(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記映像処理条件を決定するステップは、検出された前記フレア領域に適用されるガンマ曲線、ゲイン、及びオフセットのうち、少なくとも1つの条件を決定するステップを含む、請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載のイメージ処理装置のイメージ処理方法。
前記レンズから基準ポイントスプレッド関数を導出し、導出した前記基準ポイントスプレッド関数を用いて前記フレア領域に適用される補正ポイントスプレッド関数を算出する制御部をさらに含む、請求項9〜12のいずれか一項に記載のイメージ処理装置。
前記画質補償部は、各々の前記隣接領域に対して算出された補正ポイントスプレッド関数及び前記基準ポイントスプレッド関数を用いてコンボリューションを遂行する、請求項16に記載のイメージ処理装置。
【背景技術】
【0002】
一般住宅を始めとしてデパート、銀行、展示場、工場などの室内外に備えられる監視カメラ(CCTV:Closed Circuit Television)は盗難を防止し、機械の作動状態または工程の流れや状況判断などのために多様に用いられている。
【0003】
監視カメラは、特定の場所に設置されて該当場所で行われる全ての状況を遠隔地でモニタリングすることを目的として用いられており、このために映像送出機及び、映像送出機から送信された信号を受信して表示装置に提供する表示部などを含む。
【0004】
一方、一般的にディジタルカメラはその構造において一般的なカメラの光学方式及びメカニズムを用いるという点で似ているが、フィルムの代わりにCCD(Charge Coupled Device)というイメージセンサーで画像を取り込み、その信号をディジタルデータに変換し、グラフィックファイルでメモリに格納する方法を採るという点で違いがある。
【0005】
このようなディジタルカメラは、撮影した画像を、ディスプレイ画面を通じて直ちに確認することができ、コンピュータによる編集、出力など、多様な資料の処理が可能であり、必要時には複雑なフィルム現像及び印画工程無しで、直ちにプリンタで印刷できるので、広く活用されている。
【0006】
図1は従来技術によるカメラを概略的に説明する図であり、
図2は従来技術による映像の状態を示す図であり、
図3は従来技術による光の状態を示す図であり、
図4は従来技術によるカメラを用いて撮影された映像を示す図である。
【0007】
図1を参照すると、カメラは少なくとも1つの面に回折光学素子(DOE:diffractive-optical element)が適用された負の屈折能を有する第1レンズ1と、少なくとも1つの面に回折光学素子が適用された正の屈折能を有する第2レンズ2と、第1レンズ1と第2レンズ2との間で光量調節の機能をする絞り3と、第2レンズ2とイメージセンサー5の結像面との間で低周波帯域を通過させ、ナイキスト(Nyquist)周波数以上の高周波数領域を遮断する光学的フィルタ(OLPF:Optical Low Pass Filter)4と、から構成される。
【0008】
しかしながら、
図2に示すように、回折光学素子が適用されたレンズを使用すると、イメージセンサー5の結像面に映像が正確に結ばれる1次光以外に、0次または2次光のような雑光が結ばれ、これによって映像フレア現象が発生するという問題がある。
【0009】
即ち、
図3に示すように、1次光を中心として、2次光及び0次光がグラフのような形態に発生し、1次光の強度が大きくなるにつれて0次及び2次光の強度も大きくなる。
【0010】
言い換えると、回折光学素子を用いてレンズを製作すれば、
図4に示すような映像が表出され、表出される映像には光源の周囲にフレアが形成されて画質劣化の原因となる。
【0011】
このようなフレアは、0次及び2次のような光が結像面に正確に結ばれないことにより作られ、フレアを低減させるために明るさを減少させると、暗い部分の階調が埋もれるようになって、更に他の画質劣化の原因となる。
【0012】
このことから、映像フレア現象を低減させて画質の劣化を防止できる技術が必要とされている。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図5は、本発明の実施形態によるイメージ処理装置を説明する図である。
