特許第6185332号(P6185332)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6185332計算機システム、データ出力方法、コンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185332
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】計算機システム、データ出力方法、コンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 11/34 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   G06F11/34 176
【請求項の数】9
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-166649(P2013-166649)
(22)【出願日】2013年8月9日
(65)【公開番号】特開2015-35163(P2015-35163A)
(43)【公開日】2015年2月19日
【審査請求日】2016年5月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】クラリオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土田 元
(72)【発明者】
【氏名】松原 大典
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼野 英樹
(72)【発明者】
【氏名】澤尻 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】永井 靖
(72)【発明者】
【氏名】鶴巣 亨輔
【審査官】 大塚 俊範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−257666(JP,A)
【文献】 特開2005−038447(JP,A)
【文献】 特開2006−085372(JP,A)
【文献】 特開2006−318123(JP,A)
【文献】 特開2013−084284(JP,A)
【文献】 特許第4204619(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 11/28−11/36
G06F 11/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置と第2の装置とが第1のデータ通信路で接続されている計算機システムであって、
前記第1の装置は、
第1の記憶部に第1のデータを格納しており、
前記第1のデータの送信可否を前記第1のデータ通信路を通じて前記第2の装置に問い合わせ、
前記第2の装置から送信を許可された場合、前記第1のデータを前記第1のデータ通信路を通じて前記第2の装置に送信し、
前記第2の装置から送信を許可されなかった場合、前記第2の装置から前記第1のデータ通信路を通じて第2のデータを受信し、前記第1のデータ及び前記第2のデータを記憶媒体に出力し、
前記第2の装置は
2の記憶部に前記第2のデータを格納しており、
前記第1の装置から前記第1のデータ通信路を通じて前記第1のデータの送信可否の問い合わせを受けると、
前記第2の装置が使用可能な第2のデータ通信路に係る条件に基づいて、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信可否を判定し、
前記判定において、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信を許可すると判定した場合、前記第1の装置から前記第1のデータ通信路を通じて前記第1のデータを受信し、前記第1のデータ及び前記第2のデータを前記第2のデータ通信路を通じてサーバに送信し、
前記判定において、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信を許可しないと判定した場合、前記第2のデータを前記第1のデータ通信路を通じて前記第1の装置に送信する
計算機システム。
【請求項2】
前記第2のデータ通信路に係る条件として、現時点を含む第1の期間における前記第2のデータ通信路の通信量に関する閾値が設定されており、
前記第2の装置は、
前記第1のデータ及び前記第2のデータを前記第2のデータ通信路に送信すると仮定した場合の前記第1の期間における前記第2のデータ通信路の送信後の通信量と、前記閾値とに基づいて、前記判定を行う
請求項1に記載の計算機システム。
【請求項3】
前記閾値は、前記第1の期間における前記第2のデータ通信路の通信量の上限に基づいて設定され、
前記送信後の通信量は、前記第1の期間の期初から現時点までの通信量と、前記第1のデータ及び前記第2のデータに係る通信量とに基づいて算出される値であり、
前記第2の装置は、前記送信後の通信量が前記閾値よりも大きくなる場合、前記判定において、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信を許可しないと判定する
請求項2に記載の計算機システム。
【請求項4】
前記閾値は、現時点から前記第1の期間の期末までの残り期間が長いほど低く設定される値である
請求項3に記載の計算機システム。
【請求項5】
前記第1の期間は、現時点を期末として変動する期間である
請求項3に記載の計算機システム。
【請求項6】
前記閾値は、前記第1の期間よりも短い所定期間における、前記第2の装置の前記第2のデータ通信路に対する平均的な通信量に基づいて設定される値である
請求項5に記載の計算機システム。
【請求項7】
前記第2のデータ通信路は、通信事業者によって管理されており、
前記第1の装置は、車載装置であり、
前記第2の装置は、前記通信事業者と契約した通信装置であり、
