(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6185206
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】太陽光発電システムの異常または異常の予兆を検出するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20170814BHJP
【FI】
H02M7/48 M
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-108121(P2017-108121)
(22)【出願日】2017年5月31日
【審査請求日】2017年5月31日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593055074
【氏名又は名称】オーナンバ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103816
【弁理士】
【氏名又は名称】風早 信昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120927
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 典子
(72)【発明者】
【氏名】辻 誠治
(72)【発明者】
【氏名】加藤 敬介
(72)【発明者】
【氏名】後藤 隆幸
(72)【発明者】
【氏名】橋本 司
【審査官】
小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−084759(JP,A)
【文献】
特開2004−124765(JP,A)
【文献】
特開2016−208567(JP,A)
【文献】
特開2017−017791(JP,A)
【文献】
特開2017−046447(JP,A)
【文献】
国際公開第2016/132569(WO,A1)
【文献】
国際公開第2012/073289(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ取得部と、データ抽出部と、分析処理部とを含む装置によって、複数の太陽電池モジュールを直列に接続した複数の太陽電池ストリングを並列に接続した複数のパワーコンディショナーを持つ太陽光発電システムの異常または異常の予兆を検出する方法であって、データ取得部が、太陽光発電システム中の個々の太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの電流値または発電量のデータを経時的に取得し、データ抽出部が、取得したデータから個々の太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値のデータを経時的に抽出し、分析処理部が、これらの抽出した最大値データの推移が、同じ期間で抽出された太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱する太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーを異常または異常の予兆の候補として抽出すること、及び分析処理部が、最大値データの推移が最大値データの平均値より特定割合以上逸脱した太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーを外れ値グループとし、最大値データの推移が最大値データの平均値より特定割合以内の太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーを大多数グループとして分類し、外れ値グループの中で逸脱割合の大きさに応じてグループ分けし、最も逸脱割合の大きいグループから異常または異常の予兆の候補を抽出することを特徴とする方法。
【請求項2】
分析処理部が、設置された太陽電池モジュールの受光面の方角、傾き、または機種の同一性もしくは類似性に基づいて太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーをグループ分けし、そのグループ内で異常または異常の予兆の候補を抽出することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
分析処理部が、抽出した最大値のデータ間で平均値X及び標準偏差Sを算出し、X−2Sを経時的に下廻る最大値のデータを有するものを異常または異常の予兆の候補として抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
分析処理部が、抽出した太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの最大値データの中から一つの評価基準データを選択し、この評価基準データと他の抽出した予測対象の最大値データとのそれぞれのグレー絶対関連度を算出し、算出したグレー絶対関連度からデジタルグレー予測モデルを用いて評価基準データと予測対象の最大値データとの現在のデータの関連度及び未来のデータの関連度を算出し、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から特定レベル以上低下した未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
