(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
眼科用途及び他の用途において、ボリュームの三次元スキャンデータを生成するために光干渉断層撮影(optical coherence tomography:OCT)がしばしば利用される。一般にOCTスキャンは、それぞれの特徴をOCTスキャンの中心またはその近傍に置く比較的少数の固視位置(通常は黄斑や視神経乳頭)のいずれかを利用して行われる。黄斑と視神経乳頭の双方を包含する広い範囲に及ぶ広域スキャンパターンの使用も普及してきている。軸方向における単一のスキャンは深さプロファイル(「Aライン」または「Aスキャン」)を生成し、所定の線に沿った一連のAスキャンはBスキャンを生成する。更に、一連のBスキャンにより3Dボリュームを形成することができる。
【0004】
地図状萎縮(GA)、全脈絡膜萎縮症、網膜色素変性症、緑内障および多発性硬化症(MS)のような後眼部の疾患には、組織萎縮の大雑把なパターンがあり、次のいずれか一方または双方として提示される可能性がある:(1)厚さの変化;(2)OCT反射率(画像ピクセルの強度)の変化。厚さの変化は、疾患の進行とともに患部組織の薄化を来す傾向がある。しかし、炎症に関連するあまり一般的でない網膜疾患は、厚さの増大を引き起こすことがある。GA、全脈絡膜萎縮症および網膜色素変性症などの疾患は、網膜色素上皮(RPE)、外節、内節および/または脈絡毛細管板など、外網膜の1または複数の層および/またはその周囲の組織層の萎縮を伴う。緑内障およびMSは、一般的に、網膜神経線維層(rNFL)および神経節細胞層(GCL)の萎縮を伴う。OCT反射率の変化は、通常、組織の減衰特性の変化により生じるか、それに伴うものであり、測定または観察される組織層とは異なる組織層に見られることもある。その代わりにまたは擬似的に、反射率の低下は、水晶体の結晶化(白内障)または硝子体内の浮遊物(飛蚊症)による影の増加(暗化、データのダイナミックレンジの低減)に起因することがある。比較的大きな測定可能な変化は、他に比べ所定の組織層および所定の網膜部位に対して関連性が高く、その本質は高度に疾患特異的である。
【0005】
進行した「乾性」加齢黄斑変性症(AMD)とも呼ばれる地図状萎縮は、実質的且つ進行性の視力障害を引き起こし、AMDの既存の臨床徴候を示す患者の約20%において発症する。GAは、光受容体およびRPE萎縮レベルの細胞自然死の集密領域によって特徴付けられ、罹患者の半数以上において両眼に発生する。その状態は、長い時間を掛けてゆっくりと進行し、通常、疾患進行の後期まで中心窩に影響を与えない。萎縮は、単巣性(1つの萎縮点)または多巣性(複数の点)である。
【0006】
非新生血管性AMDの新規の治療を評価するための臨床試験は、GAのサイズおよび進行を監視するための、簡易で、信頼性、正確性のある手段を必要とする。現時点でAMDの病因の各種態様はあまりよく理解されていないが、GA進行を正確に監視することは、通常、GAおよびAMDの病因をより理解する助けとなる。
【0007】
全脈絡膜萎縮症においては、脈絡膜毛細血管(ブルッフ膜のすぐ外側の脈絡膜内の小さな毛細血管)、RPEおよび(疾患後期においては)光受容体が変性し、時間を掛けて視機能が失われていく。GAの場合と同様に、RPEの可視的な薄化は、OCTスキャンによって患部にしばしば見受けることができる。さらに、RPE層(主としてRPE複合体の、また、脈絡膜毛細血管および光受容体等の他の組織的特徴の)の減衰の低下により、脈絡膜およびその奥(例えば強膜)における信号が、OCTスキャンにおいて相対的に明るく見える。
【0008】
網膜色素変性症は、光受容体に影響を及ぼし深刻な視力喪失に至る進行性の網膜疾患である。光受容体の外節(OS)、および、外顆粒層(ONL)等の他の層に、萎縮が観察されることがある。通常は、OS層の薄化が他の受容体層の変化に先行する。網膜色素変性症の場合、NFL層が無変化または厚化するとともに、OSの可視的な薄化、ことによるとRPE、ONLおよび全網膜厚の薄化、が観察されることがある。
【0009】
黄斑に優先的に影響を与える加齢黄斑変性症の病因には4つの主要なプロセスがある。第1はリポフスチンの形成であり、加齢に伴うRPE代謝の機能不全が、RPEにおけるリポフスチン細粒(脂質とタンパク質とのおおよそ一様な混合物)の漸進的蓄積に至る。これは、RPEからの外節食作用からの代謝産物除去の停滞にも関連する。A2Eとして知られるリポフスチンの成分については、細胞毒性分子であること、フリーラジカル生成能を有すること、DNAに損傷を与えることなどが知られている。
【0010】
次に、RPEとブルッフ膜との間に集積する細胞外沈着物の結果としてドルーゼン形成が生じる。大部分の年配者は少数の「硬性」ドルーゼンを有するが、特に色素変性を伴う場合には、多数の「硬性」または「軟性」ドルーゼン(特に、一般的には広範囲にわたる軟性変化)の存在が、AMDの早期指標であると考えられる。ドルーゼン形成についても、CFH遺伝子対立因子Y402Hと同様に、炎症過程に関連すると考えられる。
