特許第6185539号(P6185539)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6185539光コネクタのフェルール端面検査装置および検査用のプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185539
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】光コネクタのフェルール端面検査装置および検査用のプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01M 11/00 20060101AFI20170814BHJP
   G01B 11/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G01M11/00 G
   G01B11/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2015-213048(P2015-213048)
(22)【出願日】2015年10月29日
(65)【公開番号】特開2017-83343(P2017-83343A)
(43)【公開日】2017年5月18日
【審査請求日】2016年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079337
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 誠志
(72)【発明者】
【氏名】村上 太一
(72)【発明者】
【氏名】篠原 正幸
【審査官】 横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−055788(JP,A)
【文献】 特開2008−180579(JP,A)
【文献】 特開平06−148448(JP,A)
【文献】 特開平10−019728(JP,A)
【文献】 特開平06−147859(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0010500(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 11/00−11/08
G01B 11/00−11/30
G02B 6/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の光コネクタのフェルール端面の画像データを取得する端面画像取得部(30)と、
前記端面画像取得部が取得した画像データに基づいて、画像上の光ファイバのクラッドの中心位置を検出するクラッド中心検出手段(42、42′)を含み、検出したクラッドの中心位置を基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう端面画像解析部(40)とを有する光コネクタのフェルール端面検査装置において、
前記クラッド中心検出手段は、
前記端面画像取得部が取得した画像データに対する輝度についての処理を含む前処理を行なう前処理手段(43、43′)と、
前記前処理された画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める異径円輝度算出手段(44、46、48)と、
前記異径円輝度算出手段によって得られる各円の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を決定するクラッド中心決定手段(45、47、49)とを有していることを特徴とする光コネクタのフェルール端面検査装置。
【請求項2】
前記クラッド中心決定手段は、
前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記クラッドの中心位置を決定することを特徴する請求項1記載の光コネクタのフェルール端面検査装置。
【請求項3】
前記前処理手段は、前記輝度についての処理として正規化処理を含み、
前記前処理手段には、
前記正規化処理された画像データに対して前記クラッドのエッジを検出するためのエッジ検出処理を行なう手段と、
前記エッジ検出処理がなされた画像データに対して2値化処理を行なう手段と
が含まれており、
前記異径円輝度算出手段は、
前記2値化処理された画像データに対して、前記特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求めるように形成され、
前記クラッド中心決定手段は、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記画像上のクラッドの中心位置を決定することを特徴する請求項1記載の光コネクタのフェルール端面検査装置。
【請求項4】
前記前処理手段は、前記輝度についての処理として正規化処理を含み、
前記前処理手段には、
前記正規化処理された画像データに対して前記クラッドのエッジを検出するためのエッジ検出処理を行なう手段と、
前記エッジ検出処理がなされた画像データに対して2値化処理を行なう手段と、
前記2値化した画像データから画素数が少ない圧縮画像のデータを生成する画像圧縮処理が含まれ、
前記クラッド中心検出手段は、
前記圧縮画像上の特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める第1の異径円輝度算出手段(46)と、
前記第1の異径円輝度算出手段によって得られた前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記圧縮画像上のクラッドの中心位置を決定する第1のクラッド中心決定手段(47)と、
前記前処理手段で正規化処理された画像上で特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記第1のクラッド中心決定手段によって決定されたクラッドの中心位置およびその近傍範囲で特定画素をずらしながら求める第2の異径円輝度算出手段(48)と、
前記第2の異径円輝度算出手段によって得られた前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記正規化処理された画像上のクラッドの中心位置を決定する第2のクラッド中心決定手段(49)とを有していることを特徴する請求項1記載の光コネクタのフェルール端面検査装置。
【請求項5】
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶された画像データに対する輝度についての処理を含む前処理を行なう手段、
前記前処理された画像データに対し、画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
該得られた各円の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を決定する手段、
前記決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させるための光コネクタのフェルール端面検査用のプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶させた画像データに対する輝度についての正規化処理、正規化された画像データに対するエッジ検出処理、エッジ検出された画像データに対する2値化処理を含む前処理を行なう手段、
