【実施例1】
【0010】
(実施例1の構成)
図1は、本発明の実施例1におけるスイッチング電源装置の構成の概略を示すブロック図である。
【0011】
AC電源10から入力部11を介してAC電力が、スイッチング電源装置20に入力される。入力部11は、図示しない不要輻射対策用(EMI)フィルタ、ダイオードブリッジ等により構成され、入力されるAC電圧及びAC電流を全波整流した電圧Vi及び電流Iiをスイッチング電源装置20へ出力する回路である。
【0012】
スイッチング電源装置20は、電圧Vi及び電流Iiを入力し、蓄電池21へDC電圧Vo及びDC電流Ioを出力するものであり、力率改善回路(以下「PFC」という。)30、直列共振コンバータ(以下「LLC」という。)40、予備充電制御回路60と、を備えている。
【0013】
PFC30は、AC電力を入力し、AC電力における電流と電圧の位相が一致するように、AC電力における電流及び電圧をスイッチング制御して力率を改善し、電圧Viより低い所定の第1のDC電圧Vpfc、及び第1のDC電流IpfcをLLC40へ出力する降圧形の
PFCである。PFC30は、スイッチ32、整流用ダイオード33、インダクタ34、及び平滑用コンデンサ35と、そのスイッチ32をオンオフ制御するPFC制御回路31等とから構成されている。
PFCには、
図1に示されたPFC30のような降圧形の
PFCと、後述する
図5に示されたPFC30Aのような昇圧形の
PFCと、がある。PFC30は、第1の直流電圧Vpfcを入力電圧Viより小さな電圧に変換し得るのに対し、
図5に示されたPFC30Aは、第1の直流電圧Vpfcを入力電圧Viより小さな電圧に変換できない。実施例1では、
PFCとして、
図1に示されたPFC30のような降圧形の
PFCの方が好適である。
【0014】
LLC40は、PFC30から入力されたDC電圧Vpfc、及びDC電流Ipfcをスイッチングし、スイッチングされたDC電圧Vpfc及びDC電流Ipfcを直列共振により電圧変換させた後、整流して第2のDC電圧Vo及び第2のDC電流Ioを出力する回路である。このLLC40は、2つのスイッチ42a,42b、直列共振用のコンデンサ43、インダクタ44、変換トランス45、整流用ダイオード46、平滑用コンデンサ47及び出力電流を計測する電流検出回路48と、その2つのスイッチ42a,42bをオンオフ制御するLLC制御回路41等とから構成されている。LLC40の出力端子には、蓄電池21が接続されるようになっている。LLC40の出力端子に蓄電池21が接続された場合、電流検出回路48は、スイッチング電源20から蓄電池21へ供給される充電電流を計測する。
【0015】
PFC30及びLLC40には、予備充電制御回路60が接続されている。予備充電制御回路60は、蓄電池21の端子間電圧値Vbattに基づいて予備充電が必要か否かを判定し、判定結果に従った
充電制御信号S60
(例えば、第1の充電制御信号S60a又は第2の充電制御信号S60b)をPFC30へ与える回路である。
【0016】
図2は、
図1中の予備充電制御回路60の例を示すブロック図である。
予備充電制御回路60は、蓄電池21の端子間電圧Vbattを計測して端子間電圧信号S61を出力する電圧検出回路61と、端子間電圧信号S61に基づいて予備充電が必要か否かを判定
し、この判定結果S62(例えば、予備充電が必要な場合はLレベルの第1の判定結果S62a、予備充電が不要な場合はHレベルの第2の判定結果S62b)を出力する予備充電判定部62と、
Lレベルの第1の判定結果S62aを入力した場合にはPFC30の出力を予備充電制御電圧Vyに設定するための
第1の充電制御信号S60aを出力する充電制御
信号出力部63と、から構成されている。充電制御
信号出力部63は、
Hレベルの第2の判定結果S62bを入力した場合にはPFC30の出力を通常充電制御電圧Vsに設定するための第2の充電制御信号S60bを出力する。
【0017】
図3は、
図2中の予備充電判定部62の例を示す回路図である。
予備充電判定部62は、例えば、比較器としてのコンパレータ62aと、コンパレータ62aのマイナス側入力端子に接続された予備充電判定電圧V1の基準電圧源62bと、コンパレータ62aの出力を、DCの電源電圧Vccでプルアップする抵抗62cと、を有し、コンパレータ62aのプラス側入力端子に電圧検出回路61が出力する端子間電圧信号S61が入力される構成になっている。コンパレータ62aの出力からは、予備充電判定部62の判定結果S62として、