【0025】
図5を参照すると、イメージ処理装置100は、レンズ部110、イメージセンサー120、第1映像処理部130、第2映像処理部140、表示部150、格納部160、入力部170、及び制御部180を含む。
【0026】
レンズ部110は、光学系(OPS)であって、フィルタを含んでもよく、撮影される映像の光を光学的に処理する。レンズ部110は被写体の光学像がイメージセンサー120に結ばれるようにする。
【0027】
レンズ部110は、ズームレンズ(図示せず)とイメージセンサー120に結ばれる光学上の焦点を合せるために光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ(図示せず)を含んで構成される。
【0028】
即ち、レンズ部110はユーザが撮影しようとする被写体に対する映像を獲得する。
【0029】
より詳しくは、レンズ部110は少なくとも一面が回折光学素子からなる凹レンズで構成される第1レンズグループと、少なくとも一面が回折光学素子からなる凸レンズで構成される第2レンズグループと、を含むことができる。
【0030】
第1レンズグループは、広い視野角及び充分な後焦点距離(BFL:Back Focal Length)を有するように負(−)のパワーを有する凹レンズである。また、第1レンズグループは一面が非球面であり、少なくとも他の一面が回折光学素子として設計されるが、回折光学素子が形成された面の分散が負の符号を有するため、軸上の色収差を容易に補正しながらもパワーの一部を負担するので、レンズの形状をある程度緩慢にすることができる。
【0031】
また、凸レンズ形状の第2レンズグループは、正(+)のパワーを有し、少なくとも一面が非球面であり、また少なくとも一面が回折光学素子で構成されて凹レンズ形状の第1レンズグループで入射された映像情報を収斂させる。
【0032】
イメージセンサー120は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)やCCDで構成される。
【0033】
イメージセンサー120は、多数の光検出器が各々の画素として集積された形態を有し、被写体の映像情報を電気的データに変換させて出力する。
【0034】
即ち、イメージセンサー120は、レンズ部110を通過した被写体のイメージを感知する。感知されたイメージは遠隔地にいるユーザに転送できる。
【0035】
イメージセンサー120は、レンズ部110を通じて入力される光量を蓄積し、その蓄積された光量によってレンズ部110で撮影された映像を垂直同期信号に合せて出力する。
【0036】
映像の獲得は、被写体から反射されて出る光を電気的な信号に変換させるイメージセンサー120によりなされる。
【0037】
イメージセンサー120を用いてカラー映像を得るためにはカラーフィルタを必要とし、大部分はCFA(Color Filter Array)というフィルタ(図示せず)を採用している。CFAは1ピクセル毎に1色の光のみを通過させ、規則的に配列された構造を有し、配列構造によって多様な形態を有する。
【0038】
第1映像処理部130は、イメージセンサー120で獲得された映像をフレーム単位で分析し、分析結果に従って映像の画質を補償して出力する。
【0039】
より詳しくは、第1映像処理部130はイメージセンサー120で獲得された映像の中にフレアが発生した領域を確認する。そして、第1映像処理部130は確認したフレア発生領域の映像処理条件を変更して、フレア発生領域の画質を補償する。
【0040】
この際、第1映像処理部130は第1実施形態による画質補償方法を用いて画質を補償することができ、あるいは、これに代えて、第2実施形態による画質補償方法を用いて画質を補償することもできる。
【0041】
第1及び2実施形態による画質補償方法については、以下にさらに詳細に説明する。
【0042】
第2映像処理部140は、ISP(Image Signal Processor)と称され、第1映像処理部130を通じて出力される映像信号をフレーム単位で処理する。
【0043】
