(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記洗濯ケア補助剤が、2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール[1,2−d]トリアゾールナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン2−イル)]アミノ}スチルベノ−2−2’−ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムから選択される蛍光剤を含む、請求項1に記載の洗濯ケア組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
定義:
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、C
1〜C
8アルコキシ、及びブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシドなどの繰返し単位を有するポリオールのアルコキシ誘導体を包含することを意図する。
【0008】
本明細書で使用するとき、用語「アルキル」及び「アルキル末端保護された」は、C
1〜C
18アルキル基、一態様では、C
1〜C
6アルキル基を包含することを意図する。
【0009】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「アリール」は、C
3〜C
12アリール基を包含することを意図する。
【0010】
本明細書で使用するとき、別途記載のない限り、用語「アリールアルキル」は、C
1〜C
18アルキル基、一態様では、C
1〜C
6アルキル基を包含することを意図する。
【0011】
本明細書において、用語「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」及び「ブチレンオキシド」はそれぞれ、それらの典型的な表記である「EO」、「PO」及び「BO」で示す場合がある。
【0012】
本明細書で使用するとき、用語「洗濯ケア組成物」は、別途記載のない限り、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、1回分分包状、棒状、及び/又はフレークタイプの洗浄剤及び/又は布地処理組成物を含み、布地を洗濯するための製品、布地柔軟化組成物、布地仕上げ組成物、布地消臭組成物、及び布地をケア及びメンテナンスするためのその他の製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いる前処理組成物であっても、すすぎ時添加用組成物、並びに漂白添加剤及び/又は「シミ取りスティック」若しくは前処理組成物あるいは乾燥機添加用シートのように基材に香り付けする製品のような洗浄助剤であってもよい。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「洗剤組成物」は洗濯ケア組成物の一部であり、洗浄組成物を含み、布地を洗濯するための製品が挙げられるが、これに限らない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いる前処理組成物であっても、すすぎ時添加用組成物、並びに、漂白添加剤及び「シミ取りスティック」又は前処理タイプのような洗浄助剤であってもよい。
【0014】
本明細書で使用するとき、「セルロース基材」は、重量基準でセルロースの少なくとも大部分を占めるあらゆる基材を含むことが意図される。セルロースは、木材、綿、リネン、黄麻、及び麻布に見出すことができる。セルロース基材は、粉末、繊維及びパルプの形態、並びに粉末、繊維及びパルプから形成される物品の形態であってもよい。セルロース繊維には、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(酢酸セルロース)、トリアセテート(三酢酸セルロース)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維から形成される物品には、布地などの繊維物品が挙げられる。パルプから形成される物品には、紙が挙げられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「最大吸光係数」は、400ナノメートル〜750ナノメートルの範囲における最大吸光度の波長(本明細書においては最大波長ともいう)におけるモル吸光係数を指すように意図されている。
【0016】
本明細書で使用するとき、チオフェンアゾカルボキシレート染料の「平均分子量」は、製造プロセスの結果、分子量分布によって割り出した平均分子量として記録され、本明細書に開示されているチオフェンアゾカルボキシレート染料は、そのポリマー部分の繰り返し単位に分布を有し得る。
【0017】
本出願人らの発明のパラメーターの各値を求めるためには、本出願の試験方法の項で開示する試験方法を用いるべきである。
【0018】
本明細書で使用するとき、請求項において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、請求される又は記載されるものが1つ以上であることを意味すると理解される。
【0019】
本明細書で使用するとき、「含む」という用語は非限定的であることを意味する。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0021】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及び気体の製品形態を含む。
【0022】
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、その成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0023】
全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、重量によるものとする。全ての百分率及び比率は、別途記載のない限り、組成物全量を基準にして計算される。
【0024】
カルボキシレート染料:
好適な染料は、下記の式Iの構造を有するチオフェンアゾカルボキシレート染料である。
【0025】
【化3】
式中、D
1はチオフェン基であり、
D
2は炭素環式フェニレンであり、
式Iで炭素環式フェニレンに直接結合する2個のN原子は、互いにパラ位にあり、
R
1は、[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
y((CH
2)
wNH)
zQ]、C
1〜
12アルキル、C
6〜
10アリール、又はC
7〜C
22アリールアルキルから独立して選択され、
R
2は、[(CH
2CR’HO)
x’(CH
2CR”HO)
y’((CH
2)
w’NH)
z’Q]であり、
式中、x+y+x’+y’の合計は0〜50の範囲であり、
xは0〜50の整数であり、
x’は0〜50の整数であり、
yは0〜50の整数であり、
y’は0〜50の整数であり、
w及びw’は、2及び3から独立して選択される整数であり、
z及びz’は、0及び1から独立して選択される整数であり、
R’及びR”は、H、C
1〜C
4アルキル、CH
2O(CH
2CH
2O)
a((CH
2)
bNH)
dQ、フェニル及びCH
2OR
5からなる群からそれぞれ独立して選択され、
各R
5は、C
1〜C
16直鎖又は分枝鎖アルキル、C
6〜C
14アリール、及びC
7〜C
16アリールアルキルからなる群から独立して選択され、
各aは0〜2から独立して選択される整数であり、
各bは2〜3から独立して選択される整数であり、
各dは0〜1から独立して選択される整数であり、
各Qは、H及びYからなる群から独立して選択され、好ましくは全てのQ基は独立して選択されたY基であり、
各Yは、独立して選択される式IIで表される有機ラジカルであり、
【0026】
【化4】
式中、独立して各Y基において、
MはH又は電荷平衡カチオンであり、
mは0〜5、好ましくは0、1、2又は3、より好ましくは0又は1から選択される整数であり、
nは0〜5、好ましくは0、1、2又は3、より好ましくは0又は1から選択される整数であり、
m+nの合計は、1〜10の範囲、好ましくは1、2又は3、より好ましくは1又は2であり、
各R
8は、H、C
3〜18又はC
4〜C
18直鎖又は分枝鎖アルキル、及びC
3〜18又はC
4〜C
18直鎖又は分枝鎖アルケニルからなる群から独立して選択され、
少なくとも1つのR
8基はHではなく、
z+z’+dの合計は少なくとも1であり、
染料は、Yであり、かつ:
(a)R
1基のN原子に結合し、指数zは1である、又は
(b)R
2基のN原子に結合し、指数z’は1である、又は
(c)R’又はR”基のN原子に結合し、指数dは1である、のいずれかである、Q基を少なくとも1つ含むことを特徴とする。
【0027】
好適なチオフェンアゾカルボキシレート染料は、式IIIの構造を有する。
【0028】
【化5】
式中、D
1はチオフェン基であり、
R
6はH及びC
1〜C
4アルキルからなる群から選択され、
R
1及びR
2は請求項1により定義される。
【0029】
好適なチオフェンアゾカルボキシレート染料は、式IVの構造を有し、
【0030】
【化6】
式中、R
6はH及びメチルからなる群から選択され、
R
1及びR
2は請求項1により定義され、各mは0〜3からなる群から独立して選択され、各nは0〜3からなる群から独立して選択される。
【0031】
好適なチオフェンアゾカルボキシレート染料は、式IVに従う構造を有し、式中、R
1は[(CH
2CH
2O)
y(CH
2)
wNHQ]であり、
R
2は[(CH
2CH
2O)
y’(CH
2)
w’NHQ]であり、
mは0又は1であり、
nは0又は1であり、
m+nの合計は1又は2であり;y+y’の合計が少なくとも10である場合、好ましくは全R
8基の炭素原子の合計は0.4(y+y’)を超え、より好ましくは0.6(y+y’)を超え、好ましくは3.0(y+y’)未満、好ましくは2.0(y+y’)未満、より好ましくは1.8(y+y’)未満、最も好ましくは1.6(y+y’)未満である。
【0032】
洗濯ケア成分:
組成物は、所望により、他の洗濯ケア成分を含んでもよい。好適な洗濯ケア成分は、例えば、洗浄性能を補助若しくは増強するためのもの、例えば柔軟化若しくは消臭性能を補助若しくは増強するためのもの、又は、香料、着色剤、非布地シェーディング染料などによる場合と同様に、組成物の審美性を改変するためのものであってよい。
【0033】
好適な洗濯ケア成分としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、ポリマー分散剤、粘土質汚れ除去剤/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性化剤、布地用柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、追加の染料及び/又は顔料(これらのうちの一部については、以下で更に詳細に論じる)が挙げられるが、これらに限らない。
【0034】
追加の布地色相剤:カルボキシレート染料に加えて、追加の布地シェーディング染料を組み込むことは好ましくない場合があるが、組成物には1つ以上の追加の布地色相剤を含ませてもよい。好適な布地色相剤としては、染料、染料−粘土複合体、及び顔料が挙げられる。好適な染料としては、ポリエステル及び/又はナイロンのような合成布地への付着よりも、綿布地上によく付着するものが挙げられる。更なる好適な染料としては、綿と比較してポリエステル及び/又はナイロンのような合成繊維により多く付着するものが挙げられる。好適な染料としては、小分子染料及び高分子染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、ダイレクト・ブルー、ダイレクト・レッド、ダイレクト・バイオレット、アシッド・ブルー、アシッド・レッド、アシッド・バイオレット、ベーシック・ブルー、ベーシック・バイオレット及びベーシック・レッドの色指数(C.I.)分類に区分される染料、又はそれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。小分子染料の例としては、色指数(英国染料染色学会(Bradford,UK))番号で、ダイレクト・バイオレット9、ダイレクト・バイオレット35、ダイレクト・バイオレット48、ダイレクト・バイオレット51、ダイレクト・バイオレット66、ダイレクト・バイオレット99、ダイレクト・ブルー1、ダイレクト・ブルー71、ダイレクト・ブルー80、ダイレクト・ブルー279、アシッド・レッド17、アシッド・レッド73、アシッド・レッド88、アシッド・レッド150、アシッド・バイオレット15、アシッド・バイオレット17、アシッド・バイオレット24、アシッド・バイオレット43、アシッド・レッド52、アシッド・バイオレット49、アシッド・バイオレット50、アシッド・ブルー15、アシッド・ブルー17、アシッド・ブルー25、アシッド・ブルー29、アシッド・ブルー40、アシッド・ブルー45、アシッド・ブルー75、アシッド・ブルー80、アシッド・ブルー83、アシッド・ブルー90、アシッド・ブルー113、アシッドブラック1、ベーシック・バイオレット1、ベーシック・バイオレット3、ベーシック・バイオレット4、ベーシック・バイオレット10、ベーシック・バイオレット35、ベーシック・ブルー3、ベーシック・ブルー16、ベーシック・ブルー22、ベーシック・ブルー47、ベーシック・ブルー66、ベーシック・ブルー75、ベーシック・ブルー159からなる群から選択される小分子染料、色指数(英国染料染色学会(Bradford,UK))番号でアシッド・バイオレット17、アシッド・バイオレット43、アシッド・レッド52、アシッド・レッド73、アシッド・レッド88、アシッド・レッド150、アシッド・ブルー25、アシッド・ブルー29、アシッド・ブルー45、アシッド・ブルー113、アシッドブラック1、ダイレクト・ブルー1、ダイレクト・ブルー71からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。ダイレクト・バイオレット小分子染料が好ましい場合がある。アシッド・バイオレット17、ダイレクト・ブルー71、ダイレクト・バイオレット51、ダイレクト・ブルー1、アシッド・レッド88、アシッド・レッド150、アシッド・ブルー29、アシッド・ブルー113、及びこれらの混合物からなる群から選択される染料が好ましい場合がある。
【0035】
好適な高分子染料としては、共有結合している色原体を含むポリマー(染料−ポリマー複合体)、及び、色原体がそのポリマーの主鎖に共重合したポリマー、並びにこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料と、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA))の名称で販売されている布地に直接染着する色素、少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、1級アミン部分、2級アミン部分、チオール部分及びこれらの組み合わせからなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーとから形成された染料−ポリマー複合体、からなる群から選択される高分子染料とが挙げられる。更に別の態様では、好適な高分子染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken,Spartanburg,South Carolina,USA)バイオレットCT、リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料と複合体を形成しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、例えば、Megazyme(Wicklow,Ireland)から商品名AZO−CM−CELLULOSE、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と複合体形成しているCMC、アルコキシル化トリフェニル−メタン高分子着色料、アルコキシル化チオフェン高分子着色料、及びこれらの混合物からなる群から選択される高分子染料が挙げられる。好ましい追加の色相染料としては、国際公開第08/87497(A1)号に見られる増白剤が挙げられる。これらの増白剤は、下記の式(IV)によって特徴付けることができる。
