特許第6185590号(P6185590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シーの特許一覧

特許6185590パラメチルスチレンブロックコポリマーおよびその使用
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185590
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】パラメチルスチレンブロックコポリマーおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C08L 53/02 20060101AFI20170814BHJP
   C08L 53/00 20060101ALI20170814BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20170814BHJP
   D01F 6/42 20060101ALI20170814BHJP
   C08F 293/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   C08L53/02
   C08L53/00
   C08J5/18CET
   D01F6/42
   C08F293/00
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-532114(P2015-532114)
(86)(22)【出願日】2013年9月16日
(65)【公表番号】特表2015-533890(P2015-533890A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013059871
(87)【国際公開番号】WO2014046989
(87)【国際公開日】20140327
【審査請求日】2015年3月20日
(31)【優先権主張番号】13/622,575
(32)【優先日】2012年9月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510145211
【氏名又は名称】クレイトン・ポリマーズ・ユー・エス・エル・エル・シー
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライト,キャスリン
【審査官】 渡辺 陽子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−020383(JP,A)
【文献】 特開2003−073433(JP,A)
【文献】 特開昭59−058015(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/091792(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F251−289、291−297
C08L 53
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性フィルムまたは繊維に適した未架橋エラストマー組成物であって、
約0重量%から約75重量%の少なくとも2個のモノビニルアレーン末端ブロックおよび少なくとも1個の共役ジエンブロックを含有する式A−B−Aのブロックコポリマー、ならびに
約20重量%から約100重量%の、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマー(ここで、nは2から30の整数である)のパラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレン
を含み、式A−B−Aのブロックコポリマーおよび式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマーのメルトフローレートが、ASTM D1238に従って200℃および5kg荷重において測定したときに約5gポリマー/10分以上であり;
前記組成物が場合によって、
0から約0.5重量%の一次酸化防止剤;
0から約0.5重量%の二次酸化防止剤;ならびに
0から約0.8重量%の炭素ラジカル捕捉剤
をさらに含み、
すべての成分の総重量%が100である、
未架橋エラストマー組成物。
【請求項2】
未架橋のエラストマーフィルムまたは繊維を製造するための方法であって、
約0重量%から約75重量%の、少なくとも2個のモノビニルアレーン末端ブロックおよび少なくとも1個の共役ジエンブロックを有する式A−B−Aのブロックコポリマーを、約20重量%から約100重量%の、式PMS−I/B−PMS線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマー(ここで、nは2から30の整数である)のパラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレンと混合し、
場合によって、0.01から0.4重量%の酸化防止剤、0.01から0.4重量%の二次酸化防止剤および0.2から約0.8重量%の炭素ラジカル捕捉剤を前記混合物に添加すること