Lレベルの第1の判定結果S62a又はHレベルの第2の判定結果S62bが充電制御
信号出力部63へ与えられる。
【0018】
図4は、
図2中の充電制御信号出力部63の例を示す回路図である。
充電制御信号出力部63は、例えば、予備充電判定部62からの判定結果S62がベースに入力され、エミッタが接地されたNPNトランジスタ63aと、このNPNトランジスタ63aのコレクタに一端が接続された抵抗値R3の抵抗63bと、により構成されている。
【0019】
図4中のPFC制御回路31は、第1のDC電圧Vpfcと接地電位との間に抵抗値R1の抵抗31aと抵抗値R2の抵抗31bが直列接続されており、この抵抗31aと抵抗31bとの接続点に、充電制御信号出力部63中の抵抗63bの一端が接続されている。更に、抵抗31aと抵抗31bとの接続点は、誤差増幅器31dの一方の入力端子に接続されている。誤差増幅器31dの他方の入力端子には基準電圧Vdが入力されている。誤差増幅器31dは、入力端子間の誤差電圧を増幅して出力する増幅器であり、この誤差増幅器31dの出力がスイッチング制御部31eに接続されている。スイッチング制御部31eは、誤差増幅器31dから入力される出力信号に応じて、
図1中の
スイッチ32へスイッチング信号を出力するものである。
【0020】
(実施例1の動作)
本発明の実施例1の動作を、(I)比較例の構成及び動作と、(II)実施例1の動作と、(III)実施例1における充電制御の処理と、に分けて説明する。
【0021】
(I) 比較例の構成及び動作
図5は、比較例のスイッチング電源装置20Aの構成の概略を示すブロック図であり、実施例1を示す
図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0022】
比較例のスイッチング電源装置20Aは、実施例1と異なる昇圧型のPFC30Aと、実施例1と同様の
AC電源10、入力部11、蓄電池21、LLC40A、電流検出回路48、及び電圧検出回路49と、新たに追加された予備充電回路80と、により構成されている。
【0023】
PFC30Aは、入力部11の一方の端子とインダクタンス36の一方の端子が接続され、このインダクタンス36の他方の端子には、スイッチング素子37の一方の端子及び整流用ダイオード38のアノードが接続されている。整流用ダイオード38のカソードには、整流したDC電圧及びDC電流の平滑用コンデンサ39の正極が接続されている。整流用ダイオード38のカソードと平滑用コンデンサ39の正極との接続点が、PFC30Aのプラス側の出力端子を形成している。平滑用コンデンサ39の負極は、スイッチング素子37の他方の端子及び入力部11の他方の端子に接続され、これらの接続点がPFC30Aのマイナス側の出力端子を形成している。
【0024】
図6は、
図1中のLLC40及び
図5中のLLC40Aの出力電圧Voとスイッチング周波数fswとの関係を示す図である。
【0025】
図6中の曲線Q1は、
図
1に示されたLLC40のスイッチング周波数fswに対する出力電圧Voの特性を示している。図
1に示されたLLC40のスイッチング周波数fswに対する出力電圧Voの特性は、曲線Q1のようになるため、スイッチング周波数fswを高くしていっても、予備充電判定電圧V1まで電圧を下げることができない。
【0026】
これに対して、
図5に示された比較例のスイッチング電源装置20Aでは、LLC
40Aの後段に、予備充電回路80を追加して、出力電圧Voを予備充電判定電圧V1まで下げている。
【0027】
図7(a),(b)は、
図5中の予備充電回路80の例を示す回路図である。
図7(a)には、ドロッパタイプの予備充電回路80が示されている。このドロッパタイプの予備充電回路80により、
図5中のLLC40Aの出力電圧Voを予備充電判定電圧V1まで下げると、熱損失が大きくなり、スイッチング電源装置20Aの効率が低下する。
【0028】
図7(b)には、降圧コンバータタイプの予備充電回路80が示されている。この降圧コンバータタイプの予備充電回路80により、
図5中のLLC40Aの出力電圧Voを予備充電判定電圧V1まで下げると、ドロッパタイプの予備充電回路80よりも損失は小さく、スイッチング電源装置20Aの効率の低下は少ないが、部品点数が増加する。
