特許第6185583号(P6185583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6185583可撓性マットレス支持体を備えた関節式ベッド
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185583
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】可撓性マットレス支持体を備えた関節式ベッド
(51)【国際特許分類】
   A61G 7/015 20060101AFI20170814BHJP
   A61G 7/005 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A61G7/015
   A61G7/005
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-523299(P2015-523299)
(86)(22)【出願日】2013年7月19日
(65)【公表番号】特表2015-522379(P2015-522379A)
(43)【公表日】2015年8月6日
(86)【国際出願番号】US2013051400
(87)【国際公開番号】WO2014015320
(87)【国際公開日】20140123
【審査請求日】2016年6月15日
(31)【優先権主張番号】61/673,878
(32)【優先日】2012年7月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512261584
【氏名又は名称】エルゴモーション,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ERGOMOTION,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】クレネット,アラン
【審査官】 中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平02−305556(JP,A)
【文献】 実開平06−050633(JP,U)
【文献】 米国特許第06276011(US,B1)
【文献】 米国特許第07540048(US,B2)
【文献】 特開平11−089672(JP,A)
【文献】 特開平09−266830(JP,A)
【文献】 特開平04−102408(JP,A)
【文献】 特表2006−526439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 7/00− 7/16
A47C 7/00− 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
関節式ベッドにおいて、
側部フレーム部材(14)と前記側部フレーム部材間に延びる剛性クロスフレーム部材16とを有するフレームと、
前記剛性クロスフレーム部材に固定された可撓性支持部材(12)と、
前記可撓性支持部材の上体部分(13)を支持体と係合させる支持アーム(20)であり、前記側部フレーム部材との整合位置から、前記上体部分を持ち上げ位置で角度を持って支持する完全上昇位置までの動作範囲にわたって回動可能である前記支持アーム(20)と、
前記可撓性支持部材の大腿部分(15)と脚部分(19)との中間に位置する膝位置で前記可撓性支持部材に係合する脚部分調節部材(24)であり、前記側部フレーム部材との整合位置から、前記大腿部分および前記脚部分の角度位置決めによる上昇箇所に前記膝位置を配置する完全上昇位置までの動作範囲にわたって回動可能である前記脚部分調節部材(24)と
を含み、
前記支持体が、前記支持アーム上で移動可能な複数のシャトル(22)により構成されることを特徴とする関節式ベッド。
【請求項2】
請求項1に記載の関節式ベッドにおいて、前記可撓性支持部材の腰部分での調節可能な変形のために前記可撓性支持部材に係合する腰部支持要素(32)を更に含むことを特徴とする関節式ベッド。
【請求項3】
請求項に記載の関節式ベッドにおいて、前記腰部支持要素が、前記支持アーム間に延びる回動可能なカム要素を含み、かつ、前記可撓性支持部材の変形を伴わない第1の位置から前記腰部で前記可撓性支持部材を外側に変形させる第2の位置に選択的に回動可能であることを特徴とする関節式ベッド。
【請求項4】
請求項1に記載の関節式ベッドにおいて、頭部分の前記角度を調節するために前記可撓性支持部材に係合する首角度調節要素(34)を更に含むことを特徴とする関節式ベッド。
【請求項5】
