【実施例】
【0054】
以下、実施例により本発明を詳述する。なお、各特性値は以下の方法で測定した。
(1)光線反射率
分光光度計(島津製作所製UV−3101PC)に積分球を取り付け、BaSO
4白板を100%とした時の反射率を波長550nmで測定し、この値を反射率とした。なお、測定は、表面層B側の表面において行った。表裏に異なる表面層Bを有する場合は、導光板側となる表面層B表面において測定した。
【0055】
(2)粒子の平均粒子径
レーザー散乱型粒度分布測定機(島津製作所製SALD−7000)にて、粒子の粒度分布(粒径の標準偏差)を求め、d50での粒子径(体積分布基準で小さい側から50%の分布となる粒子径)を平均粒子径とした。
【0056】
(3)粒子形状
(3−1)粒子形状1
粒子粉体を測定用ステージに導電性テープで固定し、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて倍率1000倍にて観測し、粒子の形状を観察した。無作為に選んだ30個の粒子について、粒子の最大径Dx(x方向とする)、および、x方向に垂直な方向(y方向およびz方向とする。z方向はy方向にも垂直な方向である。)における最大径DyおよびDz(ただしDy≧Dzとする)を求め、それぞれについて平均値を算出し、Dxave、Dyave、Dzaveとし、Dxave−Dyave、Dxave−Dzave、Dyave−Dzaveを求め、これらの少なくとも1つがDxの20%を超えるものを非球状と判定し、そうでないものを球状と判定した。
【0057】
(3−2)粒子形状2(アスペクト比とアスペクト比の標準偏差)
粒子をガラス棒を用いて導電性テープに軽く貼り付け、それを測定用ステージに固定し、日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて真正面から(傾斜角は付けずに)倍率100倍にて観測し、無作為に選んだ30個の粒子について、粒子の最大径を長径としてかかる最大径に直交する方向における最大径を短径として、それぞれの粒子について長径/短径(アスペクト比)を求めて、平均値をとってアスペクト比の平均値とした。また、各々のアスペクト比の値からアスペクト比の標準偏差を算出した。
なお、平均粒子径が小さいもの(例えば3μm以下であることが想定されるもの)については、倍率を高くして(例えば1000倍にして)観測した。
【0058】
(4)フィルム表面の突起頻度(突起個数)
フィルム表面の突起プロファイルを、三次元粗さ測定装置SE−3CKT(株式会社小坂研究所製)にて、カットオフ0.25mm、測定長1mm、走査ピッチ2μm、走査本数100本で測定し、高さ倍率1000倍、走査方向倍率200倍にて突起プロファイルを記録した。得られた突起プロファイル(横軸:突起高さ、縦軸:突起個数の突起プロファイル)から、高さ5μm以上の突起個数(個/m
2)を求め、突起頻度とした。尚、解析には三次元粗さ解析装置SPA−11(株式会社小坂研究所製)を用いた。
【0059】
(5)10%圧縮強度
エリオニクス社製微小硬度計ENT−1100aを用いて、加重3gfでの各粒子の圧縮強度を測定し、10%変形時の圧縮強度(MPa)を採用した。5回の測定の平均値を用いた。
【0060】
(6)揮発有機溶剤量
室温(23℃)において、1gのフィルムサンプルを10Lのフッ素樹脂製バッグに入れ、その中を純窒素でパージして密封した。次いで、直ちにかかるバッグの中の窒素から、0.2L/分の流量で、2本の分析用TENAX−TA捕集管にそれぞれ0.2L、1.0Lの窒素を採取し、これらを用いて、HPLCおよびGCMSにより、採取した窒素中に含まれる有機溶剤成分の質量を定量した。得られた値を窒素10L中の量に換算して、1gのフィルムサンプルから10Lの窒素中に揮発した有機溶剤の質量を求め、揮発有機溶剤量(単位:ppm、フィルムサンプルの質量基準)とした。なお、アルデヒド類は、アセトニトリルでアルデヒド誘導体化物を捕集管から溶出し、HPLCにより定量した。また、HPLCとGCMSとで値が異なる場合は、多く検出した方の値を採用した。
【0061】
(7)フィルム厚みおよび層構成
白色反射フィルムをミクロトームにてスライスして断面出しを行い、かかる断面について日立製作所製S−4700形電界放出形走査電子顕微鏡を用いて、倍率500倍にて観測し、フィルム全体、反射層A、表面層B、支持層Cの厚みをそれぞれ求めた。なお、表面層Bについては、粒子が存在する部分の厚みを任意に10点採取し、それらの平均値を厚みとした。
【0062】
(8)ボイド体積率の算出
ボイド体積率を求める層のポリマー、添加粒子、その他各成分の密度と配合割合から計算密度を求めた。同時に、当該層を剥離する等して単離し、質量および体積を計測し、これらから実密度を算出し、計算密度と実密度とから下記式により求めた。
