特許第6185191号(P6185191)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エイワンエンジニアリングの特許一覧

<>
  • 特許6185191-食品乾燥機 図000002
  • 特許6185191-食品乾燥機 図000003
  • 特許6185191-食品乾燥機 図000004
  • 特許6185191-食品乾燥機 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185191
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】食品乾燥機
(51)【国際特許分類】
   F26B 15/18 20060101AFI20170814BHJP
   A23L 3/40 20060101ALI20170814BHJP
   A23L 3/04 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   F26B15/18 C
   F26B15/18 A
   A23L3/40 A
   A23L3/04
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-554162(P2016-554162)
(86)(22)【出願日】2015年3月12日
(65)【公表番号】特表2017-501367(P2017-501367A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(86)【国際出願番号】KR2015002409
(87)【国際公開番号】WO2015137748
(87)【国際公開日】20150917
【審査請求日】2016年5月13日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0030151
(32)【優先日】2014年3月14日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516142311
【氏名又は名称】エイワンエンジニアリング
【氏名又は名称原語表記】A1ENGINEERING
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(72)【発明者】
【氏名】ウィ ヒョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ サンロ
(72)【発明者】
【氏名】チャン セギョン
(72)【発明者】
【氏名】チュ ウヒョイ
(72)【発明者】
【氏名】キム サンヨル
【審査官】 宮崎 光治
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−0772209(KR,B1)
【文献】 韓国公開特許第10−2003−0070560(KR,A)
【文献】 実開平07−022693(JP,U)
【文献】 韓国登録特許第10−0881867(KR,B1)
【文献】 特開平03−022943(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F26B 1/00−25/22
A23L 3/04
A23L 3/40
A23B 4/04
A23B 5/02
A23B 7/02
A23F 3/06
A23F 3/22
A23F 5/28
A23G 7/02
A23N 12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に乾燥室20を有する本体10と、乾燥室20の内部の食品を加熱及び乾燥させる加熱手段と、コントローラ50とを備える食品乾燥機において、
前記乾燥室20には、乾燥させようとする食品が積載される乾燥コンベヤーベルト100が高さ方向の多段で設けられ、最上段の乾燥コンベヤーベルト100aの一端の上部には、乾燥のための食品が投入される原料投入口120が対応して設けられ、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの一端または他端の下部には、乾燥が完了した食品が排出される原料吐出口130が対応して設けられ、
前記乾燥コンベヤーベルト100は、互いに独立して駆動されるが、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cを除いて、互いに隣接した上下の乾燥コンベヤーベルト100は、互いに反対方向に移動し、また互いに隣接した上下の乾燥コンベヤーベルト100は、ある乾燥コンベヤーベルト100が他の乾燥コンベヤーベルト100よりも一側が引き出されて設けられ、他側が引き込まれて設けられ、
