特許第6185536号(P6185536)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185536
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ブリモニジンゲル組成物及び使用方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/498 20060101AFI20170814BHJP
   A61K 9/00 20060101ALI20170814BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20170814BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20170814BHJP
   A61P 17/06 20060101ALI20170814BHJP
   A61P 17/10 20060101ALI20170814BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20170814BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A61K31/498
   A61K9/00
   A61P17/00
   A61P17/04
   A61P17/06
   A61P17/10
   A61P17/16
   A61K47/10
   A61K47/02
   A61K47/14
   A61K47/32
【請求項の数】4
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-207802(P2015-207802)
(22)【出願日】2015年10月22日
(62)【分割の表示】特願2013-534309(P2013-534309)の分割
【原出願日】2011年10月19日
(65)【公開番号】特開2016-14072(P2016-14072A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2015年11月2日
(31)【優先権主張番号】1058612
(32)【優先日】2010年10月21日
(33)【優先権主張国】FR
(31)【優先権主張番号】61/405,388
(32)【優先日】2010年10月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500247183
【氏名又は名称】ガルデルマ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ジャン−クリストフ・ビュジュ
(72)【発明者】
【氏名】カリーヌ・ナドー・フールカード
(72)【発明者】
【氏名】シリル・ムニエ
【審査官】 前田 亜希
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0061020(US,A1)
【文献】 特開2009−149692(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/082452(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−31/80
A61K 9/00− 9/72
A61K 47/00−47/69
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1〜0.6%(重量/重量)の酒石酸ブリモニジンと、
0.05〜0.15%(重量/重量)のメチルパラベンと、
第2の保存剤としての0.3%(重量/重量) 〜0.5%(重量/重量)のフェノキシエタノールと、
0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマーと、
4.5〜6.5%(重量/重量)のプロピレングリコールと、
4.5〜6.5%(重量/重量)のグリセロールと、
0.04%〜0.08%(重量/重量)の水分散型の二酸化チタンと、
十分な量の水酸化ナトリウムと、
精製水と
からなる局所ゲル組成物であって、
前記局所ゲル組成物のpHが前記十分な量の水酸化ナトリウムの水溶液により5.0〜6.5に調整される、
局所ゲル組成物。
【請求項2】
対象における皮膚障害の治療又は予防における使用のための請求項1に規定される局所ゲル組成物であって、前記組成物が、前記皮膚障害に罹患している又は罹患しやすい皮膚部位に局所投与される、局所ゲル組成物。
【請求項3】
前記皮膚障害が、酒さ、酒さの紅斑、毛細血管拡張症、乾癬、紫斑病、ざ瘡の紅斑、湿疹、皮膚の非酒さ関連炎症、潮紅、皮膚のたるみ、しわ及び/若しくは小じわ、又はそれらに関連する症状である、請求項2に記載の使用のための局所ゲル組成物。
【請求項4】
皮膚障害が、酒さの紅斑である、請求項3に記載の使用のための局所ゲル組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、35U.S.C.§119(e)の規定に基づき、参照により全体として本明細書に組み込まれている、2010年10月21日に出願した米国仮特許出願第61/405,388号の優先権を受ける権利がある。
【背景技術】
【0002】
パラベンは、パラヒドロキシ安息香酸のエステルである。それらは、主として殺菌性及び殺真菌性があるために使用される。パラベンの例としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、イソブチルパラベン、イソプロピルパラベン、ベンジルパラベン及びそれらの塩が挙げられる。それらの価格が低く、安全使用の長い歴史があり、天然代替物が無効力であるため、パラベンは、化粧品及び製薬産業で保存剤として広く用いられている。非特許文献1及びそれにおける参考文献を参照のこと。
