(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6185210
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】光学フィルム貼付装置
(51)【国際特許分類】
B29C 63/02 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
B29C63/02
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2017-504204(P2017-504204)
(86)(22)【出願日】2016年12月6日
(86)【国際出願番号】JP2016086157
【審査請求日】2017年2月16日
(31)【優先権主張番号】201620222038.8
(32)【優先日】2016年3月22日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】北田 和生
(72)【発明者】
【氏名】西郷 公史
(72)【発明者】
【氏名】竹田 覚
【審査官】
内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2014/141553(WO,A1)
【文献】
特開2004−361741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C63/00−63/48
B29C65/00−65/82
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス基板に光学フィルムを貼付して光学基板を製造するための光学フィルム貼付方法であって、
前記ガラス基板を搬送するガラス基板搬送経路と、
前記光学フィルムを搬送する光学フィルム搬送経路と、
前記ガラス基板搬送経路及び前記光学フィルム搬送経路の途中に設置され、前記ガラス基板に前記光学フィルムを貼付する貼付部と、
を備え、
前記貼付部は、幅が異なる光学フィルムの貼付を行うことができるように構成されており、
前記光学フィルム搬送経路が、
前記光学フィルムを供給する光学フィルム供給部と、
前記光学フィルム供給部と前記貼付部との間に設置され、前記光学フィルムにテンションを付加するテンション部と、を含み、
前記テンション部には、前記テンションを調整するテンション調整部が設置された、
構成の光学フィルム貼付装置を使用し、
前記光学フィルム貼付装置によって幅が異なる光学フィルムの貼付を行う場合に、
前記テンション調整部によって、幅が狭い光学フィルムを使用する場合のテンションより、幅が広い光学フィルムを使用する場合のテンションの方が大きくなるように、前記テンションを調整する、
ことを特徴とする光学フィルム貼付方法。
【請求項2】
ガラス基板に光学フィルムを貼付して光学基板を製造する光学フィルム貼付装置であって、
前記ガラス基板を搬送するガラス基板搬送経路と、
前記光学フィルムを搬送する光学フィルム搬送経路と、
前記ガラス基板搬送経路及び前記光学フィルム搬送経路の途中に設置され、前記ガラス基板に前記光学フィルムを貼付する貼付部と、
を含み、
前記光学フィルム搬送経路は、
前記光学フィルムを供給する光学フィルム供給部と、
前記光学フィルム供給部と前記貼付部との間に設置され、前記光学フィルムにテンションを付加するテンション部と、を含み、
前記テンション部には、前記テンションを調整するテンション調整部が設置され
前記テンション部は、
支持フレームと、
上下動可能に前記支持フレームに設置される固定板と、
前記光学フィルムの搬送方向に直交するように配置され、前記固定板に回転自由に支持されるテンション軸と、
前記テンション軸の中心部に固定され、前記光学フイルムに対して、テンションを付加するように上方から圧接するテンションローラと、を含み、
前記テンション調整部は、ウェイトと連接部材とを含み、
前記固定板と前記ウェイトとはそれぞれ前記連接部材の両端に連結され、
前記連接部材は、前記支持フレームに設置される複数のプーリーに渡って、前記固定板と前記ウェイトとを吊り下げ、
前記ウェイトの重量を調整することで、前記テンションを調整する、
ことを特徴とする光学フィルム貼付装置。
【請求項3】
前記ウェイトは受け部と複数のおもりを含み、
前記受け部は前記連接部材に連結され、前記複数のおもりは前記受け部にセットされる、
ことを特徴とする請求項2に記載された光学フィルム貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光学フィルム貼付装置に関し、特に幅が異なる光学フィルムを兼用できる光学フィルム貼付装置。
【背景技術】
【0002】
現在、ディスプレイを代表とする光学表示装置に、ガラス基板に光学フィルムを貼付させた光学表示パネルが使用されている。このような光学表示パネルを効率よく製造するために、光学フィルムとしての光学フィルムをガラス基板に貼付するためのRTP(Roll to Panel)方式の光学フィルム貼付装置が開発される。
【0003】
