(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185645
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】低拡散性水素及び高シャルピーVノッチ衝撃靱性を有するセルフシールド合金組成物
(51)【国際特許分類】
B23K 35/368 20060101AFI20170814BHJP
B23K 35/30 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
B23K35/368 C
B23K35/30 320A
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-500644(P2016-500644)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-515942(P2016-515942A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014020621
(87)【国際公開番号】WO2014164112
(87)【国際公開日】20141009
【審査請求日】2015年9月10日
(31)【優先権主張番号】13/792,462
(32)【優先日】2013年3月11日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515250510
【氏名又は名称】ザ・エサブ・グループ・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100071010
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 行造
(74)【代理人】
【識別番号】100118647
【弁理士】
【氏名又は名称】赤松 利昭
(74)【代理人】
【識別番号】100138438
【弁理士】
【氏名又は名称】尾首 亘聰
(74)【代理人】
【識別番号】100138519
【弁理士】
【氏名又は名称】奥谷 雅子
(74)【代理人】
【識別番号】100123892
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 忠雄
(74)【代理人】
【識別番号】100169993
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 千裕
(74)【代理人】
【識別番号】100131082
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 正信
(74)【代理人】
【識別番号】100185535
【弁理士】
【氏名又は名称】逢坂 敦
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ウェスレイ・ダブリュー
【審査官】
本多 仁
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭61−169196(JP,A)
【文献】
特開平09−094695(JP,A)
【文献】
特開昭60−152393(JP,A)
【文献】
特開昭59−056997(JP,A)
【文献】
特開昭59−218297(JP,A)
【文献】
特開昭56−074395(JP,A)
【文献】
特開昭52−031938(JP,A)
【文献】
特開2010−269335(JP,A)
【文献】
米国特許第04571480(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/36−35/38
B23K 35/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアと、を備え、
前記コア成分は、前記フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.54と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.00と、
ニッケル0.87と、
Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3 0.21と、
鉄0.36と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極。
【請求項2】
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、請求項1に記載のフラックスコア溶接電極。
【請求項3】
フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアと、を備え、
前記コア成分は、前記フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.34と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.83と、
アルミニウム2.10と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.01と、
ニッケル0.98と、
Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3 0.10と、
鉄0.03と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極。
【請求項4】
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、請求項3に記載のフラックスコア溶接電極。
【請求項5】
フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアと、を備え、
前記コア成分は、前記フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.13と、
焼結酸化物4.51と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン0.96と、
ニッケル0.87と、
ジルコニウム二酸化物0.44と、
Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3 0.07と、
鉄0.53と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極。
【請求項6】
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、請求項5に記載のフラックスコア溶接電極。
【請求項7】
コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.54と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.00と、
ニッケル0.87と、
Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.07と、
鉄0.36と、を含む、フラックス組成物。
【請求項8】
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、請求項7に記載のフラックス組成物。
【請求項9】
コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.13と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.83と、