請求項に記載の関節式ベッドにおいて、前記首角度調節要素が、前記支持アーム間に延びる回動可能なカム要素を含み、かつ、前記支持アームと面一の第1の位置から、前記支持アームから外側に延びて前記可撓性支持部材の前記頭部分が前記上体部分の残り部分と角度関係をなすように付勢する第2の位置に選択的に回動可能であることを特徴とする関節式ベッド。
【請求項6】
請求項に記載の関節式ベッドにおいて、前記回動可能なカム要素が、スプラインシャフトによる前記第1の位置から前記第2の位置への共同回動のために前記シャフトに装着された複数のカムセグメントを含むことを特徴とする関節式ベッド。
【請求項7】
請求項に記載の関節式ベッドにおいて、前記回動可能なカム要素が、スプラインシャフトによる前記第1の位置から前記第2の位置への共同回動のために前記シャフトに装着された複数のカムセグメントを含むことを特徴とする関節式ベッド。
【請求項8】
請求項に記載の関節式ベッドにおいて、前記回動可能なカム要素が、前記スプラインシャフトに装着された回動レバーを更に含むことを特徴とする関節式ベッド。
【請求項9】
請求項に記載の関節式ベッドにおいて、前記回動可能なカム要素が、前記スプラインシャフトに装着された回動レバーを更に含むことを特徴とする関節式ベッド。
【請求項10】
請求項1に記載の関節式ベッドにおいて、前記可撓性支持部材を貫通して延びかつ前記可撓性支持部材を固定するために前記剛性クロス部材に係合するボルトを備えた円板を更に含むことを特徴とする関節式ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「ARTICULATING BED WITH FLEXIBLE MATTRESS SUPPORT」という表題で2012年7月20日に出願され、本出願と共通の譲受人を有する米国仮特許出願第61673878号明細書の優先権を主張するものであり、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、一般に、調節可能なベッドの分野に関し、より詳細には、可撓性マットレス支持体とともに一体の調節可能な腰部支持体と頭部角度調節装置とを有する関節式ベッド用の構造に関する。
【背景技術】
【0003】
関節式ベッドは、患者をリクライニング姿勢、座った姿勢、脚を上げた姿勢、またはこれらを組み合せた姿勢に位置決めできるようにするために、病院や医療施設で長い間使用されてきた。関節式ベッドの一般的な利用は、読書、全身のリラックスまたは睡眠のためにベッドを所望の位置に調節することから得られる快適さおよび便利さゆえに急速に普及している。
【0004】
このような関節式ベッドの機械構造および駆動機構は、マットレスと占有者の両方の重量を支持できなければならない。マットレスのサイズ、重量、製造材料および構成、ならびに支持構造のために、システムにおける剛性を維持することが困難な場合もある。典型的な関節式ベッドは、個々に有効であるか複合作動によるかのいずれかの、上体位置決め要素および大腿/下脚位置決め要素を提供する。しかしながら、関節式要素は、典型的には縦寸法と横寸法の両方に延びる剛性要素である。これらの剛性要素は、マットレスの形状を制限し、ベッド内に人間工学的に理想的ではない領域を作り出す場合がある。
【0005】
関節式ベッドシステムの1つの顕著な欠点は、上体位置決め要素と下脚位置決め要素の両方を上昇させたときに、望ましくない腰部歪みをもたらし得る湾曲姿勢で下背部を位置決めする傾向である。腰部位置決め要素または腰部支持要素が提案されている。しかしながら、調節要素は、マットレスを不利な位置に再配置する、歪める、または損傷する傾向がある。
【0006】
同様に、上体位置決め要素が上昇位置にある大部分の関節式ベッドでの頭部角度は、頭部と本体の直線的な整合ゆえに満足できるものではない。ヘッドレストも利用可能であるが、上昇位置では上体部分関節式要素が露出されるので、作動システムが複雑であるかまたは見栄えが悪いことが分かる部分とマットレスの上体部分との角度関係を作り出すための調節システム
【0007】
それゆえ、可撓性マットレス支持部材を有するとともに、マットレスによる干渉が低減された腰部支持調節装置と簡単かつ目立たない作動要素を備えた頭部分調節装置とを提供する関節式ベッドを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に開示する実施形態は、側部フレーム部材と側部フレーム部材間に延びる剛性クロスフレーム部材とを有するフレームを組み込んだ関節式ベッドであり、剛性クロスフレーム部材に固定された可撓性支持部材を利用する関節式ベッドを提供することにより、従来技術の欠陥を克服する。支持アームは、可撓性支持部材の上体部分を滑らかな支持体と係合させ、かつ、側部フレーム部材との整合位置から、上体部分を持ち上げ位置で角度を持って支持する完全上昇位置までの動作範囲にわたって回動可能である。脚部分調節部材は、可撓性支持部材の大腿部分と脚部分との中間に位置する膝位置で可撓性支持部材に係合する。脚部分調節部材は、側部フレーム部材との整合位置から、大腿部分および脚部分の角度位置決めによる上昇箇所に膝位置を配置する完全上昇位置までの動作範囲にわたって回動可能である。