により組成物を形成し、
ここで、すべての組成物成分の総重量%が100%であり、ならびに式A−B−Aのブロックコポリマーおよび式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマーのメルトフローレートが、ASTM D1238に従って200℃および5kg荷重において測定したときに約5gポリマー/10分以上であるステップ;
前記組成物を溶融するステップ;ならびに
前記組成物を未架橋フィルムまたは繊維に押出成形するステップ
を含む方法。
【請求項3】
弾性フィルムまたは繊維に適した未架橋エラストマー組成物であって、
約2重量%から約20重量%のホモポリスチレンを含有するブロックコポリマー、ならびに
約75重量%から約98重量%の、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマー(ここで、nは2から30の整数である)のパラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレン
を含み、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマーのメルトフローレートが、ASTM D1238に従って200℃および5kg荷重において測定したときに約5gポリマー/10分以上であり;
前記組成物が場合によって、
0.0から約0.5重量%の一次酸化防止剤;
0.0から約0.5重量%の二次酸化防止剤;ならびに
0から約0.8重量%の炭素ラジカル捕捉剤
をさらに含み、
すべての成分の総重量%が100%である、
未架橋エラストマー組成物。
【請求項4】
弾性フィルムまたは繊維に適した、架橋したポリオレフィン不含エラストマー組成物であって、
約0重量%から約75重量%の少なくとも2個のモノビニルアレーン末端ブロックおよび少なくとも1個の共役ジエンブロックを含有する式A−B−Aのブロックコポリマー、ならびに
約20重量%から約100重量%の、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマー(ここで、nは2から30の整数である)のパラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレン
を含み、式A−B−Aのブロックコポリマーおよび式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマーのメルトフローレートが、ASTM D1238に従って200℃および5kg荷重において測定したときに約5gポリマー/10分以上であり;
前記組成物が場合によって、
0から約0.5重量%の一次酸化防止剤;
0から約0.5重量%の二次酸化防止剤;
0から約0.8重量%の炭素ラジカル捕捉剤;ならびに
0から約5.0重量%のフリーラジカル開始剤および/またはプロ−ラド添加剤
をさらに含み、
すべての成分の総重量%が100%であり、ポリオレフィンが成分ではない、
架橋したポリオレフィン不含エラストマー組成物。
【請求項5】
弾性フィルムまたは繊維などの物品であって、
約0重量%から約75重量%の、少なくとも2個のモノビニルアレーン末端ブロックおよび少なくとも1個の共役ジエンブロックを含有する式A−B−Aのブロックコポリマーのエラストマー性の架橋したポリオレフィン不含物品、ならびに
約20重量%から約100重量%の、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマー(ここで、nは2から30の整数である)のパラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレン
を含み、式A−B−Aのブロックコポリマーおよび式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマーのメルトフローレートが、ASTM D1238に従って200℃および5kg荷重において測定したときに約5gポリマー/10分以上であり;
前記組成物が場合によって、
0.0から約0.5重量%の一次酸化防止剤;
0.0から約0.5重量%の二次酸化防止剤;
0から約0.8重量%の炭素ラジカル捕捉剤;ならびに
0から約5重量%のフリーラジカル開始剤および/またはプロ−ラド添加剤
をさらに含み、
すべての成分の総重量%が100%であり、ポリオレフィンが成分ではない、
物品。
【請求項6】
弾性フィルムまたは繊維などの、未架橋エラストマー物品であって、
約2重量%から約20重量%のホモポリスチレンを含有するブロックコポリマーのエラストマー性未架橋物品、ならびに
約75重量%から約98重量%の、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマー(ここで、nは2から30の整数である)のパラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレン
を含み、式PMS−I/B−PMSの線状ブロックコポリマーまたは(PMS−I/B)Xカップリングブロックコポリマーのメルトフローレートが、ASTM D1238に従って200℃および5kg荷重において測定したときに約5gポリマー/10分以上であり、
