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特許6185594運転中に着信ビデオストリームを制御するためのデバイスおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185594
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】運転中に着信ビデオストリームを制御するためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/00 20060101AFI20170814BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   H04M1/00 U
   B60R11/02 W
   B60R11/02 C
【請求項の数】15
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-543358(P2015-543358)
(86)(22)【出願日】2013年10月11日
(65)【公表番号】特表2015-537479(P2015-537479A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】EP2013071304
(87)【国際公開番号】WO2014082785
(87)【国際公開日】20140605
【審査請求日】2015年7月21日
(31)【優先権主張番号】12306462.8
(32)【優先日】2012年11月27日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カバッス,ジルベール
(72)【発明者】
【氏名】ボノー,ファブリス
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/112502(WO,A1)
【文献】 特開2006−5744(JP,A)
【文献】 特開2004−32589(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1564582(EP,A2)
【文献】 国際公開第2012/066677(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/042606(WO,A1)
【文献】 特開2005−94136(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/00
B60R11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(1)内で、着信ビデオストリームを受信するように構成された通信デバイス(2;2A)の画面上の前記ビデオストリームの表示を制御するための方法であって、
前記通信デバイス(2;2A)で、前記ビデオストリームを受信するステップ(410)と、
前記通信デバイス(2;2A)で、車両(1)に関連する情報を取得するステップ(420)と、
前記取得された情報に応じて前記通信デバイス(2;2A)上の前記ビデオストリームの表示を有効(430)または無効にするステップ(440)とを備え、
前記通信デバイスの画面上に前記ビデオストリームを表示することの制御を有効または無効にするために、通信デバイス(2,2A)のドライバモードと呼ばれる操作モードをアクティブ化または非アクティブ化するステップをさらに備える、
前記ドライバモードは、前記通信デバイスが前記車両またはあらかじめ定められた車両のリストの車両と通信する場合、自動的にアクティブ化される、方法。
【請求項2】
車両(1)に関連する情報が、車両センサに接続された、車両に組み込まれた計算機(12)と通信することを通じて前記通信デバイス(2;2A)によって取得される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信デバイス(2)が、車両内に、好ましくは車両(1)のダッシュボード(10)内に組み込まれている、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記通信デバイスが、車両のダッシュボードに着脱可能に取り付けられ得るモバイルデバイス(2A)である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記通信デバイスが、車両に関連する前記情報を取得するための、それ自体の情報取得手段を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