前記2値化された画像データに対して、画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記クラッドの中心位置を決定する手段、
前記決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させるための光コネクタのフェルール端面検査用のプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶させた画像データに対する輝度についての正規化処理、正規化された画像データに対するエッジ検出処理、エッジ検出された画像データに対する2値化処理および2値化された画像データに対する画像圧縮処理を含む前処理を行なう手段、
前記圧縮処理された画像データに対して、該圧縮画像上の特定画素を中心とし、該圧縮画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記圧縮画像上のクラッドの中心位置と決定する手段、
前記正規化処理された画像上で特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記圧縮画像上で決定されたクラッドの中心位置およびその近傍範囲で特定画素をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記正規化処理された画像上で得られた前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記正規化処理された画像上で得られた前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記正規化処理された画像上のクラッドの中心位置を決定する手段、
前記正規化処理された画像上で決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させるための光コネクタのフェルール端面検査用のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバの末端に設けられた光コネクタのフェルールの端面を撮影し、その画像データから端面の状態の良否を定量的に判定する検査装置に関し、特に、端面の良否判定に必要なクラッドの中心位置を精度よく検出するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の通信に用いられる光ファイバの末端には、中継用あるいは他機器との接続用の光コネクタが設けられている。光コネクタは、一般的に、図13に示すように、光ファイバの一端側のクラッド1(コア含む)を、合成樹脂等からなるフェルール5(芯線保持体)の中心に通過させて、クラッド1の端面がフェルール5の端面とほぼ面一となる状態で保持している。
【0003】
このフェルール5に保持されたクラッド1の端面に汚れや傷があると、光の損失および反射が起こり、光を効率よく伝搬できなくなり、通信品質が低下する。また、芯線1の端面だけでなく、その周囲のフェルール5の端面にゴミ等が付着していると、そのゴミにより光コネクタに接続したときコネクタ内部に隙間が生じたり、ゴミが芯線1の端面に移動して、光の伝搬を妨げる等の問題が発生する。
【0004】
このため、光ファイバの敷設工事を行なう現場等で、光ファイバの末端処理を行なって光コネクタを取り付ける作業をする場合、その加工した光コネクタのフェルール5の端面の状態の良否を定量的に判定できる検査装置10が必要となる。
【0005】
この検査装置10は、検査対象の光コネクタのフェルール5を受け入れ、がたつきの無い状態で保持し、その保持したフェルール5の端面の画像を撮影する端面画像取得部11と、撮影した端面画像を解析して、その端面の良否を判定する端面画像解析部12とを有している。
【0006】
端面画像取得部11は、フェルール端面に照明光を照射し、その端面からの反射光をレンズからなる拡大光学系により所定の焦点位置に配置されたCCD等の画像センサに結像させ、例えば図14に示すような画像のデータを検出して、端面画像解析部12に出力する。
【0007】
端面画像解析部12は、図13に示しているように、フェルール5の端面5aの画像データを記憶する画像メモリ13、記憶した画像データに基づいてフェルール5の端面5a内のクラッド1の中心位置(コア中心)を検出するクラッド中心検出手段14、検出されたクラッドの中心位置を基準にして所定半径(コアの半径、クラッドの半径あるいはクラッドを越える周囲の半径)内に汚れやゴミ等の要素がどの程度含まれるかを定量的に調べ、予め設定されたしきい値との比較によって各半径の良否判定を行なう判定手段15を含んでいる。
【0008】
なお、実際の装置では、端面画像解析部12はコンピュータで構成されており、判定領域となるクラッド等の径や判定のしきい値等、検査に必要な各種パラメータを設定したり、検査の進行をコントロールするための操作部や、処理前の生の端面画像、各種処理が終わった段階の端面画像および検査結果等を表示するための表示部が備えられている。これらの各種設定操作や表示処理等は、装置に予め格納された検査用のアプリケーションプログラムにしたがって実行されるが、ここでは、取得された端面画像に対して順次行なう加工処理、演算処理、判定処理までについて説明する。
【0009】
クラッド中心検出手段14によるクラッドの中心位置検出手法として、パターンマッチング方法が一般的に用いられる。
【0010】
パターンマッチング方法は、図15に示すように、画像上で光ファイバの既知のクラッド径に対応した径をもち輝度が一定(例えば黒)の円板を基準パターンDrとし、その基準パターンDrの位置を順次ずらしながら、基準パターンDrの画素と端面画像撮影部11で得られた画像データの画素との相関演算を行い、相関演算結果が最大値となる、つまり、基準パターンDrと画像データ上のクラッド端面とが完全に重なったときの基準パターンの中心位置を、クラッドの中心位置として検出する方法である。
【0011】
なお、光コネクタのフェルール端面の良否を定量的に判定するものではないが、光コネクタのフェルール端面を拡大撮影して観察できるようにした装置の一例は、特許文献1に開示されており、このようにして得られた画像データに対して上記したパターンマッチング法を用いたクラッド中心検出処理を行ない、その検出した画像上の中心位置を基準として所定半径内の汚れや傷の量を調べ、その量としきい値との比較により、端面の良否を判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−19728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記したように、画像上のクラッド中心位置をパターンマッチング方法で求める場合、基準パターンDrの位置を1画素分ずらし、基準パターンDrの範囲内にある全ての画素についての輝度に関する積和演算を行なうことなり、その処理に膨大な時間がかかるという問題がある。
【0014】
特に、光ファイバの敷設現場では一度に多数の光コネクタの検査を行なう必要があり、上記方法では検査効率が著しく低いものとなってしまう。
【0015】
本発明は、この問題を解決し、画像上のクラッド中心位置を迅速に検出できる光コネクタのフェルール端面検査装置およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の光コネクタのフェルール端面検査装置は、