一般的に、上記光学フィルム貼付装置は、複数の搬送ローラによって光学フィルムを連続的に搬送する光学フィルム搬送経路を具備する。貼付を行う場合、光学フィルムは、光学フィルムロールの形態で光学フィルム搬送経路における光学フィルム供給部に装着される。この光学フィルムロールは、ベルト状の光学フィルムとキャリアフィルムとを積層しロール状に巻いてなるものである。光学フィルム供給部から積層した光学フィルムとキャリアフィルムとが繰出され、光学フィルム経路に沿って、貼付部に搬送される。キャリアフィルム上に積層された光学フィルムは、貼付部に搬送されるまでに、キャリアフィルムを残して光学フィルムのみを、ガラス基板に対応する長さに切断される。貼付部は、光学フィルムをキャリアフィルムから剥ぎ取り、ガラス基板に貼付する。その後、残したキャリアフィルムがキャリアフィルム回収部に搬送され、回収される。
【0004】
上記ベルト状の光学フィルムは、その幅が貼付されるガラス基板の長辺または短辺に対応する。幅がガラス基板の長辺に対応する光学フィルムは長辺幅の光学フィルムとして、幅がガラス基板の短辺に対応する光学フィルムは短辺幅の光学フィルムとする。
【0005】
また、光学フィルムを光学フィルムとして使用する場合、光学フィルムは、吸収軸が長手方向(MD)である光学フィルムと、吸収軸が幅方向(TD)である光学フィルムと、を含む。上記の長手方向及び幅方向は、ベルト状の光学フィルムに対するものである。
【0006】
従来の光学フィルム貼付装置において、例えば特許文献1に示されるように、吸収軸が長手方向である長辺幅の光学フィルムを用いてガラス基板の一方の面に第1回の貼付をして、その後、ガラス基板を旋回、反転し、吸収軸が長手方向である短辺幅の光学フィルムを用いてガラス基板の他方の面に第2回の貼付をする貼付方式が採用される。
【0007】
また、特許文献2に示されるように、吸収軸が長手方向である長辺幅の光学フィルムを用いてガラス基板の一方の面に第1回の貼付をして、その後、ガラス基板を反転し、吸収軸が幅方向である長辺幅の光学フィルムを用いてガラス基板の他方の面に第2回の貼付をする貼付方式が採用される光学フィルム貼付装置も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2012−083690号公報
【特許文献2】特開2009−276757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記の光学フィルム貼付装置は単一の貼付方式しか採用できないため、各種の貼付方式に対応できる光学フィルム貼付装置が期待される。光学フィルム貼付装置が長辺幅の光学フィルム及び短辺幅の光学フィルムを兼用できることが要求される。しかし、幅が異なる光学フィルムを使用する場合には、光学フィルムによる各搬送ローラへの負荷が異なるため、光学フィルム貼付装置または光学フィルムに悪影響を及ぼす恐れがある。
【0010】
例えば、長辺幅の光学フィルムロールを使用するために、短辺幅の光学フィルムロールのための搬送ローラを長くする必要がある。このようにすれば、長くなった搬送ローラによって短辺幅の光学フィルムを搬送する場合、光学フィルムによる各搬送ローラへの負荷が搬送ローラの中央に集中するので、搬送ローラには撓みが発生する可能性がある。
【0011】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、光学フィルムに応じて、テンションを調整し、幅が異なる光学フィルムを兼用することができる光学フィルム貼付装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る光学フィルム貼付装置は、ガラス基板に光学フィルムを貼付し光学基板を製造するものであって、
前記ガラス基板を搬送するガラス基板搬送経路と、
前記光学フィルムを搬送する光学フィルム搬送経路と、
前記ガラス基板搬送経路及び前記光学フィルム搬送経路の途中に設置され、前記ガラス基板に前記光学フィルムを貼付する貼付部と、を含み、
前記光学フィルム搬送経路は、
前記光学フィルムを供給する光学フィルム供給部と、
前記光学フィルム供給部と前記貼付部との間に設置され、前記光学フィルムにテンションを付加するテンション部と、を含み、
前記テンション部には、前記テンションを調整するテンション調整部が設置される、
ことを特徴とする光学フィルム貼付装置。
【0013】
また、本発明に係る貼付装置において、
前記光学フィルム貼付装置は幅が異なる光学フィルムを兼用し、
前記テンション調整部は、幅が狭い光学フィルムを使用する場合の前記テンションより、幅が広い光学フィルムを使用する場合のほうが大きくなるように、前記テンションを調整する、ことが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る貼付装置において、
前記テンション部は、
支持フレームと、
上下動可能に前記支持フレームに設置される固定板と、
前記光学フィルムの搬送方向に直交するように配置され、前記固定板に回転自由に支持されるテンション軸と、
前記テンション軸の中心部に固定され、前記光学フイルム対して、テンションを付加するように上方から圧接するテンションローラと、を含み、
前記テンション調整部は、ウェイトと連接部材とを含み、
前記固定板と前記ウェイトとはそれぞれ前記連接部材の両端に連結され、
前記連接部材は、前記支持フレームに設置される複数のプーリーに渡って、前記固定板と前記ウェイトとを吊り下げ、