前記第2のデータ通信路に係る条件とは、前記通信事業者との契約に基づいて前記通信装置に課せられる条件であり、
前記第1のデータは、前記車載装置に係る不具合を解析するための情報を有し、
前記第2のデータは、前記通信装置の動作の不具合を解析するための情報を有する
請求項1乃至6の何れか1項に記載の計算機システム。
【請求項8】
第1の装置と第2の装置とが第1のデータ通信路で接続されており、
前記第1の装置において、
第1の記憶部に格納されている第1のデータの送信可否を前記第1のデータ通信路を通じて前記第2の装置に問い合わせ、
前記第2の装置から送信を許可された場合、前記第1のデータを前記第1のデータ通信路を通じて前記第2の装置に送信し、
前記第2の装置から送信を許可されなかった場合、前記第2の装置から前記第1のデータ通信路を通じて第2のデータを受信し、前記第1のデータ及び前記第2のデータを記憶媒体に出力し、
前記第2の装置において、
前記第1の装置から前記第1のデータ通信路を通じて前記第1のデータの送信可否の問い合わせを受けると、
前記第2の装置が使用可能な第2のデータ通信路に係る条件に基づいて、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信可否を判定し、
前記判定において、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信を許可すると判定した場合、前記第1の装置から前記第1のデータ通信路を通じて前記第1のデータを受信し、前記第1のデータ及び前記第2のデータを前記第2のデータ通信路を通じてサーバに送信し、
前記判定において、前記第1の装置からの前記第1のデータの送信を許可しないと判定した場合、第2の記憶部に格納されている前記第2のデータを前記第1のデータ通信路を通じて前記第1の装置に送信する
データ出力方法。
【請求項9】
第1の計算機と第2の計算機とが第1のデータ通信路で接続されており、
前記第1の計算機に実行されると、
第1の記憶部に格納されている第1のデータの送信可否を前記第1のデータ通信路を通じて前記第2の計算機に問い合わせ、
前記第2の計算機から送信を許可された場合、前記第1のデータを前記第1のデータ通信路を通じて前記第2の計算機に送信し、
前記第2の計算機から送信を許可されなかった場合、前記第2の計算機から前記第1のデータ通信路を通じて第2のデータを受信し、前記第1のデータ及び前記第2のデータを記憶媒体に出力し、
前記第2の計算機に実行されると、
前記第1の計算機から前記第1のデータ通信路を通じて前記第1のデータの送信可否の問い合わせを受けると、
前記第2の計算機が使用可能な第2のデータ通信路に係る条件に基づいて、前記第1の計算機からの前記第1のデータの送信可否を判定し、
前記判定において、前記第1の計算機からの前記第1のデータの送信を許可すると判定した場合、前記第1の計算機から前記第1のデータ通信路を通じて前記第1のデータを受信し、前記第1のデータ及び前記第2のデータを前記第2のデータ通信路を通じてサーバに送信し、
前記判定において、前記第1の計算機からの前記第1のデータの送信を許可しないと判定した場合、第2の記憶部に格納されている前記第2のデータを前記第1のデータ通信路を通じて前記第1の計算機に送信する
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計算機に格納されているデータを所定のサーバに提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォン等の携帯型の通信端末(以下「携帯端末」という)の通信回線を利用して、カーナビゲーション等の車載端末とデータセンタとを接続し、その通信回線を通じて様々なカーナビゲーションに係るサービスを提供するテレマティクスシステムが知られている。
【0003】
また、車載端末又は携帯端末に何らかの問題が発生した場合、車載端末又は携帯端末に格納されているログデータをデータセンタが収集し、データセンタ側でその車載端末又は携帯端末の問題を解析することが行われている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−227868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、携帯端末の通信回線には様々な制約が存在する場合がある。この場合、この通信回線を通じてログデータを送信することがユーザにとってデメリットとなることもある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、通信回線に係る制約等に基づいて、計算機に格納されているデータをどのようにサーバへ提供すべきかを適切に判断することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例に係る計算機システムは、第1の装置と第2の装置とが第1のデータ通信路で接続されている。
第1の装置は、第1の記憶部に第1のデータを格納しており、第1のデータの送信可否を第1のデータ通信路を通じて第2の装置に問い合わせる。第1の装置は、第2の装置から送信を許可された場合、第1のデータを第1のデータ通信路を通じて第2の装置に送信し、第2の装置から送信を許可されなかった場合、第2の装置から第1のデータ通信路を通じて第2のデータを受信し、第1のデータ及び第2のデータを記憶媒体に出力する。
第2の装置は、第2の記憶部に前記第2のデータを格納している。第2の装置は、第1の装置から第1のデータ通信路を通じて第1のデータの送信可否の問い合わせを受けると、第2の装置が使用可能な第2のデータ通信路に係る条件に基づいて、第1の装置からの第1のデータの送信可否を判定する。
第2の装置は、その判定において、第1の装置からの第1のデータの送信を許可すると判定した場合、第1の装置から第1のデータ通信路を通じて第1のデータを受信し、第1のデータ及び第2のデータを第2のデータ通信路を通じてサーバに送信する。
