(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記引張構造は、前記顎要素が互いに対して相対的に移動した場合に、曲げおよび/またはねじりおよび/または引張および/または圧縮を受ける請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
前記キャリアの前記第1の顎要素および/または前記第2の顎要素は、突起部を備え、前記1つまたは複数の突起部は、前記保持スロットの前記保持部分の前記幅が前記最小幅より小さくなるのを防ぐために互いに関して前記第1および第2の顎要素用のアバットメントを形成し、および/または
前記第1および第2の顎要素はそれぞれ、内側アバットメント壁を備え、前記内側アバットメント壁は前記保持スロットの前記保持部分が前記最小幅を有するときに互いに係合し、および/または
前記第1および第2の顎要素はそれぞれ、外側アバットメント壁を備え、前記外側アバットメント壁は前記保持スロットの前記保持部分が前記最大幅を有するときに互いに係合する請求項1から11のいずれか一項に記載のシステム。
前記キャリアは、保持スロットの前記保持部分の前記最小および/または最大幅を調節するための調節器をさらに備える請求項1から12のいずれか一項に記載のシステム。
前記キャリアの前記保持スロットは、枝肉または枝肉の部位が前記顎要素の前記係合面によって前記枝肉または枝肉の部位に加えられる前記締め付け力を使って前記保持スロット内に保持されるような寸法を有し、そのときに、前記顎要素の締め付けは、前記保持スロットの前記保持部分が前記最小幅、前記最大幅、または前記最小幅から前記最大幅の間の幅を有する相対的位置で行われる請求項1から13のいずれか一項に記載のシステム。
前記キャリアの前記保持スロットは、豚足を受け入れるように適合され、前記保持スロットの前記幅は、前記豚足の中の外側中足骨または中手骨が自然な位置から前記第1または前記第2の顎要素の前記係合面により近い位置まで圧迫されるように適合される請求項1から14のいずれか一項に記載のシステム。
前記引張構造は、少なくとも部分的に、バネ鋼、ステンレス鋼、ステンレスバネ鋼、またはポリマー、樹脂、もしくは強化ポリマーもしくは樹脂などのプラスチック材料から作られる請求項1から16のいずれか一項に記載のシステム。
前記キャリアは、前記枝肉または枝肉の部位を前記キャリアの前記保持スロット内にロックするためのロック要素をさらに備え、前記ロック要素は、少なくとも部分的に前記保持スロットの上に、または中に延在する請求項1から18のいずれか一項に記載のシステム。
一方のキャリアは、前記台車に相対的な、および/または前記トラックに相対的な前記キャリアの位置および/または向きを制御するための制御要素を備える請求項20から21のいずれか一項に記載のシステム。
前記システムは、前記枝肉または枝肉の部位がキャリア内に保持されている間に前記枝肉または枝肉の部位に対して1つまたは複数の処理工程を手動で、自動で、または半自動で実行するための1つまたは複数の処理ステーションを備え、前記処理ステーションは、前記オーバーヘッドコンベヤー上の前記トラックに沿って配置構成される請求項20から23のいずれか一項に記載のシステム。
前記引張構造は、ブラケットであり、前記ブラケットは、第1の脚部、第2の脚部を備え、前記第1の脚部および前記第2の脚部は直接的にまたは接続ピースを介して互いに接続され、前記第1の脚部は前記第1の顎要素に接続されている接続端を有し、前記第2の脚部は前記第2の顎要素に接続されている接続端を有し、
前記ブラケットの前記第1の脚部と前記第1の顎要素との間の接続、および前記ブラケットの前記第2の脚部と前記第2の顎要素との間の接続は、前記顎要素が互いに対して相対的に移動した場合に、前記保持スロットの前記保持部分に前記脚部を受け入れると、前記第1の脚部の前記接続端は前記第1の顎部材とともに移動し、前記第2の脚部の前記接続端は前記第2の顎部材とともに移動するような接続であり、前記移動は前記ブラケットの弾性変形を引き起こし、
前記弾性変形は前記脚部が前記第1の顎要素の前記係合面と前記第2の顎要素の前記係合面との間で前記脚部を締め付けることによって前記保持スロット内に保持されるように前記顎要素の前記係合面に締め付け力を与える請求項1に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、キャリアが好ましくは知られているキャリアの改善となる、代替的キャリアを備えるシステムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1のシステムにより達成される。
【0016】
本発明によるシステムにおいて、第1の顎要素(jaw element)と第2の顎要素とを備えるキャリアが使用される。それぞれの顎要素は、枝肉または枝肉の部位がキャリア内に配置構成されたときに枝肉または枝肉の部位と接触するように適合された係合面を有する。使用時に、枝肉または枝肉の部位は、顎要素の係合面と係合面とで締め付けられる。
【0017】
有利な一実施形態において、少なくとも1つの顎要素は、顎板である。顎要素が両方とも顎板あることも可能である。
【0018】
両方の顎要素の係合面が互いに向き合うが、これらは、枝肉または枝肉の部位がキャリア内に保持されたときに互いに接触しない。好ましくは、これらは、枝肉または枝肉の部位がキャリアによって保持されないときには互いに接触しない。
【0019】
係合面の間に、保持スロット(holding slot)が存在する。保持スロットは、キャリアが使用されるときに枝肉または枝肉の部位の一部が配置構成される保持部分(retaining part)を有する。顎要素の係合面は、保持スロットの保持部分の対向する側を画成する。顎要素の係合面は、互いに実質的に延在し、保持スロットの保持部分は実質的に矩形のまたは正方形の形状を有するものとしてよい。係合面は、代替的に、互いに関してある角度をなし、保持スロットの保持部分はV字形を有するものとしてよい。顎要素が互いに関して枢動可能である場合、係合面が互いに実質的に平行である顎要素の一方の相対的位置があり得るが、顎要素の他のすべての相対的位置において、係合面は互いに関してある角度をなす。
【0020】
四肢屠畜動物において、枝肉、枝肉の部位、および枝肉、枝肉の部位の要素のサイズの自然なバラツキは極めて大きい。同じ種類の枝肉の部位(例えば、もも肉または四肢先端部)内であっても、サイズのバラツキは、たいてい、異なる個別の動物からの部分の間で極めて著しい。それぞれの種類の枝肉または枝肉の部位は、典型的にはキャリアの保持スロット内に配置構成される一部分または要素を有する。そのような部分または要素は、例えば、上に軟組織が載る細長い骨であるものとしてよい。実際には、これらの部分または要素のサイズの自然なバラツキは、同様にかなり大きく、特に例えば家禽類の場合より遙かに大きい。家禽類では、動物が小さく軽いだけでなく、体寸法の自然なバラツキが四肢動物に比べて小さい。
【0021】
本発明によるキャリアは、可変幅を有する保持部分を備える保持スロットを有する。保持スロットの保持部分の幅は、最小幅と最大幅との間に延在する範囲にわたって可変である。最小幅と最大幅は、処理されるべき枝肉または枝肉の部位のサイズ範囲および/または重量範囲を念頭に置いて、特に保持スロットの保持部分内に配置構成された枝肉または枝肉の部位の部分または要素の予想されるサイズ範囲に関して選択される。
【0022】
顎要素の係合面の間の保持スロットの保持部分の最小幅は、比較的小さな作りの動物の枝肉または枝肉の部位が、保持スロットの保持部分内に確実に締め付けられ得るように選択される。特に、保持スロットの保持部分内に配置構成されている枝肉または枝肉の部位の部分または要素の予想されるサイズ範囲が考慮される。例えば、保持スロットの保持部分内に配置構成されるべき部分または要素は断面がある程度円形の骨である場合、その骨(場合によっては付いている軟組織を含む)の予想される直径範囲が考慮される。保持スロットの保持部分の最小幅は、一般的に、枝肉または枝肉の部位を保持スロット内に保持する骨の最小の予想される直径より小さくなるように選択される。顎要素に事前引張(pretensioning)を与える場合、保持スロットの保持部分の最小幅は、枝肉または枝肉の部位を保持スロット内に保持する骨の最小の予想される直径と同じであるが、または一般的に同じになるように選択され得る。保持スロット内に配置構成されるべき枝肉または枝肉の部位の部分または要素が、断面がある程度円形の骨でない場合、その部分または要素は、他の種類の関連する寸法、例えば、幅を有する。そのような場合、その関連する寸法の予想される範囲は、保持スロットの保持部分の幅範囲に対する最小幅を選択するときに考慮される。
【0023】
最小幅は、ゼロであってもよいが、好ましくは、ゼロより大きい。
【0024】
顎要素の係合面の間の保持スロットの保持部分の最大幅は、望ましくない量の外傷などの、枝肉または枝肉の部位への望ましくない損傷を与えることなく、比較的大きな作りの動物の枝肉または枝肉の部位が、保持スロットの保持部分内に確実に締め付けられ得るように選択される。特に、保持スロットの保持部分内に配置構成されている枝肉または枝肉の部位の部分または要素の予想されるサイズ範囲が考慮される。例えば、保持スロットの保持部分内に配置構成されるべき部分または要素が、断面がある程度円形の骨である場合、その骨(場合によっては付いている軟組織を含む)の予想される直径範囲が考慮される。保持スロットの保持部分の最大幅は、一般的に、枝肉または枝肉の部位を保持スロット内に保持する骨の最大の予想される直径とおおよそ同じ、またはわずかに大きくなるように選択される。保持スロット内に配置構成されるべき枝肉または枝肉の部位の部分または要素が、断面がある程度円形の骨でない場合、その部分または要素は、他の種類の関連する寸法、例えば、幅を有する。そのような場合、その関連する寸法の予想される範囲は、保持スロットの保持部分の幅範囲に対する最大幅を選択するときに考慮される。
【0025】
例えば、豚の枝肉または枝肉の部位が処理される場合、最小幅の典型値は、20から65mmまでであり、最大幅の典型値は、50から125mmまでである。
【0026】
