は表面架橋されたポリアクリル酸塩及びポリアクリル酸ポリマーであってもよい。好適な材料が、国際公開第07/047598号、又は例えば、同第07/046052号、又は例えば、同第2009/155265号及び同第2009/155264号に記載される。一部の実施形態では、好適な超吸収性ポリマー粒子は、国際公開第2006/083584号に更に具体的に記載されるように、現況技術の製造工程によって得ることができる。超吸収性ポリマー粒子は、好ましくは内部で架橋されてよく、すなわち、重合は、ポリマー網状組織へとフリーラジカル的に共重合され得る、2つ又は3つ以上の重合可能な基を有する化合物の存在下において行なわれる。有用な架橋剤としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、アリルメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリアリルアミン、欧州特許出願第530,438号に記載されるテトラアリルオキシエタン、同第547,847号、同第559,476号、同第632,068号、国際公開第 93/21237号、同第03/104299号、同第03/104300号、同第03/104301号、及び独国特許出願第103 31 450号に記載されるジ−及びトリアクリレート類、同第103 31 456号及び同第103 55 401号に記載されるような、アクリレート基とエチレン性不飽和基とを更に含む混合アクリレート類、又は例えば、同第195 43 368号、同第196 46 484号、国際公開第90/15830号、及び同02/32962号に記載されるような架橋剤混合物、並びに同2009/155265号に記載される架橋剤が挙げられる。超吸収性ポリマー粒子は、外表面架橋されてもよい、又はポスト架橋されてもよい)。有用なポスト架橋剤としては、ポリマーのカルボキシレート基と共有結合を形成可能な2つ以上の基を含む化合物が挙げられる。有用な化合物としては、例えば欧州特許出願第083,022号、同第543,303号、及び同第937,736号に記載されるアルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン、ポリアミドアミン、ジ−又はポリグリシジル化合物、独国特許出願第C 33 14 019号に記載される多価アルコール類、同A 40 20 780号に記載される環状炭酸塩、同第A 198 07 502号に記載されるN−(2−ヒドロキシエチル)−2−オキサゾリドンなどの2−オキサゾリドン及びその誘導体、同A 198 07 992号に記載されるビス−及びポリ−2−オキサゾリドン、同A 198 54 573号に記載される2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体、同出願A 198 54 574号に記載されるN−アシル−2−オキサゾリドン、同A 102 04 937号に記載される環状尿素、同A 103 34 584号に記載される二環式アミドアセタール、欧州特許出願第1,199,327号に記載されるオキセタン及び環状尿素、並びに国際公開第03/031482号に記載されるモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が挙げられる。
【0042】
SAPは、例えば、ナトリウム対イオンを有する、60%〜90%、又は約75%の中和度を有する、ポリアクリル酸ポリマー/ポリアクリレートポリマーから形成され得る。好適なSAPはまた、例えば、米国特許第4,340,706号及び同第5,849,816号に記載されるような逆相懸濁重合、又は米国特許公開第2009/0192035号、同第2009/0258994号、及び同第2010/0068520号に記載されるような噴霧液相分散重合又は他の気相分散重合から得てもよい。一部の実施形態では、好適なSAPは、国際公開第2006/083584号の12頁23行目〜20頁27行目により具体的に記載されるような現況技術の製造工程によって得ることができる。
【0043】
吸収性コアは、典型的には、1種類のSAPのみを含むが、SAPのブレンドが使用され得ることが排除されるわけではない。超吸収性ポリマーの流体透過性は、欧州特許出願第12174117.7号で開示されている試験にて測定されるように、尿透過率測定試験(UPM)値を用いて定量化され得る。SAPのUPMは、例えば、少なくとも10×10
−7cm
3.秒/g、又は少なくとも30×10
−7cm
3.秒/g、又は少なくとも50×10
−7cm
3.秒/g以上、例えば、少なくとも80又は100×10
−7cm
3.秒/gであってもよい。流動特性はまた、吸収性コアに使用されるSAPの量及び分布を変動させることで調整し得る。
【0044】
大部分の吸収性物品の場合、液体放出は、特におむつの場合、物品の前半部にて優勢に生じる。物品の前半部(前縁部と、前又は後縁部からLの半分の距離に位置する横断線との間の領域によって定義される)はしたがって、コアの吸収能力の大部分を備え得る。したがって、SAPの少なくとも60%、又はSAPの少なくとも65%、70%、75%、若しくは80%が、吸収性物品の前半部に存在し、残りのSAPが吸収性物品の後半部に配設されてもよい。
【0045】
吸収性コアに存在するSAPの合計量は、想定されるユーザーに応じて変動してもよい。新生児用のおむつは、乳幼児用又は成人用失禁おむつと比べて必要なSAPが少ない場合がある。コア中のSAPの量は、例えば約5〜60g、特に5〜50gであり得る。SAPの(又は複数存在する場合は「少なくとも1つの」)堆積エリア8内の平均SAP坪量は、例えば、少なくとも50、100、200、300、400、500g/m
2、又はそれ以上となり得る。この平均坪量を算出するために、吸収性材料の堆積エリア8に存在する無材料エリア26が吸収性材料の堆積エリアから推定される。
【0046】
吸収性材料60
吸収性材料は、例えば吸収性材料の単一の連続層を適用することによって得ることができる、コアラップ内の連続層であり得る。吸収性材料はまた、コアラップ内に封入された吸収性材料の個別のポケット又はストライプからなってもよい。吸収性材料の、特にSAPの連続層はまた、不連続的な吸収性材料の塗布パターンを有する2つの吸収性層を組み合わせることによって取得されてもよく、結果として得られる層は、例えば米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)で教示されるように、吸収性の粒状ポリマー材料を領域の全体にわたって実質的に連続的に分布している。
図4〜6に示される例示として、吸収性コア28は、故に、第1の吸収性層及び第2の吸収性層を含んでもよく、第1の吸収性層は、第1の基材16及び吸収性材料の第1の層61を含み、これは100% SAPであってもよく、第2の吸収性層は、第2の基材16’及び吸収性材料の第2の層62を含み、これも100% SAPであってもよい。第1及び第2のSAP層は、組み合わされる前のそれらの対応する基材上の所望の吸収性材料堆積エリアと同一の幅を有する、横方向ストライプ又は「ランドエリア」として適用され得る。ストライプは有利に、異なる量の吸収性材料(SAP)を含んで、コア80’の長手軸に沿ってプロファイル化した坪量をもたらし得る。第1の基材16及び第2の基材16’はコアラップを形成し得る。
【0047】
繊維状の熱可塑性接着材料51
吸収性コアはまた、繊維状の熱可塑性接着材料51、特にマイクロファイバー糊剤を含んで、吸収性材料をコア内に更に固定してもよい。繊維状の熱可塑性接着材料51は、吸収性材料61、62の各層をその対応する基材に少なくとも部分的に結合させ得る。繊維状の熱可塑性接着材料51は、ランドエリアにおいて少なくとも部分的に吸収性材料61、62に接触してもよく、また接合エリアにおいて基材層に少なくとも部分的に接触してもよい。これによって、それ自体は本質的に、長さ方向及び幅方向の寸法に比べて比較的薄い2次元構造である、熱可塑性接着材料51の繊維層に、本質的に3次元の構造が付与される。それにより、繊維状の熱可塑性接着材料は、ランドエリアにおいて吸収性材料を被覆するキャビティを提供でき、それにより、100%、SAPであってもよいこの吸収性材料を不動化する。
【0048】
熱可塑性ポリマーの分子量(Mw)は、典型的には10,000より大きくてもよく、ガラス転移温度(Tg)は通常、室温未満又は−6℃<Tg<16℃でよい。ホットメルト中のポリマーの典型的な濃度は、約20〜約40重量%の範囲内である。熱可塑性ポリマーは、水に非感受性であってもよい。例示的なポリマーは、A−B−A三元ブロック構造、A−B二元ブロック構造、及び(A−B)n放射状ブロックコポリマー構造を含む(スチレン)ブロックコポリマーであり、Aブロックは、典型的にはポリスチレンを含む非エラストマーポリマーブロックであり、Bブロックは、不飽和共役ジエン又はその(部分的に)水素添加物である。Bブロックは一般的に、イソプレン、ブタジエン、エチレン/ブチレン(水素添加ブタジエン)、エチレン/プロピレン(水素添加イソプレン)、及びこれらの混合物である。用いることができる他の好適な熱可塑性ポリマーとして、シングルサイト触媒又はメタロセン触媒を使用して調製されるエチレンポリマーであるメタロセンポリオレフィンがある。その場合、少なくとも1種類のコモノマーをエチレンと重合して、コポリマー、ターポリマー、又はより高次のポリマーを調製することができる。同様に使用可能なものとして、非晶質ポリオレフィン、又はC2〜C8のアルファオレフィンのホモポリマー、コポリマー又はターポリマーである非晶質ポリアルファオレフィン(APAO)がある。