第2の装置は、その判定において、第1の装置からの第1のデータの送信を許可しないと判定した場合、第2のデータを第1のデータ通信路を通じて第1の装置に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通信回線に係る制約等に基づいて、計算機に格納されているデータをどのようにサーバへ提供すべきかを適切に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】テレマティクスシステムの全体構成の一例を示すブロック図である。
図2】携帯端末からデータセンタにログを送信する処理の一例を示すシーケンスチャートある。
図3】PCを経由してデータセンタにログを送信する処理の一例を示すシーケンスチャートである。
図4】車載端末の構成例を示すブロック図である。
図5】携帯端末の構成例を示すブロック図である。
図6】ログ送信方法判定テーブルの構成例を示す図である。
図7】翌日残り通信量を説明するための図である。
図8】車載端末におけるログ送受信処理の一例を示すフローチャートである。
図9】携帯端末におけるログ送受信処理の一例を示すフローチャートである。
図10】車載端末の画面に表示される情報の一例を示す模式図である。
図11】ログ送信方法を判定する処理の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、第1の装置の一種である車載端末と第2の装置の一種である携帯型の通信端末とが第1のデータ通信路の一種である端末間通信路によって接続されている計算機システムの実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、テレマティクスサービスに係る計算機システム(以下「システム」という)の全体構成の一例を示すブロック図である。
【0012】
システム1は、車載端末11と、携帯端末12と、PC(Personal Computer)13と、データセンタ14とを含む。
【0013】
車載端末11は、例えば、カーナビゲーション装置である。車載端末11は、プリインストールされているアプリケーションを実行するだけでなく、後からアプリケーションをインストールできても良い。車載端末11は、メモリカード24のI/F(Interface)を備えており、そのメモリカード24にデータをリード/ライトする機能を有する。携帯端末12は、例えば、携帯電話、スマートフォン又はモバイルPC等である。
【0014】
携帯端末12は、インターネット網23又はキャリア網22を通じて、データセンタ14と双方向にデータを送受信する。
【0015】
キャリア網22は、例えば、通信事業者によって管理される。携帯端末12は、例えば、3G、IMT2000又はLTE(Long Term Evolution)等の規格に基づき、キャリア網22に接続する。キャリア網22には、データ通信の通信量に関する制約又は契約等が存在しても良い。例えば、1か月の通信量の累積が所定値を超えた場合は、通信速度を制限する等の制約又は契約等が存在しても良い。キャリア網22とインターネット網23とは接続されていて良い。携帯端末12は、例えば、無線LAN(Local Area Network)を通じてインターネット網23に接続する。インターネット網23には、データ通信の通信量に関する制約が存在しない、又は本実施例において無視できるとしても良い。
【0016】
電子計算機の一種であるPC13は、メモリカード24のI/Fを備えており、そのメモリカード24にデータをリード/ライトする機能を有する。PC13は、例えば、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)又はFTTH(Fiber To The Home)等によってインターネット網23に接続されている。PC13は、インターネット網23を通じて、データセンタ14と双方向にデータを送受信する。
【0017】
車載端末11と携帯端末12とは、端末間通信路21によって接続され、この端末間通信路21を通じてデータを双方向に送受信できる。端末間通信路21は、有線であっても無線であっても良い。無線の端末間通信路21は、例えば、Bluetooth(登録商標)又は無線LAN等によって構成される。有線の端末間通信路21は、例えば、USBケーブルによって構成される。
【0018】
データセンタ14は、例えば、テレマティクスサービスを提供するための電子計算機の一種であるサーバ群から構成される。データセンタ14は、インターネット網23を通じて、車載端末11、携帯端末12及びPC13とデータを送受信できる。データセンタ14は、例えば、アプリケーションサーバ31と、ログ管理サーバ32と、ログDB(Database)33とによって構成される。
【0019】
アプリケーションサーバ31は、テレマティクスサービスに関する処理を実行するサーバである。ログ管理サーバ32は、携帯端末12及び車載端末11に係るログデータ(以下「ログ」という)を収集し、ログDB33に格納して管理する。次に、データセンタ14が、車載端末11及び携帯端末12に係るログを収集する流れを説明する。
【0020】
図2は、携帯端末12からデータセンタ14にログを送信する場合のシーケンスチャートである。
ユーザから車載端末11に対するログ送信の指示を受けると(S11)、車載端末11は、携帯端末12に対して、車載端末11に係るログ(以下「車載ログ」という)を送信しても良いか否かを問い合わせる(S12)。
【0021】
この問い合わせを受けると、携帯端末12は、車載ログと携帯端末12に係るログ(以下「携帯ログ」という)とを、キャリア網22を使用してデータセンタ14に送信しても良いか否かを判定する(S13)。この判定方法については後述する。
【0022】
以下、携帯端末12が、車載ログ及び携帯ログを、キャリア網22を使用してデータセンタ14に送信しても良いと判定した場合(S13:OK)について説明する。
【0023】