【0009】
本発明のこれらおよび他の特徴ならびに利点は、添付の図面に関連して考慮されるとき、以下の例示的な実施形態の詳細な説明を参照することにより、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、側部支持体がなくかつ可撓性部材が平坦でない調節可能なベッドシステムの側面図である。
図2図2は、ベッドの下からの透視図である。
図3図3は、固定円板を示す、可撓性部材が平坦であるベッドの上面透視図である。
図4図4は、上体部分が持ち上げられた調節可能なベッドシステムの側面図である。
図5図5は、頭部分が持ち上げられたベッドの透視図である。
図6図6は、頭部分と脚部分が持ち上げられたベッドの側面図である。
図7図7は、頭部分と脚部分が持ち上げられたベッドの透視図である。
図8図8は、頭部分と脚部分が持ち上げられ、マットレスが適所に位置するベッドを隠れ線で示す側面図である。
図9図9は、マットレスが適所に位置する透視図である。
図10図10は、頭部調節装置と腰部調節装置を作動させたベッドを隠れ線で示す側面図である。
図11図11は、頭部調節装置と腰部調節装置を作動させた透視図である。
図12図12は、マットレスが設置された、図11と同様の透視図である。
図13A図13Aは、カム要素用の例示的な構成部品の等角図である。
図13B図13Bは、回動レバーが組み込まれたカム要素の等角図である。
図14A図14Aは、カム要素用の代替的なケーブル作動システムの等角図である。
図14B図14Bは、図14Aの組み立てられたカム要素の等角図である。
図14C図14Cは、ケーブル作動システム用のアクチュエータ装置の側面図である。
図15図15は、支持アームのシャトルの代替的な実施形態である。
図16図16は、腰部支持形状を拘束するために種々の位置にあるシャトルの側面図である。
図17図17は、脚部分調節装置の代替的な実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面に示し本明細書で説明する実施形態は、剛性の個々の支持プラットフォームを排除しかつマットレス用の可撓性支持部材を使用する関節式ベッド用の作動システムを提供する。図面を参照すると、図1および図2は、(後の図に示す)マットレスを支持する可撓性支持体または可撓性部材12を組み込んだ調節可能なベッドシステム10を示している。例示的な実施形態における可撓性支持体は、耐火性(FR)である繊維強化プラスチック(FRP)の1/8インチのシートである。側部フレーム部材14は、FRPを貫通して延びるボルトを備えた板または円板18(図3で最も良く分かる)を用いて可撓性部材12が固定されるクロス部材16を支持する。回動可能な上体支持アーム20は、可撓性支持部材12の上体部分13をベッドの上端に向けて支持する。可撓性支持部材12は、支持アームの動作中にそれ自身を再配置するために支持アーム20上に滑らかに支持される。1つの例示的な実施形態において、支持アーム20上に支持されるシャトル22は、可撓性支持部材12に取り付けられる。脚部分調節部材24は、可撓性支持部材12の大腿部分15と下脚部分19との間の利用者のほぼ膝位置25で可撓性支持部材に接触するように位置決めされる。側部フレームは、平坦状態にある可撓性支持部材12の縁部を受け入れる差込部を含み得る。
【0012】
図4および図5で分かるように、可撓性支持部材12の上体部分13は、側部フレーム部材14まで延びるとともに側部フレーム部材14により支持された軸26を中心に上体支持アーム20を回動させることにより、持ち上げることができる。支持アーム20上の作動レバー21は、回動のためにアクチュエータ23に取り付けることができる。シャトル22は、後により詳細に説明するように、腰部角度調節要素および首角度調節要素の伸展を含むマットレスの適切な形状の形成のために、可撓性支持部材12の所望の箇所での支持アームとの接触を維持するように支持アーム20に沿って往復移動する。
【0013】
