特許第6185570号(P6185570)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185570
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】排ガスシステムの作動のための方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/20 20060101AFI20170814BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   F01N3/20 K
   F01N3/24 R
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2015-514417(P2015-514417)
(86)(22)【出願日】2013年5月17日
(65)【公表番号】特表2015-518109(P2015-518109A)
(43)【公表日】2015年6月25日
(86)【国際出願番号】EP2013060305
(87)【国際公開番号】WO2013178495
(87)【国際公開日】20131205
【審査請求日】2016年5月10日
(31)【優先権主張番号】102012104669.7
(32)【優先日】2012年5月30日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】500038927
【氏名又は名称】エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(74)【代理人】
【識別番号】100129399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】クルス カルステン
(72)【発明者】
【氏名】ナゲル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ドレンカンプ リヒャルト
(72)【発明者】
【氏名】カーマン ゲルハルト
(72)【発明者】
【氏名】デュスターディーク トルステン
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−187226(JP,A)
【文献】 特開2012−061449(JP,A)
【文献】 特開平07−063046(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/00− 3/38
F01N 9/00−11/00
F02D 43/00−45/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関(5)の排ガスシステム(1)の作動のための方法であって、前記排ガスシステム(1)は、少なくとも、1つの加熱装置(4)と、炭化水素の変換のための1つの触媒コンバータ(3)と、を備え、前記加熱装置(4)は、前記触媒コンバータ(3)のエージング状態に応じて適合されて作動され
前記加熱装置(4)は、少なくとも、前記触媒コンバータ(3)の所定の閾値温度(8)に応じて作動され、所定の閾値温度(8)は、前記触媒コンバータ(3)の現在経年数に応じて異なり、
前記方法は、少なくとも以下のステップ:
‐前記触媒コンバータ(3)の変換温度(2)を決定するステップと、
‐変換温度(2)を所定の閾値温度(8)と比較するステップと、
‐変換温度(2)が所定の閾値温度(8)を下回った場合に、前記加熱装置(4)を作動させるステップと、
を含み、
前記方法は、自動車(6)の第1作動段階において行われず、所定の閾値温度(8)が、ある一定の値(11)に到達したときにだけであり、触媒コンバータの変換温度の不必要な決定が回避されるようになっており、このようにして、自動車の制御装置は、かかる不必要な問い合わせによる負担を負わない、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記加熱装置(4)の加熱出力の適合は、異なった数の加熱セグメント(10)の作動により、または前記加熱装置(4)の相違した駆動期間により、行われる、方法。
【請求項3】