【0011】
第3のプロセスである慢性的な局所的炎症はあまり良く理解されておらず、光の照射および遺伝現象(CFH遺伝子対立因子Y402Hなど)を含む付加的な要因だけでなく、リポフスチンおよびドルーゼンの形成に関わっている。
【0012】
最後に、新生血管形成(湿性AMD)は地図状萎縮とは異なる。新生血管形成は低酸素状態または炎症のいずれか(またはこれら2つの組み合わせ)の後に生じると考えられ、脈絡膜新生血管を促進するVEGF(血管内皮成長因子)の増産を引き起こすシグナル経路を生じさせる。
【0013】
地図状萎縮は進行したAMDの所定の末期であると考える者もいるが、GAは一般的にAMDの非湿性の末期であると考えられている。しかしながら、GAおよび湿性AMDの双方が共に同じ眼に発症することがある。GAでは、RPEおよび外節が患部において萎縮し、この萎縮は通常、内節、外顆粒層および場合によっては脈絡毛細管板を含む、組織層の周囲にも広がる。網膜機能の欠損に伴って、患者の中心視力に盲点(視野暗点)が生じる。
【0014】
GAの検出には、従来、撮像モダリティ(眼底撮影および眼底自発蛍光撮影)が用いられていた。眼底撮影では、可視脈絡膜血管および非新生血管AMDとともに、RPEの明白な欠落を示す急激に分画された区域としてGAが定義される。眼底自発蛍光撮影は、RPE細胞に蓄積するAMDに関連する化合物(リポフスチン等)の自発蛍光特性に基づく。眼底自発蛍光撮影は、おそらく、GA検出について現在最も広く応用されている技術である。
【0015】
新しいOCT技術においては、GAは、RPEや、外網膜の他部位、場合によっては脈絡毛細管板の欠損から生じる、脈絡膜領域(すなわちブルッフ膜の外側)におけるOCT信号強度の増加を伴う。RPEおよび脈絡毛細管板は、OCTスキャンにおいて反射性亢進を呈する2つの組織層であり、通常、入射光を散乱させるため、脈絡膜への光(よってOCT信号)の深部伝達を部分的に妨げる。OCTは、網膜の異なる薄層における微細構造の変化を特徴付けるために、画像読み取りを可能とする断面の可視化を行うことができる。網膜の正面および断面の画像を記録するためのただ1つの走査方式を用いて、GA患者の網膜変化について眼底自発蛍光撮影よりも詳細な見識を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本明細書において、特定の用語は利便性のためのみに使用され、本発明を限定するものではない。本明細書で使用される関連用語は図面を参照して最良に理解され、図面において、同じまたは類似の構成要素には同様の符号が付されている。また、図面において、ある特徴はいくぶん模式的に示されていることがある。
【0039】
なお、本開示はOCT撮像モダリティに基づくものであるが、OCTには限定されない。例えば、超音波への適用も可能である。さらに、「網膜」とは通常網膜色素上皮(RPE)細胞体の内側の組織を示す。本開示のため、網膜はRPE細胞体を含み且つその内側の組織層として定義される。よって、ここでは、脈絡膜および強膜は網膜組織とは見なされない。ここで参照される眼および網膜の層の解剖学的構造および相対的位置関係のより詳細な例を、
図1において典型的なOCT断面像(Bスキャン)100上に示す。
図1は、内境界膜102、神経線維層(NFL)104、神経節細胞層(GCL)106、内網状層(IPL)108、内顆粒層(INL)110、外網状層(OPL)112、外顆粒層(ONL)114、外境界膜(ELM)116、網膜色素上皮(RPE)118、脈絡膜120、強膜122、および脈絡膜強膜境界(CSI)124を示す。硝子体および中心窩も示されている。
図1をさらに参照すると、内節(IS)は、おおよそ、ELM116と内節エリプソイド(ISe、またはIS/OS接合部としても知られる)130との間に位置する。外節(OS)は、おおよそ、ISeと網膜色素上皮(RPE)118との間に存在する。ブルッフ膜(BM)は、一般に、RPE118の外縁と一緒にまたはそのすぐ外側に配置されていると考えられている。脈絡毛細管板はあまりに小さく画像化されないが、BMのすぐ外側に隣接している。ISeとRPEとの間にはスキャン中心に向かって錐体外節端(COST)が示されている。
【0040】
現在までの網膜撮影のための市販のOCT装置のほとんどは、800nm帯の光を利用している。しかし、1μm帯の波長システムは、研究および商用の双方の応用において役立てられている。さらに、スウェプトソースOCT(SS-OCT)システムは、画像においてより深い位置での損失が相対的に低くなるように信号のロールオフ特性が改善される点において、SD−OCTに対して付加的な利点を有する。SD−OCTに搭載される4096ピクセルもしくは他のサイズ(例えば、2048ピクセルより大きい)のCCDカメラは、信号のローフオフ特性の低減という同様の利点を有する。このようなシステムの使用により、脈絡膜の撮影能力が向上される。また、脈絡膜が非常に厚い場合であっても、通常、脈絡膜外部は描出可能である(つまり、システムノイズのレベルより高い)が、従来はこれを実現できないことが多かった。また、特に1μm帯の波長を用いることで(そして、特に1μm帯のSS−OCTシステムの場合)、強膜内の部位を好適に撮像できることが多い(強膜全体を画像化できることもある)。
