特許第6185428号(P6185428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185428
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ボール付きコンベヤベルト
(51)【国際特許分類】
   B65G 17/38 20060101AFI20170814BHJP
   B65G 13/00 20060101ALI20170814BHJP
   B65G 17/08 20060101ALI20170814BHJP
   B65G 17/24 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B65G17/38 F
   B65G13/00 B
   B65G17/08
   B65G17/24 Z
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-112253(P2014-112253)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-224134(P2015-224134A)
(43)【公開日】2015年12月14日
【審査請求日】2016年3月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003355
【氏名又は名称】株式会社椿本チエイン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 肇
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−165823(JP,U)
【文献】 特開2005−314060(JP,A)
【文献】 実開昭54−159686(JP,U)
【文献】 実開昭59−033816(JP,U)
【文献】 特開2012−121693(JP,A)
【文献】 実公昭42−014213(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 17/24
B65G 17/38
B65G 17/40
B65G 17/06
B65G 17/08
B65G 39/20
B65G 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヒンジ部を両側に有するベルト構成部材を複数備え、複数の前記ベルト構成部材が前記ヒンジ部によりピンを介して直列に連結された帯状のベルト部と、
ボールを一部露出する状態で回転自在に保持するとともに前記ベルト構成部材に形成された凹部に装着されたボールユニットと
前記ボールを前記ベルト部における搬送物が載置される側の面である搬送面とは反対側の面である被走行面側から覆うカバー部とを備え、
前記カバー部は、前記ボールユニットが前記凹部に装着された状態において前記ボールから離間しており、
前記ボールは、前記搬送面から一部突出し、前記被走行面からは突出していないことを特徴とするボール付きコンベヤベルト。
【請求項2】
前記カバー部の前記ボール側と反対側の面の少なくとも一部は、前記ベルト部の前記被走行面と面一となっていることを特徴とする請求項に記載のボール付きコンベヤベルト。
【請求項3】
前記カバー部は、前記ボールの前記被走行面側の部分を支持する座部を有していることを特徴とする請求項又はに記載のボール付きコンベヤベルト。
【請求項4】
前記座部を有する前記カバー部は、前記ボールユニットにおける前記ボールを一部露出させた状態で回転自在に保持するホルダに設けられていることを特徴とする請求項に記載のボール付きコンベヤベルト。
【請求項5】
前記ボールは、前記座部上に回転自在に配置された複数の玉に支持されていることを特徴とする請求項又はに記載のボール付きコンベヤベルト。
【請求項6】
前記ボールユニットは前記ボールを一部露出させた状態で回転自在に保持するホルダを備え、
前記ホルダにおける前記ボールの一部が露出する開口の周縁部には、前記ベルト部の搬送面よりも突出するとともに、外周側から前記ボールに近づくほど突出量が多くなる案内面を有する案内部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のボール付きコンベヤベルト。
【請求項7】
前記ボールユニットは、前記ベルト部の厚さ方向と交差する方向から前記凹部にスライド挿入されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載のボール付きコンベヤベルト。
【請求項8】
前記凹部にスライド挿入された前記ボールユニットを、前記ベルト部に対する厚さ方向への移動が規制された状態に係止する係止部を備えていることを特徴とする請求項に記載のボール付きコンベヤベルト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のベルト構成部材がピンを介して直列に連結されたモジュラチェーンベルト等のベルト部に、複数のボールが装着されたボール付きコンベヤベルトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のボール付きコンベヤベルトとして、モジュラチェーンベルト等のベルト部に複数のボール(フリーボール)が装着されたものが知られている(例えば特許文献1〜3参照)。ベルト部は、複数のチェーンリンク(ベルト構成部材の一例)がヒンジ部でピンを介して回動自在に直列に連結されることで形成されている。複数のボールは、各チェーンリンクの長手方向に略一定の間隔で複数形成された各凹部にベルト部の厚さ方向に変位可能な状態で装着されている。例えばボールはベルト部の裏面(被走行面)から突出した下降状態にあり、ベルト部の裏面が摺動するレール等の案内部の走行面にボールが乗り上がることで、ボールはベルト部の搬送面(表面)から上方へ突出し、その突出した状態で走行面上を転動する。ボールに載った物品(搬送物)は、ボールの転動によりベルト部上を相対移動し、ベルト部の搬送速度の約2倍の速度で倍速搬送される。このように従来のボール付きコンベヤベルトでは、コンベヤベルトの走行中に複数のボールが走行面上を転動するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−314060号公報
【特許文献2】特開2006−298619号公報
【特許文献3】特表2007−518654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンベヤベルト上へ搬送方向とは交差する横方向から物品が搬入される場合がある。この場合、走行面上を転動するボールは、物品の搬入方向と交差する搬送方向へ物品を搬送可能な方向に転動しているため、横方向から搬入される過程で物品がボールから受ける力によって回転したり、あるいはボールから受ける抵抗によって若干引っ掛かり気味に搬入されたりして、物品をスムーズに搬入できないという課題がある。
【0005】
本発明の目的は、搬送方向と異なる方向からコンベヤベルト上に搬入される搬送物を、ボール上にスムーズに搬入することができるボール付きコンベヤベルトを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決するボール付きコンベヤベルトは、複数のヒンジ部を両側に有するベルト構成部材を複数備え、複数の前記ベルト構成部材が前記ヒンジ部によりピンを介して直列に連結された帯状のベルト部と、ボールを一部露出する状態で回転自在に保持するとともに前記ベルト構成部材に形成された凹部に装着されたボールユニットとを備え、前記ボールは、前記ベルト部における搬送物が載置される側の面である搬送面から一部突出し、前記ベルト部における前記搬送面と反対側の面である被走行面からは突出していない。
