(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185586
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】過剰な送信機メッセージシグナリングをブロックするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20170814BHJP
H04W 76/04 20090101ALI20170814BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W76/04
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2015-524897(P2015-524897)
(86)(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公表番号】特表2015-530017(P2015-530017A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】IB2013056331
(87)【国際公開番号】WO2014020569
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2015年3月26日
(31)【優先権主張番号】61/678,791
(32)【優先日】2012年8月2日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/896,801
(32)【優先日】2013年5月17日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヤヴツ, エムル
(72)【発明者】
【氏名】ヴェンステット, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィーマン, ヘニング
【審査官】
久慈 渉
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/099387(WO,A2)
【文献】
特表2011−504020(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/060998(WO,A1)
【文献】
Research In Motion UK Limited,A Framework for Management of Background Traffic UEs,3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #77bis R2-121609,[online],2012年 3月19日,[検索日:2016.03.24],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_77bis/Docs/R2-121609.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス送信機およびワイヤレス受信機を備える、セルラ通信ネットワーク内のワイヤレスデバイスを動作させる方法であって、
前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第1の構成のためのプリファレンスを特定するステップと、
前記ワイヤレス送信機による前記第1の構成のためのプリファレンスインジケータの送信をするステップと、
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信に応答して、第1の所定の値に設定されたタイマを始動するステップと、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了するまで、前記第1の構成と異なる、前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックするステップと、
前記第2の構成のためのプリファレンスを特定するステップと、
前記第2の構成のための前記プリファレンスを示すプリファレンスインジケータを設定するステップと、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了した後、前記ワイヤレス送信機による前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信をするステップと、
前記第1の構成のためのプリファレンスを特定するステップと
前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信に応答して、第2の所定の値に設定された前記タイマを再始動させるステップと、
前記第2の所定の値に設定された前記タイマが満了するまで、前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信をブロックするステップと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の所定の値は、前記第2の構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2の所定の値に設定された前記タイマが満了した後、前記ワイヤレス送信機によって前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータを送信するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータは、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータであり、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータは、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータであり、前記ワイヤレスデバイスは、前記高電力効率構成において動作するときは、前記通常電力構成において動作するよりも動作中の消費電力が少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通常電力構成および前記高電力効率構成は、接続状態にある間の前記ワイヤレスデバイスの不連続受信動作モードのための構成である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了した後、前記ワイヤレス送信機によって前記高電力効率構成のための前記プリファレンスインジケータを送信するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータは、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータであり、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータは、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータであり、前記ワイヤレスデバイスは、前記高電力効率構成において動作するときは、動作中の消費電力がより少ない、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記通常電力構成および前記高電力効率構成は、接続状態にある間の前記ワイヤレスデバイスの不連続受信動作モードのための構成である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了した後、前記ワイヤレス送信機によって前記通常電力構成のための前記プリファレンスインジケータを送信するステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記通常電力構成のための前記プリファレンスインジケータの送信の前に、前記通常電力構成のためのプリファレンスを特定するステップと、
前記第2の所定の値に設定された前記タイマを始動するステップと、
前記第2の所定の値に設定された前記タイマが満了するまで、前記高電力効率構成のための前記プリファレンスインジケータの送信をブロックするステップと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2の所定の値に設定された前記タイマが満了した後、前記ワイヤレス送信機によって前記高電力効率構成のための前記プリファレンスインジケータを送信するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了するまで、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信をブロックするステップは、
支援情報手順を開始するステップと、
所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信をブロックすべきか、または開始すべきかを判定するために前記支援情報手順を実施するステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記支援情報手順を実施するステップは、
前記所望の電力構成のための前記プリファレンスインジケータが、前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータと異なる前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータであるか否かを判定するステップと、