表示部150は後述する制御部180の制御によって撮影された映像を表示し、写真撮影時に、必要な設定画面やユーザの動作選択のための画面を表示する。
【0044】
また、実施形態に従ってプリビューキー入力時に、プリビュー画面を表示し、撮影キー入力時に、ポップ−アップされるポップ−アップ画面や、予め設定されたアニメーションあるいは映像を表示する。
【0045】
格納部160は、イメージ処理装置100が動作するために必要なデータを格納する。
【0046】
また、実施形態に従って格納部160は、撮影キー入力時に、表示部150を通じて表示するポップ−アップ画面やアニメーションあるいは映像を格納する。
【0047】
格納部160は、フラッシュメモリタイプ、ハードディスクタイプ、マルチメディアカードマイクロタイプ、カードタイプのメモリ(例えば、SDまたはXDメモリ等)、RAM、ROM(EEPROM等)のうち、少なくとも1つのタイプの格納媒体を含むことができる。
【0048】
入力部170は、ユーザの入力を受信して制御部180に伝達する。
【0049】
表示部150がタッチスクリーンとして具現された場合には、表示部150が同時に入力部170として動作することができる。
【0050】
実施形態に従って、入力部170は撮影を遂行するための撮影キーと、プリビュー画面を表示するためのプリビューキーと、をさらに含むことができる。
【0051】
制御部180は、カメラの各構成を制御する。
【0052】
実施形態において、制御部180は第1映像処理部130により画質補償がなされるように制御し、それによって画質補償によりフレアが除去された映像が表示部150を通じて出力されるようにする。
【0053】
図6は、
図5に図示された第1映像処理部の詳細構成図である。
【0054】
図6を参照すると、第1映像処理部130は、領域分割部131、ヒストグラム分析部132、フレア領域検出部133、画質補償部134、及び映像出力部135を含む。
【0055】
以下、本発明の実施形態に従って第1映像処理部で遂行される動作について説明する。
【0056】
以下に説明される第1実施形態と第2実施形態は、フレア除去のためのイメージ処理を遂行する目的は同一であるが、イメージ処理を遂行するためのフレア領域検出方法及び検出されたフレア領域のイメージ処理条件は互いに異なる。
【0057】
即ち、第1実施形態では、ガンマ曲線、ゲイン、及びオフセットなどのイメージ処理条件を変更してフレアを除去するようにするが、第2実施形態ではポイントスプレッド関数を含むイメージ処理条件を変更してフレアを除去する。
【0058】
以下、第1及び2実施形態についてより具体的に説明する。
【0059】
(第1実施形態)
領域分割部131は、イメージセンサー120を通じて出力される映像を受信し、受信された映像をフレーム単位で出力する。
【0060】
この際、領域分割部131はフレーム単位の映像を複数の領域に分割する。
【0061】
分割される領域の数は実施形態に従って変えることができる。この際、分割される領域の数が増加すれば、それに従う計算量は増加するが、より正確な画質補償を遂行することができるという長所がある。
【0062】
図7は、本発明の第1実施形態による領域分割部により分割される映像を説明する図である。
【0063】
即ち、
図7に示すように、領域分割部131は入力されるフレーム単位の映像700をN*M個の領域710に分割して出力する。
【0064】
ヒストグラム分析部132は、領域分割部131を通じて出力される映像を受信し、それによって領域分割部131を通じて分割された各領域のヒストグラム特性を分析する。
【0065】
ここで、ヒストグラム特性は、頻度数、ピーク個数、ピーク距離、及びピーク幅を含む。一般に、ヒストグラムは映像の中でピクセルに対する明暗値の分布を表したものである。即ち、これは映像の中に明るいピクセルと暗いピクセルが分布する時、その範囲と値を表現したものであって、これをグラフで表したものをヒストグラムグラフという。例えば、256階調の映像で明暗値の範囲は0乃至255の値を有し、各明暗値(レベルの頻度数)がグラフの高さで示される。ヒストグラムは多くの映像情報を有しており、多様な映像処理に用いられる。
【0066】
また、本発明の好ましい実施形態において、ヒストグラムを分析することにより映像の特性が分かる。