【0036】
【化7】
式中、R
1及びR
2は、以下から独立して選択できる:a)[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yH]、式中、R’はH、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物から選択され;式中、R”は、H、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物から選択され;式中、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5である;
b)R
1=アルキル、アリール又はアリールアルキル、及びR
2=[(CH
2CR’HO)
x(CH
2CR”HO)
yH]
式中、R’は、H、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”は、H、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、式中、x+y≦10であり、y≧1であり、z=0〜5である;
c)R
1=[CH
2CH(OR
3)CH
2OR
4]及びR
2=[CH
2CH(OR
3)CH
2OR
4]
式中、R
3は、H、(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、z=0〜10であり、
R
4は、(C
14〜C
16)アルキル、アリール基、及びこれらの混合物からなる群から選択される;
d)式中、R1及びR2は、スチレンオキシド、グリシジルメチルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、及びグリシジルヘキサデシルエーテルの、アミノ付加生成物に1〜10個のアルキレンオキシド単位を付加したものから独立して選択することができる。
【0037】
本発明の組成物に組み込んでよい好ましい追加の布地色相剤は、下記の式(IV)によって特徴付けることができる。
【0038】
【化8】
式中、R’は、H、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R”は、H、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、式中、x+y≦5であり、y≧1であり、z=0〜5である。
【0039】
更に好ましい追加の色相染料は、下記の構造(V)によって特徴付けることができる。
【0041】
この染料は典型的には、1分子当たり平均3〜10個のEO基、好ましくは5個のEO基を有する化合物の混合物である。
【0042】
更なる追加のシェーディング染料は、米国特許出願公開第2008/34511(A1)号(Unilever)に記載されている染料である。好ましい物質は「ソルベントバイオレット13」である。
【0043】
好適な染料粘土複合体としては、少なくとも1種のカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物を含む群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、以下のC.I.からなる群から選択される1つのカチオン性/塩基性染料からなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる。C.I.ベーシックイエロー1〜108、C.I.ベーシックオレンジ1〜69、C.I.ベーシック・レッド1〜118、C.I.ベーシック・バイオレット1〜51、C.I.ベーシック・ブルー1〜164、C.I.ベーシックグリーン1〜14、C.I.ベーシックブラウン1〜23、CIベーシックブラック1〜11、及びモンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される粘土。更に別の態様では、好適な染料粘土複合体としては、以下のものからなる群から選択される染料粘土複合体が挙げられる:モンモリロナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、モンモリロナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、モンモリロナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、モンモリロナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、モンモリロナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、モンモリロナイトC.I.ベーシックブラック2複合体、ヘクトライトベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、ヘクトライトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、ヘクトライトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、ヘクトライトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、ヘクトライトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、ヘクトライトC.I.ベーシックブラック2複合体、サポナイトベーシックブルーB7 C.I.42595複合体、サポナイトベーシックブルーB9 C.I.52015複合体、サポナイトベーシックバイオレットV3 C.I.42555複合体、サポナイトベーシックグリーンG1 C.I.42040複合体、サポナイトベーシックレッドR1 C.I.45160複合体、サポナイトC.I.ベーシックブラック2複合体及びこれらの混合物。
【0044】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は置換されていないか、あるいは、C
1〜C
3アルキル若しくはフェニル又は複素環式ラジカルで置換されていてもよく、このフェニル及び複素環式ラジカルは更に、水溶性を付与しない置換基を有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、銅フタロシアニン(1分子当たり2個以下の塩素原子を有していてもよい)、ポリクロロ−銅フタロシアニン、又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン(1分子当たり14個以下の臭素原子を有する)、及びこれらの混合物からなる群より選択される顔料が挙げられる。特に好ましいのは、ピグメントブルー15〜20、特にピグメントブルー15及び/又は16である。その他の好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)及びこれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。好適な色相剤は、米国特許第7,208,459(B2)号に詳細に記述されている。
【0045】
カプセル剤:組成物は、カプセル剤を含み得る。一態様では、カプセル剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含み、該シェルは、該コアをカプセル化する。コアは、いずれの洗濯ケア成分を含んでもよいが、典型的には、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香剤、ビタミン類、布地用柔軟剤、スキンケア剤(一態様ではパラフィン)、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚惹起剤、及びこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでよく、そしてシェルは、ポリエチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール(任意に別のコモノマーを含有する)、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アミノ樹脂(一態様では、アミノ樹脂は、ポリウレア、ポリウレタン、及び/又はポリウレアウレタンを含んでもよく、一態様では、ポリウレアは、ポリオキシメチレンウレア及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでよい)、ポリオレフィン、多糖類(一態様では、多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでよい)、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機物、シリコーン、並びにこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでよい。好ましいカプセル剤は香料を含む。好ましいカプセル剤は、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでもよいシェルを含む。
【0046】
コア材とシェルとを含み、シェルは少なくとも部分的にコア材を取り囲む、好ましいカプセル剤について開示している。カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%の破壊強度は0.2MPa〜10MPaであってよく、効果剤漏出率は、カプセル化された効果剤の初期総量に対して0%〜20%、又は更には10%若しくは5%未満であってよい。好ましいのは、カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%の(i)粒径が1マイクロメートル〜80マイクロメートル、5マイクロメートル〜60マイクロメートル、10マイクロメートル〜50マイクロメートル、又は更には15マイクロメートル〜40マイクロメートルであり得、及び/又は(ii)カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%の粒子壁厚が30nm〜250nm、80nm〜180nm、又は更には100nm〜160nmであり得るものである。ホルムアルデヒドスカベンジャーは、カプセル剤とともに、例えばカプセルスラリー中で用いても、及び/又は、カプセル剤を本発明の組成物に加える前、加えている間、若しくは加えた後に、組成物に加えてもよい。好適なカプセル剤は、米国特許出願公開第2008/0305982(A1)号及び/又は同第2009/0247449(A1)号の教示に従って製造することができる。あるいは、適切なカプセル剤は、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することもできる。
【0047】
好ましい態様では、本発明の組成物は、好ましくはカプセル剤に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオン性デンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに、任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択される1つ以上のモノマーとともにジメチルアミノエチルメタクリレートを含むポリマーが挙げられる。
【0048】
好ましくは、組成物は約0.01マイクロメートル〜約200マイクロメートルのD[4,3]平均粒子径を有する香料マイクロカプセルを含む。
【0049】
香料:本発明の好ましい組成物は香料を含む。典型的には、本発明の組成物は、国際公開第08/87497号に記載されているような群から選択される1種以上の香料原材料を含む香料を含む。しかしながら、洗濯ケア組成物において有用ないずれの香料も用いてよい。香料を本発明の組成物に組み込む好ましい方法は、水溶性ヒドロキシ化合物又はメラミン−ホルムアルデヒド若しくは変性ポリビニルアルコールのいずれかを含むカプセル化された香料粒子を用いるものである。一態様では、このカプセル剤は、(a)1つ以上の水溶性ヒドロキシ化合物、好ましくはデンプンを含む少なくとも部分的に水溶性の固体マトリックスと、(b)この固体マトリックスにカプセル化された香油と、を含む。更なる態様では、香料は、ポリアミン、好ましくはポリエチレンイミンとあらかじめ複合化させて、シッフ塩基を形成させてもよい。
【0050】
ポリマー:本発明の組成物は、1つ以上のポリマーを含んでもよい。例は、任意に変性されたカルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートのようなポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0051】
本発明の組成物は、ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)n)(CH
3)−N
+−C
xH
2x−N
+−(CH
3)−ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)n)(式中、nは20〜30であり、xは3〜8である)の一般構造を有する化合物、又はその硫酸化若しくはスルホン化変異体のような両親媒性洗浄ポリマーを1つ以上含んでもよい。一態様では、このポリマーを硫酸化又はスルホン化して、双性イオン性汚れ浮遊化ポリマーをもたらす。
【0052】
本発明の組成物は好ましくは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性の特性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含む。好ましい両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基と、を含む。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、好ましくは内側にポリエチレンオキシドブロック及び外側にポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでもよい。典型的には、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、本発明の組成物に、0.005〜10重量%、概して0.5〜8重量%の量で組み込まれてよい。
【0053】
ポリアクリレートから調製されるものなどの、アルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加的なグリース除去性能を提供するのに有用である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは国際公開第91/08281号及び同第90/01815号に記載されている。化学的に、これらのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3を有し、式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である。ポリアクリレート「主鎖」に側鎖がエステル結合すると、「櫛形」ポリマータイプの構造が提供される。分子量は、変動し得るものの、通常は約2000〜約50,000の範囲内ある。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書に記載の組成物の約0.05重量%〜約10重量%を構成し得る。
【0054】
補助界面活性剤とその他の補助成分との混合物は、両親媒性グラフトコポリマーとともに用いるのに特に適している。好ましい両親媒性グラフトコポリマー(複数可)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択される少なくとも1つのペンダント部分と、を含む。好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、BASFから供給されているSokalan HP22である。好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。このポリエチレンオキシド主鎖の分子量は好ましくは約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は約40〜60であり、グラフト点は、エチレンオキシド単位50個当たり1個以下である。典型的には、両親媒性グラフトコポリマーは、本発明の組成物に、0.005〜10重量%、より典型的には0.05〜8重量%の量で組み込まれる。好ましくは、本発明の組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー、又はポリアクリレートホモポリマーのような1種以上のカルボキシレートポリマーを含む。一態様において、カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da、又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。典型的には、カルボキシレートポリマーは、本発明の組成物に0.005〜10重量%、又は0.05〜8重量%の量で組み込まれる。