前記所望の電力構成のための前記プリファレンスインジケータが前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータである場合、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了したか否かを判定するステップと、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了していない場合、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータを含む前記支援情報の送信をブロックするステップと、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了している場合、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータを含む前記支援情報の送信を開始するステップと
を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記支援情報の送信の開始に応答して、
前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータが高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータであるか否かを判定するステップと、
前記プリファレンスインジケータが前記高電力効率構成のための前記プリファレンスインジケータである場合、
前記支援情報のパワープリファレンスインジケータを、前記高電力効率構成のための前記プリファレンスインジケータに設定するステップと、
前記ワイヤレス送信機によって前記パワープリファレンスインジケータを含む前記支援情報を送信するステップと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータは、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータであり、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータは、前記高電力効率構成のための前記プリファレンスインジケータであり、前記ワイヤレスデバイスは、前記高電力効率構成において動作するときは、前記通常電力構成において動作するよりも動作中の消費電力が少ない、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1又は第2の所定の値は0以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1又は第2の所定の値は0より大きい、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
セルラ通信ネットワーク内のワイヤレスデバイスであって、
ワイヤレス送信機と、
ワイヤレス受信機と、
前記ワイヤレス送信機および前記ワイヤレス受信機と関連付けられている処理サブシステムであって、
前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第1の構成のためのプリファレンスを特定し、
前記ワイヤレス送信機によって前記第1の構成のためのプリファレンスインジケータを送信し、
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信に応答して、第1の所定の値に設定されたタイマを始動し、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了するまで、前記第1の構成と異なる、前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックし、
前記第2の構成のためのプリファレンスを特定し、
前記第2の構成のための前記プリファレンスを示すプリファレンスインジケータを設定し、
前記第1の所定の値に設定された前記タイマが満了した後、前記ワイヤレス送信機によって前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータを送信し、
前記第1の構成のためのプリファレンスを特定し、
前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信に応答して、第2の所定の値に設定された前記タイマを再始動し、
前記第2の所定の値に設定された前記タイマが満了するまで、前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信をブロックするように構成されている、処理サブシステムと
を含む、ワイヤレスデバイス。
【請求項19】
ワイヤレス送信機とワイヤレス受信機を備えるセルラ通信ネットワーク内のワイヤレスデバイスを動作させる方法であって、
前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第1の構成のためのプリファレンスを特定するステップと、
前記ワイヤレス送信機によって前記第1の構成のためのプリファレンスインジケータを送信するステップと、
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信に応答して、第2の構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する所定の値に設定されたタイマを始動するステップと、
前記タイマが満了するまで、前記第1の構成と異なる、前記ワイヤレスデバイスの前記電力消費に影響のある前記第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックするステップと、
を含む方法。
【請求項20】
ワイヤレス送信機とワイヤレス受信機を備えるセルラ通信ネットワーク内のワイヤレスデバイスを動作させる方法であって、
前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第1の構成のためのプリファレンスを特定するステップと、
前記ワイヤレス送信機によって前記第1の構成のためのプリファレンスインジケータを送信するステップと、
前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータの送信に応答して、所定の値に設定されたタイマを始動するステップと、
支援情報手順を開始するステップと、
所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータは、前記第1の構成のための前記プリファレンスインジケータと異なる、前記ワイヤレスデバイスの電力消費に影響のある第2の構成のためのプリファレンスインジケータであるか否かを判定するステップと、
前記所望の電力構成のための前記プリファレンスインジケータが前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータである場合、
前記タイマが満了したか判定するステップと、
前記タイマが満了していない場合、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータを含む前記支援情報の送信をブロックし、
前記タイマが満了している場合、前記第2の構成のための前記プリファレンスインジケータを含む前記支援情報の送信を開始するステップと、
を含む、ワイヤレスデバイスを動作させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2012年8月2日に出願された米国仮特許出願第61/678,791号、および、2013年5月17日に出願された米国非仮特許出願第13/896,801号の利益を主張し、当該特許文献の開示全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ワイヤレス送信機からワイヤレス受信機への支援情報のシグナリングに関し、より詳細には、ワイヤレス送信機からワイヤレス受信機への支援情報の過剰なシグナリングをブロックすることに関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレスデバイス間の接続の特定の構成に対する、変化するプリファレンスを示すために、メッセージが別のワイヤレスデバイスに頻繁に送信される場合がある多くのシナリオがある。1つのそのようなシナリオは、3GPP RAN2と称される第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)無線アクセスネットワーク(RAN)ワークグループ2(WG2)における多様なデータアプリケーションに対する強化(eDDA)に関する作業項目の文脈におけるものである。
【0004】
効率的な電力消費が、セルラ通信ネットワーク内のワイヤレスデバイス(たとえば、ユーザ機器(UE)、ユーザ要素と称されることがある)の重要な特性の1つである。今日のデジタル世界において、ワイヤレスデバイスは、特にソーシャルネットワーキングアプリケーションの人気に起因して、セルラ通信ネットワークに常時「接続」されている傾向にある。これらのアプリケーションは通常、ビデオ電話通信またはウェブ閲覧などの、遅延敏感特性を有するトラフィックを有する他のアプリケーションとは対照的に、遅延耐性がある。ソーシャルネットワーキングアプリケーションは、通常サイズは小さいものの、相対的に高いエネルギー消費を促す手順を起動する断続的なパケット伝送を生成する。したがって、ソーシャルネットワーキングアプリケーションは、ワイヤレスデバイスの電池を頻繁に(すなわち、1日あたり1回より多く)再充電する必要があることに起因して、不便なユーザ体験を引き起こすおそれがある。
【0005】
3GPPは、進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)に関する仕様を開発しており、これはロングタームエボリューション(LTE)概念を含む。RAN2において、ソーシャルネットワーキングアプリケーションのものなどの多様なトラフィックプロファイルに対処するLTEの機能を強化することができるメカニズムを特定および規定するための、eDDAに関する作業項目(WI)が、LTEリリース11(Rel−11)において作成されている。このWIの目的は、ネットワーク効率を増大させ、UE電池寿命を延ばし、シグナリングオーバヘッドを低減し、そのようなトラフィック負荷の下でユーザ体験およびシステム性能を強化することができる改善点を特定することである。