情報を取得するステップが、車両の走行状態および/または速度に関連する信号を検出するステップを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ビデオストリームの表示を無効にするステップ(440)が、最終的な同乗者に対する前記表示を有効にしながら、車両の運転者に対する前記表示を無効にするステップを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記通信デバイスがオーディオストリームを再生するように構成されており、前記方法が、前記ビデオストリームを表示することが無効にされている間、前記オーディオストリームを再生することを有効にするステップをさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記ビデオストリームが、前記オーディオストリームをさらに備える、着信マルチメディアコンテンツの一部である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記通信デバイス(2,2A)で、車両(1)に関連する情報を取得するステップが、
モバイルデバイスと、車両のセンサと通信している車両に組み込まれたシステムとの間に通信が確立され得るかどうかを検出するステップと、
肯定的な回答である場合、車両(1)に関連する補足情報を取得するステップとを備える、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
否定的な回答である場合、前記方法が、前記通信デバイス上の前記ビデオストリームの表示を有効にするステップを備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ドライバモードは、通信デバイスが通信デバイスのユーザがドライバであるか同乗者であるかを検出することができないとき、手動で設定することができる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
車両(1)内で、前記ビデオストリームを受信するように構成された前記通信デバイスの画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するために、コンピュータ実行可能プログラムを実行することができる通信デバイス(2,2A)上でプログラムが実行されたとき、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を備える、コンピュータ実行可能プログラム。
【請求項14】
画面を備え、前記画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するために請求項1から12のいずれか一項に記載の方法を実行するようにプログラムされた、通信デバイス(2,2A)。
【請求項15】
車両(1)に関連する情報を取得するための車両センサ(13)に接続された計算機(12)を含む車両であって、前記画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するための請求項14に記載の通信デバイス(2,2A)をさらに備え、前記通信デバイス(2,2A)が前記計算機と通信するように構成されている、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にビデオおよび車両に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションでは、本発明のより良い理解を容易にするために役立つ態様を紹介する。したがって、このセクションの記述は、この観点から読まれるべきであり、何が従来技術であり、何が従来技術でないかについての承認として理解されるべきではない。
【0003】
3Gセルラーネットワーク、および特定の国々おける4Gセルラーネットワークの配備は、ビデオ通信ソフトウェアの開発と組み合わされて、スマートフォンなどのモバイル通信デバイスでのビデオ会議を非常に容易にする。
【0004】
モバイルビデオ会議を可能にするそのような技術の1つの問題点は、車を運転している場合、運転者が自分のスマートフォンでビデオ電話を受信すると、その電話に出て、自分のスマートフォンの画面に表示された発信者のビデオを見たくなる場合があることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、車両を運転中にビデオ会議電話がかかってきたときの事故のリスクを軽減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載の実施形態は、運転状況が安全ではない間は、運転者が自分のモバイルデバイスでビデオコンテンツを見ることができないようにすることができる。
【0007】
実施形態のある態様によれば、車両内で、着信ビデオストリームを受信するように構成された通信デバイスの画面上の前記ビデオストリームの表示を制御するための方法が提案され、前記方法は以下を備える:
− 前記通信デバイスで、前記ビデオストリームを受信するステップと、
− 前記通信デバイスで、車両に関連する情報を取得するステップと、
− 前記取得された情報に応じて前記通信デバイス上の前記ビデオストリームの表示を有効または無効にするステップ。
【0008】
したがって、運転者が前記モバイルデバイス上のビデオコンテンツを見ることにリスクがある間は、モバイルデバイス上にビデオコンテンツを表示することが抑制される。