【0049】
粘着付与樹脂は、例示的に5,000未満の分子量(Mw)、及び通常、室温よりも高いTgを有し、ホットメルト中の樹脂の一般的な濃度は約30〜約60%の範囲であり、可塑剤は一般的には1,000未満の低い分子量(Mw)及び室温よりも低いTgを有し、一般的な濃度は約0〜約15%である。
【0050】
繊維層に使用される熱可塑性接着剤は、好ましくはエラストマー特性を有することで、SAPが膨潤するにつれてSAP層上に繊維により形成されたウェブが延びることができるようにする。例示的なエラストマーホットメルト接着剤としては、熱可塑性エラストマーであって:エチレン酢酸ビニル、ポリウレタン、硬質成分(一般的には、ポリプロピレン又はポリエチレンなど結晶質ポリオレフィン)及び軟質成分(エチレン−プロピレンゴムなど)のポリオレフィンブレンド;ポリ(エチレンテレフタレート−co−エチレンアゼレート)などのコポリエステル;A−B−Aブロックコポリマーと称される、熱可塑性の端部ブロックとゴム中央部ブロックとを有する熱可塑性エラストマーブロックコポリマーであって:例えば、A−B−Aブロックコポリマーを有するポリエチレン又はポリスチレンの混合物などの構造が異なるホモポリマー又はコポリマーの混合物;例えば、スチレン−イソプレンスチレンブロックコポリマーとポリスチレンとの混合物などの、熱可塑性エラストマーと低分子量樹脂改質剤との混合物;本明細書に記載の、エラストマーホットメルト感圧性接着剤;が挙げられる。これらの型のエラストマーホットメルト接着剤は、米国特許第4,731,066号(Korpman)に、より詳細に記載される。
【0051】
熱可塑性接着材料51は、例示的に、約1〜約50マイクロメートル又は約1〜約35マイクロメートルの平均厚さ、及び約5mm〜約50mm又は約5mm〜約30mmの平均長さを有し得る。基材又は任意の他の層、特に任意の他の不織布層への熱可塑性接着材料の接着を向上させるために、このような層は、補助接着剤で事前処理されてもよい。繊維は相互に接着して、メッシュとも説明され得る繊維層を形成する。
【0052】
吸収性コアは有利には、米国特許公開第2010/0051166A1号に記載の湿潤固定化試験(Wet Immobilization Test)に従って、約70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%以下のSAP損失を達成する。
【0053】
吸収性材料の堆積エリア8
吸収性材料の堆積エリア8は、吸収性コアの上面から見ると分かるように、コアラップ内の吸収性材料60によって形成される層の外周によって定義され得る。吸収性材料堆積領域8は、例えば
図4に示すように、概して矩形であってもよいが、「T」又は「Y」又は「砂時計」又は「犬用の骨」形状など他の形状も使用され得る。特に、堆積エリアは、コアの中間領域又は「股」領域に向けてその幅に沿った漸減を示し得る。このようにして、吸収性材料の堆積エリアは、吸収性物品の股領域内に置かれるように意図されたコアのエリアにおいて、比較的狭い幅を有し得る。これにより、例えば、着用時の快適性をより高めることができる。吸収性材料堆積エリアア8は、故に、約100mm、90mm、80mm、70mm、60mm未満、又は更に約50mm未満であるその最も狭い点での幅(横方向に測定した場合)を有し得る。この最も狭い幅は更に、堆積エリア8の前部領域及び/又は後部領域におけるその最も大きい点での堆積エリアの幅よりも、例えば、少なくとも5mm、又は少なくとも10mm小さくてもよい。
【0054】
SAPの坪量(表面の単位当たり堆積される量)はまた、堆積領域8に沿って変化してもよく、コアの長手方向、同横方向、又はその両方の方向に吸収性材料、特にSAPの輪郭のある(profiled)分布を創出してもよい。よって、コアの長手方向軸線に沿って、及び横方向軸線に沿って、又はこれらの軸のいずれかに平行であるどの軸に沿っても、吸収性材料の坪量は異なってもよい。比較的高い坪量のエリアにおけるSAPの坪量は、故に、比較的低い坪量のエリアよりも、例えば、少なくとも10%、又は20%、又は30%、又は40%、又は50%高くてもよい。特に、股ポイントCの長手方向位置で吸収性材料堆積エリア中に存在するSAPは、吸収性材料堆積エリア8の別のエリアと比較して、より多い表面の単位当たりのSAPの堆積を有し得る。
【0055】
吸収性材料は、比較的高速でSAPを比較的正確に堆積させ得る既知の技術を用いて堆積することができる。特に、例えば米国特許公開第2006/24433号(Blessing)、同第2008/0312617号及び同第2010/0051166A1号(どちらもHundorfらに付与)で開示されるSAP印刷技術が用いられてもよい。この技術は、印刷ロールを用いて支持体のグリッド上に配置された基材上に、SAPを堆積させることであって、支持体は、複数のクロスバーの間に広がるチャネルを形成するように互いにほぼ平行に、かつ離間して広がっている、複数のクロスバーを含み得る。この技術により、基材上へのSAPの高速かつ正確な堆積が可能となり、吸収性材料に囲まれた、吸収性材料を実質的に含まない1つ又は2つ以上のエリア(複数可)26をもたらす。吸収性材料を実質的に含まないエリアは、米国特許公開第2012/0312491号(Jackels)に例示的に開示されるように、選択されたエリアにSAPが適用されないように、例えば、グリッドのパターンを修正し、ドラムを受容することによって形成され得る。
【0056】
コアラップ16、16’
コアラップは、吸収性材料の周りで折り重ねられたた単一の基材から作製されてもよく、又は有利にも、互いに付着される2つ(又はそれ以上)の基材を備えてもよい。典型的な付着は、いわゆるCラップ及び/又はサンドイッチラップである。Cラップにおいて、
図5に例示的に示すように、一方の基材の長手及び/又は横断縁部が他方の基材に折り重ねられて、フラップを形成する。これらのフラップは次いで、通常は糊剤接着によって、他方の基材の外部表面に結合される。
【0057】
コアラップは、吸収性材料を受容及び包含するのに好適な任意の材料によって形成され得る。従来のコアを生産するのに使用される典型的な基材材料、特に紙、ティッシュ、フィルム、織布若しくは不織布、又はこれらのいずれかの積層体を用いることができる。コアラップは、特に、カード不織布、スパンボンド不織布(「S」)、メルトブローン不織布(「M」)、及びこれらのいずれかの積層体などの不織布ウェブから形成され得る。例えば、スパンメルトされたポリプロピレン不織布は、好適であり、具体的に、積層体ウェブのSMS、SMMS、又はSSMMS型の構造を有するもの、及び坪量が約5gsm〜15gsmの範囲であるものが好適である。好適な材料が、例えば、米国特許第7,744,576号、米国特許出願公開第2011/0268932A1号、同第2011/0319848A1号、又は同第2011/0250413A1号に開示される。PE、PET、そして特にPPなどの合成繊維から得られる不織布材料が用いられてもよい。
【0058】
コアラップが第1の基材16と第2の基材16’とを備える場合、これらは同じタイプの材料から作製されてもよく、あるいは異なる材料から作製されてもよく、あるいは、いずれか一方の基材が他方とは異なって処理されて、異なる特性が与えられてもよい。不織布の製造に使用されるポリマーは、本質的に疎水性であるので、吸収性コアの流体受容側に配置されている場合は、親水性コーティングで被覆されることが好ましい。コアラップの上面、すなわち吸収性物品の中で着用者により接近して設置される側が、コアラップの下面よりも親水性であることが有利である。耐久性のある親水性コーティングを用いて不織布を製造するための考えられる方法は、親水性モノマー及びラジカル重合反応開始剤を不織布上に塗布し、紫外線で活性化して重合を起こすことによって、不織布の表面に化学結合したモノマーを生成させるものである。耐久性の親水性コーティングした不織布の生産が可能な代替的方法は、例えば国際公開第02/064877号で説明されるような、不織布を親水性ナノ粒子でコーティグする方法である。
【0059】
恒久的に親水性の不織布も、いくつかの実施形態では有用である。表面張力は、どれほど恒久的にある特定の親水性レベルが達成されるのかを測定するために使用することができる。液体しみ出し(liquid strike through)を使用して親水性レベルを測定することができる。第1及び/又は第2の基材は、生理食塩水溶液で湿潤される場合、具体的には、少なくとも55mN/m以上、好ましくは少なくとも60mN/m以上、最も好ましくは少なくとも65mN/m以上の表面張力を有してもよい。基材はまた、液体の5回の噴出に対し、5秒未満の液体しみ出し時間を有してもよい。これらの値は、米国特許第7,744,576B2号(Busamら)のそれぞれ「Determination Of Surface Tension」及び「Determination of Strike Through」に記載される試験方法を使用して測定することができる。