【0006】
焦点となる領域の1つは、UEの電力消費を極力低減するために、UE挙動を変化させることである。LTE仕様の以前のリリースにおいて、タイマであって、当該タイマが満了し、送信するためのデータがなくなると、CONNECTED(接続)モードからIDLE(アイドル)モードへの切り替えを可能にするための、タイマが導入された。さらに、UEがCONNECTEDモードのままであるときに電池電力を節約するために、3GPP規格におけるLTEに不連続受信(DRX)モードが導入された。種々のタイプのサービス、たとえば、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、ゲーミング、ウェブ閲覧、およびビデオ電話通信に利用することができるDRXパラメータに利用可能な幅広い構成セットがある。DRX構成は、基地局、またはeNodeB(eNB)によって設定される。しかしながら、UEのためにDRX構成を設定すると有益であり得る、基地局において利用可能でない情報を、UEが有するシナリオがあり得る。そのため、そのような情報をUEから基地局にシグナリングするためのシステムおよび方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、第1のノードから第2のノードに支援情報を送信することに関する。特に、過剰なシグナリングを回避しながら第1のノードから第2のノードに支援情報を送信するためのシステムおよび方法が開示される。一実施形態において、第1のノードは、ワイヤレス送信機およびワイヤレス受信機を含む。ワイヤレス送信機による第2のノードへの第1の構成のためのプリファレンスインジケータの送信、または、第1の構成に対するプリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求の受信に応答して、第1のノードは、第1のノードが第2のノードへの第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可されるまでの時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する。その後、第1のノードは、タイマが満了するまで、第2のノードへの第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックする。このように、第1のノードから第2のノードへのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが回避される。
【0008】
一実施形態において、第1のノードは、セルラ通信ネットワークにおいて動作するように構成されているワイヤレスデバイスであり、第2のノードは、セルラ通信ネットワークの基地局である。またさらに、一実施形態において、第1の構成のためのプリファレンスインジケータは、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータであり、第2の構成のためのプリファレンスインジケータは、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータである。
【0009】
一実施形態において、セルラ通信ネットワークにおいて動作するように構成されているワイヤレスデバイスは、支援情報手順を開始し、所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報の、セルラ通信ネットワークの基地局への送信をブロックすべきか、または開始すべきかを判定するために支援情報手順を実施するように動作する。一実施形態において、支援情報手順を実施することは、所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータが、ワイヤレスデバイスによって基地局に送信された最新のプリファレンスインジケータと異なるか否かを判定することを含む。そうである場合、ワイヤレスデバイスは、タイマが満了しているか否かを判定する。一実施形態において、タイマは、所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報が送信される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定され、最新のプリファレンスインジケータが基地局に送信されるのに応答して始動される。タイマが満了していない場合、ワイヤレスデバイスは、所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信をブロックする。タイマが満了している場合、ワイヤレスデバイスは、所望の電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信を開始する。
【0010】
当業者は、以下の好ましい実施形態の詳細な説明を添付の図面に関連付けて読んだ後に、本開示の範囲を諒解し、その追加の態様を理解しよう。
【0011】
本明細書に組み込まれその一部を形成している添付の図面は、本開示のいくつかの態様を示し、本明細書とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態による、ワイヤレス送信機およびワイヤレス受信機を含むノードの、第2のノードへの支援情報の過剰なシグナリングを回避するための動作を示す図である。
【
図2】本開示の別の実施形態による、ワイヤレス送信機およびワイヤレス受信機を含むノードの、第2のノードへの支援情報の過剰なシグナリングを回避するための動作を示す図である。
【
図3】本開示の一実施形態による、ワイヤレスデバイスが基地局への支援情報の過剰なシグナリングを回避するように動作する、セルラ通信ネットワークの基地局およびワイヤレスデバイスを示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態による、
図3のワイヤレスデバイスの、基地局への支援情報の過剰なシグナリングを回避するための動作を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態による、
図3のワイヤレスデバイスの、支援情報手順による、基地局への支援情報の過剰なシグナリングを回避するための動作を示す図である。
【
図6】本開示の一実施形態による、
図5の支援情報手順を示す流れ図である。
【
図7】本開示の一実施形態による、
図6の支援情報手順によって開始される送信プロセスを示す流れ図である。
【
図8】本開示の一実施形態による
図3のワイヤレスデバイスのブロック図である。
【
図9】本開示の一実施形態による
図3の基地局のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
下記に記載される実施形態は、当業者が実施形態を実践することを可能にするのに必要な情報を表し、実施形態を実践する最良の形態を示す。添付の図面に照らして以下の説明を読めば、当業者は本開示の概念を理解し、本明細書において詳細には触れられていないこれらの概念の応用形態を認識しよう。これらの概念および応用形態は、本開示および添付の特許請求項の範囲内に入ることを理解されたい。
【0014】
本開示は、第1のノードから第2のノードに支援情報を送信することに関する。特に、過剰なシグナリングを回避しながら第1のノードから第2のノードに支援情報を送信するためのシステムおよび方法が開示される。本開示の実施形態を説明する前に、本明細書において開示される実施形態によって対処される1つの問題を簡潔に説明することが有益である。多くのシナリオにおいて、ワイヤレス送信機およびワイヤレス受信機を有する第1のノードが、ワイヤレス送信機およびワイヤレス受信機を有する第2のノードに、第1のノードと第2のノードとの間のワイヤレス接続に関係する第1のノードのプリファレンスの変化をシグナリングするために、情報を送信することが有益であり得る。しかしながら、第1のノードのプリファレンス(複数の場合もあり)を含む情報を第2のノードに頻繁に送信することによって、対応するワイヤレスネットワークにおいて過剰なシグナリングが発生する場合がある。ワイヤレスネットワークがそのリソースをより効率的に利用し、したがって、そのユーザにより良好なサービス体験を提供するために、そのような過剰なシグナリングを回避することが有益であるか、または、場合によっては必要である。したがって、下記に詳細に説明されるように、本明細書において開示される実施形態は、過剰なシグナリングを回避しながら、プリファレンス情報、または任意の他のタイプの支援情報を第1のノードから第2のノードに通信することができるメカニズムを提供する。
【0015】
支援情報の過剰なシグナリングが発生する場合がある1つの特定のワイヤレスネットワークは、ロングタームエボリューション(LTE)リリース11(Rel−11)および後続の仕様に従って動作するセルラ通信ネットワーク内にある。より詳細には、LTEおよびシステムアーキテクチャエボリューション(SAE)概念から構成される進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E−UTRAN)において、ワイヤレスデバイス、またはユーザ機器もしくはユーザ要素(UE)の電池寿命を延ばすことが課題であると考えられる。ワイヤレスデバイスがCONNECTEDモードのままであるときに電池電力を節約するために、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)規格におけるLTEに、強化型不連続受信(DRX)モードが導入されている。種々のタイプのサービス、たとえば、ゲーミング、ウェブ閲覧、およびビデオ電話通信にサービスすることができるDRXパラメータに利用可能な幅広い構成セットがある。DRX構成は通常、基地局、またはeNodeB(eNB)によって設定される。しかしながら、ワイヤレスデバイスが、基地局において利用可能でない情報を有するシナリオがあり得る。たとえば、ワイヤレスデバイスは、ワイヤレスデバイスのユーザが電池寿命をより長くするために遅延耐性動作を好むことを示す情報を有する場合がある。この情報は、基地局が、ワイヤレスデバイスのためにいずれのDRX構成を使用すべきかを判断するのを支援し得る。それゆえ、以下において支援情報と称されるそのような情報が基地局にとって有用であると考えられる。特に、本明細書において使用される場合、「支援情報」とは、第2のノードにとって有用であると考えられる、第1のノードには既知の任意の情報のことである。好ましい一実施形態において、支援情報は、遅延敏感または遅延耐性動作に対するワイヤレスデバイスまたはUEの意欲を示す、DRXに関するプリファレンス、および、したがってそのパワープリファレンスを示す情報である。