【0041】
最新の1μm帯のSS−OCTシステムは、さらに良好な深達性(例えば、脈絡膜および強膜の撮影性能)を、例えば以下により達成できる:(1)中心波長(例えば、1040nmを僅かに超える)を最適化する;SD−OCTではなくSS−OCTを利用する(ここで、SS−OCTは、向上したSNRロールオフプロファイルを有する);SD−OCTシステムにおいて、センサ数が大きいCCDカメラを利用する(例えば、4096センサまたはピクセル)。加えて、800nm光に比べて1μm光は白内障を好適に透過する。800nmシステムは、白内障の影響を受けるAラインにおいて減衰および/またはシャドウイングを呈する可能性が高い。1μm光は、赤外域に含まれるので、患者は視認できない。それにより、スキャン中に眼に与えられる刺激が減少し、取得されたOCTデータにおける眼球運動の低減を図ることができる。したがって、取得された3D−OCTデータ自体の忠実性が高まり、その後の画像処理演算における副作用の低減が図れる可能性がある。加えて、800μm帯のSD−OCTにおいては、1μm帯のSS−OCTに比べて網膜での信号の減衰が大きい。例えば、この減衰は、RPEの深さおよびそれを越えた深さにおいて約5〜10dBになりうる。
【0042】
偏光感度OCT(PS−OCT)は、画像化される組織で生じる光の偏光状態の変化を利用するOCT技術である。PS−OCT中には、OCTシステムの参照アームおよびプローブアームにおいて光源が偏光される。そして、互いに直交する2つの偏光チャネルで後方散乱光が検出され、光源光と後方散乱光との間における偏光の変化が検出される。この技術は、複屈折性且つ脱分極性の組織を含む網膜の撮影に特に有効である。このように、PS−OCTは、様々な網膜層を識別するための高い感度を提供する。
【0043】
さらに、ここに開示された技法は、1μm帯および/またはSS−OCTシステム(および/または4096ピクセルもしくは他のサイズのCCDのSD−OCT)またはPS−OCTには限定されず、そのような技術に伴う改善された画像化透過深度によりそのロバスト性を高めることができる。この向上は、例えば、脈絡膜強膜境界(CSI)および/または強膜の信号の積分の比較的信頼性の高い使用を可能にする。例えば、開示された技法は、スペクトラルドメインOCT(SD-OCT)、スウェプトソースOCT(SS−OCT)およびPS−OCTを含む、800nmOCTシステムに適用可能である。
【0044】
本開示は、任意の適当な大きさのスキャンにも適用できる。例えば、本開示の範囲内において、従来の6mm×6mmスキャンプロトコル、および、12mm×9mm等の広域スキャンプロトコル、さらには任意の寸法のスキャンを想起することができる。様々な寸法の2次元(2D)および3次元(3D)スキャンを想起することもできる。このように、本開示におけるスキャンの寸法は、本実施形態を限定するものではない。
【0045】
ここに説明する1以上の態様において、組織減衰が低減した領域の萎縮の同定、測定および/または可視化のためのシステムおよび方法は、以下のいずれかに基づいて実現される:(1)積分された信号の比率、または(2)比を伴わない信号積分(ratio-less signal integration)。1つの実施形態において、GAを診断、監視および/または治療するための3D−OCTスキャンと併せてその態様を使用することができる。しかし、減衰に関連する解析やOCT以外のモダリティ(例えば超音波)によって検出可能な萎縮を伴う他の疾患に、本発明の態様を適用することも可能である。
【0046】
ここに説明する態様は、以下の1以上の決定および/または測定に使用することができる:(1)疾患が特にどの位置に存在するか;(2)個々の患部の範囲;(3)個々の患部の個数;(4)患部の全範囲;(5)個々の領患部の周縁;および(6)患部の周縁全体。このデータ、より広くはここに記載された態様は、健康な被検者および初期から中期(GAのような後期症状が現れる前)のAMD患者を含むGAの症状を未だ呈していない被検者に対して用いることができる。このデータ、およびここに記載された態様はそのようなデータの決定および/または測定に使用することができ、一時点もしくは所定の期間にわたる監視および診断目的に使用することもできる。
【0047】
また、積分された信号の比率自体は減衰に関連する物理的現象を客観的に表すことから、その比率は、完全な萎縮範囲及び周辺領域の双方で、GA(または、通常AMD)の有用な指標および/または予測因子となり得る。近隣領域間の比率の相対的差異も同様に有用である。これらの比率は物理的な組織特性の他覚的測定に用いることができ、比率マップの後処理による萎縮領域の同定と、空間的にスキャン範囲にわたるRPE整合性の定量化の双方に有用である。
【0048】