【0067】
フレア領域検出部133は、ヒストグラム分析部132で分析した各領域の特性を用いてフレア領域を検出する。
【0068】
図8は、本発明の実施形態によるフレア領域検出過程を説明するための図である。
【0069】
図8を参照すると、フレア領域検出部133は、分割された領域のうち、第1領域(810)に対するフレアが発生するか否かを確認する。
【0070】
即ち、フレア領域検出部133は第1領域(810)に含まれたピクセルのうち、最も明るいピクセルのレベル値と、第1領域(810)に含まれたピクセルのうち、最大明るさ値(255レベル)を有するピクセル数を確認する。
【0071】
この際、最大明るさ値を有するピクセル数が既定の基準値以上であれば、フレア領域検出部133は第1領域をフレアが発生したフレア領域と判断する。
【0072】
言い換えると、フレア領域検出部133は最大明るさ値である255レベルを有するピクセルの数が既定の基準値より多い領域をフレアが発生した領域と判断する。
【0073】
フレア領域判断のための基準値は、実施形態に従って多様な値とすることができる。例えば、映像の実際の明るさが最大明るさ値(255レベル)の場合と、上記のようにフレアが発生することによって画質劣化が発生して、映像の明るさが最大明るさ値(255レベル)を有する場合とを区分しなければならない。言い換えると、特定領域に含まれたピクセルが最大明るさ値を有する場合、ピクセルが元の最大明るさ値を有するものであるのか、あるいはフレアにより最大明るさ値を有するようになったのかを区別しなければならない。
【0074】
この際、上記の区別は最大明るさ値を有するピクセルの連続性によって判断することができる。
【0075】
例えば、基準値を100に設定することができ、これによって特定領域に対して最大明るさ値(255レベル)が100ピクセル以上の連続性を有する場合には、フレアによって上記領域に画質劣化が発生したものと判断する。
【0076】
また、特定領域に対して最大明るさ値が100ピクセル未満の連続性を有する場合には、特定領域が有する実際の明るさが最大明るさ値(255レベル)を有しているものと見なす。これは、実際の明るさ値が255レベルであり、このような最大明るさ値(255レベル)が100ピクセル以上の連続性を有するような物体は稀であるという仮定の下で具現される。
【0077】
フレア領域検出部133は、第1領域(810)がフレア領域であれば、第1領域(810)の隣接領域を分析し、隣接領域の明るさの程度を確認する。
【0078】
隣接領域は、第1領域(810)の上に隣接している第2領域(820)、第1領域(810)の左側に隣接している第3領域(830)、第1領域(810)の下に隣接している第4領域(840)、及び第1領域(810)の右側に隣接している第5領域(850)を含むことができる。
【0079】
これによって、フレア領域検出部133は、第2乃至5領域(820、830、840、850)に対して最も明るいピクセルのレベル値と、最大明るさ値(255レベル)を有するピクセルの数を用いて隣接領域の状態を確認する。
【0080】
この際、隣接領域もフレア領域と見なすと、フレア領域検出部133は第1領域(810)がフレア領域全体で中央部分に位置したものと見なすことができる。
【0081】
即ち、第1領域(810)でフレアが発生し、フレアが、白色が(太陽の中心のように)ぎっしり詰まった映像であれば、第1領域(810)はフレア領域全体の中心部に位置しているものと判断する。この際、第1領域はフレア発生の原因となった撮影物体(例えば、白熱灯)であると確認できる。
【0082】
しかしながら、フレア領域検出部133は、隣接領域はフレア領域でないが、自身はフレア領域である場合を用いて、フレア領域全体のうち縁に位置した縁領域(860)を検出する。
【0083】
例えば、A領域のフレアの程度が弱く(例えば、最大明るさ値を有するピクセルの数が全ピクセル数の60%位)、A領域の特定隣接領域(例えば、上に隣接した隣接領域)のフレアの程度が激しく(例えば、最大明るさ値を有するピクセルの数が全ピクセル数の90%位)であり、A領域の他の隣接領域(例えば、横や下に隣接した隣接領域)にはフレアが発生しなかった場合は、A領域はフレア領域全体のうち縁に位置した領域であると見なすことができる。