アルミニウム2.10と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.01と、
ニッケル0.98と、
Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.04と、
鉄0.83と、を含む、フラックス組成物。
【請求項10】
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、 請求項9に記載のフラックス組成物。
【請求項11】
コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.13と、
焼結酸化物4.51と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン0.96と、
ニッケル0.87と、
ジルコニウム二酸化物0.44と、
Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.03と、
鉄0.53と、を含む、フラックス組成物。
【請求項12】
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、請求項11に記載のフラックス組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般的に溶接電極に関し、より具体的には、拡散性水素が少なくて、シャルピーVノッチ衝撃靱性が高い、改善された溶接電極に関する。
【背景技術】
【0002】
セルフシールドフラックスコアアーク溶接(self−shielded flux cored arc welding;SS−FCAW)は、前世紀中頃以来、多様な製造産業に広く適用されてきた。この溶接の高効率と一貫したビーズ(bead)品質は、他の溶接方法に比べて製造時間とプロジェクト費用を著しく減少させることができ、これは、大陸横断用パイプラインの製造及び海洋(offshore)構造物の設置などの田舍地域における製造プロジェクトにおいて非常に重要である。一方、直接的な空気露出に起因して、55−FCAWのアークは、スパッターリングにおいてガスシールド溶接アークよりさらに強力であることができる。アーク外乱は、また、溶接金属においての拡散性水素、酸素、窒素の制御、溶接部のマイクロ構造発展、及び機械的特性に否定的影響を及ぼす。
【0003】
低炭素鋼溶接部の低拡散性水素の含量は、亀裂抵抗性及び鋼の製造費用と効率面で非常に有益なものと知られている。特に、蒸着した溶接金属の拡散性水素の量を最小化することによって、形成された溶接部の水素関連亀裂の可能性を最小化できるものと知られている。軽くて(gentle)且つ安定的なアーク、制御しやすい(easy−to−command)スラグ流れ、及び堅固な機械的特性がある良好な溶接性能を示す、H8レベルでの改善したセルフシールドフラックスコアワイヤ(すなわち、最大拡散性水素の含量が8ml/100gである溶接金属を蒸着することができる電極または電極−フラックス組合)が開発されてきた。アーク性能は、ガスシールドフラックスコア溶接アークに近くなるように設計されるが、このような電極の拡散性水素の含量は、相変らずH8レベルにとどまっていて、このような電極がさらに重要な(critical)鋼構造の製造に採択されることを制限する。
【0004】
従来に試みた低炭素鋼溶接部においての拡散性水素の含量を減少させる場合には、コア混合物にフッ化物が過度に添加された。しかし、フッ化物を添加する場合の問題点は、フッ化物の添加に起因して流体スラグ流れと不安定なマークが起こり、溶接が適所をはずれる不良が生じるという点である。また、脱酸化と脱窒化を行うためには、コアにおいてさらなるアルミニウムを必要とする。その結果、過度なアルミニウムが溶接部に含有され、粒子が粗くなって、シャルピーVノッチ衝撃靱性が劣化する。
【0005】
高強度の鋼溶接応用分野が増えるにつれて、溶接金属の拡散性水素の制御もますます注目されている。その結果、拡散性水素の含量が少なくて且つ堅固な機械的特性とともにすべての位置での溶接性能に優れた、改善されたセルフシールドフラックスコアワイヤが必要である。
【0006】
具体的に、ガスシールド溶接を利用して達成可能な拡散性水素の含量に等価である5ml/100gレベル(すなわち、H5レベル)以下の改善されたセルフシールドフラックスコアワイヤが必要である。改善されたセルフシールドフラックスコア溶接電極も、高シャルピーVノッチ衝撃靱性を有しなければならない。
【発明の概要】
【0007】
フラックスコア溶接電極を開示する。この電極は、鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、コア成分を含むシース内のコアとを備える。コア成分は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、アルミニウム2.0〜3.0と、マンガン1.0〜2.0と、希土類金属酸化物0.001〜0.35とを含む。フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fで少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる。希土類金属酸化物の希土類金属は、コア成分及び金属シースの全体重量の最大0.11重量%を含む。希土類金属酸化物は、複数の希土類金属酸化物を含むことができる。希土類金属酸化物は、Ce
2O
3−La
2O
3−Nd
2O
3−Pr
2O
3を含むことができる。コア成分は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、第1焼結フッ化物9.54と、焼結酸化物4.53と、第2焼結フッ化物0.42と、アルミニウム2.04と、マグネシウム1.77と、マンガン1.00と、ニッケル0.87と、Ce
2O
3−La
2O
3−Nd
2O
3−Pr
2O
3 0.21と、鉄0.36とをさらに含む。第1焼結フッ化物は、BaLiF
3を含むことができ、焼結酸化物は、Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4を含むことができ、第2焼結フッ化物は、KLiF
2を含むことができる。コア成分は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、第1焼結フッ化物9.34と、焼結酸化物4.53と、第2焼結フッ化物0.83と、アルミニウム2.10と、マグネシウム1.77と、マンガン1.01と、ニッケル0.98と、Ce
2O
3−La
2O
3−Nd
2O
3−Pr
2O
3 0.10と、鉄0.03とをさらに含むことができる。第1焼結フッ化物は、BaLiF
3を含むことができ、焼結酸化物は、Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4を含むことができ、第2焼結フッ化物は、KLiF
2を含むことができる。コア成分は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、第1焼結フッ化物9.13と、焼結酸化物4.51と、第2焼結フッ化物0.42と、アルミニウム2.04と、マグネシウム1.77と、マンガン0.96と、ニッケル0.87と、ジルコニウム二酸化物0.44と、Ce
2O
3−La
2O
3−Nd
2O
3−Pr
2O
3 0.07と、鉄0.53とをさらに含むことができる。第1焼結フッ化物は、BaLiF
3を含むことができ、焼結酸化物は、Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4を含むことができ、第2焼結フッ化物は、KLiF
2を含むことができる。
【0008】
