(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る使い捨ておむつ1を広げた状態にて示す平面図である。使い捨ておむつ1は、着用者の腹側に当接する部位と背側に当接する部位とを、左右両側の接続部4により腰周りで止着して着用するテープタイプの使い捨ておむつであり、着用者からの排泄物を受ける。
図1では、着用時に着用者に接する側(すなわち、着用者側)の面を手前にして使い捨ておむつ1を描いている。
【0027】
図2は、使い捨ておむつ1を
図1中に示すA−Aの位置で縦方向(すなわち、使い捨ておむつ1の長手方向であり、
図1中における上下方向)に垂直な面で切断した断面図である。
図1および
図2に示すように、使い捨ておむつ1は、略シート状の本体部2と、本体部2の両側部上(すなわち、横方向の両側)に縦方向に沿って設けられる一対のサイドシート3とを備える。横方向は、上述の縦方向に垂直、かつ、本体部2の主面に略平行な方向であり、
図1および
図2中における左右方向である。一対のサイドシート3は、本体部2の縦方向のおよそ全長に亘る。
【0028】
本体部2の
図1中における上側の部位201および下側の部位203はそれぞれ、着用者の腹側および背側の肌に接する部位であり、以下の説明では、「前方部201」および「後方部203」と呼ぶ。また、前方部201と後方部203との間において前方部201および後方部203から連続するとともに着用者の股間部に対向する部位202を「股下部202」と呼ぶ。使い捨ておむつ1では、本体部2が前方部201、股下部202および後方部203を縦方向に順に有する。前方部201および後方部203の横方向の幅は、股下部202の横方向の幅よりも大きい。換言すれば、本体部2は、平面視においていわゆる砂時計型である。
【0029】
図1に示すように、使い捨ておむつ1は、一対の接続部4と、一対の引張部5とをさらに備える。一対の接続部4は、後方部203の両側部に固定される。一対の引張部5は、一対の接続部4の着用者側に配置され、後方部203の両側部に固定される。使い捨ておむつ1が着用者に装着される際には、一対の引張部5により、後述する一対の本体側壁部36、および、一対の補助側壁部736(
図12参照)が、横方向外方へと引き起こされる。また、本体部2の前方部201および後方部203をそれぞれ着用者の腹側および背側に当接させた状態で、一対の接続部4が、
図3に示すように、前方部201の外面(すなわち、着用者に接する面とは反対側の面)の被止着部26に止着される。これにより、後方部203の両側部が前方部201の両側部に接続される。
【0030】
図1および
図2に示すように、本体部2は、透液性のトップシート21、撥水性または不透液性のバックシート23、および、トップシート21とバックシート23との間に配置された吸収コア22を備える。
図2では、図示の都合上、使い捨ておむつ1の各構成を厚さ方向に離して描いている。また、
図1では、図の理解を容易にするために、吸収コア22の輪郭を太破線にて描いている。
【0031】
図1に示すように、前方部201および後方部203における吸収コア22の幅は、股下部202における吸収コア22の幅よりも大きい。換言すれば、吸収コア22は、平面視においていわゆる砂時計型である。トップシート21は、吸収コア22の周りにおいてホットメルト接着剤を介してバックシート23に接合される。ホットメルト接着剤としては、ポリオレフィン系、ゴム系、酢酸ビニル系等のものが利用される。他の部位の接合に利用されるホットメルト接着剤についても同様である。トップシート21とバックシート23との接合は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0032】
本体部2の縦方向の両端部にはそれぞれ、横方向に延びる複数の弾性部材25が設けられる。弾性部材25は、トップシート21とバックシート23とに挟まれて、ホットメルト接着剤によりトップシート21およびバックシート23に接合される。本体部2の股下部202では、
図1および
図2に示すように、サイドシート3の横方向の外縁近傍においておよそ縦方向に延びる複数の弾性部材28が設けられる。弾性部材28は、サイドシート3とバックシート23とに挟まれて、ホットメルト接着剤によりサイドシート3およびバックシート23に接合されている。
【0033】
使い捨ておむつ1では、弾性部材25および弾性部材28が収縮することにより、ウエストギャザーおよびレッグギャザーが形成され、使い捨ておむつ1の着用時に、本体部2が着用者の腰周りおよび脚の付け根近傍に密着する。これにより、使い捨ておむつ1の腰周りおよび脚周りからの尿等の漏出が防止される。
【0034】
一対のサイドシート3は、一対の固定部33と、一対の自由部34とを備える。固定部33は、サイドシート3において縦方向に延びる折り返し線39の一方側の部位であり、自由部34は、固定部33の横方向の内縁でもある折り返し線39の他方側の部位である。一対の固定部33は、本体部2の両側部上において、バックシート23のトップシート21から露出する部位、および、トップシート21の横方向のエッジ近傍の部位に、縦方向の全長に亘ってホットメルト接着剤を介して固定される。自由部34の縦方向の両端部である端部固定部35は、本体部2の両側部上において、ホットメルト接着剤を介してトップシート21に固定される。なお、固定部33および端部固定部35と本体部2との接合は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0035】
自由部34の2つの端部固定部35の間の部位は、本体側壁部36である。本体側壁部36は、本体部2と非接合であり、本体部2から離間可能である。本体側壁部36の自由端部361、すなわち、本体側壁部36の折り返し線39とは反対側の側縁部には、縦方向に延びる複数(本実施の形態では、3本)の弾性部材37がホットメルト接着剤により接合される。複数の弾性部材37は、互いに略平行に設けられる。複数の弾性部材37が収縮することにより、一対の本体側壁部36が、一対の折り返し線39から着用者側へと起立し、着用者の脚の付け根近傍に当接する立体ギャザーとなる。
【0036】