ボイド体積率=100×(1−(実密度/計算密度))
なお、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート(2軸延伸後)の密度を1.39g/cm
3、硫酸バリウムの密度を4.5g/cm
3とした。
また、ボイド体積率を測定する層のみを単離し、単位体積あたりの質量を求めて実密度を求めた。体積は、サンプルを面積3cm
2に切り出し、そのサイズでの厚みをエレクトリックマイクロメーター(アンリツ製 K−402B)にて10点測定した平均値を厚みとし、面積×厚みとして算出した。質量は、電子天秤にて秤量した。
なお、粒子(凝集粒子含む)の比重としては、以下のメスシリンダー法にて求めた嵩比重の値を用いた。容積1000mlのメスシリンダーに絶乾状態の粒子を充填して、全体の重量を測定し、該全体の重量からメスシリンダーの重量を差引いて該粒子の重量を求め、該メスシリンダーの容積を測定し、該粒子の重量(g)を該容積(cm
3)で割ることによって求められる。
【0063】
(9)融点、カラス転移温度
示差走査熱量測定装置(TA Instruments 2100 DSC)を用い、昇温速度20℃/分で測定して求めた。
【0064】
(10)輝度
LG社製のLED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)から反射フィルムを取り出し、実施例に記載の各種反射フィルムの表面層B側を画面側(導光板に接する側)に設置し、バックライトユニットの状態にて輝度計(大塚電子製Model MC−940)を用いて、バックライトの中心を真正面より測定距離500mmで輝度を測定した。
【0065】
(11)導光板の傷付き評価(削れ性評価)
(11−1)傷付き評価1
図3のように、取っ手部分(1)の端に幅200mm×長さ200mm×厚み3mmの鉄板(2、重さ約200g)を固く貼り付け、その上に、評価面を上にした幅250mm×長さ200mmの反射フィルム(3)を幅方向の両端からそれぞれ25mmの部分が鉄板からはみ出すようにして、(中央の200mm×200mmの部分が鉄板と重なるようにして)貼り付けた。この際、反射フィルムの評価面(表面層面)が外側になるようにした。また、反射フィルムの幅方向の両端で余った25mmの部分は、鉄板の裏側に折り返して、反射フィルムの端部(サンプリング時にナイフ等により刃を入れた部分)が導光板を削ってしまう影響を排除した。
次に、ドット(401)を有するドット面を上にした導光板(4、少なくとも400mm×200mmのサイズのもの)を水平な机上に固定し、上記で作成した鉄板に固定した反射フィルムを、評価面と導光板とが接触するように反射フィルム側の面を下向きにして導光板の上に置き、さらにその上に500gの重り(5)を載せて、距離200mmで(400mm×200mmの領域で鉄板に固定した反射フィルムを動かすことになる)1往復約5〜10秒の速度で15往復動かした。その後、導光板表面において、その削れ具合と、反射フィルムから脱落した粒子の有無について20倍のルーペを用いて観察し、以下の基準で評価した。
導光板上の擦られた400mm×200mmの全範囲において、20往復動かした後にルーペで観察できるキズがない場合は「削れない」(削れ評価○)とし、10往復動かした後は観察できるキズがなかったが、20往復動かした後に観察できるキズがある場合は「削れにくい」(削れ評価△)とし、10往復した後に観察できるキズがある場合は「削れる」(削れ評価×)とした。
なお、上記評価にあたっては、ドットサイズの影響を極力抑えるべく、導光板において、極力ドットサイズの大きな領域を選択し、各評価サンプルで揃えて行った。
【0066】
(11−2)傷付き評価2
上記(11−1)において、鉄板(2)の大きさを400mm×200mmとし(それに合わせて反射フィルムは400mm×250mmとし、導光板は少なくとも400mm×400mmのサイズのものを使用した。400mm×400mmの領域で鉄板に固定した反射フィルムを動かすことになり、観察範囲もかかる範囲となる。)、重り(5)の重さを1000g(圧力としては上記(11−1)と同じになる。)とした以外は、同様にして評価した。
【0067】
(12)白点評価
(12−1)白点評価1
上記(11−1)の評価で用いた反射フィルムと導光板を用いて、机上に、表面層面を上向きとなるように反射フィルムを置き、その上にドット面が下向きになるように導光板を置き、導光板の四辺のそれぞれに各300gの重りを置き固定し、LG社製のLED液晶テレビ(LG42LE5310AKR)のバックライト光源を用いて、導光板の側面から光を入射して、目視で観察できる導光板ドット以外の明るい点があれば白点発生(評価△)とした。他方、目視で観察できる異常な明るい点がなければ白点発生しない(評価○)とした。
