(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の実施の形態の説明において、「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」、「表」、「裏」といった方向は、説明の便宜上、そのように記しているだけであって、装置、器具、部品等の配置や向き等を限定するものではない。
以下の実施の形態では、説明の便宜のため、光が照射される方向側(照射方向)を上側(上方)、その反対側を下側(下方)として説明する。
【0011】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明装置500の正面図である。
図2は、本実施の形態に係る照明装置500の斜視図であり、(a)は金属筐体200からグローブ100を分離した状態の斜視図、(b)は金属筐体200とグローブ100との取付部分であるカバー取付機構510の部分拡大斜視図である。
図1及び
図2を用いて、本実施の形態に係る照明装置500及びカバー取付機構510の構成について説明する。
【0012】
図1に示すように、照明装置500は、グローブ100、金属筐体200、樹脂筐体300、口金部400を備える。照明装置500は、例えば、電球形LEDランプである。
【0013】
グローブ100は、
図2(a)に示すように、金属筐体200に取り付けられたLED基板250を覆うように金属筐体200に取り付けられる。グローブ100は、カバーの一例である。
金属筐体200は、
図2(a)に示すように、LED基板250を取り付ける。LED基板250には、光源としてLED251が実装される。
なお、本実施の形態では、照明装置500は、光源としてLED251を備えているものとして説明するが、発光手段としては、レーザーダイオード、有機EL(Electro・Luminescence)等でもよい。また、照明装置500が白熱灯、蛍光灯、ミニハロゲンランプ等の他の光源を備えている場合でも、本実施の形態は適用可能である。
【0014】
図1に樹脂筐体300として示されている部分は、樹脂筐体300の一部である。樹脂筐体300全体の図示は無いが、樹脂筐体300は筒状であり、金属筐体200の内部に形成された筒状の空洞(空洞227(
図4(b)参照))に収納される。
樹脂筐体300の筒状の内部には、LED251を点灯させるために、点灯回路基板にいくつかの電子部品が実装された点灯装置等が収納される。樹脂筐体300の口金部400側の端部は、
図1に示すように金属筐体200の下方の端部から露出する。
【0015】
口金部400は、樹脂筐体300の下方の端部に取り付けられる。口金部400は、外部の電源と電気的に接続されたソケット(図示は無し)に接続され、樹脂筐体300の内部に収納されている点灯装置に電力を供給する。
【0016】
次に、
図2(b)を用いて、カバー取付機構510の構成の概要について説明する。
図2(b)に示すように、照明装置500は、グローブ100を金属筐体200に取り付けるカバー取付機構510を備える。
カバー取付機構510は、取付溝220が形成された部分(カバー取付部220a)を有する金属筐体200と、取付溝220に挿入される取付筒部120を備えるグローブ100とから構成される。
【0017】
金属筐体200には、LED基板250を取り付ける部分(後述する光源取付部210(
図3参照))の周囲に、上側が開口した環状の取付溝220(溝部)が形成される。つまり、LED基板250を囲んで環状の取付溝220が形成される。
取付溝220の外周壁である溝外周壁221には、係合凹部222(凹部)が形成される。カバー取付部220aは、取付溝220が形成された部分を指す。
【0018】
グローブ100は、取付溝220に挿入される筒状の取付筒部120を備える。また、グローブ100は、取付筒部120の外周面である筒部外周面121から突き出した係合凸部130(凸部)を備える。さらに、グローブ100は、取付筒部120の端部に、筒部外周面121から外側に突き出した鍔形状の固定部140を備える。
取付筒部120が取付溝220に挿入されると、係合凸部130は取付溝220に形成された係合凹部222と係合する。また、固定部140は、取付溝220の底部である溝底部223に固定される。
【0019】
次に、
図3及び
図4を用いて、金属筐体200の構成について説明する。
図3は、本実施の形態に係る金属筐体200の斜視図である。
図4は、本実施の形態に係る金属筐体200を示す図であり、(a)は金属筐体200の平面図、(b)は(a)の金属筐体200のA−A断面図である。