分析処理部が、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から経時的に低下傾向を有する未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
分析処理部が、既に取得したデータに基づいて予測対象の現在のデータの関連度から未来のデータの関連度の数値を時間軸で示したグラフを10個以上作成し、それらを正常状態を示すグラフと異常または異常の予兆を示すグラフとして評価分類したものを機械学習エンジンに入力し、機械学習エンジンにおいてこの入力グラフと評価分類の傾向を学習させ、この学習に基づいた評価により機械学習エンジンに予測対象の異常または異常の予兆を判別させることを特徴とする請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の方法を実施するための装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電システムの太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナー(単にそれぞれモジュール、ストリング、またはパワコンともいう)の異常または異常の予兆を効率的に検出するための方法及び装置に関する。この方法により、太陽光発電システムの異常だけでなく、異常の予兆(保守・点検の適切な時期)を効率的にかつ正確に知ることができ、計画的なメンテナンスを実行することができる。
【背景技術】
【0002】
太陽エネルギーを有効利用するために太陽電池パネルを多数並べた太陽光発電システムが既にかなり普及している。この太陽光発電システムは、家庭の屋根に設置する小規模なものから、地域電力をまかなうことができる1メガワット以上の発電量を持つ大規模なものまで様々なものが存在する。
【0003】
大規模な太陽光発電システムでは、複数の太陽電池モジュールが直列に接続されて太陽電池ストリングを構成し、さらに複数の太陽電池ストリングが並列に接続されて太陽光発電システムの制御装置のパワコンに送られる。パワコンでは電力変換等を行い最終的な発電の出力となる。各パワコンは、例えばデータ監視の為、ネットワークに接続され、インターネットを経由して、遠隔データ収集監視サーバーに接続される。電流値や発電量などの発電に関する各データはリアルタイムにサーバーへ送られ、サーバーでパワコンの発電状況を監視し、異常が発生する場合に即時に太陽光発電システム管理者へ通知する。
【0004】
太陽光発電システムにおいては、設置工事のミス、部品の欠陥、長年の使用による経年変化以外に、各部位の雷などによる故障、天候、メンテナンス、植物の成長による影の形成、飛来物の付着などによる特有の外的要因を理由として、モジュール/ストリング/パワコンにおける電流値または発電量が低下する場合が多い。一時的な外的要因による電流値または発電量の低下の場合は無視してもよいが、故障などの永続的な要因の場合は、できるだけ早く該当するモジュール/ストリング/パワコンを修理または交換することが望ましい。
【0005】
しかしながら、多数のモジュール/ストリング/パワコンからなる発電システムにおいて、一時的な外的要因を除いて純粋な故障だけを原因とするモジュール/ストリング/パワコンを効率的に見出すのは極めて難しい。そのためには、実際には、多数のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータを取得して分析する必要があり、システムの過度な負担になっていた。また、故障部位の正確な分析には時間がかかり、場合によって数週間、数ヶ月を経過しないと、明らかな故障と判断できなかった。この間、発電のロスは時間経過とともに大きくなり、また、早期に故障を見出せなかった部位は、回復不能の重大な故障(火災等)に陥り、設備交換費用及び人件費用が膨大になる問題があった。
【0006】
従来の太陽光発電システムの異常検出は、故障が既に明確に発生していることが判明してから、太陽電池パネルを構成する太陽電池モジュール単位で行うか、又は複数の太陽電池モジュールからなる太陽電池ストリング単位もしくはパワコン単位で行うのが一般的である。
【0007】
例えば、特許文献1では、複数のモジュールまたはストリングの電流値を測定し、それらの各々の測定電流値と複数の測定電流値の平均値を比較し、一定期間経過しても測定電流値の平均値より一定割合以上低下し続ける測定電流値を持つモジュールまたはストリングが存在する場合にそれを故障として検出する。特許文献1の方法は、既存の明確な故障の検出にはある程度有効であるが、検出された故障情報に多くのノイズが含まれ、正確な判断に時間がかかる問題があった。また、検出のために使用するデータ量が極めて多く、その処理がシステムの過度な負担になっていた。さらに、特許文献1の方法の故障の検出は、現時点のものであって、システム中のどの部位が将来において故障の可能性や発電量等の低下の可能性が高まるかまで予測できるようなものではなかった。
【0008】