【0055】
好ましくは、本発明の組成物は、1種以上の汚れ放出ポリマーを含む。例としては、下記の式(VI)、(VII)、又は(VIII)の1つによって定義されるような構造を有する汚れ放出ポリマーが挙げられる。
(VI)−[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(VII)−[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(VIII)−[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
式中、
a、b、及びcは、1〜200であり、
d、e、及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meにより置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラ−アルキルアンモニウム、又はこれらの混合物であり、ここで、アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルであり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H又はC
1〜C
18 n−若しくはイソ−アルキルであり、
R
7は、直鎖若しくは分枝鎖C
1〜C
18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C
2〜C
30アルケニル、又は炭素原子を5〜9個有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である。
【0056】
好適な汚れ放出ポリマーは、Repel−o−texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6)などのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Texcareポリマー(例えば、Clariantにより供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325など)が挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0057】
好ましくは、本発明の組成物は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されるものを含む、1種以上のセルロース系ポリマーを含む。好ましいセルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度と、100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0058】
酵素:好ましくは、本発明の組成物は1種以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素カクテルである。本発明の組成物に存在する場合、上記の追加の酵素は、本発明の組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在していてもよい。
【0059】
プロテアーゼ:好ましくは、本発明の組成物は1種以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、サブチリシン(EC 3.4.21.62)などの、中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼが含まれる。好適なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物由来のものが挙げられる。一態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物に由来するものであってよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的又は遺伝的に改変された突然変異体が挙げられる。一態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼなどのセリンプロテアーゼであり得る。適切な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる:
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(バチルス(Bacillus)由来のもの、例えば米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、同第7,262,042号及び国際公開第09/021867号に記述されているバチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィルス(B.alkalophilus)、バチルス・スブチリス(B.subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及びバチルス・ギブソニィ(Bacillus gibsonii)などを含む)。
(b)トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(国際公開第89/06270号に記述されているフサリウム(Fusarium)プロテアーゼ、及び同第05/052161号及び同第05/052146号に記述されているセルロモナス(Cellumonas)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む)。
(c)メタロプロテアーゼ(国際公開第07/044993(A2)号に記述されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のものを含む)。
【0060】
好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・ギブソニィ(Bacillus gibsonii)又はバチルス・レンタス(Bacillus Lentus)由来のものが挙げられる。
【0061】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)によってAlcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor InternationalによってMaxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay EnzymesによってOpticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわちBLAP(米国特許第5,352,604号の
図29に示されている配列に、S99D+S101 R+S103A+V104I+G159Sの変異を有するもの、以下BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dの変異を有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iの変異を有するBLAP)、及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dの変異を有するBLAP)(いずれもHenkel/Kemira製)、並びにKaoから入手可能なKAP(A230V+S256G+S259Nの変異を有するバチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)のサブチリシン)が挙げられる。
【0062】
アミラーゼ:好ましくは、本組成物はアミラーゼを含んでよい。好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学的に又は遺伝的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルス(Bacillus)の菌種に由来するもの、例えば、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、又は他のバチルス種(Bacillus sp.)、例えばバチルス種(Bacillus sp.)のNCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)である。好ましいアミラーゼには次のものが挙げられる。
(a)国際公開第94/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号、及び同第97/43424号に記載の変異体、特に国際公開第96/23874号で配列番号2として記載の酵素に対して、位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換された変異体。
(b)米国特許第5,856,164号及び国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、及び同第06/002643号に記載の変異体、特に国際公開第06/002643号で配列番号12として記載のAA560酵素に対して、位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体であって、好ましくはD183
*及びG184
*の欠損を含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号での配列番号4(バチルス種(Bacillus sp.)722由来の野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を示し、特に位置183及び184に欠損を有する変異体、並びに本明細書に参照により組み込まれる国際公開第00/60060号に記載の変異体。
(d)バチルス属(Bacillus sp.)707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)の野生型酵素と少なくとも95%の同一性を示す変異体、特に次の変異、すなわちM202、M208、S255、R172、及び/又はM261のうち1つ以上を含むもの。好ましくはこのアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1種以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T突然変異を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載の変異体、好ましくは国際公開第09/149130号における配列番号1又は配列番号2(ゲオバチルス・ステアロファーモフィルス(Geobacillus Stearophermophilus)の野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を示す変異体又はそのトランケート型変異体。
【0063】
適切な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200,Wien,Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103〜8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0064】
リパーゼ:好ましくは本発明は、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願公開第2009/0217464号に記載されているような「第1サイクルリパーゼ」を含む、1種以上のリパーゼを含む。好ましいリパーゼは、第1洗浄リパーゼである。本発明の一実施形態では、本発明の組成物は、第1洗浄リパーゼを含む。第1洗浄リパーゼとしては、次の特徴を示すアミノ酸配列を有するポリペプチドであるリパーゼが挙げられる。すなわち、(a)フミコラ・ランギノーザ(Humicola lanuginosa)株DSM4109に由来する野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有し、(b)この野生型リパーゼと比べて、E1の15A若しくはQ249内の3次元構造の表面において、電気的に中性か若しくは負電荷を持つアミノ酸の、正電荷を持つアミノ酸への置換を含み、(c)C末端にペプチド付加を含み、及び/又は(d)N末端にペプチド付加を含み、並びに/あるいは(e)i)野生型リパーゼのE210の位置に、負電荷を持つアミノ酸を含むこと、ii)野生型リパーゼの90〜101の位置に対応する領域に、負電荷を持つアミノ酸を含むこと、及びiii)N94又は野生型リパーゼに対応する位置に、中性か若しくは負電荷を持つアミノ酸を含むこと、及び/又は野生型リパーゼの90〜101の位置に対応する領域に負又は中性の正味の電荷を有する。好ましいのは、T231R及びN233Rの突然変異を1つ以上含む、サーモマイセス・ラヌギノサス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swissprotのアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来)の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0065】
エンドグルカナーゼ:その他の好ましい酵素には、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す微生物由来のエンドグルカナーゼが含まれ、米国特許第7,141,403(B2)号におけるアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、好ましくは94%、より好ましくは97%、更により好ましくは99%の同一性を示す配列を有するバチルス(Bacillus)属のメンバーに内因性である細菌ポリペプチド、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なエンドグルカナーゼは、Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S,Bagsvaerd,Denmark)の商標名で販売されている。
【0066】
ペクチン酸リアーゼ:その他の好ましい酵素としては、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)及びXpect(登録商標)(いずれもNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)の商品名で販売されているペクテートリアーゼ、並びにMannaway(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))の商品名で販売されているマンナナーゼが挙げられる。
【0067】
漂白剤:本発明の組成物に1種以上の漂白剤を含ませることが好ましい場合がある。漂白触媒以外の適切な漂白剤としては、光触媒、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を用いる場合、本発明の組成物は、本発明の組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤又は漂白剤混合物を含んでよい。適切な漂白剤の例としては、以下のものが挙げられる。
(1)光漂白剤:例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物。
【0068】