前記組成物が場合によって、
0.0から約0.5重量%の一次酸化防止剤;
0.0から約0.5重量%の二次酸化防止剤;ならびに
0から約0.8重量%の炭素ラジカル捕捉剤
をさらに含み、
すべての成分の総重量%が100%である、
未架橋エラストマー物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パラメチルスチレン(PMS)を有する未架橋エラストマー組成物、その製造方法、弾性フィルムまたは繊維に適したパラメチルスチレンブロックコポリマーを含有する未架橋エラストマー組成物、パラメチルスチレンブロックコポリマーを含有する、架橋したポリオレフィン不含エラストマー組成物、および架橋したまたは未架橋のパラメチルスチレン組成物から作製された成形品に関する。より詳細には、本発明は、スチレン系ブロックコポリマー、パラメチルスチレンブロックコポリマーおよび場合による酸化防止剤の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
パラメチルスチレンブロックコポリマー組成物は、架橋性物品用途で、特にポリオレフィンが架橋組成物の成分である場合に周知である。
【0003】
株式会社クラレに譲渡された米国特許第8,048,362号は、PMS末端ブロックおよび、ブタジエン/イソプレン中間ブロックの混合物を含有するポリオレフィン樹脂を開示している。樹脂は電子線を用いて架橋される。特許請求された成形品は、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレンおよび/またはエチレン−α−オレフィンを必要とする。
【0004】
株式会社クラレに譲渡されたカナダ特許第2,444,534号は、SBCおよびPMS、ならびにエチレンポリマー、プロピレンポリマー、ポリブテン−1および/またはポリ(4−メチルペンテン−1)の形態のポリオレフィンを含有する架橋したポリオレフィン樹脂を開示している。架橋は電子線照射により達成される。
【0005】
これらの特許は、架橋した樹脂に関する。PMS−I/B−PMSブロックコポリマーはポリオレフィン樹脂を用いる架橋用途に採用されているが、弾性フィルムまたは繊維などの非架橋用途に対する開示も、非オレフィン樹脂と組み合わせたPMS−I/B−PMSの架橋組成物に対する開示も、架橋したPMS−I/B−PMS単独に対する開示も存在しない。本発明はこれらの技術範囲を包含する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,048,362号明細書
【特許文献2】カナダ特許第2,444,534号明細書
【発明の概要】
【0007】
(発明の要旨)
最も広い意味において、本発明は、場合によって1種以上の酸化防止剤および炭素ラジカル捕捉剤を含む、スチレン系ブロックコポリマー、PMS−I/B−PMS(パラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレン(paramethylestyrene))ブロックコポリマーの未架橋組成物を含む。中間ブロックI/Bはイソプレンとブタジエンのランダムな混合物である。さらに、未架橋組成物を製造するための方法が開示される。
【0008】
最も広い意味において、本発明は、ホモポリスチレン、PMS−I/B−PMSブロックコポリマーの、場合によって1種以上の酸化防止剤および炭素ラジカル捕捉剤を有する未架橋組成物も含む。中間ブロックI/Bはイソプレンとブタジエンのランダムな混合物である。
【0009】
最も広い意味において、本発明は、PMS−I/B−PMSブロックコポリマーの、場合によってスチレン系ブロックコポリマー、ホモポリスチレンおよび1種以上の酸化防止剤、炭素ラジカル捕捉剤およびフリーラジカル開始剤を有する、架橋したポリオレフィン不含組成物も含む。中間ブロックI/Bはイソプレンとブタジエンのランダムな混合物である。さらにこの組成物を弾性フィルムまたは繊維などの成形品に組み込むこともできる。
【0010】
最終的に、最も広い意味において、本発明は、スチレン系ブロックコポリマーおよびホモポリスチレンならびにPMS−I/B−PMSブロックコポリマーの、場合によって1種以上の酸化防止剤および炭素ラジカル捕捉剤を有する未架橋組成物を組み込んだ物品も含む。中間ブロックI/Bはイソプレンとブタジエンのランダムな混合物である。
【0011】
上記のそれぞれにおけるスチレン系ブロックコポリマーは、少なくとも2種のモノアルケニルアレーン末端ブロックおよび少なくとも1種のブタジエンブロックを含有する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書および特許請求の範囲において示されたすべての範囲には、その範囲の端点だけではなく、それはまさに範囲の定義であるので、その範囲の端点間にあるすべての考えられる数が含まれる。
【0013】