【0003】
カルボマーは、Lubrizol製の商標品であるCarbopol(登録商標)の一般名である。カルボマー及びCarbopol(登録商標)は、本出願では区別なく用い、ポリアルケニルエーテル又はジビニルグリコールで架橋されたアクリル酸の合成ポリマーを指す。それは、アリルエーテルペンタエリスリトール、スクロースのアリルエーテル又はプロピレンのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーであり得る。カルボマーは、薬物の送達のための媒体として用いられている。それらは、広範な毒性試験により裏付けられているように、局所ゲル剤、クリーム剤、ローション剤及び軟膏剤における安全且つ効果的使用の長い歴史を有する。それらは、極めて低い刺激性を有し、反復使用で非感作性であることが示された。カルボマー又はカルボマーコポリマーは、例えば、粘稠化、乳化又は懸濁のために局所製剤に用いられている。
【0004】
ブリモニジンは、選択的α2アドレナリン作動薬である。それは、1996年におけるその承認以来、緑内障及び高眼圧症(OHT)の治療における眼圧(IOP)を低下させるための単剤療法又は補助療法として用いられている。ブリモニジンは、酒さ、酒さにより引き起こされる紅斑(例えば、特許文献1(DeJovinら)、特許文献2(Scherer)、特許文献3参照(Theobaldら))、毛細血管拡張症(例えば、特許文献4参照)などの様々な皮膚障害を治療するのに有用であることも見いだされた。皮膚障害の治療用のブリモニジン、カルボマー及びパラベンを含む局所ゲル組成物が、記載されている(例えば、(特許文献1(DeJovinら)、特許文献3(Theobaldら)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第10/853,585号
【特許文献2】米国特許出願第10/626,037号
【特許文献3】米国特許出願第12/193,098号
【特許文献4】米国特許出願公開第2006/0264515号
【特許文献5】米国特許出願第10/607,439号
【特許文献6】米国特許出願第10/763,807号
【特許文献7】米国特許出願第12/621,942号
【特許文献8】米国特許出願公開第2005/0020600号
【特許文献9】米国特許出願公開第2009/0130027号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Darbreら、24 J. Appl. Toxicol.、5〜13頁(2004)
【非特許文献2】Bergeら、66 J. Pharm. Sci. 1〜19頁(1977)
【非特許文献3】MSDS、Chemicals & Laboratory Equipment、Science Lab. com、World Wide Web: sciencelab.com/msds.php?msdsId=9926083
【非特許文献4】Encyclopedia of Pharmaceutical Technology、第3巻(Swarbrickら編、2002年にMarcel Dekker, Inc.により出版)のOfher IIIら、「Gels and Jellies」、1327〜1344頁
【非特許文献5】Topical Drug Delivery Formulations(Osborneら編、1990年にMarcel Dekker, Inc.により出版)のPena、「Gel Dosage Forms: Theory,Formulation, and Processing」、381〜288頁
【非特許文献6】Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Alfonso R. Gennaro編、第19版、1995)
【非特許文献7】Ghosh, T. K.ら、Transdermal And Topical Drug Delivery Systems(1997)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明において、メチルパラベンの結晶粒子が、カルボマー及びメチルパラベンを含有するいくつかのブリモニジン局所ゲル製剤及びプラセボ製剤中に思いがけなく観察された。
【0008】
パラベン結晶粒子を実質的に含まず、長期の貯蔵期間にわたり抗菌要件を満たすカルボマー及びメチルパラベンを含有する局所ゲル組成物の必要性がある。そのような組成物並びに関連する方法及び生成物を本願で述べる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの一般的な態様において、本発明の実施形態は、
0.05〜0.20%(重量/重量)のメチルパラベンと、
1種又は複数の第2の保存剤と、
0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマーと、
9.0〜13.0%(重量/重量)の総ポリオールと
を含み、
4.5〜7.5のpHを有し、
メチルパラベンの濃度が0.15%(重量/重量)より大きい場合、カルボマーの濃度が1.25%(重量/重量)未満である、
局所ゲル組成物に関する。
【0010】
別の一般的な態様において、本発明の実施形態は、
0.01〜5%(重量/重量)のブリモニジンと、
0.05〜0.20%(重量/重量)のメチルパラベンと、
1種又は複数の第2の保存剤と、