積分された信号の比率に関連する1つの実施形態において、その比率は、GAを決定するための脈絡膜および/または強膜の信号に対する網膜の信号の信号積分に基づくものであってよい。なお、本発明の範囲から逸脱することなく、他のモダリティおよび他の疾患ごとに層の組み合わせが変わってもよい。他の実施形態において、信号積分(つまり、比率を用いない(ratio-less))の技法は、深度を固定した積分に対応してもよい。例えば、積分される深度の内側縁は、ブルッフ膜またはその外部に対応してよいし、ブルッフ膜自体を分解できない場合にはRPE細胞体の抹消部またはその外部に対応してよい。改めて、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な層、層の一部および層の組み合わせを用いることが可能である。
【0049】
網膜層内部は比率に基づく態様において使用され、さらに、次のいずれかとして定義される(1)RPE;(2)内境界膜(ILM)からブルッフ膜の境界まで;(3)NFL/GCLからブルッフ膜の境界まで;(4)外網状層OPL/外顆粒層ONLからブルッフ膜の境界まで;(5)積分される固定深度の内側縁が、ブルッフ膜またはその外部に対応し、或いは、ブルッフ膜自体を分解できない場合にはRPE細胞体の抹消部またはその外部に対応する、固定深度の厚い層;および(6)網膜層の任意の組み合わせ。網膜層外部は、比率に基づく態様および比率を用いない態様の双方に使用され、且つ、脈絡膜および/または強膜の全体または一部を含んでいてよい。これは、例えば、網膜層外部が、脈絡膜内の部分のみ(例えばハラー層を除く)を含んでよいことを意味する。ある実施形態では、強膜の信号のみを使用する場合に、栄養血管を無視すると都合が良いこともある。
【0050】
強膜は栄養血管を含むため不揃いになることはあるが、(3つの主要な副層を有し、動的な血管形態により付加的かつ空間的に高度に変化する)脈絡膜よりも一様な信号分布を有する。これは、強膜にとって相対的に有利である。しかし、装置の感度の問題から、脈絡膜(特に、その内側の部分)がより実用的であろう。CSIとの比較におけるブルッフ膜/脈絡膜境界のセグメンテーションの正確さは、他の実用上の問題である。
【0051】
健常組織(例えばRPE)と、層検出アルゴリズムで健常組織とそれに類似する細胞外物質(例えば萎縮領域)とを識別することは困難であるため、強度のみの画像(例えば従来のBスキャンOCT画像)のセグメンテーションは、萎縮領域のエラーをしばしば含む。前述のように、PS−OCTシステムの使用は、この点について、向上された感度をもたらす。例えば、GAにおいては、構造的なOCT画像においてしばしば可視であり、よくRPE信号と間違えられるブルッフ膜上の層状の沈着物に対応する明るい信号であるにもかかわらず、PS−OCTは、RPEが連続していないことを示す。したがって、PS−OCTは、RPE信号(内部マップ)が正確にRPE自体に制限可能であり、および/またはRPE信号(内部マップ)が萎縮領域を直接に示すように使用可能なように、減衰ベースの画像処理の補助に有用である。PS−OCTによれば、取得された特徴的な偏光均一性の程度(degree of polarization uniformity:DOPU)と閾値決定の技法とを使用することで、健常組織の層をより好適に同定できる。例えば、RPEを同定しそのセグメンテーションを行うためのDOPUは、まず、次式に従うピクセルごとのストークスベクトルSを計算することにより得られる。
その後、次式に従ってDOPUを計算することができる。
最後に、所定の閾値(例えば0.65)より低いレベルのDOPUを持つピクセルを選り分けることによりRPEを同定することができる。さらに、RPEに対応すると決定したピクセルを基に、RPEまたはRPEの任意の所望部分の底(外縁)を横断する境界をモデル化するために、曲線適合法を適用することができる。この適合された境界は、準RPE領域の選択するためのブルッフ膜の役を果たすことがある。
【0052】
分かりやすくするために、以下の開示では、外部層の計算のための(一定深度に対応する一定数のピクセルにわたって積分が行われるように)固定深度の積分としてのピクセル強度積分を説明する。なお、外部参照層については、固定深度にわたって和を求めること、または、固定深度もしくは可変深度にわたるピクセル強度の平均値を求めることとは、数学的に同等である。可変深度にわたる計算はモデル化近似を含んでよいが、依然、この計算の結果は物理的意味を表現することが求められる。可変深度にわたる平均化は、計算技法が平均化の程度を増加する(より多くのピクセルを平均演算に含める)ことを可能にし、ガウスノイズおよび/またはスペックルノイズの低減に役立てることができる。したがって、物理的方程式の観点から理想的でないとしても、ノイズの低減は物理的関心を凌ぐかもしれない。さらに、OCT画像における脈絡膜信号の複雑な性質を考慮すると、他の演算法は実用的且つ有益であることもある。例えば、場合によっては、関心領域の最大強度投影またはn個の最大値の平均を取ることが、単純な積分よりも信頼性の高い画像処理結果をもたらすことがある。同様に、ピクセル信号強度レベルの中央値または任意の分位値を取ってもよい。層内部の演算組み合わせと同様の変形を実行することができる。例えば、信号を積分する代わりに、平均ピクセル値を算出することができる。なお、層内部の演算深度がAスキャンごとに変化した場合、比率の物理的意味の精度を低減する可能性があるが、依然として、その演算結果は地図状萎縮の領域の同定に有用である。
