【実施例】
【0045】
実施例1から5は、下流連続相分離部を備えた30リットルループ(ガラス装置)中で本発明による方法により製造される。こうして得られた粗生成物は蒸留法により溶媒が留去される。
【0046】
[実施例1]:
3.84kg/hのジメチルジクロロシラン、50.3kg/hのフェニルトリクロロシランおよび30.72kg/hのメチルトリエトキシシランを、69.12kg/hの水および79kg/hのトルエンと一緒に混合ゾーンを介してループ中に同時に供給する。次の方法パラメータを設定する:
固形分含有量(=トルエン中に溶解したオルガノポリシロキサン):36から37重量%
水相中のHCl濃度:27から29重量%
滞留時間:5から10分
反応温度:60から65℃
【0047】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:228767
POX ppm:0.3から2.5
引火点:56.5℃
【0048】
粗生成物は蒸留法により溶媒が留去去される。
【0049】
この結果、SiOH含有量3.0から4.5重量%、分子量Mw1800から3000およびTg(ガラス転移温度)45℃から65℃を有する易流動性ポリシリコーン樹脂が得られる。
【0050】
[実施例2]および[実施例3]は、表1に示すように用いた反応物の量の内の水の量のみ、ならびに方法および生成物パラメータが異なる。
【0051】
【表1】
【0052】
[実施例4]:
16.3kg/hのフェニルトリエトキシシランおよび32.75kg/hのフェニルトリクロロシランを、69.12kg/hの水および79kg/hのトルエンと一緒に混合ゾーンを介してループ中に同時に供給する。次の方法パラメータを設定する:
固形分含有量(=トルエン中に溶解した樹脂):30から31重量%
水相中のHCl濃度:12から14重量%
滞留時間:5から10分
反応温度:60から65℃
【0053】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:150000
POX ppm:1未満
引火点(ISO3579):67℃
【0054】
粗生成物は蒸留法により溶媒が留去される。この結果、SiOH含有量5.0から7.0重量%、分子量Mw:1800から3000およびTg(ガラス転移温度)50℃から75℃を有する易流動性ポリシリコーン樹脂が得られる。
【0055】
[実施例5]:
27.8kg/hのフェニルトリエトキシシラン、24.5kg/hのフェニルトリクロロシランおよび20.3kg/hのプロピルトリクロロシランを、73.3kg/hの水および68.2kg/hのトルエンと一緒に混合ゾーンを介してループ中に同時に供給する。次の方法パラメータを設定する:
固形分含有量(=トルエン中に溶解した樹脂):35から37重量%
水相中のHCl濃度:25から26重量%
滞留時間:8から14分
反応温度:60から65℃
【0056】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:140000
POX ppm:1未満
引火点(ISO3579):73℃
【0057】
粗生成物は蒸留法により溶媒が留去される。この結果、SiOH含有量3.0から5.0重量%を有する易流動性ポリシリコーン樹脂が得られる。
【0058】
実施例6から7は、下流連続相分離部を備えた1.55リットルループ(ガラス装置)中で本発明による方法により製造される。こうして得られた粗生成物は蒸留法により溶媒が留去される。
【0059】
[実施例6]:
1.46kg/hのフェニルトリエトキシシラン、1.26kg/hのフェニルトリクロロシランおよび1.125kg/hのプロピルトリクロロシランを、4.64kg/hの水および3.4kg/hのトルエンと一緒に混合ゾーンを介してループ中に同時に供給する。次の方法パラメータを設定する:
固形分含有量(=トルエン中に溶解したポリシリコーン樹脂):38から39重量%
水相中のHCl濃度:22から23重量%
滞留時間:7から8分
反応温度:65から70℃
アルコキシシラン:38重量%
クロロシラン:62重量%
【0060】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:156000
POX ppm:2.5
引火点(ISO3579):73℃
【0061】
粗生成物は蒸留法により溶媒が留去される。この結果、SiOH含有量4.9重量%を有する易流動性ポリシリコーン樹脂が得られる。
【0062】
[実施例7](過度に大きいアルコキシシラン含有量を有する本発明ではない実施例):
2.3kg/hのフェニルトリエトキシシラン、0.45kg/hのフェニルトリクロロシランおよび1.125kg/hのプロピルトリクロロシランを、4.64kg/hの水および3.4kg/hのトルエンと一緒に混合ゾーンを介してループ中に同時に供給する。次の方法パラメータを設定する:
固形分含有量(=トルエン中に溶解したポリシリコーン樹脂):38から39重量%
水相中のHCl濃度:16から17重量%
滞留時間:8から9分
反応温度:65から70℃
アルコキシシラン:59重量%
クロロシラン:41重量%
【0063】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:118000
POX ppm:12
引火点(ISO3579):7℃
【0064】
粗生成物は蒸留法により溶媒が留去される。この結果、SiOH含有量4.6重量%を有する易流動性ポリシリコーン樹脂が得られる。
【0065】
[実施例8](本発明ではない実施例)は、WACKER CHEMIE AGで通常行われているバッチ混合物に関連する。この場合、SiOH官能性ポリシロキサン樹脂は、水、相溶化剤(極性溶媒)および非極性非水溶性溶媒の存在下、クロロシランの加水分解−縮合反応により製造される。
【0066】
滞留時間:数時間
全バッチは、HCl酸性化水相から取り出され、中性まで洗浄され、その後蒸留される。この結果、SiOH含有量3.0から5.0重量%を有する易流動性ポリシロキサン樹脂が得られる。
【0067】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:120000
POX ppm:10から25
引火点(ISO3579):55℃
【0068】
[実施例9](本発明ではない実施例)は、WACKER CHEMIE AGで通常行われているバッチ混合物に関連する。この場合、SiOH官能性ポリシロキサン樹脂は、酸触媒下、水および非極性非水溶性溶媒の存在下で、アルコキシシランの加水分解−縮合反応により製造される。
【0069】
滞留時間:数時間
全バッチは、HCl酸性化水相から取り出され、中性まで洗浄され、その後蒸留される。この結果、SiOH含有量5.0から6.0重量%を有する易流動性ポリシロキサン樹脂が得られる。
【0070】
生成物から除去された廃水は、以下のパラメータを有する:
COD ppm:550000
POX ppm:13から24
引火点(ISO3579):23℃
【0071】
実施例7、8および9は、現状技術を反映しており、通常、SiOH官能性ポリシリコーン樹脂も得られるが、追加の供給原料(極性溶媒およびアルコール、より多くのアルコキシシラン)およびより長い滞留時間が必要であり、この結果として、これらの方法から生成される廃水は極めて高い汚染物質レベル(より高いCOD値;より高いPOX値およびより低い引火点)を有し、従って、より複雑な処理も必要となるために、記載した方法はよりコストがかかるという欠点がある。