【0084】
画質補償部134は、フレア領域検出部133を通じて縁領域(860)が検出されると、検出された縁領域のガンマ曲線や、ゲイン、及びオフセットのうち、少なくとも1つの条件を変更して画質補償を遂行する。
【0085】
図9は、本発明の第1実施形態によるガンマ曲線の変化を示す図である。
【0086】
図9を参照すると、上に描かれたグラフは一般的に適用されるガンマ曲線グラフである。
【0087】
この際、画質補償部134はフレア領域の縁領域が検出されると、一般的に適用されるガンマ曲線を変更して、縁領域に適用されるガンマ曲線を決定する。
【0088】
即ち、縁領域の明るさを減少させるために、
図9の下に描かれたグラフのように一般的に適用されるガンマ曲線の傾きを減少させる。
【0089】
この際、傾きの減少の程度は、縁領域のフレアの程度によって決定される。
【0090】
例えば、第1縁領域(最大明るさ値を有するピクセル数が全ピクセル数の50%の領域)と、第2縁領域(最大明るさ値を有するピクセル数が全ピクセル数の80%の領域)に適用されるガンマ曲線の傾きは異なることがある。
【0091】
即ち、第1縁領域に適用されるガンマ曲線の傾きは第2縁領域に適用されるガンマ曲線の傾きより大きいことがある。即ち、フレアの程度が激しくなるにつれて適用されるガンマ曲線の傾きは減少する。
【0092】
映像出力部135は、画質補償部134を通じて画質が補償された映像をフレーム単位で出力する。
【0093】
上記のように、第1実施形態によれば、フレア領域全体のうち、縁に位置した縁領域を確認し、それによって確認した縁領域の画質を補償するようにする。
【0094】
上記では、フレア領域全体のうち、中央部分に位置した領域もフレア領域と見なしたが、実質的に中央部分に位置した領域は光源のような撮影物体領域であり、判断した縁領域のみをフレア領域と判断することが好ましい。
【0095】
これによって、フレア領域と判断した縁領域に対してのみ画質補償を遂行することが好ましい。
【0096】
(第2実施形態)
領域分割部131は、イメージセンサー部120を通じて出力されるイメージを受信し、受信されたイメージを既定の分割条件に従って分割する。
【0097】
分割条件は、イメージの解像度によって変えることができる。
【0098】
ヒストグラム分析部132は、領域分割部131を通じて分割されたイメージを受信し、分割された領域毎にピクセルのヒストグラムを分析する。
【0099】
この際、ヒストグラム分析部132はヒストグラムを分析するために、ピクセルの輝度レベルを確認することができる。
【0100】
即ち、輝度レベルはヒストグラム分析を通じて把握できる。
【0101】
フレア領域検出部133は、ヒストグラム分析部132を通じて検出された分割領域毎の輝度レベルを基準としてフレア領域を検出する。
【0102】
例えば、フレア領域検出部133は最大明るさ値(255レベル)を有するピクセルが既定の基準範囲を超過すれば、該当領域を255領域と決定することができ、それによって255領域の隣接領域をフレア領域として検出することができる。
【0103】
即ち、255領域は第1実施形態で説明したフレア領域全体の中央部分に位置した領域ということができ、255領域の隣接領域は第1実施形態で説明した縁領域ということができる。
【0104】
画質補償部134はフレア領域が検出されると、検出されたフレア領域に対して互いに異なるポイントスプレッド関数を適用して画質補償を遂行する。
【0105】
フレア領域に適用されるポイントスプレッド関数は制御部180により設定され、これに関する具体的な説明は後述する。
【0106】
映像出力部135は、画質補償部134を通じて画質補償がなされたイメージを出力する。
【0107】
図10は、本発明の第2実施形態によるイメージ復元原理を説明するための図である。
【0108】
図10を参照すると、元のイメージ(f[x,y])が特定ポイントスプレッド関数(h[x,y])によってレンズを通過すれば、それに従う撮影イメージ(g[x,y])が生成される。
【0109】
この際、レンズからポイントスプレッド関数の逆数
【0110】
【数1】