検査対象の光コネクタのフェルール端面の画像データを取得する端面画像取得部(30)と、
前記端面画像取得部が取得した画像データに基づいて、画像上の光ファイバのクラッドの中心位置を検出するクラッド中心検出手段(42、42′)を含み、検出したクラッドの中心位置を基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう端面画像解析部(40)とを有する光コネクタのフェルール端面検査装置において、
前記クラッド中心検出手段は、
前記端面画像取得部が取得した画像データに対する輝度についての処理を含む前処理を行なう前処理手段(43、43′)と、
前記前処理された画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める異径円輝度算出手段(44、46、48)と、
前記異径円輝度算出手段によって得られる各円の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を決定するクラッド中心決定手段(45、47、49)とを有していることを特徴としている。
【0017】
また、本発明の請求項2の光コネクタのフェルール端面検査装置は、請求項1記載の光コネクタのフェルール端面検査装置において、
前記クラッド中心決定手段は、
前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記クラッドの中心位置を決定することを特徴する。
【0018】
また、本発明の請求項3の光コネクタのフェルール端面検査装置は、請求項1記載の光コネクタのフェルール端面検査装置において、
前記前処理手段は、前記輝度についての処理として正規化処理を含み、
前記前処理手段には、
前記正規化処理された画像データに対して前記クラッドのエッジを検出するためのエッジ検出処理を行なう手段と、
前記エッジ検出処理がなされた画像データに対して2値化処理を行なう手段と
が含まれており、
前記異径円輝度算出手段は、
前記2値化処理された画像データに対して、前記特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求めるように形成され、
前記クラッド中心決定手段は、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記画像上のクラッドの中心位置を決定することを特徴する。
【0019】
また、本発明の請求項4の光コネクタのフェルール端面検査装置は、請求項1記載の光コネクタのフェルール端面検査装置において、
前記前処理手段は、前記輝度についての処理として正規化処理を含み、
前記前処理手段には、
前記正規化処理された画像データに対して前記クラッドのエッジを検出するためのエッジ検出処理を行なう手段と、
前記エッジ検出処理がなされた画像データに対して2値化処理を行なう手段と、
前記2値化した画像データから画素数が少ない圧縮画像のデータを生成する画像圧縮処理が含まれ、
前記クラッド中心検出手段は、
前記圧縮画像上の特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める第1の異径円輝度算出手段(46)と、
前記第1の異径円輝度算出手段によって得られた前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記圧縮画像上のクラッドの中心位置を決定する第1のクラッド中心決定手段(47)と、
前記前処理手段で正規化処理された画像上で特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記第1のクラッド中心決定手段によって決定されたクラッドの中心位置およびその近傍範囲で特定画素をずらしながら求める第2の異径円輝度算出手段(48)と、
前記第2の異径円輝度算出手段によって得られた前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記正規化処理された画像上のクラッドの中心位置を決定する第2のクラッド中心決定手段(49)とを有していることを特徴する。
【0020】
また、本発明の請求項5の光コネクタのフェルール端面検査用のプログラムは、
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶された画像データに対する輝度についての処理を含む前処理を行なう手段、
前記前処理された画像データに対し、画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
該得られた各円の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を決定する手段、
前記決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させることを特徴としている。
【0021】
また、本発明の請求項6の光コネクタのフェルール端面検査用のプログラムは、
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶させた画像データに対する輝度についての正規化処理、正規化された画像データに対するエッジ検出処理、エッジ検出された画像データに対する2値化処理を含む前処理を行なう手段、
前記2値化された画像データに対して、画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記クラッドの中心位置を決定する手段、
前記決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させることを特徴としている。
【0022】
また、本発明の請求項7の光コネクタのフェルール端面検査用のプログラムは、
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶させた画像データに対する輝度についての正規化処理、正規化された画像データに対するエッジ検出処理、エッジ検出された画像データに対する2値化処理および2値化された画像データに対する画像圧縮処理を含む前処理を行なう手段、
前記圧縮処理された画像データに対して、該圧縮画像上の特定画素を中心とし、該圧縮画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記圧縮画像上のクラッドの中心位置と決定する手段、
前記正規化処理された画像上で特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記圧縮画像上で決定されたクラッドの中心位置およびその近傍範囲で特定画素をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記正規化処理された画像上で得られた前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記正規化処理された画像上で得られた前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記正規化処理された画像上のクラッドの中心位置を決定する手段、
前記正規化処理された画像上で決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0023】