【0007】
この構成によれば、ボール付きコンベヤベルト(以下、単に「コンベヤベルト」と称す。)において、ボールはベルト部の被走行面からは突出していないので、コンベヤベルトの走行中に走行面に当たらず転動(回転)しない。このため、ボールはコンベヤベルトの走行に独立して自由回転可能な状態にある。コンベヤベルト上に搬送方向と交差する方向から搬入された搬送物は、自由回転可能なボールに載るので、ボールに載ってその搬入方向にスムーズに搬入される。例えば搬送物が載った際にボールが走行面上を転動していると、搬送物がその搬入方向と異なる方向の力をボールから受け、搬送物がボールの転動方向に流されて例えばその姿勢が変わる等の不都合が起こりうる。しかし、搬送物がボールに載るときにボールが転動することなく自由回転可能な状態にあるので、この種の不都合を抑えつつ、搬送物をコンベヤベルトの搬送方向と交差する方向からコンベヤベルト上へスムーズに搬入することができる。
【0008】
上記ボール付きコンベヤベルトは、前記ボールを前記被走行面側から覆うカバー部を備えることが好ましい。
この構成によれば、ボールは被走行面側からカバー部で覆われているので、ボールが例えば被走行面から突出していないものの露出している構成に比べ、ボールが走行面に接触することをより確実に回避できる。例えばカバー部がない構成であると、ボールユニットのベルト構成部材への装着位置のばらつきや、ベルト部の被走行面の摩耗の進行などに起因し、ボールが走行面に接触する虞がある。これに対して、カバー部があるため、この種の装着位置のばらつきや被走行面の摩耗があっても、ボールが走行面に接触しにくくなる。
【0009】
上記ボール付きコンベヤベルトにおいて、前記カバー部の前記ボール側と反対側の面の少なくとも一部は、前記ベルト部の前記被走行面と面一となっていることが好ましい。
この構成によれば、カバー部のボール側と反対側の面の少なくとも一部が、ベルト部の被走行面と面一となっているので、ベルト部の被走行面のみで走行面と摺動する構成に比べ、コンベヤベルトの被走行面の面積が広く確保される。この結果、コンベヤベルトが走行面から受ける面圧が小さく抑えられる。例えばコンベヤベルトの被走行面が摩耗しにくくなり、コンベヤベルトの長寿命化に寄与する。
【0010】
上記ボール付きコンベヤベルトにおいて、前記カバー部は、前記ボールの前記被走行面側の部分を支持する座部を有していることが好ましい。
この構成によれば、ボールの被走行面側の部分はカバー部が有する座部により支持される。よって、ボールの被走行面側の部分が支持されていない構成に比べ、ボールの支持箇所が多くなり、ボールユニットを一層安定に保持することができる。
【0011】
上記ボール付きコンベヤベルトにおいて、前記座部を有する前記カバー部は、前記ボールユニットにおける前記ボールを一部露出させた状態で回転自在に保持するホルダに設けられていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、座部を有するカバー部は、ボールを回転自在に保持するホルダに設けられているので、ボールは座部により安定に支持される。例えば座部がベルト構成部材に設けられた構成であると、ベルト構成部材に対するボールユニットの装着位置のばらつき等に起因し、ボールが座部に支持されない虞がある。しかし、座部がホルダに設けられているため、ボールが座部に支持されない不都合が発生しにくく、ボールを座部により確実に支持できる。
【0013】
上記ボール付きコンベヤベルトにおいて、前記ボールは、前記座部上に回転自在に配置された複数の玉に支持されていることが好ましい。
この構成によれば、ボールは、座部上に回転自在に配置された複数の玉に支持されているので、ボールが回転する際に座部や玉から受ける摩擦抵抗が小さくなり、ボールの回転性が向上する。
【0014】
上記ボール付きコンベヤベルトにおいて、前記ボールユニットは前記ボールを一部露出させた状態で回転自在に保持するホルダを備え、前記ホルダにおける前記ボールの一部が露出する開口の周縁部には、前記ベルト部の搬送面よりも突出するとともに、外周側から前記ボールに近づくほど突出量が多くなる案内面を有する案内部が設けられていることが好ましい。
【0015】
この構成によれば、搬送物はボール上へ載る際に、搬送面から突出する案内部の案内面に案内され、スムーズにボール上に載ることができる。
上記ボール付きコンベヤベルトでは、前記ボールユニットは、前記ベルト部の厚さ方向と交差する方向から前記凹部にスライド挿入されていることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、ボールユニットはベルト部の厚さ方向と交差する方向から凹部にスライド挿入されることで、ベルト部の凹部に装着されている。よって、ボールのベルト部からの浮き上がりを抑制することができる。
【0017】
上記ボール付きコンベヤベルトでは、前記凹部にスライド挿入された前記ボールユニットを、前記ベルト部に対する厚さ方向への移動が規制された状態に係止する係止部を備えていることが好ましい。
【0018】
この構成によれば、凹部にスライド挿入されたボールユニットは、係止部によりベルト部に対してその厚さ方向への移動が規制された状態で係止される。よって、ボールのベルト部からの浮き上がりを一層確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、搬送方向と異なる方向からコンベヤベルト上に搬入される搬送物を、ボール上にスムーズに搬入することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1実施形態におけるベルト式搬送装置を模式的に示す斜視図。
図2】ボール付きコンベヤベルトの一部を搬送面側から見た一部分解した斜視図。
図3】コンベヤベルトの一部を被走行面側から見た一部分解した斜視図。
図4】ボールユニットを示す分解斜視図。
図5】チェーンリンクに対するボールユニットの装着構造を示す斜視図。
図6】コンベヤベルトにおけるボールユニットの装着部分を示す正面図。
図7】コンベヤベルトにおけるボールユニットの装着部分を示す側断面図。
図8】第2実施形態におけるボール付きコンベヤベルトの一部を搬送面側から見た一部分解した斜視図。
図9】コンベヤベルトの一部を被走行面側から見た一部分解した斜視図。
図10】ボールユニットを示す分解斜視図。
図11】チェーンリンクに対するボールユニットの装着構造を示す斜視図。
図12】コンベヤベルトにおけるボールユニットの装着部分を示す正面図。
図13】コンベヤベルトにおけるボールユニットの装着部分を示す側断面図。
図14】変形例のコンベヤベルトにおけるボールユニットの装着部分を示す側断面図。
図15図14と異なる変形例のコンベヤベルトにおけるボールユニットの装着部分を示す側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態におけるボール付きコンベヤベルトを、図1図7を参照して説明する。
【0022】
図1に示すように、ベルト式搬送装置11は、無端状のボール付きコンベヤベルト12(以下、単に「コンベヤベルト12」ともいう。)を周回させることで、その上面である搬送面12Aに載置された搬送物の一例としての物品Wを搬送する。本実施形態のベルト式搬送装置11では、コンベヤベルト12の搬送方向X(走行方向)と交差する少なくとも横方向SIから物品Wが搬入される。コンベヤベルト12は、ボール付きモジュラチェーンベルトにより構成される。コンベヤベルト12は合成樹脂製であるが、金属製であってもよい。