【0060】
親水性及び湿潤性は、典型的には、接触角度、及び例えば不織布布地を通過する流体のしみ出し時間に関して定義される。これは、「Contact angle,wettability and adhesion」と題する、Robert F.Gould(Copyright 1964)により編集された、American Chemical Societyの刊行物に詳述されている。水と基材表面との間の接触角が低い基材は、他の基材よりも親水性が高いと言ってもよい。
【0061】
基材はまた、空気透過性であってもよい。したがって、本明細書において有用なフィルムは微小孔を含み得る。基材は、EDANA法140−1−99(125Pa、38.3cm
2)によって決定される空気透過率が、40又は50〜300又は200m
3/(m
2×分)のものであってもよい。あるいは、コアラップの材料は、例えば真空を含む移動表面での取り扱いを容易にするために、より低い空気透過性、例えば非空気透過性を有してもよい。
【0062】
コアラップが2つの基材16、16’によって形成される場合は、典型的には4つの封止を使用して、吸収性材料60をコアラップ内に封入し得る。例えば、第1の基材16は、コアの一方に(図では上面として示される)配置されていてもよく、コアの反対の底面を少なくとも部分的に包み込むようにコアの長手方向の縁部の周りに延在する。第2の基材16’は、典型的には、第1の基材16の包み込まれたフラップと吸収性材料60との間に存在する。強力な封止をもたらすために、第1の基材16のフラップを第2の基材16’に糊付けしてもよい。このいわゆるCラップ構造は、サンドイッチ封止(sandwich seal)と比較して、湿潤負荷状態(wet loaded state)での耐破裂性を向上させるなどの利益を提供することができる。コアラップの前側及び後側も、その後、例えば第1の基材及び第2の基材を互いに糊付けすることによって封止され、コアの周辺部の全体にわたる吸収性材料の完全な封入をもたらし得る。コアの前側及び後側については、第1及び第2の基材が伸長し、実質的に平面方向で共に接合されることで、これらの縁部に対していわゆるサンドイッチ構成体を形成し得る。いわゆるサンドイッチ構成体では、第1及び第2の基材はまた、コアの全側部上で外向きに伸長し、典型的には糊付け及び/又は熱/圧力結合によって、コアの縁部の全体又は部分に沿って平坦に封止され得る。典型的には、第1及び第2の基材のどちらも特定の形状を有する必要がないため、製造を簡易にするため矩形に切断されてもよいが、言うまでもなくその他の形状も可能である。
【0063】
「封止」という用語は、広義に理解されるべきである。封止は、コアラップの縁部全体に沿って連続的である必要はなく、線上に離間配置された一連の封止点によって形成されるなど、その部分又は全体に沿って不連続であってもよい。典型的には、封止は、糊付け及び/又は熱結合によって形成され得る。コアラップはまた、ある単一の基材によって形成されてもよく、その基材は、小包のように吸収性材料を封入し、例えば、コアの前側及び後側並びに一方の長手側に沿って封止され得るものである。
【0064】
エリア(複数可)26は、吸収性材料及びチャネル26’を実質的に含まない。
吸収性コアは、吸収性材料を実質的に含まない1つ又は2つ以上のエリア(複数可)26を含む。「実質的に含まない」とは、これらのエリアにおいて、吸収性材料の坪量が、コアの残りの部分における吸収性材料の平均坪量の、少なくとも25%未満、特に、20%又は10%未満であることを意味する。具体的には、吸収性材料は、これらのエリアにおいて存在しなくてもよい。作製プロセス中に発生し得る吸収性材料による不随意の汚染などの最小量は、吸収性材料とは見なされない。エリア26は有利に、コアの平面で見た場合に吸収性材料によって囲まれており、このことは、エリア(複数可)26が吸収性材料の堆積エリアの縁部のいずれにも延在しないことを意味する。
【0065】
コアラップの上面16は、吸収性材料を実質的に含まないこれらのエリア(複数可)26を通って、コアラップ結合(複数可)27によって、コアラップの底面16’に付着される。
図3に示すように、吸収性材料が膨潤するとき、コアラップ結合は、物質を実質的に含まないエリア(複数可)26において少なくとも最初は付着されたままである。吸収性材料は、それが液体を吸収するときに、コアの残りの部分で膨潤し、それにより、コアラップが、コアラップ結合27を含む吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26に沿って、1つ又は2つ以上のチャネル(複数可)26’を形成するようにする。これらのチャネル26’は、3次元であり、その長さに沿ってコアのより幅広のエリアに排泄された流体を分配する働きをし得る。このことが、より素早い流体捕捉速度、及びコアの吸収能力のより優れた利用をもたらし得る。以下で更に説明するように、これらのチャネル26’はまた、繊維層54の変形をもたらし、繊維層54における水路29をもたらすことができる。吸収性コアは、吸収性材料を実質的に含まないがコアラップ結合を持たない他のエリア(複数可)を含むが、これらの非結合エリアは、典型的には、湿潤時にチャネルを形成しないことは、除外されない。
【0066】
コアラップの上面及び底面は、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26に沿って連続的に共に付着されてもよいが、コアラップ結合27はまた、一連の点結合など不連続(断続的)であってもよい。典型的には、コアラップの上面を底部に付着させるために接着剤が使用され得るが、圧力結合、超音波結合、若しくは熱結合、又はこれらの組み合わせなどの他の既知の付着手段によって結合させることが可能である。コアラップの上面及び底面の付着は、上に示したように、コア中に存在する場合には、1つ又は2つ以上の接着材料、特に、補助糊剤の1つ又は2つ以上の層及び/又は繊維性接着材料の1つ又は2つ以上の層によってもたらされてもよい。これらの糊剤は、したがって、吸収性材料を固定し、コアの上面及び底面を共に付着させる二重の機能を果たし得る。
【0067】
吸収性材料を実質的に含まないエリア26の形状及びサイズの以下の例は、非限定的である。概して、コアラップ結合27は、一部の製造プロセスにおいて求められる公差に起因して、同一ではあるがエリア26よりもわずかに小さい外形を有し得る。材料を実質的に含まないエリア(複数可)26は、2つの長手方向に延在する吸収性材料を実質的に含まないエリア26によって
図4に表すように、物品の股領域内に、特に少なくとも股ポイントCと同一の長手方向レベルで、存在し得る。吸収性コア28はまた、3つ以上の、例えば、少なくとも3つ、又は少なくとも4つ、又は少なくとも5つ、又は少なくとも6つの吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)を含んでもよい。吸収性コアは、長手軸80に対して対称的に配列された1対又は2対以上の吸収性材料を実質的に含まないエリアを含んでもよい。吸収性材料を実質的に含まないより短いエリア(複数可)も、例えば国際公開第2012/170778号の図面に見られるように、例えばコアの後部領域又は前部領域に存在し得る。
【0068】
吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)は、実質的に長手方向に延在するが、これは、典型的には、各エリアが、横方向よりも長手方向により多く広がり、典型的には、(それぞれの軸上で突き出した後に測定して)横方向よりも長手方向に少なくとも2倍に広がっているという意味である。吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26は、コアの長手軸80’上に突き出る、吸収性物品の長さLの少なくとも10%である長さL’を有してもよい。少なくとも一部又は全てのエリア(複数可)26がコア中で完全に又は実質的に完全に横方向に配向されたチャネルではないことは、有利であり得る。
【0069】
吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)は、完全に長手方向に長手軸に対して平行に配向されてよいが、同時に湾曲していてもよい。特に一部又は全てのこれらのエリア(複数可)、特に股領域に存在するこれらのエリア(複数可)は、チャネル26’の対について