キャリアの保持スロット内に配置構成された枝肉または枝肉の部位がない場合、保持スロットの保持部分は、所定の幅、例えば、最小幅を有することができる。枝肉または枝肉の部位の導入後に、顎要素は、互いに対して相対的に移動し、これにより、枝肉または枝肉の部位は、保持スロットの保持部分の中に受け入れられ、係合面の間で締め付けられる。
【0027】
顎要素の係合面の間の距離は、保持スロットの保持部分の幅とみなされ得る。しかし、例えば、顎要素が互いに対して相対的に回転する実施形態では、係合面が互いに関してなす角度に関して保持スロットの保持部分の幅を表すとより都合がよい場合がある。
【0028】
キャリアは、引張構造(tensioning structure)をさらに備える。引張構造は、第1の接続ゾーン(connection zone)と第2の接続ゾーンとを有する。第1の接続ゾーンは、第1の顎要素に接続され、第2の接続ゾーンは、第2の顎要素に接続される。引張構造の第1の接続ゾーンと第1の顎要素との間の接続、および引張構造の第2の接続ゾーンと第2の顎要素との間の接続は、顎要素が互いに対して相対的に移動した場合に、保持スロットの保持部分に枝肉または枝肉の部位を受け入れると、第1の接続ゾーンは第1の顎部材とともに移動し、第2の接続ゾーンは第2の顎部材とともに移動するような接続である。接続ゾーンがこのように移動すると、引張構造に弾性変形が生じる。
【0029】
この弾性変形に対する引張構造の抵抗は、顎要素の係合面に締め付け力をもたらす。この締め付け力で、枝肉または枝肉の部位は、第1の顎要素の係合面と第2の顎要素の係合面との間で枝肉または枝肉の部位の一部を締め付けることによって保持スロット内に保持される。
【0030】
引張構造の弾性は、互いに関する顎要素の相対的変位の定義済みレベルを得るために必要な力の量(例えば、1cm)として、または定義済みレベルの力によって得られる顎要素の相対的変位の量として定義される(例えば、100Newton)。顎要素の相対的変位は、平行移動(例えば、mmまたはcm単位で表される)、回転(度数で表される)、または両方の組み合わせであり得る。
【0031】
引張構造の弾性は、締め付け力が、顎要素の係合面の間で枝肉または枝肉の部位を確実に締め付けることができるほどの力であるが、望ましくない程度に保持スロット内の枝肉または枝肉の部位を損傷するほどではないように選択される。これは、引張構造の弾性レベルが、予想される重量範囲および保持されるべき枝肉または枝肉の部位の種類の脆弱性に従って、それらを念頭に置いて選択されなければならないことを意味する。また、引張構造を設計する際にキャリア内に保持されるべきである枝肉または枝肉の部位の部分もしくは要素の予想されるサイズ範囲が考慮されなければならないが、それというのも、それが保持スロットの保持部分の幅範囲および顎要素の相対的変位の量を決定するからである。したがって、異なる種類の枝肉または枝肉の部位に関して、異なる設計、形状、および/またはサイズが引張構造に使用され得る。
【0032】
可能な一実施形態において、引張構造は、弾性棒である。弾性棒は、顎要素が互いに対して相対的に移動されるとき、特に顎要素が保持スロットの保持部分内の枝肉または枝肉の部位の導入により互いに対して相対的に移動されるときに、曲げ、ねじれ、引張、および/または圧力を受ける可能性がある。
【0033】
弾性棒は、その長さ全体にわたって実質的に一定の弾力性を有するものとしてよい。あるいは、弾性棒は、異なる、好ましくは著しく異なる弾力性を持つゾーンを有することができる。このような一実施形態では、1つまたは複数のゾーンは、他のゾーンよりも著しく剛性が高く、したがって、変形はもっぱらより柔軟性の高い1つまたは複数のゾーン内で生じる。異なるレベルの弾力性を持つそのようなゾーンを有することによって、変形は、弾性棒の特定の領域に集中し得る。異なる弾力性を持つゾーンは、例えば、弾性棒の直径または他の断面寸法を変化させることによって実現され得る。
【0034】
引張構造は、単一の弾性棒または複数の弾性棒を備えることができる。
【0035】
弾性棒は、真っ直ぐであるか、湾曲しているか、または真っ直ぐな部分と湾曲した部分との組み合わせであるものとしてよい。
【0036】
弾性棒の好適な材料は、例えば、バネ鋼、ステンレス鋼、ステンレスバネ鋼、およびポリマー、樹脂、または強化ポリマーもしくは樹脂などのプラスチック材料である。強化のために、例えば、カーボンファイバーが使用され得る。
【0037】
弾性棒は、真っ直ぐなロッドまたは湾曲したロッドであってよく、例えば、円形、正方形、矩形、卵形、八角形、または六角形の断面を持つロッドであってよい。弾性棒は、略U字形であり、曲がりを2つ、または単一の曲がりをU字形の脚部の間に有するものとしてよい。U字形の脚部は、平行であるか、実質的に平行であるか、または互いに対して相対角度をなすものとしてよい。あるいは、異なる形状を有する、例えば、V字形、逆さV字形、Y字形、または逆さY字形を有する棒を使用することができる。
【0038】
可能な一実施形態において、弾性棒は、第1の端部および第1の端部に対向する第2の端部を有する。第1の端部は、第1の顎要素に接続され、第2の端部は、第2の顎要素に接続される。例えば、U字形、V字形、またはY字形の弾性棒は、そのような実施形態に適している。
【0039】
可能な一実施形態において、引張構造は、ブラケット(bracket)を備えることができる。そのようなブラケットは、第1の脚部、第2の脚部、および第1の脚部を第2の脚部に接続する接続ピースを有することもあり得る。接続ピースは、例えば、横木であってもよい。ブラケットの第1の脚部は、第1の顎要素に接続されている接続ゾーンを有し、ブラケットの第2の脚部は、第2の顎要素に接続されている接続ゾーンを有する。接続ゾーンは、各脚の端部のところにあるものとしてよいが、これは必須ではない。ブラケットの第1の脚部と第1の顎要素との間の接続、およびブラケットの第2の脚部と第2の顎要素との間の接続は、顎要素が互いに対して相対的に移動した場合に、保持スロットの保持部分に枝肉または枝肉の部位を受け入れると、第1の脚部の第1の接続ゾーンは第1の顎部材とともに移動し、第2の脚部の第2の接続ゾーンは第2の顎部材とともに移動するような接続である。この移動により、ブラケットの弾性変形が生じ、弾性変形は締め付け力をもたらす。
【0040】
ブラケットは、実質的にH字形であるものとしてよく、2つの下端部はそれぞれ顎要素に接続され、2つの上端部はオーバーヘッドコンベヤーまたは他の種類のコンベヤーの台車(trolley)に接続されている。あるいは、ブラケットは、U字形、V字形、またはY字形とすることが可能である。
【0041】
可能な一実施形態において、ブラケットが接続ピースを有する場合、ブラケットの接続ピースは、ブラケットの脚部より明らかに柔軟性があるか、またはブラケットの脚部より明らかに柔軟性がある部分を有するものとしてよい。このようにして、引張構造の変形は、接続ピースまたはその柔軟性がある部分に集中する。
【0042】
ブラケットまたはその部分の好適な材料は、例えば、バネ鋼、ステンレス鋼、ステンレスバネ鋼、およびポリマー、樹脂、または強化ポリマーもしくは樹脂などのプラスチック材料である。強化のために、例えば、カーボンファイバーが使用され得る。
【0043】
ブラケットの異なる部分は、異なる材料で作ることもできる。例えば、接続ピースは、ブラケットの脚部と異なる材料によるものであってもよい。有利な一実施形態において、接続ピースは、プラスチック(好ましくは、食品用に認可されたプラスチック)から作られ、脚部は、鋼鉄、好ましくはステンレス鋼から作られる。
【0044】
可能な一実施形態において、引張構造は、板バネを備えるか、または1つまたは複数の板バネからなるものとしてよい。
【0045】
可能な一実施形態において、第1の顎要素および第2の顎要素は、弾性ヒンジを使って互いに接続され得る。この弾性ヒンジは、引張構造であるか、またはその一部を形成するような寸法であるものとしてよい。
【0046】
可能な一実施形態において、引張構造は、第1および第2の顎要素が、保持スロットの保持部分が最小幅を有する相対位置へ付勢されるように事前引張力を印加することができる。あるいは、事前引張力を印加するために別の事前引張要素が存在してもよい。
【0047】
事前引張力は、保持スロットの保持部分が広げられるように第1および/または第2の顎要素を互いから離すために閾値力に打ち勝たなければならないという効果を有する。これは、キャリアの保持スロット内の枝肉または枝肉の部位の確実な締め付けを補助する。例えば、豚の枝肉または枝肉の部位を保持する場合、そのような閾値力は、350から700Nの範囲内の値であるものとしてよい。
【0048】
枝肉または枝肉の部位を保持スロット内に締め付けることでキャリア内の枝肉または枝肉の部位を保持することには、枝肉または枝肉の部位がキャリアで輸送され、枝肉または枝肉の部位がどういうわけか詰まってしまった場合に、キャリアおよび/または枝肉もしくは枝肉の部位をひどく損傷することなく枝肉または枝肉の部位をキャリアから引き出せるという利点がある。枝肉または枝肉の部位が保持スロットの形状によって(例えば、枝肉または枝肉の部位が保持スロット内に導入された後に保持スロットの入口部分を閉じるか、または狭めることによって)キャリア内にロックされるキャリアの場合、キャリアおよび/または枝肉もしくは枝肉の部位への損傷は、一般的に、混雑を生じた場合に著しく大きくなる。
【0049】
例えばコイルバネの代わりに締め付け力を与えるために引張構造を使用することで、キャリアの構造が堅牢になる。また、清掃がより容易に、かつより徹底的にできるキャリアも実現する。それとともに、本発明によるキャリアの使用は、食肉加工工場において高レベルの衛生および食品安全を確保することに寄与する。
【0050】
一般に、これは、保持スロットの保持部分内に締め付けられるべき枝肉または枝肉の部位の部分または要素が、剛性部分、例えば、骨などを中に有する場合に有利なものである。
【0051】