【0020】
金属筐体200は、例えば、アルミニウム等の熱伝導性のよい金属で形成されている。ただし、熱伝導性のよい材質であれば、金属でなくても構わない。金属筐体200は、例えば、型抜き製法等により、一体成形されている。
図3及び
図4(b)に示すように、金属筐体200は、下面側よりも上面側の面積が広い円錐台形状である。また、金属筐体200は、内部に筒状の空洞227が形成されている。
金属筐体200は、光源取付部210、取付溝220が形成されたカバー取付部220a、フィン230を備える。金属筐体200は、カバー取付部220aと、光源取付部210とを備える取付部の一例である。
【0021】
フィン230は、金属筐体200の側面に複数設けられる。フィン230は、光源取付部210に取り付けられるLED基板250に実装されるLED251が発する熱を放熱し、温度上昇によるLED251等の部品の劣化を防止する。
【0022】
光源取付部210は、金属筐体200の上面側に設けられる。光源取付部210は、LED基板250と当接する円形の光源取付面213を有する。LED基板250は、LED251が実装される実装面の裏面が接着剤などにより光源取付面213に接着されるとともに、光源取付部210にネジ止めされる。
光源取付部210は、光源取付面213の中央部に、金属筐体200内部の空洞227と連通し、リード線等を通す電線挿通孔211を備える。また、LED基板250をネジ止めするためのネジ(図示は無し)を通す2つのネジ孔212を備える。ネジ孔は、金属筐体200内部の空洞に連通する。LED基板250をネジ止めするためのネジは、ネジ孔を介して、空洞227に配置された樹脂筐体300にネジ止めされる。
【0023】
LED基板250は、円形の基板である。LED基板250は、中心部にリード線などを通す基板孔252を備える。また、同一径上の周縁近傍に、ネジ止めのための2つの基板ネジ孔253を備える。また、LED基板250には、周縁近傍に12個のLED251が実装される。LED251は、2つの基板ネジ孔253を結ぶ径の両側に、6個ずつ配置される。
なお、LED基板250の形状、LED251の配置、個数などは、製品仕様に基づいて適宜変更することが可能である。
【0024】
金属筐体200は、光源取付部210の周りに環状の取付溝220を備える。取付溝220には、グローブ100の取付筒部120(
図2(a)(b)参照)が挿入され、グローブ100を金属筐体200に固定する。
【0025】
図4(b)に示すように、取付溝220は、内周側の溝内周壁224、外周側の溝外周壁221(周壁の一例)、溝内周壁224と溝外周壁221との間の溝底部223(底部)とから形成される。
溝外周壁221の上縁部の近傍には、溝外周壁221に沿って環状に外側方向に凹んだ係合凹部222が形成される。係合凹部222は、グローブ100の取付筒部120に形成された係合凸部130と係合する。
【0026】
なお、本実施の形態では、円形の光源取付面213を有する照明装置500について説明するが、例えば、長方形の光源取付面、楕円形の光源取付面等を有する照明装置でもよい。また、金属筐体200も、円錐台形状に限らず、光源取付面213の周りに環状の取付溝220が形成されていれば、円柱形、楕円柱形、角柱形などでもよい。
【0027】
次に、
図5及び
図6を用いて、グローブ100の構成について説明する。
図5は、本実施の形態に係るグローブ100を示す図であり、(a)はグローブ100の斜視図、(b)はグローブ100の正面図である。
図6は、本実施の形態に係るグローブ100を示す図であり、(a)はグローブ100の底面図、(b)は(a)のグローブ100のB−B断面図である。
【0028】
図5(a)(b)に示すように、グローブ100は、LED基板250を覆ってLED251から発せられる光を透過する光透過部110と、金属筐体200の取付溝220に挿入される取付筒部120とを備える。
光透過部110は、透明あるいは半透明の樹脂により形成される。樹脂としては、例えばポリカーボネートやアクリル等の材料が製品仕様に応じて選択される。光透過部110は、所定の板厚を有する樹脂を球形に成形し、下側の一部を開口させた形状である。光透過部110は、LED251が発する光を球の内部から外部に透過させる。