出願人は、かかる従来技術の問題点を考慮し、特許文献2において、一時的な原因と永続的な原因による性能低下の傾向を持つ太陽光発電システムにおいて、特定の関連を有する予測対象と比較対象の間で取得した電流値または発電量のデータから現在のデータの関連度及び未来のデータの関連度を算出し、現在のデータの関連度から特定レベル以上低下した未来のデータの関連度を生じる未来の時期を示すことによって故障や性能低下に至る前に適切なメンテナンス時期を正確にアドバイスする方法を提案した。かかる方法は、未来の故障の予兆時期を比較的正確に予測できたが、使用するデータ量が膨大であり、その処理がシステムに多大な負担を強いており、さらなる改善の余地があった。また、特定の関連を有する予測対象と比較対象の組み合わせを決定するのは従来では人が判断していたため、モジュール、ストリング、パワコンの数が多くなると負担が非常に大きかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2011/101916
【特許文献2】特開2016−152675
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、かかる従来技術の現状に鑑み創案されたものであり、その目的は、太陽光発電システムのモジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆を効率的にかつ正確に検出するための方法及び装置を提供することにある。特に、本発明は、太陽光発電システムの異常または異常の予兆の部位の検出を従来より少ないデータ量とグループ分けによって効率的にかつ正確に行なうことを可能にするものである。
【0011】
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、太陽光発電システムにおいては、ある程度長い期間(例えば3ヶ月間)にわたって経時的にデータを抽出することによって、外的要因によって低下していない状態のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータが得られること、また、個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量の特定の期間(例えば1週間)内の最大値のデータは、一般に外的要因による劣化がほとんどない状態で達成されたデータであることに着目した。そして、太陽光発電システムにおけるかかる独自の傾向に基づいて、経時的に取得したデータから個々のモジュール/ストリング/パワコンの特定の期間(例えば1週間)ごとの電流値または発電量の最大値のデータを経時的に抽出し、これらの抽出した最大値データの推移が、同じ期間で抽出されたモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱するモジュール/ストリング/パワコンを異常または異常の予兆の候補として抽出することにより、太陽光発電システム中のモジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆を従来より大幅に効率的にかつ正確に検出することができることを見出した。
【0012】
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、以下の(1)〜(
7)の構成を有するものである。
(1)
データ取得部と、データ抽出部と、分析処理部とを含む装置によって、複数の太陽電池モジュールを直列に接続した複数の太陽電池ストリングを並列に接続した複数のパワーコンディショナーを持つ太陽光発電システムの異常または異常の予兆を検出する方法であって、
データ取得部が、太陽光発電システム中の個々の太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの電流値または発電量のデータを経時的に取得し、
データ抽出部が、取得したデータから個々の太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値のデータを経時的に抽出し、
分析処理部が、これらの抽出した最大値データの推移が、同じ期間で抽出された太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱する太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーを異常または異常の予兆の候補として抽出すること
、及び分析処理部が、最大値データの推移が最大値データの平均値より特定割合以上逸脱した太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーを外れ値グループとし、最大値データの推移が最大値データの平均値より特定割合以内の太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーを大多数グループとして分類し、外れ値グループの中で逸脱割合の大きさに応じてグループ分けし、最も逸脱割合の大きいグループから異常または異常の予兆の候補を抽出することを特徴とする方法。
(
2)
分析処理部が、設置された太陽電池モジュールの受光面の方角、傾き、または機種の同一性もしくは類似性に基づいて太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーをグループ分けし、そのグループ内で異常または異常の予兆の候補を抽出することを特徴とする(
1)に記載の方法。
(
3)
分析処理部が、抽出した最大値のデータ間で平均値X及び標準偏差Sを算出し、X−2Sを経時的に下廻る最大値のデータを有するものを異常または異常の予兆の候補として抽出することを特徴とする(1)
又は(2)に記載の方法。
(
4)