枝肉または枝肉の部位は、皮膚、皮、脂肪、肉、もしくは同様のもの、またはそのような組織の組み合わせなどの軟組織によって、さらに少なくとも部分的に覆われている骨-例えば、細長い骨-を有する部分または要素を備えることができる。枝肉または枝肉の部位のそのような部分もしくは要素は、枝肉または枝肉の部位が係合面が前記軟組織と係合するようにキャリア内に保持されているときに保持スロットの保持部分内に配置構成され得る。軟組織の存在は、一般的に、枝肉または枝肉の部位上へのより頑丈なグリップを発揮させることができる。特に、軟組織がキャリアによっていくぶん変形する場合、グリップは、係合面が骨の軟組織ではなく裸の骨に直接係合する場合に比べて頑丈である。好ましくは、両方の係合面が軟組織と係合するが、係合面のうちの一方だけが軟組織と係合することも可能である。
【0052】
可能な一実施形態において、少なくとも1つの顎要素は、顎板である。このような一実施形態では、顎要素は、一般的に平坦であり、好適な輪郭形状および/または周を有する。これにより、顎要素を比較的容易に製造することができる。顎要素の係合面は、枝肉または枝肉の部位が顎要素の係合面の間に締め付けられるときに枝肉または枝肉の部位への損傷を回避するため丸みを付けるとよい。丸みを付けた係合面は、顎要素が顎板でないときにも可能である。
【0053】
可能な一実施形態において、第1および第2の顎要素は、互いに接続される。この接続は、例えば、ヒンジもしくは摺動機構によって、または1つもしくは複数の板バネによって実現することも可能である。顎要素が、ヒンジまたは摺動機構を使って互いに接続される場合、顎要素の相対的移動は、ヒンジまたは摺動機構によって画成される所定の経路に従って行われる。
【0054】
ヒンジは、ヒンジピンによって実現され、ヒンジピンは好ましくは顎要素より硬い材料から作られる。ヒンジピンは、顎要素の1つに接続され、他の顎要素の開口を貫通するか、またはヒンジピンが両方の顎要素の開口を貫通し得る。
【0055】
あるいは、ヒンジは、弾性ヒンジであってもよい。弾性ヒンジは、第1の顎要素と第2の顎要素との間に延在する材料の比較的狭いダムであってもよく、このダムは弾性変形され得る。このダムは、真っ直ぐであるか、または湾曲、例えば、S字形であってもよい。
【0056】
特に、ヒンジが第1および第2の顎要素を接続する場合、ヒンジの位置に関する引張構造の接続ゾーン(引張構造を顎要素に接続する)の位置により、保持スロットの保持部分の幅が変化するときに顎要素が相対的移動する際に引張構造が受ける変形の量が決定される。変形の量は、引張構造内に生じる材料応力のレベル、およびそれとともに、引張構造の疲労寿命に影響を及ぼす。
【0057】
引張構造と第1の顎要素との間の接続は剛性がある接続であってよい。このようにして、(第1の顎要素に接続されている)引張構造の第1の接続ゾーンは、全自由度で第1の顎要素とともに移動する。あるいは、この接続は、第1の顎要素と引張構造、特に、第1の顎要素に接続されている引張構造の第1の接続ゾーンとの間の相対的回転が可能になるような接続であるものとしてよい。この実施形態では、引張構造にかかるねじり荷重を小さくするか、または-幾何学的形状に応じて-なくすことすらできる。
【0058】
引張構造と第2の顎要素との間の接続は剛性がある接続であってよい。このようにして、(第2の顎要素に接続されている)引張構造の第2の接続ゾーンは、全自由度で第2の顎要素とともに移動する。あるいは、この接続は、第2の顎要素と引張構造、特に、第2の顎要素に接続されている引張構造の第2の接続ゾーンとの間の相対的回転が可能になるような接続であるものとしてよい。この実施形態では、引張構造にかかるねじり荷重を小さくするか、または-幾何学的形状に応じて-なくすことすらできる。
【0059】
可能な一実施形態において、引張構造は、顎要素(または顎要素の1つ)に解放可能に取り付けられる。
【0060】
引張構造は、顎要素に対してある角度をなして延在し得る。特に、顎要素が顎板である場合、引張構造は、顎板の平面に関してある角度をなして延在し得る。引張構造は、キャリアの側部から見たときに、または前もしくは後ろから見たときに顎要素に関してある角度をなすものとしてよい。
【0061】
可能な一実施形態において、保持スロットの一方の端部は開いており、好ましくはキャリアが使用されているとき、すなわち、枝肉または枝肉の部位がキャリア内に配置構成されている場合もそうである。これにより、詰まったり、または他の種類の緊急事態が生じた場合にキャリアから枝肉または枝肉の部位をより容易に取り外せる。
【0062】
可能な一実施形態において、保持スロットの保持部分の幅が最小幅より小さくなるのを防ぐアバットメントまたは他の移動制約配置構成が存在する。そのようなアバットメントは、例えば、一方の顎要素または両方の顎要素上の突起部によって実現され得る。保持スロットの保持部分の幅が最大幅より大きくなるのを防ぐアバットメントまたは他の移動制約配置構成が存在することも可能である。
【0063】
可能な一実施形態において、保持スロットの保持部分の最小および/または最大幅を調節することを可能にする調節器が用意される。そのような調節器は、アバットメントを形成するか、または変位させる調節ネジであることもあり得る。このような一実施形態では、最小および/または最大幅も調節可能である。
【0064】
可能な一実施形態において、本発明によるキャリアは、豚の枝肉または豚の枝肉の部位、特に少なくとも1本の足をいぜんとして備えている豚の枝肉または豚の枝肉の部位を運搬するために使用されるように適合されている。
【0065】
このような一実施形態では、キャリアは、足または足の一部によってそのような枝肉または枝肉の部位を保持するように適合される可能性がある。保持スロットは、豚の足の中の足骨(例えば、外側中足骨または外側中手骨)が自然な位置から第1または第2の顎要素の係合面により近い位置まで圧迫されるように適合され得る。
【0066】
可能な一実施形態において、第1の顎要素の係合面の形状とキャリアの第2の顎要素の係合面の形状は互いに鏡像となっている。さらなる可能な実施形態において、第1の顎要素の形状と第2の顎要素の形状は互いに鏡像となっている。特に、顎要素が顎板である場合、これにより、キャリアの製造およびスペア部品の物流は円滑になる。その場合、第1の顎要素および第2の顎要素は、同一の部品として製造され得る。組み立て後、顎要素の1つは、本発明によるキャリアが得られるように単にひっくり返されるだけである。
【0067】
可能な一実施形態において、キャリアは、枝肉または枝肉の部位をキャリアの保持スロット内にロックするためのロック要素をさらに備える。そのようなロック要素は、少なくとも部分的に保持スロットの上に、または中に延在し得る。ロック要素は、レバー、例えば、バネ仕掛けレバー上に装着され得る。場合によっては、ロック要素は、枝肉または枝肉の部位にかかる力が所定の閾値を超えたときにキャリアの保持スロットから枝肉または枝肉の部位を解放するように適合される。ロック要素は、そのようなものとして、詰まった枝肉または枝肉の部位の解放をより困難にする可能性があるが、そのようなロックデバイスが望ましい状況もあり得る。
【0068】
本発明によるキャリアは、オーバーヘッドコンベヤーシステムと組み合わせることができ、このオーバーヘッドコンベヤーシステムは、トラック、および複数の台車、ならびに前記トラックに沿って台車を移動するように適合された駆動システムを備えることができる。それぞれのキャリアは、オーバーヘッドコンベヤーシステムの1つまたは複数の台車に接続され得る。このようなシステムは、枝肉および/または枝肉の部位を食肉処理場または食肉加工工場内に運搬するために使用され得る。
【0069】
可能な一実施形態において、1つまたは複数の台車が、引張構造によってキャリアを係合する。これは、使用中の引張構造の弾性的挙動に影響を及ぼす可能性があるので、引張構造を設計する際には考慮されるべきである。
【0070】
1つまたは複数の台車とキャリアとの間の接続は剛性がある接続であり得るが、あるいはキャリアは1つまたは複数の台車に相対的に移動可能であり、例えば枢動可能であるものとしてよい。
【0071】
有利には、キャリアは、枝肉または枝肉の部位がキャリア内に配置構成されたときに顎要素が実質的に水平になるように1つまたは複数の台車に接続される。
【0072】
可能な一実施形態において、キャリアの少なくとも1つは、台車に相対的な、および/またはトラックに相対的なキャリアの位置および/または向きを制御するための制御要素を備える。これにより、例えば、好適なおよび/または人間工学的な方法で作業員に提示できるように枝肉または枝肉の部位の傾斜または回転が可能である。
【0073】
制御要素はカムローラーであってもよく、これは例えば第1または第2の顎要素に取り付けられる。この実施形態では、好ましくは、システムは、カムローラーを備えるキャリアが静止ガイドに沿って移動するときにカムローラーが静止ガイドと係合するようにオーバーヘッドコンベヤーのトラックに隣接して配置構成される静止ガイドをさらに備える。
【0074】
可能な一実施形態において、システムは、枝肉または枝肉の部位がキャリア内に保持されている間に枝肉または枝肉の部位に対して1つまたは複数の処理工程を手動で、自動で、または半自動で実行するための1つまたは複数の処理ステーションを備え、この処理ステーションは、オーバーヘッドコンベヤーのトラックに沿って配置構成される。
【0075】
本発明は、本発明の非限定的な実施形態が図示されている、図面を参照しつつより詳しく説明される。図面の説明を以下に示す。
【発明を実施するための形態】
【0077】
図1は、四肢屠畜動物の枝肉の部位を処理するためのシステムの一例を示す。
【0078】
図1のシステムは、複数のキャリアアセンブリ50を備えるオーバーヘッドコンベヤー10を示している。キャリアアセンブリ50は、いくつかの処理ステーション15に沿った経路を辿るトラック11の下に配置構成される。それぞれのキャリアアセンブリ50は、キャリアと台車とを備える。キャリアは、枝肉または枝肉の部位1と係合し、台車は、トラック11上を走るように駆動される。
図1の例では、駆動チェーン12は、トラック11の下に延在する。駆動チェーン12は、キャリアアセンブリ50同士を接続し、また駆動装置とも接続する。
図1の例では、隣接するキャリアアセンブリは、互いまでの固定された距離を有し、これは一般的に「ピッチ」として示される。駆動チェーン12の代わりに、例えば、駆動ケーブルを使用することも可能である。