【0029】
そこで、本発明の実施例1では、
図1〜
図4に示されたようなスイッチング電源装置20の構成を採用して、予備充電回路80を追加することなく、
図6に示された曲線Q2の特性を実現するようにしている。
【0030】
(II) 実施例1の動作
図1〜
図4に基づいて、実施例1のスイッチング電源装置の動作を説明する。
【0031】
通常充電時には、
図3において、電圧検出回路61から予備充電判定部62へ与えられる端子間電圧信号S61は、予備充電判定電圧V1以上であるため、予備充電判定部62内のコンパレータ62aの出力である判定結果S62は、Hレベル
の第2の判定結果S62bとなる。
【0032】
図4において、充電制御
信号出力部63内のNPNトランジスタ63aのベースに、Hレベルの判定結果S62が与えられると、NPNトランジスタ63はオン状態となり、抵抗値R3の抵抗63bが接地され、PFC制御回路31内の抵抗値R2の抵抗31bと並列接続となる。このとき、誤差増幅器31dの入力端子に入力される入力電圧Vinは、
Vin={(R2//R3)/[R1+(R2//R3)]}・Vpfc・・・(1)
となる。
【0033】
図1中のPFC制御回路31→スイッチ32→Vpfc→PFC制御回路31のループは、
図4中の誤差増幅器31dの入力端子間の誤差が零に近づくように動作するので、誤差増幅器31dの2つの入力電圧を等置することができ、
Vd={(R2//R3)/[R1+(R2//R3)]}・Vpfc ・・・(2)
即ち、通常充電時の第1のDC電圧Vpfcである通常充電制御電圧Vsは、
Vs={[R1+(R2//R3)]/(R2//R3)}・Vd ・・・(3)
となるように、PFC制御回路31のループにより制御される。
【0034】
通常充電時には、
図1中のLLC40のスイッチング周波数fswと出力電圧Voとの関係は、
図6に示された曲線Q1の特性となり、LLC制御回路41により、スイッチング周波数fswが曲線Q1と通常充電電圧V2の交点における周波数に制御される。
【0035】
予備充電時には、
図4において、充電制御
信号出力部63中のNPNトタンジスタ63aのベースには、Lレベル
の第1の判定結果S62aが入力されるので、NPNトタンジスタ63aはオフ状態となり、誤差増幅器31dの入力端子に入力される入力電圧Vinは、
Vin={R2/(R1+R2)}・Vpfc ・・・(4)
となる。
【0036】
図1中のPFC制御回路31→スイッチ32→Vpfc→PFC制御回路31のループは、
図4中の誤差増幅器31dの入力端子間の誤差が零に近づくように動作するので、誤差増幅器31dの2つの入力電圧を等置することができ、予備充電時の第1のDC電圧Vpfcである予備充電制御電圧Vyは、
Vy={(R1+R2)/R2}・Vd ・・・(5)
となるように、PFC制御回路31のループにより制御される。
【0037】
予備充電時には、
図1中のLLC40のスイッチング周波数fswと出力電圧Voとの関係は、
図6に示された曲線Q2の特性となり、LLC制御回路41により、スイッチング周波数fswが曲線Q1と予備充電電圧V1の交点における周波数に制御される。
【0038】
図8は、
図3及び
図4の予備充電判定結果と第1のDC電圧の関係を示す図である。
図8において、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上の場合、判定結果S62はHレベル
の第2の判定結果S62bとなり、通常充電の判定結果となる。通常充電の場合の第1のDC電圧Vpfcが通常充電制御電圧Vs={[R1+(R2//R3)]/(R2//R3)}・Vdとなる。通常充電の場合の出力電圧VoはV2となる。
【0039】
一方、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1未満の場合、判定結果S62はLレベル
の第1の判定結果S62aとなり、予備充電の判定結果となる。予備充電の場合の第1のDC電圧Vpfcが予備充電制御電圧Vy={(R1+R2)/R2}・Vdとなる。予備充電の場合の出力電圧VoはV1となる。
【0040】
(III) 実施例1における充電制御の処理
図9(a)は、蓄電池21の充電時間に対する端子間電圧値Vbattの時間的推移を示す図であり、