【0023】
ベルト式搬送装置11は、搬送方向Xに所定距離を離れて配置された一対の回転軸13と、各回転軸13に複数個ずつ嵌着されたスプロケット14とを備えている。各スプロケット14は、外周部に複数の歯部14aを有している。コンベヤベルト12は、搬送面12Aと反対側となる裏面の長手方向に一定ピッチで形成された噛合用凹部(図示せず)に歯部14aを噛み合わせた状態で各スプロケット14に巻き掛けられている。
【0024】
図1に示すように、搬送方向Xの下流側(図1では右側)に位置する一方の回転軸13には、動力源であるモータ16の動力が減速機構17を介して入力される。モータ16が駆動されてスプロケット14が回転すると、コンベヤベルト12が搬送方向Xに周回する。コンベヤベルト12は、搬送される物品Wが載置される搬送面12A側(上側)の部分の裏面で、四角板状の支持台18に支持されている。支持台18には、搬送方向Xに沿って延びるレール19が幅方向Yに複数本(図1では1本のみ図示)配置されている。コンベヤベルト12はこれら複数本のレール19に支持された状態で周回する。つまり、コンベヤベルト12は、搬送面12A(表面)と反対側の面となる被走行面12B(裏面)がレール19におけるコンベヤベルト12と対向する面(図1の例では上面)である走行面19A(図7参照)に摺動しながら周回する。
【0025】
図2及び図3は、コンベヤベルト12を搬送方向X及び幅方向Yにそれぞれ分割した一部を、一部分解した状態で示している。図2はコンベヤベルト12の搬送面12A側を示し、図3は被走行面12B側を示している。図2に示すように、本例のコンベヤベルト12は、モジュラチェーンベルトにより構成されるベルト部20と、ベルト部20の搬送面20A(表面側)に一部が突出する状態で露出するボール31を有するボールユニット30とを備えている。ボールユニット30はベルト部20に対して平面視でマトリクス状に配列された状態で複数組み付けられている。なお、ボールユニット30の配列パターンは、マトリクス状に限定されず、例えばチェッカーフラグ状又は六方格子状の配列パターンでもよい。要するに物品Wを同時に複数個のボール31で支持可能な適宜な配列パターンを用いることができる。
【0026】
図2及び図3で示すコンベヤベルト12の一部の構造が、搬送方向X及び幅方向Yに必要な数だけ連結されることで、図1に示す所定長さ及び所定幅のコンベヤベルト12が構成される。なお、本実施形態では、コンベヤベルト12の搬送面12Aは物品Wが載置される部分であり、具体的には複数のボール31によって形成される。これに対してベルト部20の搬送面20Aは、物品Wのコンベヤベルト12上への搬入時や物品が傾いたときなどに物品の下端が一部接触することがありうるものの、物品が載置されることは基本的にないベルト部20の表面であり、ボール31の突出量の基準となる面である。
【0027】
図2及び図3に示すように、ベルト部20は、幅方向Yに延びる長尺状のベルト構成部材の一例としてのチェーンリンク21を複数備えている。ベルト部20は、搬送方向Xに隣り合うチェーンリンク21をピン40により回動自在に連結し、その連結を介して複数のチェーンリンク21が直列に連鎖されることで帯状に形成されている。ピン40は、コンベヤベルト12の幅寸法に略等しい長さ寸法を有する。チェーンリンク21は、その長手方向に沿って複数(図2の例では4個)の凹部22を有し、各凹部22にボールユニット30が装着されている。
【0028】
以下、チェーンリンク21及びボールユニット30の詳細な構成を説明する。なお、以下の説明では、チェーンリンク21の長手方向をy、その長手方向yと交差する方向を短手方向xとする。
【0029】
図2及び図3に示すように、チェーンリンク21は、一方向(長手方向y)に長い板状の基板部23を有する。基板部23には、搬送方向X(チェーンリンク21の短手方向x)の下流側に向かって開口する凹部22が、長手方向yに一定の間隔をおいて複数(本例では4個)形成されている。基板部23における凹部22の開口端側(図2では右側)において長手方向yに凹部22を挟む両側の位置には、2種類の第1ヒンジ部24A,24Bが搬送方向Xの下流側へ向かって延出している。
【0030】
図2及び図3に示すように、一方の第1ヒンジ部24Aは、基板部23の長手方向y両端部に二つ設けられている。また、他方の第1ヒンジ部24Bは、基板部23における凹部22間に相当する領域に一対ずつ(図2の例では合計三対)設けられ、第1ヒンジ部24Aの幅よりも相対的に狭い幅に形成されている。また、対をなす第1ヒンジ部24B,24Bの間には、凹部22よりも幅の狭い凹部25が形成されている。そして、各第1ヒンジ部24A,24Bには、その延出方向と直交する方向に貫通する円筒状のピン孔24aが、それぞれ同軸上となる位置に形成されている。また、チェーンリンク21において凹部22に対して裏面側の箇所には、凹部22に装着されたボールユニット30の裏側に露出したボール31をベルト部20の裏面側から覆うカバー部26が形成されている。凹部22に装着された状態ではボールユニット30の裏面全体がカバー部26によって覆われる。
【0031】
一方、図2及び図3に示すように、基板部23において短手方向xに第1ヒンジ部24A,24Bと反対側となる背面側には、2種類の第2ヒンジ部27A,27Bが第1ヒンジ部24A,24Bの延出方向と反対となる方向に延出している。一方の第2ヒンジ部27Aは、長手方向yにおいて凹部22と対応する位置に設けられ、隣のチェーンリンク21の凹部22に一部の深さまで挿入可能な幅及び延出長に形成されている。また、他方の第2ヒンジ部27Bは、長手方向yにおいて凹部25と対応する位置に設けられ、隣のチェーンリンク21の凹部25に挿入可能な幅及び延出長に形成されている。そして、長手方向yに隣合う第2ヒンジ部27A,27B間には、搬送方向Xに隣に位置するチェーンリンク21の第1ヒンジ部24Bが挿入される凹部28が形成されている。また、長手方向yにおいて両端に位置する第2ヒンジ部27Aよりも外側となる位置には、第1ヒンジ部24Aが挿入される切欠29とが形成されている。
【0032】
第1ヒンジ部24Aは、切欠29の幅よりも若干狭い幅で形成され、第1ヒンジ部24Bは凹部28よりも若干狭い幅で形成されている。また、第2ヒンジ部27Aは凹部22よりも若干狭い幅に形成され、第2ヒンジ部27Bは凹部25よりも若干狭い幅で形成されている。
【0033】
図2及び図3に示すように、第2ヒンジ部27A,27Bには、その延出方向と直交する方向に貫通する円筒状のピン孔27aが、それぞれ同軸上となる位置に形成されている。第1ヒンジ部24A,24Bと第2ヒンジ部27A,27Bは、互いのピン孔24a,27aが同軸上に並ぶ位置まで、相手側の凹部25,28への挿入が可能となっている。そして、1本に連通するピン孔24a,27aにピン40を挿通することで、複数のチェーンリンク21は、隣り合う他のチェーンリンク21とヒンジ部24,27を介してピン40を中心に回動自在に連結されている。なお、本実施形態では、第1ヒンジ部24B,24B及び第2ヒンジ部27A,27Bによりヒンジ部の一例が構成される。また、以下の説明では、2種類の第1ヒンジ部24A,24Bを特に区別する必要がない場合は、「第1ヒンジ部24」と呼び、2種類の第2ヒンジ部27A,27Bを特に区別する必要がない場合は、「第2ヒンジ部27」と呼ぶものとする。
【0034】