【0079】
図1のシステムにおいて、それぞれのキャリアは、1つまたは複数の台車に接続され、駆動システムが台車を駆動することによって経路に沿ってキャリアを移動する。
【0080】
枝肉または枝肉の部位1は、インフィードステーション16への供給コンベヤー14によってシステムに供給される。インフィードステーション16のところで、それぞれの枝肉または枝肉の部位1がキャリアアセンブリ50内に配置構成され、キャリアアセンブリ50は、処理ステーション15に沿って進むようにトラック11に沿って枝肉または枝肉の部位1を輸送する。
【0081】
処理ステーション15では、処理工程が実行される。一処理工程は、例えば、皮膚、皮、および/または脂肪の取り除き、特定の位置に切り込みを入れる作業、または肉片もしくは骨片の取り除きであるものとしてよい。
図1のシステムでは、例えば、取り除かれた肉片は、車輪付きコンテナ17および/またはコンベヤーベルト18を使って運び去られる。
【0082】
図1の例では、処理工程は、処理ステーション15内で手動で実行される。代替的に、1つまたは複数の処理ステーション15は、自動または半自動処理ステーションであってよく、そこでは、少なくとも1つの処理工程が、作業員ではなく機械によって、自動的にまたは半自動的に実行される。例えば、そのような自動または半自動処理ステーションは、処理ステーションを通過する枝肉または枝肉の部位に切り込みを入れる自動カッターを備えることが可能である。
【0083】
本発明によるシステム、特に、本発明によるキャリアは、例えば
図1によるシステムで使用するのに適している。
【0084】
図2は、本発明によるキャリア20の第1の実施形態を示す。
【0085】
キャリア20は、係合面22を有する第1の顎要素21および係合面24を有する第2の顎要素23を有する。使用時に、枝肉または枝肉の部位は、係合面22と係合面24とで締め付けられる。
【0086】
第1および第2の顎要素21、23は、それらの間に保持スロット25を画成する。使用時に、枝肉または枝肉の部位の一部は、キャリア20が枝肉または枝肉の部位を保持できるように保持スロット内に配置構成される。
【0087】
保持スロット25は、保持部分26を有する。保持部分26は、使用時に、例えば、枝肉または枝肉の部位がオーバーヘッドコンベヤーのトラックに沿って輸送されるときに、枝肉または枝肉の部位が実際に保持される保持スロット25の部分である。係合面22、24は、保持スロット25の保持部分26の対向する壁を画成する。
【0088】
保持スロット25は、枝肉または枝肉の部位がキャリア20の保持スロット25内に導入されるか、またはそこから取り出されるときに枝肉または枝肉の部位の一部を受け入れるための入口部分27をさらに備える。枝肉または枝肉の部位がキャリア内に配置構成されるときに、これは入口部分27から保持スロット25内に入る。入口部分27から保持部分26内に変位し、そこで、係合面22、24の間に締め付けられる。
【0089】
第1の顎要素21および第2の顎要素23は、保持スロット25の保持部分26の幅が最小幅から最大幅までの幅範囲にわたって可変であるように互いに対して相対的に移動可能である。したがって、保持スロットの保持部分の幅が最小幅から最大幅までの範囲内に収まるように、顎要素が相対的位置をとることが可能である。
【0090】
図2の実施形態において、第1の顎要素21および第2の顎要素23は、保持スロット25の保持部分26の幅を変化させるために互いに関して枢動するようにヒンジピン32を持つヒンジ30を使って互いに対して接続される。あるいは、ヒンジの代わりに、所定の経路に沿って第1および第2の顎要素21、23の相対的移動を誘導するためにガイドが存在し得る。そのようなガイドは、例えば、スライドとすることも可能であり、これにより、顎要素21、23が互いに相対的に画成された真っ直ぐの、または湾曲した線に沿った移動を実行する。他の代替的形態として、顎要素21、23の相対的移動の経路を画成するための装備はあり得ない。
【0091】
図2の実施形態において、顎要素21、23は、顎板である。これらは、例えば、望ましい形状に切断されたシート材料から作られ、好ましくは、エッジは丸みを付ける。係合面が丸みを付けられているか、または少なくとも丸みのあるエッジを備えると、枝肉または枝肉の部位は、係合面の間に締め付けられたときに係合面によって損傷することが少ないか、または全くない。あるいは、顎要素を、別の方法、例えば、鋳造またはフライス加工によって製造することも可能である。
【0092】
図2の実施形態において、キャリア20は、弾性棒40の形態の引張構造39をさらに備える。弾性棒40は、第1の顎要素21と第2の顎要素23との間に延在する。弾性棒40は、第1の端部41および第1の端部41に対向する第2の端部42を有する。弾性棒40の第1の端部41は、第1の顎要素21に接続される。弾性棒40の第2の端部42は、第2の顎要素23に接続される。
【0093】
図2に示されている実施形態の代替的形態において、キャリア20は、第1および第2の顎要素21、23の相対的移動を制御するヒンジ30またはガイドを備えない。このような一実施形態では、弾性棒は、第1の顎板21と第2の顎板23との間の唯一の接続部であり得る。弾性棒40は、異なる弾性を持つゾーンを有する可能性がある。
【0094】
図2の実施形態において、弾性棒40は、断面が一般的に円形である湾曲したロッドである。ロッドの直径は、ロッドの長さにわたって一般的に一定である。しかし、弾性棒の代替的設計も可能である。例えば、棒は、異なる断面寸法または形状の領域を有することができ、その結果弾性も異なる。これにより、顎要素21、23の相対的移動によって誘発される棒の変形はもっぱら弾性棒の画成された領域、特に比較的高い弾性を有する領域において生じることになる。他の代替的設計では、弾性棒は1つまたは複数の板バネを備えるか、または弾性棒は1枚の板バネであるか、または弾性棒は正方形、矩形、卵形、八角形、または六角形などの、円形以外の断面を有する。
【0095】
弾性棒のそのような代替的設計は、
図2の実施形態で使用され得るが、本出願で開示されている他の実施形態でも使用され得る。
【0096】
図2に示されているキャリアの可能な実施形態において、弾性棒40は、
図2のキャリアに事前引張力を与える。この事前引張力は、第1および第2の顎要素の間で互いの方に付勢し、それとともに、顎要素21、23の係合面22、24の間で枝肉または枝肉の部位を締め付けるための力に寄与する。
【0097】
事前引張力は、第1および/または第2の顎要素を互いから離すために閾値力に打ち勝たなければならないという効果をさらに有する。これは、キャリアの保持スロット内の枝肉または枝肉の部位の確実な締め付けを補助する。
【0098】
図2のキャリアの可能な実施形態において、事前引張力は、第1の端部41および第2の端部42が顎要素21、23に装着されるときの近さよりも一緒に近くなるように製造時に弾性棒40を曲げることによって得られる。顎要素21、23に取り付けられたときに、弾性棒40は、応力のない「製造時の」状態に戻る傾向を有し、第1の端部41および第2の端部42は互いの方へ押される。
【0099】
アバットメント31は、保持スロット25の保持部分26内に配置構成された枝肉または枝肉の部位がないときに保持スロット25の保持部分26が狭くなりすぎるのを防ぐために用意することが可能である。
【0100】
図2の実施形態において、弾性棒40の第1の端部41は、第1の顎要素21に堅く接続され、弾性棒40の第2の端部42は、第2の顎要素23に堅く接続される。これにより、第1および第2の顎要素21、23が互いに相対的に移動するときに、弾性棒40はねじりと曲げの両方を受ける。
【0101】
図2のキャリアの代替的実施形態において、弾性棒40の第1の端部41と第1の顎要素21との間の接続、および/または弾性棒40の第2の端部42と第2の顎要素23との間の接続は、弾性棒40の各端部41、42と各顎要素21、23との間の相対的移動、特に相対的回転が可能になるような接続である。これにより、弾性棒40のねじりを小さくするか、またはなくなることすらあり、またそれとともに、弾性棒40にかかる全機械的応力も小さくする。
【0102】
図3は、
図2の実施形態の一変更形態を示す。
図2の実施形態において、第1の顎要素21は、第2の顎要素23と異なる形状を有し、その結果、保持スロット25の形状、特に、その入口部分27の形状は非対称である。本発明によるシステムのいくつかの実施形態において、そのような非対称的な入口部分27があると、キャリア20の保持スロット25内への枝肉または枝肉の部位の導入を円滑にすることが可能になる。
【0103】
図3の変更形態において、第1の顎要素21の形状は、第2の顎要素23の形状の鏡像となっている。この結果、保持スロット25は対称的になる。
【0104】
図3の変更形態の利点は、第1の顎要素21および第2の顎要素23が、同一の部品として製造され得る点にある。組み立て後、顎要素の1つは、
図3の実施形態が得られるように単にひっくり返されるだけである。
【0105】
この実施形態の利点は、スペア部品としてストックしておかなければならないスペア部品が少なくて済み、またスペア部品の保管と製造にかかる費用が安くなり、保管と製造がより簡単になるという点である。また、スペア部品の物流も容易である。
【0106】
図4Aは、本発明によるキャリア内に配置構成されている枝肉の部位1の一例を示している。
図4の例では、枝肉の部位は豚の肢であり、この場合、足2をさらに含む。
【0107】
図4Aの例において、キャリア20の保持スロットは、豚足を受け入れるように適合されている。保持スロット25の寸法、ならびに最小および最大幅は、キャリア20がこれらの枝肉の部位において生じる自然なバラツキの可能な範囲を扱うことができるように選択される。
【0108】
顎要素21、23の係合面22、24は、好ましくは、外側中足骨または中手骨の領域内で枝肉の部位と係合する。その場合、保持スロット25の幅は、好ましくは、豚足の中の外側中足骨または中手骨が自然な位置から第1または第2の顎要素の係合面により近い位置まで圧迫されるように適合され、これは国際公開第2011/074966号で説明されているとおりである。
【0109】