トップシート21は、透液性のシート材料であり、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉して吸収コア22へと移動させる。トップシート21は、例えば、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)にて形成された透液性の不織布である。当該不織布として、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンボンド不織布が利用される。なお、トップシート21として、セルロースやレーヨン、コットン等の親水性繊維により形成された不織布(例えば、スパンレース不織布)が利用されてもよい。
【0037】
吸収コア22は、トップシート21を透過した水分を吸収して迅速に固定する。吸収コア22は、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維に粒状の高吸収性ポリマー(SAP(Super Absorbent Polymer))や高吸収性ファイバー等の高吸収性材料を混合したものをティッシュペーパーや透液性不織布等により包み込んで形成される。親水性繊維を包むティッシュペーパーや透液性不織布等は、親水性繊維および吸水性材料とホットメルト接着剤により接合されて、親水性繊維の型崩れ、および、吸水性材料の脱落(特に、吸水後における脱落)を防止する。本実施の形態では、吸収コア22はパルプ繊維およびSAPを含む。
【0038】
バックシート23としては、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルム、あるいは、これらの不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが利用される。バックシート23は、排泄物の水分等が、本体部2の外側にしみ出すことを防止する。バックシート23にプラスチックフィルムが利用される場合、使い捨ておむつ1のムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0039】
サイドシート3としては、例えば、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布(スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS不織布等)に、弾性部材37が接合されたものが利用される。弾性部材37,25,28としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用される。本実施の形態では、ポリウレタン糸が弾性部材37,25,28としてとして利用される。
【0040】
図3に示す被止着部26は、バックシート23の外面(すなわち、吸収コア22と対向する面とは反対側の面)上に、平面視において吸収コア22(
図1および
図2参照)と重なるように接合される。被止着部26は、バックシート23上にホットメルト接着剤等により接合される面ファスナのループ部材であり、樹脂等により形成されたベースシート、および、ベースシートのバックシート23に接合される面とは反対側の面に設けられる微細ループ構造を有する。微細ループ構造とは、多数の微細なループ要素の集合を意味する。
【0041】
図4は、一対の接続部4のうち一方の接続部4近傍を拡大して示す平面図である。他方の接続部4の構造も、
図4に示すものと同様である。
図4では、接続部4の構造の理解を容易にするために、引張部5の図示を省略している(
図5においても同様)。一対の接続部4はそれぞれ、共通基部42と、2つの止着テープ41とを備える。共通基部42は、本体部2の後方部203から横方向へと延びる略矩形状のシート部材である。2つの止着テープ41は、縦方向に配列されるとともに、それぞれが共通基部42の横方向外側のエッジ(すなわち、共通基部42の本体部2から最も離れたエッジ)から横方向外方へと延びる。2つの止着テープ41の構造および形状は同様である。
図4では、止着テープ41や共通基部42を折り畳まずに展開した展開状態における接続部4を示す。
【0042】
各接続部4では、2つの止着テープ41のそれぞれが、テープ状のテープ基部413、並びに、テープ基部413の着用者側の面414(すなわち、
図4中における手前側の面)上に設けられる2つの止着部411,412を備える。以下の説明では、共通基部42から遠い側の止着部411を「第1止着部411」といい、もう1つの止着部412を「第2止着部412」という。
図4では、図の理解を容易にするために、第1止着部411および第2止着部412に平行斜線を付す。テープ基部413の面414は、使い捨ておむつ1を着用者に装着する際に本体部2の前方部201(
図3参照)に対向する面であり、以下、「内面414」という。
【0043】
第1止着部411は、テープ基部413の先端部に設けられ、第2止着部412は、テープ基部413の内面414において第1止着部411と共通基部42との間に、第1止着部411と離間して設けられる。各テープ基部413の内面414では、第1止着部411および第2止着部412が、テープ基部413を縦方向に横断するように設けられる。換言すれば、第1止着部411および第2止着部412は、テープ基部413の幅方向(すなわち、縦方向に一致する方向)においてテープ基部413の全幅に亘って設けられる。
【0044】
第1止着部411および第2止着部412はそれぞれ、本体部2の前方部201の外面に設けられた被止着部26(
図3参照)に対して止着される本体止着部である。第1止着部411および第2止着部412はそれぞれ、面ファスナのフック部材であり、テープ基部413の内面414上にホットメルト接着剤等により接合される。第1止着部411および第2止着部412はそれぞれ、樹脂等により形成されたベースシート、および、ベースシートのテープ基部413に接合される面とは反対側の面に設けられる微細フック構造を有する。第1止着部411および第2止着部412にそれぞれ設けられた微細フック構造は、多数の微細なフック要素の集合であり、被止着部26の微細ループ構造と互いに係合する。
【0045】