前記乾燥コンベヤーベルト100の駆動時、原料投入口120から最上段の乾燥コンベヤーベルト100aに投入される食品は、乾燥コンベヤーベルト100を下部方向に順次経由しながら移動及び積載され
前記コントローラ50は、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの上部の乾燥コンベヤーベルト100bに食品積載が完了すると、乾燥コンベヤーベルト100の駆動を止め、食品の投入を中止した後、食品乾燥機を駆動し、1次で食品を乾燥し、
前記コントローラ50は、1次乾燥が完了すると、乾燥コンベヤーベルト100を駆動し、各乾燥コンベヤーベルトに積載された食品を、直下の乾燥コンベヤーベルトに移動及び積載させ、移動及び積載が完了すると、食品乾燥機を再び駆動し、2次で食品を乾燥する
ことを特徴とする食品乾燥機。
【請求項2】
前記コントローラ50が、各乾燥コンベヤーベルト100の速度を調節し、各乾燥コンベヤーベルト100への食品の移動及び積載を制御することを特徴とする
請求項1に記載の食品乾燥機。
【請求項3】
前記加熱手段は、前記各乾燥コンベヤーベルト100の内部に設けられた電気ヒータ140が用いられ、
前記電気ヒータ140と乾燥コンベヤーベルト100との間には、回転ローラ150が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の食品乾燥機。
【請求項4】
前記本体10が円筒状である
ことを特徴とする請求項1に記載の食品乾燥機。
【請求項5】
前記本体10の内部の上部には、本体10の上部空間と前記乾燥室20を分離する区画部材30が設けられ、
前記本体10の上部空間には、前記乾燥室の内部空気中に含有された水分を凝結させる冷却手段と、前記冷却手段により発生した凝結水を外部に排出するドレーン手段と、乾燥室20の内部の空気を循環させる送風ファン90が設けられる
ことを特徴とする請求項1に記載の食品乾燥機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物等を含めた食品を大量に乾燥させる食品乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の食品乾燥機は、乾燥室の内部の空気を加熱して食品を乾燥する火力乾燥方式と、低温状態で長時間乾燥する凍結乾燥方式があるが、火力乾燥方式では、乾燥室に熱風を供給し、または加熱された流体(水)を供給する方式が用いられる。
【0003】
火力乾燥方式は、食品を高温で加熱して乾燥するので、食品固有の組織が破壊され、形態も変質するという問題があり、凍結乾燥の場合、長時間、低温状態で乾燥されるので、食品が凍ってパサパサになり、これも組織が変形するという問題を解決できなかった。
【0004】
このため、特許文献1には、乾燥室の内部空気圧を減圧させ、常温状態で空気を膨張させ、これと同時に天井に設けられた蒸発器が前記膨張された空気中に含有された水分を凝結させ、これを外部に排出させ、また天井に設けられた送風機が乾燥室の空気を強制循環させ、全体的に空気を均一に膨張及び凝結させ、食品を短時間かつ効率的に乾燥可能な食品乾燥機が開示されている。
【0005】
一方、工場に設置される食品乾燥機は、一回の乾燥時、大容量の食品を乾燥させなければならないので、上記した特許文献1に示すように、一般に、乾燥室に食品を積載するトレイを多段で配置し、このトレイを据え置くための別途のフレームが設けられる。したがって、食品を乾燥させるためには、先ず、フレームを乾燥機から取り出して、トレイを分離し、それぞれのトレイに手作業で食品を載せた後、それぞれのトレイをフレームに再び積載し、これを乾燥室に移動させなければならないが、これらの一連の作業は、全て手作業で行わなければならないため、作業者の多くの手間がかかることになる。また、上述のように、一回の乾燥時、大容量の食品を乾燥しなければならないので、生産性が低くなるという問題があった。しかも、トレイに入った食品は、その上部または下部にのみ加熱空気または加熱流体が供給されるので、ある一面が他面に比べてさらに乾燥されるので、乾燥品質が低下するという問題点が生じる。これを解決するために、1次加熱後、再びトレイに入った食品をひっくり返さなければならず、これも手作業によるため、生産性が悪くなるという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国登録特許第0881867号(2009.02.04.