分析処理部が、抽出した太陽電池モジュール、太陽電池ストリング、またはパワーコンディショナーの最大値データの中から一つの評価基準データを選択し、この評価基準データと他の抽出した予測対象の最大値データとのそれぞれのグレー絶対関連度を算出し、算出したグレー絶対関連度からデジタルグレー予測モデルを用いて評価基準データと予測対象の最大値データとの現在のデータの関連度及び未来のデータの関連度を算出し、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から特定レベル以上低下した未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことを特徴とする(1)〜(
3)のいずれかに記載の方法。
(
5)
分析処理部が、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から経時的に低下傾向を有する未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことを特徴とする(
4)に記載の方法。
(
6)
分析処理部が、既に取得したデータに基づいて予測対象の現在のデータの関連度から未来のデータの関連度の数値を時間軸で示したグラフを10個以上作成し、それらを正常状態を示すグラフと異常または異常の予兆を示すグラフとして評価分類したものを機械学習エンジンに入力し、機械学習エンジンにおいてこの入力グラフと評価分類の傾向を学習させ、この学習に基づいた評価により機械学習エンジンに予測対象の異常または異常の予兆を判別させることを特徴とする(
4)または(
5)に記載の方法。
(
7)(1)〜(
6)のいずれかに記載の方法を実施するための装
置。
【発明の効果】
【0013】
本発明の方法は、外的要因によるノイズの少ないデータが得られるように経時的に個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータを取得し、また、外的要因による異常がほとんどなしで達成されたデータである可能性が高い特定の期間ごとの個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量の最大値のデータを使用しているので、システムに負担をあまりかけずに信頼性の高い比較的少数のデータに基づいてモジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆の検出を効率的にかつ正確に行なうことができる。また、本発明の方法は、上記の電流値または発電量の最大値データの推移が、同じ時間の取得したモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱するモジュール/ストリング/パワコンを異常または異常の予兆の候補として抽出しているので、極めて簡単な方法で正確な異常または異常の予兆の検出を行なうことができる。
【0014】
また、本発明の方法は、モジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆の候補の抽出にあたり、外れ値グループと大多数グループに基づくグループ分け、設置された太陽電池モジュールの受光面や機種の同一性または類似性に基づくグループ分けを使用しているので、異常または異常の予兆の検出の精度が極めて高い。
【0015】
さらに、本発明の方法は、モジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆の候補の抽出にあたり、電流値または発電量の最大値データのうち、平均値X及び標準偏差Sを使用した正規分布に基づく式からの逸脱を基準としたり、デジタルグレー予測モデルによる評価基準データとの関連度からの逸脱を基準としたり、正常状態と異常状態の最大値データの推移を表わしたグラフを学習させた機械学習エンジンを使用したりしているので、異常または異常の予兆の検出の精度をさらに向上させることができる。
【0016】
本発明の装置は、上記の方法を実施するために必要な構成を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の太陽光発電システムの一例の概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の方法による特定の期間ごとのパワコンの発電量の最大値データの抽出の一例の説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の方法による特定の期間ごとのパワコン80台の発電量の最大値の推移を表わすグラフである。
【
図4】
図4は、本発明の方法によるパワコンの異常または異常の予兆の候補のグループ分けの一例の概略図を示す。
【
図5】
図5は、
図4のグループ分けに従って作成された各グループのパワコンの発電量の最大値の推移を表わすグラフである。
【
図6】
図6は、本発明の方法において異常または異常の予兆を検出するために使用される正規分布の説明グラフである。
【
図7】
図7は、本発明の方法において異常または異常の予兆を検出するために正規分布を利用して計算されたパワコンの発電量(X,X+2S,X−2S)の推移を表わすグラフである。
【
図8】
図8は、本発明の方法においてデジタルグレー予測モデルを使用した異常または異常の予兆の存在を検出するグラフである。
【
図9】
図9は、本発明の方法において機械学習エンジンに学習させるグラフ(正常及び異常)の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の太陽光発電システムの方法について図面を参照して説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0019】