図4Aの特徴は、本出願で開示されているキャリアのすべての実施形態において使用することができる。
【0110】
図4Aの実施形態は、ヒツジ科、ヤギ科、またはウシ科の動物などの、他の動物の枝肉または枝肉の部位に適しているように修正され得る。これらの動物のうちのいくつかは、中足骨または中手骨領域内に単一の骨を有し、偽蹄を全く有しないか、または痕跡程度の偽蹄のみを有するが、それでも、この領域内で枝肉または枝肉の部位と係合するのは有利である。あるいは、枝肉の部位は、趾節骨の領域内に係合される。その場合、好ましくは、趾節骨は、自然な位置から第1または第2の顎要素の係合面により近い位置まで圧迫される。
【0112】
図4Bは、豚の前肢の骨構造を示し、
図4Cは、豚の後肢の骨構造を示している。
図4Bは、肩甲骨511、上腕骨512、橈骨513、尺骨514、および肘頭515を示している。
図4Cは、大腿骨517、脛骨519、および腓骨520を示している。
【0113】
図4Dは、豚の足の骨構造を示している。構造は、前肢と後肢とで基本的に同じである。知られているように、豚足は、4本の指を含む。MC3およびMC4で示されている、中央の指は機能を有し、基本的に豚の荷重を支えるが、外側の指MC2およびMC5は、基本的に機能を有していない。豚の場合、後者は、偽蹄と称される。参照番号MC2、MC3、MC4、およびMC5は、豚足の中手骨または中足骨を指す。
【0114】
図4Dにおいて、参照番号P1、P2、P3は、豚の足の趾節骨を指す。
【0115】
図4Bおよび
図4Cは、中央の中足骨または中手骨522および外側中足骨または中手骨523を示している。
【0116】
図4Dにおいて、参照記号Hは、保持スロット25の保持部分26内に有利に配置構成されている豚の足の領域を示す。この領域は、足の中足骨または中手骨522および523を備える。
【0117】
顎要素の係合面22、24の間で豚足のこの領域を締め付けることにはいくつかの利点がある。第1の利点は、この領域での直径は前肢と後肢とでほぼ同じであるという点である。これにより、同じキャリアを使用して、豚の個別の前肢部分さらには個別の後肢部分を係合させることができる。これは、もも肉および前部を同じキャリアで保持し、したがって同じキャリアを両方に対して使用することができることを意味する。
【0118】
足のこの領域を保持ゾーンとして使用する第2の利点は、
図4Eおよび
図4Fに例示されている。
【0119】
図4Eは、中足骨522または中手骨523の領域内、したがって
図4Dに示されているような領域H内の豚の足を通る断面を示している。
図4Eに示されているような断面は、一般的に、前肢または後肢とで同じである。
【0120】
図4Eは、本発明によるキャリア内に配置構成される前の、自然な状態にある豚の足を示している。これからわかるように、外側中足骨または中手骨522は、
図4Eに示されているように自然な位置にある主趾節骨523に隣接するように置かれている。比較的大きな腱524は、断面を通り抜ける。断面の外層525は、皮膚、皮、および少量の脂肪を含む。腱524および中足骨522または中手骨523の周りには、主に、肉526が存在する。
【0121】
したがって、
図4Eに示されているような保持ゾーンの断面では、中足骨522または中手骨523、骨を囲む軟組織が皮膚、皮、および脂肪525を含み、腱524および肉526が存在する。
【0122】
検査したところ、矢印Aの方向に圧力を印加することによって中足骨または中手骨の領域内で足を変形させるには、大きな力を必要とすることがわかった。これは、基本的に、圧力が足に対して横方向に印加されるときである。他方で、圧力が矢印Bの方向に印加される場合、つまり、一般的に、互いの方へ足の前側および後側を圧迫している場合、足のこの領域はかなり変形しやすく、特定の変形を得るのに力は小さくて済み、達成され得る最終的な変形はより大きなものとなる。
【0123】
本発明によるキャリアに対する引張構造の最小幅、最大幅、および/または弾性を選択するときにこの知見を用いることができる。
【0124】
豚足が保持スロット25の保持部分26内で締め付けられ、保持スロット25の保持部分26が、中に受け入れられた豚足領域の乱されていない断面より狭い場合、外側中足骨または中手骨523は、中央の中足骨または中手骨522の方へ、また顎要素21の係合面22の方へ圧迫される。これは、
図4Fに示されている。豚足のこの締め付けは、例えば、最大重量15kgまでの豚の肢部の確実なぶら下げを達成する。
【0125】
説明されているように、この向きに豚足をスロット内に横から導入するには、導入方向に対して垂直な方向の豚足の圧迫が比較的容易なので限られた力を必要とする。これにより、例えば、豚足を保持スロット25内に手作業で導入することができる。
【0126】
図4Eおよび
図4Fにおいて、中央の中足骨または中手骨522は、単一の骨として図示されている。豚の足において、2つの中央の中足骨および中手骨522の頂部は融合して1つになり、これらは、特に成獣では互いに接続されている。これは、
図4Dを見るとわかる。
図4Eおよび
図4Fは、中足骨または中手骨の頂部が融合している領域内の保持スロット25の保持部分26内に豚足が配置構成される状況を示している。
【0127】
しかし、領域Hの下部になるほど、豚の足の自由端の方へ近づくほど、中央の中足骨または中手骨522は互いに相隔てて並ぶ。これも、
図4Dを見るとわかる。
【0128】
図4E-1(
図4E*)は、中足骨または中手骨522が互いに相隔てて並ぶ領域Hの部分内の豚の足の断面を示している。
図4E-1(
図4E*)は、豚の足の自然な状態を示している。
【0129】
図4F-1(
図4F*)は、本発明によるキャリア内に配置構成された豚の足を示しており、
図4E-1(
図4E*)に示されている断面は、保持スロット25の保持部分26内に配置構成され、顎要素21、23の間で締め付けられている。
図4F-1(
図4F*)において、外側中足骨または中手骨523は、中央の中足骨または中手骨522の方へ、また顎要素23の係合面24の方へ圧迫される。あるいは、豚の足は、外側中足骨または中手骨523が中央の中足骨または中手骨522の方へ、また顎要素21の係合面22の方へ圧迫されるような形で保持スロット25の保持部分26内に導入することも可能である。
【0130】
図4Gは、肩甲骨511、上腕骨512、橈骨513、脛骨519、および大腿骨517を示す、山羊の骨格を示している。
【0131】
図4Dと同様に、Hは、保持スロット25の保持部分26内に有利に配置構成されている枝肉または枝肉の部位の部分を示している。
【0132】
図4Hは、肩甲骨511、上腕骨512、橈骨513、脛骨519、および大腿骨517を示す、羊の骨格を示している。
【0133】
図4Dと同様に、Hは、保持スロット25の保持部分26内に有利に配置構成されている枝肉または枝肉の部位の部分を示している。
【0134】
図4Iは、肩甲骨511、上腕骨512、橈骨513、脛骨519、および大腿骨517を示す、母牛の骨格を示している。
【0135】
図4Dと同様に、Hは、保持スロット25の保持部分26内に有利に配置構成されている枝肉または枝肉の部位の部分を示している。
【0136】
図5は、本発明によるキャリアのさらなる実施形態を示す。
【0137】
図5の実施形態において、ここでもまた、引張構造39は、単一の弾性棒40によって形成される。弾性棒40と各顎要素21、23との間の接続は、例えば
図2の実施形態よりヒンジ30に近い位置に配置される。この配置構成によって、弾性棒40の変形は、
図2の実施形態より小さくなり、それとともに、弾性棒40の機械的応力も小さくなる。これにより、弾性棒40の疲労寿命が長くなる。
【0138】
豚の枝肉または枝肉の部位に使用されるキャリア、または類似のサイズのキャリアについて、ヒンジ30と、少なくとも部分的に弾性を有する棒40と顎要素21、23との間の接続部との間の距離が5cm以下、好ましくは3.5cm以下である場合に有利であることが実用上判明している。一般に、最適な距離は、キャリアのサイズ、キャリアが使用される枝肉または枝肉の部位のサイズおよび/または重量、ならびに所望の締め付け力に依存する。
【0139】
図5の実施形態において、弾性棒40は、保持スロットの入口部分に向かう、前方湾曲43を有する。弾性棒40の端部41、42と各顎要素21、23との間の接続の位置に応じて、そのような追加の湾曲は、使用時に顎要素21、23が実質的に水平に延在することを達成するのを助けることができる。
【0140】
これは、特にキャリア20が弾性棒40の中央部分44のところで台車に枢動可能に接続される場合に適用され、その例は
図11および
図14に示されている。中央部分44をキャリアとキャリアが保持する枝肉または枝肉の部位との組み合わせの重心が予想できる領域の実質的真上に配置構成することによって、顎要素21、23は使用時に実質的に水平になる。
【0141】
顎要素21、23を使用時に実質的に水平に延在させることで、キャリア20の保持スロット25内に枝肉または枝肉の部位を保持しやすくなる。
【0142】
図5Aは、
図5の実施形態の一変更形態を示す。
図5Aの実施形態において、顎要素21、23は、
図5とわずかに異なる形状を有する。顎要素21、23は、入口部分27と保持部分26との間の保持スロット25を局所的に狭める丸みのある突起部33を備えている。これらの突起部33は、枝肉の部位がキャリアから不用意に外れないようにする追加の固定手段である。
【0143】
図5Aに示されている種類の顎要素21、23は、開示されている実施形態のどれにおいても使用できる。
【0144】
図5Aの変更形態において、顎要素21、23は両方とも、突起部33を備える。あるいは、一方の顎要素のみが、そのような突起部33を備えることができる。
【0145】
図6は、弾性棒40のいくつかの変更形態を示す。これらの変更形態はどれも、本発明によるキャリアの開示されている実施形態のどれにおいても使用できる。これらのすべての変更形態において、弾性棒40は、引張構造を形成する。
【0146】
図6A〜
図6Cは、各実施形態の側面図を示している。これらの側面図において、保持スロットの入口部分は、図の左側にある。明確にするため、ヒンジ30は、これら3つの実施形態において示されている。しかし、