各接続部4では、2つの止着テープ41の2つのテープ基部413、および、共通基部42はそれぞれ、樹脂や不織布等により形成された1つの接続部シート40の一部であり、2つのテープ基部413はそれぞれ、共通基部42から横方向外側(すなわち、本体部2とは反対側)に向かって突出する。また、共通基部42の内端部(接続部シート40の内端部でもある。)は、後方部203の側部に接合される。後方部203の両側部は、積層された複数のシート部材であるサイドシート3およびバックシート23を含み、一対の接続部4の内端部は、サイドシート3とバックシート23との間に挟まれる。一対の接続部4の内端部は、ホットメルト接着剤等を介してサイドシート3およびバックシート23に固定される。なお、トップシート21(
図2参照)の外縁がバックシート23の外縁に比較的近い位置に位置している場合には、共通基部42の内端部は、トップシート21とバックシート23との間に固定されてもよい。接続部4の本体部2に対する固定は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0046】
各止着テープ41では、テープ基部413の縦方向(すなわち、
図4中の上下方向)の幅が、共通基部42から離れてテープ基部413の先端部に向かうに従って漸次減少する。第2止着部412の第1止着部411側のエッジ4121(以下、「外エッジ4121」という。)と本体部2の側方エッジ27との間の横方向の距離は、外エッジ4121とテープ基部413の先端との間の横方向の距離よりも大きい。
【0047】
図5は、使用前の状態における使い捨ておむつ1の一方の接続部4近傍を拡大して示す平面図である。使用前の状態における使い捨ておむつ1では、各接続部4において、2つの止着テープ41が横方向内側(すなわち、本体部2側)に折り返されている。各止着テープ41は、縦方向に延びる折り返し線451にて折り返される。折り返し線451は、止着テープ41の第1止着部411と第2止着部412との間のテープ基部413上において、第2止着部412の外エッジ4121近傍に位置する。本実施の形態では、折り返し線451は、第2止着部412の外エッジ4121とおよそ重なる。
【0048】
各止着テープ41では、第1止着部411が、共通基部42の着用者側の面である内面421に仮止着されている。また、第2止着部412は、テープ基部413の内面414のうち、第1止着部411と第2止着部412との間の部位に仮止着されている。仮止着とは、2つの部位を、剥離可能な状態で互いに止着することであり、剥離する際には、当該2つの部位は、破損することなく容易に剥離される。折り返された止着テープ41の先端は、本体部2の側方エッジ27から横方向外側に離間している。換言すれば、折り返された止着テープ41の先端と本体部2の側方エッジ27との間には、間隙が設けられる。
【0049】
図6は、一対の引張部5のうち一方の引張部5近傍を拡大して示す平面図である。他方の引張部5の構造も、
図6に示すものと同様である。
図6では、引張部5、および、接続部4の止着テープ41を横方向に伸ばした状態で示す。
図6に示す状態では、本体部2の側方エッジ27から引張部5の先端までの横方向の長さは、本体部2の側方エッジ27から止着テープ41の先端までの横方向の長さよりも長い。
【0050】
各引張部5は、横方向に延びる帯状部材である。各引張部5は、一方の端部である固定端部51と、低伸縮部52と、高伸縮部53と、他方の端部である自由端部54とを有する。固定端部51、低伸縮部52、高伸縮部53および自由端部54は、本体部2から横方向外側に向かって横方向に順に連続的に並ぶ。
図6では、図の理解を容易にするために、固定端部51に平行斜線を付し、固定端部51と低伸縮部52との境界、低伸縮部52と高伸縮部53との境界、および、高伸縮部53と自由端部54との境界を二点鎖線にて示す(
図7および
図9においても同様)。高伸縮部53と自由端部54との境界は、止着テープ41の先端よりも横方向外側に位置する。
図7に示すように、接続部4の止着テープ41が
図5と同様に横方向内側に折り返されている状態では、止着テープ41の先端は、引張部5の固定端部51と低伸縮部52との境界よりも横方向外側に位置する。
【0051】
図6および
図7に示すように、引張部5では、固定端部51、低伸縮部52および高伸縮部53が略矩形状であり、自由端部54は、高伸縮部53の横方向外側のエッジの縦方向中央部から横方向外方に突出する。自由端部54の縦方向の幅は、固定端部51、低伸縮部52および高伸縮部53の縦方向の幅よりも小さい。
【0052】
図8は、使い捨ておむつ1の一方の接続部4および引張部5近傍を
図6中のB−Bの位置にて切断した断面図である。
図6および
図8に示すように、一対の引張部5の固定端部51は、本体部2の後方部203の両側部において、サイドシート3と接続部4の内端部との間に挟まれる。引張部5の固定端部51は、ホットメルト接着剤61を介してサイドシート3および接続部4に固定される。引張部5の固定端部51は、接続部4の内端部と共に、サイドシート3とバックシート23との間に固定される、と捉えることもできる。なお、トップシート21(
図2参照)の外縁がバックシート23の外縁に比較的近い位置に位置している場合には、引張部5の固定端部51は、トップシート21とバックシート23との間に固定されてもよい。
【0053】
一対の引張部5の固定端部51は、本体部2の両側の側方エッジ27から横方向外方に延びており、一対の接続部4の共通基部42の内面421にも、ホットメルト接着剤61を介して固定される。なお、引張部5の接続部4および本体部2に対する固定は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0054】
自由端部54は、自由端部基部541と、側壁止着部55とを備える。自由端部基部541、高伸縮部53、低伸縮部52および固定端部51はそれぞれ、樹脂や不織布等により形成された帯状の1つの引張部基材50の一部である。側壁止着部55は、自由端部基部541の着用者側の面である内面501(すなわち、
図6中における手前側の面)に設けられる。
図6では、図の理解を容易にするために、側壁止着部55にも平行斜線を付す。
【0055】
側壁止着部55は、止着部材である面ファスナのフック部材である。薄板部材である側壁止着部55は、樹脂等により形成されたベースシート、および、ベースシートの一方の面上に設けられる微細フック構造を有する。側壁止着部55に設けられた微細フック構造は、多数の微細なフック要素の集合である。上記ベースシートの微細フック構造が設けられる面とは反対側の面が、引張部基材50の自由端部基部541の内面501上にホットメルト接着剤等により接合されて固定されることにより、フック部材が側壁止着部55となる。
