(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185174
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】リアクティブ型圧力モニタ方式のインフレータ
(51)【国際特許分類】
B60C 25/12 20060101AFI20170814BHJP
G01L 17/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
B60C25/12 C
G01L17/00 301V
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-534623(P2016-534623)
(86)(22)【出願日】2014年8月8日
(65)【公表番号】特表2016-531795(P2016-531795A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(86)【国際出願番号】US2014050359
(87)【国際公開番号】WO2015023535
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年2月15日
(31)【優先権主張番号】61/865,388
(32)【優先日】2013年8月13日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/454,575
(32)【優先日】2014年8月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507241012
【氏名又は名称】アンドロイド インダストリーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123630
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(72)【発明者】
【氏名】ローソン ローレンス ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】クラーク バリー エイ
【審査官】
高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】
特表2013−513517(JP,A)
【文献】
特開平11−129714(JP,A)
【文献】
実開昭64−016404(JP,U)
【文献】
国際公開第2013/106568(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 25/12
B60S 5/04
G01L 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールインフレーション装置であって、
タイヤ/ホイール組立体を吊り下げるホイール係合ユニットを有し、前記ホイール係合ユニットは、
ホイールハブ係合部と、
前記ホイールハブ係合部に接続されたシリンダロッドと、
前記シリンダロッドに接続されたシリンダと、を備え、
ロボットアームに結合された少なくとも1つのインフレーションユニットを有し、各インフレーションユニットは、前記タイヤ/ホイール組立体をインフレートさせるよう構成され、
前記ホイール係合ユニットの前記ホイールハブ係合部と、シリンダロッドとの間に配置された荷重測定ユニットを有し、前記荷重測定ユニットは前記ホイール/タイヤ組立体に加えられている歪の大きさを検出するよう構成され、
前記荷重測定ユニットから荷重信号を受け取り、該荷重信号に基づいて前記タイヤ/ホイール組立体の内部空気圧力を算定し、そして前記算定した内部空気圧力に基づいて前記少なくとも1つのインフレーションユニットを制御するコントローラを有する、装置。
【請求項2】
各インフレーションユニットは、プローブスターラップ及び空気インフレーションプローブを含み、前記空気インフレーションプローブは、前記プローブスターラップ中に挿入可能である、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記プローブスターラップ及び前記空気インフレーションプローブの各々は、直線的に作動可能である、請求項2記載の装置。
【請求項4】
前記荷重測定ユニットは、油圧式ロードセル型測定変換器である、請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記荷重測定ユニットは、歪ゲージ式ロードセル型測定変換器である、請求項1記載の装置。
【請求項6】
圧力算定モジュールが前記荷重測定ユニットにより出力された電気信号を受け取り、該電気信号を前記タイヤ/ホイール組立体内に存在するインフレーション圧力を表す信号に変換する電子回路を含む、請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記ホイール係合ユニットを第1のステーションと第2のステーションとの間で移動させるよう構成されたロボットアームを更に有する、請求項1記載の装置。