自動車(6)であって、内燃機関(5)と、排ガスシステム(1)と、制御装置(7)と、を有し、前記排ガスシステムは、少なくとも、1つの加熱装置(4)と、前記加熱装置(4)の下流に配置された、炭化水素の変換のための1つの触媒コンバータ(3)と、を備え、前記制御装置(7)は、請求項1または2による方法を実行するように設計されている、自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の排ガスシステムの作動のための方法に関し、特にコールドスタートの後の、内燃機関の有害物質排出を減少させることを意図している。
【背景技術】
【0002】
内燃機関の排ガス規制は、近年、より一層厳しくなってきている。これは、特に、内燃機関のコールドスタート挙動、つまり、自動車の内燃機関の再始動のすぐ後の期間、について言える。まさにこの燃焼プロセスにおいて、増加する炭化水素は、未燃焼で、排ガスラインを通って周囲に排出される。排ガスラインに触媒コンバータが使用される場合、この未燃炭化水素の変換は、触媒コンバータにおいて所定の温度以上で行われる。このいわゆるライトオフ温度(始動温度)は、けれども、触媒コンバータが、排ガスによりまたは他の加熱装置により、相応に加熱されて、初めて達成される。
【0003】
その上、始動温度に至るまでの加熱プロセスを促進し、従って迅速に効果的な触媒変換を始めるために、電気加熱可能な構造が触媒コンバータおよび/または排ガスと接触して置かれることにより、触媒コンバータのコールドスタート挙動が改良された、システムおよび配置が周知である。この加熱プロセスには、特にエネルギー消費、排ガス有害物質および/または周囲条件の反応性、との関連で、適合した作動の仕方が望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、それ故、先行技術に関して示された技術的問題を、少なくとも部分的に解決することを課題とする。特に、排ガスシステムの作動のための方法を示すことを意図し、この方法は、可能な限り少ない量の未燃炭化水素が、排ガスラインを通って周囲に流れることを、確実にする。その上、かかるシステムは、自動車における寿命または作動時間全体で、有害物質値に関して、特に好適に調節でき、効果的に作動されることが、可能であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1の特徴による方法によって解決される。本発明による方法の、および自動車でのその実行の、有利な実施形態は、従属請求項に示される。請求項に個々に挙げられた特徴は、任意の技術的に有意な方法で、互いに組み合わせ可能であり、本発明のさらなる実施形態を示すことに、注意すべきである。明細書は、特に図と関連して、本発明をさらに詳しく説明し、本発明の補足の実施例を挙げる。
【0006】
本発明による方法は、内燃機関の排ガスシステムの作動に適し、内燃機関では、排ガスシステムは、少なくとも、1つの加熱装置と、炭化水素の変換のための1つの触媒コンバータと、を有する。加熱装置は、触媒コンバータのエージング状態に従属し、適応して作動される。特に、この方法は、ディーゼル原動機の排ガスシステムの作動に適する。ディーゼルエンジンの排ガスシステムでは、ディーゼル酸化触媒(DOC)が用いられ、ディーゼル酸化触媒は、排ガスに含まれる粒子、炭化水素および一酸化炭素、を酸化により変換する。ライトオフ温度は、この場合、触媒コンバータの新しい状態で、約130〜180℃にある。これは、けれども、触媒コンバータのエージングで、より高い温度の方へずれる。
【0007】
炭化水素の変換のための触媒コンバータは、いわゆる酸化触媒コンバータまたはディーゼル酸化触媒コンバータ(DOC)、つまり、酸化作用のあるコーティングを有する担体(例えば、セラミックおよび/または金属ハニカム体の形で)、が特に該当する。酸化作用のあるコーティングは、担体物質(例えば、いわゆるウォッシュコート)を含み、担体物質に、貴金属および/または希土類がドープされる。これに関して、特に、白金、パラジウムなどが使用される。
【0008】
少なくとも1つの加熱装置は、特に、電気で制御できる加熱素子を含む。それに関し、加熱装置は、望ましくは、排ガスが流れ通ることができ(例えば、多数の通過流開口またはダクトで形成される)、排ガスの温度が通過の際に上昇するのに適している。とりわけ望ましくは、加熱装置がハニカム体を含み、特に、金属シートおよび/または箔で構成されたハニカム体である。
【0009】
加熱装置は、望ましくは、触媒コンバータの上流に配置され、排ガスが、最初に加熱装置を、それから触媒コンバータを、流れ通るようになっている。特に、加熱装置は、少なくとも部分的に、触媒コンバータに統合されおよび/または直接それに隣接して配置される。これに関して、特に望ましくは、加熱装置と触媒コンバータとが構造ユニットを形成し、構造ユニットでは、炭化水素の変換のための相応の触媒コーティングが、加熱可能な加熱装置に直接適用され、加熱装置の駆動により、触媒コーティングが、相応の所望の温度に直接的に加熱されるようになっている。