図2及び図3に示すように、各チェーンリンク21の各凹部22には、ボールユニット30が1個ずつ装着されている。ベルト部20に組み付けられたボールユニット30(つまりボール31)のピッチは、搬送方向Xと幅方向Yでほぼ等しく、例えば10〜60mmの範囲内の所定値に設定されている。この所定値は、搬送対象の物品の底面のサイズ(底面の短手方向の長さ)に比べ小さな値に設定され、搬送中の物品Wは常に複数個のボール31上に載る。
【0035】
図2及び図3に示すように、ボールユニット30は、ボール31を回転可能に保持するホルダ32備えている。ホルダ32は、平面視略D字形状(先端側の二つの角部が丸みを帯びた四角板状)で、チェーンリンク21とほぼ同じ厚さを有する。ホルダ32の表裏両面には、ボール31の一部を露出させる円形の開口32aが形成されている。ホルダ32は、ほぼ同形状を呈する下部カバー33と上部カバー34とを有している。下部カバー33と上部カバー34は、開口32aから一部露出させたボール31を自由回転可能に保持する状態で係止により接合されている。このように構成されたボールユニット30は、凹部22に対して図2及び図3に示す矢印方向(搬送方向Xと反対の方向)にスライド挿入されることで、チェーンリンク21に対して係止により装着される。
【0036】
次に、図4及び図5を参照して、ボールユニット30の構成及びチェーンリンク21へのボールユニット30の装着構造について説明する。
図4に示すように、ボールユニット30は、ホルダ32を厚さ方向に二分(半割り)した厚さでそれぞれ四角板形状を有する前述の下部カバー33と上部カバー34とを備えている。下部カバー33の中央部分には、厚み方向に貫通しボール31の下側の一部を露出可能な平面視円形の貫通孔33aが形成されている。さらに下部カバー33における上部カバー34との接合面33bには、貫通孔33aを挟んで対峙する二位置から垂直に突出する一対の円柱状のピン33cと、一対のピン33cの対峙方向と交差する方向で対峙する一対のピン穴33dとが設けられている。また、下部カバー33の外周部には凹部22の内周面と相対する三方の外周面に亘って平面視略U字状に延びる凸条部35a(フランジ部)が形成されている。凸条部35aの接合面33b側の面は、接合面33bと面一となっている。
【0037】
一方、図4に示す上部カバー34は、接合面33b、34bに対して下部カバー33とほぼ面対称な形状を有している。上部カバー34の中央部分には厚み方向に貫通するとともにボール31の上側の一部を露出可能な平面視円形の貫通孔34aが形成されている。さらに上部カバー34における下部カバー33との接合面34bには、下部カバー33側の一対のピン穴33dに嵌入可能な一対のピン(図示せず)と、下部カバー33側の一対のピン33cが嵌入可能な一対のピン穴(図示せず)とが形成されている。また、上部カバー34の外周部における厚さ方向に接合面34b寄りの位置には、凹部22の内周面と相対する三方の外周面に亘って平面視略U字状に延びる凸条部35b(フランジ部)が形成されている。
【0038】
また、図4に示すように、上部カバー34において搬送面20Aの一部を構成する表面32b(上面)には、ボール31が露出する開口32aの外周縁に沿って円環状の案内部36が突設されている。案内部36は、開口32aの径方向外側(外周側)から開口32a(換言すればボール31)に近づくほど徐々に突出量が大きくなる向きに傾斜した案内面36aを有している。案内面36aは、例えば円錐台の外周面とほぼ同じ面形状に形成されている。なお、案内面36aの面形状は、径方向の傾きが一定の面形状以外に、凹曲面や凸曲面でもよいし、径方向の途中で傾きが変化する面形状でもよい。
【0039】
図4に示す下部カバー33と上部カバー34は、ピン33cが上部カバー34側のピン穴に嵌入され、上部カバー34側のピンがピン穴33dに嵌入されることで、ボール31を貫通孔33a,34a内に収容する状態で係止される。こうして図5に示すように、ボール31が自由回転可能な状態でホルダ32に保持されたボールユニット30が製造される。このとき、一対の凸条部35a,35bが接合されることでホルダ32の外周部には平面視D字状に突出するフランジ部35が形成される。
【0040】
次に、図5図7を参照してボールユニット30の凹部22への装着構造について説明する。図5に示すように、凹部22の長手方向yに対向する二つの内壁面には、チェーンリンク21の厚さ方向両端部(上下端部)の位置に、ボールユニット30のフランジ部35をスライド挿入可能に案内でき、かつホルダ32の装着位置での係止が可能な上下一対の四角片状のガイド部22a,22bが突設されている。チェーンリンク21の厚さ方向における一対のガイド部22a,22bの間隔は、フランジ部35をスライド挿入可能に案内できるようにフランジ部65の厚さよりも若干広く設定されている。また、凹部22においてボールユニット30の挿入方向奥面となる凹曲面の部分には、凹部22に挿入されたボールユニット30のホルダ32の挿入方向前端部の下面を支持する円弧状の凸条よりなるガイド部22cが突設されている。そして、ボールユニット30は、凹部22に対してその開口端側から一番奥までスライド挿入された装着位置で係止により抜け止めされる。ボールユニット30にかかる荷重は、ホルダ32のフランジ部35が当接するガイド部22a,22cによって受け止められる。また、フランジ部35の上面が一対のガイド部22bと当接することで、ボールユニット30の凹部22から上方への抜け止めがなされている。なお、本実施形態では、ガイド部22a〜22cにより、係止部の一例が構成される。
【0041】
図6及び図7に示すように、ボールユニット30の装着状態では、ホルダ32の表面32b(上面)が、チェーンリンク21の上面によって形成されるベルト部20の搬送面20Aとほぼ面一になっている。このため、ホルダ32においてボール31の一部が露出する開口32aの外周縁部に設けられた円環状の案内部36は、ベルト部20の搬送面20Aよりもボール31の突出方向側に突出している。コンベヤベルト12上へ搬入される物品Wの搬入方向先端部の下端がボール31の頂部よりも仮に低く位置しても、その物品Wの搬入方向先端部の下端が案内面36aに案内されることで、物品Wはさほど引っ掛かりもなくボール31にスムーズに乗り上がるようになっている。
【0042】
また、図6及び図7に示すように、凹部22のうちボールユニット30が装着される部分を裏面側から覆うカバー部26におけるボール31側と反対側となる面である底面26aは、チェーンリンク21のカバー部26以外の部分(チェーンリンク21のうち平面視で凹部22以外の部分)の底面と面一に形成されている。このため、カバー部26の底面26aも、コンベヤベルト12の被走行面12Bの一部を形成している。よって、コンベヤベルト12の被走行面12Bがレール19の走行面19Aに摺動するときにコンベヤベルト12が走行面19Aから受ける面圧が小さく抑えられる。
【0043】
また、図6及び図7に示すように、ボールユニット30が凹部22に装着された状態において、カバー部26はボール31から離間している。このため、ボール31が回転するときにカバー部26との摺動摩擦抵抗が発生しない。なお、カバー部26とボール31との隙間は、コンベヤベルト12の薄型化が要求される場合は、ボール31に物品Wの荷重がかかっても互いに接触しない範囲でなるべく狭くすることが好ましい。
【0044】
本実施形態のコンベヤベルト12の材質は合成樹脂製である。ボール31の材質は例えばナイロンであり、チェーンリンク21及びホルダ32の材質は、例えばポリアセタール(POM)樹脂である。また、レール19の材質は、超高分子量ポリエチレン又はステンレスである。また、チェーンリンク21及びホルダ32の材質は、ポリアセタール樹脂に替え、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート及びポリプロピレンなどの他の合成樹脂を用いることもできる。