図9(b)は、蓄電池21の充電時間に対する充電電流値Ibattの時間的推移を示す図であり、
図9(c)は、蓄電池21の充電時間に対する第1のDC電圧Vpfcの時間的推移を示す図である。
【0041】
蓄電池21の端子間電圧値Vbattが予備充電判定電圧V1未満の予備充電期間Tyにおいては、充電電流値Ibattは予備充電電流Iyを示している。予備充電期間Tyにおける第1のDC電圧Vpfcは、予備充電制御電圧Vyである。
【0042】
予備充電が継続し、蓄電池21の端子間電圧値Vbattが予備充電判定電圧V1以上になると、第1のDC電圧Vpfcは、予備充電制御電圧Vyから通常電圧制御電圧Vsへ切り替えられ、それに伴い、充電電流値Ibattが予備充電電流Iyから通常充電電流Isに変化して、通常充電期間Tsへ移行する。
【0043】
通常充電期間Tsにおいて、蓄電池21の端子間電圧値Vbattは、予備充電判定電圧V1からV2へ上昇して行く。蓄電池21の端子間電圧値VbattがV2に達すると、充電電流値Ibattは、除々に減少して行く。
【0044】
図10は、本発明の実施例1の充電制御処理を示すフローチャートである。
図1〜
図4、
図6、
図8、及び
図9を参照しつつ、
図10に示されたフローチャートに基づいて、本発明の実施例1のスイッチング電源装置20における充電制御処理について説明する。
【0045】
図1、
図2において、LLC40の出力に蓄電池21が接続されると、予備充電制御回路60における充電制御の処理が開始され、ステップST1へ進む。ステップST1において、電圧検出回路61は、蓄電池21の端子間電圧Vbattを計測して、端子間電圧信号S61を予備充電制御回路60内の予備充電判定部62へ与え、ステップST2へ進む。
【0046】
ステップST2において、
図3中の予備充電判定部62内のコンパレータ62aは、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1未満か否かを判定し、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1未満であれば(Y)、ステップST3へ進み、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上であれば(N)、ステップST7へ進む。
【0047】
ステップST3において、
図4中の充電制御
信号出力部63内のNPNトランジスタ63aは、
図3中の予備充電判定部62からLレベルの判定結果S62が入力され、オフ状態となり、PFC30の出力する第1のDC電圧Vpfcを値が予備充電制御電圧Vyになるように制御され、その後、LLC40が起動され、LLC40のスイッチング周波数fswが制御され、LLC40の出力電圧Voとして、V1が蓄電池21に印加し、予備充電電流Iyを蓄電池21へ供給し、ステップST4へ進む。
【0048】
ステップST4において、
図1中の電圧検出回路61は、蓄電池21の端子間電圧Vbattを計測して、端子間電圧信号S61を予備充電制御回路60内の予備充電判定部62へ与え、ステップST5へ進む。ステップST5において、
図3中の予備充電判定部62内のコンパレータ62aは、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上か否かを判定し、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上(Y)となるまで、ステップST4、ST5の処理を繰り返し、端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上であれば(Y)、ステップST6へ進む。
【0049】
ステップST6において、
図4中の充電制御
信号出力部63内のNPNトランジスタ63aは、
図3中の予備充電判定部62から入力される判定結果S62がLレベルからHレベルに切り替わるに伴い、オン状態となる。NPNトランジスタ63aがオン状態になると、PFC30の出力する第1のDC電圧Vpfcの値が通常充電制御電圧Vsになるように制御される。第1のDC電圧Vpfcの値が通常充電制御電圧Vsに近づくにつれて、LLC40の出力電圧VoがV2となり、この電圧V2が蓄電池21に印加され、通常充電電流Isを蓄電池21へ供給し、充電制御の処理が終了する。
【0050】