携帯端末12は、車載端末11に対して車載ログの送信を許可する旨の応答を返す(S14)。また、携帯端末12は、車載ログを受信する準備をする(S15)。
【0024】
この応答を受けて、車載端末11は、端末間通信路21を通じて、携帯端末12に車載ログを送信する(S16)。
【0025】
携帯端末12は、車載端末11から受信した車載ログを携帯側バッファ210(図5参照)に格納する。そして、携帯端末12は、携帯側バッファに格納されている携帯ログ及び車載ログを、キャリア網22を通じてデータセンタ14に送信する(S17)。
【0026】
データセンタ14は、携帯端末12から送信された携帯ログ及び車載ログを受信し、ログDB33に格納する(S18)。
【0027】
携帯端末12は、携帯ログ及び車載ログをデータセンタ14に送信完了後、端末間通信路21を通じて車載端末11に、車載ログのデータセンタ14への送信を完了した旨の応答を返す(S19)。以上の処理により、車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信することができる。
【0028】
図3は、PC13を経由してデータセンタ14にログを送信する場合のシーケンスチャートである。
ステップS11〜S13までの処理は、図2場合と同じであるので省略する。ただし、図3では携帯端末12による判定はNGとなる(S13)。以下、携帯端末12が、車載ログ及び携帯ログを、キャリア網22を使用してデータセンタ14に送信しない方が良いと判定した場合(S13:NG)について説明する。
【0029】
携帯端末12は、車載端末11に対して車載ログの送信を許可しない旨の応答を返す(S24)。この応答を受けて、車載端末11は、携帯ログを受信する準備をする(S25)。
【0030】
携帯端末12は、端末間通信路21を通じて車載端末11に携帯ログを送信する(S26)。
車載端末11は、携帯端末12から受信した携帯ログを車載側バッファ110(図4参照)に格納する。そして、車載端末11は、車載側バッファ110に格納されている携帯ログ及び車載ログを、メモリカード24に出力する(S27)。
【0031】
ユーザは、携帯ログ及び車載ログの格納されたメモリカード24を車載端末11から抜いて、PC13に挿入する(S28)。
PC13は、そのメモリカード24から読み出した携帯ログ及び車載ログを、インターネット網23を通じてデータセンタ14に送信する(S29)。
【0032】
データセンタ14は、PC13から送信された携帯ログ及び車載ログを受信し、ログDB33に格納する(S30)。以上の処理により、車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信することができる。
【0033】
図4は、車載端末11の構成例を示すブロック図である。
車載端末11は、車載側コントローラ41と、記憶デバイス47と、入力I/F45と、出力I/F46と、メモリカードI/F42と、端末間通信I/F43とを有する。
【0034】
記憶デバイス47は、例えば、不揮発性メモリを有しており、データをリード/ライトできる。不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリ又はHDD等によって構成される。記憶デバイス47には、車載ログが格納されても良い。車載ログには、例えば、車載端末11及び車載アプリケーション100等で発生した不具合等を解析するための情報が含まれる。記憶デバイス47には、携帯端末12から送信された携帯ログも格納されて良い。
【0035】
入力I/F45は、ユーザからの指示を受け付け、車載側コントローラ41に伝えるためのI/Fである。入力I/F45は、例えば、ボタン、タッチパネル及び/又はマイク等によって構成される。
【0036】
出力I/F46は、車載側コントローラ41の処理結果をユーザに伝えるためのI/Fである。出力I/F46は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等によって構成される。
【0037】
メモリカードI/F42は、メモリカード24(例えば、SDメモリカード等)を挿入するためのI/Fである。車載側コントローラ41は、メモリカードI/F42に挿入されたメモリカード24に対して、データをリード/ライトすることができる。
【0038】
端末間通信I/F43は、車載端末11を携帯端末12等に接続するためのI/Fである。端末間通信I/F43は、上述の端末間通信路21を実現するために用いられる。端末同士を有線で接続する場合の端末間通信I/F43は、例えば、USBアダプタである。端末同士を無線で接続する場合の端末間通信I/F43は、例えば、Bluetooth(IEEE802.15)通信アダプタである。
【0039】
車載側コントローラ41は、コンピュータプログラムを処理し、車載端末11に係る動作を制御する。車載側コントローラ41は、例えば、コンピュータプログラムの一種である車載アプリケーション100を処理する。車載アプリケーション100は、車載端末11にプリインストールされても良いし、後にユーザによってインストールされても良い。
【0040】
車載アプリケーション100は、例えば、車載ログ収集部101と、車載側ログ送受信部102と、メモリカード出力部103と、車載側バッファ110とを有する。車載側バッファ110は、記憶デバイス47の記憶領域に確保されても良いし、所定のメモリ(不図示)に確保されても良い。
【0041】
車載ログ収集部101は、車載端末11及び車載アプリケーション100の動作に係る様々な情報を収集し、車載ログとして車載側バッファ110に格納する。
【0042】
車載側ログ送受信部102は、端末間通信I/F43を通じて携帯ログを受信し、車載側バッファ110に格納する。また、車載側ログ送受信部102は、車載側バッファ110に格納されている車載ログを、端末間通信I/F43を通じて携帯端末12に送信する。
【0043】