【0045】
次に、上記のように構成されたコンベヤベルト12の作用を説明する。
図1及び図2に示すコンベヤベルト12は、モータ16の動力で回転するスプロケット14との噛み合いを介して伝達される動力により搬送方向Xに周回(走行)する。この結果、コンベヤベルト12の搬送面12A上(つまりボール31上)に載置された物品Wは、搬送方向Xに所定速度で搬送される。
【0046】
図1に示すコンベヤベルト12上へは、搬送方向Xの上流側から送られてきた物品W又はコンベヤベルト12の搬送方向Xと交差する横方向SI(側方)から送られてきた物品Wが搬入される。コンベヤベルト12の駆動中でも、ボール31はレール19の走行面19Aに当たらないので転動しない。つまり、ボール31はコンベヤベルト12の駆動と独立して自由回転可能な状態にある。
【0047】
例えば横方向SIから搬入された物品Wは、自由回転可能なボール31に載ることになる。物品Wがボール31に載ると、ボール31は物品Wの搬入方向の力を受けて回転する。この結果、横方向SIから送られてきた物品Wは、ボール31に載ってコンベヤベルト12上にスムーズに搬入される。
【0048】
例えば従来技術のボール付きコンベヤベルトでは、コンベヤベルトの駆動中はボールが走行面上を転動するため、物品が搬送方向と交差する横方向(側方)から搬入されると、物品はそのとき転動するボールから搬送方向の力を受ける。このため、搬入過程で物品の姿勢が変化(例えば回転等)したり、ボールの抵抗によって物品の搬入時に引っ掛かりが発生したりする虞がある。つまり、物品をボール付きコンベヤベルト上にスムーズに搬入できない。
【0049】
これに対して本実施形態のコンベヤベルト12によれば、物品Wの搬入時にボール31がコンベヤベルト12の駆動に独立して自由回転可能なので、搬入過程における物品Wの回転等による姿勢の変化や、物品Wの引っ掛かり等が発生しにくい。このため、物品Wは、横方向SIからでもコンベヤベルト12上にスムーズに搬入される。
【0050】
また、図6及び図7に示すように、ボール31はカバー部26から離間しているので、カバー部26との摺動摩擦抵抗が発生しない。このようにボール31が回転する際にカバー部26との摺動摩擦抵抗が無いことからも、物品Wは横方向SIからでもコンベヤベルト12上にスムーズに搬入される。
【0051】
また、図6及び図7に示すように、カバー部26の底面26aは、チェーンリンク21のカバー部26以外の部分の底面と面一に形成されている。このため、コンベヤベルト12の被走行面12B(つまりベルト部20の被走行面20B)の面積が広く確保され、コンベヤベルト12の被走行面12Bがレール19の走行面19Aから受ける面圧が小さく抑えられる。よって、コンベヤベルト12においてレール19の走行面19Aと摺動する被走行面12Bが受ける荷重を分散することができる。例えばコンベヤベルト12の被走行面20Bを摩耗しにくくなる。
【0052】
また、図6及び図7に示すように、ボール31の一部が露出する開口32aの外周縁部には、搬送面20A(つまりホルダ32の表面32b)よりもボール31の突出側へ突出する円環状の案内部36が設けられている。このため、コンベヤベルト12上へ搬入される際に物品Wの搬入方向先端部の下端が仮にボール31の頂部よりも低く位置しても、その物品Wの搬入方向先端部の下端が案内面36aに沿って案内されることで、物品Wはさほど引っ掛かりなくボール31上にスムーズに乗り上がることができる。よって、この場合も、物品Wはコンベヤベルト12のボール31上にスムーズに搬入される。そして、物品Wはコンベヤベルト12上の幅方向Y中央寄りの位置まで搬入され、搬送面12A(つまりボール31)に載置された状態でコンベヤベルト12の走行と共に搬送方向Xに搬送される。
【0053】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)チェーンリンク21の凹部22に装着されたボールユニット30のボール31は、搬送面20Aから一部突出し、走行面19Aと摺動する被走行面20Bからは突出していない。よって、コンベヤベルト12の走行中において、ボール31は走行面19Aに接触しないため、コンベヤベルト12の駆動とは独立して自由回転可能な状態にある。従って、コンベヤベルト12上に物品Wが搬入された際、物品Wはボール31に載ってその搬入方向にスムーズに移動する。例えば物品Wの搬入の際に、ボールが走行面上を転動していると、物品Wがボール31に載った際に搬入方向と異なる方向へ移動させようとする力を受け、例えば搬入過程で物品Wの姿勢が変化したり、ボールの抵抗による一種の引っ掛かりが発生したりする虞がある。しかし、本実施形態によれば、コンベヤベルト12の走行中もボール31は自由回転可能なので、この種の不都合の発生を抑制することができる。
【0054】
(2)チェーンリンク21には、ボール31を被走行面20B側から覆うカバー部26が設けられている。ボール31の被走行面20B側はカバー部26で覆われているので、ボール31が走行面19Aと接触することをより確実に回避できる。例えばボールの被走行面側が覆われておらずボールが露出する構成であると、チェーンリンクに対するボールユニットの装着位置のばらつき、又はベルト部の被走行面の摩耗の進行などに起因し、ボールが走行面に当たり転動する心配がある。これに対して、ボール31がカバー部26で覆われている本実施形態によれば、ボールユニット30の装着位置のばらつきや被走行面20Bの摩耗の進行などに依らず、ボール31が走行面19Aに当たることをより確実に回避できる。
【0055】
(3)カバー部26のボール31側と反対側の面である底面26aが、ベルト部20のカバー部26以外の部分の被走行面20Bと面一となっている。このため、コンベヤベルト12が走行面19Aに当たる被走行面12Bの面積が広く確保され、コンベヤベルト12が走行面19Aから受ける面圧を小さく抑えることができる。よって、コンベヤベルト12の被走行面12Bのうち走行面19Aと摺動する部分が受ける荷重が分散される。例えば被走行面12Bが摩耗しにくくなり、コンベヤベルト12の長寿命化に寄与できる。
【0056】
(4)カバー部26はボール31から離間して位置するので、ボール31の回転時にカバー部26との接触摩擦抵抗が発生しない。このため、カバー部がボールと接触する構成の場合に比べ、搬入時に物品Wが載ったボール31はスムーズに回転する。よって、横方向SIからでも、物品Wをコンベヤベルト12上にスムーズに搬入できる。
【0057】
(5)カバー部26をチェーンリンク21に一体に形成したので、カバー部26の底面26aを、ベルト部20のカバー部26以外の部分の被走行面20Bとより確実に面一とすることができる。例えばカバー部26が、チェーンリンクと別部材であるボールユニット30のホルダ32に形成されている構成であると、チェーンリンク21に対するボールユニット30の装着位置のばらつき等に起因し、カバー部26とベルト部20の被走行面20Bとが面一にならない場合が発生する虞がある。これに対して、カバー部26がチェーンリンク21と一体に形成されているので、カバー部26の底面26aを、ベルト部20の被走行面20Bとより確実に面一とすることができる。
【0058】