ステップST7において、
図4中の充電制御
信号出力部63内のNPNトランジスタ63aは、
図3中の予備充電判定部62からHレベルの判定結果S62が入力され、オン状態となり、PFC30の出力する第1のDC電圧Vpfcを値が通常充電制御電圧Vsになるように制御され、その後、LLC40が起動され、LLC40のスイッチング周波数fswが制御され、LLC40の出力電圧Voとして、電圧V2を蓄電池21に印加し、通常充電電流Isを蓄電池21へ供給し、充電制御の処理が終了する。
【0051】
図10に示されたフローチャートの充電制御処理に従った充電電圧Vbatt及び充電電流Ibattの時間的推移が、
図9(a),(b)に示されている。
【0052】
(実施例1の効果)
本発明の実施例1のスイッチング電源装置20によれば、予備充電制御回路60により、前記蓄電池21の端子間電圧値Vbattに基づいて予備充電が必要か否かを判定し、
この判定結果
S62に従った充電制御信号S
63を前記
PFC30へ与えている。これにより、スイッチング電源装置20は、比較例のスイッチング電源装置20Aのような予備充電回路80を追加することなく、予備充電回路80を追加することによる熱損失による効率の劣化や部品点数の増加なしに、予備充電のための低電圧かつ低電流での定電流特性を実現できる。
【実施例2】
【0053】
(実施例2の構成)
図11は、本発明の実施例2におけるスイッチング電源装置20Bの構成の概略を示すブロック図であり、実施例1を示す
図1と共通の要素には共通の符号が付されている。
本発明の実施例2のスイッチング電源装置20Bは、実施例1と同様のPFC30及びLLC40と、実施例1の予備充電制御回路60とは構成及び機能が異なる予備充電制御回路60Aと、により構成されている。
【0054】
図12は、
図11中の予備充電制御回路60Aを示すブロック図である。
予備充電制御回路60Aは、実施例1と同様の電圧検出回路61及び充電制御信号出力部63に、実施例1とは機能が異なる予備充電判定部62Aと、新たに追加された種類検出部64及び充電制御情報が格納された充電テーブル65と、により構成されている。
【0055】
種類検出部64は、蓄電池21から与えられる蓄電池信号S21に基づいて、蓄電池21の種類及び予備充電が必要種類か否かを判定する。更に、種類検出部64は、充電テーブル65を参照して、蓄電池21の種類に応じた充電制御情報を取得して、予備充電が必要な種類か否かの情報及び充電制御情報からなる種類検出信号S64を予備充電判定部62Aへ与えるものである。予備充電判定部62Aは、種類検出部64から与えられた種類検出信号S64により、予備充電が必要な種類の場合に、端子間電圧信号S61から予備充電が必要か否かを判定するものである。
【0056】
例えば、蓄電池21の種類やセル数に応じて電池パックの形状を変え、電池パックの形状に応じて蓄電池21の種類やセル数の情報を表す方法や、蓄電池21に正極と負極以外に識別端子を設け、負極と識別端子と間に蓄電池21の種類やセル数に応じて異なる抵抗値を接続する方法等の公知の方法により、蓄電池21から蓄電池信号S21を得ることができる。
【0057】
図13は、
図12中の充電テーブル65の例を示す図である。
図13に示された充電テーブル65の例では、蓄電池21の種類A,B,Cに対応した予備充電判定電圧値V1、予備充電電流値Iy、通常充電電流値Isが格納されている。
【0058】
図13において、種類がA,B,Cは、予備充電が必要な電池であり、種類A,B,Cの予備充電判定電圧V1は、それぞれ2.0V,4.0V,6.0Vである。種類A,B,Cの予備充電電流Iyは、それぞれ50mA,70mA,130mAである。更に、種類A,B,Cの通常充電電流Isは、それぞれ2.0A,2.5A,3.0Aである。
【0059】
図13において、種類Dは、予備充電が不要な電池であり、種類Dの通常充電電流Isは、3.0Aである。
図13において示した予備充電判定電圧V1、予備充電電流値Iy、及び通常充電電流Isの値は、本発明の実施例2の構成を説明するため仮の値である。予備充電判定電圧V1、予備充電電流値Iy、及び通常充電電流Isの実際の値は、蓄電池21の種類及びセル数により個別に設計され、又は実験により決定される。
【0060】
(実施例2の動作)
図14は、本発明の実施例2の充電制御処理を示すフローチャートである。