図6A〜
図6Cに示されている弾性棒40は、ヒンジを有していない実施形態でも使用できる。
【0147】
図6Aは、弾性棒40がヒンジ30の著しく前に配置構成されている一実施形態を示している。弾性棒40は、第2の顎要素23に関して(また第1の顎要素21に関しても)約90°の角度をなす。好ましくは、弾性棒40の位置は、中央部分44がキャリアとキャリアが使用時に保持する枝肉または枝肉の部位との組み合わせの重心の実質的真上に配置されるように選択される。
【0148】
図6Bの実施形態において、弾性棒40は、顎要素23、21の背後にさらに接続され、これは保持スロットの入口部分からさらに離れている。弾性棒40は、中央部分44がキャリアとキャリアが使用時に保持する枝肉または枝肉の部位との組み合わせの重心の実質的真上に来るようにする湾曲43を有する。
【0149】
図6Cの実施形態において、弾性棒40は、顎要素23、21の背後へさらに向かうようにも配置構成される。しかし、ここでは、これは、中央部分44をキャリアとキャリアが使用時に保持する枝肉または枝肉の部位との組み合わせの重心の実質的真上に配置構成するために顎要素21、23に関してある角度で配置構成される。
【0150】
図6D〜
図6Fは、各実施形態の正面図を示している。これらの正面図において、保持スロットの入口部分は、見ている人の方に向けられている。ヒンジまたは他のガイドはこれらの3つの実施形態では示されていない。しかし、
図6D〜
図6Fに示されている弾性棒40は、顎要素21、23の相対的移動のためのヒンジ、スライド、または他の種類のガイドを有している実施形態でも使用できる。
【0151】
図6Dの実施形態において、弾性棒40は、略U字形であるが、
図2の例について示されているように半径が比較的小さく、間に真っ直ぐな中央部分44のある2つの曲がり部分を有する代わりに、
図6Dの弾性棒40は、半径が比較的大きい単一の曲がり部分を有する。
図6Dの実施形態では、弾性棒40の中央部分44は湾曲しており、その曲率半径は実質的に一定である。
【0152】
図6Eの実施形態において、弾性棒40の中央部分44は、弾性棒40の残り部分より小さい直径を有する。したがって、中央部分44は、弾性棒40の残り部分と異なる弾性率を有する。顎要素21、23の相対的移動による変形は、弾性棒40の中央部分44に集中する。
【0153】
図6Fの実施形態において、弾性棒40の側部45は、弾性棒40の残り部分より小さい直径を有する。それとともに、側部45は、弾性棒40の残り部分と異なる弾性率を有する。顎要素21、23の相対的移動による変形は、弾性棒40の側部45に集中する。
【0154】
図7は、下から見た、本発明によるキャリアのさらなる実施形態を示す。
【0155】
図7の実施形態において、第1の顎要素21は、リップ部35を備えている。第2の顎要素は、陥凹部36を備えている。リップ部35は、陥凹部36内に収まる。陥凹部36は、第1の顎要素21および第2の顎要素23が互いに対して相対的移動するときにリップ部が陥凹部36内で移動できるようにリップ部35より大きい。
【0156】
しかし、陥凹部36の壁37および38は、リップ部35の移動を制限する。それとともに、これらは互いに対して相対的な顎要素21、23の移動も制限する。壁38は、保持スロット25の保持部分26が狭くなりすぎるのを防ぐ。壁37は、保持スロット25の保持部分26が広くなりすぎるのを防ぐ。それとともに、壁37は、弾性棒の伸びすぎを防ぐ。これは、弾性棒40の塑性変形および低サイクル疲労を最小限度に抑えるか、または防ぐことすらある。
【0157】
図7の実施形態において、弾性棒40は、枢軸46によって顎要素21、23に枢動可能に接続される。しかし、リップ部35および陥凹部36は、キャリアの他の実施形態、例えば、弾性棒40が顎要素21、23に堅く接続されている実施形態と組み合わせて使用することもできる。
【0158】
図7の実施形態において、第1および第2の顎要素21、23の係合面22、24の形状はそれぞれ、互いに鏡像となっている。しかし、リップ部35および陥凹部36は、キャリアの他の実施形態と組み合わせて使用することもできる。
【0159】
図8は、本発明のさらなる実施形態を示す。
図8の実施形態において、第1の顎要素21は、スリット60を備えている。第2の顎要素23は、スリット60を通して突き出る、2本のピン61を備えている。
【0160】
第1および第2の顎要素21、23が互いに対して相対的に移動するときに、ピン61がスリット60内に移動する。このようにして、これにより、第1および第2の顎要素21、23が互いに対して相対的に、スリットの形状に応じて直線上を、または曲線上を移動する。2本のピン61とスリット60との組み合わせにより、顎要素21、23の相対的移動が誘導される。相対的回転は防がれる。
【0161】
代替的一実施形態では、ピン61は、2本でなく1本のみである。その場合、第1および第2の顎要素21、23の相対的回転が可能であり、それでも並進運動は誘導される。
【0162】
図8の実施形態において、顎要素21、23は、顎要素21、23が延在する平面に対して垂直な方向に少しだけ互いに対して相対的に移動することができる。顎要素21、23の間の接続は、顎要素21、23が延在する平面に対して垂直な方向に移動できないように代替的に構成され得る。
【0163】
一般に、顎要素の係合面が少なくとも実質的に同じ高さで、したがって枝肉または枝肉の部位のいずれかの側で互いに直接対向して、枝肉または枝肉の部位と係合する場合に有利である。これは、キャリア内の枝肉または枝肉の部位の望ましくない傾斜を防ぐ。
【0164】
図9は、本発明のさらなる実施形態を示す。
図9の実施形態において、第1の顎要素21と第2の顎要素23との間のヒンジ30は、弾性ヒンジである。
図9の例において、弾性ヒンジは、第1の顎要素21と第2の顎要素23を接続する材料のダム64を備える。第1および第2の顎要素21、23が互いに対して相対的に移動するときに、ダム64は弾性変形し、ヒンジ機能を働かせる。ダム64の弾性は、一般的に、保持スロット内に保持されるべき枝肉または枝肉の部位に対して適切な締め付け力を与えるような弾性ではない。そのような場合、別の引張構造がまだ望ましい。
【0165】
しかし、弾性ヒンジがそのようなものとして望ましい締め付け力のかなりの部分を顎要素の係合面に与える設計または用途があり得る。そのような場合、弾性ヒンジは、引張構造の一部を形成する。
【0166】
弾性ヒンジがそのようなものとして十分な締め付け力を顎要素の係合面に与える設計または用途もさらにあり得る。そのような場合、弾性ヒンジは、引張構造を形成する。
【0167】
弾性ヒンジは、第1および第2の顎要素21、23の間に存在するキャリアのすべての実施形態において施され得る。
【0168】
図9の実施形態において、それぞれの顎要素21、23は、突起部65を備える。2つの突起部は、保持スロット25の保持部分が最小幅を有するときに互いに当接する。突起部65は、保持スロット25の保持部分が狭くなりすぎるのを防ぐ。
【0169】
図9に示されている実施形態では、第1および第2の顎要素21、23は、単一材料片から、例えば、金属板のレーザー切断または水ジェット切断によって、まとめて作ることができる。
【0170】
図9の実施形態において、引張構造は、引張ロッド40*を備える。これは、金属(例えば、バネ鋼、ステンレス鋼、またはステンレスバネ鋼)から作ることができるが、代替的に、エンジニアリングプラスチック(カーボンファイバーなどの、補強材を含むもの、または含まないもの)、またはゴムから作ることができる。
【0171】
引張ロッド40*は、第1の端部および対向する側部上の第2の端部を有し、これらの2つの端部のそれぞれは、目47を備える。それぞれの顎要素21、23上に、支持材48が存在する。それぞれの目47は、支持材48を受け入れる。これにより、第1および第2の顎要素21、23が互いに対して相対的に回転するとしても、引張ロッドは張力のみを受けたままであることを確実にする。したがって、この実施形態では、引張構造39は、目と支持材を有する引張ロッド40*を備える。使用時に、引張ロッドは、顎要素21、23が互いに対して相対的に移動すると変形し、支持材は、変形しないか、または変形は少なくともごくわずかである。したがって、この実施形態における支持材は、引張構造39内で剛体として、または半剛体要素として働く。
【0172】
引張ロッド40*を有する引張構造は、本発明によるキャリアの開示されているすべての実施形態において、単独で、または他の引張構造と組み合わせて、施され得る。
【0173】
本発明のいくつかの実施形態では、オーバーヘッドコンベヤーまたは他の種類のコンベヤーの台車は、引張構造に接続され得る。
図9の実施形態において、例えば、支持材48は、これらが引張ロッド40*の上に延在する長さのものとすることができ、次いで、台車はこれらの支持材に接続され得る。あるいは、台車は、引張ロッド40*それ自体に接続され得る。その場合、引張ロッド40*が、顎要素21、23からある程度の距離のところに配置構成されている場合に有利である。
【0174】
図10は、本発明のさらなる実施形態を示す。
図10の実施形態において、第1および第2の顎要素21、23を接続する弾性ダム64を備える弾性ヒンジ30が図示されているが、他の実施形態も可能である。
【0175】
図10の実施形態において、第2の顎要素23は、2つのアバットメント67を備えている。第1の顎要素21は、2つの調節器支持材66を有し、これを通して調節ネジ68、69が配置構成される。調節ネジ68、69は、ヒンジ30の対向する側部上にある。調節ネジ68、69の位置を調節器支持材66およびアバットメント67に関して設定することによって、保持スロット25の保持部分26の最小および最大幅が設定される。第1の調節ネジ68は最小幅を決定し、第2の調節ネジ69は最大幅を決定する。第1および第2の顎要素21、23が互いに対して相対的に移動すると、保持スロット25の保持部分26の最小幅に達したときに第1の調節ネジ68の端部が第2の顎要素23上のアバットメント67と係合する。保持スロット25の保持部分26の最大幅に達したときに第2の調節ネジ69の端部が第2の顎要素23上のアバットメント67と係合する。