光透過部110は、製品仕様に応じて、光を拡散、集光、反射させる機能を備えてもよい。これらの機能については、光透過部110の基材である樹脂を成形する際に拡散層(あるいは拡散面)、レンズ、反射層(あるいは反射面)等を形成して基材自体が当該機能を直接有するようにしてもよいし、基材の表面に当該機能を有する光学フィルム等の別の部材を貼合する等の方法で実現してもよい。
なお、光透過部110の形状は、球形に限らず、光源取付部210を覆う形状であれば、半球形、長球形、直方体形、ドーム型などでもよい。
【0029】
図5(a)に示すように、取付筒部120は、光透過部110の開口の縁部を筒状に突き出るように形成した部分である。取付筒部120は、所定の板厚の樹脂板により形成されている。光透過部110と取付筒部120とは一体形成される。ただし、取付筒部120は、光を透過しなくても構わない。取付筒部120の周面のうち、外周面を筒部外周面121とし、内周面を筒部内周面122とする。
【0030】
図5(b)に示すように、グローブ100は、取付筒部120の下方の端部に、取付筒部120の肉厚より厚く形成された環状の固定部140(
図6(b)参照)を備える。ここで、肉厚とは径方向の厚みを指す(
図6(b)参照)。固定部140は、取付筒部120の肉厚よりも厚い部分が筒部外周面121から突き出した形状である。固定部140は、例えば、取付筒部120の下方の端部が外側に突き出した鍔状である。
【0031】
さらに、グローブ100は、取付筒部120の筒部外周面121から突き出した係合凸部130を備える。係合凸部130は、筒部外周面121の同一周上に、所定の数形成されている。複数の係合凸部130は、筒部外周面121に等間隔で一列に並べて設けられる。
【0032】
例えば、
図6(a)に示すように、係合凸部130は、筒部外周面121の同一周上に、均等な間隔をもって4つ形成されている。なお、係合凸部130は、筒部外周面121の同一周上に、均等な間隔をもって3つ以上形成されていることが好ましい。係合凸部130は、3つ以上であれば5つ、6つ、8つでもよいが、より好ましいのは4つである。
なぜなら、筒部外周面121の同一周上に均等な間隔をもって4つの係合凸部130を設けることにより、取付筒部120と取付溝220との保持力の強さを、取付筒部120の周に渡って均等とすることができるからである。これにより、照明装置500に使用年数が経過した場合でも、がたつき等が生じにくい安定した照明装置500を得ることができる。また、4つの場合、筒部外周面121の直交する2本の径のそれぞれの両端に係合凸部130を設ければよく、製造作業が容易となる。
【0033】
図5(a)に示すように、係合凸部130は、所定の板厚及び所定の板幅を有する平板片である。係合凸部130は、取付筒部120の挿入方向及び挿入方向と反対の方向(すなわち、上下方向)に撓むように形成される。
図6(a)に示すように、グローブ100を下方から見た場合、固定部140の外周先端141の外側から係合凸部の凸部先端131が見える。
図6(a)(b)に示すように、筒部外周面121から係合凸部130の凸部先端131までの長さが、筒部外周面121から固定部140の外周先端141までの長さよりも長くなるように形成されている。
【0034】
図6(a)に示すように、係合凸部130の板幅をL11とし、
図6(a)(b)に示すように、取付筒部120の筒部外周面121の径をL10とする。
このとき、板幅L11は、筒部外周面121の径L10の1/25〜1/18の長さが好ましい。板幅L11は、径L10の1/30〜1/15の長さでもよい。特に、板幅L11が、筒部外周面121の径L10の1/22〜1/20の長さであることが最も好ましい。
【0035】
次に、
図7〜
図9を用いて、取付筒部120及び取付溝220の形状、取付筒部120と取付溝220との取付構造について説明する。
図7は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220との取付構造を説明するための断面部分拡大図である。
図8は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220とのバリエーションを示す図であり、(a)は係合凸部130と溝外周壁221とにテーパーを形成した場合、(b)は係合凸部130の先端が曲面となっている場合を示す図である。
図9は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220との取付構造を示す断面部分拡大図であり、(a)は取付過程を示す図であり、(b)は取付後を示す図である。
【0036】
図7に示す取付筒部120の図は、
図6(b)のD部を拡大した模式図である。また、