メモリカード出力部103は、車載側バッファ110に格納されている車載ログ及び携帯ログを、メモリカードI/F42を通じてメモリカード24にライトする。
【0044】
図5は、携帯端末12の構成例を示すブロック図である。
携帯端末12は、携帯側コントローラ51と、記憶デバイス57と、入力I/F55と、出力I/F56と、キャリア網I/F52と、端末間通信I/F53と、無線LANI/F54とを有する。
【0045】
記憶デバイス57は、例えば、不揮発性メモリを有しており、データをリード及びライトできる。不揮発性メモリは、例えば、フラッシュメモリ等によって構成される。記憶デバイス57には、携帯ログが格納されて良い。携帯ログには、例えば、携帯端末12及び携帯アプリケーション200等で発生した不具合等を解析するための情報が含まれる。記憶デバイス57には、車載端末11から送信された車載ログも格納されて良い。
【0046】
入力I/F55は、ユーザからの指示を受け付け、携帯側コントローラ51に伝えるためのI/Fである。入力I/F55は、例えば、ボタン、タッチパネル及び/又はマイク等によって構成される。
【0047】
出力I/F56は、携帯側コントローラ51の処理結果をユーザに伝えるためのI/Fである。出力I/F56は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等によって構成される。
【0048】
端末間通信I/F53は、携帯端末12を車載端末11等の他の装置に接続するためのI/Fである。端末間通信I/F53は、車載端末11において説明した端末間通信I/F43と同様である。
【0049】
無線LAN I/F54は、携帯端末12を無線LANに接続するためのI/Fである。無線LAN I/F54は、例えば、IEEE802.11等に準拠する無線通信アダプタである。
【0050】
キャリア網I/F52は、携帯端末12をキャリア網22に接続するためのI/Fである。キャリア網I/F52は、例えば、3G、IMT2000及び/又はLTE規格等に準拠する無線通信アダプタである。
【0051】
携帯側コントローラ51は、コンピュータプログラムを処理し、携帯端末12に係る動作を制御する。携帯側コントローラ51は、例えば、コンピュータプログラムの一種である携帯アプリケーション200を処理する。携帯アプリケーション200は、携帯端末12にプリインストールされても良いし、後にユーザによってインストールされても良い。携帯アプリケーション200は、例えば、テレマティクスサービスの事業者によって提供される。
【0052】
携帯アプリケーション200は、携帯ログ収集部201と、携帯側ログ送受信部202と、ログ送信方法判定部203と、携帯側バッファ210と、データセンタ送信部204と、ログ送信方法判定テーブル300とを有する。携帯側バッファ210は、記憶デバイス57の記憶領域に確保されても良いし、所定のメモリ(不図示)に確保されても良い。
【0053】
携帯ログ収集部201は、携帯端末12及び携帯アプリケーション200の動作に係る様々な情報を収集し、携帯ログとして携帯側バッファ210に格納する。
【0054】
携帯側ログ送受信部202は、端末間通信I/F53を通じて車載ログを受信し、端末側バッファ210に格納する。また、携帯側ログ送受信部202は、携帯側バッファ210に格納されている携帯ログを、端末間通信I/F53を通じて車載端末11に送信する。
【0055】
データセンタ送信部204は、携帯側バッファ210に格納されている車載ログ及び携帯ログを、キャリア網I/F52を使用してデータセンタ14に送信する。
【0056】
ログ送信方法判定部203は、車載ログ及び携帯ログを、どのような方法で送信すると良いかを判定する。ログ送信方法判定部203は、車載ログ及び携帯ログを、キャリア網22又は無線LANを使用して送信するか否かを判定しても良い。
【0057】
例えば、ログ送信方法判定部203は、車載端末11から車載ログを送信しても良いか否かの問い合わせを受けると(図2のS12、図3のS22参照)、所定の条件に基づいて、キャリア網22又は無線LANを使用してログをデータセンタ14に送信するか否かを判定する。
【0058】
ここで、ログ送信方法判定部203は、キャリア網22又は無線LANを使用してログをデータセンタ14に送信すると判定した場合(図2のS13:OK)、車載端末11に対して、車載ログの送信を許可する旨の応答を返して良い(図2のS14参照)。
【0059】
ログ送信方法判定部203は、キャリア網22又は無線LANを使用してログをデータセンタ14に送信しないと判定した場合(図3のS13:NG)、車載端末11に対して、車載ログの送信を許可しない旨の応答を返して良い(図3のS24参照)。
【0060】
ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法判定テーブル300を用いてこの判定を行っても良いし(図6参照)、他の条件に基づいてこの判定を行っても良い(図11参照)。次に、ログ送信方法判定テーブル300の構成例を説明した上で、ログ送信方法判定部203における判定方法の一例を述べる。
【0061】
図6は、ログ送信方法判定テーブル300の構成例を示す。
ログ送信方法判定テーブル300は、ログ送信方法判定部203が、ログの送信方法を判定するための条件を有する。ログ送信方法判定テーブル300は、フィールドとして、例えば、優先順位301と、車載ログサイズ302と、当月累積通信量303と、翌日残り通信量304と、送信ログサイズ305と、無線LAN接続306と、キャリア網接続307と、ログ送信方法308とを有する。
【0062】
優先順位301には、ログ送信方法判定テーブル300の有する各エントリの優先順位が格納される。つまり、優先順位の高いエントリから順番に適合の可否が判断される。
【0063】
車載ログサイズ302には、車載ログのサイズと携帯側バッファ210の空き容量との関係に係る条件が格納される。例えば、エントリ310aは、車載ログのサイズが携帯側バッファ210の空き容量以上の場合、ログ送信方法は「メモリカード経由」と判定されることを示す。なぜなら、携帯端末12は、車載ログを受信しても携帯側バッファ210に格納できないからである。