【請求項8】
前記コントローラは、前記ロボットアームが前記ホイール/タイヤ組立体を前記第1のステーションから前記第2のステーションに移動させている間、前記ホイール/タイヤ組立体をインフレートさせるよう前記少なくとも1つのインフレーションユニットを制御する、請求項7記載の装置。
【請求項9】
ホイール係合ユニットのホイールハブ係合部と、前記ホイール係合ユニットのシリンダロッドとの間にロードセルを配置するステップと、
ホイール/タイヤ組立体を少なくとも1つのインフレーションユニットによりインフレートさせるステップと、
インフレーション中、前記ロードセルをモニタして前記インフレーションの結果として前記ホイール/タイヤ組立体に加えられる力の大きさを算定するステップと、
前記力の大きさに基づいて前記ホイール/タイヤ組立体の内部空気圧力を算定するステップと、
前記内部空気圧力に基づいてインフレーションを続行するかどうかを判定するステップとを含む、方法。
【請求項10】
前記インフレーションに先立って前記ホイール/タイヤ組立体に係合するステップと、
前記ホイール/タイヤ組立体を第1の場所から第2の場所に移動させるステップを更に含み、前記インフレーションは、前記移動中に行われる、請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記内部空気圧力を算定するステップは、空気圧力値を様々な力の測定値に関連づけるルックアップテーブルから前記内部空気圧力を参照するステップを含む、請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記ルックアップテーブルは、空気圧力値を互いに異なる形式のホイール、タイヤ、及び/又はホイール/タイヤ組立体に対応したパラメータに更に関連づけている、請求項11記載の方法。
【請求項13】
各インフレーションユニットは、プローブスターラップ及び空気インフレーションプローブを含み、前記空気インフレーションプローブは、前記プローブスターラップ中に挿入可能である、請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記ロードセルは、前記ホイール/タイヤ組立体を介して前記ロードセルに加えられる第1の力及び前記少なくとも1つのインフレーションユニットが結合されているロボットアームを介して前記ロードセルに加えられる第2の力をモニタして前記第1の力と前記第2の力の方向が実質的に互いに逆であるようにする、請求項13記載の方法。
【請求項15】
タイヤ/ホイール組立体の空気圧力を測定する空気圧力測定装置であって、
タイヤ/ホイール組立体に係合して支持する支持部材を有し、前記支持部材は、
ホイールハブ係合部と、
前記ホイールハブ係合部に接続されたシリンダロッドと、
前記シリンダロッドに接続されたシリンダと、を備え、
タイヤの外面に係合する1つ又は2つ以上の反作用部材を有し、
第1の端部及び第2の端部を備えた荷重測定装置を有し、前記第1の端部は、前記支持部材の前記ホイールハブ係合部と連絡状態にあり、前記第2の端部は、前記1つ又は2つ以上の反作用部材と前記シリンダロッドによって連絡状態にあり、
前記荷重測定装置に結合されていて前記荷重測定装置によって検出された荷重を表す出力信号を受け取り、該出力信号を前記タイヤ/ホイール組立体内に存在するインフレーション空気圧力を表す値に変換する荷重‐タイヤ圧力変換ユニットを有する、空気圧力測定装置。
【請求項16】
前記1つ又は2つ以上の反作用部材は、プローブスターラップ及び空気インフレーションプローブのうちの少なくとも一方を含む、請求項15記載の空気圧力測定装置。
【請求項17】
前記荷重測定装置は、歪ケージ式ロードセル型測定変換器である、請求項15記載の空気圧力測定装置。
【請求項18】
前記荷重測定装置は、荷重を検出する油圧式検出装置である、請求項15記載の空気圧力測定装置。
【請求項19】
前記荷重‐タイヤ圧力変換ユニットは、前記荷重測定装置によって出力された電気信号を受け取り、該電気信号を前記タイヤ/ホイール組立体の空気キャビティ内に存在するインフレーション空気圧力を表す信号に変換する電子回路を含む、請求項15記載の空気圧力測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容、即ち本発明は、リアクティブ型タイヤ圧力モニタ方式によりホイール/タイヤ組立体をインフレートさせる装置及び方法に関する。
【0002】
〔関連出願の説明〕
本米国特許出願は、2013年8月13日に出願された米国特許仮出願第61/865,388号の優先権主張出願である。
【背景技術】
【0003】