図6および図7に示すように、利用者の膝位置で可撓性支持部材12を持ち上げる脚部分調節部材24は、軸28を中心に回動させることができる。可撓性支持部材12は、脚部分調節部材24にもたせ掛けられた大腿部分15と下脚部分19との中立位置を求める回動させた脚部分調節部材上で屈曲する。可撓性支持部材12は、剛性クロス部材16に固定された部材の中央での自然な屈曲に基づいて、ベッドの上体部分13と大腿部分15/下脚部分19の両方で滑らかな湾曲を形成する。図8および図9は、マットレス30が可撓性支持部材12上に載置された、上体部分と脚部分の両方に関して作動位置にあるベッドを示している。従来技術のベッドでは、マットレスは、関節位置において支持台から持ち上がる傾向がある。可撓性支持部材12は、支持部材上のマットレスの位置決めをより良く維持するために、関節の角度に自然な輪郭を形成する。加えて、「Mattress Retainer System for an Adjustable Bed」という表題の、本出願と共通の譲受人を有する米国特許出願第13/367,616号明細書(その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されている保持具などのマットレス保持具は、マットレスを可撓性支持部材12に頭部と足部で拘束するために使用することができる。
【0014】
追加的に、可撓性支持部材12の可撓性により、腰部支持および頭部角度位置のために特定の輪郭形成要素を追加することが可能となる。図10および図11に示すように、腰部位置決め要素は、腰部分33で可撓性支持部材12を外側に屈曲させるために回動させる、上体支持アーム20間に取り付けられた回動可能な第1のカム要素32により提供される。図12に示すように、マットレス30は、利用者の背中の腰部領域に緩やかに湾曲した更なる支持を与える屈曲位置をとる。同様に、首角度調節要素は、利用者の頭部に更なる傾斜支持を与えるために、頭部分35で可撓性支持部材12を外側に屈曲させるために回動可能である、上体支持アーム20間に取り付けられた回動可能な第2のカム要素34により提供される。
【0015】
カム要素32、34は、関節式ベッド用の所望の幅のカム要素を作るためにスプラインシャフト38に装着される(図13Aに示すような)多数のカムセグメント36から形成することができる。スプラインシャフトを受け入れるように適合された回動レバー40は、図13Bに示すような、アクチュエータへの取り付けのための所望の箇所においてカム要素に点在させることができる。代替的な実施形態において、1つのカムセグメントは、回動レバーを一体化することができる。スプラインシャフトの回動により多数のカムセグメントの共同回動が生じる。追加的に、カムセグメント36はスプラインシャフトの全幅にわたって延びるものとして図面に示されているが、腰部角度調節カム要素または首角度調節カム要素を可撓性支持部材12の一部または選択された部分、ひいてはマットレスに係合するように調整するために、カムセグメント36をシャフトの幅の一部のみの上に位置決めすることができる。
【0016】
カム要素の作動は、代替的な実施形態において図14A図14Cに示すような鞘付きケーブル50を使用して達成される。カムセグメント36は、ケーブル50の端部上のキー52をレリーフ54内に係合させる。横溝56は、キーをレリーフ内に設置できるようにし、その一方で、隣接する縦溝58は、操作用ケーブルに係合する。支持アーム20に取り付けられたケーブル用の鞘または外被55上の固定用ラグ53は、ケーブルの作動を支持する。図14Bに示すように、ケーブル50は、カムセグメントから延び、ケーブルに張力が付与されると、カムセグメントおよびスプラインシャフト38を回動させ、次に、このスプラインシャフト38が更なるカムセグメントを回動させる。ケーブルの張力の緩和により、図14Aに示すように、カムセグメントが回動して支持アーム20と面一の位置に戻ることを可能にする。カムセグメントによる可撓性支持部材12への係合が、カムセグメントと可撓性支持部材の下面との間の滑らかな表面での係合に依存し得るか、または、図14Aおよび図14Bに示すように、車輪60をカムセグメントの係合端部に含めることができる。腰部位置決め用の第1のカム要素32と頭部角度位置決め用の第2のカム要素34の両方の作動用ケーブルは、実際のカム要素から遠くに離して装着されたアクチュエータに配索することができる。カム要素の作動用ケーブルの使用により、側部フレーム部材14におけるフレーム内またはケーブルの張力付与による作動のための他の隠れた箇所内にアクチュエータ62を配置することが可能となり、図14Cに示すように、関節式ベッドの露出した構造に非常にすっきりとした外観を与える。
【0017】