【0056】
側壁止着部55となるフック部材は、接合部551と、非接合部552とを備える。
図6では、接合部551と非接合部552との境界を二点鎖線にて示す。接合部551は、引張部基材50の自由端部基部541の内面501上にホットメルト接着剤等により接合される。非接合部552は、接合部551から固定端部51側へと広がる。非接合部552は、引張部基材50に接合されておらず、引張部基材50と離間可能である。一対の引張部5において、非接合部552と、引張部基材50の非接合部552に対向する部位とにより、一対の挟持部56が構成される。換言すれば、一対の引張部5は、一対の挟持部56を備える。非接合部552の横方向の幅は、5mm以上であることが好ましい。側壁止着部55では、非接合部552に熱押圧処理が施されることにより、非接合部552の強度が増大する。
【0057】
一対の引張部5のそれぞれにおいて、側壁止着部55が設けられる部位の縦方向の幅は、側壁止着部55の縦方向の幅以上であることが好ましい。換言すれば、一対の引張部5のそれぞれにおいて、挟持部56が設けられる部位の縦方向の幅は、挟持部56の縦方向の幅以上であることが好ましい。本実施の形態では、自由端部基部541の内面501において、側壁止着部55が自由端部基部541を縦方向に横断するように設けられる。すなわち、側壁止着部55および挟持部56はそれぞれ、自由端部基部541の幅方向(すなわち、縦方向に一致する方向)において自由端部基部541の全幅に亘って設けられる。
【0058】
側壁止着部55の色は、好ましくは、自由端部基部541の色と異なる。例えば、自由端部基部541の色は白色であり、側壁止着部55の色は青色や緑色である。これにより、一対の引張部5のそれぞれにおいて、側壁止着部55が設けられる面である内面501とは反対側(すなわち、着用者側とは反対側)から、側壁止着部55が視認可能となる。したがって、一対の引張部5のそれぞれにおいて、側壁止着部55が設けられる内面501とは反対側から、挟持部56も視認可能である。
【0059】
低伸縮部52および高伸縮部53はそれぞれ、各引張部5の引張部基材50の横方向の一部である。低伸縮部52および高伸縮部53はそれぞれ、引張部基材50の縦方向の全幅に亘って設けられる。高伸縮部53は、例えば、ウレタンフィルムをスパンボンド不織布により挟むことによって形成された伸縮性不織布である。低伸縮部52は、各引張部5の固定端部51と高伸縮部53との間の部位である。低伸縮部52の伸縮性は、高伸縮部53の伸縮性よりも小さい。すなわち、同じ力で引っ張った際に、低伸縮部52の伸びは高伸縮部53の伸びよりも小さく、低伸縮部52の収縮力も高伸縮部53の収縮力よりも小さい。また、固定端部51および自由端部基部541の伸縮性も、高伸縮部53の伸縮性よりも小さい。本実施の形態では、固定端部51、低伸縮部52および自由端部基部541は、実質的に非伸縮性の部位である。
【0060】
各引張部基材50の着用者と反対側の面である外面502(すなわち、一対の引張部5の側壁止着部55が設けられる内面501とは反対側の面)は、一対の接続部4の第1止着部411および第2止着部412に対して止着不能である。引張部基材50の外面502は、第1止着部411および第2止着部412に対して実質的に止着不能であればよい。実質的に止着不能とは、後述する試験方法にて剥離試験を行った際に測定される係合力が0.01N(ニュートン)以下であることを意味する。例えば、引張部基材50が不織布により形成される場合、引張部基材50の外面502にエンボス加工を施さないことにより、外面502を、第1止着部411および第2止着部412に対して実質的に止着不能とする。
【0061】
上記剥離試験の方法について簡単に説明する。まず、金属等(例えば、ステンレス鋼)により形成された平板の一方の主面上に、引張部基材50と同材料の試験基材が貼付される。試験基材は、引張部基材50の外面502に対応する試験面を外側に向けて(すなわち、試験面が平板とは反対側を向くように)平板に貼付される。続いて、試験テープが準備される。試験テープの一方の面である止着面には、止着テープ41の第1止着部411および第2止着部412と同様の構造のフック部材が設けられる。当該フック部材の幅は15mmであり、長さは120mmである。試験テープは、止着面を試験基材の試験面と対向させつつ試験基材上に載置される。このとき、フック部材全体が試験基材上に載置され、試験テープのフック部材が設けられない部位の一部(以下、「突出部」という。)は、試験基材の外縁から外方へと突出する。
【0062】
次に、試験テープ上に重さ2kgのローラを載置し、当該ローラを、試験テープのフック部材が設けられる部位上にて1往復させる。これにより、試験テープのフック部材が、試験基材に向けて押圧され、試験面に止着される。さらに、試験テープの突出部に500gのおもりが5秒間吊り下げられる。これにより、フック部材と試験面とが止着された部位に、剪断方向(すなわち、試験面に平行な方向)の力が加えられる。その後、引張試験装置により、試験テープを試験基材から剥離させて上述の係合力が測定される。引張試験装置としては、株式会社エー・アンド・ディの「TENSILON」が用いられる。引張試験装置では、試験基材と試験テープとの成す角度が135°となる方向に試験テープが引っ張られて試験基材から剥離され、剥離時の積分平均強度が求められる。試験テープを引っ張る速度は、分速300mmである。上述の係合力は、当該引張試験装置により3回以上の測定を行い、測定結果の平均値として求められる。
【0063】
図6に示す使用前の状態では、一対の引張部5の固定端部51および側壁止着部55と、一対の接続部4の一方の止着テープ41(
図6中の上側の止着テープ41)の第1止着部411および第2止着部412とが、横方向に配列される。換言すれば、縦方向において、引張部5の固定端部51および側壁止着部55と、接続部4の第1止着部411および第2止着部412とが、およそ同じ位置に位置する。
【0064】
図9は、一対の引張部5を横方向内側に折り返した状態の使い捨ておむつ1において、一方の接続部4および引張部5近傍を示す平面図である。