【0068】
(12−2)白点評価2
上記(11−2)の評価で用いた反射フィルムと導光板を用いて、評価基準を、目視で観察できる導光板ドット以外の明るい点があれば白点発生(評価×)とし、目視で観察できる異常な明るい点がなければ白点発生しない(評価○)とし、目視で観察できる導光板ドット以外の明るい点があるが薄いものは、白点が若干発生(評価△)とする以外は、上記(12−1)と同様にして評価した。
【0069】
(13)密着斑評価(貼り付き評価)
(13−1)貼り付き評価1
図4のように、LG社製のLED液晶テレビ(47インチサイズ)からシャーシ(6)を取り出し、テレビ内部側が上向きとなるように水平な机上に置き、その上に、シャーシとほぼ同じ大きさの反射フィルムを、表面層面が上向きとなるように置き、さらにその上に、元々テレビに備えられていた導光板および光学シート3枚(7、拡散フィルム2枚、プリズム1枚)を置いた。次いで、その面内で、シャーシの凹凸の最も激しい部分を含む領域に、
図4に示すごとく直径5mmの円柱状足を三本備える正三角形型の台(801)を置き、その上に更に10kgの重り(802)を乗せて、かかる三本の足に囲まれた領域を目視で観測し、異常に明るい部分がなければ「密着斑がなし」(密着斑評価○)とした。また、異常に明るい部分があった場合は、光学シート3枚の上にさらに、元々テレビに備わっていたDBEFシートを置き、同様に目視で観測し、異常に明るい部分が直らなければ、「密着斑があり」(評価×)とし、異常に明るい部分がなくなれば、「密着斑が殆どなし」(評価△)とした。なお、三つ足に囲まれた領域は、各辺の長さが10cmの略正三角形とした。
【0070】
(13−2)貼り付き評価2
上記(13−1)において、重り(802)の重さを15kgとした以外は、同様にして評価した。
【0071】
(14)回収製膜性評価
実施例で得られた二軸延伸フィルムを、粉砕し、溶融押出してチップ化することで自己回収原料を作成した。かかる自己回収原料を、反射層Aに、反射層Aの質量を基準として35質量%添加し、その余のポリエステルとボイド形成剤との質量比率は元のフィルムと同じになるようにして、元のフィルムと同様にして自己回収原料含有の二軸延伸フィルムを作成し、以下の基準で評価した。
◎:長さ2000m以上安定に製膜できる。
○:長さ1000m以上、2000m未満、安定に製膜できる。
△:長さ1000m未満に1度切断が生じた。
×:長さ1000m未満に2度以上切断が生じた。
【0072】
<製造例1:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の合成>
テレフタル酸ジメチル136.5質量部、イソフタル酸ジメチル13.5質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して9モル%となる)、エチレングリコール98質量部、ジエチレングリコール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜240℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3mmHgまで減圧するとともに292℃まで昇温し、重縮合反応を行い、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1を得た。このポリマーの融点は235℃であった。
【0073】
<製造例2:イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2の合成>
テレフタル酸ジメチル129.0質量部、イソフタル酸ジメチル21.0質量部(得られるポリエステルの全酸成分100モル%に対して14モル%となる)に変更した他は、上記製造例1と同様にして、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2を得た。このポリマーの融点は215℃であった。
【0074】
<製造例3:粒子マスターチップ1の作成>
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1の一部、およびボイド形成剤として平均粒子径1.0μmの硫酸バリウム粒子(表中、BaSO
4と表記する。)を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマスターチップの質量に対して硫酸バリウム粒子の含有量が60質量%となるように混合し、樹脂温度260℃にて押し出し、硫酸バリウム粒子含有の粒子マスターチップ1を作成した。
【0075】
<製造例4:粒子マスターチップ2の作成>