【0010】
少なくとも1つの加熱装置の作動のために、これは、通常、対応する電流源/電圧源および制御装置に接続される。このようにして、少なくとも1つの加熱装置の駆動または停止が、制御装置により所定の時点および/またはパラメータで引き起こされることが、可能である。この制御またはこの作動の行われ方が、本発明の対象である。
【0011】
従って、加熱装置は、触媒コンバータのエージング状態に応じて適合されて作動される。換言すると、供給される加熱出力は、触媒コンバータの現在のエージング状態に対し、合わせられ、調節され、および/または設定される。これは、特に、加熱装置の作動の際に、触媒コンバータの現在の変換能力が、決定されて考慮されることを、意味する。この場合、特に、排ガスシステム(だけ)の寿命にわたり、触媒コンバータのエージング状態に応じて変化する作動の仕方をもたらす作動プロセスが、含まれる。それに関し、触媒コンバータのエージング状態は、特に以下の要因により特徴付けられる:
‐熱的エージング
この場合、触媒コンバータの熱負荷は、寿命にわたり、触媒活性のある表面の縮小を、特に、焼結により、溶融および/または800℃を上回る温度で、引き起こす。
‐化学的汚染
異物(燃料、オイル添加剤など)に対する化学反応は、触媒活性のあるコーティングを同様に破壊し得る。
‐機械的汚染
触媒コンバータの寿命中に、触媒活性のあるコーティングに、例えば、鉛、硫黄、燐、マンガン等により、または燃料および/またはオイルにより、増大する覆いが当てられ得る。
【0012】
触媒コンバータのエージング状態は、特に、触媒コンバータのまたは自動車の走行距離に基づいて、決定され得る。さらに、エージング状態は、触媒コンバータの製造以後のおよび/または排ガスシステムへの使用以後の期間に基づいて、決定され得る。エージング状態の決定の際に役割を果たし得るさらなるパラメータ:触媒ローディングのタイプ、コーティングタイプ、コーティング厚さ、作動中の再生サイクルの数、最高到達温度、平均化された温度(または温度ヒストグラム)、通過した排ガス量、排ガス種類、燃料種類、場合によっては異なった燃料種類の組み合わせ(バイオエタノールの添加剤等)、オイル消費等。このパラメータの(異なる加重)組み合わせも、エージング状態の決定および/または加重のために可能である。その上、触媒コンバータの浄化性能は、例えば、触媒コンバータの中および/または下流に配置され、酸素に対する触媒コンバータの吸蔵能力を決定する、ラムダセンサを使用して、センサ手段により検出されることも可能である。この測定値から、触媒コンバータの浄化性能も決定することができる。
【0013】
この方法の有利な実施形態の1つによると、加熱装置は、少なくとも、触媒コンバータの所定の閾値温度に応じて作動され、所定の閾値温度は、触媒コンバータの現在経年数に応じて異なる。
【0014】
新品同様の触媒コンバータの場合、ライトオフ温度は、既に経年した触媒コンバータよりも低い。これは、新品同様の触媒コンバータのライトオフが非常に低い温度領域にあり、ほんのわずかな量の未燃炭化水素だけが、触媒コンバータを通過するときに、この触媒コンバータが既にいつでも使用できるという効果を有し得る。それに関し、例えばこの形勢では、排ガスシステムの加熱は、必須ではない。触媒コンバータの進行するエージングのため、けれども、触媒コンバータのライトオフ温度および/または変換効果が、より高い温度値へシフトされ、システムの多くの作動時間の間に、従ってシステムの寿命にわたり、下流に配置された触媒コンバータがライトオフ温度にひとりでに到達する前に、許容されない量の未燃炭化水素が、触媒コンバータを通過する。その場合には、この現在の状況に対応する、加熱出力の供給が行われることを、意図する。
【0015】
この理由で、触媒コンバータの所定の閾値温度に適応する、加熱装置の作動が、ここで提案される。この閾値温度は、排ガスシステムの寿命または作動期間にわたって一定ではなく、変動する。この閾値温度は、触媒コンバータの現在経年数またはエージング状態の影響を受ける。閾値温度が(ほぼ)触媒コンバータのライトオフ温度を表す(望ましい)状況では、触媒コンバータの所定の閾値温度は、従って、この期間に通常上昇する。これは、連続的におよび/または段階的に、行われ得る。必要な場合には、触媒コンバータのクリーニングまたは汚染除去の後、閾値温度は、再び下げられ得る。