ホイール/タイヤ組立体を自動プロセスの一部として組み立てることができる。組み立て中、ロボットは、ホイールを取り付けステーションに移動させることができ、この取り付けステーションにおいて、ホイールは、タイヤに取り付けられる。ロボットは又、タイヤが取り付けられた状態のホイールをインフレーションステーションに移動させることができ、このインフレーションステーションにおいて、ホイール/タイヤ組立体をインフレートさせる。次に、ホイール/タイヤ組立体をバランス取りステーションに移動させることができ、このバランス取りステーションにおいて、ホイール/タイヤ組立体をバランス取りする。各ステップは、実施するのに時間がかかり、各ステーションは、組み立て工場内にスペースを取る。
【発明の概要】
【0004】
本発明によれば、ホイールインフレーション装置であって、
タイヤ/ホイール組立体を吊り下げるホイール係合ユニットを有し、
ロボットアームに結合された少なくとも1つのインフレーションユニットを有し、各インフレーションユニットは、タイヤ/ホイール組立体をインフレートさせるよう構成され、
ホイール/タイヤ組立体に加えられている歪の大きさを検出するよう構成された荷重測定ユニットを有し、
荷重測定ユニットから荷重信号を受け取り、この荷重信号に基づいてタイヤ/ホイール組立体の内部空気圧力を算定し、そして算定した内部空気圧力に基づいて少なくとも1つのインフレーションユニットを制御するコントローラを有することを特徴とする装置が提供される。
【0005】
また、本発明によれば、ホイール/タイヤ組立体を少なくとも1つのインフレーションユニットによりインフレートさせる(膨らませる)ステップと、
インフレーション中、ロードセルをモニタしてインフレーションの結果としてホイール/タイヤ組立体に加えられる力の大きさを算定するステップと、
力の大きさに基づいてホイール/タイヤ組立体の内部空気圧力を算定するステップと、
内部空気圧力に基づいてインフレーションを続行するかどうかを判定するステップとを含むことを特徴とする方法が提供される。
【0006】
さらに、本発明によれば、タイヤ/ホイール組立体の空気圧力を測定する空気圧力測定装置であって、
タイヤ/ホイール組立体に係合して支持する支持部材を有し、
タイヤの外面に係合する1つ又は2つ以上の反作用部材を有し、
第1の端部及び第2の端部を備えた荷重測定装置を有し、第1の端部は、支持部材と連絡状態にあり、第2の端部は、1つ又は2つ以上の反作用部材と連絡状態にあり、
荷重測定装置に結合されていて荷重測定装置によって検出された荷重を表す出力信号を受け取り、この出力信号をタイヤ/ホイール組立体内に存在するインフレーション空気圧力を表す値に変換する荷重‐タイヤ圧力変換ユニットを有することを特徴とする空気圧力測定装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1A】リアクティブ型タイヤ圧力モニタ方式のインフレータの例示のコンポーネントを示す略図である。
【
図1B】リアクティブ型タイヤ圧力モニタ方式のインフレータの例示のコンポーネントを示す略図である。
【
図1C】リアクティブ型タイヤ圧力モニタ方式のインフレータの例示のコンポーネントを示す略図である。
【
図2】リアクティブ型タイヤ圧力装置を作動させる方法の例示の組をなす作動段階を示す流れ図である。
【
図3】インフレーションプロセス中、インフレーションプローブとその環境との相互作用を示す拡大図である。
【
図4】インフレーションプロセス中に生じる力及びこれら力がロードセルによって検出された歪に結果的にどのように作用するかを示す略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
種々の図において同一の参照符号は、同一の要素を示している。
【0009】
図1Aは、リアクティブ型タイヤ圧力モニタ方式の例示のロボットインフレータを示している。幾つかの具体化例によれば、インフレータ10は、ホイール係合ユニット12、ロードセル14、1つ又は2つ以上のインフレーションユニット16、シリンダ24、シリンダロッド26、及びコントローラ30を有する。インフレータ10は、追加のコンポーネント又は代替コンポーネントを有することができる。
【0010】
ホイール係合ユニット12は、ホイール/タイヤ組立体40のホイール42に係合するよう構成されている。タイヤ44が第1のステーションでホイール42に取り付けられる。第1のステーションは、第1の場所であるのが良く、或いは、第1のステーション(並びに他のステーション)は、ホイール/タイヤ組立体40及びホイール係合ユニット12に対して動くことができるのが良い。タイヤ44をホイール42に取り付ける前又は後において、ホイール係合ユニット12は、ホイール42に係合する。幾つかの具体例では、ホイール係合ユニット12は、センターハブ及び/又はラグ‐穴中に挿入される1つ又は2つ以上の機構体13を含む。ホイール係合ユニット12は、ホイール42に係合する代替手段又は追加の手段を含むのが良い。例えば、ホイール係合ユニット12は、センターハブ及び/又はラグ‐穴中に挿入される磁化ねじ若しくはピン又はセンターハブを引き付ける磁化表面を含むのが良い。係合ユニット12は、タイヤ/ホイール組立体40を掴んでこれをプラットホーム11から持ち上げることができる。