図7に示す取付溝220近傍の図は、
図4(b)のC部にLED基板250が取り付けられている状態を拡大した模式図である。
【0037】
まず、
図7を用いて、係合凸部130、固定部140の形状について説明する。
図7に示すように、係合凸部130の板厚をL12とし、奥行きをL13とする。係合凸部130の板幅は、
図6(a)で説明したようにL11である。このとき、L11(板幅):L12(板厚):L13(奥行き)の比は、約5:2:4であることが最も好ましい。
なお、係合凸部130のL11:L12:L13の比は約5:2:4には限らず、係合凸部130が上下方向に撓むことができれば、他の比でもよい。
【0038】
図7に示すように、係合凸部130と固定部140とは、筒部外周面121から係合凸部130の凸部先端131までの長さL13(係合凸部130の奥行き)が、筒部外周面121から固定部140の外周先端141までの長さL2(固定部140の奥行き)よりも、L3=(L13−L2)だけ長くなるように形成される。
【0039】
取付筒部120の板厚をL1とすると、L13(係合凸部130の奥行き),L2(固定部140の奥行き),L1(取付筒部120の板厚)は、以下のような関係を有する。
L2<L13であることを前提として、L2はL1の2/3〜1倍、L13はL1の4/5〜6/5倍であることが好ましい。特に、L2はL1の2/3倍、L13はL1の14/15倍であるのが最も好ましい。つまり、L1:L2:L13は、約1.5:1:1.4であることが最も好ましい。
【0040】
図7に示すように、固定部140の厚みをL4とすると、固定部140の厚みL4は、固定部140の奥行きL2の2/3〜13/10倍が好ましい。特に、厚みL4は、奥行きL2と等しいことが最も好ましい。
【0041】
次に、
図7を用いて、取付溝220近傍の形状について説明する。
図7に示すように、光源取付部210の光源取付面213には、LED基板250が取り付けられている。LED基板250にはLED251が実装されている。
取付溝220の溝外周壁221の上縁部を溝外周壁上縁部226とし、取付溝220の溝内周壁224の上縁部を溝内周壁上縁部225とする。
図7に示すように、溝外周壁上縁部226の位置と、溝内周壁上縁部225の位置との高低差をL5とする。
【0042】
光源取付面213は、溝内周壁上縁部225の内側に形成される面である。
ここで、光源取付面213からLED251の上端部までの高さをL6とする。つまり、L6は、LED基板250の実装面の裏面からLED251の上端部までの長さである。
このとき、L6=L5となることが最も好ましい。これにより、光源取付面213からLED251の上端部までの高さL6と、溝内周壁上縁部225と溝外周壁上縁部226との高低差L5とが同一になり、LED251から発する光の配光が溝外周壁上縁部226により妨げられることがない。
【0043】
L6=L5とするためには、光源取付部210の光源取付面213が、溝外周壁上縁部226よりL6だけ下側(口金部400側)に位置するように、金属筐体200を形成する。
このように、光源取付面213を溝外周壁上縁部226より下側にすることにより、金属筐体200を製造する過程において係合凹部222を形成する作業が容易になり、金属筐体200の製造の作業性を高めるという効果も期待できる。また、金属筐体200の軽量化や製造コスト抑制といった効果もある。さらに、光源取付面213からのLED251の上端部と溝外周壁上縁部226との高さが同一となり、LED251から発する光の配光効率を向上させることができる。
【0044】
上記において、LED251の上端部と溝外周壁上縁部226とにおける光源取付面213からの高さを同一にすることが好ましいとしたが、必ずしも同一でなくてもよい。LED251上端部が溝外周壁上縁部226よりも高い位置にあってもよい。この場合、LED251がグローブ100の内部に入り込む構成となるが、LED251がグローブ100の内部に入り過ぎて、グローブ100の内部に過度の温度上昇を生じることがない程度とする。また、若干であれば、LED251の方が溝外周壁上縁部226よりも低くてもよい。ただし、LED251の配光を妨げない程度とする。
【0045】
次に、
図8を用いて、取付筒部120と取付溝220と形状のバリエーションについて説明する。
図8(a)に示すように、係合凸部130は、凸部先端131の下方の角部をカットした筒部側テーパー部1311を備えてもよい。また、取付溝220は、溝外周壁上縁部226をカットした溝側テーパー部2261を備えてもよい。