公開)公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、大容量の食品を乾燥機に迅速かつ便利に供給可能な食品乾燥機を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、大容量の食品を均一に乾燥させることができる食品乾燥機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した目的を達成するために、本発明による食品乾燥機は、内部に乾燥室20を有す
る本体10と、乾燥室20の内部の食品を加熱及び乾燥させる加熱手段と、前記乾燥室の内部空気中に含有された水分を凝結させる冷却手段と、前記冷却手段により発生した凝結水を外部に排出するドレーン手段と、乾燥室20の内部の空気を減圧する減圧ポンプ60と、コントローラ50とを備える食品乾燥機において、前記乾燥室20には、乾燥させようとする食品が積載される乾燥コンベヤーベルト100が高さ方向の多段で設けられ、最上段の乾燥コンベヤーベルト100aの一端の上部には、乾燥のための食品が投入される原料投入口120が対応して設けられ、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの一端の下部には、乾燥が完了した食品が排出される原料吐出口130が対応して設けられる。また、前記乾燥コンベヤーベルト100は、互いに独立して駆動されるが、互いに隣接した上下の乾燥コンベヤーベルト100は、互いに反対方向に回転し、また互いに隣接した上下の乾燥コンベヤーベルト100は、ある乾燥コンベヤーベルト100が他の乾燥コンベヤーベルト100よりも一側が引き出されて設けられ、他側が引き込まれて設けられ、前記乾燥コンベヤーベルト100の駆動時、原料投入口120から最上段の乾燥コンベヤーベルト100aに投入される食品は、乾燥コンベヤーベルト100を下部方向に順次経由しながら移動及び積載される。
【0010】
前記コントローラ50は、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの上部の乾燥コンベヤーベルト100bに食品積載が完了すると、乾燥コンベヤーベルト100の駆動を止め、食品の投入を中止した後、食品乾燥機を駆動し、1次で食品を乾燥し、前記コントローラ50は、1次乾燥が完了すると、乾燥コンベヤーベルト100を駆動し、各乾燥コンベヤーベルトに積載された食品を、直下の乾燥コンベヤーベルトに移動及び積載させ、移動及び積載が完了すると、食品乾燥機を再び駆動し、2次で食品を乾燥する。
【0011】
前記コントローラ50は、各乾燥コンベヤーベルト100の速度を調節し、各乾燥コンベヤーベルト100への食品の移動及び積載を制御するようになる。
【0012】
一方、前記加熱手段は、前記各乾燥コンベヤーベルト100の内部に設けられた電気ヒータ140が用いられ、前記電気ヒータ140と乾燥コンベヤーベルト100との間には、回転ローラ150が設けられる。
【0013】
また、前記本体10は、円筒状であり、前記本体10及び乾燥室20の断面は、円形状である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、原料投入口に食品を入れると、多段のコンベヤーベルトが駆動され、自動でコンベヤーベルトに食品が積載されるので、従来、手作業による食品の積載工程を省略するので、大容量の食品を迅速かつ便利に供給することができ、生産性が向上するという効果がある。
【0015】
また、加熱源である電気ヒータがコンベヤーベルトの内部に設けられ、1次乾燥後、乾燥コンベヤーベルトの駆動により、食品が直下の乾燥コンベヤーベルトに移動しながら積載方向が変わり、2次乾燥を行うので、大容量の食品が均一に乾燥され、食品の乾燥品質が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施例による食品乾燥機を示す外観斜視図である。
図2図1の食品乾燥機を示す正断面図である。
図3図1の食品乾燥機を示す背面図である。
図4図1の食品乾燥機の内部に設けられた乾燥コンベヤーベルトの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の上記した目的、特徴、及び他の長所は、添付した図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳述することにより、さらに明白になるだろう。以下、添付した図面を参照して、本発明の実施例による食品乾燥機について詳述する。