本発明のスチレン系ブロックコポリマーは、8から18個の炭素原子を有するモノアルケニルアレーンおよび4から12個の炭素原子を有する共役ジエンで構成された不飽和のジ−、トリ−、クワッド−ブロックとすることができる。適切なモノアルケニルアレーンの例は、スチレン、アルファメチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、シクロヘキシルスチレンおよび2種以上の混合物である。パラメチル−スチレンおよびスチレンまたはこれらの混合物が好ましい。本明細書において用いられる共役ジエンは、イソプレン、1,3−ブタジエンおよびピペリレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエンなどの置換ブタジエン、またはこれらの混合物である。これらのうち、1,3−ブタジエンが最も好ましい。本明細書および特許請求の範囲において、「ブタジエン」は特に「1,3−ブタジエン」を指す。これらの生成物は、米国特許第Re.27,145号に記載の通り、当業者に周知のアニオン溶液重合技術によって作製される。
【0014】
PMS−I/B−PMSブロックコポリマーの中間ブロックは概してランダムブロックコポリマーである。しかしながら、中間ブロックは、主にブタジエンのブロックが常にPMS末端ブロックに隣接するように、主にブタジエンのブロック、続いて主にイソプレンのブロック、続いて主にブタジエンのブロックの分布であってもよい。中間ブロックはまた、中間ブロックがブタジエン、イソプレンおよびスチレンを含有する分布であって、すべてのブタジエンブロックが常にPMS末端ブロックに隣接するように制御された分布であってもよい。次いで、イソプレンおよびスチレンを、中間ブロックにおいて、2つの主にブタジエンのブロック間でランダムに分散させることができる。
【0015】
重合媒体として用いられる溶媒は、形成されるポリマーのリビングアニオン鎖末端と反応せず、市販の重合装置における取扱いが容易で、生成物ポリマーに対する適切な溶解特性をもたらす、任意の炭化水素とすることができる。例えば、非極性の脂肪族炭化水素は、概してイオン化水素を欠き、特に適切な溶媒となる。よく用いられるのは、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンなどの環状アルカンであり、これらはすべて比較的非極性である。その他の適切な溶媒は当業者に公知であり、所与の処理条件セットにおいて効果的に機能するように選択することができ、温度は考慮すべき主要因子の1つである。
【0016】
アニオン共重合のためのその他の重要な出発原料には、1種以上の重合開始剤が含まれる。本発明において、そのようなものには、例えば、m−ジイソプロペニルベンゼンのジ−sec−ブチルリチウム付加物などのジ開始剤(di−initiator)を含めた、s−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、アミルリチウムなどのアルキルリチウム化合物およびその他の有機リチウム化合物が含まれる。その他のそのようなジ開始剤は、米国特許第6,492,469号において開示されている。多様な重合開始剤のうち、s−ブチルリチウムが好ましい。開始剤は、重合混合物(モノマーおよび溶媒を含む。)中に、所望のポリマー鎖1つあたり開始剤分子1個の基準で算出した量において使用することができる。リチウム開始剤プロセスは周知であり、例えば、その明細書を参照により本明細書に組み込む、米国特許第4,039,593号および同第Re.27,145号において記載されている。
【0017】
本発明の別の重要な側面は、Bブロックにおける共役ジエンのミクロ構造またはビニル含有量を制御することである。「ビニル」という用語は、1,3−ブタジエンが1,2−付加機構により重合される際に生成されるポリマー生成物を記載するために用いられてきた。その結果、ポリマー主鎖にペンダントな一置換オレフィン基、ビニル基が生じる。イソプレンのアニオン重合の場合、3,4−付加機構によりイソプレンを挿入すると、ポリマー主鎖にペンダントなジェミナルジアルキルC=C部分が得られる。ブロックコポリマーの最終特性に対するイソプレンの3,4−付加重合の影響は、ブタジエンの1,2−付加の影響と同様である。共役ジエンモノマーとしてのブタジエンの使用に言及する場合、ポリマーブロック中の約10から80molパーセントの縮合ブタジエン単位が1,2−付加構造を有することが好ましい。好ましくは、約30から約80molパーセントの縮合ブタジエン単位が1,2−付加構造を有するべきである。共役ジエンとしてイソプレンを使用することに言及する場合、ブロック中で約5から80molパーセントの縮合イソプレン単位が3,4−付加構造を有することが好ましい。ポリマーミクロ構造(共役ジエンの付加様式)は、希釈剤にミクロ構造調整剤(microstructure modifier)としてジエチルエーテルなどのエーテル、1,2−ジエトキシプロパンなどのジエーテルまたはアミンを添加することにより効果的に制御される。リチウムポリマー鎖末端に対するミクロ構造調整剤の適切な比は、米国特許第Re.27,145号において開示、教示されている。
【0018】