取付筒部120は、取付溝220に挿入し易く、かつ、取付溝220から抜けにくいことが好ましい。筒部側テーパー部1311、溝側テーパー部2261を備えることにより、取付筒部120を取付溝220に挿入しやすい構造とすることができる。筒部側テーパー部1311と溝側テーパー部2261とのいずれか一方を備えているだけでも、取付筒部120を取付溝220に挿入しやすい構造となる。
また、係合凸部130の上方の角部(P1部分)と、係合凹部222の上方の角部(P2部分)とは角部の形状が好ましい。これにより、取付筒部120が取付溝220から抜けにくい構造となる。
【0046】
図8(b)に示すように、係合凸部130の凸部先端131が曲面になっていてもよい。凸部先端131を曲面とすることで、取付筒部120が取付溝220からやや抜け易い構造となってしまう。しかし、凸部先端131を曲面とすると、係合凸部130が係合凹部222内でがたついた場合などの衝撃を小さくすることができる。
【0047】
次に、
図7及び
図9を用いて、取付筒部120と取付溝220との取付構造について説明する。
図7に示すように、取付筒部120を取付溝220に挿入する前に、取付溝220の溝底部223に粘性を有する接着剤などの接着部材260を予め滴下しておく。接着部材260は、例えば、シリコン系接着剤である。この状態で、取付筒部120を取付溝220に挿入する。
【0048】
図9(a)に示すように、取付溝220の幅をL7、係合凹部222の奥行きをL8とする。
取付溝220の幅L7は、固定部140の径方向の厚み(L1+L2)よりもやや長い程度であり、固定部140を取付溝220に挿入すると、固定部140の外周側と内周側とに若干の隙間が生じる程度の長さである。
図9(b)に示すように、外周側と内周側とに生じる若干の隙間を空隙229とする。
係合凹部222の奥行きL8は、凸部先端131と固定部140の外周先端141との差L3よりも長いものとする。
【0049】
また、筒部内周面122から凸部先端131までの長さ(L1+L13)は、取付溝220の幅L7よりも長く形成される。よって、
図9(a)に示すように、取付筒部120を取付溝220に挿入する際に、係合凸部130は取付溝220の溝外周壁221より外側に突き出る。したがって、取付筒部120を取付溝220に挿入する過程で、係合凸部130の凸部先端131が取付溝220の溝外周壁221の溝外周壁上縁部226に引っかかる(
図9(a)参照)。
【0050】
図9(a)の状態で、取付筒部120を取付溝220に圧入すると、係合凸部130が取付筒部120の挿入方向と反対方向に撓み、取付筒部120がさらに取付溝220に挿入される。
係合凸部130が係合凹部222の位置にくるまで取付筒部120が挿入されると、係合凸部130は係合凹部222に嵌り、係合凸部130の撓みが解除され、係合凸部130と係合凹部222とが係合する(
図9(b)参照)。
【0051】
このとき、固定部140は、接着部材260が滴下された溝底部223の近傍まで挿入される。
図9(b)に示すように、接着部材260は、固定部140の固定部底面142により押し出されて、固定部140の内周側及び外周側の空隙229を上方に移動する。このとき、固定部140には、固定部底面142と、外側の端面143と、内側の面144とに接着部材260が付着する。そして、固定部140は、固定部底面142と、外側の端面143と、内側の面144とに付着した接着部材260を介して、溝外周壁221と、溝内周壁224と、溝底部223とに固定される。
【0052】
以上のように、本実施の形態に係るカバー取付機構510によれば、接着部材260が固定部底面142と外側の端面143と内側の面144とに付着し、固定部140を溝外周壁221と溝内周壁224と溝底部223とに接着するので、接着力をより強くすることができる。通常、接着剤を用いた接着においては、面と面とを接着剤で接着する場合の接着力が特に強い。本実施の形態では、接着力が特に強い面と面との接着を、3方向の面で行っているので、より強い接着力を発揮させることができる。
【0053】
さらに、本実施の形態に係るカバー取付機構510によれば、係合凸部130と係合凹部222とが機械的に係合されるので、より確実にグローブ100が金属筐体200に固定される。
【0054】
さらに、本実施の形態に係るカバー取付機構510によれば、接着部材260の経年劣化により接着力が弱くなった場合でも、係合凸部130と係合凹部222との機械的な保持によりグローブ100が金属筐体200から外れることがないので、安全性の高い照明装置500を提供することができる。