0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマーと、
9.0〜13.0%(重量/重量)の総ポリオールと
を含み、
4.5〜7.5のpHを有し、
メチルパラベンの濃度が0.15%(重量/重量)より大きい場合、カルボマーの濃度が1.25%(重量/重量)未満である、
局所ゲル組成物に関する。
【0011】
本発明の別の一般的な態様は、
0.1〜0.6%(重量/重量)の酒石酸ブリモニジンと、
0.05〜0.15%(重量/重量)のメチルパラベンと、
安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、イミダゾリジニル尿素、及びジアゾリジニル尿素からなる群から選択される1種又は複数の第2の保存剤と、
0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマーと、
4.5〜6.5%(重量/重量)のプロピレングリコールと、
4.5〜6.5%(重量/重量)のグリセロールと、
精製水と
を含み、
そのpHが十分な量の水酸化ナトリウム水溶液により5.0〜6.5のpHに調整される、
局所ゲル組成物に関する。
【0012】
別の一般的な態様において、本発明の実施形態は、対象における皮膚障害を治療又は予防する方法に関する。該方法は、本発明の実施形態による局所ゲル組成物を対象の皮膚部位に局所投与するステップを含み、該皮膚部位は、皮膚障害に罹患している又は罹患しやすい。
【0013】
本発明の他の態様、特徴及び利点は、本発明及びその好ましい実施形態の詳細な説明並びに添付の特許請求の範囲を含む以下の開示から明らかであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
種々の刊行物、論文及び特許を背景技術の項及び本明細書を通して引用又は記載するが、これらの参考文献のそれぞれは、参照によりその全体として本明細書に組み込まれている。本明細書に含めた文書、法令(acts)、材料、装置、物品等の検討は、本発明に脈絡を与えるためである。そのような検討は、これらの要素のいずれか又はすべてが開示又は請求された任意の発明に関する従来技術の一部を構成することを承認するものでない。
【0015】
特段の定義をしない限り、本明細書で用いるすべての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野の技術者により一般的に理解されているのと同じ意味を有する。そうでなければ、本明細書で用いる特定の用語は、本明細書で述べる意味を有する。本明細書で引用するすべての特許、公開特許出願及び刊行物は、参照により本明細書において完全に示されているかのように組み込まれている。本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いているように、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈により別段に明示されない限り、複数の指示内容を含むことに注意しなければならない。
【0016】
本明細書で用いているように、「紅斑又はそれに関連する症状」は、皮膚の下層における毛細血管の充血又はうっ血により引き起こされる皮膚のあらゆる種類又は分類の発赤及びそれに関連するあらゆる症状を含むことを意図する。「紅斑又はそれに関連する症状」という用語は、あらゆる原因による皮膚発赤又は皮疹を含む。例えば、それは、皮膚損傷、皮膚に対する手術及び他の処置、感染、炎症、情動、運動、熱(日焼け紅斑)、寒冷、光線過敏性、放射線療法、アレルギー、顔面潮紅症、投薬等により引き起こされ得る。「紅斑又はそれに関連する症状」の例は、光線過敏性、多形紅斑及び結節性紅斑、並びにそれらの関連症状を含むが、これらに限定されない。光線過敏性は、感染又は投薬などのいくつかの因子が紫外線への感受性を増大させる場合にしばしば起こる、日光への反応によってもたらされる。しかし、光線過敏性は、紫外線への感受性の増大によらなくても起こり得る。多形紅斑は、薬剤への反応、感染又は疾患により通常引き起こされる、皮膚上の隆起した斑点又は他の病変によって特徴づけられる。ほとんどの多形紅斑は、単純疱疹又はマイコプラスマ感染に関連する。結節性紅斑は、通常、膝の下の脚における圧痛塊を伴う紅斑の一種であり、特定の薬剤又は疾患により引き起こされ得る。
【0017】
本発明の1つの特定の実施形態において、「紅斑又はそれに関連する症状」という用語は、酒さの紅斑、すなわち、酒さを有する患者における紅斑又はそれに関連する症状を含む。酒さは、患者の頬、鼻、顎、及び額を一般的に冒す炎症性皮膚障害である。酒さの主要な症状は、紅斑、すなわち、皮膚の異常な発赤である。
【0018】
「紅斑又はそれに関連する症状」という用語は、軽度から重度の種々の程度若しくはグレードの紅斑又はそれに関連する症状を含む。
【0019】
本開示を考慮すると、紅斑に罹患している又は紅斑に罹患しやすい皮膚部位は、当技術分野で公知の診断徴候又は手段を用いて同定することができ、本発明の実施形態による方法により治療することができる。
【0020】
本明細書で用いているように、「毛細血管拡張症又はそれに関連する症状」は、細動脈及び細静脈などの血管の可視的、永久的な異常な拡張を意味する。可視的血管は、拡大装置(観察者により通常使用される眼鏡以外)を用いずに観察者に線として目視で識別できる血管である。種々の態様において、毛細血管は、少なくとも約0.5mmの直径を有し得る。毛細血管拡張症は、多数の状態、症候群、疾患、及び障害に関連し得る。例えば、顔面毛細血管拡張症は、年齢、日光曝露、及びアルコールの使用に関連し得る。毛細血管拡張症に関連する他の疾患、障害、状態及び症候群は、非限定的な例において、強皮症、遺伝性出血性毛細血管拡張症(Olser-Rendu症候群)、毛細血管拡張性運動失調、クモ状血管腫、先天性毛細血管拡張性大理石様皮斑、ブルーム症候群、Klippel-Trenaunay-Weber症候群、Sturge-Weber病、色素性乾皮症、火炎状母斑、全身性本態性毛細血管拡張症(GET)、蛇行性血管腫、クモ状母斑、CREST症候群、基底細胞癌、及び片側性母斑性毛細血管拡張症を含む。