(2)予形成過酸類。好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキソ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択される化合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、ペルオキシカルボン酸若しくはその塩、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩が挙げられる。本発明での使用に適した典型的なペルオキシカルボン酸塩は、下記の化学式に対応する化学構造を有する。
【0069】
【化10】
式中、式中、R
14は、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール、又は複素環基から選択され、R
14基は、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換であることができ、過酸が疎水性の場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、過酸が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有し、Yは、電荷中性をもたらすいずれかの好適な対イオンであり、好ましくはYは、水素、ナトリウム、又はカリウムから選択される。好ましくは、R
14は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換C
6〜9アルキルである。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、これらの任意の塩、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。特に好ましいペルオキシ酸はフタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、具体的にはε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩の融点は30℃〜60℃の範囲である。
【0070】
予形成ペルオキシ酸又はその塩はまた、ペルオキシスルホン酸又はその塩であってもよく、典型的に、次の化学式に対応する化学構造を有する。
【0071】
【化11】
式中、R
15は、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール又は複素環基から選択され、R
15基は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換であることができ、Zは、電荷中性をもたらすいずれかの好適な対イオンであり、好ましくは、Zは、水素、ナトリウム、又はカリウムから選択される。好ましくは、R
15は、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換のC
4〜14、好ましくはC
6〜14アルキルである。好ましくは、このような漂白組成物は、本発明の組成物中に0.01〜50%、最も好ましくは0.1%〜20%の量で存在していてもよい。
【0072】
(3)過酸化水素供給源:例えば、無機過水和物の塩であって、アルカリ金属塩、例えば過ホウ酸(通常は、一水和物又は四水和物)ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、過硫酸ナトリウム塩、過リン酸ナトリウム塩、過ケイ酸ナトリウム塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の一態様では、無機過水和物の塩は、過ホウ酸ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。使用する場合、無機過水和物の塩は、典型的には、布地ケア製品及びホームケア製品全体の0.05〜40重量%、又は1〜30重量%の量で存在し、典型的にはコーティングされ得る結晶質の固体として布地ケア製品及びホームケア製品に組み込まれる。好適なコーティングとしては、無機塩(ケイ酸、炭酸若しくはホウ酸のアルカリ金属塩、又はこれらの混合物など)、又は有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸など)が挙げられる。
【0073】
(4)漂白活性化剤:好適にはR−(C=O)−L(式中、Rはアルキル基であり、所望により分枝状であり、漂白活性化剤が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、漂白活性化剤が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)。好適な脱離基の例は、安息香酸及びそれらの誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤類としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。好適な漂白活性化剤はまた、国際公開第98/17767号に開示されている。任意の好適な漂白活性化剤を使用してもよいが、発明の一態様では、対象組成物は、NOBS、TAED又はこれらの混合物を含んでよい。
【0074】
(5)漂白触媒:本発明の組成物は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基材に移動させることができる1つ以上の漂白触媒も含んでよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン、及びαアミノ−ケトン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適なα−アミノケトンは、例えば、国際公開第2012/000846(A1)号、同第2008/015443(A1)号及び同第2008/014965(A1)号に記載されているものである。好適な混合物は、米国特許出願公開第2007/0173430(A1)号に記載のようなものである。
【0075】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、上記のように求電子性(electophilicity)及び疎水性を制御することによって、実質的に、より疎水性の布地領域であって、高求電子性の酸化剤による漂白を受けやすい、可視発色団を含む電子に豊富な汚れを含む布地領域のみに、漂白成分を供給することが可能になると考える。
【0076】
一態様では、漂白触媒は、以下の一般式に対応する構造を有する。
【0077】
【化12】
式中、R
13は、2−エチルヘキシル、2−プロピルへプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル及びイソ−ペンタデシルである。
【0078】
(6)触媒金属錯体:本発明の組成物は、好ましくは触媒金属錯体を含んでよい。金属含有漂白触媒の1つの好ましいタイプは、所定の漂白触媒活性を持つ遷移金属カチオン(銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなど)、漂白触媒活性をあまり又は全く有さない補助金属カチオン(亜鉛又はアルミニウムカチオンなど)、及び、触媒金属カチオン及び補助金属カチオンに対し所定の安定度定数を有する金属イオン封鎖剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの水溶性塩を含む触媒系である。かかる触媒は米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0079】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物により触媒作用を受けることが可能である。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0080】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載されている。そのようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号の教示のように、既知の手順により容易に調製される。
【0081】
本明細書の組成物は、また、ビスピドン(bispidone)などを配位子とした遷移金属錯体(国際公開第05/042532(A1)号)及び/又は大多環状剛性配位子(「MRL」と略される))の遷移金属錯体を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び方法は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、通常、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0082】
本発明の遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0083】
適した遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、国際公開第00/32601号、及び米国特許第6,225,464号にて教示される手順によって容易に調製される。
【0084】
存在する場合、過酸化水素/過酸及び/又は漂白活性化剤の供給源は、概して、布地及びホームケア製品に対して約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、又は更には約0.6〜約10重量%の量で、本発明の組成物中に存在している。1つ以上の疎水性過酸又はそれらの前駆体は、1つ以上の親水性過酸又はそれらの前駆体と組み合わせて使用してもよい。
【0085】
典型的には、過酸化水素源及び漂白活性化剤は、一緒に組み込むことになる。有効酸素(過酸化物源から供給される酸素)の過酸に対するモル比が1:1〜35:1、又は更には2:1〜10:1となるように、過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量を選択してよい。
【0086】
界面活性剤:好ましくは、本発明の組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含む。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性、両性電解、両親媒性、双性イオン性、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択できる。好ましい組成物は、界面活性剤/界面活性剤系の混合物を含む。好ましい界面活性剤系は、1つ以上のアニオン性界面活性剤を、最も好ましくは共界面活性剤と組み合わせて、最も好ましくは非イオン性及び/又は両性及び/又は双性イオン性界面活性剤と組み合せて含む。好ましい界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方を、好ましくは90:1〜1:90の重量比で含む。場合によっては、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比は少なくとも1:1であるのが好ましい。しかしながら、この比は10:1未満であるのが好ましい場合がある。存在する場合、全界面活性剤濃度は好ましくは、本発明の組成物の0.1重量%〜60重量%、1重量%〜50重量%、又は更には5重量%〜40重量%である。
【0087】
好ましくは、本発明の組成物は、アニオン性洗浄性界面活性剤、好ましくはサルフェート及び/又はスルホネート界面活性剤を含む。好ましい例としては、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、及びアルキルアルコキシル化サルフェートが挙げられる。好ましいスルホネートは、C
10〜13アルキルベンゼンスルホネートである。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得られ、好適なLABには、低2−フェニルLAB、例えば、Isochem(登録商標)という商品名でSasolから提供されるもの、又はPetrelab(登録商標)という商品名でPetresaから提供されるものが含まれ、他の好適なLABには、高2−フェニルLAB、例えば、Hyblene(登録商標)という商品名でSasolから提供されるものが含まれる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETALにより触媒されるプロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HF等の他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。
【0088】
好ましいサルフェート洗浄性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、典型的にはC
8〜18アルキルサルフェート、又は主にはC
12アルキルサルフェートが挙げられる。更に好ましいアルキルサルフェートはアルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC
8〜18アルキルアルコキシル化サルフェートである。好ましくはアルコキシル化基はエトキシル化基である。典型的には、アルキルアルコキシル化サルフェートの平均アルコキシル化度は0.5〜30若しくは20、又は0.5〜10である。特に好ましいのは、平均エトキシル化度が0.5〜10、0.5〜7、0.5〜5、又は更には0.5〜3のC
8〜18アルキルエトキシル化サルフェートである。
【0089】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換であっても非置換であってもよい。界面活性剤が分岐状である場合、好ましくは、界面活性剤は、中鎖分岐サルフェート又はスルホネート界面活性剤を含むことになる。好ましくは、分岐基はC
1〜4アルキル基、典型的にはメチル及び/又はエチル基を含む。
【0090】
好ましくは、本発明の組成物は非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、C
8〜C
18アルキルエトキシレート(Shellの非イオン性界面活性剤NEODOL(登録商標)など)、C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(そのアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってよい)、BASFのPluronic(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC
12〜C
18アルコール縮合物及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合物、C
14〜C
22中鎖分岐アルコール、C
14〜C
22中鎖分岐アルキルアルコキシレート(典型的には平均アルコキシル化度が1〜30のもの)、アルキル化多糖類(一態様ではアルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択する。
【0091】
好適な非イオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールが挙げられる。
【0092】
一態様では、非イオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、一態様ではC
8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、例えばC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、このアルキルアルコキシル化アルコールの平均アルコキシル化度は1〜80、好ましくは1〜50、最も好ましくは1〜30、1〜20、又は1〜10であってよい。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、平均エトキシル化度が1〜10、1〜7、更には1〜5、若しくは3〜7、又は更には3若しくは2未満のC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールであってよい。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換であっても非置換であってもよい。
【0093】