を算出して、入力(g[x,y])に対するコンボリューション演算を取得すれば、元の映像を復元することができる。
【0111】
この際、カメラセンサーが飽和する前には上記のようなコンボリューションを遂行するにつれて元の映像を正確に復元することができる。
【0112】
しかしながら、カメラセンサーが飽和した以後には、上記のようなコンボリューションを遂行しても、既にセンサーで飽和がなされたため、あたかもポイントスプレッド関数がh[x,y]でない他の値で適用されたものと同様であり、これによって、
【0113】
【数2】
を適用するとしても正確な元のイメージを復元することができない。これは、強い光源で雑音レベルが高まり、画質が落ちる原因によるものである。
【0114】
これによって、実施形態では飽和がなされてフレア領域が発生したならば、フレア領域は元のポイントスプレッド関数と異なるポイントスプレッド関数が適用されたことを確認し、それによってフレア領域に対しては元のイメージ復元のために適用するポイントスプレッド関数を補正する。
【0115】
以下、イメージ復元過程について、添付した図面を参照してより具体的に説明する。
【0116】
図11乃至15は、本発明の第2実施形態によるイメージ復元過程を説明するための図である。
【0117】
まず、
図11を参照すると、領域分割部131は入力イメージを既定の分割条件に従って複数の領域に分割する。
【0118】
即ち、領域分割部131は入力イメージ1100を第1領域1110と同一の大きさの100個の領域に分割する。
【0119】
この際、図面上にはイメージが100個の領域に分割される場合を例示したが、これは一実施形態に過ぎないものであり、分割された領域数は、これより多い場合もあり、少ない場合もある。
【0120】
次に、
図12を参照すると、ヒストグラム分析部132は領域分割部131を通じて分割された各領域に対し、ピクセル毎の輝度レベルを判断する。
【0121】
輝度レベルは前述したようにヒストグラムの分析によって確認できる。
【0122】
そして、フレア領域検出部133は、輝度レベル判断部132を通じて確認された輝度レベルに対する情報を受信し、それによって既定の数(例えば、100個)以上のピクセルが最大明るさ値(255レベル)を有する領域の存否を判断する。
【0123】
また、フレア領域検出部133は、最大明るさ値(255レベル)を有する領域が存在すれば、領域を255領域(フレア領域の中心領域)として指定する。
【0124】
図12では、入力イメージ1200の上で第1領域(1210)に含まれたピクセルのうち、最大明るさ値(255レベル)を有するピクセルの数が既定の基準値から外れた場合であり、これによって第1領域(1210)は255領域として指定できる。
【0125】
以後、フレア領域検出部133は255領域が確認されると、255領域の隣接領域(1220)(第1実施形態では、縁領域)をフレア領域として指定する。
【0126】
この際、隣接領域(1220)は255領域を中心として、上下左右方向にA番目に位置した領域まで含めることができる。また、図面上には隣接領域(1220)が255領域を中心として、上下左右方向に2番目に位置した領域まで含まれるとしたが、これは一実施形態に過ぎないものであり、隣接領域に含まれる領域の数は、これより多い場合もあり、少ない場合もある。
【0127】
これによって、隣接領域(1220)は255領域を中心として、上下左右方向に最初に位置した領域を含む第1隣接領域(1222)と、2番目に位置した領域を含む第2隣接領域(1224)を含むことができる。
【0128】
図13は、隣接領域に対する明るさ増加率を示す図である。
【0129】
図13を参照すると、ピクセル毎の明るさ増加率は、図面のように255領域で隣接するほど傾きが急激に増加することが分かる。
【0130】
これにより、イメージの飽和度が激しいということが分かり、ポイントスプレッド関数の歪みの程度が大きいということが分かる。
【0131】
これによって、本実施形態では、イメージの飽和の程度、言い換えると255領域と近接するほどポイントスプレッド関数の歪みの程度が激しいので、ポイントスプレッド関数の補償率を高めるようにする。
【0132】