【0021】
本発明の1つの特定の実施形態において、「毛細血管拡張症又はそれに関連する症状」という用語は、酒さに関連する毛細血管拡張症、すなわち、酒さを有する患者における毛細血管拡張症又はそれに関連する症状を含む。
【0022】
本発明の別の特定の実施形態において、「毛細血管拡張症又はそれに関連する症状」という用語は、日光誘発性/光損傷毛細血管拡張症を含む。
【0023】
「毛細血管拡張症又はそれに関連する症状」という用語は、軽度から重度の種々の程度若しくはグレードの毛細血管拡張症又はそれに関連する症状を含む。
【0024】
本開示を考慮すると、毛細血管拡張症に罹患している又は毛細血管拡張症に罹患しやすい皮膚部位は、当技術分野で公知の診断徴候又は手段を用いて同定することができ、本発明の実施形態による方法により治療することができる。
【0025】
本明細書で用いているように、「ブリモニジン」という用語は、式(I)
【0026】
【化1】
【0027】
の構造を有する化合物(5-ブロモ-キノキサリン-6-イル)-(4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)-アミン及び酒石酸ブリモニジンなどの化合物の薬学的に許容される任意の塩を意味する。
【0028】
「薬学的に許容される塩」という語句は、本明細書で用いているように、哺乳動物における局所使用について安全且つ有効であり、所望の生物学的活性を有する当該化合物の塩を意味する。薬学的に許容される塩は、特定の化合物に存在する酸性又は塩基性基の塩を含む。薬学的に許容される酸付加塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、糖酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、及びパモ酸塩(すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩))を含むが、これらに限定されない。本発明に用いる特定の化合物は、種々のアミノ酸との薬学的に許容される塩を形成し得る。適切な塩基性塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム、亜鉛、及びジエタノールアミン塩を含むが、これらに限定されない。薬学的に許容される塩に関する総説については、参照により本明細書に組み込まれている非特許文献2を参照のこと。
【0029】
本明細書で用いているように、「水和物」という用語は、非共有結合性分子間力によりそれに結合した化学量論的又は非化学量論的量の水をさらに含む、当該化合物又はその薬学的に許容される塩を意味する。
【0030】
「局所ゲル組成物」又は「局所ゲル製剤」という用語は、本明細書で用いているように、本発明の実施形態による特定の化合物の局所送達のための薬学的に及び/又は美容的に許容される任意のゲル製剤又は組成物を意味する。
【0031】
本明細書で用いているように、「組成物」という用語は、特定の量の特定の成分を含む製品、並びに特定の量の特定の成分の配合によって直接的又は間接的に生じる任意の製品を含むことを意図する。
【0032】
本明細書で用いているように、「対象」という用語は、本発明の実施形態による化合物又は局所製剤を投与される又は投与された任意の動物、好ましくは哺乳動物、最も好ましくはヒトを意味する。本明細書で用いている「哺乳動物」という用語は、あらゆる哺乳動物を含む。哺乳動物の例は、ウシ、ウマ、ヒツジ、ブタ、ネコ、イヌ、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、サル、ヒト等、より好ましくはヒトを含むが、これらに限定されない。好ましくは、対象は、酒さ、酒さの紅斑、毛細血管拡張症、乾癬、紫斑病、ざ瘡の紅斑、湿疹、皮膚の非酒さ関連炎症、潮紅、皮膚のたるみ、しわ(creasing)及び/又は小じわ(wrinkling)などの皮膚障害、或いはそれらに関連する症状の観察又は実験、治療又は予防を必要とする、又はその標的そのものであった。
【0033】
1つの実施形態において、「治療」又は「治療する」は、疾患若しくは障害の、又はその少なくとも1つの認識できる症状の改善、予防又は逆転を意味する。別の実施形態において、「治療」又は「治療する」は、哺乳動物において又は哺乳動物により必ずしも識別できるとは限らない治療する疾患又は障害に関連する少なくとも1つの測定可能な物理的パラメーターの改善、予防又は逆転を意味する。さらに別の実施形態において、「治療」又は「治療する」は、例えば、識別できる症状の安定化など物理的に、例えば、物理的パラメーターの安定化など生理的に、又は物理的及び生理的に、疾患又は障害の進行を抑制又は遅くすることを意味する。さらに別の実施形態において、「治療」又は「治療する」は、疾患又は障害の発症を遅らせることを意味する。
【0034】
特定の実施形態において、当該化合物を予防措置として投与する。本明細書で用いているように、「予防」又は「予防する」は、所与の疾患又は障害に罹患する危険の低減を意味する。実施形態の好ましい態様において、疾患若しくは障害の症状が存在しない又は極軽微であるとしても、特定の化合物を疾患又は障害の素因を有する対象に予防措置として投与する。