係合凸部130と係合凹部222との機械的な保持力は以下のような範囲であることが好ましい。固定された金属筐体200からグローブ100を取り外す場合の保持力は、グローブ100の重さの2倍以上まで保持できることが好ましい。また、固定されたグローブ100から金属筐体200を取り外す場合の保持力は、金属筐体200の重さの3倍以下であることが好ましい。
つまり、保持力は、グローブ100の重さの2倍以上、金属筐体200の重さの3倍以下であることが好ましい。
【0055】
さらに、本実施の形態に係るカバー取付機構510によれば、LED基板250の裏面からLED251の上端部までの高さL6と、光源取付面213と溝外周壁上縁部226との高低差L5とが略同一になり、LED251から発する光の配光を溝外周壁上縁部226が妨げることがない。
【0056】
本実施の形態では、係合凹部222は、取付溝220の溝外周壁221に沿って1周形成されるものとした。これにより、作業者がグローブ100を金属筐体200に装着する場合、装着位置を意識することなくグローブ100を金属筐体200に装着することができるので、作業性を向上することができる。
しかし、係合凹部222は、外周壁に1周でなくてもよい。例えば、係合凸部130に対応する位置に形成されていてもかまわない。また、係合凸部130は、平板片でなく、筒部外周面121に沿って1周形成してもよい。
【0057】
実施の形態2.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1で説明した構成部と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する場合がある。
【0058】
図10は、本実施の形態に係るグローブ100aの斜視図である。
図11は、本実施の形態に係るグローブ100aの底面図である。
図10及び
図11に示すグローブ100aにおいて、実施の形態1と異なる点は、固定部140の外周先端141の外周縁部145(縁部の一例)に、切り欠き150aを形成する切り欠き部150を有する点である。
【0059】
図11に示すように、切り欠き部150は、外周縁部145を半円状に切り欠いている。
切り欠き150aの形状において、周方向の幅をL20、奥行きをL21とする。このとき、周方向の幅L20は、係合凸部130の周方向の幅L11と同程度か、やや狭いことが好ましい。また、奥行きL21は、固定部の奥行きL2以下でありL2/2以上であることが好ましい(
図12参照)。
なお、切り欠き150aの形状は、半円状でなくてもよく、三角形状、多角形状、だるま形状などでもよい。
【0060】
また、切り欠き部150は、2つの切り欠き部150が環状の外周縁部145の径の両端に位置するように設けられる。
図11に示すように、環状の外周縁部145の中心をOとすると、均等な中心角となるように引かれた4本の径D1〜D4の各々の両端に、切り欠き部150が形成される。このように、固定部140は、均等の間隔で設けられた8つの切り欠き部150を備える。
なお、切り欠き部150は、必ずしも外周縁部145の径の両端に位置するように設けられていなくてもよい。例えば、3つ、5つ、7つ、9つ等、奇数個の切り欠き部150を備えている場合は、外周縁部145上に均等の間隔で設けられていればよい。
【0061】
また、本実施の形態では、同一形状の切り欠き部150が均等の間隔で外周縁部145に設けられているとしたが、同一形状の切り欠きでなくてもかまわない。複数の切り欠きの各々が、不均一な形状であってもよい。また、均等な間隔でなくでも、不均等な間隔でもよい。また、必ずしも外周縁部145を切り欠くものでなくてもよく、例えば、筒部外周面121と外周先端141との間の固定部140を上下方向に貫通する孔であっても構わない。
【0062】
図11に示すように、8つの切り欠き部150のうちの4つは、係合凸部130に対応する位置に形成される。すなわち、4つの切り欠き部150は、係合凸部130と重なる位置に設けられ、切り欠き部150と係合凸部130とは上下方向に隣接することとなる。
【0063】
図12は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220との取付構造を説明するための断面部分拡大図である。
図13は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220との取付構造を示す断面部分拡大図である。