【0064】
無線LAN接続306には、携帯端末12の無線LANへの接続状態に係る条件が格納される。例えば、エントリ310bは、携帯端末12の無線LAN接続が「有効」な場合、ログ送信方法は「無線LAN経由」と判定されることを示す。なぜなら、無線LAN通信には、一般的に通信量の制限が課せられていないことが多いからである。なお、携帯端末12が無線LANに接続する機能を有さない場合、この無線LAN接続の条件は、判定に用いられなくても良い。
【0065】
キャリア網接続307には、携帯端末12のキャリア網22への接続に係る条件が格納される。通常、携帯端末12は、キャリア網22に係る通信エリアの圏内に存在する場合、キャリア網接続が「有効」な状態となり、通信エリアの圏外に存在する場合、キャリア網接続が「無効」な状態となる。なお、ユーザ自らがキャリア網22への接続を「オフ」に設定した場合、通常、携帯端末12は、キャリア網接続が「無効」な状態となる。
【0066】
送信ログサイズ305には、送信するログのサイズ(データ量)に係る条件が格納されている。送信ログサイズ305は、車載ログのサイズと携帯ログのサイズとの合計であっても良い。
【0067】
当月累積通信量303には、当月の累積通信量に係る条件が格納される。当月累積通信量は、例えば、1か月間等の期初から現時点までの通信量の累積として算出されても良い。この期間は1か月に限られず、例えば、3か月又は2週間等の所定期間であって良い。
【0068】
警告閾値は、1か月間に使用可能な通信量の上限(以下「月間通信量上限」という)に基づく値である。警告閾値は、例えば、月間通信量上限の70%等と設定されて良い。警告閾値は、現時点から当月の最終日(期間の期末)までの期間が長いほど小さくなるように設定されても良い。なぜなら、例えば、その月の初めにログの送信に多くの通信量を使用してしまうと、残りの日における携帯端末が使用可能な通信量が少なくなってしまい、ユーザに日常の携帯端末の利用に影響を与えてしまうからである。そこで、月の初め頃の警告閾値を小さくしておくことで、残りの日における携帯端末が使用可能な通信量が多くなるようにする。
【0069】
上記の判定は、車載ログ及び携帯ログを送信する前の当月累積通信量と警告閾値とを比較して行われても良い。または、上記の判定は、車載ログ及び携帯ログを送信したと仮定した場合のその後の当月累計通信量と警告閾値とを比較して行われても良い。車載ログ及び携帯ログを送信したと仮定した場合のその後の当月累計通信量は、車載ログのデータサイズと携帯ログのデータサイズとの合計に基づいて算出されても良い。
【0070】
月間通信量上限は、携帯端末12のユーザと通信事業者との間の契約に基づいて設定されても良い。また、携帯端末12のユーザが通信事業者との間で月間通信量上限を無制限とする契約を結んでいる場合は、この当月累積通信量303は、判定に用いられないとしても良い。
【0071】
例えば、エントリ310dは、当月累積通信量が警告閾値以上の場合、ログ送信方法は「メモリカード経由」と判定されることを示す。
【0072】
翌日残り通信量304には、例えば、直近3日間(例えば、2日前から当日までの間)の累積通信量に係る条件が格納される。つまり、この期間は、現時点を期末として変動する期間である。この期間は3日間に限られず、例えば、2日間又は7日間等であっても良い。ここで、直近3日間に使用可能な通信量の上限(以下「3日間通信量上限」という)が設定されているとして、次に、この翌日残り通信量304について、図面を用いながら説明する。
【0073】
図7は、翌日残り通信量304を説明するための図である。
図7のグラフ400において、横軸は日付401を表し、縦軸はユーザが1日間に使用した通信量(以下「1日間通信量」という)402を表す。ここで、3日間通信量上限が「10」であるとする。
【0074】
例えば、当日が(N+3)日であった場合、3日間の累積通信量は、(N+1)日、(N+2)日、及び(N+3)日の1日間通信量である「2」、「5」、「1」を合計して「8」となる。これが、翌日(N+4)日になると、(N+1)日の1日間通信量「1」がリセットされるので、3日間の累積通信量は「6」となる。つまり、翌日の(N+4)日の残り通信量は、3日間通信量上限である「10」と「6」の差分である「4」となる。
【0075】
同様に、当日が(N+4)日あった場合、翌日の(N+5)日の3日間の累積通信量は「3」となるので、翌日の(N+3)日の残り通信量は「7」となる。
【0076】
図6の説明に戻ると、例えば、翌日残り通信量が「4」の場合は、3日間通信量上限「10」で除算すると、「4/10=40%」となる。これは、エントリ310f及び310gの翌日残り通信量304の条件である「3日間上限の40%以上かつ50%未満」に該当する。
【0077】
同様に、例えば、翌日残り通信量が「7」の場合は、3日間通信量上限で除算すると、70%となる。これは、エントリ310eの翌日残り通信量304の条件である「3日間上限の50%以上」に該当する。
【0078】
上記の判定は、直近2日間の累積通信量と、3日間通信量上限に基づいて設定された閾値との比較によって行われても良い。この直近2日間の累積通信量は、車載ログ及び携帯ログを送信する前の直近2日間の累積通信量であっても良いし、車載ログ及び携帯ログを送信したと仮定した場合のその後の直近2日間の累計通信量であっても良い。車載ログ及び携帯ログを送信したと仮定した場合のその後の直近2日間の累計通信量は、車載ログのデータサイズと携帯ログのデータサイズとの合計に基づいて算出されても良い。
【0079】
ログ送信方法308には、ログの送信方法が格納される。各エントリのログ送信方法308には、例えば、「メモリカード経由」、「無線LAN経由」または「キャリア網経由」の何れかが格納される。
【0080】