このように、本発明では、端面画像取得部が取得した画像データに対して輝度についての処理を含む前処理を行ない、その画像上の特定画素を中心とし、画像上で光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、その内側の内円および外側の外円を想定し、各円が通る画素の輝度の総和を、特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求め、得られた各円の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を決定している。
【0024】
これは、透光性が高いクラッドの画像上の輝度に対して、その外側の遮光性が高いフェルールの画像上の輝度に差があり、基準円とクラッドの中心が一致したとき、クラッド内側の円と外側の円の輝度総和の差が最大となることを利用したものである。ただし、クラッド径より小さい円とクラッド径より大きい円だけでは、その径の差分だけ誤差が生じ、クラッドの中心位置を特定できないので、クラッド径に等しい基準円を用い、その基準円についての輝度の総和を含めることで、クラッドの中心位置を精度よく求めることができる。
【0025】
また、本発明の請求項2では、その具体的な例として、基準円および内円について得られた輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、外円について得られた輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差が最大となるときの特定画素の位置から画像上のクラッドの中心位置を求めている。
【0026】
また、本発明の請求項3では、前処理において、正規化処理した画像で、クラッドのエッジを検出し、2値化処理を行なっており、その2値化した画像データに対して、基準円、基準円の外側近傍を通る基準近傍外円および基準円の内側近傍を通る基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、基準円の内側で且つ基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値の差が最大となるまたは所定範囲となる特定画素の位置からクラッドの中心位置を決定している。
【0027】
この処理では、エッジ部を検出して2値化しているから、クラッドのエッジ部近傍の画素が例えば白、その他が例えば黒となる画像となり、基準円とクラッドの中心が一致したとき、基準円およびその近傍の円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、その内側の中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差が最大となり、クラッドの中心位置を検出できる。この場合、2値化した画像データに対する演算で済むから、輝度の総和を求める演算をより高速に行なうことができる。
【0028】
また、本発明の請求項4では、前処理において、前記同様にエッジを2値化した画像データを求め、これを圧縮してから、各円についての輝度の総和を求めて仮のクラッドの中心位置を検出し、正規化処理された画像に対し、仮のクラッドの中心位置とその近傍について各円の輝度の総和を求めて最終的なクラッドの中心位置を検出している。
【0029】
この処理では、画像圧縮した分だけ高速に仮のクラッドの中心位置が得られる。例えばVGAの640×480画素を、QVGAの320×240画素に圧縮すれば、画素数は1/4に減少するので極めて高速に仮のクラッドの中心位置が得られ、しかも、正規化処理された画像についての各円の輝度計算は、仮のクラッドの中心位置およびその近傍だけについて行なえばよく、処理全体としても極めて高速に正確なクラッドの中心位置を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す図
図2】本発明の要部の構成例を示す図
図3】本発明の第1の実施形態の前処理の手順を示すフローチャート
図4】正規化処理を説明するための図
図5】正規化処理前の画像と処理後の画像を示す図
図6】第1の実施形態の要部の動作を説明するための図
図7】第2の実施形態の構成を示す図
図8】第2の実施形態の前処理の手順を示すフローチャート
図9】エッジ検出処理を説明する画像図
図10】2値化処理前の画像と処理後の画像を示す図
図11】第2の実施形態の要部の動作を説明するための図
図12】第2の実施形態の要部の動作を説明するための図
図13】端面検査装置の構成図
図14】取得画像の一例を示す図
図15】クラッドの中心位置を検出するための処理を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、図面に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明を適用した光コネクタのフェルール端面検査装置(以下、単に検査装置と記す)20の構成を示している。
【0032】
この検査装置20は、端面画像取得部30、端面画像解析部40、操作部60、表示部70によって構成されている。
【0033】
端面画像取得部30は、検査対象の光コネクタのフェルール5を受け入れ、その端面5aの画像データを取得するためのものであり、図2に示すように、検査対象の光コネクタに対応した形状を有し、そのフェルール5をがたつきの無い状態で所定の深さまで受け入れて保持するとともに、フェルールの5の端面に対する外光の入射を防ぐように遮光するフェルール保持部31、フェルール5の端面5aに照明光を照射する照明部32、レンズなどからなり、端面5aの像を所定の焦点距離の位置に拡大して結像させる光学系33、その焦点距離の位置に配置され端面の画像データを出力するCCDなどの画像センサ34、画像センサ34で検出した画像データを一時記憶する画像メモリ35、画像メモリ35に一時記憶された画像データを端面画像解析部40に出力するためのインタフェース36を含んでいる。
【0034】
この端面画像取得部30は、フェルール5の端面5aの画像を、例えば200倍に拡大して例えば640×480画素(VGA)のグレースケールの画像データとして出力する。
【0035】
一方、端面画像解析部40は、図1に示しているように、端面画像取得部30で取得された画像データを記憶する画像メモリ41、記憶した画像データに対して所定の処理を行い、端面上に現れているクラッドの中心位置(コア中心)を検出するクラッド中心検出手段42、検出されたクラッドの中心位置を基準にして所定半径内に汚れやゴミ等の要素がどの程度含まれるかを調べ、端面の良否判定を行なう判定手段50を含んでいる。
【0036】
このクラッド中心検出手段42は、前処理手段43、異径円輝度算出手段44およびクラッド中心決定手段45を有している。
【0037】
前処理手段43は、画像メモリ41に記憶された画像データに対する輝度についての処理を含む前処理を行なう。図3は、その前処理の手順の具体例を示すフローチャートであり、始めに取得した画像データに対し、ノイズ除去処理を行なう(S1)。
【0038】
ノイズ除去処理の一つとしてぼかし処理がある。ぼかし処理は、画像データ中の一つの注目画素の輝度Brと、その周りのn画素の輝度B1〜Bnの平均値(Br+B1〜Bn)/(n+1)を求め、これを注目画素の輝度Brと置換することによって行なうものである。
【0039】