【0018】
図1は、本発明の実施例による食品乾燥機を示す外観斜視図であり、図2は、図1の食品乾燥機を示す正断面図であり、図3は、図1の食品乾燥機を示す背面図である。
【0019】
図1乃至図3を参照すると、本発明の実施例による食品乾燥機は、内部に乾燥室20を有する本体10と、乾燥室の内部に積載された食品を加熱する加熱手段と、乾燥室の内部空気中に含有された水分を凝結させる冷却手段と、冷却手段により発生した凝結水を外部に排出するドレーン手段と、乾燥室20の内部の空気を減圧する減圧ポンプと、食品乾燥機の全体の動作を制御するコントローラ50と、を備える。また、乾燥室20には、乾燥させようとする食品が積載される乾燥コンベヤーベルト100が高さ方向の多段で設けられる。
【0020】
本体10が、円筒状であるので、内部の乾燥室20も、断面が略円形状を有する。また、本体10の前面または後面には、開閉可能な出入口12が設けられる。一方、図示していないが、本体の前面や側面または後面には、食品の乾燥状態及び食品の積載状態を確認可能な透明窓が設けられてもよい。また、図示していないが、本体の内側面には断熱材等が設けられ、乾燥室の内部を断熱させることがよい。
【0021】
また、本体10の上面の側部には、本体の内部に食品を投入するための開閉ドア14が設けられ、この開閉ドア14は、乾燥室の内部に設けられた原料投入口120(図4参照)と対応する位置に配置される。また、図示していないが、本体10の下面の側部にも開閉ドアが設けられ、この開閉ドアは、乾燥室の内部に設けられた原料吐出口130(図4参照)と対応する位置に配置される。
【0022】
本体10の内部の上部には、区画部材30が設けられ、区画部材30により、本体10の上部と乾燥室20が分離される。区画部材30は、冷却手段の一部の構成要素と送風ファン90等を支持するように設けられる平面部32と、平面部32から延長され、送風ファン90により乾燥室20から流入した空気をさらに乾燥室20に案内するガイド部34と、を備える。図示のように、本体10の断面が略円形状であるので、ガイド部34も、その断面が一定の曲率半径を有する円弧状をなす。本発明の好適な実施例によると、このように、本体10を円筒状とすることにより、本体10及び乾燥室20の断面が略円形状となるので、空気の流動がさらに円滑に行われるという利点がある。しかし、本発明の範囲はこれに限定されず、本体及び乾燥室の断面が四角形状であってもよく、これも本発明の範囲に属する。
【0023】
区画部材30の上面には、冷却手段の一部の構成要素と送風ファン90が設けられる。区画部材30は、中央に一定の空間が形成されるように、1対が設けられ、この空間の間に送風ファン90により空気が吸入されて流動するようになる。
【0024】
冷却手段は、通常の冷凍サイクルが用いられ、すなわち、冷媒を圧縮する圧縮機71と、圧縮機71とパイプで連結され、圧縮機で圧縮された高温・高圧の冷媒を乾燥室20の内部の空気と熱交換させ、高温の液体状態に相変化させる凝縮器72と、凝縮器72とパイプで連結され、凝縮器72を通過した冷媒を急に膨張させ、低温・低圧状態とする膨張弁74と、膨張弁74及び圧縮機71とパイプで連結され、膨張弁74を通過した冷媒を蒸発させることにより、周辺の空気を冷却させ、凝結水とする蒸発器75と、を有する。
ここで、図示のように、凝縮器72と膨張弁74及び蒸発器75は、本体10の内部の区画部材30の上面にそれぞれ設けられ、圧縮機71は、本体10の外部に設けられる。
【0025】
通常の冷却システムは、公知のように、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器が互いに有機的に連結され、これらの間を作業流体が流れながら室内を冷房するが、これは、前記圧縮機がパイプ内の冷媒(作業流体)を圧縮し、高温・高圧の気体状態として凝縮器に送り、前記凝縮器は、この高温・高圧の冷媒を外気と熱交換させ、液体状態に相変化させてから膨張弁に送り、前記膨張弁は、液体の冷媒を急に膨張させ、低温・低圧の霜状として蒸発器に送り、前記蒸発器は、冷媒を用いて、室内の空気を吸熱して冷房させ、前記熱交換された冷媒を再び圧縮機に送ることを繰り返すことになる。
【0026】