(6)ボールユニット30はベルト部20の厚さ方向と交差する方向(搬送方向Xと平行な方向)から凹部22にスライド挿入されることで、ベルト部20に装着されている。よって、ボール31のベルト部20からの浮き上がりを抑制することができる。また、仮にベルト部20に対するボールユニット30の装着が弛んでも、ボールユニット30はスライド方向へ移動するだけなので、このような装着が弛んだときでも、ボール31のベルト部20からの浮き上がりを抑制することができる。特にボールユニット30の装着が弛んでもピン40が抜け止めになるので、ボールユニット30が凹部22から抜け落ちることを防止できる。
【0059】
(7)チェーンリンク21は、凹部22にスライド挿入されたボールユニット30を、ベルト部20に対してその厚さ方向への移動が規制された状態に係止する係止部の一例としてガイド部22a,22b,22cを備えている。よって、ボール31のベルト部20からの浮き上がりを一層確実に抑えることができる。仮にベルト部20に対するボールユニット30の装着が弛んでも、ガイド部22a,22b,22cによってベルト部20の厚さ方向への移動が規制されるので、このような装着が弛んだときでも、ボール31のベルト部20からの浮き上がりを一層確実に抑えることができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に第2実施形態におけるボール付きコンベヤベルトを、図8図13を参照して説明する。本実施形態では、ボールユニットにおけるボール支持構造及びボールを裏面側から覆うカバー部の構成が、第1実施形態と異なる。すなわち、前記第1実施形態では、ボール31を走行面19A側から覆うカバー部をチェーンリンク21に設けたが、本実施形態ではボール61の走行面19A側の部分を支持する座部がカバー部を兼ねるとともに、そのカバー部を兼ねる座部をボールユニット60のホルダ62に設けている。なお、本実施形態のベルト構成部材の一例としてのチェーンリンク51は、ボールユニット60の構成の違いからそのボールユニット60の装着先の凹部52の構造が異なる以外のその他の部分については、第1実施形態におけるチェーンリンク21と基本的に同様の構成である。このため、チェーンリンク51における第1実施形態のチェーンリンク21と共通の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0061】
図8及び図9に示すように、コンベヤベルト12を構成する複数のチェーンリンク51は、基板部53の短手方向xの両側に、第1実施形態のチェーンリンク21と同様の第1ヒンジ部24A,24B及び第2ヒンジ部27A,27Bを有している。そして、長手方向yにおいて第2ヒンジ部27Aと対応する位置に、すなわち第1実施形態の凹部22と同様の位置に、第2ヒンジ部27Aの幅よりも若干大きな開口幅を有する凹部52が形成されている。この凹部52には、第2実施形態のボールユニット60が装着される。ボールユニット60は、凹部52に対して図8及び図9に示す矢印方向(搬送方向Xと反対の方向)にスライド挿入されることで、チェーンリンク51に対して係止により装着される。そして、複数のチェーンリンク51は、各ヒンジ部24,27のピン孔24a,27aにピン40を挿入することで、ピン40を介して回動自在な状態で直列に連結される。
【0062】
図8及び図9に示すように、本実施形態のチェーンリンク51では、凹部52はベルト部20の厚さ方向に貫通し、ボールを被走行面側から覆うカバー部は無い。そして、本実施形態のボールユニット60のホルダ62は、第1実施形態のボールユニット30のホルダ32よりも厚く、その厚みはベルト部20の厚みと略等しくなっている。このため、図9に示すように、ボールユニット60が凹部52に装着された状態においては、ボールユニット60のホルダ62の底面62cがコンベヤベルト12の被走行面20B側に、被走行面20Bとほぼ面一の状態で露出している。
【0063】
次に、図10及び図11を参照して、ボールユニット60の構成及びチェーンリンク51へのボールユニット60の装着構造について説明する。
図10に示すように、ボールユニット60は、それぞれ四角板状の下部カバー63と上部カバー64とを備えている。下部カバー63の中央部分には、凹球面状の座部63aが形成されている。座部63aの曲率半径は、ボール61の半径よりも若干大きくなっている。座部63aの内周面における底部寄りの位置には、座部63aより小径の複数個の凹球面状の凹部63bが形成されている。ボールユニット60は、複数の凹部63bに載置される複数の玉67を有している。複数の玉67はボール61の径に比べ十分小径である。
【0064】
さらに下部カバー63における上部カバー64との接合面上には、中央部に座部63aが開口する四角板状の係合凸部63cが突設されている。また、下部カバー63は、凹部52(図11参照)の内周面と相対する三方の外周面に亘って延出する平面視略U字形状の凸条部65a(フランジ部)を有している。
【0065】
一方、図10に示す上部カバー64は、下部カバー63よりも厚さが薄く、下部カバー63と平面視でほぼ同形状の四角板状を有している。上部カバー64の中央部分には、厚み方向に貫通しボール61の上側の一部を露出可能な平面視円形の貫通孔64aが形成されている。さらに上部カバー64の接合面側には、下部カバー63側の係合凸部63cが嵌入可能な係合凹部64b(図13も参照)が形成されている。そして、貫通孔64aは、この係合凹部64bの底面中央部に開口している。また、図10に示すように、上部カバー64の幅方向両側部には一対(図10では一方のみ図示)の凸条部65b(フランジ部)が突設されている。一対の凸条部65bは上部カバー64におけるその他の部分よりも厚さが薄く、接合面寄りの位置で互いに平行に延びている。
【0066】
また、上部カバー64の表面62b(上面)には、ボール61が露出する開口62aの外周縁部に円環状の案内部66が突設されている。案内部66は、第1実施形態の案内部36とほぼ同様の形状を有し、開口62aの径方向外側から開口62aに近づくほど徐々に突出量が大きくなる向きに傾斜した案内面66aを有している。
【0067】
図10及び図13に示すように、ボール61は、座部63aの内周面上に凹設された複数の凹部63bに回転自在に載置された複数の玉67に載る状態で、座部63a内に収容される。下部カバー63と上部カバー64とが、双方の係合凸部63cと係合凹部64bとの嵌合を介して接合されることで、ボールユニット60は、図11及び図13に示すように、開口62aから一部突出するボール61をホルダ62に自由回転可能に保持する状態に組み立てられる。また、図11に示すように、ボールユニット60は、各凸条部65a,65bが接合されることで形成される略U字形状のフランジ部65を有している。
【0068】
次に、図11図13を参照してボールユニット60の凹部52への装着構造について説明する。図11に示すように、凹部52の長手方向yに対向する二つの内壁面には、チェーンリンク51の厚さ方向両端部(上下端部)の位置に、ボールユニット60のフランジ部65をスライド挿入可能に案内でき、かつホルダ62の装着位置での係止が可能な上下一対の四角片状のガイド部52a,52bが突設されている。チェーンリンク51の厚さ方向における一対のガイド部52a,52bの間隔は、フランジ部65をスライド挿入可能に案内できるようにフランジ部65の厚さよりも若干広く設定されている。また、凹部52におけるボールユニット60の挿入方向奥面となる凹曲面の部分には、凹部52に挿入されたボールユニット60のフランジ部65の挿入方向前端部の下面と当接し、物品Wからの荷重を受ける円弧状の凸条よりなるガイド部52cが突設されている。そして、ボールユニット60は、凹部52に対してその開口端側から一番奥までスライド挿入された装着位置で係止により抜け止めされる。なお、本実施形態では、ガイド部52a〜52cにより、係止部の一例が構成される。