共役ジエンブロックの重合を調整してビニル含有量を制御することは当技術分野において周知である。概して、このことは、環状エーテル、ポリエーテルおよびチオエーテルを含めたエーテルまたは第二級および第三級アミンを含めたアミンなどの有機極性化合物を利用することにより実施されうる。非キレート性極性化合物およびキレート性極性化合物の両方を使用することができる。
【0019】
本発明の一態様に従って添加することができる極性化合物は、とりわけ、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、エチルメチルエーテル、エチルプロピルエーテル、ジオキサン、ジベンジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、テトラメチレンオキシド(テトラヒドロフラン)、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンおよびキノリンならびにこれらの混合物である。
【0020】
本発明において、「キレート性エーテル」とは、式R(OR’)(OR”)OR(式中、各Rは1から8個、好ましくは2から3個の炭素原子のアルキル基から個々に選択され;R’およびR”は1から6個、好ましくは2から3個の炭素原子のアルキレン基から個々に選択され;mおよびoは1−3、好ましくは1−2の独立して選択される整数である。)により例示されるように、複数の酸素を有するエーテルを意味する。好ましいエーテルの例には、ジエトキシプロパン、1,2−ジオキシエタン(ジオキソ)および1,2−ジメチオキシエタン(dimethyoxyethane)(グリム)が含まれる。その他の適切な物質には、CH−−OCH−−CH−−OCH−−CH−−OCH(ジグリム)およびCH−−CH−−OCH−−CH−−OCH−−CH−−CH−−CHが含まれる。「キレート性アミン」とは、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどの、複数の窒素を有するアミンを意味する。
【0021】
極性調整剤の量は、共役ジエンブロックにおける所望のビニル含有量を得るように制御される。極性調整剤は、リチウム化合物1モルあたり少なくとも0.1モル、好ましくはリチウム化合物1モルあたり促進剤1−50モル、より好ましくは2−25モルの量において使用される。別法として、濃度は、溶媒およびモノマーの総重量に基づいて重量百万分率において表すことができる。この基準に基づくと、10パーツパーミリオンから約1重量パーセント、好ましくは100パーツパーミリオンから2000パーツパーミリオンが使用される。しかしながら、これは、好ましい調整剤のいくつかはごく少量で非常に効果的であるため、大幅に変動しうる。それとは対極に、特に効果の低い調整剤を用いると、調整剤自体が溶媒となりうる。ここでも、これらの技術は当技術分野において周知であり、例えば、その開示を参照により本明細書に組み込む、Winkler、米国特許第3,686,366号(1972年8月22日)、Winkler、米国特許第3,700,748号(1972年10月24日)およびKoppesら、米国特許第5,194,535号(1993年3月16日)において開示されている。
【0022】
不飽和のスチレン系ブロックコポリマーは、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレン、またはスチレン−イソプレン/ブタジエン−スチレンを含めたこれらの混合物などのトリブロックであってもよい。スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレンもしくはこれらの混合物などの適切なジブロック、または少なくとも1つのモノアルケニルアレーンおよび少なくとも1つの共役ジエンの適切なクワッドブロックもまた公知である。ジブロックコポリマーは概して高温環境において不安定である。したがって、ジブロックおよびマルチアームブロックコポリマーの混合物が好ましい。これらのブロックコポリマーは、ブロックの逐次重合により線状に構築することもでき、カップリング剤を採用することにより、(S−B)(式中、nはブロックコポリマーの2から8本のアームS−Bに等しい。)のように、ブロックコポリマーの2本以上のアームが生成するように構築することもできる。このようなブロックコポリマーは、Kraton Polymersから市販されている。適切な不飽和スチレン系ブロックコポリマーには、D1102、D1101、D1184、D1118、D1122、D1155、D1192、D0243およびDX220が含まれるが、本発明はこれらにより限定されない。
【0023】