本発明の方法の対象となる太陽光発電システムは、
図1に示すように、複数の太陽電池モジュール101を直列に接続した太陽電池ストリング102を複数持つものであり、複数の太陽電池ストリング102は並列に接続されて集電力端末装置103を経てパワコン104に集約される。複数のパワコン104が一つの発電サイトを構成し、これらのパワコンがネットワーク105で連結され、データロガー108に集約される。モジュール/ストリング/パワコンで測定した電流値または発電量のデータはデータロガー108及びインターネット106経由でデータ監視システムサーバー107に収集するようになっている。本発明の方法は、太陽光発電システムのモジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆(異常の確率が高まる時期)を効率的にかつ高精度に予測しようとするものである。
【0020】
本発明の方法は、家庭用住宅の屋根に設置される小規模なシステムから1メガワット以上の発電量の大規模なシステムまで使用可能であるが、極めて多数のモジュール/ストリング/パワコンが設置され、それらの点検作業に多大な労力を要する1メガワット以上の発電量のメガソーラーシステムにおいて極めて有用である。特に、メガソーラーシステムにおいては、多数のモジュール/ストリング/パワコンから異常または異常の予兆を示すものを正確に示すことは困難であるが、本発明の方法によれば、異常または異常の予兆を示すものを効率的にかつ正確にアドバイスすることができる。
【0021】
本発明の方法の対象となる太陽光発電システムでは、一つのストリングあたりのモジュールの数は複数である限り、特に限定されず、また、一つのパワコンあたりのストリングの数も複数である限り、特に限定されず、また、システム中のパワコンの数も複数である限り、特に限定されない。本発明の方法では、一つのストリングあたりのモジュールの数が3〜100個、一つのパワコンあたりのストリングの数が3〜10000個、一つのシステム中のパワコンの数が3〜1000台であることが好ましい。本発明の方法では、システム中で使用される個々のモジュール/ストリング/パワコンは、異なる構造の種類のものに対しても後述するグループ分けで対応できるが、電流値や発電量の測定データから効率的かつ正確に異常または異常の予兆の候補を抽出するために同じ構造の種類のものを使用することが好ましい。
【0022】
モジュール/ストリング/パワコンの発電量(電流値)の低下の原因は、無視してもよい一時的なものと、修理または交換を必要とする永続的なものとが存在する。一時的な原因としては、日照時間や雲の存在、雨天などの天候、建物の影、定期的メンテナンス等があり、永続的な原因としては、太陽電池モジュールなどの部位の故障、測定装置や通信手段の故障、鳥の糞、近隣の植物の成長、飛来物、パワコン等の半田不良/ねじ接続不良、インバータ不具合、塩霧、湿気腐蝕による接触不良等がある。
【0023】
本発明者は、これらのモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量の低下が、上述の一時的な原因と永続的な原因によるものからなり、一時的な原因は、ある程度の期間にわたって経時的にデータを取得すれば、その影響がほとんどないデータが得られることに着目した。さらに、得られた個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータのうち最大値のデータは、数値劣化が少ないため、一時的な原因による低下が少ないことに着目した。そして、経時的に取得されたモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータから個々のモジュール/ストリング/パワコンの特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値データの推移を、同じ期間に取得したモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値と比較することにより、一時的な原因をほとんど除外できているデータ同士で比較できることを見出した。
【0024】
本発明は、これらの知見に基づいており、経時的に取得したモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータから個々のモジュール/ストリング/パワコンの特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値データを経時的に抽出し、これらの抽出した最大値データの推移が、同じ期間に取得したモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部(例えば30%以上、40%以上、または50%以上)の平均値より特定割合以上(例えば20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、または70%以上)逸脱する(または低下する)モジュール/ストリング/パワコンを異常または異常の予兆の候補として抽出することを特徴とする。この特徴により、ノイズの少ないデータ間で効率的にかつ正確に異常または異常の予兆がある部位を示すことが可能である。
【0025】