【0035】
本発明の実施形態において、メチルパラベン結晶粒子は、特に300g〜250kgのバッチサイズの0.2%(重量/重量)以上のメチルパラベンを含有するブリモニジン局所ゲル製剤において観察された。下文の実施例1を参照のこと。メチルパラベンの溶解度を考慮すると、この観察結果は驚くべきである。メチルパラベンの製品安全データシート(MSDS)によれば、水へのメチルパラベンの溶解度は、20℃で約0.25%(重量/重量)又は25℃で約0.30%(重量/重量)である。プロピレングリコールへのメチルパラベンの溶解度は、25℃で1/5であり、温グリセロールへのメチルパラベンの溶解度は、約1.4%である。非特許文献3を参照のこと。さらに、Handbook of Pharmaceutical Excipients(前出)によれば、プロピレングリコールへのメチルパラベンの溶解度は、25℃で1/5である。
【0036】
ポリオール及び水へのメチルパラベンの溶解度を考慮すると、0.30%(重量/重量)以下のメチルパラベンが、メチルパラベンが実質的に溶ける約4.5〜6.5%(重量/重量)の第1のポリオール、約4.5〜6.5%(重量/重量)の第2のポリオール、及び約90%(重量/重量)以下の水を含む局所ゲル組成物中に完全に溶けたままであると合理的に予想されよう。組成物中のメチルパラベン結晶粒子の検出は、完全に予想外である。理論により束縛されることを望むものでないが、ブリモニジン局所ゲル及びプラセボ組成物において観察されたメチルパラベン結晶粒子は、製造工程中のメチルパラベンの再結晶化又は賦形剤-賦形剤相互作用に起因する貯蔵中のメチルパラベンの再結晶化などの1つ又は複数の原因によってもたらされた可能性がある。本発明において得られた驚くべき観察結果がなければ、結晶を含まない改善された局所ゲル製剤を開発することは言うまでもなく、局所ゲル組成物中のメチルパラベンの結晶の存在を合理的に予想しなかったであろう。
【0037】
本発明の実施形態は、結晶粒子を実質的に含まず、長期の貯蔵期間にわたり微生物学的特性を有する改善された局所ゲル組成物に関する。本発明の実施形態による改善された局所ゲル組成物は、
0.05〜0.20%(重量/重量)のメチルパラベンと、
1種又は複数の第2の保存剤と、
0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマーと、
9.0%〜13.0%(重量/重量)の総ポリオールと
を含み、
4.5〜7.5のpHを有し、
メチルパラベンの濃度が0.15%(重量/重量)より大きい場合、カルボマーの濃度が1.25%(重量/重量)未満である。
【0038】
本発明の実施形態によれば、組成物中のメチルパラベンの量は、約0.05%、0.075%、0.10%、0.125%、0.15%、又は0.20%(重量/重量)である。
【0039】
本発明の実施形態において用いることができる適切な第2の保存剤は、局所用途に適するあらゆる保存剤を含む。第2の保存剤の例は、安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、イミダゾリジニル尿素、又はジアゾリジニル尿素を含むが、これらに限定されない。第2の保存剤のさらなる例は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、セトリミド、塩化デクアリニウム、及び塩化セチルピリジニウムなどの第四級アンモニウム化合物、クロロブタノールなどのアルコール剤、パラヒドロキシ安息香酸のエステルなどの抗菌性エステル、並びにクロルヘキシジン、クロロクレゾール、安息香酸、ポリミキシン、ムピロシン、エリスロマイシン、クランダマイシン、ゲンタマイシン、バシトラシン、銀スルファジアジン等などの他の抗菌剤を含み得る。
【0040】
好ましくは、第2の保存剤は、グラム陰性及びグラム陽性微生物、並びに酵母の不活性化チャレンジ量で有効である。
【0041】
本発明の実施形態によれば、1種又は複数の第2の保存剤は、フェノキシエタノールを含み、組成物中のフェノキシエタノールの量は、0.3%、0.35%、0.4%、0.45%、若しくは0.5%(重量/重量)であるか、又はそれより大きい。
【0042】
本発明の実施形態によれば、カルボマーは、ポリアルケニルエーテル又はジビニルグリコールで架橋されたアクリル酸の合成ポリマーである。それは、アリルエーテルペンタエリスリトール、スクロースのアリルエーテル、又はプロピレンのアリルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーであり得る。本発明において用いることができるカルボマーの例は、カルボマー910、934P、940、941、1342、Carbopol(登録商標)974P(カルボマー974P)、及びCarbopol(登録商標)980(カルボマー980)を含むが、これらに限定されない。
【0043】
好ましくは、カルボマーは、カルボマー934P、カルボマー974P、又はカルボマー980である。
【0044】
本発明の実施形態によれば、組成物中のカルボマーの量は、約0.8%、0.85%、0.95%、1.05%、1.15%、1.25%、1.35%、1.45%、又は1.5%(重量/重量)である。
【0045】
溶解した様々な成分を含むポリオールゲル製剤は、製剤中の活性物質の生物学的利用能を保証すると同時に、対象の皮膚に適用した場合に刺激を最小限にするために用いられている。非特許文献4又は非特許文献5を参照のこと。ゲル製剤中のポリオールは、可溶化剤、保湿剤、皮膚軟化剤、皮膚保湿剤、皮膚浸透剤等などの1つ又は複数の機能を果たし得る。本発明の実施形態において用いることができる適切なポリオールは、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、及びポリエチレングリコール200〜600などの液体ポリエチレングリコール、並びにグリセロールを含むが、これらに限定されない。