【0016】
これに関して、触媒コンバータがライトオフ温度に達する、経年依存の閾値温度が、内燃機関の作動のどの時点でも知られていると、また有利である。この閾値温度は、触媒コンバータの現在経年数またはエージング状態に従って、対応して変化する。加熱装置は、従って、触媒コンバータのエージングが進行するにつれて、触媒コンバータが、できるだけ(正確に)その後に閾値温度を上回るまたはに等しい温度になるように、触媒コンバータは、対応して早くまたは長く駆動される。それに関し、特に、電気加熱装置により、下流に配置された触媒コンバータの表面全体が、閾値温度に加熱されなくてもよく、特に、小さい部分領域だけが加熱され、局部で閾値温度に達するようになっているのは十分であることが、考慮されなければならない。それから局部で生ずる、未燃炭化水素の触媒変換により、十分なエネルギーが、炭化水素の燃焼の発熱反応から放出されて、非常に速い触媒コンバータ全体の加熱が行われ、対応して、大量の(場合によっては、一時的に吸蔵された)炭化水素が、変換可能になっている。
【0017】
望ましい実施形態の1つによると、この方法は、少なくとも以下のステップを含む:
‐触媒コンバータの変換温度を決定するステップ、
‐変換温度を所定の閾値温度と比較するステップ、
‐変換温度が所定の閾値温度を下回った場合に、加熱装置を作動させるステップ。
【0018】
変換温度は、特に、一定の(まだ許容される)量の未燃炭化水素が、(アクティブ)触媒コンバータによって変換されずに、触媒コンバータを既に通過した時点の、触媒コンバータの温度のことを言う。特に、触媒コンバータの変換温度の決定は、触媒コンバータのエージング状態のため、閾値温度が既に変換温度よりも高いとされた場合に限り、行われる。触媒コンバータの変換温度の周期的なおよび/または連続的な問い合わせも、可能である。未燃炭化水素の変換を確実にするために、変換温度は、望ましくは、触媒コンバータに到達するいくらかの未燃炭化水素が、周囲に排出されてもよい許容される量の未燃炭化水素を上回るであろう時点に、触媒コンバータが示さなければならない、触媒コンバータの温度に相当する。この許容される量は、特に排出規制によって予め定められる。変換温度は、特に、触媒コンバータ自体で測定される必要はなく、および/または、排ガスシステムの他の箇所で測定された温度と一致する。むしろ、この変換温度は、排ガス温度に基づき、数学的な計算により決定され得る。それに従って、触媒コンバータの加熱のための加熱装置は、特に、変換温度が、存在する閾値温度を下回る、つまり、例えば、触媒コンバータのライトオフ温度に達しない、ときにだけ作動される。
【0019】
この方法の実施形態の1つによると、加熱装置の加熱出力の適合は、異なった数の加熱セグメントの作動により、または加熱装置の相違した駆動期間により、行われる。当然、この措置は、組み合わせて行われてもよい。個々の加熱セグメントの作動により、および/または、触媒コンバータの部分領域の(独立した)加熱により、少ない電力の使用で、触媒コンバータの迅速な局部加熱を実現できる。ライトオフ温度に局部で到達することにより、そこで最初に未燃炭化水素の変換が行われる。この発熱反応の結果として、しかし、触媒コンバータの隣り合う領域が急速に昇温するので、さらなる電気加熱を省くことができる。
【0020】
さらなる有利な実施形態の1つによると、本発明による方法は、自動車の第1作動段階において適用されず、所定の閾値温度が、一定の値に到達したときにだけである。これは、特に、一定の閾値温度の到達まで、または触媒コンバータのある一定のエージング状態の到達まで、許容されない量の未燃炭化水素が触媒コンバータを通過する前に、触媒コンバータが通常はライトオフ温度に到達するので、触媒コンバータの加熱が必要でないと、考えられ得ることを、意味する。それに従って、触媒コンバータの変換温度の不必要な決定が回避され、それで、自動車の制御装置は、かかる不必要な問い合わせによる負担を負わない。それに関し、第1作動段階は、特に、少なくとも以下のパラメータの少なくとも1つによって特色づけられる:
‐自動車の走行キロ数、特に20,000キロメートル、
‐自動車の走行時間、特に100時間。
【0021】
内燃機関と排ガスシステムと制御装置とを有する自動車が、さらに提案され、排ガスシステムは、少なくとも1つの加熱装置と、加熱装置の下流に配置された触媒コンバータと、を備える。制御装置は、この場合、本発明による方法を実行するように設計されている。