本発明の方法では、モジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量の経時的に取得される期間は、好ましくは1ヶ月以上、さらには2ヶ月以上、さらには3ヶ月以上である。この期間の上限は、特に限定されないが、短期に異常部位を知る観点から2年程度である。また、個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量の経時的に抽出される最大値データの特定の期間ごととは、好ましくは1日以上、さらには2日以上、さらには3日以上、さらには4日以上、さらには5日以上、さらには6日以上、さらには7日以上ごとである。この特定の期間の上限は、特に限定されないが、短期に異常部位を知る観点から1ヶ月程度である。
【0026】
図2は、本発明の方法による特定の1台のパワコンの発電量の最大値データの抽出の一例の説明図である。
図2の上のグラフは、特定のパワコンに関して2016年3月31日から2016年6月29日(3ヶ月間)にわたって取得した毎日の発電量の最大値データを経時的に順にプロットし、それぞれを直線で結んだものである。
図2の下のグラフは、
図2の上のグラフに基づいて7日ごとの発電量の最大値データを抽出し、それらを経時的に順にプロットし、それぞれを直線で結んだものである。ここでは、パワコンの発電量のデータを例に挙げたが、モジュールやストリングに関するデータでもよいし、電流値のデータでもよい。また、データの取得期間、最大値データの抽出期間の間隔は、これらに限定されない。
【0027】
図3は、本発明の方法によるパワコン80台の発電量の最大値データの経時的推移を表わすグラフである。このパワコン80台は、太陽光発電システム内の全てのパワコンであり、
図2の特定の1台のパワコンも同じシステム中に含まれる。
図3は、
図2の下のグラフと同様の手法でパワコン80台の発電量の最大値データを経時的にグラフ化したものである。
図3に示すように、パワコン80台の中でも発電量の最大値データは、同じ時期で数値に関して多少上下に変動があることがわかる。
【0028】
本発明の方法では、まず
図2に示すように検出対象(予測対象)の個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータを経時的に取得し、取得したデータから個々のモジュール/ストリング/パワコンの特定の期間ごとの電流値または発電量のデータの最大値データを経時的に抽出する。また、
図3に示すように、同システムの全てのモジュール/ストリング/パワコンの特定の期間ごとの電流値または発電量のデータも経時的に抽出する。さらに、これらの最大値データの全部または一部の平均値を経時的に抽出する。そして、個々のモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの推移が、同じ期間に取得した全てのモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱するモジュール/ストリング/パワコンがあれば、これを異常または異常の予兆の候補として抽出する。
【0029】
ここで異常または異常の予兆の候補として抽出する特定割合以上逸脱するモジュール/ストリング/パワコンは、太陽光発電システムの環境や構成に応じてその割合を適宜決定されるが、好ましくは30%以上、さらに好ましくは40%以上、さらに好ましくは50%以上逸脱するものである。また、ここでの比較は、個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量の特定の期間ごとに抽出された最大値データの経時的推移が、同じ期間で抽出された全てのモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値とを比較することによって行なわれる。例えば、
図2の下のグラフの発電量の最大値データが、同じ期間内で
図3のグラフの各発電量の最大値データの全部または一部の平均値と比較され、この同じ期間内で上記のように平均値より特定割合以上逸脱する最大値データをとるモジュール/ストリング/パワコンを異常または異常の予兆の候補として抽出する。この場合、一つの同じ期間内だけでなく、その期間から継続して特定割合以上逸脱するものを候補として挙げることが、一時的な外因によるノイズが少なくなる点で好ましい。このように、本発明の方法では、多数の取得データから信頼性の高い少ない数のデータのみを抽出し、これらに基づいて異常または異常の予兆を検出しているので、処理時のシステムの負担が少なく効率的であるだけでなく、ノイズの少ない正確な検出が可能である。
【0030】
本発明の方法では、上記のように異常または異常の予兆の候補を抽出するにあたり、最大値データの推移が最大値データの平均値より特定割合以上逸脱したモジュール/ストリング/パワコンを外れ値グループとし、最大値データの推移が最大値データの平均値グループより特定割合以内のモジュール/ストリング/パワコンを大多数グループとして分類し、外れ値グループの中で逸脱割合の大きさまたは傾向に応じてグループ分けし、最も逸脱割合の大きいグループから異常または異常の予兆の候補を抽出することができる。
【0031】
このように外れ値グループを設け、外れ値グループの中で逸脱割合の大きさまたは傾向に応じてグループ分けし、その中で最も逸脱割合の大きいグループから異常または異常の予兆の候補を抽出することによって、既に挙がった候補間でのさらなる正確な候補をその数を絞って挙げることが可能である。逸脱割合の大きさに明確な差がない場合は、機械学習のクラスタリングアルゴリズムという手法を用いることが好ましい。この手法自体は、従来公知であるので、さらなる詳細をここでは述べない。