【0016】
第1のノードから第2のノードへのパワープリファレンスなどの支援情報の送信は、第1のノードの電池寿命の増進に有益であると考えられるが、本発明者らは、実施するためのトリガが第1のノードに委ねられており、かつ支援情報の過剰なシグナリングをブロックするためのメカニズムが設けられていない場合にプリファレンスの頻繁な変化に起因して、支援情報の過剰なシグナリングが発生する場合があることを見出した。過剰なシグナリングの結果として、第1のノードにおいて電力消費が増大するだけでなく、第2のノードにおけるシグナリング過負荷に起因してセルラ通信ネットワーク内の他のノードに対するサービス品質が悪化することになる場合もある。そのため、支援情報を基地局にシグナリングすることからもたらされる電池寿命利得から受益することを可能にするために、そのような過剰なシグナリングを回避するためのメカニズムが必要とされている。同時に、第1のノードが、そのプリファレンスが変化したことを第2のノードに適時に示すことを可能にすることも重要であり、これは、第1のノードが遅延敏感サービスまたはアプリケーションの使用を開始するときに特に重要である。
【0017】
特に、支援情報の送信は、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)セルラ通信ネットワークにおけるネットワーク構成タイマ(T323)と同様のタイマを使用して制限することができる。単にワイヤレスデバイスが所望するときにシグナリング接続を解放するのではなく、シグナリング接続を解放する前に受信機構成タイマが満了することを必要とするメカニズムが、3GPP技術仕様書(TS)25.331においてWCDMA向けに規定されている。WCDMAにおいて、このタイマは、セルラ通信ネットワークによって構成可能であり、システムブロードキャストにおいて利用可能である。タイマが満了すると、ワイヤレスデバイスはシグナリング接続解放指示メッセージを送信することができる。
【0018】
WCDMAにおいては、ワイヤレスデバイスによって送信されるべきすべてのプリファレンスインジケータメッセージが、それらの遅延に対する感度にかかわらず、同じ時間量が満了するのを待たなければならない。しかしながら、本発明者らは、いくつかのプリファレンスインジケータは遅延敏感動作に関連付けられる場合があり、それゆえ、他のプリファレンスインジケータよりも早期に送信される必要があることを見出した。たとえば、LTEにおいて、通常の、またはデフォルトの電力構成のためのDRXパワープリファレンスインジケータは遅延に敏感である(すなわち、遅延に耐性がない)場合があり、一方で、高電力効率構成のためのDRXパワープリファレンスインジケータは、遅延に敏感でない(すなわち、遅延に耐性がある)場合がある。したがって、遅延耐性(すなわち、高電力効率)動作から遅延敏感動作への切り替えは、遅延敏感動作から遅延耐性動作への切り替えと比較して優先されるべきである。そのため、後述するように、本開示の実施形態は、送信されるべき支援情報の内容に応じて異なる値に設定することができるタイマを利用して過剰なシグナリングを回避する。
【0019】
これに関連して、
図1は、本開示の一実施形態による、過剰なシグナリングを回避するように、ノード12に支援情報をシグナリングするためのノード10の動作を示す。ノード10は、ワイヤレス送信機(TX)14およびワイヤレス受信機(RX)16を含む。同様に、ノード12は、ワイヤレス送信機18およびワイヤレス受信機20を含む。後述するように、一実施形態において、ノード10は、セルラ通信ネットワークにおけるワイヤレスデバイス(たとえば、UE)であり、ノード12は、セルラ通信ネットワークの基地局である。しかしながら、ノード10および12はこれに限定されない。むしろ、ノード10および12は、ノード10からノード12へ支援情報を送信することが有益である任意のタイプのワイヤレスネットワークにおける任意のタイプのデバイスである。ここでも、支援情報は一般に、ノード12にとって有益である、ノード10に既知の任意の情報である。一実施形態において、支援情報は、ノード10とノード12との間のワイヤレス接続を構成するときに、ノード12にとって有益である、ノード10に既知の情報である。またさらに、特定の一実施形態において、支援情報は、ノード10とノード12との間のワイヤレス接続の電力構成のためのプリファレンスインジケータであるか、またはそれを含む。たとえば、プリファレンスインジケータは、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータまたは高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータであってもよい。特定の一例として、プリファレンスインジケータは、ノード10のDRX動作モードに対する通常電力構成のためのプリファレンスインジケータであってもよく、または、ノード10のDRX動作モードに対する高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータであってもよい。
【0020】
図1の実施形態において、支援情報は、ノード10とノード12との間のワイヤレス接続の所望の構成(たとえば、所望の電力構成)のためのプリファレンスインジケータである。図示のように、ノード10は、第1の構成のためのプリファレンスインジケータ(プリファレンスインジケータ1)を、ノード10のワイヤレス送信機14によってノード12に送信する(ステップ1000)。第1の構成は、ノード10とノード12との間のワイヤレス接続の第1の構成(たとえば、通常電力構成)である。図示されていないが、ノード12は、ノード10からのプリファレンスインジケータを利用して、ワイヤレス接続を再構成すべきか否かを判断する。しかしながら、ノード12はプリファレンスインジケータの受信に応答して必ずしもワイヤレス接続を再構成するとは限らないことに留意されたい。ノード12の判断は、追加の要因に基づいて行われてもよい。
【0021】
ノード12への第1の構成のためのプリファレンスインジケータの送信に応答して、ノード10は、ノード10がノード12に第2の構成のためのプリファレンスインジケータ(プリファレンスインジケータ2)を送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する(ステップ1002)。第2の構成は、ノード10とノード12との間のワイヤレス接続の第2の構成(たとえば、高電力効率構成)である。タイマが設定される値は、特定の実施態様に応じて変化し得る。一般に、タイマの値は、0以上の任意の値であってもよい。しかしながら、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、第2の構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する。言い換えれば、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、タイマが満了するまでノード10が送信をブロックすべきプリファレンスインジケータの関数である。一例として、第2の構成が遅延に敏感でない(または遅延耐性がある)動作と関連付けられる高電力効率構成である場合、タイマが設定される値は大きく(すなわち、通常電力構成に使用される値よりも大きく)てもよい。特定の一例として、第2の構成が遅延に敏感でない動作と関連付けられる場合の第2の構成のためのプリファレンスインジケータに対するタイマの値は、数十〜数百秒であってもよい。
【0022】
タイマが始動すると、ノード10はその後、ステップ1002において始動したタイマが満了するまで、第2の構成のためのプリファレンスインジケータのノード12への送信をブロックする(ステップ1004)。より詳細には、ノード10における事象が、第2の構成のためのプリファレンスインジケータを送信しようとする試行をトリガし得る。たとえば、第2の構成が高電力効率構成である場合、ノード10のユーザは、ノード10を高電力効率モードにおき得る。それに応答して、ノード10は、ワイヤレス接続の高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータをノード12に送信しようと試行し得る。ステップ1002において始動したタイマが満了していない場合、ノード10は、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックする。このように、ノード10からノード12へのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが防止される。タイマが満了した後の何らかの時点において、ノード10は、ワイヤレス送信機14によってノード12に第2の構成のためのプリファレンスインジケータを送信する(ステップ1006)。言い換えれば、タイマが満了すると、ノード10は、ノード12への第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可する。
【0023】