図4に表すように、長手軸80’に向けて凹状であり得る。曲率半径は、典型的には、吸収性材料堆積エリア8の平均横断寸法と少なくとも等しくあり得(この平均横断寸法の少なくとも1.5倍又は少なくとも2.0倍であることが好ましい)、かつ真っ直ぐであるが、1辺が長手軸に平行で(例えば5°から)最大30°、又は例えば最大20°、又は最大10°の角度をなしていてもよい。曲率半径は、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)に対して一定であってもよく、又はその長さに沿って変化してもよい。これにより、チャネルの2つの部分の間の該角度が少なくとも120°、好ましくは少なくとも150°、及びこれらのいずれかの場合において、エリアの長手方向の広がりが横方向の広がりを超えるときに、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)がその内部に角度を持って含まれてもよい。これらのエリア(複数可)はまた、分岐していてもよく、例えば、物品の後部に向けて及び/又は前部に向けて分岐する股領域において長手軸と重なる、材料を実質的に含まない中央部エリアであってもよい。
【0070】
一部の実施形態では、コアの長手軸80’と一致する吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)はない。吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)は、長手軸に対して1つ又は対称対(複数可)として存在するとき、それらの全長手方向寸法にわたって相互に離間配置されてもよい。最小の間隔距離は、例えば、少なくとも5mm、又は少なくとも10mm、又は少なくとも16mmであり得る。
【0071】
更に、流体漏出の危険性を低減するために、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)は有利に、吸収性材料堆積エリア8の縁部のいずれかに達するまでは延びず、したがって、コアの吸収性材料堆積エリア8によって囲まれ、かつその内に完全に包囲されている。典型的には、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)と吸収性材料堆積エリアの最も近い縁部との間の最小距離は、少なくとも5mmである。
【0072】
吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)は、少なくとも2mm、又は少なくとも3mm、又は少なくとも4mm、最大で、例えば、20mm、又は16mm、又は12mmであり、そのエリアの長さの少なくとも一部に沿っている幅Wcを有してもよい。吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)の幅Wcは、実質的にその全長さを通して一定であってもよく、又はその長さに沿って異なってもよい。
【0073】
吸収性コア中のチャネル26’は、吸収性材料が液体を吸収し膨潤し始めるときに形成され始める。コアがより多くの液体を吸収するにつれ、チャネルによって形成される吸収性コア内の陥没は、より深く、視覚的及び触覚的により明らかとなる。チャネルが吸収性材料の完全な飽和まで耐久性のままであるように、比較的少量のSAPと組み合わせた十分に強力なコアラップ結合を創出することが可能である。一方で、コアラップ結合は、一部の場合には、コアが実質的に充填されるときに吸収性材料の膨潤を制限することもある。発明者らは、故に、コアラップ結合27はまた、大量の流体に曝露されるときに制御された様式で開放するように設計し得ることを見出した。結合は、吸収性材料が相応の量の流体を吸収するため、少なくとも第1相の間には、実質的に無傷のままであるべきである。第2相では、チャネル中のコアラップ結合27は、増加したコアの横断方向の可撓性及び流体管理などのチャネルの利益の大部分を保ちながら、吸収性材料が膨潤するためにより大きい空間をもたらすように開放し始める。第3相では、吸収性コアの非常に高い飽和に対応して、チャネル結合のより大部分が、膨潤する吸収性材料が膨張するために更により大きい空間をもたらすように開放することができる。より多くの吸収性材料は通常、より大きな膨潤を引き起こし、結合により大きな圧力をかけることになるため、チャネル内のコアラップ結合27の強度は、例えば、コアラップの2つの面を付着させるために使用される糊剤の量及び性質、コアラップ結合を作製するために使用される圧力、及び/又は吸収性材料の分配を変化させることによって、制御することができる。コアラップの材料の伸張性も関与する。
【0074】
チャネル中のコアラップ結合の耐層間剥離性は、以下で更に記載するチャネル層間剥離液浸試験を使用して定量化することができ、この試験は、手短に言えば、吸収性コアを37℃の0.9重量%の過量の生理食塩水溶液中に投入し、層間剥離したチャネルの量を記録することを伴う。本発明の第1の態様の範囲を限定ものではないが、コアラップ結合の挙動は、
−コアラップ結合の初期長の3分の1未満が10分で層間剥離し、
−コアラップ結合の初期長の3分の1〜3分の2が20分で層間剥離し、
−コアラップ結合の初期長の少なくとも3分の2が60分で層間剥離するようになる。
【0075】
繊維層54及び水路29
吸収性物品は繊維層54を含む。図面に表すように、繊維層は、トップシート24と吸収性コア28との間にあってもよいが、それは、バックシート25と吸収性コアとの間にもあり得る。吸収性物品はまた、バックシートと吸収性コアとの間、及びトップシートと吸収性コアとの間に本発明に従う繊維層を含み得る。繊維層54は、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)においてコアラップの上面又は底面に少なくとも部分的に結合される。以下でより詳細に考察するように、吸収性材料の膨潤時の吸収性コアにおけるチャネル(複数可)の形成は、故に、繊維層における1つ又は2つ以上の対応する水路の形成を引き起こす。
【0076】
繊維層は、不織布、織布材料、又は遊離繊維などのいかなる種類のものであってもよい。繊維層は、特に、捕捉層及び/又は分配層のための当該技術分野で既知である型のものであり得る。繊維層は、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26においてコアラップの上面16に少なくとも部分的に結合される。発明者らは、この結合が、吸収性コアが液体を吸収し膨潤するときに、繊維層がチャネル26によって形成された陥没を辿ることを可能にすることを見出した。このようにして、1つ又は2つ以上のチャネル26の形成は、繊維層における1つ又は2つ以上の対応する水路29の形成を引き起こす。繊維層中で形成される水路29は、向上した液体取り扱い特性をもたらし、特に、これらの水路は、水路の長さに沿って排泄された流体を分配する働きをする。水路(複数可)29は、概して、対応するチャネル(複数可)26’と同一の外形を有し得る。水路(複数可)の深度は、典型的には、繊維層の繊維の性質、厚さ、坪量、及びもちろん吸収性コアによって吸収される流体の量に依存することになる。より軽量かつより柔軟な繊維層は、例えば、より深い水路をもたらし得る。水路の深度は、吸収性コアが膨潤するときにこれが変化するように、チャネルの深度に概して比例することができる。
【0077】
典型的には、繊維層54は、流体の捕捉及び分配を緩慢にし得るため、SAPを含まない。先行技術により、捕捉層及び/又は分配層として使用し得る多数の型の繊維層が開示されている。例えば、国際公開第2000/59430号(Daley)、同第95/10996号(Richards)、米国特許第5,700,254号(McDowall)、国際公開第02/067809号(Graef)を参照されたい。
【0078】
繊維層は、コアの吸収性能をより効率的に使用できるように、排泄された流動液を物品内のより大きい表面にわたって広げることができる分配層として働き得る。典型的には、分配層は、合成繊維又はセルロース繊維系の比較的密度の低い不織布材料によって作製される。分配層の密度は、物品の圧縮度に応じて変動してもよいが、典型的には、2.07kPa(0.30psi)で測定して、0.03〜0.15g/cm
3、特に、0.05g〜0.15g/cm
3の範囲であってもよい。分配層はまた、米国特許第5,137,537号に開示されている手順に示されている通りに測定して、25〜60、好ましくは30〜45の保水値を有する材料であってもよい。分配層は通常、30g/m
2〜400g/m
2、特に100g/m
2〜300g/m
2の平均坪量を有し得る。
【0079】
分配層は例えば、少なくとも50重量%の架橋セルロース繊維を含み得る。架橋セルロース繊維は、捲縮されるか、撚り合わされるか、若しくはカールされてもよく、又は、捲縮、撚り合わせ、及びカールを含むそれらの組み合わせであってもよい。このタイプの材料は、捕捉システムの一部として使い捨ておむつで過去に使用されており、例えば、米国特許公開第2008/0312622A1号(Hundorf)を参照されたい。架橋セルロース繊維は、製品のパッケージ内の圧縮に対して、又は使用条件、例えば、赤ちゃんの重量下において、第1の吸収性層に、高い復元力、及びそれ故の高い耐性をもたらす。これにより、コアに、高い空隙容積、透過性、及び液体吸収作用が付与されるので、漏れが減り、乾燥状態が改善される。
【0080】