例えば、255領域は歪みが発生しなかったので、元のポイントスプレッド関数をそのまま適用し、255領域の隣接領域は、ポイントスプレッド関数に一定倍数を乗算した補正ポイントスプレッド関数を適用する。また、補正ポイントスプレッド関数は255領域に隣接するほど増加するようになり、それによって最も遠く離れた隣接領域に適用される補正ポイントスプレッド関数は実質的に元のポイントスプレッド関数と同一になる。
【0133】
即ち、
図14を参照すると、実施形態では255領域には元のポイントスプレッド関数、即ち基準ポイントスプレッド関数を適用して元のイメージを復元する。
【0134】
また、255領域に最も近接している第1隣接領域(A)は基準ポイントスプレッド関数に倍数xを乗算した第1補正ポイントスプレッド関数を適用する。
【0135】
また、255領域に2番目に近接している第2隣接領域(B)は基準ポイントスプレッド関数に倍数yを乗算した第2補正ポイントスプレッド関数を適用する。
【0136】
この際、第1補正ポイントスプレッド関数に適用される倍数xは、第2補正ポイントスプレッド関数に適用される倍数yより大きい。即ち、255領域に近いほどポイントスプレッド関数の歪みの程度が激しいので、より高い倍数を乗算して補正ポイントスプレッド関数を算出する。
【0137】
例えば、基準ポイントスプレッド関数を1*PSFとし、第1補正ポイントスプレッド関数を5*PSFとし、第2補正ポイントスプレッド関数を3*PSFとしてもよい。
【0138】
画質補償部134は、基準ポイントスプレッド関数及び補正ポイントスプレッド関数が決定されると、基準ポイントスプレッド関数及び補正ポイントスプレッド関数の逆数を取ってコンボリューションを遂行することによって、フレアが除去された元のイメージを復元する。
【0139】
一方、上記のような方法により補正ポイントスプレッド関数を適用してもよいが、より正確なフレア除去のためにフレア領域として指定された領域をより細分化する作業を遂行することができる。
【0140】
即ち、上記では255領域を中心として隣接した2つの領域までフレア領域として指定され、これによって2つの補正ポイントスプレッド関数が適用された。
【0141】
この場合、フレア除去は可能であるが、フレア除去の満足度を最大限には上げられない場合がある。
【0142】
そのため、本実施形態では
図15のように、フレア領域が指定されると、領域分割部131は指定されたフレア領域に対してより細分化した分割作業を遂行する。
【0143】
即ち、これまでは2つの隣接領域のみフレア領域として指定したが、領域分割部131は2つの領域を5個の領域に細分化して、5個の隣接領域がフレア領域に含まれるようにする。
【0144】
これによって、5個の隣接領域に対する補正ポイントスプレッド関数を算出し、これに対する逆数を取って元のイメージの復元がなされるようにする。
【0145】
即ち、255領域に最も近接している第1隣接領域に第1補正ポイントスプレッド関数を適用し、2番目に近接している第2隣接領域に第2補正ポイントスプレッド関数を適用し、3番目に近接している第3隣接領域に第3補正ポイントスプレッド関数を適用し、4番目に近接している第4隣接領域に第4補正ポイントスプレッド関数を適用し、5番目に近接している第5隣接領域に第5補正ポイントスプレッド関数を適用する。
【0146】
この際、第1補正ポイントスプレッド関数乃至第5補正ポイントスプレッド関数の関係は、255領域から遠ざかるほど小さくなり、255領域から最も遠い領域に適用される補正ポイントスプレッド関数は基準ポイントスプレッド関数とほとんど同一になる。
【0147】
上記のような補正ポイントスプレッド関数を適用してコンボリューションを遂行すれば、
図16のように、実際の光源のような物体の領域はそのまま存在し、その周辺に発生するフレアのみ効果的に除去することができる。
【0148】
また、フレア領域を除外した他の領域に対しては基準ポイントスプレッド関数がそのまま適用されるため、他の領域で発生する画質劣化を防止することができる。
【0149】
上記のような実施形態によれば、映像を分析してフレアが発生した領域を検出し、それによって互いに異なるポイントスプレッド関数を適用してフレアを除去することによって、イメージの画質劣化無しで元のイメージを容易に復元することができる。