【0011】
各インフレーションユニット16は、ホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせるよう構成されている。図示の実施例では、インフレータ10は、2つのインフレーションユニット16,16′を有するのが良い。しかしながら、注目されるように、インフレータは、単一のインフレーションユニット16を有しても良く、或いは3つ以上のインフレーション16,16′を有しても良い。幾つかの具体化例では、インフレーションユニット16は、インフレーションプローブ18(これは、圧縮空気源、例えば空気圧縮機19又はこれに類似した装置に連結される)、プローブスターラップ(probe stirrup )20、インフレータアクチュエータ22及びスターラップアクチュエータ23を含む。プローブスターラップ20は、少なくとも1つの寸法がインフレーションプローブ18よりも大きいキャビティ21を有するのが良く、それにより、インフレーションプローブ18が自由にキャビティ21を通過することができる。プローブスターラップ20は、キャビティを形成するプローブスターラップ20の部分に強制的に当接するタイヤ44の力に耐えることができる剛性の材料(例えば、鋼)で作られるのが良い。作動において、スターラップアクチュエータ23は、プローブスターラップ20を少なくとも1つの軸線に沿ってタイヤ/ホイール組立体40中に直線的に作動させることができ、その結果、プローブスターラップ20は、ホイール42とタイヤ44のタイヤビード46との間の隙間中に挿入されるようになっている。
図1Bは、プローブスターラップ20がホイールとタイヤ44のサイドウォール46との間に(アクチュエータ23によって)挿入された実施例を示している。ホイール/タイヤ組立体40のインフレーションに先立って、プローブスターラップ20をタイヤビード46とホイール42との間に容易に配置することができる。しかる後、インフレータアクチュエータ22は、プローブスターラップ20のキャビティを通ってインフレーションプローブ18を操作する。このように、プローブスターラップ20は、インフレーションプローブ18がインフレーション中におけるタイヤ44の漸増する内部空気圧力の結果としてホイール42とタイヤビードとの間に挟まれるのを阻止する。
図1Cは、プローブスターラップ20のキャビティ内に配置されているインフレーションプローブ18の一例を示している。インフレーションプローブ18がプローブスターラップ20のキャビティ内にいったん挿入されると、空気圧縮機(図示せず)に指令を出してホイール/タイヤ組立体40中への空気の圧送を開始させるのが良い。
【0012】
次に
図4を参照すると、ロードセル14は、ロードセル14によって検出された歪の尺度(即ち、F′
A+F′
B)を表す電気信号を導体15に沿って出力する。検出された歪の大きさは、一部に関し、力F′
A(タイヤ44によってプローブ18,18′及びプローブスターラップ20,20′に及ぼされる)及び力F′
B(タイヤ44によってホイール42の下側のホイールビード41,41′に及ぼされる)に対応している。タイヤによってコンポーネント18,18′,20,20′,41,41′に及ぼされる力は、少なくとも一部に関し、ホイール/タイヤ組立体40内の内部空気圧力の関数である。幾つかの具体化例では、ホイール/タイヤ組立体40のキャビティ45内の内部空気圧力の結果として、ホイール/タイヤ40をインフレートさせているときに上向きの力がインフレーションプローブ18及び/又はプローブスターラップ20に加えられる。これら具体化例では、上向きの力は、剛性支持構造体21,21′を経てロードセル14に伝達される。幾つかの具体化例では、上向きの力F′
Aは、シリンダ24によってロードセル14に伝達されるのが良く、シリンダ24は、上向きの力をシリンダロッド26に伝達する。シリンダロッド26は、上向きの力をロードセル14に伝達することができる。追加的に又は代替的に、ホイール/タイヤ組立体40の空気キャビティ45内の空気圧力の結果として、下向きの力F′
Bがホイール/タイヤ組立体40がインフレートされているときに下向きの力F′
Bがホイール/タイヤ組立体に加えられる場合がある。下向きの力がホイール係合ユニット12に伝達され、ホイール係合ユニット12は、この下向きの力をロードセル14に伝達する。このように、インフレーションプローブ18がホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせているとき、上向きの力と下向きの力がロードセル14に同時に作用する。
図1Cに示されている矢印50,52は、ロードセル14に作用する力の例である。ロードセル14は、力の大きさを示す信号を出力する。一実施形態では、インフレーションユニット16,16′は、ホイール42のどの部分からの間隔を置いて位置していてこれには接触しない。この離隔関係(隙間)は、反力F