上記で得られたイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2の一部、およびボイド形成剤として平均粒子径1.0μmの硫酸バリウム粒子を用いて、神戸製鋼社製NEX−T60タンデム式押出機にて、得られるマスターチップの質量に対して硫酸バリウム粒子の含有量が60質量%となるように混合し、樹脂温度260℃にて押し出し、硫酸バリウム粒子含有の粒子マスターチップ2を作成した。
【0076】
<製造例5:表面層Bに用いる粒子1の作成>
テレフタル酸ジメチル150質量部、エチレングリコール98質量部、ジエチレングリコール1.0質量部、酢酸マンガン0.05質量部、酢酸リチウム0.012質量部を精留塔、留出コンデンサを備えたフラスコに仕込み、撹拌しながら150〜240℃に加熱しメタノールを留出させエステル交換反応を行った。メタノールが留出した後、リン酸トリメチル0.03質量部、二酸化ゲルマニウム0.04質量部を添加し、反応物を反応器に移した。ついで撹拌しながら反応器内を徐々に0.3mmHgまで減圧するとともに292℃まで昇温し、重縮合反応を行い、ポリエチレンテレフタレート3を得た。得られたポリエチレンテレフタレート3をストランドダイから押出し、冷却後に断裁することによってペレット状とした。次いで、得られたペレットをオーブン内で170℃で3時間加熱することによって乾燥結晶化させた後に、株式会社マツボー製のアトマイザーミル TAP−1を用いて液体窒素で冷却しながら粉砕を行うことで平均粒子径60μmのポリエステル粒子を得た。さらにこのポリエステル粒子を風力分級することによって平均粒子径40μmの粒子1(非球状粒子)を得た。
粒子2:東レ株式会社製ナイロン66樹脂CM3006のペレットを用いる以外は、上記製造例5と同様に粉砕・分級を行い得られた平均粒子径40μmの非球状粒子。
粒子3:東レ株式会社製ナイロン66樹脂CM3006のペレットを用いる以外は、上記製造例5と同様に粉砕・分級を行い得られた平均粒子径10μmの非球状粒子。
粒子4:東レ株式会社製ナイロン6樹脂CM1017のペレットを用いる以外は、上記製造例5と同様に粉砕・分級を行い得られた平均粒子径10μmの非球状粒子。
粒子5:積水化成品工業社製 MBX−40(真球状アクリル粒子、平均粒子径40μm)
粒子6:住友化学株式会社製ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)樹脂スミペックスMGSSのペレットを用いる以外は、上記製造例5と同様に粉砕・分級を行って得られた平均粒子径10μmの非球状粒子。
粒子7:東レ株式会社製SP−10(真球状ナイロン粒子、平均粒子径10μm)
【0077】
<製造例6:表面層Bに用いる粒子8の作成>
上記製造例5と同様にして、ポリエチレンテレフタレート3をストランドダイから押出し、冷却後に断裁することによってペレット状とした。ストランドの形状を調整した結果、このペレットの形状はほぼ直方体の形状で形状の平均が4mm×3mm×2mmのものであった。次いで、上記製造例5と同様にして平均粒子径60μmのポリエステル粒子を得た。さらにこのポリエステル粒子を風力分級することによって平均粒子径43μmの粒子8(非球状粒子)を得た。
【0078】
<製造例7:表面層Bに用いる粒子9の作成>
上記製造例6で得られたペレットを用い、ポリエチレンテレフタレートの2軸延伸フィルムの通常用いられる条件(縦延伸倍率3.0倍、横延伸倍率4.0倍、熱固定温度を220℃に設定)にて、配向結晶化させた透明2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み50μm)を得た。これを上記製造例6と同様にして液体窒素で冷却しながら粉砕し、その後風力分級を行い平均粒子径52μmの粒子9(非球状粒子)を得た。
【0079】
<製造例8:表面層Bに用いる粒子10の作成>
上記製造例6で得られたペレットを用い、常法により直径が35μmのポリエステルファイバーを作成し、これを上記製造例6と同様にして液体窒素で冷却しながら粉砕し平均粒子径40μmの粒子10(非球状粒子)を得た。
【0080】
<製造例9、10:表面層Bに用いる粒子11、12の作成>
製造例6で得られたペレットを乾燥結晶化し、同様に粉砕し、風力分級を行い平均粒子径35μmの粒子11(非球状粒子)を得た。また製造例7で得られたフィルムを同様に粉砕し、風力分級を行い平均粒子径50μmの粒子12(非球状粒子)を得た。上記においては、得られる粒子が表3に示す態様となるように、風力分級の条件を調整した。
粒子13:住友化学株式会社製ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)樹脂スミペックスMGSSのペレットを用いる以外は、上記製造例6と同様に粉砕・分級を行って得られた平均粒子径40μmの非球状粒子。
【0081】