【0046】
本発明の実施形態によれば、組成物中の総ポリオールの量は、約9.0%〜13.0%(重量/重量)、例えば、約9.0%、9.5%、10.0%、10.5%、11.0%、11.5%、12.0%、12.5%、又は13.0%(重量/重量)である。
【0047】
本発明の実施形態において、局所ゲル組成物は、メチルパラベンが実質的に溶ける少なくとも第1のポリオールを含む。
【0048】
好ましくは、局所ゲル組成物は、それぞれプロピレングリコール及びグリセリンなどの第1のポリオール及び第2のポリオールを含む。
【0049】
本発明の実施形態によれば、組成物中の第1及び第2のポリオールのそれぞれの量は、独立に約4.5%〜6.5%(重量/重量)、例えば、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、又は6.5%(重量/重量)である。
【0050】
好ましい実施形態において、本発明の実施形態による局所ゲル組成物は、好ましくは製剤中のブリモニジン又は別の着色成分の色をマスクするのに十分であるが、皮膚への刺激をもたらさない量の水分散型の二酸化チタン(TiO2)をさらに含む。TiO2は、眼に軽度の刺激及び充血をもたらす可能性があり、したがって、眼とTiO2を含有する局所投与可能な組成物との接触は避けるべきである。二酸化チタンは、局所投与可能な組成物に白さを付与し、組成物の不透明性を増大させ、透明性を減少させることを促進する。二酸化チタンは、光(光における紫外線を含む)を吸収、反射又は散乱し、これが、製品を劣化から保護する助けとなり得る。二酸化チタンは、日光の一部である紫外線の有害作用から使用者を保護するためのサンスクリーン剤としても用いることができる。
【0051】
本発明の実施形態によれば、組成物中の水分散型の二酸化チタンの量は、約0.04%、0.0425%、0.0525%、0.0625%、0.0725%、又は0.08%(重量/重量)である。
【0052】
別の一般的な態様において、本発明の実施形態による局所ゲル製剤は、皮膚障害を予防又は治療するのに有効であるαアドレナリン受容体作動薬又はその薬学的に許容される塩などの活性医薬成分をさらに含む。
【0053】
αアドレナリン受容体作動薬は、当技術分野で周知である。好ましい実施形態において、αアドレナリン受容体作動薬は、α1又はα2アドレナリン受容体作動薬であり得る。本発明に含まれるαアドレナリン受容体作動薬は、α1又はα2アドレナリン受容体に対する選択性を示し得る又は示し得ない。例えば、一部は、α1及びα2アドレナリン受容体作動薬の両方であるとみなすことができる。より好ましくは、αアドレナリン受容体作動薬は、選択的α1又は選択的α2アドレナリン受容体作動薬であり得る。
【0054】
選択的α1アドレナリン受容体作動薬の例としては、オキシメタゾリン、フェニレフリン、及びメトキシアミンなどがある。選択的α2アドレナリン受容体作動薬の例としては、ブリモニジン、テトラヒドロゾリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、エピネフリン及びノルエピネフリンなどがある。
【0055】
本発明の実施形態において、活性医薬成分は、0.01〜5%(重量/重量)のブリモニジンを含む。活性医薬成分は、ブリモニジンに加えて、皮膚障害又は皮膚障害をもたらす基礎疾患を治療するために用いられる薬剤、掻痒を抑制するための抗ヒスタミン薬、抗生物質、コルチコステロイド、静脈内免疫グロブリン、アセトアミノフェン等を含むが、これらに限定されない1種又は複数の薬学的に活性な成分を場合によって含み得る。
【0056】
好ましい実施形態において、ブリモニジンは、酒石酸ブリモニジンである。
【0057】
本発明の実施形態によれば、局所ゲル組成物中のブリモニジンの量は、約0.05%〜0.1%、0.1%〜0.4%、0.4%〜0.7%、0.7%〜1%、1%〜2%、2%〜3%、3%〜4%、又は4%〜5%(重量/重量)である。好ましくは、組成物中の酒石酸ブリモニジンの量は、約0.1〜0.6%(重量/重量)である。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、局所ゲル組成物は、
0.1〜0.6%(重量/重量)の酒石酸ブリモニジンと、
0.05〜0.15%(重量/重量)のメチルパラベンと、
安息香酸ナトリウム、フェノキシエタノール、ベンジルアルコール、イミダゾリジニル尿素、及びジアゾリジニル尿素からなる群から選択される1種又は複数の第2の保存剤と、
0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマーと、
4.5〜6.5%(重量/重量)のプロピレングリコールと、
4.5〜6.5%(重量/重量)のグリセロールと
精製水と
を含み、
そのpHが十分な量の水酸化ナトリウム水溶液により5.0〜6.5に調整される。
【0059】
本発明の実施形態によれば、局所ゲル組成物は、0.15%(重量/重量)以下のメチルパラベンを製剤に用いる場合、0.3%(重量/重量)を超えるフェノキシエタノールを第2の保存剤として含む。
【0060】
本発明の実施形態による局所ゲル組成物は、参照により本明細書に組み込まれている、非特許文献6、866〜885頁、非特許文献7に示されているような薬学的に許容されるさらなる賦形剤を含み得る。さらなる賦形剤の例は、保護剤、吸着剤、抗酸化剤、局所麻酔薬、緩衝剤、界面活性剤、香味剤、香料、色素等を含むが、これらに限定されない。