図4は、上述のようにしてなされたパワコンの異常または異常の予兆の候補のグループ分けの一例の概略図であり、
図5は、
図4のグループ分けに従って作成された各グループのパワコンの発電量の最大値の推移を表わすグラフである。このようにグループ分けをすることによって、異常または異常の予兆の候補の抽出をさらに正確に行なうことができる。
【0032】
本発明の方法では、上記のように異常または異常の予兆の候補を抽出するにあたり、設置されたモジュールの受光面の方角、傾き、または機種の同一性もしくは類似性に基づいてモジュール/ストリング/パワコンをグループ分けし、そのグループ内で異常または異常の予兆の候補を抽出することができる。
【0033】
ここでモジュールの受光面の方角は、例えば、南側、東側または西側などのいずれかの方向に向いているかを意味し、傾きは、例えば、鉛直方向などに対してどの程度の角度傾いているかを意味し、機種は、例えば、モジュールの構造や材料や性能や受光面積などを意味する。これらの項目に関して同一性または類似性を持つモジュールは、電流値または発電量の最大値データの経時的推移が同一傾向を示すことが多い。この方法に従って同一傾向の最大値データを示すグループに予めグループ分けすることによって、異常または異常の予兆の候補の抽出をさらに正確に行なうことができる。
【0034】
本発明の方法では、上記のように異常または異常の予兆の候補を抽出するにあたり、抽出した最大値のデータ間で平均値X及び標準偏差Sを算出し、X−2Sを経時的に下廻る最大値のデータを有するものを異常または異常の予兆の候補として抽出することができる。ここでの方法は、モジュール/ストリング/パワコンの特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値のデータの集合がほぼ正規分布に従うと仮定し、正規分布の性質を用いて異常または異常の予兆の候補を抽出しようとするものである。標本集合が正規分布を示す場合、
図6に示すように、標本集合の平均値をXとし、標本集合の標準偏差をSとすると、X±Sの中に約68%の確率でデータが存在し、X±2Sの中に約95%の確率でデータが存在する。この方法では、このような正規分布の性質を利用して、
図7に示すように、X−2Sを経時的に下廻る最大値のデータを異常または異常の予兆を示すものとして判断し、これを異常または異常の予兆の候補として抽出する。この方法は、本発明の方法の抽出の精度をさらに高める効果を持つことができる。
【0035】
本発明の方法では、上記のように異常または異常の予兆の候補を抽出するにあたり、抽出したモジュール/ストリング/パワコンの経時的な最大値データの中から一つの評価基準データを選択し、この評価基準データと他の抽出した予測対象の最大値データとのそれぞれのグレー絶対関連度を算出し、算出したグレー絶対関連度からデジタルグレー予測モデルを用いて評価基準データと予測対象の最大値データとの現在のデータの関連度及び未来のデータの関連度を算出し、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から特定レベル以上低下した未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことができる。
【0036】
この方法では、評価基準データは、任意に決定することができるが、一般的には異常を示さないと思われる最大値データから選択されることが好ましい。例えば、抽出した経時的な最大値データ群のうち経時的に最も高い数値をとる最大値データや最大値データ群の平均値に対して経時的に最も近い数値をとる最大値データを選択することができる。
【0037】
このように選択された評価基準データと他の抽出した予測対象の最大値データとのそれぞれのグレー絶対関連度を算出し、算出したグレー絶対関連度からデジタルグレー予測モデルを用いて評価基準データと予測対象の最大値データとの現在のデータの関連度及び未来のデータの関連度を算出する。そして、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から特定レベル以上低下した未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことができる。また、予測対象において評価基準データとの間で現在のデータの関連度から経時的に低下傾向を有する未来のデータの関連度を示すものを異常の予兆が存在するものとして示すことができる。グレー絶対関連度の算出及びデジタルグレー予測モデルの適用の方法は、従来公知であり、特開2016−152675に記載の方法に従って行なうことができる。
【0038】
グレー絶対関連度の算出及びデジタルグレー予測モデルの適用の方法は、その公報に記載されているように、基本的には以下のような数式でグレー絶対関連度ε
1iを求め、次いでε=Xとしてデジタルグレー予測モデルDGM(1,1)の数式を用いて予測対象のデータと評価基準データの間の現在の関連度と未来の関連度を算出し、次いで現在の関連度からの未来の関連度の低下割合を算出する。そして、この低下割合が特定レベル以上になる未来の時期を示す。あるいは、さらに現在から一定期間先の未来までにおいて、この低下割合が特定レベル以上低下した予測対象を示す。また、必要により、前記予測対象をモニター等の画面表示、電子メール通信、または警告音で知らせることができる。