【0069】
図12及び図13に示すように、ボールユニット60の装着状態では、ホルダ62の表面62b(上面)が、チェーンリンク51の上面によって形成されるベルト部20の搬送面20Aとほぼ面一となるため、円環状の案内部66は搬送面20Aよりもボール61の突出側に突出する。この案内部66の存在により、コンベヤベルト12上へ搬入される物品Wの搬入方向先端部の下端がボール61の頂部よりも低く位置しても、その物品Wはその下端が案内面66aに案内されることで、ボール61にスムーズに乗り上がる。
【0070】
また、図12及び図13に示すように、凹部52に装着されたボールユニット60の底面62cが、ベルト部20の被走行面20B(チェーンリンク51の底面)とほぼ面一となっており、ボールユニット60の底面62cもコンベヤベルト12の被走行面12Bの一部を構成している。このため、コンベヤベルト12の被走行面12Bがレール19の走行面19Aに摺動するときに、コンベヤベルト12が走行面19Aから受ける面圧が小さく抑えられる。よって、コンベヤベルト12が走行面19Aから受ける荷重を分散することができる。例えばコンベヤベルト12の被走行面12Bの摩耗速度が低く抑えられる。
【0071】
また、図10及び図13に示すように、ボール61は、座部63aの凹球面上の各凹部63bに回転自在に載置された複数(本例では3個)の玉67により支持されている。複数の玉67は、ボール61の被走行面12B側の端部(下端)よりも搬送面20A側に少しシフトした高さにおけるボール31の周方向に略等間隔の位置でボール61と当接し、ボール61を複数箇所(本例では3箇所)で支持する。ここで、複数のうちの1つの玉をボールの下端と当接する位置に配置した場合、玉の配置スペースを確保するためにボール61とホルダ32の底面62cとの距離を長くする必要があり、これはベルト部20の厚肉化に繋がる。そのため、本実施形態では、ボール61の下端の直下には玉を配置せず、ボール61の下端の直下から外れた位置で複数の玉67をボール61に当接させることで、コンベヤベルト12の薄型化を図っている。そして、ボール61が複数の玉67によって支持されることにより、ボール61の回転時における摺動摩擦抵抗を小さく抑えている。なお、本実施形態のコンベヤベルト12は第1実施形態と同様に合成樹脂製であり、ボール61、チェーンリンク51及びホルダ62の材質は、第1実施形態と同様である。
【0072】
次に、上記のように構成された第2実施形態のコンベヤベルト12の作用を説明する。
図8及び図9に示すコンベヤベルト12の走行中(駆動中)は、ボール61はレール19の走行面19Aに当たらないので、コンベヤベルト12の駆動とは独立して自由回転可能である。コンベヤベルト12上へ横方向SI(図1参照)から搬入された物品Wは、自由回転可能なボール61に載るため、ボール61は物品Wから搬入方向の力を受けて回転する。この結果、物品Wは、コンベヤベルト12上にボール31の回転によってその搬入方向にスムーズに搬入される。
【0073】
また、図10及び図13に示すように、ボール61は座部63aの凹球面上の各凹部63bに載置された複数の玉67によって支持されているので、ボール61が回転するときの摺動摩擦抵抗が小さく抑えられる。よって、この点からも、物品Wは横方向SIからでもコンベヤベルト12上にスムーズに搬入される。
【0074】
また、図12及び図13に示すように、ボールユニット60(ホルダ62)の底面62cが、被走行面20Bとほぼ面一となっており、コンベヤベルト12の被走行面12Bが広く確保されている。このため、コンベヤベルト12が被走行面12Bを介してレール19の走行面19Aから受ける面圧が小さく抑えられる。よって、コンベヤベルト12が被走行面12Bで受ける荷重を分散することができる。この結果、例えばコンベヤベルト12の被走行面12Bが摩耗しにくくなる。
【0075】
また、図12及び図13に示すように、ボール61の一部が露出する開口62aの外側周縁部には搬送面20Aよりも突出する円環状の案内部66が設けられている。よって、コンベヤベルト12上へ搬入される際に仮に物品Wの搬入方向先端部の下端がボール61の頂部よりも低く位置しても、その物品Wの下端が案内面66aに案内されることで、物品Wはボール61上にスムーズに乗り上がることができる。
【0076】
以上詳述したように本実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(8)ボール61が座部63aに支持されているので、ボール61の被走行面12B側の部分は座部63aにより安定に支持される。よって、ボール61の被走行面12B側の部分が支持されていない構成に比べ、ボール61を安定に支持できる。例えば重い物品Wを載置した場合における搬送面20Aに対するボール61の沈み込み等を低減できる。
【0077】
(9)ボール61は、複数の玉67を介して座部63aに支持されているので、ボール61の摺動摩擦抵抗を小さく抑えることができ、ボール61の回転性が向上する。この結果、ボール61に載った物品Wはスムーズにコンベヤベルト12上に搬入される。
【0078】
(10)座部63aがボール61の被走行面20B側を覆うカバー部を兼ねているので、第1実施形態におけるカバー部26による前記(2)の効果で述べた理由と同様の理由により、ボール61が走行面19Aと接触することをより確実に回避できる。
【0079】
(11)座部63aは、ボールユニット60のホルダ62に形成されているので、チェーンリンク51の凹部52に対するボールユニット60の装着位置のばらつきに依らず、ボール61を確実に座部63aにより支持できる。例えば座部がチェーンリンクと一体に形成されている構成であると、チェーンリンクの凹部に対するボールユニットの装着位置のばらつきによりボールが座部に支持されない心配がある。これに対して、座部63aがホルダ62と一体に形成されているので、ボール61を座部63aによって一層確実に支持することができる。
【0080】
(12)ボールユニット60のホルダ62の底面62cが、被走行面20Bとほぼ面一となっており、コンベヤベルト12の被走行面12Bが広く確保されているため、コンベヤベルト12が被走行面12Bを介してレール19の走行面19Aから受ける面圧を小さく抑えることができる。よって、コンベヤベルト12の被走行面12Bが摩耗しにくくなり、コンベヤベルト12の長寿命化に寄与できる。
【0081】
(13)ボール61の下端の直下には玉を配置せず、ボール61の下端よりも搬送面20A側に少しシフトした高さにおけるボール61の周に沿った各位置でボール61と当接するように複数の玉67を配置している。このため、ボールの下端の直下に玉を配置する構成に比べ、コンベヤベルト12の薄型化を実現できる。
【0082】
(14)ボールユニット60はベルト部20の厚さ方向と交差する方向(搬送方向Xと平行な方向)から凹部52にスライド挿入されることで装着されるので、ボール61のベルト部20からの浮き上がりを抑制することができる。仮にベルト部20に対するボールユニット60の装着が弛んでも、ボールユニット60はスライド方向へ移動するだけなので、このような装着が弛んだときでも、ボール61のベルト部20からの浮き上がりを抑制することができる。特にボールユニット60の装着が弛んでもピン40が抜け止めになるので、ボールユニット60が凹部52から抜け落ちることを防止することができる。
【0083】