図10は、一方の接続部4および引張部5近傍を
図9中のC−Cの位置にて切断した断面図である。他方の接続部4および引張部5近傍についても、
図9および
図10に示す状態と同様である。一対の本体側壁部36は、一対の固定部33の内縁である折り返し線39から横方向内側に向かって本体部2上に倒れている。一対の引張部5は、固定端部51の横方向外縁(すなわち、固定端部51と低伸縮部52との境界)にて横方向内側に折り返され、一対の本体側壁部36上に重なっている。引張部5は、いずれの方向にも伸張されていない。
【0065】
図9および
図10に示す状態では、一対の引張部5の側壁止着部55の一部(具体的には、側壁止着部55のうち、引張部5の先端側の部位)のみが、一対の本体側壁部36の自由端362よりも横方向内側に位置する。また、側壁止着部55の上記一部以外の部位は、本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置する。なお、側壁止着部55の全体が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向内側に位置してもよい。換言すれば、使い捨ておむつ1では、側壁止着部55の少なくとも一部が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向内側に位置することが好ましい。
【0066】
図9および
図10に示す状態では、一対の引張部5の挟持部56全体が、一対の本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置する。
図9および
図10では、挟持部56の引張部5の先端側のエッジ、すなわち、側壁止着部55における接合部551と非接合部552との境界(
図6参照)が、本体側壁部36の自由端362よりも僅かに横方向外側に位置に位置する。なお、挟持部56の一部(具体的には、挟持部56のうち、固定端部51に近い部位)のみが、本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置し、挟持部56の上記一部以外の部位は、本体側壁部36の自由端362よりも横方向内側に位置してもよい。換言すれば、使い捨ておむつ1では、挟持部56の少なくとも一部が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置することが好ましい。
【0067】
したがって、側壁止着部55および挟持部56の双方に着目すると、側壁止着部55のうち、引張部5の先端側の部位のみが、本体側壁部36の自由端362よりも横方向内側に位置し、側壁止着部55の他の部位は、本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置することが好ましい。より好ましくは、挟持部56全体が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置する。
【0068】
図11は、補助吸収具7を示す平面図である。
図12は、補助吸収具7を
図11中のD−Dの位置にて切断した断面図である。補助吸収具7は、使い捨ておむつ1上に取り付けられて着用者からの排泄物を受ける。
図11および
図12に示すように、補助吸収具7は、略シート状の補助本体部72と、補助本体部72の両側部上(すなわち、横方向の両側)に縦方向に沿って設けられる一対の補助サイドシート73とを備える。一対の補助サイドシート73は、補助本体部72の縦方向のおよそ全長に亘る。
【0069】
補助本体部72の
図11中における上側の部位701および下側の部位703はそれぞれ、着用者の腹側および背側の肌に接する部位であり、以下の説明では、「前方部701」および「後方部703」と呼ぶ。また、前方部701と後方部703との間において前方部701および後方部703から連続するとともに着用者の股間部に対向する部位702を「股下部702」と呼ぶ。補助吸収具7では、補助本体部72が前方部701、股下部702および後方部703を縦方向に順に有する。前方部701および後方部703の横方向の幅は、股下部702の横方向の幅よりも大きい。換言すれば、補助本体部72は、平面視においていわゆる砂時計型である。
【0070】
図11および
図12に示すように、補助本体部72は、透液性のトップシート721、撥水性または不透液性のバックシート723、および、トップシート721とバックシート723との間に配置された吸収コア722を備える。
図11では、図の理解を容易にするために、吸収コア722の輪郭を太破線にて描いている。また、
図12では、図示の都合上、補助吸収具7の各構成を厚さ方向に離して描いている。
【0071】
図11に示すように、前方部701および後方部703における吸収コア722の幅は、股下部702における吸収コア722の幅よりも大きい。すなわち、吸収コア722は、平面視においていわゆる砂時計型である。トップシート721とバックシート723とは吸収コア722の周囲にてホットメルト接着剤等により接合される。トップシート721とバックシート723との接合は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0072】
図11および
図12に示すように、一対の補助サイドシート73は、一対の固定部733と、一対の自由部734とを備える。固定部733は、補助サイドシート73において縦方向に延びる折り返し線739の一方側の部位であり、自由部734は、固定部733の横方向の内縁でもある折り返し線739の他方側の部位である。一対の固定部733は、補助本体部72の両側部上において、バックシート723のトップシート721から露出する部位、および、トップシート721の横方向のエッジ近傍の部位に、縦方向の全長に亘ってホットメルト接着剤を介して固定される。自由部734の縦方向の両端部である端部固定部735は、補助本体部72の両側部上において、ホットメルト接着剤を介してトップシート721に固定される。なお、固定部733および端部固定部735と補助本体部72との接合は、熱融着接合や超音波接合等により行われてもよい。
【0073】