この実施形態において、ステップ1006における第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信に応答して、ノード10は、ノード10がノード12に第1の構成のためのプリファレンスインジケータ(プリファレンスインジケータ1)を送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する(ステップ1008)。特に、ステップ1008のためのタイマは好ましくは、上記ステップ1002および1004に使用したものと同じタイマであるが、タイマは異なる値に設定される。タイマが設定される値は、特定の実施態様に応じて変化し得る。一般に、タイマの値は、0以上の任意の値であってもよい。しかしながら、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、第1の構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する。言い換えれば、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、タイマが満了するまでノード10が送信をブロックすべきプリファレンスインジケータの関数である。一例として、第1の構成が遅延に敏感な(または遅延耐性がない)動作と関連付けられる通常電力構成である場合、タイマが設定される値は小さく(すなわち、高電力効率構成のためのタイマに使用される値よりも小さく)てもよい。特定の一例として、第1の構成が遅延に敏感である動作と関連付けられる場合の第1の構成のためのプリファレンスインジケータに対するタイマの値は、0またはほぼ0秒(たとえば、1秒未満)であってもよい。
【0024】
ステップ1008においてタイマが始動すると、ノード10はその後、ステップ1008において始動したタイマが満了するまで、第1の構成のためのプリファレンスインジケータのノード12への送信をブロックする(ステップ1010)。より詳細には、ノード10における事象が、第1の構成のためのプリファレンスインジケータを送信しようとする試行をトリガし得る。たとえば、ノード10のユーザは、ノード10を通常モードにおき得る。それに応答して、ノード10は、ワイヤレス接続の通常電力構成のためのプリファレンスインジケータをノード12に送信しようと試行し得る。ステップ1008において始動したタイマが満了していない場合、ノード10は、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックする。このように、ノード10からノード12へのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが防止される。タイマが満了した後の何らかの時点において、ノード10は、ワイヤレス送信機14によってノード12に第1の構成のためのプリファレンスインジケータを送信する(ステップ1012)。言い換えれば、タイマが満了すると、ノード10は、ノード12への第1の構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可する。その後、プロセスは上述のように継続してもよい。
【0025】
上述のように、
図1は、タイマ(複数の場合もあり)が、ノード10からノード12へのプリファレンスインジケータの送信に応答して始動される実施形態を示す。しかしながら、別の実施形態において、タイマ(複数の場合もあり)は、ノード10によって、ノード12からプリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求が受信されることに応答して始動してもよい。したがって、一実施形態において、タイマ(複数の場合もあり)は、ノード10によるプリファレンスインジケータの送信、または、ノード10によるプリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求の受信のいずれかに応答して始動されてもよい。より詳細には、
図2に示すように、ノード10は、ノード10のワイヤレス受信機16によって、ノード12から第1の構成のためのプリファレンスインジケータ(プリファレンスインジケータ1)と関連付けられる再構成要求を受信する(ステップ2000)。その後、ノード10は、再構成要求に応答してそれ自体を第1の構成向けに再構成する(ステップ2002)。
【0026】
第1の構成のためのプリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求の受信に応答して、ノード10は、ノード10がノード12に第2の構成のためのプリファレンスインジケータ(プリファレンスインジケータ2)を送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する(ステップ2004)。上述のように、タイマが設定される値は、特定の実施態様に応じて変化し得る。一般に、タイマの値は、0以上の任意の値であってもよい。しかしながら、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、第1の構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する。言い換えれば、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、タイマが満了するまでノード10が送信をブロックすべきプリファレンスインジケータの関数である。タイマが始動すると、ノード10はその後、ステップ2004において始動したタイマが満了するまで、第2の構成のためのプリファレンスインジケータのノード12への送信をブロックする(ステップ2006)。このように、ノード10からノード12へのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが防止される。タイマが満了した後の何らかの時点において、ノード10は、ワイヤレス送信機14によってノード12に第2の構成のためのプリファレンスインジケータを送信する(ステップ2008)。言い換えれば、タイマが満了すると、ノード10は、ノード12への第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可する。
【0027】
この実施形態において、ステップ2008における第2の構成のためのプリファレンスインジケータの送信(または代替的に、ノード12からの第2の構成のためのプリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求の受信)に応答して、ノード10は、ノード10がノード12に第1の構成のためのプリファレンスインジケータ(プリファレンスインジケータ1)を送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する(ステップ2010)。ここでも、タイマが設定される値は、特定の実施態様に応じて変化し得る。一般に、タイマの値は、0以上の任意の値であってもよい。しかしながら、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、第1の構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する。言い換えれば、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、タイマが満了するまでノード10が送信をブロックすべきプリファレンスインジケータの関数である。ステップ2010においてタイマが始動すると、ノード10はその後、ステップ2010において始動したタイマが満了するまで、第1の構成のためのプリファレンスインジケータのノード12への送信をブロックする(ステップ2012)。このように、ノード10からノード12へのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが防止される。タイマが満了した後の何らかの時点において、ノード10は、ワイヤレス送信機14によってノード12に第1の構成のためのプリファレンスインジケータを送信する(ステップ2014)。言い換えれば、タイマが満了すると、ノード10は、ノード12への第1の構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可する。その後、プロセスは上述のように継続してもよい。
【0028】
図1および
図2は、ワイヤレス送信機14および18ならびにワイヤレス受信機16および20を備えた任意のタイプのノード10および12に適用可能である実施形態を示しているが、
図3〜
図9は、セルラ通信ネットワーク22における支援情報の過剰なシグナリングが回避される実施形態を示す。これらの実施形態について、セルラ通信ネットワーク22は好ましくは、3GPP LTEセルラ通信ネットワークである。しかしながら、本明細書において開示されるシステムおよび方法はまた、他のタイプのセルラ通信ネットワークにも使用することができることは諒解されたい。これに関して、
図3は、セルラ通信ネットワーク22内の基地局(BS)24およびワイヤレスデバイス(WD)26を示す。LTEに関して、基地局24はeNBとも称され、ワイヤレスデバイス26はUEとも称される。基地局24は代替的に、低電力基地局(たとえばピコまたはフェムト基地局)であってもよいことに留意されたい。
【0029】
図4は、本開示の一実施形態による、
図3のワイヤレスデバイス26の、過剰なシグナリングを回避するやり方で基地局24に支援情報をシグナリングするための動作を示す。図示のように、ワイヤレスデバイス26は、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータを、基地局24に送信する(ステップ3000)。高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータは好ましくは、高電力効率DRX構成のためのプリファレンスインジケータであり、これは好ましくは、1つまたは複数の遅延に敏感でない、または遅延耐性がある動作と関連付けられる。特定の実施形態において、高電力効率構成は、UEが別様に動作する通常構成(デフォルト構成など)よりも、UEが少ない電力を消費し、かつ/または他の様態でより電力効率的に動作する構成を表す。一実施形態において、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータは、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータ、および、通常、またはデフォルト電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む、所定のプリファレンスインジケータセットのうちの1つである。さらに、プリファレンスインジケータは任意の適切なメカニズムを使用して送信されてもよいが、一実施形態において、プリファレンスインジケータは、無線リソース制御(RRC)または媒体アクセス制御(MAC)メッセージを介して送信される。