<製造例11、12:表面層Bに用いる粒子14、15の作成>
上記製造例7においてフィルム厚みを75μmに変更し、製造例7と同様にして粉砕、風力分級を行うことで粒子14(非球状粒子)を得た。また、フィルム厚みを100μmとして同様に粒子15(非球状粒子)を得た。上記においては、得られる粒子が表3に示す態様となるように、風力分級の条件を調整した。
【0082】
<製造例13〜20:表面層Bに用いる粒子16〜23の作成>
製造例6で得られたペレットを乾燥結晶化し、同様に粉砕し、風力分級を行い、各々表3に示す構成を有する粒子16〜23(非球状粒子または球状粒子)を得た。上記においては、得られる粒子が表3に示す態様となるように、風力分級の条件を調整した。
【0083】
[実施例1−1]
(白色反射フィルムの製造)
上記で得たイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1と粒子マスターチップ1を反射層(A層)の原料として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2と粒子マスターチップ2を支持層(C層)の原料としてそれぞれ用い、反射層Aは、反射層Aの質量に対するボイド形成剤の含有量が49質量%となるように、また、支持層Cは、支持層Cの質量に対するボイド形成剤の含有量が3質量%となるように混合し、押出機に投入し、A層は溶融押出し温度255℃にて、C層は溶融押出し温度230℃にて、C層/A層/C層の層構成となるように3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。このときC層/A層/C層の厚み比が2軸延伸後に10/80/10となるように各押出機の吐出量で調整した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを73℃の予熱ゾーン、つづけて75℃の予熱ゾーンを通して、92℃に保たれた縦延伸ゾーンに導き、縦方向に2.9倍に延伸し、25℃のロール群で冷却し一軸延伸フィルムを得た。次いで、得られた一軸延伸フィルムの片面にリバースロールコート法を用いて、下記に示す表面層(B層)を形成するための塗液1を塗布した。
【0084】
<塗液1>
樹脂としての互応化学株式会社製Z−465(ポリエチレンテレフタレートにナトリウムスルホイソフタル酸成分を全酸成分100モル%に対して10モル%、ジエチレングリコール成分を同10モル%を含む共重合ポリエステル樹脂(かかる共重合ポリエステルを樹脂1とする)。固形分濃度15質量%の水溶液。)と、粒子としての上記製造例5で得られた粒子1と、希釈溶媒としてのイオン交換水とを、樹脂と粒子とが表1に示す含有量比率となるように、また、塗液の固形分濃度が20質量%となるように混合し、塗液1を作成した。
塗布に続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながら115℃の予熱ゾーンを通して130℃に保たれた横延伸ゾーンに導き、横方向に3.6倍に延伸した。その後テンター内で185℃で熱固定を行い、幅入れ率2%、幅入れ温度130℃で横方向の幅入れを行い、次いでフィルム両端を切り落し、縦弛緩率2%で熱弛緩し、室温まで冷やして、二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
【0085】
[実施例1−2、1−3、1−5、比較例1−1〜1−3]
表面層(B層)に用いる粒子の態様を各々表1に示すとおりとする以外は、実施例1−1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
【0086】
[実施例1−4]
反射層Aのボイド形成剤を、ポリエステルに非相溶な樹脂(シクロオレフィン、ポリプラスチックス社製「TOPAS 6017S−04」)に変更し、反射層Aの質量に対するボイド形成剤の含有量を20質量%とした以外は、実施例1−1と同様にして二軸延伸フィルムを作成し、評価を実施した。評価結果を表2に示す。
【0087】
[実施例1−6]
一軸延伸後、二軸延伸前に塗液の塗布をしない以外は実施例1−1と同様にして得られた二軸延伸フィルムの上に、ダイレクトグラビアコーティング装置にて、下記の表面層(層B)を形成するための塗液2に示す組成からなる塗液を、wet厚み15g/m
2の塗布量で塗布した後、オーブン内にて80℃で乾燥してフィルムを得た。
【0088】
<塗液2、固形分濃度30質量%>
・粒子:上記製造例5で得られた粒子1(非球状粒子)・・・7.5質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):DIC社製アクリディックA−817BA(固形分濃度50質量%、表中樹脂2と記載する)・・・30質量%