本発明において、逐次重合技術またはカップリング技術により調製することができる2つの潜在的なブロックコポリマー(S−B−SまたはPMS−I/B−PMS)が存在する。本発明のカップリングブロックコポリマーは、(S−B)Xまたは(PMS−I/B)Xと記述される。ブロックコポリマーについての上記放射状式(radial formula)において、nは2から約30の整数、好ましくは約2から約15の整数であり、Xはカップリング剤の残部または残基である。多種多様なカップリング剤が当技術分野において公知であり、これには、例えば、ジハロアルカン、ハロゲン化ケイ素、シロキサン、多官能価エポキシド、シリカ化合物、一価アルコールとカルボン酸のエステル(例えば、アジピン酸ジメチル)およびエポキシ化油が含まれる。星形ポリマーは、例えば、米国特許第3,985,830号;同第4,391,949号;および同第4,444,953号;カナダ特許第716,645号において開示されているようなポリアルケニルカップリング剤を用いて調製される。適切なポリアルケニルカップリング剤には、ジビニルベンゼン、好ましくはm−ジビニルベンゼンが含まれる。テトラ−エトキシシラン(TEOS)およびテトラ−メトキシシランなどのテトラ−アルコキシシラン、メチル−トリメトキシシラン(MTMS)などのアルキル−トリアルコキシシラン、アジピン酸ジメチルおよびアジピン酸ジエチルなどの脂肪族ジエステル、ならびにビス−フェノールAとエピクロルヒドリンの反応から誘導されるジグリシジルエーテルなどのジグリシジル芳香族エポキシ化合物が好ましい。
【0024】
カップリング効率が、連結技術により調製されるブロックコポリマーの合成において非常に重要である。典型的なアニオンポリマー合成において、カップリング反応以前に、未連結のアームはハードセグメント(典型的にはポリスチレン)を1個だけ有する。材料の強度機構に寄与するのであれば、2個のハードセグメントがブロックコポリマー中に要求される。カップリングされていないアームはブロックコポリマーの強度形成ネットワークを希薄化させ、物質を弱体化させる。本発明において実現される非常に高度なカップリング効率が、高強度の、カップリングされたブロックコポリマーを作製するための要点である。
【0025】
本明細書において、「分子量」という用語は、ポリマーまたはコポリマーのブロックのg/molにおける真の分子量を指す。本明細書および特許請求の範囲において言及される分子量は、ASTM 3536に従って実施されるように、ポリスチレン較正標準を使用したゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。GPCは、ポリマーが分子サイズにより分離され、最も大きい分子が最初に溶出する、周知の方法である。クロマトグラフは市販のポリスチレン分子量標準を使用して較正される。そのように較正されたGPCを使用して測定されたポリマーの分子量は、スチレン換算分子量である。ポリマーのスチレン含有量およびジエンセグメントのビニル含有量が既知の場合に、スチレン換算分子量を真の分子量に換算することができる。使用される検出器は、好ましくは紫外線および屈折率の組合せ検出器である。本明細書において表される分子量は、GPCトレースのピークにおいて測定され、真の分子量に換算され、一般に「ピーク分子量」と称される。
【0026】
本発明において有用である適切なスチレン系ブロックコポリマーは、80,000から450,000の重量平均分子量を有し;10%から40%のモノアルケニルアレーン含有量を有し;分岐度が2−4、ジブロックポリマーが80%までであり;ビニル含有量が少なくとも5mol.%、好ましくは5から65mol.%、最も好ましくは8から58mol.%であり;カップリング度が95%までであり、好ましくは20から95%、より好ましくは50から95%である。
【0027】
本発明の適用の架橋部分において、エネルギー源が有用である。架橋のためのエネルギー源の使用は、当技術分野において公知であり、本発明はいずれの特定の型にも限定されることを意図しない。適切なエネルギー源には、電子線照射、紫外光照射および/または熱が含まれる。
【0028】
「プロ−ラド(pro−rad)」とも称される架橋促進剤が本発明の適用の架橋部分において有用である場合がある。架橋促進剤の使用は当技術分野において公知であり(米国特許第6,803,014号に記載されている。)、本発明はいずれの特定の型にも限定されることを意図しない。代表的なプロ−ラド添加剤には、アゾ化合物、アクリレートまたはメタクリレート化合物、有機過酸化物および多官能価ビニルまたはアリル化合物、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、ペンタエリトリトール(pentaerthritol)テトラメタクリレート、グルタルアルデヒド、エチレングリコールジメタクリレート、ジアリルマレエート、ジプロパルギルマレエート、ジプロパルギルモノアリルシアヌレート、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエート、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオクトエート、メチルエチルケトンペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、ラウリルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、アゾビスイソブチルニトライトなど、ならびにこれらの組合せが含まれるが、これらに限定されない。本発明において使用するのに好ましいプロ−ラド添加剤は、多官能価(すなわち、少なくとも2つの)部分を有する化合物である。プロ−ラドは任意の有効量においてスチレン系ブロックコポリマーに導入される。好ましくは、ブロックコポリマーの総濃度の総重量に基づいて、0.01から5重量%である。