【0061】
適切な保護剤及び/又は化粧剤、並びに吸着剤は、散布剤、ステアリン酸亜鉛、コロジオン、ジメチコン、シリコーン、炭酸亜鉛、アロエベラゲル及び他のアロエ製品、ビタミンEオイル、アラントイン、ワセリン、二酸化チタン、及び酸化亜鉛を含み得るが、これらに限定されない。
【0062】
適切な抗酸化剤は、アスコルビン酸及びそのエステル、重亜硫酸ナトリウム、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、トコフェロール、並びにEDTA及びクエン酸のようなキレート化剤を含み得るが、これらに限定されない。
【0063】
適切な緩衝剤は、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、乳酸緩衝剤、ナトリウム緩衝剤、及びホウ酸緩衝剤を含み得るが、これらに限定されない。
【0064】
本発明の実施形態による局所ゲル組成物は、樟脳、メントール、リドカイン、ジブカイン、及びプラモキシンなどの局所麻酔薬及び鎮痛薬、シクロピロックス、クロロキシレノール、トリアセチン、スルコナゾール、ニスタチン、ウンデシレン酸、トルナフテート、ミコナゾール、クロトリマゾール、オキシコナゾール、グリセオフルビン、エコナゾール、ケトコノゾール、及びアンホテリシンBなどの抗真菌薬をさらに含み得る。
【0065】
本発明の実施形態による局所ゲル組成物は、ヨウ素、ポビドンヨード(povidine-iodine)、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、ニトロフラジン、過酸化ベンゾイル、過酸化水素、ヘキサクロロフェン、フェノール、レゾルシノール、及び塩化セチルピリジニウムなどの1種又は複数の防腐剤をさらに含み得る。
【0066】
本発明の実施形態による局所ゲル組成物は、当技術分野で公知の方法、例えば、両方が参照により本明細書に組み込まれている、非特許文献6、1577〜1591頁、1672〜1673頁、866〜885頁、非特許文献7などの標準参考文献本文により示されている方法により組成物の成分を混合することにより調製することができる。
【0067】
本発明の局所ゲル製剤のpHは、好ましくは生理学的に許容されるpH範囲内、例えば、約4.5〜約7.5、より好ましくは、約5.1、5.15、5.2、5.25、5.3、5.35、5.4、5.45、5.5、5.55、5.6、5.65、5.7、5.75、5.8、5.85、5.9、5.95、6.1、6.15、6.2、6.25、6.3、6.35、6.4、6.45、又は6.5のpHなどの約5.0〜約6.5の範囲内にある。pHを安定化するために、好ましくは、有効量の緩衝剤を含める。必要に応じてpHを調整するために酸又は塩基を用いることができる。
【0068】
1つの一般的な態様において、本発明の実施形態は、本発明の実施形態による局所ゲル組成物を対象の皮膚部位に局所投与することにより対象における酒さ、酒さの紅斑、毛細血管拡張症、乾癬、紫斑病、ざ瘡の紅斑、湿疹、皮膚の非酒さ関連炎症、潮紅、皮膚のたるみ、しわ及び/又は小じわなどの皮膚障害、或いはそれらに関連する症状を治療又は予防する方法に関し、該皮膚部位は、皮膚障害に罹患している又は罹患しやすい。特許文献1(DeJovinら)、特許文献2(Scherer)、特許文献5(Gilら)、特許文献6(Shanlerら)、特許文献3(Theobaldら)、特許文献4(DeJovinら)、特許文献7(DeJovinら)、特許文献8(Scherer)、及び特許文献9(Shanlerら)における例えば、1つ又は複数の皮膚障害を治療するためにブリモニジンを使用することに関する関連開示は、本明細書に完全に示されているかのように、参照により本明細書に組み込まれている。
【0069】
本発明の実施形態において、局所投与可能な組成物は、例えば、重量で約0.1%、約0.15%、約0.18%、約0.2%、約0.25%、約0.3%、約0.35%、約0.4%、約0.45%、約0.5%、約0.55%、又は約0.6 %などの約0.1%〜0.6%(重量/重量)の酒石酸ブリモニジンを含む。
【0070】
皮膚障害を治療又は予防するために、本開示を考慮して、本発明の局所ゲル組成物は、当技術分野で公知の通常の任意の方法で、例えば、滴ビン、アプリケータスティック若しくは消毒綿により、エアゾールアプリケータによりミストとして、皮内若しくは経皮貼布により、罹患部位に直接的に、又は本発明の製剤を手指、スポンジ、パッド若しくはワイプで罹患部位上に単に広げることにより、局所適用することができる。一般的に、罹患皮膚部位に適用される本発明の局所製剤の量は、約0.0001g/cm2皮膚表面積〜約0.05g/cm2、好ましくは0.002g/cm2〜約0.005g/cm2皮膚表面積の範囲にある。典型的には、治療期間中、1日当たり1〜4回の適用が推奨される。
【0071】
本発明の方法は、皮膚障害をもたらす基礎疾患を治療するために用いられる薬剤、掻痒を抑制するための抗ヒスタミン薬、抗生物質、コルチコステロイド、静脈内免疫グロブリン、アセトアミノフェン等などの、皮膚障害に対する1種又は複数の他の治療薬及び薬剤とともに用いることができる。
【0072】
他の薬剤又は治療薬は、有効成分又は実薬が皮膚障害を治療又は予防するために一緒に作用するように、ブリモニジンの投与と同時に、又は連続して時間間隔内に対象に投与することができる。例えば、他の薬剤又は治療薬及びブリモニジンは、同じ又は異なる時点に同じ又は別個の製剤で投与することができる。
【0073】