【0053】
1以上の実施形態において、後方散乱光の信号強度の比率(参照層を表す比率の一部)の計算は、萎縮を決定するための減衰演算の重要な要素である。平均または積分された信号強度の比率の演算結果は、積分された減衰自体の代理指標として直接用いることができる。固定深度にわたる積分は物理的方程式により対応することがあるが、通常、平均演算も好適に作用する。
【0054】
比率の値を推定するために、Aラインにおける網膜内部層および網膜外部層からの後方散乱光の強度の組み合わせについて、平均または積分された信号の比率を取るのではなく、個々の比率を求めてもよい。例えば、内部および外部領域のそれぞれについての全てのAスキャンに交差する固定深度を使用して、対応する深度におけるピクセル強度について個々の比率を求めてもよい。そして、和、平均値、中央値、分位値または他の類似の統計的関数により、個々の比率を組み合わせてもよい。想起される他の類似の方法は、内部および外部領域におけるピクセルの組み合わせのそれぞれについての比率計算を含む。そして、外部領域における各ピクセルについての各比率の和が、各外部領域ピクセルについての単一の比率の値を求めるために算出される。最後に、和、平均値、中央値または類似の統計的関数が、この単一の比率の値のそれぞれについて算出され、所望の定数により任意で増減可能である。つまり、例えば、所定のAスキャンにおいて、xおよびnはそれぞれ内部および外部領域についての深さd1およびd2のピクセル位置を表し、TiおよびToはそれぞれ内部領域ピクセルおよび外部領域ピクセルの強度を表すとすると、以下の式が成り立つ。
このように、内部および外部領域に対応する深度は異なってよい。前述の数式を少し変形して、深度d1および/またはd2をAスキャンごとに変化させてもよい。
【0055】
距離の逆数(例えばmm
−1)単位の減衰係数を次式にしたがって決定することができる。
ここで、βは経験的方法により推定可能な定数(被検体、位置および層により多少変化する)として設定され、Rは比率の値であり、μ
ATTは測定値であり、深度dにわたる光の全減衰を表す。この係数を変形することにより、比率の値に関して単調で且つ以下の関係に従って決定される、無単位の積分された減衰測定値を求めることができる。
ここで、f(R)は単調関数を表す。βはボリュームによって多少変化するが、そのような変化が相対的に緩やかである限り、相対的に局所的な単調性は維持されると考えられる。場合によっては、例えば、固定深度にわたり積分することまたはその積分の平均を取ることにより(他の定数(βなど)が導出されたスケーリング因子を反映するよう設定されるであろうことを除き、固定深度にわたる積分と数学的に同値である)、dを効果的に一定に維持することができる。
【0056】
上記において、RPEの減衰を決定するための参照信号として任意のRPE下の信号を利用することができる。この場合において、Tが単一の層または複数の層の組み合わせの全後方散乱光を表し、所定の実用上の計算的配慮からβは大域的に一定であるとすると、関係比率の値は次式に従って定義される。
および
【0057】
これら数式は、RPEの積分された減衰に到達するためのRPEの全信号およびRPE下の全信号に関する。RPE(内部)端では、理論上および実用上の双方の理由で、他の層および層の組み合わせを使用できる。GAにおいては、例えば、萎縮が実際にRPEよりも広範囲にわたり、外節、内節、外顆粒層および脈絡毛細管板まで広がる。そのような層のいずれかを含むことにより、それらを演算に織り込むことができる。GAでは、萎縮によりRPEが劣化しほとんど消失することがある。したがって、減衰に関するパラメータを計算するためのモデルに付加的な組織を含めることは、演算上有用であろう。特に病気の網膜について、特に自動的なアルゴリズムによって、高精度のセグメンテーションを達成することは困難である。したがって、そのような状況が生じる実施形態において(前述したような)PS−OCTを使用してもよい。網膜内部の層の全てまたはほとんどを含めて妥当な結果を得ることができる。
【0058】
したがって、他の実施形態において、上記の比率の値の数式は次式に従ってより一般化される。
および
算出される積分された減衰値は1つ少ない変数(組織内部の厚さ)に依存するため、この一般化されたモデルを上記の無単位の積分された減衰とともにより有用かつ柔軟に適用することができる。よって、この形式は、網膜(または網膜層もしくは網膜層の一部)に伴う減衰の総積分値を、RPE細胞体の値を実効的に強調して計算する。
【0059】