【0150】
図17は、本発明の第1実施形態によるイメージ処理装置のイメージ処理方法をステップ毎に説明するフローチャートである。
【0151】
図17を参照すると、まず領域分割部131はイメージセンサー120を通じて出力される映像を受信する(ステップS101)。
【0152】
以後、領域分割部131は受信された映像をフレーム単位に区分し、それによってフレーム単位の映像を複数の領域に分割する(ステップS102)。
【0153】
分割された複数の領域のうち、第1領域(特定領域)がフレア領域か否かを判断するために、第1領域に対する検証過程を遂行する(ステップS103)。
【0154】
ヒストグラム分析部132は、第1領域及び第1領域に隣接している隣接領域のヒストグラムを分析する(ステップS104)。
【0155】
以後、フレア領域検出部133は、ヒストグラム分析部132を通じて分析された第1領域及び隣接領域のヒストグラムを用いて、第1領域がフレア領域であるか否か、及び、第1領域がフレア領域であれば、フレア領域全体のうち、どの部分に第1領域が位置しているかを判断する(ステップS105)。
【0156】
フレア領域検出部133は、領域分割部131を通じて分割された全ての領域に対して上記のような検証過程が遂行されたか否かを判断する(ステップS106)。
【0157】
上記の判断の結果(ステップS106)、検証が遂行されていない領域があれば、次の領域を選択(ステップS105)し、それによって選択された次の領域に対して上記のような過程(ステップS104〜ステップS105)を遂行する。
【0158】
以後、フレア領域が判断されると、フレア領域全体のうち、縁領域に位置した領域の画質補償条件を決定し、それによって決定した画質補償条件を用いて領域の画質補償を遂行する(ステップS108)。
【0159】
図18及び
図19は、本発明の第2実施形態によるイメージ処理装置のイメージ処理方法をステップ毎に説明するためのフローチャートである。
【0160】
まず、
図18を参照すると、イメージが受信されると、受信されたイメージを複数の領域に分割する(ステップS201)。
【0161】
以後、分割された領域の各々に対し、ピクセル毎の輝度レベルを確認する(ステップS202)。
ピクセル毎の輝度レベルが確認されると、領域のうち、255領域の存否を判断する(ステップS203)。
【0162】
即ち、255レベルを有するピクセルの数が既定の基準値以上の領域の存否を判断する。
【0163】
255領域が存在すれば、255領域を中心としてA番目まで隣接している領域を隣接領域として指定する(ステップS204)。
【0164】
以後、指定された隣接領域に適用される補正ポイントスプレッド関数を決定する(ステップS205)。補正ポイントスプレッド関数の決定方法に関しては前述したので、これについての説明は省略する。
【0165】
補正ポイントスプレッド関数が決定されると、決定された補正ポイントスプレッド関数と、基準ポイントスプレッド関数を用いてイメージの各領域に対する復元過程を遂行する(ステップS206)。
【0166】
一方、255領域が存在しなければ、センサー飽和が発生しなかったと判断し、それによって基準ポイントスプレッド関数を確認する(ステップS207)。
【0167】
以後、確認した基準ポイントスプレッド関数をイメージの全ての領域に適用して元のイメージを復元する(ステップS208)。
【0168】
次に、
図19を参照すると、フレア領域が判断されると、判断されたフレア領域を別個に分離する(ステップS301)。
【0169】
以後、分離されたフレア領域を以前の分割条件より細分化して、より多くの領域に分割する(ステップS302)。
【0170】
次に、細分化して分割された各々の隣接領域に適用される補正ポイントスプレッド関数を決定する(ステップS303)。
【0171】
以後、決定された補正ポイントスプレッド関数を用いて元のイメージを復元する(ステップS304)。
【0172】
本実施形態によれば、映像を分析してフレアが発生した領域を検出し、それによって互いに異なるポイントスプレッド関数を適用してフレアを除去することによって、イメージの画質劣化無しで元のイメージを容易に復元することができる。