腰部および首角度支持体用のカム要素32、34により可撓性支持部材12を変位させることによる形状の形成は、支持アーム20上のシャトル22の位置決めおよび拘束により達成される。図15に示すように、図1図11に示す多数のシャトルは、腰部カム要素32と首角度カム要素34との中間に位置する、各支持アーム上の単一のシャトル42に置き換えることができる。シャトル42の動作は、腰部カム要素32と首角度調節カム要素34との間で拘束され、それにより、カム要素を作動させるとカム要素上で可撓性支持部材の形状が自然と形成される。シャトル42および剛性クロス部材16での可撓性支持部材12の拘束は、図15に示すように、腰部カム要素の回動に応答して可撓性支持部材の形状を形成する。
【0018】
代替的に、腰部カム要素および首角度カム要素の調節に応答して可撓性支持部材12の特定の形状湾曲を提供する所定の範囲での支持アーム20に沿った動作のために、シャトル22aおよび22bの一方または両方を拘束することができる。一例として、図16に示すように、シャトル22bが上方の位置22b’で拘束されておらずかつ可撓性支持部材が輪郭12’で示すように平坦である腰部支持体の第1の格納位置に応答して、シャトル22aは、下方の初期位置22a’では拘束され得ない。腰部支持カム要素32を伸展位置に回動させると、シャトル22aが支持アーム20に沿って符号22a”で示す第2の位置まで引き上げられるが、輪郭12”で示す可撓性支持部材の腰部領域およびマットレスに所望の湾曲を提供するために、シャトル22aをストッパ48により上方の第2の位置で拘束することができる。同様に、シャトル22bは、腰部支持体を格納した上方の初期位置22b’では拘束されず、腰部カム要素32を回動させると、支持アーム20に沿って下方の第2の位置22b”まで引き下げられる。ストッパ51は、下方の第2の位置22b”を画定するために利用することができる。シャトル22aおよび22bの初期位置は、支持アーム20の角度により位置決めされる可撓性支持部材12の上体部分の位置に対応する。可撓性支持部材12’’’に対する例示的な第3の下方の位置22a’’’および22b’’’で示すようなシャトルの位置決めにより任意の所望の輪郭を提供するように、位置ストッパを選択することができる。
【0019】
同様に、ストッパ51は、頭部角度カム要素34の作動に応答して、シャトル22bの下方への移動を制限することができる。図16に示すように、シャトル22bは、頭部角度が可撓性支持部材の上体部分と整合した上方の初期位置22b’では拘束されない状態で存在し得る。頭部角度を上げるために頭部角度カム要素34を回動させると、シャトル22bは、シャトルの下方への更なる並進がストッパ51により拘束される下方の第2の位置22b”まで並進することができる。
【0020】
追加的に、ストッパおよびシャトルの位置決めは、位置22a’’’および22b’’’で示すように、異なるマットレスの厚さおよび/または剛性に対して腰部位置決め要素に関連する湾曲を変化させるように調節可能であり得る。
【0021】
追加的に、可撓性支持部材12を脚部分調節部材24に確実に取り付けないことにより、利用者の股関節から膝までの大腿の長さを収めるように可撓性支持部材における膝曲げの位置決めを調節することが可能となる。上体部分13を持ち上げるためにベッドの関節式構造を調節すると、利用者は自然と、マットレスに誘起された湾曲の着座姿勢になる。そして、大腿の長さは、膝曲げ箇所に所要の決定的な寸法となる。この寸法は背の高い利用者と背の低い利用者との間で大きく異なり得るため、従来のベッドはこの差異に十分に対応しない。本実施形態において、脚部分調節部材24の縦位置は、脚部分調節部材24の長さを収めるように調節することができる。代替的に、可撓性支持部材12を膝位置で持ち上げるために、図17に示すような単一のレバー作動要素66を用いることができる。アクチュエータ68により作動要素を通常の持ち上げ位置66’まで回動させることにより、その回動させた位置に、通常は膝位置にもたせ掛けられた大腿部分15および下脚部分が配置される。垂直線を越えて位置66”まで回動させることにより、剛性クロス部材16に対する膝位置の距離を短縮することが達成され、それにより、大腿部分15”の長さをより短くすることが可能となる。更に、位置66”における作動要素66の中央を越えた回動により生じる自然な高さ低下がより短い大腿の長さを補う。図17に示すように、作動要素66は、可撓性支持部材12の裏面への係合のために車輪70を利用することができる。
【0022】
特許法により要求されるように本発明の種々の実施形態をここまで詳細に説明してきたが、当業者であれば、本明細書に開示した具体的な実施形態に対する変更および置換を認識するであろう。そのような変更は、以下の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲および意図の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15
図16
図17