例示的な化学架橋セルロース繊維は分配層に好適であり、米国特許第5,549,791号、同第5,137,537号、国際公開第9534329号、又は米国特許公開第2007/118087号に開示されている。例示的な架橋剤は、クエン酸などのポリカルボン酸並びに/又はアクリル酸及びマレイン酸共重合体などのポリアクリル酸を含む。例えば、架橋セルロース繊維は、繊維内エステル架橋結合状態で前記繊維と反応させた、C2〜C9のポリカルボン酸架橋剤を、セルロースアンヒドログルコースモル換算で、約0.5モル%〜約10.0モル%有してもよい。C2〜C9のポリカルボン酸架橋剤は、
−1分子あたり少なくとも3つのカルボキシル基を有するC2〜C9の脂肪族及び脂環式ポリカルボン酸と、
−1分子あたり2つのカルボキシル基を有し、カルボキシル基の1つ又は両方に対するアルファ位、ベータ位に炭素−炭素二重結合を有するC2〜C9の脂肪族及び脂環式ポリカルボン酸であって、該C2〜C9のポリカルボン酸架橋剤の1つのカルボキシル基が2つ又は3つのいずれかの炭素原子により第2のカルボキシル基から切り離されている、C2〜C9の脂肪族及び脂環式ポリカルボン酸と、からなる群から選択されてもよい。繊維は、前記繊維と繊維内エステル架橋結合状態で反応させた架橋剤を、具体的に、セルロース無水グルコースモルのモル数に基づいて計算して約1.5モル%〜約6.0モル%を有してもよい。架橋剤は、クエン酸、1、2、3、4ブタンテトラカルボン酸、及び1、2、3プロパントリカルボン酸、具体的に、クエン酸からなる群から選択されてもよい。
【0081】
ポリアクリル酸架橋剤は、また、ポリアクリル酸ホモポリマー、アクリル酸のコポリマー、及びそれらの混合物から選択されてもよい。繊維は、繊維内架橋結合の状態で前記繊維と反応させたこれらの架橋剤を、乾燥した繊維の重量に対して、1.0重量%〜10.0重量%、好ましくは、3重量%〜7重量%有してもよい。架橋剤は、500〜40000、好ましくは、1000〜20000の分子量を有するポリアクリル酸ポリマーであってもよい。高分子ポリアクリル酸架橋剤は、アクリル酸及びマレイン酸のコポリマーであってもよく、具体的に、アクリル酸対マレイン酸の重量比は、10:1〜1:1、好ましくは、5:1〜1.5:1である。クエン酸の有効量を前記高分子ポリアクリル酸架橋剤と更に混合してもよい。
【0082】
架橋セルロース繊維を含む分配層は、他の繊維を含んでもよいが、この層は、層の重量に対して、少なくとも50%、又は60%、又は70%、又は80%、又は90%、又は更には最大100%の架橋セルロース繊維(架橋剤を含む)を含んでもよい。このような架橋セルロース繊維の混合層の例としては、約70重量%の化学架橋セルロース繊維、約10重量%のポリエステル(PET)繊維、及び約20重量%の未処理のパルプ繊維を挙げることができる。別の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約70重量%、リヨセル繊維を約20重量%、及びPET繊維を約10重量%含んでもよい。別の例では、層は、化学架橋セルロース繊維を約68重量%、未処理のパルプ繊維を約16重量%、及びPET繊維を約16重量%含んでもよい。別の例では、架橋セルロース繊維の層は、化学架橋セルロース繊維を約90〜100重量%含んでもよい。
【0083】
繊維層は捕捉層としても作用することができ、その機能は、流体をトップシートから離して素早く捕捉し、着用者に優れた乾燥性を提供することであり得る。このような捕捉層は、典型的には、トップシートの直下に配置される。吸収性物品はまた、
図12〜13に例示的に示すように、繊維層54に加えて分配層52も含み得る。存在する場合、捕捉層52は、少なくとも部分的に繊維層54の上に配設され得る。
【0084】
捕捉層52は、典型的には、スパンボンド、メルトブローン、及び更にスパンボンドされた層、又は、それとは別に、カーディングを施された化学結合された不織布を含む、例えば、SMS又はSMMS材料など、不織布材料であってもよく、又はそれを含んでもよい。不織布材料は、具体的に、ラテックス結合されていてもよい。例示的な上部捕捉層52は、米国特許第7,786,341号で開示される。使用される繊維が、中実で円形又は丸形で中空のPETステープル繊維(6デニール繊維と9デニール繊維との50/50又は40/60の混合)である場合は特に、カーディングされた樹脂結合不織布が使用されてもよい。例示的な結合剤は、ブタジエン/スチレンラテックスである。不織布は、加工ラインの外側で製造され、ロール材料として保管及び使用され得るという利点を有している。
【0085】
更に有用な不織布は、米国特許第6,645,569号、同第6,863,933号(共にCramerに付与)、同第7,112,621号(Rohrbaugh)、及びCramerらに付与された共同出願の米国特許公開第2003/148684号及び米国特許公開第2005/008839号(共にCramerに付与)に記載される。
【0086】
このような捕捉層52は、ラテックス結合剤、例えば、スチレンーブタジエンラテックス結合剤(SBラテックス)により安定化されてもよい。このような格子状構造を得るプロセスは、例えば、欧州特許第149 880号(Kwok)及び米国特許公開第2003/0105190号(Diehlら)で既知である。特定の実施形態では、結合剤は、約12重量%、約14重量%、又は約16重量%を超えて捕捉層52に存在してもよい。SBラテックスは、商品名GENFLO(商標)3160(OMNOVA Solutions Inc.(Akron,Ohio))により入手可能である。
【0087】
上述した第1の捕捉層に加えて、更なる捕捉層が使用されてもよい。例えば、組織層が、第1の捕捉層と分配層との間に置かれてもよい。組織層は、上述した捕捉層と比較して、毛管現象による分配特性を向上させ得る。組織層と第1の捕捉層は同じ寸法のものであってもよく、又は、異なる寸法のものであってもよく、例えば、組織層は、第1の捕捉層よりも、吸収性物品の背面へと更に延びていてもよい。親水性組織の例が、供給業者Havixによるセルロース繊維から作製された、13〜22.5gsmの高湿潤強度である。
【0088】
コアラップの上面16への繊維層54の結合
繊維層54は、いかなる従来の結合手段によってもコアラップの上面に結合され得、これらの結合手段は、特に接着結合であるが、カレンダー結合、圧力結合、又は融合結合などの他の結合手段でもよい。接着剤は、2つの層が組み合わされる前に、表面の適用容易性に応じて、コアラップの上面の外側表面若しくは繊維層の底面、又は両表面に適用され得る。接着剤は、繊維層の底面の全体と少なくとも等しい面積に適用され得る。接着剤はまた、繊維層の底面よりも小さい面積に適用されてもよい。
【0089】
接着剤は、典型的には物品の長手方向に平行な物品の作製方向(「機械方向」又は「MD」)に、例えばスロットコーティングによって適用され得るが、接着剤噴霧又は接着剤印刷などの異なる技法を使用して適用されてもよい。接着剤を、適用エリアにおける連続層としてではなく、接着剤の被覆の実面積が典型的には約10〜約50%の適用面積率であるように、間隙によって隔てられた連続的又は断続的ストライプ又はスロットなど不連続に適用することは、コストの理由で有益であり得る。
【0090】
図7〜11は、コアラップと繊維層との間の異なる接着剤適用の可能性を例解する。これらの図面では、接着剤の適用のエリア66のみを示したが、もちろん、
図12及び13に例示的に示すように、トップシートと繊維層との間の接着剤68などの他の接着剤も存在し得る。
【0091】
図7に例示的に示すように、繊維層とコアラップとの間の接着剤の適用のエリア66は、繊維層54のエリア全体を実質的に被覆し得る。典型的には、高速の作製という制約により、繊維層の長手側に沿った数mm(例えば約5mm)のマージンは、接着剤なしのままであってもよい(
図8に示す通り)。上記のように、接着剤の被覆の面積は、概して、適用面積の100%未満を表し得る。例えば、接着剤は、間隙によって隔てられる一連の平行で連続したスロットによって作製されるスロット被覆プロセスにおいて適用されてもよい。接着剤スロットは、同一又は異なる幅を有してもよく、規則的に離間配置されても、そうでなくてもよい。接着剤スロットは、例えば、0.5mm〜3mmの範囲の幅、及び約1mm〜5mmの範囲のスロット間の間隙を有し得る。一例では、コアラップを繊維層に結合させる接着剤スロットは、大きさが1mm、間隙が2mmである。
【0092】
トップシート24はまた、チャネル(複数可)26’が、例えば、接着剤によって、又は融合結合、カレンダリング、若しくは圧力結合、若しくはこれらの任意の組み合わせなどの任意の他の手段によって形成される場所である、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26に対応するエリア(複数可)において、繊維層54に直接的又は間接的に付着されてもよい。トップシートは、このようにして、吸収性材料の膨潤時にチャネル26’及び水路29が形成されるにつれて、より容易にそれらの形状に従うことができ、物品の表面で第2の水路29’を形成し得る。トップシート24は、