【0029】
開始剤が、本発明の適用の架橋部分において有用である場合がある。開始剤の使用は当技術分野において公知であり、本発明はいずれの特定の型にも限定されることを意図しない。適切なフリーラジカル開始系には、例えば、アゾ化合物、アルキルもしくはアシルペルオキシドもしくはヒドロペルオキシド、ケトペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシカーボネートおよびペルオキシケタールまたはこれらの混合物が含まれうるが、これらに限定されない。そのような化合物は、活性化温度および半減期、換言すれば、それらの反応が開始され、大規模になる温度に関して様々である。適切なアルキルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロペルオキシド、アシルペルオキシド、ペルオキシエステルおよびペルオキシケタールの例には、ベンゾイルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ジアセチルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、クミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジラウリルペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、メチルケトンペルオキシド、アセチルアセトンペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジブチルペルオキシルシクロヘキサン、ジ(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジイソブチルペルオキシド、t−ブチルペルベンゾエートおよびt−ブチルペルアセテートまたはこれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。開始剤を、エラストマー組成物の総重量に基づいて約0.001から約2.0重量パーセントの総量において採用することができる。いくつかの過酸化物開始剤を表1において示すが、これは概して、利用可能な過酸化物開始剤またはフリーラジカル開始剤の完全なリストではない。
【0030】
【表1】
【0031】
本発明のポリマーブレンドは、本発明の範囲から逸脱することなく、その他の非ポリオレフィンポリマー、粘着付与樹脂、末端ブロック樹脂、油、フィラー、強化材、酸化防止剤、安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、潤滑剤ならびにその他のゴムおよびプラスチックコンパウンド成分とさらにコンパウンドすることができる。ポリオレフィンは通常半結晶性であり、半結晶性成分はその固有の降伏挙動のために、高度の弾性特性を達成するのに概して望ましくない。
【0032】
一次酸化防止剤、二次酸化防止剤および炭素ラジカル捕捉剤は本発明において概して望ましい成分であるが、必須ではない。ほとんどの酸化防止剤は一次または二次酸化防止剤のカテゴリーに該当し、異なる化学構造に起因して異なる機能を有する。一次酸化防止剤は典型的にはヒンダードフェノールまたは芳香族アミンである。一次酸化防止剤はアルコキシラジカルおよびペルオキシラジカルを捕捉する。スチレン系ブロックコポリマーと相溶性である多くの一次酸化防止剤を本発明の組成物中に組み入れることができる。商品名IrganoxのもとでBASFから販売されている1010、1076、1330などの一次酸化防止剤が適切でありうる。
【0033】
二次酸化防止剤も一次酸化防止剤と共に使用することができる。二次酸化防止剤は典型的にはホスファイトおよび硫黄共力剤(thiosynergist)である。二次酸化防止剤は、熱および酸素にさらされたポリマーの自動酸化サイクル中に生成されるヒドロペルオキシドを捕捉する。商品名Irgafosのもとで販売されている多様な組成物が適切でありえ、同様にBASF製である。Irgafos 168などが本発明に適切でありうる。
【0034】
炭素ラジカル捕捉剤は酸化防止剤の第3のカテゴリーと考えられる。さらに、例えば住友化学製の商品名Sumilizerの炭素ラジカル捕捉剤を使用することができる。Sumilizer GSを実施例において使用する。
【0035】
採用することができる多様なフィラーの例は、1971−1972年、Modern Plastics Encyclopedia、240−247頁において見出される。強化材は、ポリマーの強度を向上させるために樹脂状マトリックスに添加される材料として単純に定義することができる。これらの強化材料のほとんどは、高分子量の無機または有機生成物である。多様な例には、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー、ガラス繊維、石綿、ホウ素繊維、炭素およびグラファイト繊維、ウィスカー、石英およびシリカ繊維、セラミック繊維、金属繊維、天然有機繊維および合成有機繊維が含まれる。得られる強化ブレンドの総重量に基づいて約2から約80重量パーセントの炭酸カルシウムを含有する本発明の強化ポリマーブレンドがとりわけ好ましい。