なお、信号強度の積分の前に、またはその一部として、(例えば、光源および検出方式に対応する)信号ローフオフ特性またはシステムのノイズフロア特性に基づいて、OCT画像のピクセル強度値を調整または補正することができる。積分された信号の比率に関連する実施形態において、内部もしくは外部層または層の組み合わせが隣接する組織でない場合、この減衰モデルに含まれないであろう中間層に伴う任意の減衰を表すために、調整または補正の因子を導入してもよい。
【0060】
ここに説明する1以上の態様において、上記の数式で仮定された単調性が、所定の患者のスキャン範囲の比率マップにわたる比率値の相対的比較を可能にする。換言すると、作成可能な2D比率マップ上における画像処理が可能になる。加えて、本発明の範囲内で、患者間の受信者操作特性(ROC)マップを解析することができる。
【0061】
前述した一般化された数式に基づく1つの例において、積分された減衰が非常に低い範囲(この範囲は、必要に応じ、さらに減衰係数に相関してもよい)は、比率が非常に低い範囲に相当し且つ疾患の可能性がある範囲(特にそのような範囲が密集している場合)に相当すると推定することができる。したがって、マップ全体にわたる比率の計算を適当な後処理と組み合わせることにより、患部の検出が可能になる。
【0062】
減衰係数、積分された減衰、または、網膜萎縮の位置を検出するために十分な感度/特定性を提供する代理的測定値(単調またはほぼ単調な変換)のマップとして前述のマップは想定される。つまり、2Dマップにおいて、マップの1つの軸はBスキャンのAラインに対応し、他の軸は複数のBスキャンに対応する。所定の任意の点における値は上記測定値の1つ、つまり、積分された1(もしくは複数)の層の値、決定された比率、減衰係数などを表す。説明のために、そのような任意のマップを「比率マップ」と呼ぶ。GAを含む断面200を通るマップの断面に対応する比率マップおよび2D−Bスキャンを、それぞれ
図2Aおよび
図2Bに示す。網膜内部層は、層、層の一部、またはRPE複合体の内側(RPE複合体を含む)の層の組み合わせに対応する。同様に、外部層は、層、層の一部、またはRPE複合体の外側の層(例えば脈絡膜および/または強膜)の組み合わせに対応する。なお、例えば、近似された定数βで除算し、その結果に1を加算し、および/または対数変換を施すことによって比率の値を減衰出力に一致させるように、この比率を変換してもよい。
【0063】
これらのマップ、および基礎となるデータは、被検者に関連付けられた表現型または疾患の分類を示してもよい。例えば、マップ上のより暗い領域と、より陰影が付いた/明るい領域が表現型の特徴を示し、より暗い領域が萎縮性を示すようにしてよい。陰影/暗さの範囲とパターンは萎縮方向を示し、将来的に広がる可能性がある。
【0064】
他の態様においては、ある種の閾値決定法を使用して比率マップにおける萎縮疾患範囲を同定する。そのような閾値決定法は任意の種類でよく、限定はされないが以下を含む:絶対的なレベル(例えば、所定のレベル以下の比率が常に疾患状態を表す);スキャンの相対的なレベル(スキャン内において比較的低い値であり疾患状態を表す);および、局所的な相対的レベル(局所領域内において比例的に低い値)。
【0065】
さらに他の態様では、ガウスノイズおよびスペックルノイズの双方の出現を低減しつつOCT画像のSNRを向上させるために、OCT画像を平均化する画像フレームが用いられる。様々な平均化プロトコルは、限定はされないが以下を含む:定位置平均化(Bスキャンそれぞれが、複数の単フレームBスキャンの平均を含む合成画像である);3次元移動平均化(フレームそれぞれが空間的に異なるフレームの移動平均を反映する);および、全ボリューム平均化(画質を向上させるための前処理として選択的に使用可能である)。
【0066】
図3に示すように、上記の態様および実施形態に係る一般的な萎縮検出フレームワークの1つの例は、3D−OCTボリュームから生成される2D比率に基づくマップを備え、萎縮領域の輪郭を同定するためのいくつかの画像処理ステップを含む。
【0067】
図3は、2D(例えば単一のBスキャンのみ)および3D画像の実施形態の双方に適用可能である。ステップ300において、黄斑および/または視神経乳頭の領域を覆う任意のOCTまたは類似の撮像装置(スペクトラルドメインOCT、タイムドメインOCT等)によりOCTデータが収集され、そのデータが分割される(セグメンテーション)。セグメンテーションの結果は、例えば、網膜および/または脈絡膜の領域を覆う層領域情報または境界高さであってよい。ステップ302において、比率または積分値マップが算出される。前述したように、マップは任意の形式であってよく、例えば、所定の層の積分値、距離測定値、積分値の比率、または様々な層に関する距離測定値などであってもよい。積分は、Aスキャンの一部または全体におけるまたはわたる、和、平均もしくは他の数学的形式であってよい。測定値は、理想的には線形尺度であり、画像強度に基づくものであってよい。(例えば、局所的な平均値および最大値により正規化された)局所的特性に基づいて、積分されたまたは比率値のマップを調整してもよい。調整は、ノイズフロアの正規化および/または行ごとの感度ローフオフ(推定された特性)を含んでよい。最後に、ステップ304は、所望のマップに応じた1D、2Dまたは3D可視化を含む。ステップ306の解析は、比率に基づくマップ/値から関心領域の境界/輪郭を抽出するための任意の画像処理ステップを含んでよい。解析ステップ306の範囲に含まれる画像処理ステップのより詳細な例を