【0061】
図11〜
図13を参照しつつ、
図14に基づいて、実施例2の充電制御の処理を説明する。
図11において、LLC40の出力に蓄電池21が接続されると、予備充電制御回路60Aにおける充電制御の処理が開始され、ステップST21へ進む。ステップST21において、
図12中の種類検出部64は、蓄電池21から入力される蓄電池信号S21に基づいて、蓄電池21の種類を検出し、ステップST22へ進む。
【0062】
ステップST22において、種類検出部64は、充電テーブル65を参照して、蓄電池21の種類に応じた充電制御情報を読み出し、ステップST23へ進む。ステップST23において、種類検出部64は、予備充電が必要な蓄電池か否かを判定し、必要な場合は(Y)、ステップST1へ進み、必要でない場合は(N)、ステップST7へ進む。
図13において、電池の種類がAであれば、予備充電が必要であるので、ステップST1へ進み、電池の種類がDであれば、予備充電が不要であるので、ステップST7へ進む。
【0063】
ステップST1に進むと、ステップST1〜ST5において、実施例1と同様の処理が行われ、ステップST6へ進む。但し、
図14中のステップST2及びST5において、端子間電圧信号S61と、
図13に示された蓄電池の種類に応じて変更された予備充電判定電圧V1とが比較される。
【0064】
ステップST5において電池21の端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上の場合(Y)に、ステップST6へ進み、ステップST6において、充電制御信号出力部63は、
図4中のトランジスタ63aをオン状態にして、抵抗63bをプルダウンして、PFC30の出力する第1のDC電圧Vpfcを通常充電制御電圧Vsに設定し、予備充電制御回路60Aにおける充電制御の処理を終了する。
【0065】
ステップST23において予備充電が不要な種類と判定された場合(N)、及びステップST2において蓄電池21の端子間電圧信号S61が予備充電判定電圧V1以上の場合(N)は、ステップST7へ進み、ステップST7において、実施例1と同様に、第1のDC電圧Vpfcが通常充電制御電圧Vsに設定され、その後、LLC40が起動され、予備充電制御回路60Aにおける充電制御の処理を終了する。
【0066】
(実施例2の効果)
本発明の実施例2によれば、実施例1の構成に加え、新たに追加された種類検出部64及び充電テーブル65により、予備充電が必要な蓄電池か否かを判定し、必要な場合のみ、第1のDC電圧Vpfcを予備充電制御電圧Vyに設定している。これにより、蓄電池21が予備充電が不要な蓄電池である場合は、直ちに、第1のDC電圧Vpfcを通常充電制御電圧Vsに設定して、電源を起動するので充電時間を短縮することができる。
【0067】
(変形例)
本発明は、上記実施例1、2に限定されず、種々の利用形態や変形例が可能である。この利用形態や変形例として、例えば、次の(1)〜(3)のようなものがある。
【0068】
(1) 実施例1、2では、電圧検出回路61から出力される端子間電圧信号S61と予備充電判定電圧V1を比較して予備充電が必要か否かを判定する予備充電判定部62として、コンパレータ62aを用いたアナログ回路例を紹介したが、予備充電判定部62はアナログ回路に限定されない。例えば、端子間電圧信号S61と予備充電判定
電圧V1の関係を示す情報を保持し、この情報を用いて、端子間電圧信号S61と予備充電判定
電圧V1とを比較し、この比較結果に基づいて、予備充電が必要か否かを判定するように
しても良い。
【0069】
(2) 実施例1、2の説明では、PFC30の出力電圧Vpfcを通常充電制御電圧Vs又は予備充電制御電圧Vyに設定する手段として、トランジスタ63aと抵抗63bを用いたアナログ回路の例を示したが、通常充電時と予備充電時とで、誤差増幅器31dの一方の入力端子に加える基準電圧Vdの値をプログラムにより変更するようにしても良い。
【0070】
(3) 実施例1では、予備充電判定部62は、端子間電圧信号S61のみに基づいて、予備充電が必要か否かを判定する例を説明したが、電流検出回路48の電流検出結果も加味して、予備充電が必要か否かを判定するようにしても良い。電流検出結果を加味して予備充電が必要か否かを判定するようにすれば、予備充電が必要な蓄電池21の劣化をより確実に回避することができる。