図14は、
図13のC−C断面を示す模式図である。
図12に示す取付筒部120は、
図11に示す取付筒部120のD−D断面に対応する図である。
【0064】
図12に示すように、溝底部223には、予め接着部材260が滴下されている。本実施の形態では、実施の形態1の場合よりも多くの接着部材260が滴下されている。
この状態で、グローブ100aの取付筒部120を取付溝220に挿入し、係合凸部130と係合凹部222とを係合させるとともに、固定部140を溝底部223の近傍に固定する。
【0065】
図13,14に示すように、固定部140により押し出された接着部材260は、切り欠き150aを通過し、上方へ移動する。そして、接着部材260は、係合凸部130と係合凹部222との係合位置まで到達する。
予め溝底部223に滴下しておく接着部材260の量は、切り欠き150aを充填するとともに固定部140の上部1451を充填し、さらに係合凸部130と係合凹部222との係合位置まで到達する量とする。
【0066】
以上のように、本実施の形態に係るカバー取付機構510によれば、グローブ100aが固定部140の外周縁部145に切り欠き部150を有しているので、接着部材260が切り欠き部150を下方から上方に通過し、係合凸部130と係合凹部222との係合位置まで到達する。これにより、係合凸部130と係合凹部222との係合部分も接着部材260により接合部として機能し、接着強度をより強くすることができる。
【0067】
また、係合凸部130に対応していない位置の切り欠き部150(
図11参照)においても、接着部材260が切り欠き部150を下方から上方に通過し、固定部140の上部1451に到達するので、固定部140の近傍に広範囲に接着部材260を広げることができる。これにより、取付溝220の溝外周壁221と取付筒部120の筒部外周面121とが接着部材260を介して接着され、取付筒部120と取付溝220との接合がより強くなる。
このことから、カバー取付機構が係合凸部130と係合凹部222との係合機構を有していない場合であっても、固定部140に切り欠き部150を設けることによって、取付筒部120と取付溝220との接着力をより強くすることができる。
【0068】
また、切り欠き部150は、外周縁部145の径の両端に設けられているので、取付筒部120と取付溝220との接合の強さを、取付筒部120と取付溝220との周に渡って均等にすることができる。これにより、照明装置500に使用年数が経過し、接着部材260が劣化し始めた場合でも、がたつき等が生じにくい安定した照明装置500を得ることができる。
【0069】
実施の形態3.
本実施の形態では、主に、実施の形態1と異なる点について説明する。
本実施の形態では、実施の形態1で説明した構成部と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する場合があるものとする。
【0070】
図15は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220との取付構造のバリエーションを示す図であり、(a)はバリエーションA、(b)はバリエーションBを示す図である。
まず、
図15(a)に示すバリエーションAの取付構造について説明する。
図15(a)に示すように、係合凸部130は、取付筒部120の筒部内周面122(周面の一例)から内側に突き出す形状である。
また、固定部140は、取付筒部120の肉厚よりも厚い部分が、筒部内周面122から内側に突き出す形状である。固定部140の内周側の縁部を内周縁部146とする。
また、係合凸部130と係合する係合凹部222は、取付溝220の溝内周壁224(周壁の一例)に形成されている。
【0071】
図15(a)に示すバリエーションAの取付構造では、係合凸部130と固定部140と係合凹部222とからなる係合機構が、取付筒部120と取付溝220との内周側に設けられている点が、実施の形態1と異なるが、各構成の機能については実施の形態1で説明したものと同様である。
【0072】
図15(a)に示すバリエーションAの取付構造では、溝内周壁上縁部225と溝外周壁上縁部226とにL5の高低差があるために、溝底部223から溝内周壁上縁部225までの距離は、溝底部223から溝外周壁上縁部226までよりも短くなる。したがって、係合凹部222が溝外周壁上縁部226近傍に形成される場合よりも、溝内周壁上縁部225近傍に形成される場合の方が、溝底部223から係合凹部222までの距離は短くなる。よって、バリエーションAの取付構造では、接着部材260の量を調整することにより、固定部140により押し出された接着部材260を係合凸部130と係合凹部222との係合部分まで到達させることが容易となる。つまり、簡単な構成で、接着部材260を係合部分まで到達させることができる。