【0030】
図示されていないが、基地局24は、ワイヤレスデバイス26からのプリファレンスインジケータを利用して、ワイヤレス接続を再構成すべきか否かを判断する。好ましい一実施形態において、基地局24は、ワイヤレスデバイス26からのプリファレンスインジケータを利用して、種々のタイプのサービス、たとえばボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、ビデオ電話通信、ゲーミング、ウェブ閲覧などに適している複数の所定のDRXパラメータセットから1つのDRXパラメータセットを選択する。しかしながら、基地局24はプリファレンスインジケータの受信に応答して必ずしもワイヤレス接続を再構成するとは限らないことに留意されたい。基地局24の判断は、追加の要因に基づいて行われてもよい。
【0031】
基地局24への高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータの送信に応答して、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26が基地局24に通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する(ステップ3002)。通常電力構成のためのプリファレンスインジケータは好ましくは、通常電力DRX構成のためのプリファレンスインジケータであり、これは好ましくは、1つまたは複数の遅延に敏感である、または遅延耐性のない動作と関連付けられる。タイマが設定される値は、特定の実施態様に応じて変化し得る。一般に、タイマの値は、0以上の任意の値であってもよい。しかしながら、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、通常電力構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する。この実施形態において、通常電力構成は遅延に敏感である1つまたは複数の動作と関連付けられ、そのため、タイマが設定される値は小さい(すなわち、高電力効率構成に使用される値よりも小さい)。一例として、ステップ3002においてタイマが設定される値は0または0に近い何らかの値(たとえば、1秒未満の値)であってもよい。このように、高電力効率構成から通常電力構成への切り替えのためのトリガ事象が発生するとき、基地局24に通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信するまでの遅延が小さいか、または遅延がない。
【0032】
タイマが始動すると、ワイヤレスデバイス26はその後、ステップ3002において始動したタイマが満了するまで、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータの基地局24への送信をブロックする(ステップ3004)。より詳細には、ワイヤレスデバイス26における事象が、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信しようとする試行をトリガし得る。たとえば、ワイヤレスデバイス26のユーザは、ワイヤレスデバイス26を、高電力効率動作モードから通常電力動作モードへと切り替えてもよい。それに応答して、ワイヤレスデバイス26は、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信しようと試行し得る。ステップ3002において始動したタイマが満了していない場合、ワイヤレスデバイス26は、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックする。このように、ワイヤレスデバイス26から基地局24へのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが防止される。タイマが満了した後の何らかの時点において、ワイヤレスデバイス26は、基地局24に通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信する(ステップ3006)。言い換えれば、タイマが満了すると、ワイヤレスデバイス26は、基地局24への通常電力構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可する。
【0033】
この実施形態において、ステップ3006における通常電力構成のためのプリファレンスインジケータの送信に応答して、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26が基地局24に高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータを送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値に設定されているタイマを始動する(ステップ3008)。特に、ステップ3008のためのタイマは好ましくは、上記ステップ3002および3004に使用したものと同じタイマであるが、異なる値に設定される。タイマが設定される値は、特定の実施態様に応じて変化し得る。一般に、タイマの値は、0以上の任意の値であってもよい。しかしながら、好ましい一実施形態において、タイマが設定される値は、高電力効率構成と関連付けられる動作の遅延感度に反比例する。この実施形態において、高電力効率構成と関連付けられる1つまたは複数の動作は遅延に敏感ではなく、そのため、タイマが設定される値は大きい(すなわち、通常電力構成に使用される値よりも大きい)。一例として、ステップ3008においてタイマが設定される値は数十または数百秒であってもよい。
【0034】
ステップ3008においてタイマが始動すると、ワイヤレスデバイス26はその後、ステップ3008において始動したタイマが満了するまで、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータの基地局24への送信をブロックする(ステップ3010)。より詳細には、ワイヤレスデバイス26における事象が、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータを送信しようとする試行をトリガし得る。たとえば、ワイヤレスデバイス26のユーザは、ワイヤレスデバイス26を、通常動作モードから高電力効率動作モードへと切り替えてもよい。それに応答して、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレス接続の高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータを送信しようと試行し得る。ステップ3008において始動したタイマが満了していない場合、ワイヤレスデバイス26は、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックする。このように、ワイヤレスデバイス26から基地局24へのプリファレンスインジケータの過剰なシグナリングが防止される。タイマが満了した後の何らかの時点において、ワイヤレスデバイス26は、基地局24に高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータを送信する(ステップ3012)。言い換えれば、タイマが満了すると、ワイヤレスデバイス26は、基地局24への高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータの送信を許可する。その後、プロセスは上述のように継続してもよい。
【0035】
上述のように、
図4は、タイマ(複数の場合もあり)が、ワイヤレスデバイス26から基地局24へのプリファレンスインジケータの送信に応答して始動される実施形態を示す。しかしながら、別の実施形態において、タイマ(複数の場合もあり)は、ワイヤレスデバイス26によって、基地局24からプリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求が受信されることに応答して始動してもよい。したがって、一実施形態において、タイマ(複数の場合もあり)は、プリファレンスインジケータの送信、または、プリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求の受信のいずれかに応答して始動されてもよい。
【0036】
先へ進む前に、高電力効率および通常電力構成のためのプリファレンスインジケータは、より大きいプリファレンスインジケータセットの一部であってもよいことに留意すべきである。各プリファレンスインジケータは、基地局24における異なる構成パラメータ値セットに対応し得る。この事例において、上記タイマまたは複数の異なるタイマが、複数の異なる値に設定されてもよく、所望に応じて他のプリファレンスインジケータの過剰な送信をブロックするのに利用されてもよい。しかしながら、一実施形態において、プリファレンスインジケータのうちの1つまたは複数に対してタイマが利用されなくてもよい。言い換えれば、所定のセットのうちのすべてのプリファレンスインジケータに関して過剰なシグナリングをブロックするために上記タイマまたは何らかの他のタイマが使用される必要はない。
【0037】
図5〜
図7は、本開示の別の実施形態による、
図3のワイヤレスデバイス26の、支援情報の過剰なシグナリングを回避するための動作を示す。
図5〜