好適な非イオン性界面活性剤としては、BASFの商品名Lutensol(登録商標)が挙げられる。
【0094】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0095】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、次の一般式で表される四級アンモニウム化合物である。
(R)(R
1)(R
2)(R
3)N
+X
−
式中、Rは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C
6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R
1及びR
2は、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R
3は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電気的中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、例えば、塩化物といったハロゲン化物、サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノC
6〜18アルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロリドである。非常に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C
8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、モノ−C
10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ−C
10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。
【0096】
好適な両性/双性イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド及びベタインが挙げられる。
【0097】
アミンで中和したアニオン性界面活性剤−本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は酸型で存在してもよく、酸型を中和して、本発明の洗剤組成物で用いるのに望ましい界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物(例えばNaOH又はKOH)のような金属対イオン塩基が挙げられる。酸型の、本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更に好ましい中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び、当該技術分野において既知のその他の直鎖又は分岐鎖アルカノールアミンが挙げられ、例えば、非常に好ましいアルカノールアミンとしては、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールが挙げられる。アミンの中和は全体的に又は部分的な範囲でされてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム若しくはカリウムで中和されてもよく、また、アニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン若しくはアルカノールアミンで中和されてもよい。
【0098】
ビルダー:好ましくは、本発明の組成物は、1種以上のビルダー又はビルダー系を含む。ビルダーを用いる場合、本発明の組成物は典型的には、少なくとも1%、好ましくは2%〜60%のビルダーを含むことになる。本発明の組成物は、低濃度のホスフェート塩及び/又はゼオライトを、例えば1〜10重量%又は5重量%含むのが好ましい場合がある。本発明の組成物は、強いビルダーを実質的に含まなくてもよく、実質的に強いビルダーを含まないとは、ゼオライト及び/又はホスフェートが「意図的に添加されていない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0099】
キレート剤:好ましくは、本発明の組成物はキレート剤及び/又は結晶成長抑制剤を含む。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本明細書で用いるのに好適なキレート剤の非限定例としては、エチレンジアミン四酢酸塩、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で用いるキレート剤の他の非限定例は、米国特許第7445644号、同第7585376、及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に記載されている。本願で用いるのに好適な他のキレート剤は、市販されているDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製及びNalco,Inc.製のキレート剤である。
【0100】
移染防止剤(DTI):本発明の組成物は、1種以上の移染防止剤を含んでよい。本発明の一実施形態では、驚くべきことに、特定の染料に加えて、ポリマー移染防止剤を含む組成物は、性能が向上することを本発明者らは発見した。これは、驚くべきことに、ポリマー移染防止剤が染料の付着を防ぐためである。好適な移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP−K15、PVP−K30、ChromaBond S−400、ChromaBond S−403E及びChromabond S−100、並びにBASF製のSokalan HP165、Sokalan HP50、Sokalan HP53、Sokalan HP59、Sokalan(登録商標)HP56K、Sokalan(登録商標)HP 66が挙げられる。その他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されているようなものである。本発明の組成物に存在する場合、移染防止剤は、本発明の組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%又は更に約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在していてもよい。
【0101】
蛍光増白剤:好ましくは、本発明の組成物は、1種以上の蛍光増白剤を含む。本発明において有用である場合がある市販の蛍光増白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びにその他の様々な物質の誘導体が挙げられるが、これらに限らない。特に好ましい増白剤は、2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール(napthol)[1,2−d]トリアゾールナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2−ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2−ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムから選択される。このような増白剤の他の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik著、John Wiley & Sons刊、New York(1982年))に開示されている。本発明の組成物に有用である蛍光増白剤の具体的な非限定例は、米国特許第4,790,856号及び同第3,646,015号に特定されているものである。
【0102】
好ましい増白剤は下記の構造を有する。
【0104】
好適な蛍光増白剤濃度としては、下限約0.01重量%〜、約0.05重量%〜、約0.1重量%〜、又は約0.2重量%〜、上限0.5重量%まで又は0.75重量%までが挙げられる。
【0105】
一態様では、蛍光増白剤を粘土に添加して粒子を形成してもよい。
【0106】
好ましい増白剤は、全て又は大部分(典型的には少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも99重量%)がα結晶構造である。非常に好ましい増白剤は、C.I.蛍光増白剤260、好ましくは次の構造を有するものを含む。
【0108】
このような増白剤は、冷水、例えば30℃未満、25℃未満、又は20℃未満の水によく溶解するので、特に有用であり得る。
【0109】
好ましくは増白剤は、最も好ましくは重量平均一次粒径が3〜30マイクロメートル、3マイクロメートル〜20マイクロメートル、又は3〜10マイクロメートルの微粉化粒子形状で、本発明の組成物に組み込まれる。
【0110】
本発明の組成物は、β結晶構造のC.I.蛍光増白剤260を含んでいてもよく、(i)α結晶型のC.I.蛍光増白剤260と(ii)β結晶型のC.I.蛍光増白剤260との重量比は、少なくとも0.1、又は少なくとも0.6であってよい。
【0111】
ベルギー特許第680847号は、α結晶構造のC.I.蛍光増白剤260の製造プロセスに関する。
【0112】
ケイ酸塩:本発明の組成物は、好ましくは、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムのようなケイ酸塩も含んでよい。本発明の組成物は、0重量%〜10重量%未満、9重量%以下、又は8重量%以下、又は7重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は更には2重量%以下のケイ酸塩、好ましくは0重量%超、又は0.5重量%以上、又は更には1重量%以上のケイ酸塩を含み得る。好適なケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0113】
分散剤:本発明の組成物は、好ましくは分散剤を含んでいてもよい。好適な水溶性有機物質としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はそれらの塩が挙げられ、この場合、ポリカルボン酸は、互いに炭素原子最高2個分離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0114】
酵素安定剤:本発明の組成物は、好ましくは酵素安定剤を含んでいてもよい。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給するカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を最終布地及びホームケア製品に存在させることによって、従来のあらゆる酵素安定剤を用いてもよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、すなわち好ましくは4−ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2−プロパンジオールのような化合物といった、可逆的プロテアーゼ阻害剤を加えて、更に安定性を向上させることができる。
【0115】
溶媒系:本発明の組成物中の溶媒系は、水のみを含む溶媒系であることも、水を含まないか又は好ましくは水を含む有機溶媒の混合物であることもできる。好適な有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のC1〜C4アルカノールアミンを使用してもよい。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物の実施形態には無くてもよいが、より典型的には約0.1%〜98%の範囲の濃度で存在しており、好ましくは少なくとも約1%〜約50%、より一般的には約5%〜約25%で存在している。
【0116】
本発明の一部の実施形態では、本発明の組成物は構造化された液体の形態である。このような構造化された液体は、内部を構造化し、それにより、一次成分(例えば界面活性剤物質)によって構造体を形成させることも、並びに/又は、例えば増粘剤として用いるために、二次成分(例えばポリマー、粘土、及び/若しくはケイ酸塩物質)を用いて三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部を構造化することもできる。本組成物は、構造化剤を含んでいてよく、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、0.1重量%〜2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に示されている。構造化剤は典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶性セルロース、セルロース系物質、微細繊維セルロース、Polygel W30(3VSigma)のような疎水変性アルカリ膨潤型エマルション、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体(硬化ヒマシ油の非エトキシル化誘導体など)、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、特には、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体、微細繊維セルロース、ヒドロキシ官能性結晶性物質、長鎖脂肪族アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、粘土、及びこれらの混合物の群から選択されたものである。好ましい構造化剤は、好適なヒドロキシ官能性結晶性物質を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、硬化ヒマシ油である。有用な構造化剤の非限定例としては、以下が挙げられる。このような構造化剤はある範囲のアスペクト比を有する糸状構造系を有する。他の好適な構造化剤及びその製造方法は、国際公開第2010/034736号に記載されている。
【0117】
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含んでもよい。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。低融点の脂肪族化合物類は、本項に包含しないものとする。高融点脂肪族化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993年、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992年に見出される。高融点脂肪族化合物が存在する場合、濡れた毛髪に塗布している間のなめらかな感触、乾いた髪のごわつかずしっとりした感触などのコンディショニング効果を向上させる観点から、高融点脂肪族化合物は好ましくは、本発明の組成物に、本発明の組成物の0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは1.5重量%〜16重量%、1.5重量%〜8重量%の濃度で含まれる。
【0118】
組成物は、20重量%以下の水、好ましくは15重量%以下の水、好ましくは10重量%以下の水、又は更に好ましくは5重量%以下の水を含み、組成物は好ましくは、70ダルトンを超える分子量を有する水混和性有機溶媒を10重量%〜70重量%含む。
【0119】
カチオン性ポリマー:本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してよい。本発明の組成物におけるカチオン性ポリマーの濃度は、典型的には0.05%〜3%、別の実施形態では0.075%〜2.0%、更に別の実施形態では0.1%〜1.0%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図される使用でのpH(通常約pH 3〜約pH 9、一実施形態では約pH 4〜約pH 8の範囲のpH)において、少なくとも約0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも約0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも約1.2meq/gm、なおも別の実施形態では少なくとも約1.5meq/gm、しかし一実施形態では約7meq/gm未満、及び別の実施形態では約5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマーの分子量に対する、ポリマー上の正電荷数の比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般に10,000〜10,000,000、一実施形態では、50,000〜5,000,000、別の実施形態では100,000〜3,000,000となる。