・架橋剤:日本ポリウレタン工業社製コロネートHL(イソシアネート系架橋剤、固形分濃度75質量%、表中架橋剤1と記載する)・・・10質量%
・希釈溶媒:酢酸ブチル・・・52.5質量%
得られたフィルムの評価結果は表2の通りであった。なお、塗液2における各成分の固形分比率は以下の通りとなる。
・粒子:25質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):50質量%
・架橋剤:25質量%
【0089】
【表1】
【0090】
【表2】
【0091】
[実施例2−1]
(白色反射フィルムの製造)
上記で得たイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート1と粒子マスターチップ1を反射層(A層)の原料として、イソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレート2と粒子マスターチップ2を支持層(C層)の原料としてそれぞれ用い、反射層Aは、反射層Aの質量に対するボイド形成剤の含有量が49質量%となるように、また、支持層Cは、支持層Cの質量に対するボイド形成剤の含有量が3質量%となるように混合し、押出機に投入し、A層は溶融押出し温度265℃にて、C層は溶融押出し温度240℃にて、C層/A層/C層の層構成となるように3層フィードブロック装置を使用して合流させ、その積層状態を保持したままダイスよりシート状に成形した。このときC層/A層/C層の厚み比が2軸延伸後に10/80/10となるように各押出機の吐出量で調整した。さらにこのシートを表面温度25℃の冷却ドラムで冷却固化した未延伸フィルムとした。この未延伸フィルムを73℃の予熱ゾーン、つづけて75℃の予熱ゾーンを通して、92℃に保たれた縦延伸ゾーンに導き、縦方向に2.9倍に延伸し、25℃のロール群で冷却し一軸延伸フィルムを得た。次いで、得られた一軸延伸フィルムの片面にリバースロールコート法を用いて、下記に示す表面層(B層)を形成するための塗液3を塗布した。
【0092】
<塗液3>
樹脂としての互応化学株式会社製Z−465(樹脂1)と、粒子としての上記製造例6で得られた粒子8と、希釈溶媒としてのイオン交換水とを、樹脂と粒子の固形分含有量比率が樹脂:粒子=75:25(質量%)となるように、また、塗液の固形分濃度が20質量%となるように混合し、塗液3を作成した。
塗布に続いて、フィルムの両端をクリップで保持しながら115℃の予熱ゾーンを通して130℃に保たれた横延伸ゾーンに導き、横方向に3.6倍に延伸した。その後テンター内で185℃で熱固定を行い、幅入れ率2%、幅入れ温度130℃で横方向の幅入れを行い、次いでフィルム両端を切り落し、縦弛緩率2%で熱弛緩し、室温まで冷やして、二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表4に示す。
【0093】
[実施例2−2〜2−5、2−8〜2−15、比較例2−1〜2−5]
表面層(B層)に用いる粒子の態様および層構成を、各々表3および表4に示すとおりとする以外は、実施例2−1と同様にして二軸延伸フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表4に示す。
【0094】
[実施例2−6]
反射層Aのボイド形成剤を、ポリエステルに非相溶な樹脂(シクロオレフィン、ポリプラスチックス社製「TOPAS 6017S−04」)に変更し、反射層Aの質量に対するボイド形成剤の含有量を20質量%とした以外は、実施例2−1と同様にして二軸延伸フィルムを作成し、評価を実施した。評価結果を表4に示す。
【0095】
[実施例2−7]
一軸延伸後、二軸延伸前に塗液の塗布をしない以外は実施例2−1と同様にして得られた二軸延伸フィルムの上に、ダイレクトグラビアコーティング装置にて、下記の表面層(層B)を形成するための塗液4に示す組成からなる塗液を、wet厚み15g/m
2の塗布量で塗布した後、オーブン内にて80℃で乾燥してフィルムを得た。
【0096】
<塗液4、固形分濃度30質量%>
・粒子:上記製造例6で得られた粒子8(非球状粒子)・・・7.5質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):DIC社製アクリディックA−817BA(樹脂2)・・・30質量%
・架橋剤:日本ポリウレタン工業社製コロネートHL(架橋剤1)・・・10質量%
・希釈溶媒:酢酸ブチル・・・52.5質量%
得られたフィルムの評価結果は表4の通りであった。なお、塗液4における各成分の固形分比率は以下の通りとなる。
・粒子:25質量%
・アクリル樹脂(熱可塑性樹脂):50質量%
・架橋剤:25質量%
【0097】
【表3a】
【0098】
【表3b】
【0099】
【表4a】
【0100】
【表4b】