図14で更に考察及び例解するように、繊維層に直接、又は分配層52などの追加の層がトップシートと吸収性コアとの間に存在する場合には間接的に、付着され得る。繊維層54又は別の下層52へのトップシートの付着エリア68は、繊維層の長さ全体に沿って延在してもよい。これは、
図12に表すように、例えば、トップシートの長さ全体に沿って接着剤を適用することによって獲得され得る。このようにして、トップシートは、吸収性コア及びバックシートなどの吸収性物品のシャーシの残りの部分に加えて、繊維層に付着され得る。付着エリア68は、スロットコーティングによって例示的に適用される接着剤によって形成されてもよい。スロットは、典型的には製造の容易性のために長手方向(MD)に延在するが、それらが横断方向に適用されることも除外されない。付着エリア68の幅は、少なくとも、吸収性材料を実質的に含まないエリア26を被覆するか、又はそれと重なり合う(上から見た場合)のに十分であり得る。繊維層をコアラップに付着させる接着剤について上に示した被覆の量、幅、及び間隙サイズの大きさは、トップシートを下層(例えば、繊維層54、又は存在する場合には分配層52)に結合させる接着剤スロットにも使用され得る。
【0093】
図8は、コアラップと繊維層との間の代替的な結合エリアを示し、この繊維層は、繊維層の中心領域における非結合帯によって隔てられる2つの長手方向に延在するエリア66、66’においてコアラップに結合される。コアラップの材料を含まないエリア26は、接着剤適用エリア66、66’内にある。同様に、
図13に例示的に示すように、トップシートは、吸収性材料を含まないエリア26を被覆し、非結合帯によって隔てられる2つの付着エリア68、68’において、繊維層に直接的又は間接的に付着され得る。
【0094】
図9は代替物を示し、この繊維層は、コアの材料を実質的に含まないエリア(複数可)26においてコアラップの上面にのみ結合される。これは、スロットコーティングを使用する接着剤によってもたらされて得るが、他の技法、例えば、材料を実質的に含まないエリア(複数可)26の形状が湾曲している場合にはより適合し得る接着剤印刷が、可能であるとされる。米国特許第8,186,296号が、接着剤印刷技術の一例を開示している。上記のように、及び概して、接着剤の被覆のエリアは、例えば10%〜50%の適用面積率であり得るが、
図9中のように、接着剤の適用のエリアが比較的限定される場合には、適用エリア内で最大100%というより多量の被覆が使用されてもよい。
【0095】
図10は結合の代替的なエリアを示し、ここで繊維層のより小さいエリア66がコアラップに結合される。特に、材料を実質的に含まないエリア(複数可)26の一部分は、繊維層に結合されない場合がある。しかしながら、エリア26の少なくとも50%が、結合手段、特に接着剤の適用のエリア内にあってもよいことは、有利であり得る。
【0096】
図11は、コアラップと繊維層との間の代替的な結合エリアパターン66を示す。この例では、接着剤(又は任意の他の結合手段)は、一連の接着剤を含まないエリアによって長手方向に隔てられるいくつかの結合エリア66において適用され得る。材料を実質的に含まないエリア(複数可)26の部分は、接着剤適用エリア66の外であってもよいが、エリア26の少なくとも50%が適用エリア66内にあることが有利であり得る。
【0097】
典型的には、及び図面に表すように、吸収性コアの上面は繊維層よりも大きいエリアを有する。しかしながら、繊維層がコアラップよりも大きいエリアを有し得、この場合、結合エリアがコアラップの上面のエリアと同じ大きさであるか又はそれより小さくてもよいことは、除外されない。
【0098】
追加の層52
吸収性物品は、繊維層54とトップシート24との間、及び/又は繊維層とコアラップとの間に更なる層(複数可)、例えば捕捉層52を備えてもよい。
図14は、トップシート24と繊維層54との間に追加の層52を更に含む吸収性物品の簡略化した断面図を示す。
図14では、接着剤層は2つの適用エリアを含むように表されるが、他の適用パターンも可能である。接着剤適用エリアは、スロットコーティング又は任意の他の接着剤適用手段によって形成されてもよく、適用エリアのほんの一部である被膜エリアを有してもよい。分配層であってもよい追加の層52は、吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)26に対応するエリアにおいてトップシート及び繊維層に接着剤によって結合されることもできる。吸収性物品は、吸収性コア28と繊維層54との間に接着剤66を含む。接着剤66は、吸収性材料を実質的に含まないエリア26において、コアラップの上面の外側表面を繊維層の底面に付着させる。接着剤67は、繊維層54を追加の層52に付着させてもよく、同様に、接着剤68は、追加の層52をトップシート24に付着させてもよい。
【0099】
コアラップの上面とトップシートとの間の全ての層が、コアの材料を実質的に含まないエリア(複数可)26において少なくとも部分的に結合されていることを確実にすることは有益であり得る。この構成の利点は
図15に例解され、
図15は湿潤状態にある
図14の物品を表す。ここでは、吸収性材料は、流体を吸収し、結合ラップ27が依然として存在するように相応量に膨潤した。コアラップ及び膨潤した吸収性材料によって形成されたチャネル26’は、繊維層54において、またコアラップに間接的に結合された他の層、この場合には追加の層52(例えば捕捉層)及びトップシート24にも、対応する水路29の形成を引き起こす。トップシートは、故に、分配層52であってもよい直下層に結合され(接着剤68又は他の結合手段によって)、下層は、接着剤67又は任意の他の結合手段によって、繊維層54に結合され得る。異なる層の間で使用され得る接着剤は、任意の従来の接着剤、例えば、スロットコーティングによって、ビーズとして、又は接着剤印刷などの他の適用の可能性によって適用されるホットメルト接着剤、であってもよい(例えば、米国特許第8,186,296号に開示されているような)。
【0100】
吸収性コア中に含まれる吸収性材料の量に応じて、吸収性コアはある特定の量まで膨潤し、その後、コアラップ結合27及びチャネル26‘が存在したままである
図15に示すものと同様の状態で飽和に達し得る。吸収性コアはまた、より多くの吸収性材料を含んでそれらがより大きい量まで膨潤するようにし、このことが、コアラップ結合27が少なくともチャネル(複数可)の一部で開放することを引き起こし得る。これは
図16で表され、ここではコアラップ結合27は開放している。コアラップ結合27の開放の後、チャネル26’及び水路29は、開放エリアにおいてさほど可視ではなくなるか、又は完全に消失する。
【0101】
締着装置42、44
吸収性物品は、締着システムを備えてもよい。この締着システムは、テープ付きおむつでは一般的であるように、吸収性物品の周囲に横方向の張力を与えて、吸収性物品を着用者に対して保持するために使用され得る。トレーニングパンツ物品のウエスト領域は既に結合されているので、この締着システムはトレーニングパンツ物品には必須ではない。締着システムは通常、例えば、テープタブ、フックとループの締着要素、タブ及びスロットのような連結締着具、バックル、ボタン、スナップ、並びに/又は雌雄同体締着要素等の締着具を備えてもよいが、他の既知のいかなる締着手段も概ね容認できる。締着具が着脱可能に付着されるように、結合ゾーンが通常、前ウエスト領域に設けられる。一部の例示的な表面締着システムが、Buellに発行された米国特許第3,848,594号、同第4,662,875号、同第4,846,815号、同第4,894,060号、同第4,946,527号、同第5,151,092号、及び同第5,221,274号に開示されている。例示的な連結締着システムが米国特許第6,432,098号に開示されている。締着システムはまた、Robertsonらに発行された米国特許第4,963,140号に開示されているように、使い捨て式の構成で物品を保持するための手段を提供してもよい。
【0102】
締着システムはまた、重なり部分のずれを減らすために米国特許第4,699,622号に開示されるように、又はフィット感を向上するために米国特許第5,242,436号、同第5,499,978号、同第5,507,736号、同第5,591,152号に開示されるように、第1及び第2の締着システムを備えてもよい。
【0103】
バリアレッグカフ34
吸収性物品は、バリアレッグカフ34及び/又はガスケットカフ32の一対を備えてもよい。米国特許第3,860,003号は、弾性レッグカフ(ガスケットカフ)を提供するために1つのサイドフラップと1つ又は2つ以上の弾性部材とを有する収縮性脚部開口部を提供する、使い捨ておむつを記載している。Azizらに発行された米国特許第4,808,178号及び同第4,909,803号は、脚領域の収納性を向上させる「立ち上がった」弾性フラップ(バリアレッグカフ)を有する使い捨ておむつを開示している。Lawson及びDragooそれぞれに発行された米国特許第4695278号及び同4795454号は、ガスケットカフ及びバリアレッグカフを含む二重カフを有する使い捨ておむつを記載している。バリアレッグ及び/又はガスケットカフの全て又は一部分は、ローションを用いて処理してもよい。