【0073】
次に、
図15(b)に示すバリエーションBの取付構造について説明する。
図15(b)に示すように、係合凸部130は、実施の形態1と同様に、取付筒部120の筒部外周面121から外側に突き出す形状である。
固定部140は、取付筒部120の肉厚よりも厚い部分が、外側と内側との両方に突き出している形状である。
係合凹部222は、実施の形態1と同様に、取付溝220の溝外周壁221に形成されている。
【0074】
図15(b)に示すバリエーションBの取付構造では、固定部140が外側と内側との両方に突き出している点が、実施の形態1と異なるが、各構成の機能については実施の形態1で説明したものと同様である。
【0075】
図15(b)に示すバリエーションBの取付構造によれば、接着部材260の量を調整することにより、溝底部223において固定部140により押し出された接着部材260が、固定部140の外周縁部145の上部1451に到達するとともに、固定部140の内周縁部146の上部1461にも到達する。したがって、固定部140の周囲を接着部材260で囲むことができ、より外れにくい取付構造を得ることができる。
【0076】
実施の形態4.
本実施の形態では、主に、実施の形態2,3と異なる点について説明する。
本実施の形態では、実施の形態2,3で説明した構成部と同様の構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する場合があるものとする。
【0077】
本実施の形態では、実施の形態3において説明した取付構造のバリエーションA,Bにおいて、実施の形態2において説明した切り欠き部150を設ける場合について説明する。
図16は、本実施の形態に係る取付筒部120と取付溝220との取付構造を示す図であり、
図15(a)(b)において切り欠き部150を設けた場合を示す図である。
図16(a)に示すように、固定部140の内周縁部146に切り欠き部150を設けてもよい。
また、
図16(b)に示すように、固定部140の内周縁部146と外周縁部145との両方に切り欠き部150を設けてもよい。あるいは、固定部140の内周縁部146と外周縁部145とのいずれか一方に切り欠き部150を設けてもよい。
【0078】
切り欠き部150が内周縁部146に設けられている点、あるいは、切り欠き部150が内周縁部146と外周縁部145との両側に設けられている点が、実施の形態2で説明したものと異なるが、切り欠き部150の機能構成については実施の形態2で説明したものと同様である。
【0079】
図16(a)(b)に示すように、
図15(a)(b)の取付構造のバリエーションに対して切り欠き部150を設けることにより、より外れにくい取付構造とすることができる。
【0080】
また、
図16(b)の点線で示すように、筒部内周面122側にも係合突起1301を設けてもよい。この場合、取付溝220の溝内周壁224には、点線で示すように係合窪み部2221を設ける。
例えば、係合突起1301は表面が球面上の突起である。係合窪み部2221は、溝内周壁224の係合突起1301に対応する位置に窪みを形成するものである。これにより、例えば、取付筒部120が取付溝220内を回動してしまうのを防ぐことができる。
【0081】
以上の実施の形態1〜4の説明において、各構成部の幅、奥行き、厚み、長さ、高さ、高低差などの比について具体的な数値を用いて説明したが、これらの数値は一例を示すものであり、必要に応じて種々の変更が可能である。上記の説明において最も好ましいとした数値は、構成部の機能(例えば、係合凸部130の撓み機能等)、構成部の製造の容易さ、製造コストなどの観点から最も好ましいとした数値である。
【0082】
また、実施の形態1〜4について説明したが、これらの実施の形態のうち、2つ以上を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、1つを部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの実施の形態のうち、2つ以上を部分的に組み合わせて実施しても構わない。なお、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。