【0009】
様々な実施形態によれば、車両に関連する情報は、車両センサに接続された、車両に組み込まれた計算機と通信することを通じて前記通信デバイスによって取得される。
【0010】
特定の実施形態では、前記通信デバイスは、車両内に、好ましくは車両のダッシュボード内に組み込まれている。
【0011】
他の実施形態では、前記通信デバイスは、車両のダッシュボードに着脱可能に取り付けられ得るスマートフォンなどのモバイルデバイスである。
【0012】
他の実施形態では、前記通信デバイスは、車両に関連する前記情報を取得するための、それ自体の情報取得手段を含む。
【0013】
一態様では、情報を取得するステップは、車両の走行状態および/または速度に関連する信号を検出するステップを備える。
【0014】
一態様では、前記ビデオストリームの表示を無効にするステップは、最終的な同乗者に対する前記表示を有効にしながら、車両の運転者に対する前記表示を無効にするステップを含む。
【0015】
別の態様によれば、前記通信デバイスはオーディオストリームを再生するように構成されており、前記方法は、前記ビデオストリームを表示することが無効にされている間、前記オーディオストリームを再生することを有効にするステップも備える。
【0016】
別の態様では、前記ビデオストリームは、前記オーディオストリームも備える、着信マルチメディアコンテンツの一部である。
【0017】
前記通信デバイスは、ビデオを見るには安全ではない状況が検出されている間は、ビデオサブストリームを表示せずにオーディオサブストリームを再生できるように、マルチメディアストリームを処理するように構成されていることが好ましい。
【0018】
様々な実施形態によれば、前記方法は、前記通信デバイスの画面上に前記ビデオストリームを表示することの制御を有効または無効にするために、通信デバイスのドライバモードと呼ばれる操作モードをアクティブ化または非アクティブ化するステップも備える。
【0019】
他の実施形態によれば、前記通信デバイスで、車両に関連する情報を取得するステップは、モバイルデバイスと、車両のセンサと通信している車両に組み込まれたシステムとの間にブルートゥース(R)接続などの通信が確立され得るかどうかを検出するステップを備える。肯定的な回答である場合、前記方法は、車両の速度、同乗者の存在、または前方の車両との距離などの、車両に関連する補足情報を取得するステップをさらに備える。あるいは、否定的な回答である場合、前記方法は、前記通信デバイス上の前記ビデオストリームの表示を有効にするステップを備える。
【0020】
様々な実施形態は、車両内で、前記ビデオストリームを受信するように構成された前記通信デバイスの画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するために、コンピュータ実行可能プログラム製品を実行することができる通信デバイス上でプログラムが実行されたとき、上述の方法を実行するためのコンピュータ実行可能命令を備える、前記コンピュータ実行可能プログラム製品も提供する。
【0021】
様々な実施形態は、画面を備え、前記画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するために上述の方法を実行するようにプログラムされた、通信デバイスに関する。
【0022】
実施形態は、車両に関連する情報を取得するための車両センサに接続された計算機を含む車両も提供し、前記車両は、前記画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するための上述の通信デバイスも備え、前記通信デバイスは前記計算機と通信するように構成されている。
【0023】
したがって、様々な実施形態は、たとえば車などの車両から着信する情報を有し、したがって着信ビデオストリームを表示することが現在安全かどうかを決定することができる、前記通信デバイスを提供する。
【0024】
その結果、車を運転している状況で、ユーザはいかなる設定も変更する必要がない。ユーザは車の外にいるときにビデオ電話をとることができ、それから車両内に入って同じ会話を続けることができ、たとえば信号や交通渋滞などで自分の車が停車するたびにビデオの恩恵を受ける。
【0025】
本発明のさらなる態様は、詳細な説明、図面、および以下の任意の特許請求の範囲において部分的に記載され、また、詳細な説明から部分的に導出され、または本発明の実施によって習得することもできる。上述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は例示および説明にすぎず、開示されたように本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
【0026】
次に、実施形態による装置および/または方法のいくつかの実施形態を、例示のみの目的で、および添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1の実施形態による通信デバイスを備え、前記通信デバイスが車両に組み込まれており、センサに関連付けられる計算機と通信することができる、車両を示す簡略化された概略図である。