ドレーン手段は、蒸発器75の下部に設けられ、蒸発器75により凝結される凝結水を集水する集水部材81と、集水部材81と連結され、本体10の外部に引き出され、凝結水を外部に案内する案内管82と、案内管82と連結され、凝結水を貯蔵し、下部に形成された出口に開閉弁が設けられた貯蔵タンク83と、を有する。前記ドレーン手段は、乾燥室20の内部に2つの蒸発器75が設けられるので、これに対応して2つの前記集水部材81が設けられ、前記2つの集水部材81は、1つの案内管82に連結されることが好ましい。
【0027】
送風ファン90は、本体の長手方向に複数個が設けられる。このような送風ファン90は、乾燥室20の空気を側方向に移動させ、乾燥室20の空気が本体10の内側壁面と前記区画部材30との間に循環され、乾燥コンベヤーベルト100に送られてから、再び送風ファン90の内部に流入する経路を繰り返して行うようにする。
【0028】
減圧ポンプ60は、本体10の外部に設けられたキャビネット62に収納され、連結パイプ60aは、本体10の内部の上部に連結され、乾燥室を減圧させる。減圧ポンプを用いない場合、乾燥室の内部は、大気圧状態となるので、室内空気が圧力差により膨張される現象が発生しない。しかし、前記減圧ポンプ60を用いて、室内空気を外部に排出し、乾燥室の内部圧力を低くすると、それほど室内空気は膨張され、軽くなり、運動が活発になる。
【0029】
このように、本発明は、冷却手段と送風ファン及び減圧ポンプにより、乾燥室の内部空気圧を減圧させ、常温状態で空気を膨張させ、これと同時に、本体の上部に設けられた蒸発器が、膨張された空気中に含有された水分を凝結させ、これを外部に排出させ、また、天井に設けられた送風ファンが乾燥室の空気を強制循環させ、全体的に空気を均一に膨張と凝結させ、食品を短時間かつ効率的に乾燥させるようになる。これについての詳細な構造と原理等は、特許文献1に開示されているので、詳細な説明を省略する。
【0030】
図4は、乾燥室の内部に設けられた乾燥コンベヤーベルト100を示す拡大斜視図である。
【0031】
図2及び図4を参照すると、乾燥対象の食品が積載される乾燥コンベヤーベルト100は、乾燥室20に長手方向に設けられ、乾燥室20の高さ方向に多段で設けられる。本発明の実施例によると、乾燥コンベヤーベルト100が5段からなるが、本発明は、これに限定されず、乾燥容量または設計者の意図により、それ以上設けられてもよい。
【0032】
各乾燥コンベヤーベルト100の内部には、電気ヒータ140が設けられ、乾燥コンベヤーベルト100に積載された食品を加熱及び乾燥させる。また、乾燥コンベヤーベルトが移動し続けるので、電気ヒータ140と乾燥コンベヤーベルト100との間には、回転ローラ150が設けられる。
【0033】
一方、最上段の乾燥コンベヤーベルト100aの一端の上部には、乾燥のための食品が投入される原料投入口120が対応して設けられ、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの一端の下部には、乾燥が完了した食品が排出される原料吐出口130が対応して設けられる。この原料投入口120及び原料吐出口130は、上述した本体10の上端及び下端に設けられた開閉ドア14(図1参照)と対応して設けられ、これにより原料(食品)を投入して乾燥コンベヤーベルト100に積載することができる。
【0034】
前記乾燥コンベヤーベルト100は、互いに独立して駆動するが、各段の乾燥コンベヤーベルト100は、別途の駆動源(図示せず)で駆動され、コントローラ50は、前記それぞれの駆動源を制御し、乾燥コンベヤーベルト100の動作を制御するようになる。一方、図示のように、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cを除いては、上下に互いに隣接した乾燥コンベヤーベルト100は、互いに反対方向に移動する。また、図示のように、互いに隣接した上下の乾燥コンベヤーベルト100は、ジグザグに設置されるが、すなわち、ある乾燥コンベヤーベルト100が隣接した他の乾燥コンベヤーベルト100よりも、一側が引き出され、他側が引き込まれるように設けられる。
【0035】
したがって、コントローラ50の制御により、乾燥コンベヤーベルト100の駆動時、原料投入口120から最上段の乾燥コンベヤーベルト100aに投入される食品は、乾燥コンベヤーベルト100を下部方向へ順次経由しながら移動する。
【0036】