前記ウェイトの重量を調整することで、前記テンションを調整する、ことが好ましい。
【0015】
また、本発明に係る貼付装置において、
前記ウェイトは受け部と複数のおもりを含み、
前記受け部は前記連接部材に連結され、前記複数のおもりは前記受け部にセットされる、ことが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る光学フィルム貼付装置では、テンション部とテンション調整部とを含むので、幅が異なる光学フィルムを使用する場合には、光学フィルムに応じてテンション調整部によりテンションを調整できることで、光学フィルムによる各搬送ローラへの負荷を調整でき、光学フィルム貼付装置または光学フィルムに悪影響を及ぼすことを防止できる。これにより、本発明に係る光学フィルム貼付装置は幅が異なる光学フィルムを兼用できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、光学フィルム貼付装置の全体の構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、光学フィルムの搬送方向に直交する方向にテンション部及びテンション調整部を見た図である。
【
図3】
図3は、光学フィルムの搬送方向にテンション部及びテンション調整部を見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を基づいて、本発明を実施するための形態を説明する。この実施の形態において、RTP方式の光学フィルム貼付装置を例として、光学フィルム貼付装置を説明する。なお、以下の説明において、上流側と下流側とは、ガラス基板3の搬送方向の上流側と下流側との意味である。
【0019】
なお、この実施の形態において、光学フィルムは、長辺幅の光学フィルムLと短辺幅の光学フィルムSとを含む。
【0020】
図1を参照して、光学フィルム貼付装置の全体の構成を説明する。光学フィルム貼付装置は、ガラス基板3の搬送方向に沿って、上流側貼付機構Aと下流側貼付機構Bとに分けられる。ガラス基板3を搬送するためのガラス基板搬送経路2は、この上流側貼付機構Aと下流側貼付機構Bとを通過する。上流側貼付機構Aには、ガラス基板3の一面に光学フィルムを貼付して、下流側貼付機構Bには、ガラス基板3の他面に光学フィルムを貼付する。
【0021】
上流側貼付機構Aと下流側貼付機構Bとの構造はほとんど同じであるため、以下、上流側貼付機構Aのみについて説明する。
【0022】
上流側貼付機構Aは、ガラス基板搬送経路2と、光学フィルムを搬送する光学フィルム搬送経路1と、ガラス基板搬送経路2及び光学フィルム搬送経路1の途中に設置され、光学フィルムをガラス基板3に貼付する貼付部4とを含む。
【0023】
以下、光学フィルム搬送経路1について、詳しく説明する。
【0024】
光学フィルム搬送経路1には、ガラス基板3の搬送方向と反対方向に向かって、即ち、下流側から上流側に向かって、光学フィルムを搬送するものである。光学フィルム搬送経路1には、光学フィルム搬送経路1における下流側の一端に配置される光学フィルム供給部5と、光学フィルム供給部5より上流側に配置されるテンション部6と、テンション部6より上流側に、且つ、貼付部4より下流側に配置される切断部7と、光学フィルム搬送経路1における上流側の一端に配置されるキャリアフィルム回収部8と、を含む。
【0025】
光学フィルム供給部5は、回転自在になるローラを具備する構造である。光学フィルムは、光学フィルムロールの形態でこのローラに装着される。上記光学フィルムロールは、ベルト状の光学フィルムとキャリアフィルムとを積層しロール状に巻いてなるものである。光学フィルムロールを繰出させることで、光学フィルムを上流側に連続的に供給できる。
【0026】
テンション部6は、光学フィルム供給部5から繰出された光学フィルムにテンションを付加する。また、テンション部6には、テンションを調整するテンション調整部が設置される。このテンション部6及びテンション調整部について、詳しく後述する。
【0027】
切断部7は、キャリアフィルム上に積層された光学フィルムを切断する。
【0028】
貼付部4は、光学フィルムをキャリアフィルムから剥ぎ取り、ガラス基板3に貼付する。
【0029】
キャリアフィルム回収部8は、回転自在になるローラを具備する構造である。キャリアフィルムをこのローラに巻取ることで、回収する。
【0030】
また、光学フィルム搬送経路1には、上記の各部の間に、連続的に光学フィルムを搬送するための回転自在になる複数の搬送ローラ9が設置される。幅が異なる光学フィルムを搬送できるようにするために、各搬送ローラ9は、その長さが長辺幅の光学フィルムLの幅より大きくなるように構成される。
【0031】
次に、
図2と
図3を参照して、光学フィルム貼付装置のテンション部6とテンション調整部について説明する。
【0032】
テンション部6は、支持フレームFと、固定板63と、テンション軸61と、テンションローラ62と、を含む。
【0033】
支持フレームFの内部に、テンション軸61が配置される。このテンション軸61の両端部は、支持フレームFを通過し、支持フレームの外に水平方向に延在して、回転自在に固定板63に支持される。
【0034】
テンションローラ62は、支持フレームFの内部に位置し、テンション軸61の中心部に配置される。テンションローラ62は、その長さが長辺幅の光学フィルムLの幅より大きくなるように構成される。