図2】第2の実施形態による通信デバイスを備え、前記通信デバイスが前記車両に着脱可能に取り付けられており、センサに関連付けられる計算機と通信することができる、車両を示す簡略化された概略図である。
図3】第3の実施形態による通信デバイスを備え、前記通信デバイスが前記車両に着脱可能に取り付けられており、それ自体で、前記車両に関連する情報を取得することができる、車両を示す簡略化された概略図である。
図4】たとえば、図1図2、または図3の車両および通信デバイスの状況における、ある実施形態によるビデオストリームを表示することを制御するための方法の一般的なステップを示す流れ図である。
図5】たとえば、図1図2、または図3の車両および通信デバイスの状況における、別の実施形態によるビデオストリームを表示することを制御するための方法のステップを示す流れ図である。
図6】たとえば、図1図2、または図3の車両および通信デバイスの状況における、別の実施形態によるビデオストリームを表示することを制御するための方法のステップを示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
例示的な実施形態によれば、通信デバイス、前記通信デバイスを備えた車両、およびビデオストリームの表示を制御するための方法が提供される。
【0029】
様々な実施形態によれば、および図1を参照すると、通信デバイス2は、前記通信デバイス2のユーザと遠隔の他の対話者との間にビデオ会議電話を確立するためのビデオおよびオーディオストリームを備えるマルチメディアコンテンツを送受信するように構成されている。ストリームは、前記通信デバイス2で、WIMAX、UMTS、GPRS、CDMA2000、GSM(登録商標)、CPD、3G、または4G技術などの、よく知られているセルラーネットワーク技術を備える通信ネットワークを通じて送受信され得る。
【0030】
前記通信デバイスは、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯情報端末、または任意の他のそのようなデバイスを含む、ビデオおよびオーディオストリームを送受信することに適した任意のタイプの通信デバイスでよい。
【0031】
車両1内で、前記通信デバイス2の画面上の着信ビデオストリームの表示を制御するための方法の一般的なステップは、以下では、ユーザが車両内に位置する場合、および図4を参照して示されている。
【0032】
ステップ410で、前記通信デバイス2のユーザがビデオ会話をしており、自分の対話者から、オーディオストリームだけではなくビデオストリームも受信する。ステップ420で、前記通信デバイス2が、車両1に関連する情報を取得する要求を送信する。
【0033】
車両に関連する前記情報は、速度などの前記車両に依存する情報だけではなく、安全距離、または危険な場所の近傍などの、車両の環境に依存する情報も含み得る。
【0034】
ステップ421で、前記情報が、前記通信デバイス2によって分析され、前記通信デバイス2が、前記取得された情報に応じて、前記通信デバイス2上の前記ビデオストリームの表示を有効にする(ステップ430)か、無効にする(ステップ440)かを選択する。ビデオストリームを表示する(ステップ430)か、表示しない(ステップ440)かは、運転者が見ることができないようにするデバイスのアクティブ化/非アクティブ化の結果でよい。
【0035】
特に、前記表示を有効にするための1つの条件は、前記取得された情報が、前記ビデオを表示するための安全な状況として解釈されることでよい。たとえば、前記情報は、車両の走行状態および/または速度に関連する信号を備え得る。次いで、通信デバイスは、前記車両が停止している場合は表示を有効にして、車両のアクティブな走行状態が検出される場合は前記ビデオを表示することを無効にするように構成され得る。前記表示を有効にするか、または無効にするかを決定するために、他の情報が使用されてもよく、結合されてもよい。特に、車両の走行状態に関連するそのような信号は、車両の速度に関連する信号を備え得る。通信デバイスは、前記速度が速度のしきい値を超える場合、ビデオを表示することを無効にするように構成され得る。
【0036】
また、ビデオストリームを表示することは、同乗者の存在、および/または前方の車との距離に関連する信号を検出することに条件付けされ得る。
【0037】
前記信号は、同乗者が前記画面を見ることを可能にしながら、運転者が前記画面を見ることができないようにする、画面のマスキング要素のアクティブ化を検出する車両に組み込まれたシステムによって生成された信号でよい。
【0038】
同乗者の存在も、前記同乗者のシートベルトに関連付けられるセンサなどの、車のセンサによって検出され得る。
【0039】
同乗者の存在を検出する場合、前記通信デバイスの画面は、前記同乗者の方向に向けられ得る。向きは、前記画面を旋回すること、または、たとえば立体視技術を使用してビデオストリームの視覚的な向きを修正することによって得ることができる。