一方、本発明の食品乾燥機によると、食品乾燥を2段階にわたって進行する。先ず、コントローラ50は、乾燥コンベヤーベルト100を駆動し、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの上部の乾燥コンベヤーベルト100bまで食品を積載させる。ここで、乾燥コンベヤーベルト100の移動方向は、上から順に矢印A1→A2→A3→A4のようになる。積載が完了すると、各乾燥コンベヤーベルト100の駆動を止め、食品の投入を中止させた後、食品乾燥機を駆動し、1次で食品を乾燥させる。コントローラ50は、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cの上部の乾燥コンベヤーベルト100bまで食品が全て積載されると、これを警告音や警告灯の報知にて作業者に知らせ、作業者が食品の投入を中止させたり、または原料投入口120を自動で閉めたりしてもよい。
【0037】
1次乾燥が完了すると、コントローラ50は、乾燥動作を止め、再び乾燥コンベヤーベルト100を駆動し、各乾燥コンベヤーベルト100に積載された食品を直下の乾燥コンベヤーベルト100に移動させる。すなわち、各乾燥コンベヤーベルト100に積載された食品は、1段ずつ移動して、直下の乾燥コンベヤーベルト100に移動及び積載される。したがって、最上段の乾燥コンベヤーベルト100aには、食品がなく、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cには、食品が積載されるようになる。ここで、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cを除いた乾燥コンベヤーベルト100の移動方向は、上述したように、上から順にA1〜A4であるが、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cは、矢印B1のように移動する。
【0038】
ここで、乾燥コンベヤーベルト100が駆動して、食品が直下の乾燥コンベヤーベルトに落ちるとき、食品の積載方向が変わることになる。すなわち、食品が下側の乾燥コンベヤーベルトに落ちながら方向が変わり、その状態で積載される。したがって、本発明によると、食品の乾燥が上下において均一に行われるという利点がある。
【0039】
移動が完了すると、コントローラ50は、食品乾燥機を駆動して、2次で食品を乾燥するようになる。2次乾燥が完了すると、コントローラ50は、再び乾燥コンベヤーベルト100を駆動し、食品を原料吐出口130から送り出す。ここで、先ず、最下段の乾燥コンベヤーベルト100cを駆動して、食品を移動させなければならないが、本発明の実施
例によると、原料吐出口130が右側端にあるので、このときは、矢印B2のように移動させなければならない。しかし、原料吐出口が左側端にあってもよく、このときは、矢印B1のように移動させればよい。最下段の乾燥コンベヤーベルト100cに積載された食品が全て原料吐出口130を抜け出すと、コントローラ50は、残りの乾燥コンベヤーベルトを駆動して、食品を下部のコンベヤーベルトに順次移動させ、原料吐出口から送り出し、全て抜け出したら、乾燥コンベヤーベルトの駆動を止める。
【0040】
コントローラ50は、予め設定された各乾燥コンベヤーベルト100の速度を計算及び調節し、乾燥コンベヤーベルト100への食品の移動及び積載を制御するようになる。
【0041】
以上のように、本発明によると、開閉ドアから原料吐出口に食品を入れると、多段の乾燥コンベヤーベルトが駆動され、自動でコンベヤーベルトに食品が積載されるので、従来、手作業による食品の積載工程を省略するので、大容量の食品を迅速かつ便利に供給することができ、生産性が向上するという効果がある。また、加熱源である電気ヒータが乾燥コンベヤーベルトの内部に設けられ、1次乾燥後、乾燥コンベヤーベルトの駆動により、食品が、直下の乾燥コンベヤーベルトに移動しながら、積載方向が変わり、2次乾燥を行うので、大容量の食品が均一に乾燥され、食品の乾燥品質が向上するという効果がある。
【0042】
以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は、上述した特定の実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、添付の特許請求の範囲の思想及び範疇を逸脱しない範囲で、本発明に対する多数の変更及び修正が可能であり、そのような全ての適切な変更及び修正の均等物も、本発明の範囲に属するものと見なさなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、工場等に設置され、穀物等を含めた多様な食品を大量に乾燥させる食品乾燥機に関し、産業上の利用可能性がある。
図1
図2
図3
図4