【0104】
バリアレッグカフ32は、一片の材料、典型的には不織布から形成され得、これは、物品の残りの部分に部分的に結合され、それにより、例えば
図1に示すように、物品が引っ張られて平坦になるときに、材料の一部分であるバリアレッグカフが、トップシートによって定義される平面から部分的に隆起し立ち上がることができるようにする。バリアレッグカフは、およそ着用者の胴と脚の移行部にて液体及び他の身体排泄物の封じ込めを改善させ得る。バリアレッグカフは、長手軸の両側のおむつの前縁部と後縁部との間に少なくとも部分的に延在し、股ポイント(C)の長手位置で少なくとも存在する。バリアレッグカフは、物品の残りの部分、典型的にはトップシート及び/又はバックシートに接合される近位縁64と、着用者の皮膚と接触し封止を形成することが意図される自由末端縁66とによって範囲を定められる。バリアレッグカフは、例えば、糊付け、融合結合、又は既知の結合手段の組み合わせによってなされ得る結合65によって、近位縁64で物品のシャーシと接合される。近位縁64での結合65は、連続的又は断続的であってもよい。バリアレッグカフ32の隆起区間に最も近い結合65の側部は、レッグカフの立ち上がり区間の近位縁64の範囲を定める。
【0105】
バリアレッグカフ32は、トップシート若しくはバックシートと一体であるか、又はより典型的には、物品の残りの部分に接合された別個の材料から形成されることができる。典型的には、バリアレッグカフの材料は、おむつの長さ全体を通して延在し得るが、これらの区間においてバリアレッグカフ材料がトップシートと同一平面上のままであるように、物品の前縁部及び後縁部に向かってトップシートに「タック結合」される。各バリアレッグカフ34は、この自由末端縁66に近接して1つ、2つ、又はそれ以上の弾性ストリング35を含み、より優れた封止をもたらし得る。
【0106】
バリアレッグカフ34に加えて、物品は、吸収性物品のシャーシ、特にトップシート及び/又はバックシートに接合されたガスケットカフ32を備えてもよく、バリアレッグカフに対して外側に配置されてもよい。ガスケットカフは、着用者の大腿の周りにより優れた封止をもたらすことができる。通常は、各レッグカフは、1つ又は2つ以上の弾性ストリング又は弾性要素を含むことになるが、これは、脚部開口部のエリアの、例えば、トップシートとバックシートとの間に、おむつのシャーシに含まれる。
【0107】
前方及び後方耳部46、40
吸収性物品は、当該技術分野で知られているように、前耳部46と後耳部40とを備えてもよい。耳部は、サイドパネルとして、例えば、トップシート及び/又はバックシートから形成されたシャーシの一体部分であってもよい。あるいは、
図1に表すように、耳部は、糊剤接着及び/又は熱エンボス加工若しくは圧力結合により付着される分離型の要素であってもよい。後方耳部40は、有利には、結合ゾーン40にタブ42の付着が簡易に行えて、かつ着用者の腰の周りにテープ付きおむつを適所に維持できるように伸縮可能である。後耳部40はまた、より快適であり、体に巻き付くようなフィット感を付与するように弾性又は伸長可能であってもよいが、これらのフィット感は、弾性のある耳部により吸収性物品の側部が伸縮できるので、吸収性物品を最初に着用者に対して適合するようにフィットさせ、吸収性物品が排泄物で充填されてからかなり後でも着用している間ずっとこのフィット感を維持することによって付与される。
【0108】
弾性ウエスト機構
吸収性物品は更に、改善したフィット及び封じ込めを提供する上で役立つ、少なくとも1つの弾性ウエスト機構(図示せず)を備え得る。弾性ウエスト機構は、一般的に、弾性的に伸縮して、着用者の腰に動的にフィットするように意図したものである。この弾性ウエスト機構は、好ましくは、吸収性コア28の少なくとも一方のウエスト縁部から少なくとも長手方向に外側に延び、吸収性物品の末端縁部の少なくとも一部を概ね形成する。使い捨ておむつは、2つの弾性ウエスト機構を有するように構成され得るが、一方は、前ウエスト領域に定置され、他方は、後ウエスト領域に定置される。弾性ウエスト機構は、米国特許第4,515,595号、同第4,710,189号、同第5,151,092号、同第5,221,274号に記載されたものを含め、多くの様々な構成で構築されてもよい。
【0109】
各層同士の関係
通常、隣接する層及び構成要素は、層の表面の全体若しくは一部へのスロットコーティング若しくは吹き付けによる接着剤コーティング、又は、熱結合、又は圧力結合、あるいはそれらの組み合わせなど、従来の結合法を用いて互いに接合される。この結合は、明確にかつ読みやすくするために、図には示されていないが(トップシート24とのレッグカフ65の隆起要素間の結合を除く)、物品の層同士の結合は、別段に除外されない限り、存在すると見なされるべきである。接着剤は通常、例えばバックシートとコアラップとの間で、種々の層の接着性を改善するために使用され得る。糊剤は、当該技術分野で知られているような、任意の標準的なホットメルト糊剤であってよい。
【0110】
追加/捕捉層52が存在する場合、この捕捉層が、長手方向及び/又は横方向寸法で繊維/分配層54より大きいか、又は少なくとも同じ大きさであることは、有利であり得る。故に、分配層54は、捕捉層の上に配設され得る。これは、特に捕捉層がストック材料のロールから広げられる不織布である場合に、取り扱いを簡略化する。分配層はまた、吸収性コアのコアラップの上面又は物品の別の層に直接配設されてもよい。また、分配層よりも大きい捕捉層52は、捕捉層を貯蔵コアに直接糊付けすることを可能にする(より大きい面積で)。このことは、増大したパッチ一体性及びより優れた液体連通を付与することができる。
【0111】
吸収性コア、及び特にその吸収性材料堆積エリア8は、有利にも繊維層と少なくとも同じ大きさ及び長さであってもよく、かつ有利にも繊維層よりも少なくとも部分的に大きい及び/又は長くてもよい。これは、コア中の吸収性材料が、通常はより効果的に流体を保持し、繊維層よりも大きい面積にわたって乾燥性の利益をもたらすことができるためである。吸収性物品は、矩形のSAP層及び非矩形(成形)繊維層を有してもよい。吸収性物品はまた、矩形(非成形)繊維層及びSAPの矩形層を有してもよい。
【0112】
物品の作製方法
本発明の吸収性物品は、当該技術分野において既知の任意の従来法によって作製され得る。具体的には、物品は手作りであってもよく、又は高速で産業的に生産されてもよい。
【0113】
実験の設定
別段の指示がない限り、本明細書に示された値は、本明細書で以下に示される方法に従って計測されたものである。別段の指示がない限り、全ての測定は、21℃±2℃及び50%±20% RHで実施される。別段の指示がない限り、記述は乾燥した物品を指す。別段の指定がない限り、この試験を実施する前に、すべての試料は少なくとも24時間、これらの条件に保たれて平衡化されるべきである。別段の指定がない限り、全ての測定は、少なくとも4つの試料で再現されているはずであり、得られた平均値を示す。
【0114】
遠心保持容量(CRC)
CRCは、過剰の液体中で自由膨潤する超吸収性ポリマー粒子によって吸収される液体を測定する。CRCは、EDANA法WSP 241.2−05に従って測定する。
【0115】
乾燥吸収性コアキャリパー試験
この試験を使用して、標準化された様式で吸収性コアのキャリパー(使用前、すなわち、流体充填なし)を測定し得る。
【0116】
機器:分解能が0.01mmのMitutoyo製手動キャリパーゲージ又は同等の計器。
【0117】
コンタクトフット:17.0mm(±0.2mm)の直径を持つ平坦な環状フット円形の重りをフットに適用して(例えば、シャフトの周囲の適用を促進するためにスロットを持つ重り)、目的の重量を達成してもよい。フットと付加された重量(シャフトを含む)との総重量は、試料に2.07kPa(0.30psi)の圧力をもたらすように選択される。
【0118】
キャリパーゲージは、コンタクトフットの下部表面が約20×25cmの基部プレートの平坦で水平な上部表面の中心に接触するように、水平面でコンタクトフットの下部表面を備え付ける。ゲージは、基部プレート上に静置されているコンタクトフットでゼロであるように設定する。
【0119】
定規:mmで目盛が付けられた較正済の金属定規
【0121】
試料の調製:コアを上記のように少なくとも24時間状態調整する。
【0122】
測定手順:コアを、底面、すなわち、最終物品においてバックシートに向けて配置する予定の側を下向きにして平坦に置く。測定点(例えば、最終物品におけるこの点に対応する股ポイントC)を、コアを圧縮又は変形させないように注意しながら、コアの上面に注意深く描く。
【0123】
キャリパーゲージのコンタクトフットを持ち上げ、コアを、コアの上面を上向きにしてキャリパーゲージの基部プレート上に平坦に配置して、下げたときにフットの中心が印を付けた測定点上にあるようにする。
【0124】
フットを物品の上に優しく下げ、放す(測定の開始前に較正が「0」であることを確認する)。キャリパーの値は、フットを離した10秒後に0.01mm単位で読み取る。