このようにしてノイズ除去処理を行なった後に、輝度についての正規化処理(S2)を行なう。この正規化処理は、画像データの各画素が取りうる輝度の範囲、例えば8ビットであれば0〜255に対し、図4の(a)に示すように、ノイズ除去処理された画像の輝度のヒストグラムを、図4の(b)のように、輝度の最小値が0、輝度の最大値が255となるように伸長処理する。これによって、例えば、図5の(a)の画像から図5の(b)のように明暗のコントラストが強調された画像データを得ることができる。なお、正規化処理とは、前記伸長処理に限らず、予め設定された基準に沿うように加工する全ての処理を含むものとする。
【0040】
次にこの正規化された画像にクラッドの画像が含まれているか否かを判定するためにダークエリアが存在するか否かを調べる(S3)。この処理は、図4の(b)のように正規化処理された画像データのヒストグラムを求め、所定の輝度しきい値R(例えばR=90)以下の領域(暗い領域)に所定数(例えば20000)以上の画素があるか否かを調べ、所定数以上あればクラッドによる暗い領域が存在するものとし、前処理を正常に終了し、所定数以上なければ、クラッドによる暗い領域が存在しない画像として画像取得エラーを報知する。
【0041】
このようにして、明暗のコントラストが強調され、且つクラッドの画像が含まれると判定された画像に対し、異径円輝度算出手段44による処理を行なう。
【0042】
異径円輝度算出手段44は、前処理された画像上の一つの画素を注目画素(特定画素)とし、注目画素を中心とし、光ファイバの規格上のクラッド径(前記同様に換算値)に等しい基準円と、それと同心で径が小さい内円と、基準円と同心で径が大きい外円とを想定し、基準円が通る各画素の輝度の総和、内円が通る各画素の輝度の総和および外円が通る各画素の輝度の総和を、注目画素の位置をずらしながらそれぞれ求める。
【0043】
図6にその処理例を示す。
基準円をCr、基準円Crより直径が例えば5画素分大きい外円をCout1、基準円Crより直径が例えば1画素分小さい内円をCin1とする。
【0044】
ここで、外円Cout1が通る画素の輝度の総和をKout1、基準円Crが通る画素の輝度の総和をKr、内円Cin1が通る画素の輝度の総和をKin1とする。
【0045】
そして、クラッド中心決定手段45は、異径円輝度算出手段44で得られた各円の輝度の総和を用いて、次の演算によって注目画素毎の判定値Hを求める。

=(外円の輝度の総和の合計を外円の総数で除して求めた1つの円当りの輝度の平均値)−(基準円と内円の輝度の総和の合計を基準円と内円の総数で除して求めた1つの円当りの平均値)
=Kout1−{(Kr+Kin1)/2}
【0046】
なお、ここでは外円および内円がそれぞれ一つずつの例を示すが、径が異なる外円および内円をそれぞれ二つ以上設定してもよい。例えば外円がN個、内円がM個の場合、判定値Hを一般式で表すと、
H={(Kout1+Kout2+…+KoutN)/N}
−{(Kr+Kin1+Kin2+…+KinM)/(M+1)}
となる。
【0047】
上記処理は、クラッドの端面の画像の明るさとクラッドの外側(フェルール自体)の端面の画像の明るさが相違している点に注目したものである。即ち、光ファイバのクラッドおよびコアは、光に対する透過性が高いファイバ材で形成されているから端面へ照射した照明光の多くが内部に進入し、残りが反射する。これに対し、フェルールは、遮光性が高い(透光性が低い)物質で形成されているので、照明光の多くが反射することになる。したがって、画像センサ34で得られる画像は、クラッド部分が暗く、その外側のフェルール部分が明るく表示されることになる。
【0048】
よって、基準円とクラッドの中心が一致したとき、基準円および内円が通る画素の輝度の総和から求めた1つの円当りの輝度の平均と、外円が通る画素の輝度の総和から求めた1つの円当りの輝度の平均との差である判定値Hが最大となると予測される。
【0049】
つまり、上記処理を、注目画素を一つずつ変更して行い、判定値Hが最大となるときの注目画素の位置をクラッドの中心位置と決定することができる。
【0050】
ただし、クラッドの位置とかけ離れた位置で大きな輝度差が発生して、判定値Hが最大となったり、端面の汚れや画像のピントずれ等の影響で、異なる複数の注目画素で判定値Hが同一の最大値を取る場合等が考えられる。
【0051】
これに対処する方法として、前記した異径円輝度算出手段44は、基準円の内側の内円Cin1についての輝度を算出する際に、内円Cin1についての輝度値の総和が所定のしきい値Aを越えた(つまり、本来暗いはずの基準円内側が明るすぎる)段階で、この注目画素についての輝度算出処理をスキップして、次の注目画素の演算に移行する。
【0052】
また、内円が複数ある場合には、内円Cin1についての輝度値の総和がしきい値Aを越えない場合であっても、その内側の内円Cin2が通る画素のうち、輝度値がしきい値Aを越えている画素の数を計数し、その数が規定数(例えば120)を超えた段階でその注目画素についての輝度算出処理をスキップして、次の注目画素の演算に移行する。
【0053】
なお、この場合のしきい値Aは、図4に示したように、輝度値が正規化された画像のヒストグラムについて、輝度値255の画素数から順に加算していき、その総和が所定数(例えば12万画素)を超えたときの輝度値を用いる。
【0054】
この処理によって、クラッドの位置とかけ離れた位置で発生した大きな輝度差についての演算処理を行なわずに済み、誤ったクラッドの中心位置検出をすることが無くなる。また、無駄な演算をスキップさせるから、処理時間を短縮することができる。
【0055】
また、端面の汚れや画像のピントずれ等の影響で、近傍の複数の注目画素について、同一の最大判定値Hが得られる場合もある。この場合は、クラッド中心決定手段45が、同一の判定値Hを与える注目画素の分布を調べ、その重心位置に最も近い注目画素をクラッドの中心位置と決定することで、クラッドの中心位置を正確に求めることができる。
【0056】
なお、この処理では、注目画素の取りうる範囲を、最大径の外円Cout1が画像のエッジからはみ出さない範囲に限定する。
【0057】
このようにして画像上のクラッドの中心位置が検出された後、判定手段50により、元の画像データに対し、クラッドの中心位置を基準として所定半径内に汚れやゴミ等の要素がどの程度含まれるかを調べ、クラッドおよびフェルールの端面の良否判定がなされ、その判定結果等が表示部70に表示されることになる。
【0058】
この判定処理を簡単に説明すると、ゴミの検出については、グレースケールの端面画像に対し、あるしきい値以下の輝度の画素を汚れ画素として検出し、その汚れ画素の周囲8方向に対してチェックを行い、隣接した他の汚れ画素を同一グループ(1つのゴミ)とする。
【0059】
そして、
1画素あたりの面積×グループの画素数=ゴミの面積(μm
とし、全ゴミグループの面積を求める。ここで、
1画素あたりの面積=[クラッド径(μm)÷基準円の直径画素数]
より算出する。ただし、クラッド径は例えば125μm。
【0060】
次に、端面画像上で検出したクラッド中心を中心に所定径(コア径、クラッド径など)の複数の同心円を設定し、それら各円内に含まれるゴミの数と面積から、予め設定された判定基準(国際電気標準会議IEC61300等)に従い、合否の判定を行なう。
【0061】