【0035】
固定板63は、直方形状に形成され、支持フレームFの外側に配置される。支持フレームFには、この固定板63の上方と下方にそれぞれ上板65aと下板65bとが設置される。この上板65aと下板65bとの間に、2本のガイドロッド66が直立方向に設置される。この2本のガイドロッド66は固定板63の両側の挿通穴に挿通されることで、固定板63はこの2本のガイドロッド66に沿って直立方向に移動自由になる。これにより、テンション軸61及びテンションローラ62は固定板63とともに上下動可能になる。
【0036】
上記の構成において、テンションローラ62がその下方に通過する光学フィルムに上方から圧接することによって、テンションローラ62、テンション軸61及び固定板63の自重を利用して、光学フィルムにテンションを付加する。また、固定板63は直立方向に移動できるしかないため、テンションローラ62の揺動を防止でき、光学フィルムに安定なテンションを付加できる。
【0037】
また、このテンション調整部は、ベルト状の連接部材68とウェイト69とを具備する。連接部材68は、その一端が固定板63の上部におけるテンション軸61の軸心の真上の箇所に連結され、その他端がウェイト69に連結される。連接部材68は、支持フレームFに設置される二つのプーリー67a、67bに渡って、固定板63とウェイト69とを吊り下げる。また、ウェイト69は、受け部691と複数のおもり692とを含む。受け部691は連接部材68に連結され、複数のおもり692は受け部691にセットされる。
【0038】
上記の構成において、ウェイト69は自重で連接部材68を介して固定板63を引き上げる。このように、光学フィルムに付加されるテンションは、テンションローラ62、テンション軸61及び固定板63の自重からウェイト69の自重を減じてなるものである。おもり692の数が自由に増減できるため、ウェイト69の自重が自由に調整できる。これにより、光学フィルムに付加されるテンションが自由に調整できることになる。
【0039】
そのため、上記の構成によって、幅が異なる光学フィルムを使用する場合、テンション調整部によりテンションを適当に調整できる。具体的に、テンション調整部は、幅が狭い光学フィルムを使用する場合のテンションより、幅が広い光学フィルムを使用する場合のほうが大きくなるように、テンションを調整する。このようにテンションを調整することによって、光学フィルムによる各搬送ローラ9への負荷が適当に調整され、光学フィルム貼付装置または光学フィルムに悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0040】
以下、光学フィルム貼付装置には、長辺幅の光学フィルムL及び短辺幅の光学フィルムSを使用する場合のそれぞれの調整方式を説明する。
【0041】
長辺幅の光学フィルムLを使用する場合には、おもり692の数を減少することで、長辺幅の光学フィルムLに付加されるテンションを増大する。このように、光学フィルムの搬送はさらに安定になる。
【0042】
短辺幅の光学フィルムSを使用する場合には、光学フィルムによるテンション軸61への負荷が中央及び両端部に集中するため、おもり692の数を増加することで、短辺幅の光学フィルムSに付加されるテンションを減少する。このように、光学フィルムによるテンション軸61への負荷も減少でき、テンション軸61の撓みを防止できる。
【0043】
そのため、この実施の形態における光学フィルム貼付装置には、光学フィルムに応じてテンション調整部によりテンションを調整することで、幅が異なる光学フィルムを兼用できる。
【0044】
なお、本発明は上記のような具体的な実施の形態に限らず、本発明の技術構想の範囲内で様々な変更が実施できる。このような変更も本発明の範囲に含まれる。
【0045】
例えば、上記の実施の形態において、上記のテンション調整部は連接部材とウェイトより構成されるが、他の構造のテンション調整部を使用してもよい。例えば、固定板には、おもりがセットされるための受け部が設置されてもよい。これにより、おもりの数を増減することで、固定板の自重を調整でき、テンションも調整できることになる。
【符号の説明】
【0046】
1 光学フィルム搬送経路
2 ガラス基板搬送経路
3 ガラス基板
4 貼付部
5 光学フィルム供給部
6 テンション部
7 切断部
8 キャリアフィルム回収部
9 搬送ローラ
61 テンション軸
62 テンションローラ
63 固定板
64 軸受け
65a 上板
65b 下板
66 ガイドロッド
67a、67b プーリー
68 連接部材
69 ウエイト
691 受け部
692 おもり
F 支持フレーム
A 上流側貼付機構
B 下流側貼付機構
L 長辺幅の光学フィルム
S 短辺幅の光学フィルム
【要約】
光学フィルムに応じて、テンションを調整し、幅が異なる光学フィルムを兼用することができる光学フィルム貼付装置を提供することを目的とする。光学フィルム貼付装置において、光学フィルムにテンションを付加するテンション部と、テンションを調整するテンション調整部が設置される。テンション調整部は、幅が狭い光学フィルムを使用する場合のテンションより、幅が広い光学フィルムを使用する場合のほうが大きくなるように、テンションを調整する。