【0040】
様々な例示的な実施形態は、前記ビデオストリームを表示することが無効である間、しかしながら、ユーザが自分の音声会話を続けられるようにするために、前記オーディオストリームを再生することを有効にする。
【0041】
様々な実施形態によれば、前記通信デバイスは、通信デバイス上でアクティブ化または非アクティブ化され得る、ドライバモードと呼ばれる操作モードを提供するように構成される。前記ドライバモードは、特に前記デバイスがスマートフォンなどのモバイル通信デバイスである場合、手動でアクティブ化され得る。ドライバモードではない場合、デバイスは同乗者モードであると呼ばれる。デバイスが、他の手段によって、そのデバイスのユーザが運転者か同乗者かを検出することができない場合、それらの2つのモードは手動で設定され得る。他の実施形態では、たとえば、車両センサ13に接続された計算機12を通じて通信デバイスが車両と、またはあらかじめ定められた車両リストの車両と通信する場合、前記「ドライバモード」は自動的にアクティブ化され得る。
【0042】
アクティブ化されると、前記ドライバモードは、前記通信デバイスの画面上にビデオストリームを表示することの制御を有効にする。無効にされている間、ビデオストリームを表示することは制御されず、したがって前記ビデオストリームは表示されたままになる。
【0043】
そのようなドライバモードの使用の例示的な実施形態は、図5に示されている。通信デバイスは、以下のステップを含む処理を実行するように構成され得る。
【0044】
ステップ510で、前記通信デバイス2のユーザはビデオ会話をしているか、ビデオ電話を掛ける、またはビデオ電話をとる。ステップ520で、前記通信デバイス2が、前記ドライバモードがアクティブ化されているかどうかを決定する。否定的な回答である場合、ステップ550でビデオストリームが表示され、一方、肯定的な回答である場合、ステップ530で、前記通信デバイスが車両の速度などの車両に関連する情報を取得して、ステップ540で、取得された情報が、ビデオストリームを視聴することの安全な状況に対応するか否かを決定するために、あらかじめ定められた条件について前記情報を分析する。ステップ550で、安全な状況の場合、ビデオストリームが表示され、一方、ステップ560で、安全ではない状況の場合、ビデオストリームが隠される。ステップ550または560が終了すると、ドライバモードの状態を定期的にチェックおよび更新するために、実行された処理がステップ520に戻ってよい。
【0045】
図6に示される他の様々な実施形態では、通信デバイスは、前記通信デバイスと、車両に組み込まれた計算機との間に通信が確立され得るかどうかを検出する処理を実行するようにも構成される。前記通信デバイスは、最終的には他の情報とともにこの情報を使用して、前記ビデオストリームを表示するか隠すかを選択する。
【0046】
ステップ610で、前記通信デバイス2のユーザがビデオ会話をしている。ステップ620で、前記通信デバイス2が、モバイルデバイスと、車両のセンサと通信している車両に組み込まれたシステムとの間に通信が確立され得るかどうかを決定する。前記通信検出は、ブルートゥース(R)接続などのワイヤレス接続が利用可能かどうかを検出するステップを備え得る。たとえば、そのような検出は、前記通信デバイスが車両の内部に位置しているかどうか、および/または、前記車両が、車のように、ユーザによって運転されることが可能であるどうかを決定するために役立つことができる。したがって、そのような決定ステップは、電車と車を区別するなどの、あるタイプの車両と別のタイプの車両を区別するために使用され得る。
【0047】
利用可能な通信がない場合、通信デバイスは、最終的に補足情報を取得した後で、前記ユーザが車両の外にいるか、前記ユーザによって運転されていないはずの車両内にいることを考慮するように構成され得る。したがって、ステップ630で、ビデオストリームが表示される。
【0048】
様々な実施形態では、前記通信デバイスと車両との間の利用可能な通信がある場合、ステップ640で、前記通信デバイスは、前記通信の画面が車両の運転者によって見えるかどうかを決定する。そのような決定は、上記で説明したように、マスキング要素のアクティブ化を検出することによって、または立体視ソリューションのアクティブ化を検出することによって、実現され得る。
【0049】
ステップ640の結果が、運転者は画面上の表示を閲覧することができないということである場合、前記ビデオストリームの表示は、ユーザ−同乗者がビデオストリームとオーディオストリームの両方から恩恵を受け続けられるように、ステップ630で有効にされる。ステップ640の結果が、運転者は画面上の表示を閲覧することができるということである場合、ステップ650で、通信デバイスが車両に関連する情報を取得して、上述のように表示状況が安全であるかどうかを決定するために前記情報を分析する。安全ではない状況の場合、ビデオストリーム表示が抑制され(ステップ660)、一方、安全な状況の場合、ビデオストリームを表示することが有効にされる(ステップ630)。