図5〜8に示し、以下においてより詳しく説明する。
【0068】
図4はフレームワークのより詳細な例を示す。
図3を参照して上記され、且つ
図4を参照して以下に説明するフレームワークは、撮像装置または外部装置(例えば、エンドユーザのコンピュータ)のプロセッサを用いて自動的に実行されてもよい。撮像およびセグメンテーション400に続いて、積分マップ(例えば、それによってAスキャンそれぞれの全強度が算出される)または比率マップ(例えば、Aスキャンそれぞれについて、脈絡膜または強膜の信号に対する網膜の信号を伴う)が前述のように生成される(402)。RPEおよび/または外節(OS)の起こり得る欠損の結果として網膜信号が弱まり、RPEの欠損に伴って脈絡膜信号が増加するので、比率マップはGAの特徴を強調することができる。
【0069】
次に、
図5Aおよび
図5Bにより詳細に示すように、ステップ402で生成されたマップ500に対してシード選択404が実行される。マップの正規化を含むステップ502は、ヒストグラム均一化、低強度および高強度の所定の割合の飽和による画像調整、または参照マップによる正規化など、様々な方法で達成可能な、選択的に適用されるステップである。ステップ504のマップノイズ除去は、限定はされないが、以下の画像強調処理を含む:ガウシアン平滑化フィルタ、メディアンフィルタ、非等方拡散フィルタ、ウェーブレットノイズ除去フィルタ(Wavelet De-noising Filter)、モルフォロジカルフィルタ(Morphological Filter)、背景ノイズ除去、順序統計フィルタ、および血管アーティファクトの除去。
【0070】
ステップ506のマップ閾値処理においては、(異常値を含む)
図5Bに示すように、ノイズ除去されたマップに所望の閾値を適用することにより、抽出されたシード508を生成する。比率マップ正規化ステップが迂回された場合、閾値処理ステップでは、相対閾値よりむしろ絶対閾値が適用される。絶対閾値は、正規化された比率マップに基づく相対閾値よりも高い感度および特定性を与える。全体的または部分的なRPE萎縮は、通常単源性の場合に見られるブルッフ膜上の細胞外沈着物を伴うことがあると知られている。細胞外沈着物は、RPE自体と異なる点で減衰に影響を与えることがある。よって、1つの閾値レベルだけでは、あらゆる状況に対して最適に作用することができない。シーディング(seeding)閾値レベルをカスタマイズするための適応方法(例えば、大津のピクセルクラスタリング方法に基づく)は、例えば、前述した単源性の場合に伴う特徴を同定することができる。この適応方法は、エントロピーに基づく閾値技術、固定値や統計値(平均値、中央値、最大値、最小値など)やそれらの組み合わせの利用を含む技術のような、様々な他の閾値処理技術に基づいてもよい。大津の方法に基づくフレキシブルな閾値処理技術の例を
図5Cに示す。ステップ510において、比率マップ500を用いて、大津の閾値αおよび統計値β(平均値など)を大津の閾値よりも強度が低いピクセルから取得する。次に、統計値βが所定の推定値より小さい場合には、ステップ512において、第1の閾値α1より強度が低いピクセルを用いてシードが生成される。一方、統計値βが所定の推定値より大きい、または所定の推定値と等しい場合には、ステップ514において、第2の閾値α2より強度が低いピクセルを用いてシードが生成される。
【0071】
次に、例えば、
図6Aおよび
図6Bに示すように、異常値406を除去することによって、抽出されたシードを改善してもよい。ステップ516において、連結成分によってシード508が分類される。ステップ518においては、距離解析を使用して、異常値520を除去するために、各成分の絶対的中心位置、および/または、各成分から中心窩までの絶対的ユークリッド距離、および/または、成分間の相対的ユークリッド距離を解析する。異常値を除去する基準は、単純な距離の閾値処理、成分のピクセル数と組み合わされた距離の統計解析(平均値、標準偏差など)に基づく発見的問題解決法(heuristic)、クラスタ解析、または他の様々な類似技術であってよい。抽出されたシードを
図6Bの比率マップに示すが、異常値が除去されている。
【0072】
次に、ステップ408では、ノイズ除去されたマップ504および異常値が除去されたシード406を使用してシード領域を拡張する。それぞれの連結成分のシードに対して、または単一成分からのシードだけに対して、別個にリージョングローイングステップ408を実行することができる。シード領域を拡張するための単一の反復法(iteration)または複数の反復法において、平均値、標準偏差、傾き情報および/または他の統計的記述子を使用することができる。リージョングローイング408は、穴埋めや凸包演算などの後処理を含んでいてもよい。