なお、上記検査に必要な各種パラメータは、操作部60の操作で予め設定できるようなっており、その検査を進行させる動作モードについても、上記した一連の処理を自動的且つ連続的に行なうモードだけでなく、ステップ毎に処理結果を表示させて、検査者が操作部60の操作で次のステップに移行するモードも可能である。
【0062】
また、詳述しないが、この端面画像解析部40は、取得した生の端面画像、前処理からクラッド中心検出までの処理画像および判定結果等、検査に必要な情報を表示部70に順次表示したり、一覧表示する機能を有しているものとする。その表示形態は任意であり、ここでは説明を省略する。
【0063】
上記構成の検査装置20では、取得した画像データに対する基準パターンの相関演算処理を行なわず、注目画素を中心とする基準円およびその内側と外側の円を想定し、それらの円を通る画素の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を検出するようにしているから、従来の相関演算処理を用いる方法に比べて、格段に少ない演算量で高速にクラッドの中心位置を検出することができ、光ファイバの敷設現場で多くの光コネクタの検査を効率的に行なうことができる。
【0064】
(第2の実施形態)
前記した第1の実施形態では、クラッドの内側と外側の平均的な明るさを基準円とその外側と内側の円が通る画素の輝度に基づいて調べてクラッド中心を検出していたが、クラッドの外側近傍に多くの汚れがあってその平均的な輝度値が低い場合には、クラッドの中心位置の検出精度が低下する可能性がある。また、基準パターンとの相関演算を行なう方式に比べれば高速であるが、さらなる高速化に対応できない。
【0065】
これを改善する方法として、クラッド外周のエッジを検出し、そのエッジの画像を2値化してから、エッジ周辺の異径円等の輝度に基づいて、クラッドの中心位置を検出することもできる。
【0066】
図7にその構成例を示す。この検査装置20′のクラッド中心検出手段42′の前処理手段43′は、図8に示しているように、始めにノイズ除去処理S11を行ない、その後に輝度に対する正規化処理S12を行なっている。ノイズ除去処理S11は、例えばメディアンフィルタやガウシアンフィルタを用いる。
【0067】
このようなノイズ除去処理を行なった画像データに対し、前記同様に、正規化処理S12を行なう。この正規化処理は、ノイズ除去処理S11で、輝度の変化が圧縮されるようなフィルタ処理がなされた場合に生じる輝度分布の偏りを解消する目的もあり、前記同様に、ノイズ除去処理された画像データの輝度の最小値が0、最大値が255となるように伸長させる。
【0068】
前記第1の実施形態では、この正規化処理された画像に対し、ダークエリア判定処理を行なっていたが、この実施形態では、後述するように2値化したエッジ画像で円の判定を行なうので、ここでダークエリア判定処理は行なわず、エッジ検出処理S13に移行する。ただし、ダークエリア判定を前もって行い、画像取得エラーを報知するようにしてもよい。
【0069】
エッジ検出処理S13ではクラッドのエッジを検出し、そのエッジ部として検出した画素の明るさと、それより暗い画素の間にしきい値を設定して、2値化処理S14を行ない、エッジ部の画素が最大輝度(白)となるようにする。
【0070】
このエッジ検出には、例えばソーベルフィルタ処理が用いられる。この処理は、注目画素を中心とするq×q(qは奇数で例えば3)個の画素の輝度データに対し、次のような、q×qの水平方向および垂直方向の係数の畳み込み演算を行なう。
【0071】
【表1】
【表2】
【0072】
そして、水平方向の係数についての畳み込み演算の結果SumXと、垂直方向の係数についての畳み込み演算の 結果SumYの2乗和平方根、
√(SumX+SumY
を注目画素の輝度に置き換える処理を行なうことで、クラッドのエッジ部の画素の輝度だけが高く、それ以外の画素の輝度が低いエッジ画像が得られる。
【0073】
図9に、このエッジ検出処理で得られる画像の例を示す。図9の(a)を元画像とし、上記水平方向の畳み込み演算によって図9の(b)のように水平方向のエッジが検出され、垂直方向の畳み込み演算によって図9の(c)のような垂直方向のエッジが検出され、上記2乗和平方根の演算で、最終的に図9の(d)のように全周のエッジが検出されることになる。
【0074】
このエッジ検出された画像に対し、そのエッジ部として検出した画素の明るさと、それより暗い画素の間の所定のしきい値を設定して、2値化処理S14を行ない、エッジ部の画素が最大輝度(白)となるようにする。
【0075】
この2値化は、エッジ検出した画像のヒストグラムに対し、輝度値の上位から所定割合となるしきい値を用いて行なう。例えば図10の(a)の元画像に対し、輝度値上位25パーセンをしきい値とした場合には、図10の(b)の画像となり、輝度値上位10パーセンをしきい値とした場合には、図10の(c)の画像となる。両者を比較すると、割合上位10パーセントの画像の方が、エッジ部が明瞭に表示されていることがわかる。
【0076】
そして、2値化した画像に対して、エッジ部を含む白い画素部を膨張させるエッジ強調処理S15を行なう。このエッジ強調処理S15は、次の画像圧縮処理S16によってエッジ部の連続性が欠如することを防ぐための処理である。
【0077】
エッジ強調処理は、注目画素を中心とするv×v個(vは奇数で例えばv=3)の画素の中に、一つ以上輝度値255(白)の画素あれば、その注目画素の輝度値255(白)とし、一つもなければ、注目画素の輝度値を0(黒)とする処理である。
【0078】
このエッジ強調処理は、前記したように、次の画像圧縮処理S16によってエッジ部の連続性が欠如することを防ぐ目的の他に、
端面の画像のピントが合っているほど、エッジが細くなる点、
端面画像取得部30を構成する各部材の個体差などにより、画像データ上のクラッド端面の大きさが変わる場合がある点、
クラッド周辺に付着している汚れに沿って、エッジが形成される場合がある点
を解消する目的で用いられる。
【0079】
前処理の最後に、エッジ強調処理された画像に対する画像圧縮処理S16を行なう。
例えば、元の画像の画素数M×NがVGAの640×480画素であるとすれば、これを1/4のサイズのQVGAの320×240に圧縮する。この圧縮処理では、VGAの2×2の4つの画素分をQVGAの1画素分とし、この画素に0(黒)または256(白)を割り当てる処理となる。
【0080】
その割当ては、例えばVGAの2×2の4つの画素のうち3つ以上の輝度が0であれば、それに対応するQVGAの1画素の輝度を0(黒)とし、それ以外は、QVGAの1画素の輝度を256(白)とする。この処理をVGAの2×2の画素が、重複しないようにずらして、QVGAの各画素の輝度を割り当てていく。
【0081】
この処理では、VGAの2×2の画素のうち、白が3つ以上存在しないとQVGAの1画素が白とならないから、エッジ部が細くなって途切れてしまうことが起きやすいが、その前の段階で上記強調処理をしているため、画像圧縮してもエッジ部が途切れる恐れが少なくなる。
【0082】
このような前処理で得られた圧縮画像に対し、クラッド中心検出手段42′の第1の異径円輝度算出手段46による演算処理がなされ、その演算結果に対する第1のクラッド中心決定手段47の判定処理により、圧縮画像上での仮のクラッド中心が求められる。この第1の異径円輝度算出手段46は、エッジ部の周囲とその内側に対して輝度計算を行なうことになる。
【0083】
図11にその処理例を示す。