【0050】
マスキングデバイスの実装形態に応じて、通信デバイスは、そのアクティブ化を単に検出してもよく、そのアクティブ化をトリガしてもよい。次いで、後者の場合、ビデオストリームが同乗者によって閲覧され得るよう、デバイスはビデオストリームを常に表示するように図6の図が修正されてよく、しかし、ステップ650でビデオが運転者によって閲覧可能であるべきではないと決定されると、マスキングデバイスを自動的にアクティブ化する。
【0051】
ユーザが車を運転しており、「ドライバモード」がアクティブである、ある例示的実施形態によれば、通信デバイスは、運転者が画面を見るために交通状況が十分に安全である場合のみ、着信ビデオストリームを表示しながら、通常の電話などの着信電話を許可にするように構成され得る:
− 典型的に、車が完全に停車している場合、
− または、最終的に、交通状況が画面を素早く見ることを許す場合、たとえば、運転者が前方の車両との安全な距離を順守している場合、自分が都市部にいない場合、および交差点に近づいていない場合。
【0052】
このような通信デバイスがあれば、運転者は、事故のリスクを軽減しながら、運転中に電話を掛ける、または電話をとることができる。運転者は、自分の車が停車していない間、自分の話し相手(correspondent)の音声を得ることができ、赤信号に近づくと、再び発車するまでビデオストリームが自動的に表示され得る。
【0053】
図2に示される実施形態では、通信デバイス2Aは、図1の実施形態同様、車両センサ13に接続された、車両に組み込まれた計算機12と通信することができる。図1の実施形態では、前記通信デバイス2は車両内に、好ましくは車両1のダッシュボード10内に組み込まれているが、図2の実施形態では、通信デバイス2は、車両のダッシュボード10に着脱可能に取り付けられ得るスマートフォンなどのモバイルデバイス2Aであるという事実によって、図2図1と異なっている。
【0054】
あるいは、図3の実施形態に示されるように、前記モバイルデバイスは、車両に関連する前記情報を取得するための、GPSチップなどのそれ自体の情報取得手段を含み得る。この場合、前記モバイルデバイスは、車両に組み込まれた任意のシステムとは無関係に、ビデオを表示することの危険性に関連する前記情報を取得することができる。
【0055】
当業者は、様々な上述の方法のステップが、プログラムされたコンピュータによって実行され得ることが容易に理解できるであろう。
【0056】
特に、スマートフォンまたはタブレットコンピュータなどの前記通信デバイスは、前記方法ステップを実行するための命令を実行するために、コンピュータ、プロセッサ、またはコントローラを備え得る。
【0057】
上述の、および図面に示される様々な要素の機能は、専用ハードウェア、ならびに適切なソフトウェアに関連してソフトウェアを実行することができるハードウェアの使用を通じて提供され得る。プロセッサによって提供される場合、機能は、単一の専用プロセッサによって、単一の共有プロセッサによって、またはそのうちのいくつかが共有され得る複数の個々のプロセッサによって提供され得る。さらに、「プロセッサ」または「コントローラ」という用語の明示的な使用は、ソフトウェアを実行することができるハードウェアを排他的に指すものと見なされるべきではなく、これに限定されないが、デジタル信号プロセッサ(DSP)ハードウェア、ネットワークプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、ソフトウェアを記憶するための読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および不揮発性記憶装置を暗示的に含み得る。従来のおよび/またはカスタムの他のハードウェアも含まれ得る。
【0058】
本明細書では、いくつかの実施形態は、たとえばデジタルデータ記憶媒体などの、機械可読またはコンピュータ可読であり、機械実行可能またはコンピュータ実行可能な命令のプログラムを符号化するプログラムストレージデバイスをカバーすることを意図しており、前記命令は、本明細書に記載の方法のステップのうちのいくつかまたはすべてを実行する。プログラムストレージデバイスは、たとえば、デジタルメモリ、磁気ディスクまたはテープなどの磁気記憶媒体、ハードドライブ、あるいは光学的に読取り可能なデジタル記憶媒体でよい。また、本実施形態は、本明細書に記載の方法の前記ステップを実行するようにプログラムされたコンピュータをカバーすることが意図される。
【0059】
本発明の複数の実施形態が、添付の図面に示され、上記の詳細な説明において記述されているが、本発明は開示された実施形態に限定されず、以下の特許請求の範囲によって説明および定義されるように、本発明から逸脱することなしに、多数の再構成、修正、および置換が可能であることが理解されるべきである。
【0060】
様々な実施形態では、上述の方法の特定のステップは異なる順序で実行され得る。さらに、追加のステップも提供され得る。
図1
図2
図3
図4
図5
図6