「メモリカード経由」は、車載端末11側に携帯ログ及び車載ログを集めて、そのログを車載端末11に挿入されたメモリカード24に出力する方法を意味する。メモリカード24に出力されたログは、例えば、インターネット網23に接続されているPC13を使用してデータセンタ14に送信される。
【0081】
「無線LAN経由」は、携帯端末12側に携帯ログ及び車載ログを集めて、そのログを無線LANを使用してデータセンタ14に送信する方法を意味する。
【0082】
「キャリア網経由」は、携帯端末12側に携帯ログ及び車載ログを集めて、そのログをキャリア網22を使用してデータセンタ14に送信する方法を意味する。
【0083】
ログ送信方法判定部203は、例えば、ログ送信方法判定テーブル300における優先順位301の高いエントリから順番に該当するか否かを判定し、該当したエントリのログ送信方法308に格納されている方法を判定結果とする。
【0084】
例えば、車載ログサイズ302が携帯側バッファ210の空き容量以上であった場合は、優先順位301「1」のエントリ310aに該当するので、ログ送信方法判定部203は、「メモリカード経由」でログを送信すると判定する。この場合、車載ログ及び携帯ログは車載端末11の車載側バッファ110に集められ、メモリカード24に出力される。
【0085】
例えば、携帯端末12が無線LANに接続されている場合は、優先順位301「2」のエントリ310bに該当するので、ログ送信方法判定部203は、「無線LAN経由」でログを送信すると判定する。この場合、車載ログ及び携帯ログは携帯端末12の携帯側バッファ210に集められ、無線LANを使用してデータセンタ14へ送信される。
【0086】
例えば、翌日残り通信量が3日間通信量上限の40%以上且つ50%未満であり、送信ログサイズが10Mbyte未満であり、さらに、携帯端末12がキャリア網22に接続されている場合は、優先順位301「6」のエントリ310fに該当するので、ログ送信方法判定部203は、「キャリア網経由」でログを送信すると判定する。この場合、車載ログ及び携帯ログは携帯端末12の携帯側バッファ210に集められ、キャリア網22を使用してデータセンタ14へ送信される。
【0087】
ログ送信方法判定テーブル300は、上記の当月累積通信量303及び翌日残り通信量304以外にも、キャリア網22の制約条件に係る様々なフィールドを有しても良い。例えば、ログ送信方法判定テーブル300は、通信速度、通信料金又は通信方式に関するフィールド等を有しても良い。
【0088】
図8は、車載端末11におけるログ送受信処理の一例を示すフローチャートである。
車載側ログ送受信部102は、携帯端末12に車載ログの送信可否を問い合わせる(S401)。このとき、車載側ログ送受信部102は、携帯端末12に車載ログのサイズも通知する。
【0089】
そして、車載側ログ送受信部102は、携帯端末12から車載ログの送信可否の問い合わせに対する応答を受信する(S402)。
【0090】
車載ログの送信を許可された場合(S402:YES)、車載側ログ送受信部102は、車載側バッファ110に格納されている車載ログを、端末間通信路21を通じて携帯端末12に送信し(S403)、当該処理を終了する(終了)。
【0091】
車載ログの送信を許可されなかった場合(S402:NO)、車載側ログ送受信部102は、携帯ログの受信の準備をする(S410)。そして、車載側ログ送受信部102は、端末間通信路21を通じて携帯端末12から送信された携帯ログを受信し、車載側バッファ110に格納する(S411)。
【0092】
そして、メモリカード出力部103は、車載側バッファ110に格納されている車載ログ及び携帯ログをメモリカード24にライトし(S412)、当該処理を終了する(終了)。
【0093】
その後、メモリカード24を挿入されたPC13が、そのメモリカード24に格納されている車載ログ及び携帯ログを、インターネット網23を通じてデータセンタ14に送信する。以上の処理により、車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信することができる。
【0094】
図9は、携帯端末12におけるログ送受信処理の一例を示すフローチャートである。
携帯側ログ送受信部202は、車載端末11から車載ログの送信可否の問い合わせを受ける(S501)。このとき、携帯側ログ送受信部202は、車載端末11から車載ログのサイズの通知も受けて良い。
【0095】
ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を判定する(S502)。ログ送信方法判定部203において、先ほど受信した車載ログのサイズを用いても良い。
【0096】
ログ送信方法の判定結果が「無線LAN経由」又は「キャリア網経由」の何れかであった場合(S503:「無線LAN経由」「キャリア網経由」)、携帯側ログ送受信部は、車載端末11に車載ログの送信を許可する旨の応答を返すと共に(S504)、車載ログの受信の準備をする(S505)。
そして、携帯側ログ送受信部202は、端末間通信路21を通じて車載端末11から車載ログを受信し、携帯側バッファ210に格納する(S506)。
【0097】
次に、データセンタ送信部204は、ログ送信方法の判定結果が「無線LAN経由」又は「キャリア網経由」の何れであったかを特定する(S507)。
【0098】
ログ送信方法の判定結果が「無線LAN経由」であった場合(S507:「無線LAN経由」)、データセンタ送信部204は、無線LANを使用して、携帯側バッファ210に格納されている車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信し(S508)、当該処理を終了する(終了)。
【0099】
ログ送信方法の判定結果が「キャリア網経由」であった場合(S507:「キャリア網経由」)、データセンタ送信部204は、キャリア網22を使用して、携帯側バッファ210に格納されている車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信し(S509)、当該処理を終了する(終了)。