【0176】
調節ネジ68、69により、最小幅および最大幅を所望の値に設定することができる。
【0177】
図10に示されている最小および最大幅の設定および調節を可能にする配置構成も、本発明によるキャリアの他の実施形態と組み合わせて適用することができる。
【0178】
図11は、本発明のさらなる実施形態を示す。
【0179】
図11の実施形態において、キャリア20は、参照番号75によって概略が示されている、台車に枢動可能に接続される。台車はオーバーヘッドコンベヤーのトラック11に沿って走り、このトラック11は
図11の断面図に示されている。
図11のキャリアは、本出願で開示されているキャリア実施形態のうちのいずれかであるものとしてよい。
【0180】
図11の実施形態において、キャリア20は、トラック11に相対的なキャリア20の位置および/または向きを制御するための制御要素を備えている。
【0181】
図11の実施形態において、制御要素は、カムローラー71である。カムローラー71は、カムローラー支持材72を使って顎要素のうちの1つに装着される。
【0182】
図11の実施形態は、静止ガイド73をさらに備え、これはトラック11の少なくとも一部に隣接して配置構成される。
図11の実施形態において、静止ガイドは、カムトラック74を備えている。静止ガイド73は、オーバーヘッドコンベヤーが静止ガイド73が配置構成されている隣接するトラック11の部分に沿ってキャリア20を移動するときにキャリアのカムローラー71がカムトラック74内を走り、カムトラック74と連携するようにトラック11に対して相対的に配置構成される。カムトラック74は、カムローラー71およびそれとともにキャリア20の移動を制御する。例えば、キャリアは、台車に関して所定の角度または向きに保持される。それに加えて、台車は、例えば
図15に示されている種類のインデックス機構を備え、これにより、キャリア20は、縦軸を中心として回転することもできる。
【0183】
また、本発明によるキャリアの他の実施形態では、静止ガイドと組み合わせたカムローラーが施され得る。特に、ブラケットが引張構造として、例えば、
図13および
図14の実施形態に示されているように使用される場合、カムローラーがブラケット上に取り付けられ(met mounted)得る。
【0184】
図12は、本発明のさらなる実施形態を示す上面図である。
図12の実施形態において、キャリア20は、ロック要素80を備えている。
図12の実施形態において、ロック要素80は、レバーである。レバーは、枢軸81の周りに第2の顎要素23に関して枢動可能である。ロック要素80は、圧縮バネ82によるバネ仕掛けである。
【0185】
ロック要素80は、保持スロット25上に部分的に延在し、それにより、保持スロット25を局所的に狭める。これは、保持スロット25内の枝肉または枝肉の部位の保持を助ける。
【0186】
ロック要素は、代替的に、第2の顎要素23上に装着されているロック要素の代わりに、またはそれに加えて、第1の顎要素上に装着され得る。
【0187】
ロック要素は、
図12に示されている特定の実施形態と異なる、本発明によるキャリアの他の実施形態と組み合わせて施され得る。
【0188】
図13は、本発明によるキャリア20のさらなる実施形態を示す。
【0189】
図13の実施形態において、引張構造39は、ブラケット140を備える。
【0190】
図13の実施形態のブラケット140は、2つの直立した脚部142a、bを備える。一方の脚部142aは、接続ゾーン143aのところで第1の顎要素21に接続され、他方の脚部142bは、接続ゾーン143bのところで第2の顎要素23に接続される。
図13の例において、脚部142は、接続ゾーン143a、bのところで顎要素21、23に溶接されるが、代替的に、接続部の一方または両方は、顎要素が引張構造の脚部に関して枢動可能であるようなものとすることが可能である。望ましい場合には、引張構造の脚部は、顎要素に解放可能に接続される。
【0191】
顎要素21、23からある距離のところで、直立脚部142a、bは、横木141の形の接続ピースによって互いに接続される。
図13の実施形態において、脚部142a、bおよび横木141は、実質的に矩形の断面を持つ棒である。あるいは、脚部および/または横木の断面は、異なる形状を有することも可能である。
【0192】
顎要素21、23が互いに対して相対的に移動した場合に、第1の脚部の接続ゾーンは第1の顎要素とともに移動し、第2の脚部の接続ゾーンは第2の顎要素とともに移動する。これにより、ブラケットが変形する。ブラケットがこの変形に対して行う抵抗は、キャリア内に枝肉または枝肉の部位を保持するための顎要素への締め付け力となる。
【0193】
図13の実施形態において、ブラケット140は、モノリシック構造である。これは、単一部品から作られるか、または帯状、ロッド状、または板状の部品を溶接して繋ぎ合わせることで作られるものとしてよい。好ましくは、ブラケットは、ブラケット内に機械的応力を誘発することなくブラケットの部品を互いに対して相対的に移動させることができるヒンジ、スライド、または他の構成部品を備えない。好ましくは、顎要素の相対的移動によって誘発されるブラケットの変形のいずれかは、ブラケット内の材料応力のレベルの変化を誘発する。
【0194】
追加の特徴として、横木141は、例えば、カムローラー(例えば、
図11に示されているような)を嵌合させることが可能な穴144を備えている。直立脚部142a、bの穴145a、bは、キャリアを台車に接続するために使用され得る。
【0195】
図13A、
図13B、および
図13Cは、
図13の実施形態の変更形態を示す。これらの変更形態では、接続ピースは、ここでは横木141として具現化されており、ブラケットの脚部142a、bと異なる材料から作られたものである。接続ピース141は、プラスチック、例えば、POMまたはPAから作られるが、ブラケットの脚部は、ステンレス鋼から作られる。
【0196】
図13Aの実施形態において、接続ピース141は、ブラケット140の脚部142a、bの外側に接続される。この接続は、例えば、接続ピースを脚部にボルト締めすることによって得られる。
【0197】
図13Bおよび
図13Cの変更形態では(
図13Cは、
図13Bの実施形態の側面図である)、プラスチック製接続ピース141(ここでもまた横木として具現化されている)は、脚部142a、142bの内側に接続される。
【0198】
図13Bおよび
図13Cは、接続ピース141に接続されているカムローラー71も示している。このようなカムローラーも、もちろん、例えば
図13または
図13Aの実施形態の接続ピースに取り付けることができる。
【0199】
図13Aおよび
図13B/
図13Cの実施形態において、弾性変形は、もっぱら、接続ピース141内で生じる。脚部142a、142bの変形度合いはかなり小さい。これは、ブラケットの疲労寿命に対して有利であり得る。
【0200】
図13B/
図13Cの実施形態において、顎要素21、23は、例えば
図13Aの実施形態と比較して狭められており、脚部142a、bは、インデックス板86に接続するように外向きに曲げられる。狭い顎要素21、23は、本出願で示されているすべての実施形態と組み合わせて使用され得る。
【0201】
図13、
図13A、および
図13B/
図13Cの実施形態において、顎要素21、23は、ヒンジ30によって互いにヒンジで動くように接続される。あるいは、顎要素は、スライド、バネ(例えば、板バネ)によって、またはブラケットのみを通して接続することも可能である。
【0202】
図14は、本発明によるキャリアのさらなる実施形態を示す。
図14Aはこの実施形態の斜視図であり、
図14Bおよび
図14Cはこの実施形態を下から見た図である。
図14Bでは、保持スロット26の保持部分は、最小幅を有し、
図14Cでは、保持スロット25の保持部分26は、最大幅を有する。
【0203】
図14の実施形態において、顎要素21、23は、POMまたはナイロン(例えば、PA6またはPA6.6)などのエンジニアリングプラスチックから作られる。顎要素21、23の間に弾性ヒンジ30が存在する。2つの顎要素21、23とヒンジ30は単一のモノリシックピースである。このモノリシックピースは、射出成形するか、または材料のソリッドブロックから機械加工することによって製造され得る。
【0204】
弾性ヒンジ30は、ダム64を備える。
図14の実施形態において、ダム64は、S字形である。S字形の端部のみが顎要素に接続され、一端が第1の顎要素21に、他端が第2の顎要素23に接続される。2つの顎要素21、23および弾性ヒンジ30を備えるモノリシック部品では、第1の顎要素と第2の顎要素との間の接続のみが、S字形ダム64を介する。
【0205】
図14に示されている実施形態では、引張構造39は、
図13に示されている種類のブラケット140である。ブラケット140は、ボルト148で顎要素21、23に接続される。ボルト148は、ブラケット140の接続ゾーン143a、bがこれらがボルト締めされている各顎要素21、23とともに全自由度で移動するようにきつく締め付けることができる。あるいは、ボルト148は、かなり緩く嵌合され、接続ゾーン143a、bが嵌合されている各顎要素21、23が接続ゾーン143a、bに関して枢動できる。
【0206】
ブラケット140は、穴145a、bを介してオーバーヘッドコンベヤーシステムの台車に接続され得る。望ましい場合には、カムローラーを横木141の穴144に嵌合することができる。
【0207】
代替的一実施形態では、異なる種類の引張構造、例えば、弾性棒が使用され得る。用途によっては、弾性ヒンジ30は、顎要素の係合面に十分な締め付け力を与え、したがって、弾性ヒンジ30それ自体が引張構造を形成する。
【0208】
図14Bは、キャリアによって保持されている枝肉または枝肉の部位がない場合の
図14Aのキャリアの底面図である。ブラケット140は、2つの顎要素21、23を互いの方へ付勢する事前引張力をもたらす。したがって、キャリア内に配置構成された枝肉または枝肉の部位がない場合、保持スロット25の保持部分26の幅は、最小幅となる。
【0209】