前記同様に、基準円をCr、基準円Crより直径が1画素分大きい基準近傍外円をCout1、基準円Crより直径が1画素分小さい基準近傍内円をCin1、基準円Crより直径が5画素分小さい中心近傍内円をCin2、基準円Crより直径が15画素分小さい中心近傍内円をCin3、基準円Crより直径が25画素分小さい中心近傍内円をCin4とする。ここで、基準円Crの大きさに比べて、3つの中心近傍内円Cin2〜Cin4をかなり小さく設定しているのは、画像処理されたエッジ部の太さがどのくらい広くなるか不明なため、十分な余裕をもたせるためである。
【0084】
なお、基準円、基準近傍外円および基準近傍内円は、注目画素がクラッド中心に一致したときのクラッドのエッジ部として白で表示された画素を通過させるための円であり、中心近傍内円はクラッド中心部に近い黒で表示された画素を通過させるための円である。また、ここでは、基準近傍円を基準円の内側と外側に設定しているが、どちらか一方だけを設定してもよく、また、中心近傍内円も3つだけでなく、4つ以上あるいは2つ以下でもよい。
【0085】
そして、第1の異径円輝度算出手段46は、基準近傍外円Cout1が通る画素の輝度の総和Kout1、基準円Crが通る画素の輝度の総和Kr、基準近傍内円Cin1が通る画素の輝度の総和Kin1、中心近傍内円Cin2が通る画素の輝度の総和Kin2、中心近傍内円Cin3が通る画素の輝度の総和Kin3および中心近傍内円Cin4が通る画素の輝度の総和Kin4を順次求める。ただし、2値化されている輝度は0(黒)と255(白)の2通りとなるが、ここでは、黒の輝度を0、白の輝度を1と置き換え、各円が通る画素の輝度の総和を、白の画素数の総和として求めている。
【0086】
また、第1の異径円輝度算出手段46は、基準円Crが通る画素の総数(半径が決まれば一義的に決まる値)のうち、輝度0(黒)の画素数が所定割合(例えば1/4)以上あるか否かを調べ、所定割合以上あれば、そのときの注目画素がクラッド中心の候補でないと判断して各円の演算をスキップして、次の注目画素についての各円の演算に移行する。
【0087】
図12は、基準円Crが通る画素の総数のうち、輝度0(黒)の画素数が全体の1/4以上となる例を示しており、このときの注目画素はクラッドの中心位置の候補でないと判断され、次の注目画素についての各円の演算に移行する。
【0088】
第1のクラッド中心決定手段47は、上記各円の輝度の総和(白画素総数)を用いて注目画素毎(上記スキップされたものを除く)毎の判定値Hを以下の演算で順次求める。
H={(Kout1+Kr+Kin1)/3}−{(Kin2+Kin3+Kin4)/3}
【0089】
そして、得られた判定値Hが最大あるいは最大値に対して上位側所定パーセントとなるときの注目画素を仮のクラッド中心と決定する。
【0090】
つまり、圧縮画像上でエッジを形成する白画素の太さが全周にわたって均一であれば、その太さの中央を通る基準円の中心がクラッドの中心位置となるが、実際に得られる白画素の太さは不均一となり偏りが生じる。したがって、判定値Hが最大となるとき注目画素の位置も、その偏りに応じて実際のクラッド中心からずれる。また、エッジ強調によって白画素が太くなると、最大となる判定値Hが、異なる複数の注目画素で得られ、一つに特定できない場合が生じる。
【0091】
これに対処するために、本実施形態では、第1のクラッド中心決定手段47において、連続する白い画素の集合を一つのグループとし、複数のグループにそれぞれ固有のラベル番号を割当てるラベリング処理を行なう。
【0092】
このラベリング処理は、圧縮画像を例えば左上隅から横方向に1画素ずつ移動し、右端に達したらその下の段に移って横方向に移動するスキャン動作を繰り返しながら白画素を見つけ、その白画素が連続する集合を一つのグループとして固有のラベル番号を割当て、そのグループに属する白画素一つずつに付与する。
【0093】
つまり、図11に示したように白画素が環状に連続している場合、その全ての白画素に同一のラベル番号(例えば1)が付与されることになる。
【0094】
そして、判定値Hが最大となる注目画素についての特定のラベル番号が付与された画素の集合に対し、次の処理を行なう。
・判定値Hの最大/最小を求める。
・同一ラベル番号が付与されている領域のx、y座標の最大値・最小値を求める(エリア特定)。
・同一ラベル番号が付与されている白画素の集合のうち、判定値Hの最大値から最小値までの範囲で上位側10パーセントの範囲に入る複数の注目画素の中心(重心)を、クラッドの中心とする。
【0095】
このようにすることで、たとえ、エッジを形成する白画素の太さに偏りが生じたり、エッジを形成する白画素の部分が太く、最大となる判定値Hを与える注目画素が複数存在する場合であっても、クラッドの中心位置を正確に求めることができる。
【0096】
上記処理は、クラッドのエッジ部を表す画像が2値化され、そのエッジ周辺の画素の明るさの平均が、そのエッジ部より十分内側の画素の明るさの平均に対して大きくなることに基づくものである。
【0097】
この仮のクラッド中心を求めるとき、注目画素の数は、元の画像を圧縮している分だけ少なく(上記例では1/4)、しかも、上記した条件式や計算等も減るため、画像の圧縮比以上の高速化が見込める。
【0098】
ただし、画像圧縮している分だけ検出されるクラッドの中心位置の精度が低下するので、この検出したクラッドの中心位置を仮のクラッドの中心位置とし、第2の異径円輝度算出手段48が、前処理で正規化処理した画像(エッジ検出および2値化されていない画像)に対して、仮のクラッドの中心位置およびその近傍を注目画素として、異径円輝度算出処理を行い、クラッドの中心位置をさらに正確に求める。
【0099】
この第2の異径円輝度算出手段48による演算処理は、第1の実施形態の場合と同様であり、正規化処理された画像上での基準円をCr′、基準円Cr′より直径が例えば5画素分大きい外円をCout1′、基準円Cr′より直径が例えば1画素分小さい内円をCin1′とする。ここでは、外円と内円を1ずつ想定した例を説明するが、前記したように、両者を複数想定してもよい。
【0100】
そして、前記同様に、外円Cout1′が通る画素の輝度の総和Kout1′、基準円Cr′が通る画素の輝度の総和Kr′、内円Cin1′が通る画素の輝度の総和Kin1′を求める。この計算は2値化されてないグレースケール画像の輝度を用いているが、計算する注目画素の領域が非常に狭いため、極めて短時間に実行できる。
【0101】
第2のクラッド中心決定手段49は、得られた各円の輝度の総和に対して、以下の演算で判定値Hを求め、その最大値を与える注目画素を最終的なクラッドの中心位置とする。
H=Kout1′−(Kr′+Kin1′)/2
【0102】
この処理は、圧縮画像で仮のクラッドの中心位置として検出された一つの画素に対応する元のVGA画像の2×2の画素、およびその周囲の画素について行なうだけなので、処理時間が極めて少なくて済み、クラッドの中心位置を短時間に精度よく検出することができる。ただし、この場合も、判定値Hが最大値となる複数の注目画素が得られる場合があるが、この場合は、例えばその同一の判定値Hが得られる複数の注目画素の分布の重心位置に最も近い注目画素を最終的なクラッドの中心位置とするか、前記したように、判定値Hの最大値から10パーセントの範囲に入る注目画素の分布の重心位置を最終的なクラッドの中心位置とすればよい。
【0103】