自由部734の2つの端部固定部735の間の部位は、補助側壁部736である。補助側壁部736は、補助本体部72と非接合であり、補助本体部72から離間可能である。補助側壁部736の自由端部7361、すなわち、補助側壁部736の折り返し線739とは反対側の側縁部には、縦方向に延びる複数(本実施の形態では、2本)の弾性部材737がホットメルト接着剤により接合される。複数の弾性部材737は、互いに略平行に設けられる。複数の弾性部材737が収縮することにより、一対の補助側壁部736が、一対の折り返し線739から着用者側へと起立し、着用者の脚の付け根近傍に当接する立体ギャザーとなる。
【0074】
トップシート721は、透液性のシート材料であり、着用者からの排泄物の水分を速やかに捕捉して吸収コア722へと移動させる。トップシート721は、使い捨ておむつ1のトップシート21と同様に、例えば、表面を界面活性剤により親水処理した疎水性繊維にて形成された透液性の不織布である。吸収コア722は、トップシート721を透過した水分を吸収して迅速に固定する。吸収コア722は、使い捨ておむつ1の吸収コア22と同様に、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維に粒状の高吸収性ポリマー(SAP)や高吸収性ファイバー等の高吸収性材料を混合したものをティッシュペーパーや透液性不織布等により包み込んで形成される。
【0075】
バックシート723としては、使い捨ておむつ1のバックシート23と同様に、例えば、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルム、あるいは、これらの不織布とプラスチックフィルムとが積層された積層シートが利用される。バックシート723は、排泄物の水分等が、補助本体部72の外側にしみ出すことを防止する。バックシート723にプラスチックフィルムが利用される場合、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
【0076】
補助サイドシート73としては、使い捨ておむつ1のサイドシート3と同様に、例えば、疎水性繊維にて形成された撥水性または不透液性の不織布に、弾性部材737が接合されたものが利用される。弾性部材737としては、例えば、ポリウレタン糸、帯状のポリウレタンフィルム、糸状または帯状の天然ゴム等が利用される。本実施の形態では、ポリウレタン糸が弾性部材737として利用される。
【0077】
図13は、使い捨ておむつ1および補助吸収具7が使用される際の様子を示す断面図である。
図13は、縦方向において
図2に示すA−A断面と同じ位置における断面を示す。
図14は、補助吸収具7が取り付けられた使い捨ておむつ1の一方の引張部5近傍を拡大して示す断面図である。
【0078】
使い捨ておむつ1および補助吸収具7が使用される際には、
図13および
図14に示すように、使い捨ておむつ1の一対の本体側壁部36の間に補助吸収具7が配置される。補助吸収具7の前方部701(
図11参照)、股下部702および後方部703はそれぞれ、使い捨ておむつ1の前方部201(
図1参照)、股下部202および後方部203上に位置する。また、補助吸収具7のバックシート723は使い捨ておむつ1のトップシート21上に配置される。
【0079】
補助吸収具7の一対の補助側壁部736、および、使い捨ておむつ1の一対の本体側壁部36は、一対の引張部5の固定端部51よりも横方向内側において(すなわち、一対の固定端部51の間において)、使い捨ておむつ1の本体部2上に縦方向に沿って略平行に配置される。一対の補助側壁部736は、一対の本体側壁部36よりも横方向内側において(すなわち、一対の本体側壁部36の間において)、着用者側へと起立する。また、一対の本体側壁部36は、一対の補助側壁部736の横方向外側において、着用者側へと起立する。
【0080】
続いて、使い捨ておむつ1の一対の引張部5が、固定端部51の横方向外縁近傍にて横方向内側に折り返される。
図15は、使い捨ておむつ1の一方の引張部5近傍を拡大して示す断面図である。一対の引張部5では、自由端部54が横方向内方に引っ張られることにより、高伸縮部53が横方向に伸張する。そして、
図15に示すように、一対の引張部5の側壁止着部55の微細フック構造が、補助吸収具7の一対の補助側壁部736に止着される。側壁止着部55の微細フック構造は、好ましくは、補助側壁部736の横方向外側の面(すなわち、補助側壁部736を横方向内側に向かって補助本体部72上に倒した際に、補助本体部72と対向する面とは反対側の面)の自由端部7361に着脱可能に止着される。
【0081】
また、一対の引張部5の挟持部56により、一対の本体側壁部36の自由端部361が挟まれて支持される。詳細には、本体側壁部36の自由端部361は、引張部5の側壁止着部55の非接合部552と、引張部基材50の非接合部552に対向する部位との間に挟まれ、非接合部552および引張部基材50により支持される。挟持部56では、本体側壁部36の自由端部361が、側壁止着部55のベースシートの微細フック構造が設けられる面とは反対側の面、および、引張部基材50の内面501に対向する。
【0082】
このように、側壁止着部55が補助側壁部736に止着され、挟持部56により本体側壁部36が挟持された状態で、補助吸収具7および使い捨ておむつ1が着用者にあてがわれる。そして、一対の接続部4が、使い捨ておむつ1の前方部201(
図3参照)へと引っ張られ、接続部4の第1止着部411および第2止着部412が、前方部201の被止着部26に止着される。これにより、使い捨ておむつ1および補助吸収具7の着用者への装着が完了する。
【0083】
使い捨ておむつ1および補助吸収具7では、一対の接続部4が前方部201に止着される際に、一対の接続部4が前方部201へと引っ張られることにより、一対の引張部5の固定端部51が横方向外方へと引っ張られる。その結果、それぞれに側壁止着部55が止着された一対の補助側壁部736が、一対の引張部5により横方向外方へと(すなわち、着用者に向かって)引き起こされる。また、それぞれが挟持部56により挟持される一対の本体側壁部36が、一対の補助側壁部736と共に一対の引張部5により横方向外方へと引き起こされる。
【0084】