(15)チェーンリンク51は、ボールユニット60を凹部52にスライド挿入された状態でベルト部20に対してその厚さ方向への移動を規制する係止部の一例としてガイド部52a,52b,52cを備えている。よって、ボール61のベルト部20からの浮き上がりを一層確実に抑えることができる。仮にベルト部20に対するボールユニット60の装着が弛んでも、ガイド部52a,52b,52cによってベルト部20の厚さ方向への移動が規制されるので、このような装着が弛んだときでも、ボール61のベルト部20からの浮き上がりを一層確実に抑えることができる。
【0084】
なお、上記実施形態は、以下に示す態様でもよい。
図14に示すように、カバー部26とボール31とを接触させ、カバー部26がボール31の座部を兼ねる構成としてもよい。この構成によれば、ボール31の摺動箇所が1箇所増えるものの点接触なので、ボール31とカバー部26との間の摺動摩擦抵抗が小さく済むうえ、ボール31の支持箇所が増えることで、ボール31をより安定に支持することができる。このため、ボール31を安定に保持された状態で回転させることができる。例えば重い物品Wを載置した場合における搬送面20Aに対するボール61の沈み込み等を低減できる。また、物品Wからボール31が受ける荷重の一部をカバー部26で受けることで、ホルダ32の凹部22に対する装着箇所に荷重が集中することを回避し、荷重の分散を図ることができる。よって、長期に亘りボールユニット30を凹部22にしっかり保持できる。この結果、物品Wを横方向SIからでもスムーズかつ安定にコンベヤベルト12上に搬入できるうえ、コンベヤベルト12の長寿命を実現できる。
【0085】
図15に示すように、カバー部26を廃止してもよい。この構成でも、ボール31が被走行面20Bよりも搬送面20A側に控えた位置に配置されるので、ボール31が走行面19Aに当たることがない。よって、コンベヤベルト12の走行中に、ボール31が走行面19A上を転動することを回避できる。このため、物品Wを横方向SIからでもコンベヤベルト12上へスムーズに搬入できる。また、第2実施形態において座部63a及び玉67を廃止してもよい。このようにボールユニットの底部の開口からボール61が露出していても、ボール61が被走行面20Bから控えた位置にあり走行面19A上を転動しない構成であれば、物品Wを横方向SIからでもコンベヤベルト12上へスムーズに搬入できる。
【0086】
・ボールはベルト部20の被走行面20Bから突出していなければよい。前記各実施形態のようにボール31,61が被走行面20Bよりも搬送面20A側へ控えた位置に配置されていることが好ましいが、このような構成が必須ではなく、例えばボール31,61の被走行面12B側の端部が被走行面12Bと面一であってもよい。この場合、ボールと走行面との接圧が弱いためにボールを転動させる力が十分弱く、横方向SIから搬入された物品から受ける力の方が十分強ければ、物品を横方向SIからでもコンベヤベルト12上へスムーズに搬入することはできる。
【0087】
・物品を搬入する横方向は、搬送方向Xと直交する真横の方向に限定されず、搬送方向Xと交差する方向であれば、斜め横方向でもよい。また、物品の搬入はコンベヤベルトに対して右側のみでも左側のみでもよいし、左右両側からでもよい。
【0088】
・前記第1実施形態において、カバー部を、チェーンリンクに替え、ボールユニットのホルダに形成してもよい。この場合、カバー部をボールから離間させてもよいし、カバー部をボールに接触させてもよい。前者の場合は、ボールとカバー部との接触摩擦抵抗が無く、ボールが回転し易くなる。一方、後者の場合、ボールがカバー部に支持され、ボールを安定に保持された状態で回転させることができる。また、ボールユニットのホルダに形成したカバー部におけるボール側と反対側の面である底面が、凹部へのボールユニットの装着状態において、第2実施形態と同様に被走行面20Bと面一になることが好ましい。この構成によれば、コンベヤベルト12の被走行面20Bの走行面19Aに対する面圧を小さく抑え、被走行面20Bが受ける荷重を分散することができる。
【0089】
・前記第1実施形態において、カバー部のボール31と対向する面に例えば凹球面状の座部を形成し、この凹球面状の座部にボール31を支持させてもよい。また、カバー部に形成した凹球面状の座部上に複数の玉67(図10及び図13参照)を載置し、複数の玉67によりボール31を支持してもよい。
【0090】
・前記第1実施形態において、カバー部26のボール31側と反対側の面である底面26aの全面ではなく一部の面部のみをベルト部20のカバー部26以外の部分の被走行面20Bと面一としてもよい。要するに、カバー部26の底面26aのうち少なくとも一部が、ベルト部のカバー部以外の部分の被走行面と面一となっていればよい。
【0091】
・前記第2実施形態において、ホルダ62の座部63aがカバー部を兼ねない構成でもよい。例えば座部の凹球面の下端部にベルト厚さ方向に貫通する孔を形成して、環状の座部とし、ボールを被走行面よりも搬送面側に控えた位置に配置した状態で孔から一部露出させてもよい。また、この種の環状の座部に複数の玉67を介してボールを支持してもよい。この場合、複数の玉67はボールの下端から所定高さにおけるボールの周上の位置でボールと当接するので、ボールの下端で当接する玉を有する構成と比較し、コンベヤベルトの薄型化を図り易い。
【0092】
・ボールを支持する玉の数は3個以上であることが好ましい。3個に限らず、4個、5個あるいは6個でもよい。更に7個以上の複数個でもよい。また、複数の玉67の配置位置は、ボールの下端から所定高さにおける周方向に等間隔の位置に限定されず、不等間隔の位置でもよい。
【0093】
・前記第2実施形態において、複数の玉67を廃止してもよい。つまり、凹球面状の座部にボールを直接支持させてもよい。この場合、座部の凹球面を低摩擦材料で形成したり、凹球面に低摩擦材料のコーティング層を施したりしてもよい。また、座部の凹球面の全面に微小な凹凸を形成することで、ボールと座部との接触面積を小さくし両者間の摺動摩擦抵抗を小さくする構成としてもよい。
【0094】
・カバー部は、ベルト構成部材及びボールユニットとは別部材のカバー部材が凹部に嵌入又は係止等により挿着された構成でもよい。この構成でも、ボールが走行面上を転動することを回避できる。
【0095】
・カバー部のボール側と反対側の面が、ベルト部のカバー部以外の部分の被走行面よりもボール側へ凹んで位置してもよい。
・ベルト式搬送装置は、無端状のボール付きコンベヤベルトを周回させる構成に限定されない。例えば両端部のあるボール付きコンベヤベルトをベルト長手方向に往復移動させることで、物品を搬送する往復動方式のベルト式搬送装置に用いてもよい。
【符号の説明】
【0096】
11…ベルト式搬送装置、12…コンベヤベルト(ボール付きコンベヤベルト)、12B…被走行面、19…レール、19A…走行面、20…ベルト部、20A…搬送面、20B…被走行面、21,51…ベルト構成部材の一例としてのチェーンリンク、22,52…凹部、22a〜22c,52a〜52c…係止部の一例を構成するガイド部、24A,24B…ヒンジ部の一例としての第1ヒンジ部、26…カバー部、26a…面、27A,27B…ヒンジ部の一例としての第2ヒンジ部、30,60…ボールユニット、31,61…ボール、32,62…ホルダ、32a,62a…開口、36,66…案内部、36a,66a…案内面、40…ピン、63a…座部、63b…凹部、67…玉、W…搬送物の一例としての物品。
図1
図2
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図10
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図15