図14の実施形態において、それぞれの顎要素21、23は、内側アバットメント壁28a、28bおよび外側アバットメント壁29a、29bを有する。第1の顎要素21の内側アバットメント壁28aは、第2の顎要素23の内側アバットメント壁28bに面している。第1の顎要素21の外側アバットメント壁29aは、第2の顎要素23の外側アバットメント壁29bに面している。
【0210】
保持スロット25の保持部分26の幅が最小幅である場合、顎要素21、23の内側アバットメント壁28a、28bは互いに当接する。これは、保持スロット25の保持部分26が狭くなりすぎるのを防ぐ。外側アバットメント壁29a、bは、この状況において互いから一定距離のところにある。これは、
図14Bに示されている。
【0211】
図14Cは、枝肉または枝肉の部位1(
図14Cに概略が示されている)がキャリアによって保持される状況を示している。保持スロット25内に配置構成されている枝肉または枝肉の部位の一部または要素は大きく、これにより保持スロット25の保持部分は最大幅を有する。
【0212】
その状況では、顎要素21、23の外側アバットメント壁29a、29bは互いに当接する。これは、保持スロット25の保持部分26が広くなりすぎるのを防ぎ、それとともに、ブラケット140の伸びすぎ、さらには塑性変形すらも防ぐ。内側アバットメント壁28a、bは、この状況において互いから一定距離のところにある。
【0213】
図15は、キャリア20が台車75に装着されている本発明の一実施形態を示す。
【0214】
図15の実施形態において、台車75は、弾性棒40と係合する接続ブロック85を有する。接続は、適宜、キャリア20が接続ブロック85に関して枢動できるような接続である。弾性棒40の中央部分が接続ブロック85を貫通すると、弾性棒40の中央部分は、顎要素21、23が互いに対して相対的に移動したときにたわみを生じない。それとともに、この実施形態では、棒40は、実質的に一定の断面を有しているとしても部分的に弾性的な棒のように振る舞う。
【0215】
図15の例において、台車は、インデックス板86をさらに備える。インデックス板86および接続ブロック85は、台車75の他の部分に関して軸90の周りに回転可能である。これらは、インデックス板86上で係合するインデックス機構によってもたらされ得る複数の所定の位置を有する。インデックス機構は、一般的に、台車75が走るオーバーヘッドコンベヤーのトラックに隣接して配置構成される。
【0216】
図15の台車75は、案内車87、および台車75をオーバーヘッドコンベヤーの駆動チェーン上に締め付けるチェーンクランプ88をさらに備える。台車は、オーバーヘッドコンベヤーのトラックに沿って走る台車の車輪89をさらに備える。
【0217】
本発明によるキャリアの説明されている実施形態はどれも台車に接続することができる。例えば、
図15Aは、
図13Aおよび
図13Bのキャリアに類似するキャリアが台車75に接続されるさらなる実施形態を示している。
図15Aの台車75は、
図15の台車に類似しているが、
図15Aの台車75は、
図15の台車が有している案内車87を有していない。
【0218】
図15Aの実施形態において、ブラケット140は、台車75にヒンジで動くように接続される。これは、台車75の輸送方向に平行な水平軸の周りで台車に関して枢動することができる。カムローラー71は、水平面に関して顎要素の角度を制御するために用意されている。
【0219】
図16は、処理ステーション15を含む本発明の一実施形態を示す。この処理ステーション15において、何人かの作業員が、輸送方向Tにオーバーヘッドコンベヤー10を使って処理ステーションを通して移動される枝肉の部位1に少なくとも1つの処理工程を実行する、例えば1つまたは複数の切り込みを入れる。
【0220】
オーバーヘッドコンベヤー10は、トラック11上で台車75を駆動する駆動チェーン12を備える。台車75はキャリア20を運ぶ。キャリア20は、本出願で開示されているキャリア実施形態のうちのいずれかであるものとしてよい。
【0221】
処理ステーション15で処理される枝肉の部位1は、キャリア20内に保持される。
【0222】
図17〜
図41は、本発明のさらなる実施形態を示す。同一の参照番号は類似の要素を示す。
【0223】
図17において、顎要素21、23は、入口部分27と保持部分26との間の保持スロット25を局所的に狭める丸みのある突起部33を備えている。これらの突起部33は、枝肉の部位がキャリアから不用意に外れないようにする追加の固定手段である。弾性棒40は、曲げられたロッドから作られ、端部41、42は、ヒンジ30の前の位置で顎要素に接続される。
【0224】
図18の実施形態において、弾性棒40の端部41、42は、保持スロット25に隣接する、ヒンジ30の前の位置で顎要素に接続される。顎要素21は、弾性棒40の第1の端部41に関して枢動可能であるか、または他の何らかの形で移動可能であるものとしてよい。顎要素23は、弾性棒40の第2の端部42に関して枢動可能であるか、または他の何らかの形で移動可能であるものとしてよい。あるいは、端部41、42は、各顎要素21、23に関して固定される。
【0225】
図19は、本発明の一実施形態の正面図である。
【0226】
図20は、本発明の一実施形態の上面図である。
【0227】
図21は、本発明の一実施形態の側面図である。
【0228】
図22の実施形態において、弾性棒40は、前方に曲げられる。弾性棒の中央部分44は、保持スロット25の保持部分26の上に配置構成される。弾性棒の端部41、42は、ヒンジ30の直前に配置構成される。あるいは、これらは、ヒンジ30に沿って配置構成されるか(第1の端部41から第2の端部42まで引かれた直線で、またはヒンジ30はこの直線上にあるか、または隣接する)、またはヒンジ30の直後に配置構成される。
【0229】
図23および
図24の実施形態では、弾性棒40の中央部分44は、第1および第2の端部41、42に隣接する垂直部分45*より大きい直径を有する。適宜、弾性棒40は、直径が垂直部分45*のより小さい直径から中央部分44のより大きい直径まで徐々に変化する部分49を備える。適宜、これらの部分49は、中央部分44に隣接して配置構成される。
【0230】
図23の実施形態において、弾性棒40の端部41、42は、ヒンジ30の直前の位置で顎要素に接続される。あるいは、これらは、ヒンジ30に沿って、またはヒンジ30の直後に配置構成され得る。弾性棒40は、適宜中央部分44が保持スロット25の保持部分26の上に来るように前傾になる。
【0231】
図24の実施形態において、弾性棒40の端部41、42は、保持スロット25に隣接する、ヒンジ30の前の位置で顎要素に接続される。
【0232】
図25の実施形態において、顎要素21は、弾性棒40の第1の端部41に関して枢動可能である。顎要素23は、弾性棒40の第2の端部42に関して枢動可能である。ブッシュ51またはベアリングは、適宜、各顎要素21、23に関して弾性棒40の端部41、42の枢動を円滑にするために備えられる。
【0233】
図26は、顎要素21が弾性棒40の第1の端部41に関して枢動可能であり、顎要素23が弾性棒40の第2の端部42に関して枢動可能である一実施形態の上面図である。ブッシュ51またはベアリングは、適宜、各顎要素21、23に関して弾性棒40の端部41、42の枢動を円滑にするために備えられる。陥凹部36のリップ部35は、保持スロット25が狭すぎたり広くなりすぎたりするのを防ぐために用意されている。
【0234】
図27は、円形または実質的に円形の断面を持つ曲げられたロッドから作られた弾性棒40を備える一実施形態を示している。アタッチメントピース75'は、キャリアを台車または他の構造物に接続するために用意されている。
【0235】
図28は、さらなる実施形態を示している。この実施形態では、顎要素21、23は、比較的狭い。これにより、キャリアは、垂直平面内だけでなく水平面内でもきつい曲がりおよびカーブがあるトラックを辿ることができる。横木141は、プラスチック、好ましくは、エンジニアリングプラスチックから作ることができる。横木141は、ポリマープラスチックから作ることができる。横木141は、この実施形態ではブラケット140の脚部142a、142bの内側に接続される。あるいは、これらの脚部の外側に取り付けることも可能である。
【0236】
図28の実施形態において、キャリア20は、台車(図示せず)のインデックス板86に関して枢動可能である。カム従動子71は、相対的枢動を制御するように適合される。
【0237】
図29は、本発明のさらなる実施形態を示す。
【0238】
図30は、本発明の一実施形態の上面図である。
【0239】
図31は、本発明の一実施形態の側面図である。
【0240】
図32は、本発明の一実施形態の正面図である。
【0241】
図33は、本発明のさらなる実施形態を示す。ブラケットは、ボルト148を使って顎要素21、23に接続される。
【0242】
図34は、本発明の一実施形態の上面図である。
【0243】
図35は、本発明の一実施形態の側面図である。
【0244】
図36は、本発明の一実施形態の正面図である。
【0245】
図37は、本発明のさらなる実施形態を示す。
図28の実施形態と同様に、顎要素21、23は、かなり狭い。脚部142a、142bは湾曲している。横木141は、脚部142a、142bの外側に接続される。あるいは、これらの脚部の内側に取り付けることも可能である。横木141は、プラスチック、好ましくは、エンジニアリングプラスチックから作ることができる。横木141は、ポリマープラスチックから作ることができる。
【0246】
図37の実施形態において、適宜、キャリア20は、台車75のインデックス板86に関して枢動可能である。オプションのカム従動子71は、この相対的枢動を制御するように適合される。台車75は、適宜、例えば台車75を誘導する、またキャリア20を台車75に取り付けるための、台車要素76を備える。
【0247】
図38は、
図37の実施形態に類似している一実施形態を示している。
【0248】
図39は、さらなる実施形態の側面図である。台車75は、一部のみ示されている。
【0249】
図40は、さらなる実施形態を示している。
【0250】
図41は、さらなる実施形態の側面図である。台車75は、一部のみ示されている。