【実施例】
【0036】
実施例−未架橋データ
比較例1および2ならびに実施例1および2は以下に示す配合を有する。比較例1および2は比較例であり、一方実施例1および2は本発明の実施例である。実施例1および2は、PMSが20重量%であり、カップリング効率が約88%であり、カップリングトリブロックコポリマーの分子量が約127kg/molである、(PMS−I/B)Xブロックコポリマーに基づく。比較例1と実施例1との差異は、D−1171におけるポリスチレン末端ブロックをポリPMS末端ブロックで置き換えることで、パラメチルスチレン−イソプレン/ブタジエン−パラメチルスチレンのブロックコポリマーを形成したことである。イソプレン/ブタジエンは中間ブロックにおけるランダム混合物である。同様に、比較例2と実施例2との差異は、D−1171におけるポリスチレン末端ブロックをポリPMS末端ブロックで置き換えたことである。これらの組成物の各々の特性を、メルトフロー(ASTM D1238)、ミニDドッグボーン状試験片を用いた引張特性(ASTM D412)、3”の標点間距離を有する0.5”幅の短冊状試験片を用いた100%ヒステリシスおよび300%ヒステリシスについて試験した。ヒステリシス測定において、試料を100%または300%伸びまで引張った後、0荷重に戻す。戻り時の0荷重におけるひずみ値が「永久ひずみ」であり、一方、除荷曲線の曲線下面積が「回復可能エネルギー(recoverable energy)」である;永久ひずみおよび回復可能エネルギーの両方が弾性を示す尺度である。結果を下に示すが、結果は実施例1および2が比較例と同様の剛性およびヒステリシス特性を維持しながら、比較例よりも優れた引張強さを有することを明らかに示す。
【0037】
【表2】
【0038】
上述の実施例1および2において、SBSブロックコポリマー、S−I/B−SブロックコポリマーおよびPMS−I/B−PMSブロックコポリマーのすべてが、200℃において5kg荷重下で5g/10分を超えるMFRを有する。実施例1における組合せ組成物のMFRを190℃において5kg荷重下で測定し、ASTM 1238に基づいて8.4g/10分を得た。
【0039】
実施例−架橋データ(CDおよびMD)
比較例3は、99重量%のD−1171が、D−1171における24重量%ジブロックの代わりに12重量%ジブロックを含有することを除きD−1171と同じもので置き換えられたことを除いて、比較例1と同じ配合を有する比較例である。実施例1は、すべてのブロックポリスチレンがポリパラメチルスチレンの同様のブロックで置き換えられたことを除いて比較例3と同じである。実施例1はまた、比較例3との直接比較として12重量%ジブロックを有する。これらの組成物の各々の特性をメルトフロー(ASTM D1238)、ミニDドッグボーン状試験片を用いた引張特性(ASTM D412)、3インチの標点間距離を有する0.5インチ幅の短冊状試験片を用いた100%および300%ヒステリシス永久ひずみおよび回復エネルギーについて試験した。結果を下に示す。実施例1についての横方向(CD:cross direction)および縦方向(MD:machine direction)の両方における未架橋の(未加工)引張強さが、比較例1および比較例3のものよりも優れている。
【0040】
さらに、比較例1、比較例2および実施例1を、186キログレイの線量に曝露する電子線照射によって架橋させた。架橋した試料の結果を「xlinked」として下で示す。明らかに、実施例1 Xlinkedの引張特性はCDおよびMDの両方において比較例1 Xlinkedおよび比較例3 Xlinkedのものよりも優れている。架橋後の引張強さにおける相対的増加が比較例1および3に比べ実施例1ではるかに大きかった。実施例1のCD引張強さは架橋後に約40%増加するのに対して、比較例1および比較例3のCD引張強さはそれぞれ約30%および20%しか増加しない。MD引張強さにおける相対的増加ではさらに差が大きくなっている。
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
SBSブロックコポリマー、S−I/B−SブロックコポリマーおよびPMS−I/B−PMSブロックコポリマーを含有する上述の架橋した例において、それぞれが200℃において5kg荷重下で5g/10分を超えるMFRを有する。実施例1における組合せ組成物のMFRを190℃において5kg荷重下で測定し、ASTM 1238に基づいて8.4g/10分を得た。
【0044】
このように、本発明に従って、上述した目的、意図および利点を完全に充足する汎用流体組成物が提供されたことが明らかである。本発明をその特定の実施形態に関して記載してきたが、前述の記載に照らして多くの代替形態、変更形態および変形形態が当業者に明らかであることが明白である。したがって、すべてのそのような代替形態、変更形態および変形形態が添付の特許請求の範囲の趣旨および広範な範囲の範疇にあるものとして包含されることが意図される。