【0100】
一方、S503にてログ送信方法の判定結果が「メモリカード経由」であった場合(S503:「メモリカード経由」)、携帯側ログ送受信部202は、車載端末11に車載ログの送信を許可しない旨の応答を返す(S510)。
【0101】
そして、携帯側ログ送受信部202は、端末間通信路21を通じて車載端末11に携帯ログを送信し(S511)、当該処理を終了する(終了)。
以上の処理により、車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信することができる。
【0102】
図10は、車載端末11の画面に表示される情報の一例を示す模式図である。
車載端末11の出力I/F46を通じて表示される画面501には、例えば、ログ送信ボタン512が表示されている。そして、そのログ送信ボタン512が押下されると、図8のステップS401の処理が実行されても良い。また、車載ログがキャリア網22を使用して送信された場合、画面501に「ログをデータセンタに送信しました」と表示され(符号511参照)、メモリカード24にライトされた場合、画面501に「ログをメモリカードに保存しました」と表示されても良い(不図示)。
【0103】
図11は、ログ送信方法を判定する処理の変形例を示すフローチャートである。
本フローチャートは、ログ送信方法判定部203が、図6に示したテーブル300とは一部異なる条件に基づいて、ログ送信方法を判定する場合の処理例である。
【0104】
ログ送信方法判定部203は、「車載ログのサイズ≦携帯側バッファ210の空き容量」であるか否かを判定する(S201)。
【0105】
「車載ログのサイズ>携帯側バッファ210の空き容量」の場合(S201:NO)、ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を「メモリカード経由」と判定する。
【0106】
「車載ログのサイズ≦携帯側バッファの空き容量」の場合(S201:YES)、ログ送信方法判定部203は、次に、無線LANに接続しているか否かを判定する(S202)。
【0107】
無線LANに接続している場合(S202:YES)、ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を「無線LAN経由」と判定する。
【0108】
無線LANに接続していない場合(S202:NO)、ログ送信方法判定部203は、次に、キャリア網22に接続しているか否かを判定する(S203)。
【0109】
キャリア網22に接続していない場合(S203:NO)、ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を「メモリカード経由」と判定する。
【0110】
キャリア網22に接続している場合(S203:YES)、ログ送信方法判定部203は、次に、「ログ送信後の残り月間通信量≧1日平均通信量×残り日数」であるか否かを判定する(S204)。ここで、「ログ送信後の残り月間通信量=月間通信量上限−ログ送信前の当月累積通信量−送信ログのサイズに基づく送信量」であっても良い。また、「1日平均通信量=月間通信量上限/当月の日数」であっても良い。また、1日平均通信量は、ユーザまたは携帯端末12のこれまでの1日当たりの平均的な通信量であっても良い。
【0111】
「ログ送信後の残り月間通信量<1日平均通信量×残り日数」の場合(S204:NO)、ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を「メモリカード経由」と判定する。「メモリカード経由」と判定するのは、ここでキャリア網22を使用してログを送信してしまうと、残り月間における携帯端末12のキャリア網22の使用に及ぼす影響が大きくなるからである。
【0112】
「ログ送信後の残り月間通信量≧1日平均通信量×残り日数」である場合(S204:YES)、ログ送信方法判定部203は、次に、「ログ送信後の翌日の残り通信量≧1日平均通信量」であるか否かを判定する(S205)。
【0113】
「ログ送信後の翌日の残り通信量<1日平均通信量」の場合(S204:NO)、ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を「メモリカード経由」と判定する。ここで、「ログ送信後の翌日の残り通信量=3日間通信量上限−直近2日間の通信量−送信ログサイズ」であっても良い。「メモリカード経由」と判定するのは、ここでキャリア網22を使用してログを送信してしまうと、翌日の携帯端末12のキャリア網22の使用に及ぼす影響が大きくなるからである。
【0114】
「ログ送信後の翌日の残り通信量≧1日平均通信量」である場合(S205:YES)、ログ送信方法判定部203は、ログ送信方法を「キャリア網経由」と判定する。「キャリア網経由」と判定するのは、ここでキャリア網22を使用してログを送信しても、残り月間及び翌日における携帯端末12のキャリア網22の使用に及ぼす影響が小さいからである。
【0115】
以上の処理により、車載端末11及び携帯端末12は、ユーザの日常の携帯端末12の使用にあまり影響を及ぼすこと無く、車載ログ及び携帯ログをデータセンタ14に送信することができる。
【0116】
上述した実施例は、本発明の説明のための例示であり、本発明の範囲をそれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本発明の要旨を逸脱することなしに、他の様々な態様で本発明を実施することができる。
【符号の説明】
【0117】
1…テレマティクスシステム 11…車載端末 12…携帯端末 13…PC 14…データセンタ 21…端末間通信 22…キャリア網 23…インターネット網


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11