【0125】
手順を各測定点について繰り返す。測定点に折り目がある場合には、測定は、この点に最も近いが折り目の一切ないエリアで行う。10個の物品を所与の製品に対してこの様式で測定し、平均キャリパーを算出し、10分の1mmの精度で報告する。
【0126】
吸収性物品キャリパー試験
吸収性物品キャリパー試験は、コアのキャリパーの代わりに最終吸収性物品のキャリパーを測定するという差異はありながら、乾燥吸収性コアキャリパー試験についてのように行うことができる。測定の点は、吸収性物品の長手軸(80)と横断軸(90)との交点であってもよい。吸収性物品が折り畳まれて及び/又はパッケージ中で提供される場合は、測定する物品を広げる及び/又はパッケージの中心エリアから取り出す。パッケージが4超の物品を含む場合、パッケージの各面上の最も外側の2つの物品が試験で使用される。パッケージが4個を超えるが14個より少ない物品を含む場合には、物品のパッケージ2個以上の試験を完了する必要がある。パッケージが14個以上の物品を含む場合には、物品のパッケージ1個のみの試験を行う必要がある。パッケージが4個以下の物品を含む場合には、パッケージ中の全ての物品を測定し、かつ複数のパッケージの測定を行う必要がある。キャリパーの読み取り値は、物品をパッケージから取り出し、広げ、状態調整してから24±1時間後に取るべきである。製品の物理的操作は最小限であり、必要なサンプルの準備のみに限定されるべきである。
【0127】
物品がキャリパーフットの下に平坦に配置されるのを阻止する物品のいずれの弾性構成要素も、切断するか、又は除去する。これらにはレッグカフ又はウエストバンドを挙げることができる。パンツ型物品は、必要に応じて、開くか、又はサイドシームに沿って切り出す。十分な張力を適用して、いかなる折り目/しわも平坦にならす。測定のエリアに触れること及び/又はそれを圧縮することを避けるように注意する。
【0128】
チャネル層間剥離液浸試験(Channel Delamination Dunk Test)
試験を吸収性コアに実施して、時間の関数として、過量の生理食塩水に供したときのコアラップ結合の挙動を決定する。試験は、最終物品中に組み入れる前に単独の吸収性コアに実施することが好ましい。吸収性コアはまた、最終吸収性物品から取り出してもよい。その場合、必要であれば、凍結噴霧を使用して吸収性コアの取り出しを容易にしてもよい。コアの損傷、例えば、コアラップ層の破断を避けるように注意する。吸収性コアの上及び/又は下にある一切のカフ、締着部材、トップシート、バックシート、又は吸収性層を廃棄する。
【0129】
典型的には吸収性材料を実質的に含まないエリア(複数可)に従い、かつ接近するコアラップ結合エリア27に、コアラップの身体に面する表面上で油性フェルトペンによって印を付け、エリアの曲線の長さを測定する。結合が断続的である場合は、結合間の間隙にかかる長さ全体に印を付ける。吸収性コアを、身体に面する表面を上向きにして好適な平底の容器中に配置する。容器は、コアを完全に平坦に置くのを可能にするのに十分に大きく、かつ深さ約6cmである。吸収性コアを入れた容器を、37±0.5℃のインキュベーター又は他の好適な温度制御されたチャンバ中に配置し、熱平衡に達するようにする。蒸留水中に適量の純塩化ナトリウムを溶解させることによって、塩化ナトリウムの0.9重量%溶液を調製し、溶液を37℃に加熱した。加熱した溶液を約4cmの深度まで迅速に容器に添加し、流体の添加後にタイマーを開始させる。流体を添加したら、容器からの過度の蒸発を防ぐために、すぐに容器をクリングフィルム(例えばSaran Wrap(登録商標))で覆い、このシステムを37±0.5℃で維持する。
【0130】
吸収性コアを、5分間隔でシステムを乱すことなくクリングラップ越しに観察し、いずれのチャネルの層間剥離の程度をも経過時間と共に記録する。層間剥離の程度は、コアラップの上面がチャネルエリアにおいてコアラップの底面にもはや付着されていない、チャネル(単数又は複数)の一切の部分(単数又は複数)の全長である。分数層間剥離長は、流体添加前の初期のチャネルの全長で割った層間剥離したチャネルの全長である。層間剥離チャネル長のパーセントは、分別層間剥離チャネル長の100倍である。
【0131】
実験
吸収性コア実施例1:
この実施例で試験した吸収性コアは、
図4に例示するコアと同様であった。コアは、セルロース繊維を持たずに、吸収性材料としてSAPを含有した。コアラップは、コアの上面及び底面を形成する2つの基材、コアの長手縁に沿ってCラップを形成する上部基材、並びに平坦に付着されるコアの前縁部及び後縁部を備えた。コアは、2つの吸収性材料を含まない湾曲エリアを含んだ。これらのエリアは、長手軸80’に関して対称であり、約227mmのその上に突き出た長さ、約8mmの幅、及び20mmの相互間の最短距離を有した。実質的にエリア26の長さ全体を通して、コアラップをそれ自体に更に付着させた。
【0132】
吸収性コアは、360mmの長さ及び110mmの幅(矩形プロファイル)を有する堆積のエリアに適用した合計13.5gのSAP(Nippon Shokubai,CA L598から)を含んだ。SAPを、その坪量が股領域において前部領域よりも多く、かつまだ後部領域に向かって少なくなるように分配した。横断方向(もちろん吸収性材料を含まなかったチャネルのエリアを除いた「機械横方向」又は「CD」)のSAPのプロファイル化はなかった。各々SAP層を支持している2つの不織布基材を組み合わせるという、米国特許公開第2010/0051166A1号に開示されているようなSAP印刷技術によって、吸収性コアを形成した。チャネル形状を範囲決定する好適な印刷用ドラムの使用によってチャネルを形成した。印刷したSAP技術を使用したチャネル形成方法についての更なる情報は、欧州特許出願第EP12174117.7号で見出すことができる。
【0133】
SAP層を適用する前に補助糊剤(Fuller,HL 1358LO F ZPから)を上部基材16上に適用し、総量0.128gに対して、コアラップの長さ(390mm)全体に沿って、スロット間の距離1mmで幅1mmのスロット41個によってスロットコーティングした。
【0134】
各SAP層は、SAP層を基材上に固定するためにその上面に適用されたマイクロファイバー弾性糊剤(Fuller 1151)を有した。0.211g及び0.168gのマイクロファイバー糊剤(H.B.Fuller製)をそれぞれ上部及び下部SAP層上に適用し、適用のエリアは、各SAP層上に110mmの幅及び390mmの長さを有した。
【0135】
コアラップは390mmの長さを有し、吸収性材料を含まない2つの末端フラップは吸収性コアの後縁部及び前縁部で15mmの長さを有した。コアの前端部及び後端部の封止は共にスロット糊付けされ、糊剤スロットは、前端部の封止から30mm、及び後端部の封止から20mmの長さを有した。コアラップの折り畳み幅は120mmであった。
【0136】
上部基材16は10gsmの親水性処理したSMMS不織布であり、下部基材16’は10gsmのSMMS不織布であった。上部基材を、390mmの長さ及び165mmの切り出し幅で切り出した。下部基材は390mmの切り出し長さ及び130mmの切り出し幅を有した。上部基材によってコアの外縁上で下部基材をC字型に包み、折り畳んだコアラップの全体的な幅が約120mmになるように、下部層の外縁をコアの吸収性材料の縁部上にわずかに上向きに形成させた。コア折り畳み糊剤を、20gsmで適用し、かつコアの各側上で4mmのスロット幅及び390mmの長さを有するスロットとして適用されるように基材間に適用することによって、Cラップを耐久性にした。
【0137】
チャネルを介して2つの基材を共に更に付着させた。圧力並びに補助糊剤及びマイクロファイバー糊剤を適用することによって結合を形成させた。
【0138】
本発明の実施例2
この実施例で試験したコアは、使用した補助糊剤がH.B.FullerからのNW1286 F ZPであったという差異はありながら、実施例1と同様であった。
【0139】
試験結果
上記の各吸収性コアについて、2つの標本(X及びY)をチャネル層間剥離液浸試験に従って試験し、時間の関数(5分の増分)として層間剥離するコアラップの結合のパーセンテージを決定した。開離の量を以下のように報告した。
Aコアラップ結合の初期長の3分の1未満が層間剥離したとき、
Bコアラップ結合の初期長の3分の1〜3分の2が層間剥離したとき、
Cコアラップ結合の初期長の少なくとも3分の2が層間剥離したとき。
【0141】
見て分かるように、使用する糊剤の性質を変化させることは、層間剥離がより少ない又はより迅速なコアラップ結合をもたらす。概して、糊剤の量を増加させること及び/又はより強力な糊剤を使用することは、より強力なコアラップ結合をもたらすことになる。例示した吸収性コアのいずれも、本発明の吸収性コアにおいて使用し得る。
【0142】
その他(Misc)
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された!寸法は、「約40mm」を意味するものである。