ANが全くロードセル14から引き出されないようにすることによってシステムの精度を高める。一実施形態では、インフレーションプロセス中、ホイール係合ユニット12は、タイヤ/ホイール組立体40を支持する唯一の手段である(即ち、プラットホーム11は、組立体40に係合しない)。
【0013】
ロードセル14は、力の大きさを任意適当な仕方で測定することができる。幾つかの具体化例では、ロードセル14は、力が加えられてこの力が抵抗器を変形させたときに抵抗器の抵抗の変化に基づいて力の大きさを測定する歪ゲージを含む。追加的に又は代替的に、ロードセル14は、上向き及び下向きの力がロードセルに作用することによって生じる液体の変位に基づいて力の大きさを測定する油圧式ロードセルであっても良い。
【0014】
コントローラ30は、インフレータ10の作動を制御する1つ又は2つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、及び/又はASIC回路であるのが良い。幾つかの具体化例では、コントローラ30は、インフレータ10を制御する機械読取り可能命令を実行する。コントローラ30は、ホイール係合ユニット12、インフレーションユニット16、シリンダロッド24、及びシリンダの運動を生じさせるアクチュエータ及び/又はモータを制御することができる。さらに、コントローラ30は、ロードセル14の出力信号15に基づいてホイール/タイヤ組立体40の内部空気圧力を算定することができる。幾つかの具体化例では、コントローラ30は、ルックアップテーブルに基づいて空気圧力を求める。ルックアップテーブルは、発見的に生成されるのが良く、その結果、空気圧力値を力測定値及び/又はタイヤパラメータ(例えば、トレッド形式、タイヤ形式、ホイールサイズ)の種々の組み合わせに相関させることができる。追加的に又は代替的に、空気圧力が力測定値及び場合によっては1つ又は2つ以上のタイヤパラメータの関数である所定の方程式に従って空気圧力を求めることができる。内部空気圧力がしきい値、例えば32psiに達すると、コントローラ30は、インフレーションユニット16に指令を出してホイール/タイヤ組立体40からこれを引っ込める。
【0015】
幾つかの具体化例では、シリンダ24は、インフレータ10を第1の位置から第2の位置に機械的に移動させる。シリンダ24の運動は、シリンダ24を1つ又は2つ以上の方向に動かす1つ又は2つ以上のアクチュエータ又はモータによって制御されるのが良い。例えば、シリンダ24をアクチュエータ又はモータによって制御してインフレータ10をタイヤ取り付けステーションからホイールバランス取りステーションに移動させることができる。アクチュエータ又はモータの制御により、シリンダ24は、ホイール係合ユニット12を昇降させることができ、そして又ホイール係合ユニット12を水平に動かすことができる。幾つかの具体化例では、シリンダ24がホイール/タイヤ組立体40を第1の場所から第2の場所に動かしている間、ホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせる。追加的に又は代替的に、シリンダ24は、ホイール/タイヤ組立体40を持ち上げ、種々のステーション(例えば、ホイール取り付けステーション及びホイールバランス取りステーション)をホイール/タイヤ組立体40の存在場所に動かす。これら具体化例では、インフレーションユニット16は、シリンダ24がホイール/タイヤ組立体40を持ち上げている間、ホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせる。
【0016】
幾つかの具体化例では、シリンダロッド26は、ホイール係合ユニット12を昇降させる。さらに、幾つかの具体化例では、シリンダロッドは又、ホイール係合ユニット12を回転させてハブ及び/又はラグ‐ナット穴に係合させる。シリンダロッド26の運動は、1つ又は2つ以上のアクチュエータ及び/又はモータによって制御されるのが良い。
【0017】
図1のインフレータ10は、例示として提供されているに過ぎない。インフレータ10の別の形態が想定され、これは本発明の範囲に含まれる。例えば、インフレーションユニット16は、ホイール42又はタイヤ44に沿って設けられたインフレーション弁(図示せず)によりホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせるよう構成されていても良い。これら具体化例では、ロードセル14は、実質的に同一の仕方で動作するが、上向きの力は、インフレーション弁から伝達される。
【0018】
図2は、本発明の幾つかの具体化例に従ってコントローラ30によって実行可能な例示の組をなす作動段階を示している。注目されるように、インフレータ10の変形形態では、これら作動段階をそれに応じて変化させることができる。
【0019】
作動段階210では、コントローラ30は、シリンダ24に連結されているアクチュエータ又はモータに指令を出してシリンダを第1の場所に移動させる。第1の場所は、ホイール/タイヤ組立体の組み立てライン上のステーション(例えば、タイヤ取り付けステーション)であるのが良い。