このため、一対の補助側壁部736および一対の本体側壁部36を着用者側に起立させた状態で、補助吸収具7および使い捨ておむつ1を着用者に装着することができる。その結果、尿等の排泄物が脚の付け根から補助吸収具7の外部へと漏出することを防止することができる。また、仮に、排泄物が脚の付け根から補助吸収具7の外部へと漏出した場合であっても、当該排泄物が、脚の付け根から使い捨ておむつ1の外部へと漏出すること(いわゆる、横漏れ)を防止することができる。
【0085】
ところで、補助吸収具7および使い捨ておむつ1を着用者に装着する場合、着用者の体型等により、補助側壁部736および本体側壁部36のうち、縦方向において最も起立させたい部位が異なる。上述のように、使い捨ておむつ1では、一対の引張部5の固定端部51が、後方部203の両側部に固定され、自由端部54に側壁止着部55および挟持部56が設けられる。このため、引張部5の自由端部54を、補助側壁部736の所望の部位に止着することができる。これにより、一対の補助側壁部736の縦方向における所望の部位を引っ張って起立させた状態で、補助吸収具7および使い捨ておむつ1を着用者に装着することができる。また、補助側壁部736の所望の部位を引っ張ることにより、補助側壁部736の起立の程度も、容易に所望の程度とすることができる。
【0086】
使い捨ておむつ1では、引張部5の自由端部54により、本体側壁部36の自由端部361の縦方向における所望の部位を挟持することもできる。これにより、一対の本体側壁部36の縦方向における所望の部位を引っ張って起立させた状態で、使い捨ておむつ1を着用者に装着することができる。また、本体側壁部36の所望の部位を引っ張ることにより、本体側壁部36の起立の程度も、容易に所望の程度とすることができる。その結果、尿等の排泄物が脚の付け根から補助吸収具7および使い捨ておむつ1の外部へと漏出することをさらに防止することができる。
【0087】
引張部5では、上述のように、薄板部材である側壁止着部55が、接合部551と、非接合部552とを備える。引張部5では、非接合部552と引張部基材50との間に挟持部56を容易に構成することができる。また、引張部5では、補助側壁部736に止着される側壁止着部55の一部を利用して、本体側壁部36を挟持する挟持部56が構成されることにより、引張部5の構造を簡素化することができる。
【0088】
側壁止着部55では、非接合部552に熱押圧処理が施されることにより、挟持部56の強度が増大する。その結果、挟持部56により、本体側壁部36を強く支持することができる。また、非接合部552の横方向の幅が5mm以上であることにより、本体側壁部36と非接合部552との接触面積を大きくすることができる。その結果、挟持部56により、本体側壁部36をより強く支持することができる。本体側壁部36では、縦方向に延びる複数の弾性部材37が互いに略平行に自由端部361に設けられる。これにより、本体側壁部36の自由端部361の強度が増大し、挟持部56により本体側壁部36の自由端部361をさらに強く支持することができる。
【0089】
図6に示すように、使い捨ておむつ1の使用前の状態において、一対の引張部5の固定端部51と、一対の接続部4の第1止着部411および第2止着部412とは、横方向に配列される。これにより、使い捨ておむつ1および補助吸収具7を着用者に装着する際に、接続部4を前方部201に向けて引っ張る力が、引張部5に容易に伝達される。その結果、側壁止着部55が止着された補助側壁部736、および、挟持部56に挟持された本体側壁部36を、容易に横方向外方へと引き起こすことができる。
【0090】
図9および
図10に示すように、本体側壁部36を本体部2上に倒し、引張部5を本体側壁部36上に重ねた状態では、側壁止着部55の少なくとも一部が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向内側に位置する。このように、側壁止着部55の少なくとも一部が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向内方へと突出することにより、側壁止着部55が補助吸収具7の補助側壁部736と対向するため、側壁止着部55を補助側壁部736に容易に止着することができる。また、
図9および
図10に示す状態では、挟持部56の少なくとも一部が、本体側壁部36の自由端362よりも横方向外側に位置する。これにより、挟持部56が本体側壁部36の自由端部361に重なるため、挟持部56により本体側壁部36の自由端部361を容易に挟持することができる。
【0091】
上述のように、一対の接続部4、および、一対の引張部5の固定端部51は、後方部203の両側部において、サイドシート3とバックシート23との間に固定される。これにより、接続部4および引張部5を本体部2に強固に固定することができる。また、引張部5が、サイドシート3とバックシート23との間から横方向外方に延び、さらに、横方向内側に折り返されて補助側壁部736に止着されるとともに本体側壁部36を挟持する。これにより、引張部5の固定端部51の外縁部、および、固定端部51の横方向外側に隣接する部位(本実施の形態では、低伸縮部52)が、本体部2の側方エッジ27から着用者側に少し立ち上がった状態となる。このため、接続部4が前方部201に向かって引っ張られる際に、補助側壁部736および本体側壁部36が、引張部5により横方向外方かつ着用者側へと引っ張られる。その結果、補助側壁部736および本体側壁部36を、より容易に引き起こすことができる。
【0092】
引張部5の固定端部51は、接続部4の共通基部42の内面421(すなわち、着用者側の面)にも固定される。これにより、引張部5を接続部4に強固に固定することができる。また、引張部5が横方向内側に折り返される際に、固定端部51の外縁部、および、固定端部51の横方向外側に隣接する部位が、本体部2の側方エッジ27から着用者側に、より一層立ち上がった状態となる。このため、接続部4が前方部201に向かって引っ張られる際に、補助側壁部736および本体側壁部36が、引張部5により、さらに着用者側へと引っ張られる。その結果、補助側壁部736および本体側壁部36を、さらに容易に引き起こすことができる。
【0093】