【0120】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムのようなカチオン性窒素含有部分又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有する。任意のアニオン性対イオンを、カチオン性ポリマーと併せて使用することができるが、ポリマーが、水中、組成物中、又は組成物のコアセルベート相中で溶解した状態を保ち、かつ対イオンが、本発明の組成物の必須成分と物理的及び化学的に相溶し得るか、あるいはさもなければ、製品の性能、安定性又は審美性を過度に低下させないことを条件とする。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0121】
このようなポリマーの非限定例は、Estrin、Crosley and Haynesら著、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、3rd edition(The Cosmetic,Toiletry,And Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))に記載されている。
【0122】
組成物に使用するのに好適な他のカチオン性ポリマーには、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロースのコポリマー、グアー、及びデンプンが含まれる。使用する場合、本発明におけるカチオン性ポリマーは、本発明の組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー並びにアニオン性、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤成分によって形成された本発明の組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかのいずれかである。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、本発明の組成物中の他の荷電物質で形成することもできる。
【0123】
好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、第3,958,581号、及び米国特許出願公開第2007/0207109A1号に記載されている。
【0124】
非イオン性ポリマー:本発明の組成物は、非イオン性ポリマーをコンディショニング剤として含んでもよい。分子量が1000を超えるポリアルキレングリコールが本発明において有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0125】
【化15】
(式中、R95は、H、メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される)。コンディショニング剤、及び特にシリコーンが本発明の組成物に含まれてもよい。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。本発明の組成物に使用するのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は別の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、本発明の組成物の必須成分と物理的及び化学的に適合すべきであり、さもなければ製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なうべきではない。
【0126】
組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果をもたらすのに十分なものにすべきである。このような濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均粒径、その他の成分の種類及び濃度、並びにその他の同様の要因により様々であってよい。
【0127】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01%〜約10%の範囲に及ぶ。好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定例、及びシリコーンのための任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、同第5,106,609号、同第4,152,416号、同第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、同第6,607,717号、同第6,482,969号、同第5,807,956号、同第5,981,681号、同第6,207,782号、同第7,465,439号、同第7,041,767号、同第7,217,777号、米国特許出願公開第2007/0286837(A1)号、同第2005/0048549(A1)号、同第2007/0041929(A1)号、英国特許第849,433号、ドイツ特許第10036533号(これらは全て参照により本明細書に組み込まれる)、「Chemistry and Technology of Silicones」(New York:Academic Press(1968);General Electricのシリコーンゴム製品データシートSE 30、SE 33、SE 54、及びSE 76、Silicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.(1984)、並びに「Encyclopedia of Polymer Science and Engineering」(vol.15,2d ed.,pp 204〜308,John Wiley & Sons,Inc.(1989))に記載されている。
【0128】
有機コンディショニングオイル:本発明の組成物はまた、コンディショニング剤として、単独で又はシリコーン(本願に記載される)のような他のコンディショニング剤と組み合わせて、約0.05%〜約3%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを含み得る。好適なコンディショニングオイルとしては、炭化水素油、ポリオレフィン及び脂肪酸エステルが挙げられる。Procter & Gamble Companyの米国特許第5,674,478号及び同第5,750,122号に記載のコンディショニング剤も、本明細書に記載の組成物への使用に好適である。同様に本明細書で使用するのに好適であるのは、米国特許第4,529,586号、同第4,507,280号、同第4,663,158号、同第4,197,865号、同第4,217、914号、同第4,381,919号、及び同第4,422、853号に記載されているコンディショニング剤である。
【0129】
衛生剤:本発明の組成物は、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)のような四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)、及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体をゆっくり放出するように設計されているもののうちの1つ以上などの、衛生及び/又は消臭効果をもたらすための成分も含んでよい。
【0130】
プロバイオティクス:本発明の組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているようなプロバイオティクスを含んでよい。
【0131】
起泡促進剤:高い起泡性が望まれる場合、本発明の組成物は好ましくは起泡促進剤を含んでもよい。好適な例はC10〜C16アルカノールアミド又はC10〜C14アルキルサルフェートであり、これらは好ましくは1%〜10%の濃度で組み込まれる。C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような気泡促進剤の典型的な種類の例である。上述の、アミンオキシド、ベタイン及びスルタインなどの高起泡性補助界面活性剤と共に泡促進剤を使用することも有益である。所望される場合、追加的な泡を提供するため、及びグリース除去性能を増大させるために、MgCl2、MgSO4、CaCl2、CaSO4等のような水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、典型的には、0.1%〜2%の濃度で添加することができる。
【0132】
抑泡剤:泡の形成を低減又は抑制する化合物を本発明の組成物に組み込んでもよい。泡の抑制は、米国特許第4,489,455号、及び同第4,489,574号に記載されているようないわゆる「高濃度洗浄プロセス」、並びに、フロントローディング式洗濯機において特に重要となり得る。抑泡剤として様々な物質を使用できく、抑泡剤は当業者にはよく知られている。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Third Edition,Volume 7,430〜447頁(John Wiley & Sons,Inc.刊(1979年))を参照されたい。抑泡剤の例としては、脂肪族モノカルボン酸及びその種の可溶性塩、パラフィンのような高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18〜C40ケトン(例えばステアロン)、N−アルキル化アミノトリアジン、ワックス状炭化水素(好ましくは融点が約100℃未満のもの)、シリコーン抑泡剤、及び二級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号、及び同第4,798,679号、同第4,075,118号、欧州特許出願第89307851.9号、欧州特許第150,872号、並びにドイツ特許出願公開公報第2,124,526号に記載されている。
【0133】
自動洗濯機で使用される任意の洗剤組成物について、泡は、洗濯機から溢流する程度にまで形成されるべきではない。使用する場合、抑泡剤は、好ましくは「抑泡量」で存在している。「抑泡量」とは、自動洗濯機で使用する際に、低起泡性洗濯洗剤となるように起泡を十分に制御する抑泡剤量を、本発明の組成物の配合者が選定できることを意味する。本発明の組成物は一般に、0%〜10%の抑泡剤を含むことになる。脂肪族モノカルボン酸及びその種の塩は、抑泡剤として用いる場合、典型的には最大で洗剤組成物の5重量%の量で存在していることになる。好ましくは、0.5%〜3%の脂肪族モノカルボキシレート抑泡剤を用いる。シリコーン抑泡剤は典型的には、最大で洗剤組成物の2.0重量%の量で用いるが、もっと多い量で用いてもよい。モノステアリルホスフェート抑泡剤は一般に、本発明の組成物の0.1重量%〜2重量%の範囲の量で用いる。炭化水素抑泡剤は典型的には、0.01%〜5.0%の量で用いられるが、もっと高濃度で用いることもできる。アルコール抑泡剤は、典型的には、最終組成物の0.2%〜3重量%で使用される。
【0134】
真珠光沢剤:国際公開第2011/163457号に記載されているような真珠光沢剤を本発明の組成物に組み込んでもよい。
【0135】
香料:好ましくは、本発明の組成物は香料を、好ましくは0.001〜3重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%の範囲で含む。CTFA(Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)1992 International Buyers Guide(CFTA Publications刊)、及びOPD 1993 Chemicals Buyers Directory 80
th Annual Edition(Schnell Publishing Co.刊)に、香料の好適な例が数多く示されている。通常、本発明の組成物には、複数、例えば4個、5個、6個、7個、又はそれ以上の香料成分が存在している。香料混合物においては、好ましくは15〜25重量%がトップノートである。トップノートは、Poucher(Journal of the Society of Cosmetic Chemists 6(2):80[1995年])によって定義されている。好ましいトップノートとしては、ローズオキシド、シトラスオイル、リナリルアセテート、ラベンダー、リナロオール、ジヒドロミルセノール、及びシス−3−ヘキサノールが挙げられる。
【0136】
パッケージング:いずれの従来のパッケージを用いてもよく、本発明に不可欠な染料の色によってもたらされ得る又はこの染料の色が寄与し得る製品の色を消費者が見ることができるように、パッケージは全体的又は部分的に透明であってもよい。パッケージの一部又は全部に、紫外線吸収化合物を含めてもよい。
【0137】
組成物を製造する方法:
本発明の組成物は、上記のとおり、いずれかの有用な形状であってよい。本発明の組成物は、配合者が選定したいずれかのプロセスによって製造されてよく、このプロセスの非限定例は、本発明の実施例、並びに、米国特許第4,990,280号、米国特許出願公開第2003/0087791(A1)号、同第2003/0087790(A1)号、同第2005/0003983(A1)号、同第2004/0048764(A1)号、米国特許第4,762,636号、同第6,291,412号、米国特許出願公開第2005/0227891(A1)号、欧州特許出願公開第1070115(A2)号、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486号に記載されている。
【0138】
パウチを形成するための好適なフィルムは水溶性又は水分散性であり、好ましくは、その水溶解度/分散度は、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターを用いて、以降に記載する方法によって測定した場合、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%である。
【0139】
予め秤量した400mLビーカーに、50グラム±0.1グラムのパウチ材料を入れ、245mL±1mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌機上で30分間激しく撹拌する。その後、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳んだ定性分析用焼結ガラス濾紙で濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度(%)又は分散度(%)を計算することができる。
【0140】
好ましいフィルム材はポリマー材料である。フィルム材は、例えば、当該技術分野において知られるように、ポリマー材料をキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するために好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類から選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー類及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマーの濃度、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。ポリマー混合物もパウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後のPVA又はそのコポリマーとの混合物も、好適である。同様に本明細書で好適なものはポリマーブレンド組成物であり、例えば、ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することによって得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチドと約65〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールなどの加水分解性でかつ水溶性のポリマーブレンドを含む。本明細書での使用に好ましいポリマーは、材料の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0141】