図7はその結果を図示しており、
図5Bおよび
図6Bに関するシードの範囲が拡張されたことを示している。
【0073】
最後に、後処理410および輪郭測定412の結果を
図8Aおよび
図8Bにより詳細に示す。輪郭測定412において、拡張されたシードの周りの輪郭が提供され、2値マスクまたは類似の可視化として出力される。つまり、地図状萎縮の領域を表すために輪郭内に含まれる範囲を特別の方法(例えば白)で表しつつ、画像の残りの範囲を例えば黒で表すことができる。そのようなマスクを
図8Bに示し、輪郭を
図8Aにおける元の断面像上に示す。元の輪郭をガイドとして各成分の輪郭を平滑化(例えば、移動平均を用いて)または再検出することにより、輪郭を改善することができる。そのようなガイドは、画像コントラストに基づいて輪郭を再探索するためのグラフ探索を含んでいてよい。全体的な画像処理および解析は、リージョングローイング法に限定されない。輪郭に基づく能動的セグメンテーションや分水嶺セグメンテーションのような、ここに示すものと同様の結果を得る任意のセグメンテーション法が本開示の範囲内において想起される。
【0074】
図9Aを参照し、(GAのいずれの症状も未だ呈していない被検者および/またはGAのような後期症状が現れる前の初期から中期のAMD患者を含む)被検者における(ある期間にわたる)AMD疾患の進行を監視するための上記の態様を使用する方法の一例を説明する。最初のステップは、例えば、複数のデータセットを生成するために各々の間隔ごとに被検眼をスキャンすることによって、ある頻度で(例えば、数ヶ月ごと、6ヶ月、または1年、定期または不定期に)総合的な減衰量を測定すること900および/または比率マップを生成すること902を含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、各測定の比率マップを互いに登録904してもよい。そして、ある測定期間から次の期間(または任意の後の期間)までの差分測定906を適用することによって進行を検出してもよい。換言すれば、異なる時点での測定の間における関心領域の相対的な変化を監視してもよい。差分演算自体は、例えば、減算、除算、またはデータセット間の違いを決定するための任意の他の統計的測定などの動作の範囲とすることができる。この進行情報を、例えば、RPE整合性に関して、被検者を表現型分類または分類908するために使用することもできる。追加的または代替的に、そのような表現型は、疾患の分類および/または、例えば、特定の生理学的状態または疾患に関連する可能性がある変化率を含んでもよい。
【0075】
なお、ただ一回の測定のために表現型を決定してもよい。例えば、
図9Bに示すように、単一の総合的な減衰係数を測定910するおよび/または比率マップを生成912する。この単一の測定に基づいて、閾値レベルを超えたパターン偏差または空間標準偏差の(GAのような)スポット状領域またはマップに注目914してもよい。それら注目した項目を基に、上記したように、被検者を表現型分類または疾患分類916することができる。さらに、この方法はAMDに限定されず、RPE整合性に影響を与える他の網膜の状態に対して有用であり得る。
【0076】
上記の方法は(例えばプロセッサを用いた)自動処理として説明されているが、ここで説明された全自動的な方法は、限定を意図するものではない。いくつかの実施形態においては、その方法は完全に手動であってよい。本開示の範囲内において、半自動的な実施形態を想起することもできる。例えば、半自動的な実施形態は、1以上の手動補正ステップを付加的に含んでいてよい。
【0077】
ここに説明する様々な実施形態は、OCTシステムにより取得された眼の画像データを参照する。しかし、開示された技術および処理は、例えば超音波などの他のタイプの撮像装置を用いて取得された画像データに対して同様に適用できる。さらに、眼内の生体組織に加え、ここに説明したように意味のある層を定義、分割、画像化できる任意の生体組織に対し、開示された技術および処理を適用することが可能である。
【0078】
なお、上記の態様、実施形態および例は、プロセッサによって自動的に実施されることが想起される。ここで「プロセッサ」は、例えば抵抗器、トランジスタ、キャパシタ、インダクタなどを含む任意個数の電気部品を備える任意の電気回路またはその一部を示す。回路は任意の形態であってよく、例えば、集積回路、集積回路の集合、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、プリント回路基板(PCB)上の離散的な複数の電気部品の集合などを含む。プロセッサは、画像データ処理以外の動作のために使用されるコンピュータの一部でも、スタンドアロンでもよい。なお、上記の説明は非限定的であり、上記の例は、想起される多くの可能なプロセッサのいくつかに過ぎない。