引張部5では、高伸縮部53が伸張された状態で、側壁止着部55が補助側壁部736に止着され、挟持部56により本体側壁部36が挟持される。このため、高伸縮部53が収縮することにより、補助側壁部736および本体側壁部36を、より一層容易に引き起こすことができる。また、高伸縮部53と固定端部51との間に、高伸縮部53よりも伸縮性が小さい低伸縮部52が設けられることにより、接続部4を前方部201に向けて引っ張る力が、引張部5にさらに容易に伝達される。その結果、補助側壁部736および本体側壁部36を、より容易に横方向外方へと引き起こすことができる。なお、引張部5では、固定端部51以外の部位において、横方向の少なくとも一部が伸縮性を有していればよい。これにより、補助側壁部736および本体側壁部36を、より一層容易に引き起こすことができる。
【0094】
上述のように、側壁止着部55は、側壁止着部55が設けられる内面501とは反対側から、視認可能である。したがって、側壁止着部55を補助側壁部736の所望の位置に、容易に止着することができる。また、挟持部56も、着用者側とは反対側から視認可能であるため、本体側壁部36の自由端部361の所望の位置を、挟持部56により容易に挟持することができる。
【0095】
各引張部5では、側壁止着部55が設けられる部位の縦方向の幅が、側壁止着部55の縦方向の幅以上である。これにより、側壁止着部55が自由端部基部541から縦方向にはみ出すことが防止される。その結果、側壁止着部55が着用者の肌に接して使い捨ておむつ1の着用感が低下することを防止することができる。各引張部5では、引張部基材50の外面502が、接続部4の第1止着部411および第2止着部412に対して止着不能である。これにより、接続部4と引張部5との止着を防止することができる。その結果、着用者に対する使い捨ておむつ1の装着を円滑に行うことができる。
【0096】
使い捨ておむつ1は、トップシート21上に補助吸収具7を取り付けることなく使用されてもよい。この場合、
図16に示すように、一対の引張部5の側壁止着部55は、一対の本体側壁部36に止着される。側壁止着部55は、好ましくは、本体側壁部36の横方向外側の面(すなわち、本体側壁部36を横方向内側に向かって本体部2上に倒した際に、本体部2と対向する面とは反対側の面)の自由端部361に着脱可能に止着される。この場合、挟持部56は設けられなくてよいため、側壁止着部55の引張部基材50に対向する面の全面が、引張部基材50に接合されてもよい。
【0097】
使い捨ておむつ1では、様々な変更が可能である。
【0098】
例えば、一対の引張部5の側壁止着部55は、必ずしも補助側壁部736または本体側壁部36の横方向外側の面の自由端部に止着される必要はなく、横方向外側の面の自由端部以外の部位に止着されてもよい。また、側壁止着部55は、補助側壁部736または本体側壁部36の自由端を越えて横方向内側の面に止着されてもよい。
【0099】
側壁止着部55として、面ファスナのフック部材以外の部材(例えば、粘着テープ)が利用されてもよい。側壁止着部55は、引張部5の側壁止着部55が設けられる内面501とは反対側から視認可能であれば、自由端部基部541と同様の色を有していてもよい。例えば、側壁止着部55の位置や形状を示す目印が、自由端部基部541の外面502に設けられてもよい。これにより、側壁止着部55が、側壁止着部55が設けられる内面501とは反対側から実質的に視認可能となる。
【0100】
引張部5では、側壁止着部55とは異なる薄板部材が、側壁止着部55から離間した位置にて引張部シート50に部分的に接合され、当該薄板部材と引張部シート50との間に挟持部56が構成されてもよい。また、クリップ等、本体側壁部36の自由端部361を挟持可能な挟持部材が、挟持部56として引張部シート50に固定されてもよい。
【0101】
引張部5の固定端部51は、本体部2の側方エッジ27よりも横方向内側においてのみ本体部2および接続部4に固定され、側方エッジ27よりも横方向外側では、いずれの部位にも固定されなくてもよい。あるいは、固定端部51は、本体部2の側方エッジ27よりも横方向外側においてのみ接続部4の共通基部42の内面421に固定され、側方エッジ27よりも横方向内側では、いずれの部位にも固定されなくてもよい。換言すれば、一対の引張部5の固定端部51は、本体部2の後方部203の両側部、または、一対の接続部4の着用者側の面に固定されていればよい。
【0102】
引張部5では、必ずしも横方向の一部が伸縮性を有する必要はなく、引張部シート50全体が、実質的に伸縮性を有しないシート部材であってもよい。あるいは、引張部シート50全体が、伸縮性を有していてもよい。
【0103】
使い捨ておむつ1では、補助吸収具7が使い捨ておむつ1に取り付けられて使用される場合であっても、各引張部5から挟持部56が省略されてもよい。挟持部56が省略されたとしても、それぞれに側壁止着部55が止着された一対の補助側壁部736が、一対の引張部5により横方向外方へと引き起こされることにより、一対の補助側壁部736の横方向外側に位置する一対の本体側壁部36も、一対の補助側壁部736と共に横方向外方へと引き起こされる。その結果、一対の補助側壁部736および一対の本体側壁部36を着用者側に起立させた状態で、補助吸収具7および使い捨ておむつ1を着用者に装着することができる。
【0104】
接続部4では、各止着テープ41に止着部が1つのみ設けられてもよい。また、各接続部4に止着テープ41が1つのみ設けられてもよい。この場合、共通基部42は省略されて、1つの止着テープ41が接続部4となる。接続部4の接続部シート40が、伸縮性不織布等の伸縮性を有するシート部材である場合、接続部シート40の伸縮性は、引張部5の高伸縮部53の伸縮性よりも小さいことが好ましい。これにより、接続部4を前方部201に向けて引っ張る力が、引張部5の自由端部54に容易に伝達される。
【0105】
使い捨ておむつ1および補助吸収具7では、吸収コアの平面視における形状は、必ずしも砂時計型である必要はなく、例えば、略矩形であってもよい。また、前方部および後方部の一方のみの幅が大きく、他方および中間部の幅が小さい、いわゆる羽子板型であってもよい。本体部2および補助本体部72の平面視における形状についても同様に、前方部および後方部の一方のみの幅が大きく、他方および中間部の幅が小さい、いわゆる羽子板型であってもよい。本体部2、補助本体部72および吸収コアが羽子板型とされる場合、後方部の幅が前方部および中間部の幅よりも大きいことが好ましい。
【0106】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。