【0039】
グレー絶対関連度(Absolute Degree Grey Incidence)は、以下の2集合s
1,s
iのグレー絶対関連度ε
1iの定義を用いて算出する:
ここでs
1は予測対象のデータ、s
iは評価基準データである。
【0041】
図8の上のグラフは、パワコンの発電量の最大値データに関する評価基準データ(PCS1)と予測対象(PCS2)の経時的推移を示し、下のグラフは、上のグラフに対してPCS1とPCS2の現在までの関連度の経時的推移を示したものである。
図8の下のグラフからさらにPCS1とPCS2の間で未来のデータの関連度を算出し、例えば関連度が0.95以下に低下する時期が未来の近い時期に生じる場合は、PCS2に対して異常の予兆が存在するものとして示すことができる。ここではPCS2は、特定の単一のパワコンの発電量の最大値データを取り上げ、これに対してPCS1と経時的関連度を算出しているが、PCS2は、評価基準データとなるPCS1以外の全てのパワコンの発電量の最大値データを使用することができる。
【0042】
本発明の方法では、上記のように、既に取得したデータに基づいて予測対象の現在のデータの関連度から未来のデータの関連度の数値を時間軸で示したグラフを10個以上作成し、それらを正常状態を示すグラフと異常または異常の予兆を示すグラフとして評価分類したものを機械学習エンジンに入力し、機械学習エンジンにおいてこの入力グラフと評価分類の傾向を学習させ、この学習に基づいた評価により機械学習エンジンに予測対象の異常または異常の予兆を判別させることができる。
【0043】
上記グラフの例としては、
図9に示すグラフが例示される。
図9のグラフでは、縦軸が関連度、横軸が時間であり、経時的な関連度の推移を表わす。学習用の10個以上、好ましくは50個以上、より好ましくは100個以上のグラフを作成した後、それらを、正常状態を示すグラフと異常状態または異常の予兆を示すグラフに評価分類する。評価分類の例としては、
図9の左上のグラフでは、関連度の経時的推移は波打っているが、これは季節変動による一時的な原因であるため、正常状態とみなし、右上のグラフでは、関連度が突然低下してそのままの低下状態を示すため、異常状態とみなし、左下のグラフでは、関連度が高いレベルで一定であるため、正常状態とみなし、右下のグラフでは、関連度が経時的に低下傾向を示すため、異常状態とみなして評価分類する。このように正常と異常の状態を評価分類したグラフを機械学習エンジンに入力する。そして、機械学習エンジンにこれらの入力グラフと評価分類の傾向を学習させ、この学習に基づいて予測対象の異常または異常の予兆を判別させる。これにより、機械学習エンジンに基づいた安定した異常状態の判別が可能である。
【0044】
上記で説明した本発明の方法は、
図10に示すように、データ取得部、データ抽出部、及び分析処理部を有する装置によって実現することができる。データ取得部では、モジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータが経時的に取得されるように構成される。データ抽出部では、取得したデータから特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値データを経時的に抽出するように構成される。分析処理部では、抽出したデータに基づいて、上述した異常または異常の予兆の候補を抽出したり、判別したり、示したりするように構成される。ここでは、例えば抽出した最大値データの経時的推移が、同じ時間の取得したモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱するモジュール/ストリング/パワコンを異常または異常の予兆の候補として抽出したりする。また、上記したように、特定の方法でグループ分けして、そのグループ内で異常または異常の予兆の候補を抽出することもできる。評価基準データの選択や関連度の算出やそれに基づいた判断もここでなされることができる。機械学習エンジンによる予測対象の異常または異常の予兆の判別もここでなされることができる。本発明の装置における各部の具体的な構成は、当業者の公知の技術を利用することによって容易に作製されることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明によれば、太陽光発電システムにおける異常または異常の予兆を効率的かつ正確に示すことができるので、太陽光発電システムの長い効率的な運用を低コストで実現可能である。
【要約】
【課題】太陽光発電システムのモジュール/ストリング/パワコンの異常または異常の予兆を効率的にかつ正確に検出するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】複数のモジュールを直列に接続した複数のストリングを並列に接続した複数のパワコンを持つシステムの異常または異常の予兆を検出する方法であって、システム中の個々のモジュール/ストリング/パワコンの電流値または発電量のデータを経時的に取得し、取得したデータから個々のモジュール/ストリング/パワコンの特定の期間ごとの電流値または発電量の最大値のデータを経時的に抽出し、これらの抽出した最大値データの推移が、同じ期間で抽出されたモジュール/ストリング/パワコンの最大値データの全部または一部の平均値より特定割合以上逸脱するモジュール/ストリング/パワコンを異常または異常の予兆の候補として抽出する。
【選択図】
図2