【0020】
作動段階212では、コントローラ30は、ホイール係合ユニット12をホイール/タイヤ組立体40に係合させる。コントローラ30は、シリンダロッド26に連結されているアクチュエータ及び/又はモータに指令を出してホイール係合ユニット12をホイール/タイヤ組立体40に係合する位置に動かすことができる。ホイール係合ユニット12がホイール/タイヤ組立体40に係合する位置にいったん位置すると、コントローラ30は、シリンダロッドに連結されているアクチュエータ及び/又はモータに指令を出してホイール係合ユニット12を係合位置に動かすことができる(例えば、ホイール係合ユニット12を回転させてホイール/タイヤ組立体40がホイール係合ユニット12に取り付けられるようにする)。
【0021】
作動段階214では、コントローラ30により、シリンダは、第1の場所から第2の場所へのホイール/タイヤ組立体40の移動を開始させる。第2の場所は、組み立てライン上の別のステーション、例えば、ホイールバランス取りステーションであるのが良い。コントローラ30は、例えばシリンダ24に連結されているアクチュエータ又はモータに指令を出すことによってホイール/タイヤ組立体40を動かすことができ、それによりシリンダを第2の場所の方向に動かすことができる。
【0022】
作動段階216では、コントローラ30により、インフレーションプローブ18をホイール/タイヤ組立体40中に挿入する。幾つかの具体化例では、コントローラ30は、スターラップアクチュエータ23に指令を出してプローブスターラップ20をホイール42とタイヤ44との間の位置(即ち、タイヤ44のサイドウォール46のところ)に摺動させる。プローブスターラップ20をいったん定位置に位置すると、コントローラ30は、インフレータアクチュエータ22に指令を出してインフレーションプローブ18をプローブスターラップ20のキャビティ中に動かす。インフレーションプローブ18がプローブスターラップ20のキャビティ内にいったん位置すると、インフレーションプローブ18は、タイヤをインフレートさせる状態にある。上述の作動を各インフレーションユニット16について実施するのが良い。
図3は、インフレーションプローブ18がホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせる状態にある一例を示している。図示のように、インフレーションプローブ18の遠位端部300がプローブスターラップ20のキャビティ302内に配置されている。作動段階218では、コントローラ30は、空気圧縮機19に指令を出してホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせる。
【0023】
作動段階220では、コントローラ30は、ホイール/タイヤ組立体40内の空気圧力を算定することができる。幾つかの具体化例では、コントローラ30は、コントローラ30から空気圧力尺度を受け取る。幾つかの具体化例では、コントローラ30は、ロードセル14に加えられている力を表す信号を受け取ってこの信号に基づいて空気圧力を計算する。コントローラ30は、ルックアップテーブル又は所定の方程式に従って空気圧力を計算することができる。
【0024】
作動段階222では、コントローラ30は、算定した空気圧力がしきい値よりも低いかどうかを判定する。しきい値は、ホイール/タイヤ組立体40内の所望の空気圧力を表している。空気圧力がしきい値よりも低い場合、コントローラ30は、引き続き空気圧縮機19に指令を出してホイール/タイヤ組立体40をインフレートさせる。もしそうでなく、空気圧力がしきい値に等しく又はこれよりも高い場合、作動段階224で示されているようにコントローラ30によりインフレーションプローブ18をホイール/タイヤ組立体から取り外す。幾つかの具体化例では、コントローラ30は、インフレーションアクチュエータ22に指令を出してインフレーションプローブ16を引っ込め、次にプローブアクチュエータ23に指令を出してプローブスターラップ20を引っ込める。作動段階226では、第2の場所へのホイール/タイヤ組立体40の移動を完了させる。コントローラ30は、引き続きシリンダ24のアクチュエータ又はモータに指令を出してシリンダ24を移動させるのが良く、ついには、ホイール/タイヤ組立体40は、第2の場所に到達する。コントローラ30は、さらにホイール係合ユニット12に指令を出してホイール/タイヤ組立体40を離脱させるのが良い。
【0025】
方法200の変形例が想定され、かかる変形例は、本発明の範囲に含まれる。さらに、インフレータ10の組み立てに応じて(例えば、ホイール/タイヤ組立体40が第1のステーションから第2のステーションに動かされているかどうか或いは第1のステーション及び第2のステーションがホイール/タイヤ組立体40に対して動くことができるかどうかに応じて)幾つかの作動段階を変更し、交換し、又は省くことができる。