当然ながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを本発明の区画の作製に用いてもよい。異なるフィルムを選択する利点は、その結果得られる区画が異なる溶解性、すなわち放出特性を示し得るというものである。
【0142】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSol照会番号M8630、M8900、H8779(出願人らの同時継続出願照会番号44528及び11599に記載)として広く知られるPVAフィルム、米国特許第6,166,117号及び同第6,787,512号に記載のPVAフィルム、並びに相当する溶解度及び変形特性を有するPVAフィルムである。
【0143】
また、本明細書のフィルム材料には、1つ以上の添加剤成分を含有させてもよい。例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物などの可塑剤の添加が有益であることがある。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0144】
1回分分包型パウチの作製方法:パウチ型の場合、本発明の組成物は、なんらかの好適な設備及び方法を用いて作製されてよい。しかしながら、好ましくは多区画パウチは水平式充填プロセスを用いて作製される。好ましくはフィルムを濡らし、より好ましくは加熱して、展延性を上昇させる。更により好ましくは、方法はまた、真空を利用して好適な型にフィルムを引き入れることを含む。型の中にフィルムを引き入れる真空は、フィルムを表面の水平部分上に置いてすぐに、0.2秒〜5秒間、好ましくは0.3秒〜3秒間、又は更により好ましくは0.5秒〜1.5秒間適用することができる。この真空は、好ましくは、それが−10kPa〜−100kPa(−100ミリバール〜−1000ミリバール)、又は更には−20kPa〜−60kPa(−200ミリバール〜−600ミリバール)の負圧をもたらすようなものであってもよい。
【0145】
パウチを作製する型は、必要とされるパウチ寸法に応じる任意の形状、長さ、幅及び深さであってよい。型はまた、必要に応じて大きさ及び形状が互いに異なっていてもよい。例えば、最終パウチの容積は、5mL〜300mL、又は更には10mL〜150mL、又は更には20mL〜100mLの間であり、型の大きさはそれに応じて調節することが好ましい場合がある。
【0146】
熱成形として一般に知られるプロセスで、任意の手段により、フィルムに熱を印加できる。例えば、フィルムは、表面上に供給する前又は表面上に供給した後に加熱要素の下あるいは熱風の中を通過させることで直接加熱してもよい。別の方法としては、例えば、表面を加熱するか、あるいは熱した物品をフィルム上に適用することにより、フィルムを間接的に加熱することもできる。最も好ましくは、フィルムは赤外光を用いて加熱される。好ましくは、フィルムは50℃〜120℃、又は更には60℃〜90℃の温度に加熱される。あるいは、フィルムを、任意の手段によって、例えばフィルムを表面上に供給する前又は表面上に供給してすぐにフィルムの上に湿潤剤(水、フィルム材料の溶液又はフィルム材料用の可塑剤を含む)をスプレーすることにより直接濡らすことができ、あるいは表面を濡らすか又はフィルムの上に濡れた物品を適用することにより間接的に濡らすことができる。
【0147】
粉末を含むパウチの場合、次の(a)〜(c)の理由から、フィルムに小さな穴を開けることは有益である。(a)パウチ形成中にフィルムの欠陥が生じる可能性、例えば、フィルムの伸長が速すぎるときに、フィルムの破裂を引き起こすフィルム欠陥が発生し得る可能性を低減するため、(b)例えば、漂白剤を含む粉末の場合の酸素形成のように、パウチに封入された製品から発生するなんらかの気体をも放出可能にするため、及び/又は(c)香料の持続的放出を可能にするため。加えて、熱及び/又は濡れを用いる場合、小さな穴は、真空の使用前、使用中、又は使用後に、好ましくは真空の印加中又は印加前に開けることができる。したがって、本明細書においてより詳細に記載されるように、各型が、システムに接続された1つ以上の孔を含みことで、これらの孔を通じて孔の上のフィルム上に真空を提供できることが好ましい。
【0148】
フィルムは、加熱/湿潤させてすぐに、適切な型の中に好ましくは真空を用いて引き入れる。成形フィルムの充填は、物を充填(移動)するための任意の既知の方法により実行できる。最も好ましい方法は、製品形態及び必要とされる充填速度によって決まる。好ましくは、成形フィルムはインライン充填技術により充填される。次に、充填し、未だ口の開いているパウチを、任意の好適な方法により第2のフィルムを用いて閉じる。好ましくは、この工程はまた、水平位置で、連続的に、一定の動作で実行される。好ましくは閉じる工程は、開放パウチのウェブを覆って及びその上に第2の材料又はフィルム、好ましくは水溶性フィルムを連続的に供給し、次いで好ましくは第1のフィルムと第2のフィルムを共に、典型的には型同士の間の領域、したがってパウチ間の領域で封止することにより行われることが好ましい。
【0149】
好ましい封止方法としては、ヒートシール方式、溶剤接着方式、及び溶剤シール方式又はウェットシール方式が挙げられる。封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤により処理するのが好ましい。熱又は溶剤は、なんらかの方法により、好ましくは閉じる材料に、好ましくは封止を形成することになる領域にのみ適用され得る。溶剤シール若しくはウェットシール方式又は溶剤接着方式を用いる場合、熱も加えることが好ましい場合がある。好ましいウェットシール又は溶剤シール/溶剤接着方法は、溶剤を型同士の間の領域上に、又は閉じる材料の上に、例えば溶剤をこの領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用する工程と、その後の、圧力をこの領域に適用して封止を形成する工程と、を含む。例えば、先に説明したようなシーリングロール及びベルト(任意に熱も提供する)が使用され得る。
【0150】
次いで、作製したパウチを切断装置によって切り出してもよい。切り出しは任意の知られている方法を用いて行うことができる。切り出しはまた、連続方式で、並びに好ましくは一定速度で及び好ましくは水平位置にある間に行うことが好ましい場合がある。切断装置は、例えば鋭利な物品又は高温物品とすることができ、後者の場合には、高温の物品がフィルム/封止領域を「焼き切る」。
【0151】
多区画パウチの異なる区画を、サイドバイサイドスタイルで一緒に作製してもよいが、連続したパウチは切断されない。あるいは、区画を別々に作製してもよい。このプロセス及び好ましい構成によれば、パウチは以下のa)〜e)の工程を含むプロセスによって作製される。
a)(上記したように)第1の区画を形成する工程と、
b)工程(a)で作製した閉鎖区画の一部又は全ての内部にくぼみを形成して、上記の第1の区画上に重ね合わせられる第2の成形区画を作製する工程と、
c)第3のフィルムを用いて、第2の区画を充填し、閉じる工程と、
d)第1、第2及び第3のフィルムを封止する工程と、
e)フィルムを切断して多区画パウチを作製する工程。
【0152】
工程bで形成されるくぼみは、好ましくは、工程a)で作製された区画に真空を適用することによって生じる。
【0153】
別の方法としては、本明細書に参照として組み込まれる、本出願人の同時係属出願である欧州特許出願番号第08101442.5号に記載されるように、第2の及び任意に第3の区画を別個の工程で作製し、次いでそれらを第1の区画と組み合わせることもできる。特に好ましいプロセスは、以下の工程a)〜h)を含む。
a)第1の形成機械に第1のフィルムを用いて、所望により熱及び/又は真空を使用して、第1の区画を形成する工程と、
b)上記第1の区画に第1の組成物を充填する工程と、
c)第2の形成機械において、所望により熱及び真空を使用して、第2のフィルムを変形させて、第2の成形区画及び所望により第3の成形区画を作製する工程と、
d)第2の及び所望により第3の区画に充填する工程と、
e)第3のフィルムを用いて第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
f)封止した第2の及び所望により第3の区画を、第1の区画上に配置する工程と、
g)第1の、第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
h)フィルムを切断して多区画パウチを製造する工程。
【0154】
固体形状:上述のように、本発明の洗濯ケア組成物は固体形状であってよい。好適な固体形状としては、錠剤及び粒子の形状、例えば、粒状粒子、フレーク、又はシートが挙げられる。そのような固体形状の洗剤組成物を形成する様々な技術は当該技術分野においてよく知られており、本明細書で使用することができる。一態様では、例えば、本発明の組成物が粒状粒子の形態の場合、染料は粒子の形状で提供し、任意に、洗濯洗剤組成物の追加の成分(ただし全部ではない)を含む。染料粒子は、洗濯洗剤組成物の成分の残部を構成する1つ以上の追加の粒子と組み合わせる。更に、任意に洗濯洗剤組成物の追加の成分(ただし全部ではない)を含む染料は、カプセル化形状で提供してもよく、シェーディング染料カプセル剤は、洗濯洗剤組成物の成分の実質的な残部を構成する粒子と組み合わせる。染料/効果剤を本発明の洗濯ケア組成物に組み込むための好適なプレミックス粒子は、例えば国際公開第2010/084039号、同第2007/039042号、同第2010/022775号、同第2009/132870号、同第2009/087033号、同第2007/006357号、同第2007/039042号、同第2007/096052号、同第2011/020991号、同第2006/053598号、同第2003/018740号、及び同第2003/018738号に記載されている。
【0155】
典型的には、洗浄液は、洗濯ケア組成物を洗浄水と、洗浄液中の洗濯ケア組成物の濃度が0g/L超〜5g/L、又は1g/L〜4.5g/Lまで、若しくは4.0g/Lまで、若しくは3.5g/Lまで、若しくは3.0g/Lまで、若しくは2.5g/Lまで、又は2.0g/Lまで、あるいは1.5g/Lまでとなるような量で接触させることによって形成させる。布地若しくは織物を洗濯する方法は、トップローディング式又はフロントローディング式自動洗濯機で行ってもよく、又は手洗い洗濯用途で用いることもできる。これらの用途では、形成される洗浄液、及び洗浄液中の洗濯洗剤組成物の濃度は、主要洗浄サイクルのものである。洗浄液の容積を決定する際には、いずれの任意選択的なすすぎ工程中の、いずれの水の投入量も含まれない。
【0156】
洗浄液は、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又は更には6リットル以下の水を含み得る。洗浄液は、0リットルを超え15リットルまで、又は2リット以上でかつ12リットル以下、又は更には8リットル以下の水を含み得る。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg〜2kgの布地が、洗浄液中に投入される。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg以上、又は0.05kg以上、又は0.07kg以上、又は0.10kg以上、又は0.15kg以上、又は0.20kg以上、又は0.25kg以上の布地が、洗浄液中に投入される。任意で、50g以下、又は45g以下、又は40g以下、又は35g以下、又は30g以下、又は25g以下、又は20g以下、又は更には15g以下、又は更には10g以下の本発明の組成物を水に接触させて、洗浄液を形成する。このような組成物は、典型的には溶液中、約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水であるとき、水温は、典型的には、約5℃〜約90℃であり、その場所に布地が含まれるとき、水と布地との割合は、典型的には、約1:1〜約30:1である。典型的には、本発明の洗濯ケア組成物を含む洗浄液のpHは3〜11.5である。
【0157】
一態様では、表面又は布地を任意に洗浄及び/又はすすぐ工程と、表面又は布地を本明細書に開示されているいずれかの組成物と接触させてから、表面又は布地を任意に洗浄及び/又はすすぐ工程と、を含むこのような方法が、任意の乾燥工程とともに開示されている。
【0158】
このような表面又は布地の乾燥工程は、家庭環境又は工業環境のいずれかで採用される、一般的な手段のうちの任意の1つにより実行することができる。布地は、通常の消費者の使用条件又は業務用条件で洗濯され得るいずれの布地も含んでよく、本発明は、特にポリエステル及びナイロンのような合成織物に適しており、とりわけ、合成及びセルロース系布地及び/又は繊維を含む混紡織物及び/又は繊維の処理に適している。合成布地の例はポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維、例えばポリコットン布地との混紡布に存在していてもよい。溶液のpHは典型的には7〜11、より一般的には8〜10.5である。本発明の組成物は典型的には、溶液中500ppm〜5,000ppmの濃度で用いる。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比率は典型的には、約1:1〜約30:1である。
【0159】
布地の処理方法:本発明は、セルロース及び/又はポリエステル及び/又はナイロンを含む布地の処理方法も提供し、この方法は、
(i)先行する請求項のいずれかに記載の洗濯ケア組成物を含む水溶液で布地を処理する工程であって、チオフェンアゾカルボキシレート染料の濃度が約1ppbから約500ppmまで、好ましくは100ppmまで、又は25ppmまで、又は10ppmまで、又は更には5ppmまでである、工程と、
(ii)所望により、すすぎの工程と、
(iii)布地を乾燥する工程と、を含む。
【実施例】
【0160】
(実施例1)
染料の合成
プロピレンアミドカップラー6及びエチレンアミドカップラー9の合成。
【0161】
【化16】
【0162】
195g(およそ1.0mol)のN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−メタ−トルイジン1(TCI America,Portland,OR,97203 USAから購入可能)を200mLのトルエンに溶解した溶液に、3gの水酸化カリウムを添加する。その後、132gの(3.0mol)のエチレンオキシドを反応に加え、周知のエトキシル化法により反応を進行させる。トルエンを減圧下で除去し、エトキシル化メタ−トルイジン2を残す。
【0163】
【化17】
【0164】
撹拌棒を取付けた500mLの3つ口フラスコに、65.5g(200mmol)のエトキシル化メタ−トルイジン2及び148.6g(2.8mol)のアクリロニトリルを添加する。続いて、氷浴中で冷却しながら、120mgの水酸化カリウムを添加し、得られる混合物を10時間撹拌する。過剰なアクリロニトリルを減圧下で留去する。その後、残渣に600mLの塩化メチレンを加え、得られる液体を濾過し、400mLの塩化メチレンで洗う。得られる溶液を400mLの重炭酸ナトリウム水溶液で洗い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥する。その後、塩化メチレンを減圧下で除去して、ニトリル3を得る。
【0165】
【化18】
【0166】
次に、撹拌棒を取付けた2Lの3つ口フラスコに、85.0g(196mmol)のニトリル3及び230mLのテトラヒドロフランを添加する。窒素雰囲気下で、ボラン−テトラヒドロフラン錯体の1M溶液1200mL(1.2mol)を1時間かけて滴下する。添加が終了した後、混合物を撹拌し、5時間還流加熱する。得られる混合物を室温まで冷却し、そこに350mLのメタノールと76mLの濃塩酸の混合溶液をゆっくりと滴下し、室温で1時間撹拌する。有機溶媒を減圧下で除去する。得られる溶液に、580mLの2N水酸化ナトリウム水溶液を添加し、得られる液体を400mLの塩化メチレンで3回抽出する。得られる有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過して、溶媒を減圧下で除去して、ビス−アミンカップリング前駆体4を得る。