図7の実施形態は、ワイヤレスデバイス26が、支援情報の送信をブロックするか、または対応するタイマに基づいて支援情報の送信を開始する支援情報手順を利用して、プリファレンスインジケータを含む支援情報の過剰なシグナリングをブロックするより詳細な実施形態を示す。より詳細には、
図5に示されているように、ワイヤレスデバイス26は、基地局24への接続を確立する(ステップ4000)。ワイヤレスデバイス26は、ランダムアクセス手順または任意の他の適切な手順を使用して、基地局24への接続を確立することができる。
【0038】
接続されると、ワイヤレスデバイス26は、1つまたは複数のタイマ値を含む構成情報を、基地局24から受信する(ステップ4002)。構成情報は、たとえば、初期のDRXパラメータ値セットなどの、ワイヤレスデバイス26と基地局24との間のワイヤレス接続に関する任意の適切な構成情報を含む。加えて、構成情報は、後述するように、ワイヤレスデバイス26によって、支援情報の過剰なシグナリングをブロックするために利用されるべき1つまたは複数のタイマ値を含む。
【0039】
適切なトリガ事象に応答して、ワイヤレスデバイス26は支援情報手順を開始する(ステップ4004)。トリガ事象は一般に、ワイヤレスデバイス26に、パワープリファレンスインジケータを含む支援情報を基地局24に送信するよう試行させる任意の事象である。たとえば、トリガ事象は、ワイヤレスデバイス26を通常電力モードから高電力効率モードへ、またはその逆に切り替える、ワイヤレスデバイス26のユーザからのユーザ入力であってもよい。別の例として、トリガ事象は、遅延に敏感でないアプリケーション(たとえば、ソーシャルネットワーキングアプリケーション)がアクティブなままである間に、遅延敏感アプリケーションを終了すること(たとえば、VoIPセッションを終えること)であってもよい。しかしながら、これらのトリガ事象は例に過ぎないことに留意されたい。当業者には諒解されるように、支援情報手順のためのトリガ事象は、ワイヤレスデバイス26の特定の実施態様に応じて変化することになる。
【0040】
開始すると、ワイヤレスデバイス26は、支援情報手順を実施する(ステップ4006)。下記に詳細に説明されるように、支援情報手順を実施することによって、ワイヤレスデバイス26は、支援情報の送信をブロックすべきか、または許可すべきかを判定する。この例において、支援情報手順を使用して、ワイヤレスデバイス26は、支援情報の送信を許可するよう判断する。結果として、ワイヤレスデバイス26は、パワープリファレンスインジケータを含む支援情報を、基地局24に送信する(ステップ4008)。図示されていないが、基地局24は、支援情報内のパワープリファレンスインジケータに基づいて、ワイヤレスデバイス26に対するワイヤレス接続(たとえば、DRXパラメータ)を再構成すべきか否かを判断する。
【0041】
支援情報が送信された後の何らかの時点において、ワイヤレスデバイス26は、トリガ事象に応答して支援情報手順を再び開始する(ステップ4010)。ここでも、トリガ事象は一般に、ワイヤレスデバイス26に、パワープリファレンスインジケータを含む支援情報を基地局24に送信するよう試行させる任意の事象である。支援情報手順が開始すると、ワイヤレスデバイス26は、支援情報の送信をブロックすべきか、または許可すべきかを判断するために支援情報手順を実施する(ステップ4012)。この例において、支援情報手順を使用して、ワイヤレスデバイス26は、支援情報の送信をブロックするよう判断する(ステップ4014)。その後、このプロセスは継続する。
【0042】
図6は、本開示の一実施形態による、
図5のステップ4006および4012の支援情報手順をより詳細に示す流れ図である。支援情報手順が開始すると、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26が支援情報を送信するように構成されているか否かを判定する(ステップ5000)。より詳細には、いくつかの基地局24が支援情報の送信を許可し得、一方で他の基地局24は許可しない。そのため、
図5のステップ4002においてワイヤレスデバイス26によって受信される構成情報は、ワイヤレスデバイス26が支援情報を送信するように構成されているか否かの指示を含んでもよい。ワイヤレスデバイスが支援情報を送信するように構成されていないとき、手順は終了し、この場合、支援情報は送信されない。
【0043】
ワイヤレスデバイス26が支援情報を送信するように構成されている場合、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26が支援情報を送信するように構成されて以来、ワイヤレスデバイス26がパワープリファレンスインジケータを送信したか否かを判定する(ステップ5002)。そうでない場合、プロセスはステップ5010に進み、ワイヤレスデバイス26が支援情報の送信を開始する。一方、ワイヤレスデバイス26が支援情報を送信するように構成されて以来、ワイヤレスデバイス26がパワープリファレンスインジケータを送信している場合、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26が送信することを所望するパワープリファレンスインジケータ(すなわち、現在のパワープリファレンスインジケータ)が、ワイヤレスデバイス26によって送信された最新のパワープリファレンスインジケータと異なるか否かを判定する(ステップ5004)。そうである場合、ワイヤレスデバイス26は、タイマが満了しているか否かを判定する(5006)。後述するように、タイマは、ワイヤレスデバイス26によるパワープリファレンスインジケータの以前の送信に応答して、または代替的に、パワープリファレンスインジケータと関連付けられる再構成要求の受信に応答して始動されている。タイマが満了していない場合、ワイヤレスデバイス26は、現在のプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信をブロックし(ステップ5008)、その後プロセスは終了する。一方、タイマが満了している場合、ワイヤレスデバイス26は、現在のプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信を開始する(ステップ5010)。
【0044】
ステップ5004に戻って、現在のパワープリファレンスインジケータが、ワイヤレスデバイス26によって送信された最新のパワープリファレンスインジケータと異ならない場合、ワイヤレスデバイス26は、mobilityControlInfo(モビリティ制御情報)を含むRRCConnectionReconfiguration(RRC接続再構成)を受信する前の最後の1秒の間にワイヤレスデバイス26がパワープリファレンスインジケータを送信したか否かを判定する(ステップ5012)。そうでない場合、ワイヤレスデバイス26は、現在のパワープリファレンスインジケータを含む支援情報の送信をブロックする(ステップ5008)。送信していた場合、ワイヤレスデバイス26は、現在のパワープリファレンスインジケータを含む支援情報の送信を開始する(ステップ5010)。特に、ステップ5012の判断は、たとえば、ワイヤレスデバイス26が、上記基地局24にハンドオーバする直前に以前の基地局24に、パワープリファレンスインジケータを含む支援情報を送信していたシナリオにおいて有益である。その場合、ハンドオーバ後に、上記基地局24に同じパワープリファレンスインジケータを繰り返し送信することが有益であり得る。
【0045】
図7は、本開示の一実施形態による、
図6のステップ5010における支援情報の送信の開始に応答してワイヤレスデバイス26によって実施される支援情報送信プロセスを示す。最初に、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26の現在のパワープリファレンスインジケータが、高電力効率構成のためのインジケータであるか否かを判定する(ステップ6000)。そうでない場合、現在のパワープリファレンスインジケータは、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータである。そのため、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレスデバイス26が高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信を許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値を有するタイマを始動する(ステップ6002)。タイマの値は好ましくは、
図5のステップ4002において受信される構成情報の一部として基地局24からワイヤレスデバイス26に通信され、高電力効率構成と関連付けられる1つまたは複数の動作の遅延感度に反比例する。ワイヤレスデバイス26はまた、送信されるべきユーザ情報内のパワープリファレンスインジケータを、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータに設定し、その後、支援情報を送信する(ステップ6004および6006)。パワープリファレンスインジケータは、支援情報内に1つまたは複数のビットを設定することによって設定されてもよい。さらに、支援情報は、たとえば、RRCまたはMACメッセージなどの任意の適切なメカニズムを使用して送信されてもよい。
【0046】
ステップ6000に戻って、現在のパワープリファレンスインジケータが高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータである場合、ワイヤレスデバイス26は任意選択的に、ワイヤレスデバイス26がデフォルト、または通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信することを許可される前に満了することが確実である時間量を規定する値を有するタイマを始動する(ステップ6008)。タイマの値は、通常電力構成と関連付けられる1つまたは複数の動作の遅延感度に反比例する。この実施形態において、通常電力構成は遅延に敏感である、または遅延耐性がない1つまたは複数の動作(たとえば、VoIP)と関連付けられ、そのため、タイマが設定される値は小さいか、またはさらには0である。一実施形態において、ワイヤレスデバイス26が通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを送信することを許可される前に満了することが確実である時間量の値は0であり、そのため、ステップ6008は実施される必要がない場合がある。特に、タイマの値が非ゼロ値である場合、タイマの値は好ましくは、