このように第2の実施形態では、取得した端面画像に対し、正規化処理、エッジ検出処理、2値化処理、エッジ強調処理および画像圧縮処理を含む前処理を行い、その圧縮画像に対して、第1の異径円輝度算出手段46と第1のクラッド中心決定手段47により、圧縮画像上の仮のクラッドの中心位置を求め、正規化処理された画像に対して、第2の異径円輝度算出手段48と第2のクラッド中心決定手段49により、仮のクラッドの中心位置近傍から正確なクラッドの中心位置を検出している。
【0104】
このため、より高速かつ正確にクラッドの中心位置を求めることができ、その端面状態の検査を高速、且つ正確に行なうことができる。
【0105】
なお、上記実施形態では、圧縮処理されたエッジ画像に対して仮のクラッド中心を検出する際に想定する基準円の近傍の円の半径を、基準円から画素1つ分増減させたものにしていたが、検査する端面の状態によっては、画素2つ分あるいは3つ分増減させたものを基準近傍円として用いることもできる。
【0106】
上記第2の実施形態では、前処理として2値化した画像に対し圧縮処理を行い、その圧縮処理された画像に対して仮のクラッド中心位置の検出処理を行い、圧縮前の画像に対し仮のクラッドの中心位置およびその近傍範囲を注目画素として再度クラッドの中心位置を検出しているが、図9において点線で示しているように、前処理を2値化処理の段階で終了し、圧縮されていない2値化エッジ画像に対して、前記第1の異径円輝度算出手段46による基準円、基準近傍外円、基準近傍内円、中心近傍内円の各円の輝度の総和を求める演算および第1のクラッド中心決定手段47による判定演算処理を行なって、最終的なクラッドの中心位置を検出してもよい。この場合、図8に点線で示しているように、第2の異径円輝度算出手段48、第2のクラッド中心決定手段49を省略し、第1のクラッド中心決定手段47で得られたクラッドの中心位置を判定手段50に与えればよい。
【0107】
上記各実施形態の検査装置20、20′は、全体として、端面画像取得部30、端面画像解析部40、操作部60、表示部70で構成されているが、実際のハードウエア構成として、端面画像取得部30を検査対象の光ファイバのコネクタに接続できる形状のプローブ型に構成し、その出力インタフェースをパーソナルコンピュータに接続可能なUSB等のインタフェースとし、コンピュータ構成の端面画像解析部40で端面画像取得部30が取得した画像データに対する上記処理を予め格納されたプログラムにしたがって行なう構成とすることができる。
【0108】
この場合、前記第1の実施形態の処理を行なう場合には、
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶された画像データに対する輝度についての処理を含む前処理を行なう手段、
前記前処理された画像データに対し、画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
該得られた各円の輝度の総和に基づいて、画像上のクラッドの中心位置を決定する手段、
前記決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させるプログラムを用いることで実現できる。
【0109】
また、前記第2の実施形態の処理を行なう場合には、
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶させた画像データに対する輝度についての正規化処理、正規化された画像データに対するエッジ検出処理、エッジ検出された画像データに対する2値化処理および2値化された画像データに対する画像圧縮処理を含む前処理を行なう手段、
前記圧縮処理された画像データに対して、該圧縮画像上の特定画素を中心とし、該圧縮画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記圧縮画像上のクラッドの中心位置と決定する手段、
前記正規化処理された画像上で特定画素の位置を中心とする前記基準円、該基準円と同心で該基準円より小径の内円、前記基準円と同心で該基準円より大径の外円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記圧縮画像上で決定されたクラッドの中心位置およびその近傍範囲で特定画素をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記正規化処理された画像上で得られた前記基準円および前記内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記正規化処理された画像上で得られた前記外円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記正規化処理された画像上のクラッドの中心位置を決定する手段、
前記正規化処理された画像上で決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させるプログラムを用いることで実現できる。
【0110】
また、前記したように前処理を2値化処理までとし、その2値化エッジ画像に対して、第1の異径円輝度算出手段46による各円の輝度の総和を求める処理および第1のクラッド中心決定手段47による演算処理を行なって最終的なクラッドの中心位置を検出する実施形態を実現する場合には、
コンピュータを、
検査対象の光ファイバのフェルール端面の画像データを記憶する手段、
該記憶させた画像データに対する輝度についての正規化処理、正規化された画像データに対するエッジ検出処理、エッジ検出された画像データに対する2値化処理を含む前処理を行なう手段、
前記2値化された画像データに対して、画像上の特定画素を中心とし、画像上で前記光ファイバの規格上のクラッド径に等しい基準円、該基準円と同心でその外側近傍を通る基準近傍外円、前記基準円と同心でその内側近傍を通る基準近傍内円、前記基準円と同心で前記基準近傍内円より半径が小さい中心近傍内円を想定し、該各円が通る画素の輝度の総和を、前記特定画素の位置をずらしながらそれぞれ求める手段、
前記基準円、前記基準近傍外円および前記基準近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値と、前記中心近傍内円についての輝度の総和から求まる1つの円当りの輝度の平均値との差を、前記特定画素の位置毎に算出し、該差が最大あるいは所定範囲となる前記特定画素の位置から前記クラッドの中心位置を決定する手段、
前記決定したクラッドの中心位置を検査の基準位置として前記フェルール端面の良否判定を行なう手段
として機能させるプログラムを用いることで実現できる。
【符号の説明】
【0111】
1……光ファイバ芯線、5……フェルール、20、20′……フェルール端面検査装置、30……端面画像取得部、31……フェルール保持部、32……照明部、33……光学系、34……画像センサ、35……画像メモリ、36……インタフェース、40……端面画像解析部、41……画像メモリ、42、42′……クラッド中心検出手段、43、43′……前処理手段、44……異径円輝度算出手段、45……クラッド中心決定手段、46……第1の異径円輝度算出手段、47……第1のクラッド中心決定手段、48……第2の異径円輝度算出手段、49……第2のクラッド中心決定手段、60……操作部、70……表示部
図1
図2
図3
図4
図5
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