【0167】
【化19】
【0168】
ジヒドロ−3−(2−オクテン−1−イル)−2,5−フランジオン5(米国特許第5,512,685号(Jarvinen et al.)の実施例1に記載のように調製;3.74g、17.8mmol)及びビス−アミンカップリング前駆体4(4.51g、10.4mmol)をオーブン乾燥した丸底フラスコに秤り取る。ピリジン(4.5ml)をフラスコに添加し、80℃で3時間反応させる。反応混合物を冷却し、ジクロロメタン(DCM、150ml)に抽出して、10% HClで洗う。有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮して、プロピレンアミドカップラー6を得る。
【0169】
エチレンアミドカップラー9の合成
【0170】
【化20】
【0171】
エトキシル化メタ−トルイジン2(4.1mmol)のジクロロメタン溶液(23ml)に、その後、22℃で、2−ブロモアセトニトリル(6.2mmol)、酸化銀(I)(1.9g)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.30g)を添加し、撹拌を少なくとも2時間継続する。懸濁液を濾過し、濾液をNaHCO
3飽和水溶液で洗い、有機層を乾燥及び蒸発させてニトリル7を得て、これをそれ以上精製せずに使用した。
【0172】
【化21】
【0173】
ビス−アミンカップリング前駆体8の調製は、上記の同族のビス−アミン4に関する手順に従って、ニトリル7をニトリル3の代わりに使用して実施する。
【0174】
【化22】
【0175】
同様に、ビス−アミンカップリング前駆体8を上記の同族化合物4の代わりに使用することによって、開示手順による反応は、エチレンアミドカップラー9を生成する。
【0176】
染料化合物11の合成
【0177】
【化23】
【0178】
2部のアミノ−チオフェン10及び30部のリン酸を200mLガラスフラスコに入れ、0〜5℃に冷却する。1部のNaNO
2を固体としてゆっくりと添加し、温度を10℃未満に保つ。ジアゾ化のための添加が完了したら、混合物を30分間撹拌し、0.3部のスルファミン酸を添加することによって過剰な亜硝酸ナトリウムを消費する。ヨウ素デンプン紙で陰性の結果が得られるまで、十分なスルファミン酸を添加する。100mLの水が入ったフラスコに5部のカップラー6を加え、温度を5℃未満に下げる。調製したジアゾニウム塩溶液を上記の溶液にゆっくりと添加してカップリング反応を起こす。温度が10℃以上に上昇しないように注意する。ジアゾニウム塩溶液を完全に添加した後、反応がゆっくりと室温に達するように1時間放置する。次いで、混合物を水酸化ナトリウムで中和し、相分離させる。生成物の層をメタノールに溶解し、濾過して過剰な塩を除去する。濾液を蒸発すると、反応の生成物である染料11は、この時点で使用できる状態である。
【0179】
染料化合物12の合成
【0180】
【化24】
【0181】
染料12は、カップラー9を上記手順のカップラー6の代わりに使用することを除き、染料11に関する上の記述に従って調製される。
【0182】
染料化合物14の合成
【0183】
【化25】
【0184】
染料14は、アミノチオフェン13を上記手順のアミノチオフェン10の代わりに使用することを除き、染料11に関する上の記述に従って調製される。
【0185】
染料化合物15の合成
【0186】
【化26】
【0187】
染料15は、カップラー9を上記手順のカップラー6の代わりに使用することを除き、染料14に関する上の記述に従って調製される。
【0188】
ナイロンからの染料除去
I.洗浄溶液からの染料の色相沈着(HD)を測定する方法
増白処理をしていない多繊維布地の布見本をはがしてから、増白剤無配合の重質液体洗濯洗剤(水溶液中に1.55g/L)で49℃にて2回洗浄する。試験を行う各染料の濃縮原液を、ジメチルスルホキシド、エタノール、又は50:50のエタノール:水から選択される溶媒で調製する。400mLの洗剤水溶液(増白剤無配合重質液体洗濯洗剤、1.55g/L)を入れたビーカーに染料原液を加えて、染料のλ
maxにおける吸光度が0.4AU(±0.01AU、1.0cmキュベット)である洗浄溶液を作製する。
【0189】
各洗浄溶液の125mLのアリコートを、それぞれに4枚の布見本が入った3個の250mL三角フラスコに入れる。フラスコをリストアクションシェーカーModel 75(Burrell Scientific,Inc.(Pittsburg,PA))の上に置き、最大設定で12分攪拌した後、洗浄溶液を吸引によって除去し、125mLのすすぎ水(0gpg)を加えてから、更に4分攪拌する。すすぎ水を吸引によって除去し、布見本を脱水機(Mini Countertop Spin Dryer、The Laundry Alternative Inc.(Nashua,NH))に5分間かけ、続いて暗所に置いて乾燥させる。
【0190】
反射分光光度計LabScan XE(HunterLabs(Reston,VA)、D65照明、観察者10°、UV光除外)を用いて、乾燥させた布見本で、ナイロンのL
*、a
*、及びb
*値を測定する。各染料について、得られた12枚の布見本のL
*、a
*、及びb
*値を平均し、次式を用いて、ナイロンの場合の各染料の色相沈着(HD)を計算する。
HD=DE
*=((L
*c−L
*s)
2+(a
*c−a
*s)
2+(b
*c−b
*s)
2)
1/2
下付き文字c及びsはそれぞれ、対照、すなわち染料を含まない洗剤で洗浄した布地、及びサンプル、すなわち染料を含有する洗剤で洗浄した布地を指す。
【0191】
II.沈着指数(DI)の決定方法
下記のII.(a.)〜(d.)に記載されているパラメーターは、ナイロンの各沈着(HD)値の少なくとも1つが≧2.0である場合にのみ計算する。
a.)平均沈着(AHD)は、以下を用いて計算する:
AHD=(綿のHD+ナイロンのHD+ポリエステルのHD)/3
b.)色相沈着変動(DV)は、以下を用いて計算する:
DV=最大HD−最小HD
c.)AHD及びHDVから、次式を使用して色相沈着均一性(HDH)を導出する:
HDH=AHD/(AHD+DV)
すなわち、値が1.0であることは、3種の布地全てに等しく沈着する、完全な染料であることを表す。
d.)色相沈着指数(DI)は、次のように計算する:
DI=AHD×HDH
【0192】
III.除去率の評価方法
1.55g/Lの十分な量のAATCC標準の増白剤無配合のHDL(重質液体洗濯)洗剤を、0g/L(0gpg)の水で調製して、全ての処理を実施した。
【0193】
Gyrowash(Model 415/24(2),James H.Heal & Co.LTD,Halifax England)のリザーバに水を満たし、使用前に49℃で平衡化した。他のリザーバには充填しなかった。上記で調製した洗剤の95mLのアリコートを、500mLのGyrowash容器に50個の非腐食性6mm径鋼球(Item 718−164,James H.Heal & Co.LTD,Halifax England)と共に入れた。「洗浄溶液からの染料の色相染着(HD)を決定する方法」(上記I.)から、4枚のMFF41布見本のうち3枚を、Gyrowashの49℃リザーバ内で45分間撹拌した。
【0194】
Gyrowashの容器の内容物を一般的な金属製家庭用ストレーナに空けることで、洗浄液を容器から除去した。3枚の布見本及び50個の鋼球を全て元の容器に戻し、95mLの水(0g/L(0gpg))のアリコートを、すすぎのために各容器に加えた。容器を、リザーバに水が入っていないGyrowashに入れ、室温で5分間撹拌した。洗浄時と同じ方法で、すすぎ液を除去した。2回目のすすぎを、1回目と同じ方法で実施した。Mini Countertop Spin Dryerで5分間脱水処理することによって、布見本から余分な水を抽出した。布見本を、暗くしたドラフト内に置いて乾燥させた。
【0195】
完全に乾燥したら、各布見本に関して、反射分光光度計を用いて布地の種類別にL
*、a
*、及びb
*を測定した。残留色相(RH)の量を、次式を用いて計算することによって評価した:
RH=DE
*=((L
*c−L
*r)
2+(a
*c−a
*r)
2+(b
*c−b
*r)
2)
1/2
下付き文字c及びrはそれぞれ、対照洗浄液及び除去洗浄液を指す。
【0196】
d.)染料の除去率(PR)の値は、次式に従って計算した:
PR=100×(1−RH/HD)
ナイロンのPR値を算出し、下の表に示す。
【0197】
【表1】
【0198】
染料A(バイオレットDD比較染料)及び染料B(構造11、実施例1)を試験し、ナイロンからの除去率(%)を、本方法に開示する式により評価する。結果を表に示す。
【0199】
染料Bはナイロンから容易に除去されるのに対し、比較染料Aはナイロンからの除去が非常に困難である。
【0200】
(実施例2〜7)
手洗い又は洗濯機用、典型的にはトップローディング式洗濯機用顆粒状洗濯洗剤組成物
【0201】
【表2】
【0202】
(実施例8〜13)
典型的にはフロントローディング式自動洗濯機用の顆粒状洗濯洗剤組成物
【0203】
【表3】
【0204】
上記の組成物のいずれかを用いて、水中濃度7000〜10000ppm、20〜90℃及び水:布比5:1で布地を洗濯する。典型的なpHは約10である。続いて、布地を乾燥する。一態様では、布地は、乾燥機を用いて能動的に乾燥する。一態様では、布地は、アイロンを用いて能動的に乾燥する。別の態様では、布地は、空気及び任意に日光に暴露されるように一列に並べて乾燥させる。
【0205】
実施例14〜20重質液体洗濯洗剤組成物
【0206】
【表4】
* 洗浄及び/又はトリートメント組成物の総重量を基準として、合わせて12%以下の水
【0207】
実施例21〜25 1回分分包型組成物
この実施例は、1回分分包型洗濯洗剤用の様々な配合を提供する。このような1回分分包型処方は、1つ又は複数の区画を含んでよい。
【0208】
以下に、本発明の1回分分包型洗濯洗剤処方を提供する。
【0209】
【表5】
【0210】
実施例26 多区画1回分分包型組成物
以下に、本発明の多区画1回分分包型の洗濯洗剤配合物が提供される。これらの実施例では、1回分分包は3つの区画を有するが、同様の組成物を2、4、又は5区画で製造することもできる。区画を封入するために使用されるフィルムはポリビニルアルコールである。
【0211】
【表6】
【0212】
【表7】
【0213】
【表8】
【0214】
実施例34
漂白剤及び洗濯添加剤入り洗剤配合物
【0215】
【表9】
*その他の任意の作用剤/構成成分としては、抑泡剤、硬化ヒマシ油(好ましくは硬化ヒマシ油、アニオン性プレミックス)のような構造化剤、溶媒、及び/又は雲母真珠光沢審美向上剤が挙げられる。
【0216】
組成物実施例の原材料及び注記
LASは、C
9〜C
15の平均脂肪族炭素鎖長を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩である。(HLASは酸形態である)。
【0217】
C
12〜14ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド。
【0218】
AE3Sは、C
12〜15アルキルエトキシ(3)サルフェートである。
【0219】
AE7は、平均エトキシル化度が7のC
12〜15アルコールエトキシレートである。AESは、C
10〜18アルキルエトキシサルフェートである。
【0220】
AE9は、平均エトキシル化度が9のC
12〜13アルコールエトキシレートである。
【0221】
HSAS又はHC1617HSASは、平均炭素鎖長が約16〜17の、中鎖分枝状一級アルキル硫酸塩である。
【0222】
ポリアクリレート(MW 4500)は、BASF(Ludwigshafen,Germany)から供給されている。
【0223】
カルボキシメチルセルロースは、CP Kelco(Arnhem,Netherlands)から供給されているFinnfix(登録商標)Vである。
【0224】
好適なキレート剤は、例えば、ジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)又はヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
【0225】
Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)、及びWhitezyme(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)の製品である。
【0226】
プロテアーゼは、Genencor International(Palo Alto,California,USA)(例えばPurafect Prime(登録商標))、又はNovozymes(Bagsvaerd,Denmark)(例えばLiquanase(登録商標)、Coronase(登録商標))から供給されている場合がある。
【0227】
蛍光増白剤1は、Tinopal(登録商標)AMS、蛍光増白剤2はTinopal(登録商標)CBS−Xである。
【0228】
ダイレクト・バイオレット9は、Pergasol(登録商標)Violet BN−Zである。NOBSは、ノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。TAEDは、テトラアセチルエチレンジアミンである。S−ACMCは、C.I.リアクティブブルー19と複合させたカルボキシメチルセルロースであり、Megazyme(Wicklow、Ireland)からAZO−CM−CELLULOSEという製品名で販売されている。
【0229】
汚れ放出剤は、Repel−o−tex(登録商標)PFである。
【0230】
アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量70,000であり、アクリレート:マレエート比が70:30である。
【0231】
EDDSは、エチレンジアミン−N,N’−二コハク酸のナトリウム塩である。
【0232】
泡抑制剤疑集体は、Dow Corning(Midland,Michigan,USA)から供給されている。
【0233】
HSASは、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で開示されているような中鎖分枝状アルキル硫酸塩である。
【0234】
C
12〜14ジメチルアミンオキシドは、Procter & Gamble Chemicals(Cincinnati,USA)から供給されている。
【0235】
ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は約40:60であり、グラフト点は50個のエチレンオキシド単位につき1個以下である。
【0236】
エトキシル化ポリエチレンイミンは、1個の−NH当たり20個のエトキシレート基を有するポリエチレンイミン(MW=600)である。
【0237】
カチオン性セルロース系ポリマーは、Amerchol Corporation(Edgewater NJ)のLK400、LR400、及び/又はJR30Mである。
【0238】
注:いずれの酵素レベルも、酵素原材料の割合(%)として表されている。
【0239】
本明細書に開示されている寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものである。
【0240】
相互参照されるか又は関連する特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書は、明示的に除外されるか又は他の方法で限定されない限り、その全体が本願に援用される。いずれの文書の引用も、その文書が、本明細書で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、その文書が、単独で、あるいは任意の他の参照文献との任意の組み合わせで、そのような発明のいずれかを教示、示唆、又は開示することを容認するものでもない。更に、本文書における用語のいずれかの意味又は定義が参考として組み込まれた文書中の同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する場合、本文書で用語に割り当てられる意味又は定義が適用されるものとする。
【0241】
本発明の特定の実施形態を例示し記載してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。