図5のステップ4002において受信される構成情報の一部として基地局24からワイヤレスデバイス26に通信される。ワイヤレスデバイス26は、支援情報内のパワープリファレンスインジケータを、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータに設定し、その後、支援情報を送信する(ステップ6010および6006)。
【0047】
図6および
図7のプロセスを例示するために、ワイヤレスデバイス26が、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータを含む支援情報を送信するシナリオを考える。高電力効率構成への切り替えは時間に敏感でないため、タイマは、プリファレンスインジケータを含む支援情報の送信に応答して相対的に大きい値(たとえば、数十または数百秒)に設定される。その後、トリガ事象に応答して、ワイヤレスデバイス26は
図6の支援情報プロセスを開始する。トリガ事象が高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータと関連付けられる場合、ワイヤレスデバイス26は、現在のパワープリファレンスインジケータ(すなわち、高電力効率構成のためのパワープリファレンスインジケータ)が、ワイヤレスデバイス26によって送信された最新のパワープリファレンスインジケータ(すなわち、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータ)と異なると判定する。そのため、その後、ワイヤレスデバイス26は、タイマが満了しているか否かを判定する。そうでない場合、現在のプリファレンスインジケータを含む支援情報の送信がブロックされる。一方、タイマが満了している場合、ワイヤレスデバイス26は
図7の送信プロセスを開始する。
【0048】
送信プロセスが開始される場合、ワイヤレスデバイス26は、現在のパワープリファレンスインジケータが高電力効率構成のためのものであると判定する。この例において、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータの送信をブロックするためのタイマの値が0であると仮定すると、ワイヤレスデバイス26はタイマを設定および始動する必要はない(0の値を有するタイマを始動することと等価である)。その後、ワイヤレスデバイス26は、送信されるべき支援情報内のパワープリファレンスインジケータを、パワープリファレンスインジケータのためのプリファレンスインジケータに設定し、支援情報を基地局24に送信する。
【0049】
その後、通常電力構成のためのプリファレンスインジケータと関連付けられる事象によって支援情報手順がトリガされると、現在のプリファレンスインジケータは、ワイヤレスデバイス26によって送信された最新のプリファレンスインジケータ(すなわち、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータ)と異なり、かつタイマが満了しているため、支援情報手順は、支援情報の送信を開始する。結果として、
図7の送信手順を使用して、ワイヤレスデバイス26は、高電力効率構成のためのプリファレンスインジケータの送信前に満了することが確実である時間量を規定する値を有するタイマを始動し、支援情報のパワープリファレンスインジケータを、通常電力構成のためのインジケータに設定し、支援情報を送信する。その後、プロセスはこのように継続する。
【0050】
図8は、本開示の一実施形態による
図3のワイヤレスデバイス26のブロック図である。図示のように、ワイヤレスデバイス26は、ワイヤレス送信機30およびワイヤレス受信機32(すなわち、無線周波数(RF)送信機30およびRF受信機32)を有する無線サブシステム28と、処理サブシステム34とを含む。ワイヤレス送信機30およびワイヤレス受信機32は、基地局24(
図3)にデータを送信するための、および、基地局24からデータを受信するためのアナログ構成要素、および、いくつかの実施形態においてデジタル構成要素を含む。ワイヤレス通信プロトコルの観点から、無線サブシステム28は、レイヤ1(すなわち、物理層または「PHY」層)の少なくとも一部を実装する。
【0051】
処理サブシステム34は一般に、レイヤ1の任意の残りの部分、ならびにワイヤレス通信プロトコルのより上位のレイヤ(たとえば、レイヤ2(データリンク層)、レイヤ3(ネットワーク層)など)に関する機能を実装する。特定の実施形態において、処理サブシステム34は、たとえば、本明細書において説明されているワイヤレスデバイス26の機能のいくつかまたはすべてを実行するための適切なソフトウェアおよび/またはファームウェアをプログラムされている、1つもしくはいくつかの汎用もしくは専用マイクロプロセッサ、または、他のマイクロコントローラを含んでもよい。加えて、または代替的に、処理サブシステム34は、本明細書において説明されているワイヤレスデバイス26の機能のいくつかまたはすべてを実行するように構成されている様々なデジタルハードウェアブロック(たとえば、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、1つもしくは複数の市販のデジタルおよびアナログハードウェア構成要素、またはそれらの組み合わせ)を含んでもよい。加えて、特定の実施形態において、ワイヤレスデバイス26の上述した機能は、全体的にまたは部分的に、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、または任意の他の適切なタイプのデータ記憶構成要素などの、持続性コンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアまたは他の命令を実行する処理サブシステム34によって実装されてもよい。無論、機能プロトコル層、ならびに、したがって無線サブシステム28および処理サブシステム34の各々の詳細な動作は、特定の実施態様およびワイヤレスデバイス26によってサポートされる1つまたは複数の規格の両方に応じて変化することになる。
【0052】
図9は、本開示の一実施形態による
図3の基地局24のブロック図である。図示のように、基地局24は、ワイヤレス送信機38(すなわち、RF送信機)およびワイヤレス受信機40(すなわち、RF受信機)を有する無線サブシステム36と、処理サブシステム42とを含む。ワイヤレス送信機38およびワイヤレス受信機40は一般に、対応するセル内のワイヤレスデバイス(たとえば、ワイヤレスデバイス26)にデータを送信するための、および、当該ワイヤレスデバイスからデータを受信するためのアナログ構成要素、および、いくつかの実施形態においてデジタル構成要素を含む。ワイヤレス通信プロトコルの観点から、無線サブシステム36は、レイヤ1(すなわち、物理層または「PHY」層)の少なくとも一部を実装する。
【0053】
処理サブシステム42は一般に、無線サブシステム36において実装されないレイヤ1の任意の残りの部分、ならびに、ワイヤレス通信プロトコルのより上位のレイヤ(たとえば、レイヤ2(データリンク層)、レイヤ3(ネットワーク層)など)に関する機能を実装する。特定の実施形態において、処理サブシステム42は、たとえば、本明細書において説明されている基地局24の機能のいくつかまたはすべてを実行するための適切なソフトウェアおよび/またはファームウェアをプログラムされている、1つもしくはいくつかの汎用もしくは専用マイクロプロセッサ、または、他のマイクロコントローラを含んでもよい。加えて、または代替的に、処理サブシステム42は、本明細書において説明されている基地局24の機能のいくつかまたはすべてを実行するように構成されている様々なデジタルハードウェアブロック(たとえば、1つもしくは複数のASIC、1つもしくは複数の市販のデジタルおよびアナログハードウェア構成要素、またはそれらの組み合わせ)を含んでもよい。加えて、特定の実施形態において、基地局24の上述した機能は、全体的にまたは部分的に、RAM、ROM、磁気記憶デバイス、光学記憶デバイス、または任意の他の適切なタイプのデータ記憶構成要素などの、持続性コンピュータ可読媒体に記憶されているソフトウェアまたは他の命令を実行する処理サブシステム42によって実装されてもよい。
【0054】
本開示全体を通じて、以下の頭字語が使用されている。
・3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
・ASIC 特定用途向け集積回路
・BS 基地局
・DRX 不連続受信
・eDDA 多様なデータアプリケーションに対する強化
・eNB eノードB
・E−UTRAN 進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
・LTE ロングタームエボリューション
・MAC 媒体アクセス制御
・RAM ランダムアクセスメモリ
・RAN 無線アクセスネットワーク
・Rel−11 リリース11
・RF 無線周波数
・ROM 読み出し専用メモリ
・RRC 無線リソース制御
・RX 受信または受信機
・SAE システムアーキテクチャエボリューション
・TS 技術仕様書
・TX 送信または送信機
・UE ユーザ機器またはユーザ要素
・VoIP ボイスオーバーインターネットプロトコル
・WCDMA 広帯域符号分割多元接続
・WD ワイヤレスデバイス
・WG2 ワークグループ2
・WI 作業項目
【0055】
当業者であれば、本発明の好ましい実施形態に対する改善点および修正点を認識しよう。すべてのそのような改善点および修正点が、本明細書において開示されている概念および添付の特許請求項の範囲内にあると考えられる。