追加の治療薬及び薬剤を送達するために、経口、口腔内、直腸、非経口、局所、表皮、経皮、皮下、筋肉内、鼻腔内、舌下、頬側、硬膜内、眼内、呼吸器内、又は鼻吸入を含むが、これらに限定されない適切な投与経路を用いることができる。
【0074】
本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することによってより十分に理解されるが、当業者なら、実施例は、その後に続く特許請求の範囲に、より十分に記載されている本発明の例示にすぎないことを容易に理解する。
【実施例1】
【0075】
局所ゲル組成物中のメチルパラベン結晶粒子の観察
ブリモニジン局所ゲル組成物のバッチの7本の管のサンプリングにおいて結晶粒子を最初に目視観察した。これらの粒子を単離した。粒子の同一性は、標準を対照とした保持時間の比較による同定のためのHPLC試験、融点を求めるための示差走査熱量測定(DSC)、構造同定のためのNMR(1H及び13Cによる)、異なる質量を分離し、同定するためのUV検出器及びQTOFによる質量/質量分析等などの数種の分析法により分析した。これらの分析に基づいて、観察された結晶が、組成物に用いる保存剤であるメチルパラベン(以後POBM又はMPOBと短縮する)の結晶であると結論された。バッチを製造するために用いた方法に従って、メチルパラベンは、保存段階において50℃(122〜140°F)のプロピレングリコールに最初に溶解した。
【0076】
1.25%(重量/重量)のカルボマー、POBM及び他の成分を含有するブリモニジン局所ゲル組成物及びプラセボゲル組成物の追加の代表的なバッチについて顕微鏡観察を実施した。観察は、ICC Zeissカメラ付き顕微鏡Axiolab DRBKT Zeiss no.023733.01又は顕微鏡Olympus BX60を用いて各バッチの1本の管について行った。顕微鏡観察は、5℃及び室温で行った。
【0077】
表1に示すように、メチルパラベンの結晶粒子が重量で0.2%又は0.3%のメチルパラベン(POBM)を含有するブリモニジン及びプラセボゲル組成物の両方に思いがけなく観察された。
【0078】
【表1】
【0079】
結晶粒子が観察された、0.3%(重量/重量)のメチルパラベンを最初に含有していたバッチに溶解したメチルパラベンの濃度を推定するためにアッセイを行った。バッチについて遠心分離を行って、遠心管の底部に結晶を集め、それにより、それらを上清から除去した。上清中のメチルパラベンの濃度を測定したところ、約0.2%(重量/重量)であることが見いだされ、これは、最初の製剤における0.3%(重量/重量)の約66%であった。組成物中の可溶性メチルパラベンの濃度の低下は、不均一性の問題を提起するものであり、長期の貯蔵期間にわたり組成物の不良な微生物学的特性をもたらす可能性がある。
【0080】
局所ゲル製剤中のメチルパラベン結晶粒子の存在は、メチルパラベンの溶解度を考慮すると驚くべきである。結晶化の問題を回避する溶液を発見するために、問題の潜在的原因及び可能な解決策を明らかにするためのいくつかの仮説をたて、評価した。
【実施例2】
【0081】
メチルパラベン結晶粒子を含まない改善された局所ゲル組成物
観察されたパラベン結晶を含まず、容認できる微生物学的特性を有する改善された局所ゲル製剤を得るために、製剤及び製剤を製造する方法の様々な変更を行った。例えば、パラヒドロキシ安息香酸メチル(POBM)とも命名されている、メチルパラベンの代わりに、より水に溶けやすいNa POBMを用いたが、Na POBMの結晶粒子が0.3%(重量/重量)のNa POBMで依然として観察された。製剤中への0.1%のEDTAの添加によって、製剤中の0.3%(重量/重量)の POBMの即時の再結晶化が起こり、POBMの0.3%(重量/重量)の濃度が高すぎる可能性があることが示唆された。
【0082】
異なる成分及び成分の種々の濃度を有する多数の製剤を作製し、顕微鏡観察によりパラベン結晶の存在について試験した。米国薬局方(USP)及び欧州薬局方(EP)における保存剤有効性試験(PET)における受入試験基準を用いて、製剤の微生物学的特性も解析した。
【0083】
顕微鏡観察及びPET解析に基づいて、0.05%〜0.20%(重量/重量)のメチルパラベン、0.3%(重量/重量)以上のフェノキシエタノールなどの1種又は複数の第2の保存剤、Carbopol(登録商標)974P NFなどの0.80〜1.50%(重量/重量)のカルボマー、4.5〜6.5%(重量/重量)の第1のポリオール、例えば、プロピレングリコール、4.5〜6.5%(重量/重量)の第2のポリオール、例えば、グリセロールなどの9.0%〜13.0%(重量/重量)の総ポリオール、及び精製水、二酸化チタンなどの1つ又は複数の他の成分、場合により有効量の酒石酸ブリモニジンを含有し、十分な量の水酸化ナトリウムにより調整される5.0〜6.5のpHを有する改善された局所ゲル組成物が長期間の貯蔵後にメチルパラベン結晶を含まず、EP及びUSPの基準に合格したことが見いだされた。製剤のそれぞれにおけるカルボマーの濃度が1.25%(重量/重量)であった表2を参照のこと。
【0084】
【表2】
【0085】
メチルパラベンの量が0.15%(重量/重量)より多かった場合にカルボマーの量を減少させることにより、メチルパラベンの結晶の形成が減少したことがさらに発見された。例えば、表3を参照のこと。
【0086】
【表3】
【0087】
その広い発明の概念から逸脱することなく、上述の実施形態の変更を行い得たことは、当業者なら理解されよう。したがって、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されるものでなく、添付の特許請求の範囲により規定されている本発明の精神及び範囲内の修正形態を網羅するものであることは理解される。