【0022】
本発明および技術周辺は、以下で図に基づいて説明される。図は特に好ましい実施形態を示すが、本発明はそれに限定されないことが、指摘される。図では、同じ参照符号は、同じ対象を表す。図では、概略的に示している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】排ガスシステムを有する自動車を示す。
図2】加熱装置を示す。
図3】触媒コンバータの閾値温度の、その経年数に応じた、起こり得る変化を示す。
図4】内燃機関の作動状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明による方法について優先的に設けられる部品を、概略的に示す。ここで、自動車6は、排ガスシステム1を有する内燃機関5を備え、排ガスシステム1には、加熱装置4と触媒コンバータ3とが設けられる。触媒コンバータ3には、センサ13が配置され、センサ13は、例えば、触媒コンバータ3のその時その時に支配的な温度の決定に適する。センサ13は、制御ライン14を介して制御装置7に接続され、制御ライン14を介して、一方では、決定されたセンサ値が転送可能であるが、他方では、加熱装置4の電気加熱も実行可能である。さらに、制御装置7は、内燃機関5に制御ライン14を介して接続され、制御装置7が、内燃機関5の動作状態に関する情報を受け取ることができるようになっている。制御装置は、追加的に、少なくとも1つの記憶素子と共に形成され、またはそのような記憶素子へのアクセスを有し、例として、特性マップ、経験値、パラメータ限界値などが、リードバック可能および/または適合可能である。
【0025】
図2は、横断面で、ハニカム体の形の加熱装置4の設計変形を示し、ここでは、追加的に、いろいろな加熱セグメント10が、環状に互いに周りに配置される。加熱装置4は、金属製の滑らかな箔17および金属製の構造を有する箔16を備え、それらは、積み重ねられておよび/または巻かれておよび/または巻き付けられて、加熱装置4を形成する。そのために、構造を有する箔16および/または滑らかな箔17は、1つ以上の電極に接続され(図示せず)、加熱装置4が、例えば抵抗加熱ヒータとして、作動されることができるようになっている。
【0026】
図3は、閾値温度8の潜在的プロファイルを、排ガスシステムにおける触媒コンバータの作動期間または寿命にわたり、触媒コンバータの経年数11に従って示す。縦軸に温度9が表示され、横軸に触媒コンバータの経年数11が表示される。図3は、触媒コンバータの経年数11が増加するにつれて、閾値温度8も、より高い温度値へシフトされることを、示す。一定の時点12で、それに応じて、一定の閾値温度8が決定されることができる、触媒コンバータのエージング状態が、一致に至る。
【0027】
図4は、内燃機関5の作動状態を示し、横軸に時間15が表示され、縦軸に温度9が表示される。温度9は、ここでは、特に、触媒コンバータで温度センサ13により検出された、その時その時の温度である。一定の時点12で、触媒コンバータの決定された温度9が、変換温度2に対応し、この変換温度2では、まだ許容される量の未燃炭化水素が触媒コンバータを既に通過したので、炭化水素の触媒変換が、触媒コンバータにより行われなければならない。この時点12に、閾値温度8があり、この閾値温度8は、対応する図4で、現在決定された温度9または変換温度2の上方にある。これは、未燃炭化水素が触媒コンバータで変換され得るように、触媒コンバータを対応する閾値温度8に加熱するために、加熱装置による加熱が必要であることを意味する。
【0028】
本発明は、その変形の全てと共に、先行技術に関して示された技術的問題を解決する。特に、排ガスシステムの作動のための方法が示され、この方法は、可能な限り少ない量の未燃炭化水素が、排ガスラインを通って周囲に流れることを、確実にする。その上、提案されたシステムは、自動車における寿命または作動時間全体で、有害物質値に関して、特に好適に調節でき、効果的に作動されることができる。これは、特に、コスト優位性をもたらし、炭化水素の実用的で完全な変換を、排ガスシステムの作動時間全体にわたり、少ないエネルギー支出で、可能にする。
【符号の説明】
【0029】
1 排ガスシステム
2 変換温度
3 触媒コンバータ
4 加熱装置
5 内燃機関
6 自動車
7 制御装置
8 閾値温度
9 温度
10 加熱セグメント
11 経年数
12 時点
13 センサ
14 制御ライン
15 時間
16 構造を有する箔
17 滑らかな箔
図1
図2
図3
図4