コア溶接電極のためのフラックス組成物を開示する。このフラックス組成物は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、アルミニウム2.0〜3.0と、マンガン1.0〜2.0と、希土類金属0.001〜0.11とを含むことができる。希土類金属は、希土類金属酸化物を含むことができる。希土類金属酸化物は、Ce
2O
3−La
2O
3−Nd
2O
3−Pr
2O
3を含むことができる。組成物は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、第1焼結フッ化物9.54と、焼結酸化物4.53と、第2焼結フッ化物0.42と、アルミニウム2.04と、マグネシウム1.77と、マンガン1.00と、ニッケル0.87と、Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.07と、鉄0.36とを含むことができる。第1焼結フッ化物は、BaLiF
3を含むことができ、焼結酸化物は、Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4を含むことができ、第2焼結フッ化物はKLiF
2を含むことができる。組成物は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、第1焼結フッ化物9.13と、焼結酸化物4.53と、第2焼結フッ化物0.83と、アルミニウム2.10と、マグネシウム1.77と、マンガン1.01と、ニッケル0.98と、Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.04と、鉄0.83を含むことができる。第1焼結フッ化物は、BaLiF
3を含むことができ、焼結酸化物は、Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4を含むことができ、第2焼結フッ化物は、KLiF
2を含むことができる。組成物は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、第1焼結フッ化物9.13と、焼結酸化物4.51と、第2焼結フッ化物0.42と、アルミニウム2.04と、マグネシウム1.77と、マンガン0.96と、ニッケル0.87と、ジルコニウム二酸化物0.44と、Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.03と、鉄0.53とを含むことができる。第1焼結フッ化物は、BaLiF
3を含むことができ、焼結酸化物は、Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4を含むことができ、第2焼結フッ化物は、KLiF
2を含むことができる。
【0009】
鉄金属シースと、コア成分を含むシース内のコアとを備えるフラックスコア溶接電極を開示し、コア成分は、ワイヤの全体重量に基づいて重量%で、アルミニウム2.0〜3.0と、マンガン1.0〜2.0と、希土類金属酸化物0.001〜0.5を含む。フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fで少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、開示した方法の原理の実質的な適用のためにこれまでに考案された開示した方法の好ましい実施形態を例示する。
【
図2】
図2は、1000℃でのFe−Al−Mnの三位相度である。
【
図3】
図3は、衝撃靱性を希土類金属含量の関数として示すグラフである。
【
図4】
図4は、溶接部においての拡散性水素の含量をフラックスコアワイヤ(flux−cored wire)の希土類金属含量の関数として示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書では、本発明を全体的に理解するように多様な溶接電極の実施形態を説明する。本明細書で説明する多様な実施形態は、非制限的であり且つ非排他的であるという点を理解することができる。したがって、本発明は、本明細書で説明する非制限的且つ非排他的な多様な実施形態の説明によって限定されない。適切な状況で、多様な実施形態に関して説明する特徴部及び特徴は、他の実施形態の特徴部及び特徴と結合されることができる。このような修正及び変動は本明細書の範囲内に含まれるものである。このように、請求範囲は、本明細書で明示的にまたは内在的に説明している、または、その他に本明細書によって明示的にまたは内在的に支持される任意の段階、要素、限定事項、特徴部、及び/または特徴を引用するように補正することができる。また、出願人は、特徴部が本明細書で明確に説明されているか否かにかかわらず、従来技術に存在する段階、要素、限定事項、その特徴部、及び/または特徴を確定的に否認するように請求範囲を補正する権利を有する。したがって、このような任意の補正書は、米国特許法35 U.S.C.§112、first paragraph及び35 U.S.C.§132(a)の要件に符合する。本明細書で説明し開示する多様な実施形態は、本明細書で多様に説明するような要素、限定事項、特徴部、及び/または特徴を含むか、それらで構成されるか、及び/または基本的にそれらで構成される。
【0012】
本明細書で識別される任意の特許公報、公開公報、または他の開示された文献の全文は、別途言及しない限り、援用される文献が本明細書で明確に説明している既存の定義、宣言、またはその他開示文献と相反しない程度で本明細書に参照として援用される。このように、必要な程度で、本明細書で説明されているような開示文献は、本明細書で参照として援用される任意の相反する文献を代替する。本明細書に参照として援用されるとしても、本明細書で明確に説明している既存の定義、宣言、またはその他開示文献と相反する任意の文献またはその一部は、援用される文献と既存の開示文献との間に相反が発生しない程度までのみ援用される。出願人は、本明細書で参照として援用される任意の特許対象またはその一部を明確に引用するように本明細書を補正する権利を有する。
【0013】
“1個”、“1つ”、“その”などの冠詞は、もし本明細書で使用されたら、別途言及しない限り、“少なくとも1個”、“1個以上”を含むものである。したがって、冠詞は、本明細書でその冠詞の目的語の1つ以上(すなわち、“少なくとも1個”)を言及するように使用される。例えば、“1つの構成要素”は、1つ以上の構成要素を意味し、よって、1つより多い構成要素を考慮することができ、1つより多い構成要素が、説明した実施形態の具現で採択されるか、使用されることができる。また、使用文脈上、他の場合を必要としない限り、単数名詞を使用することは、複数を含み、複数の名詞を使用することは、単数を含む。
【0014】
セルフシールドフラックスコア溶接は、溶接された金属マイクロ構造と分布の固有な特徴を生成する。フェライト、整列された第2位相としてのフェライト、針状フェライトなどを含む従来のマイクロ構造構成要素に加えて、他のタイプの第2位相フェライトがウィーブ形態学(weaved morphology)から発見された。したがって、主要合金元素であるMn及びAlを1.0〜1.5重量%及び0.7〜0.9重量%から別々に変更することによって、E71T8−Ni1タイプ溶接のマイクロ構造特徴を調査した。本発明者は、ウィーブフェライトと針状フェライト両方の量を増加させることによって、フェライトによって支配されるセルフシールドFCAW溶接部のシャルピーVノッチ衝撃靱性が有益になるという点を見つけた。溶接部においてのこのような支配的なフェライト組成物は、低マンガン含量(すなわち、−0.7%)をもって、−40゜FでシャルピーVノッチ衝撃靱性の変動を引き起こすことができる。したがって、堅固な機械的特性を保障するように、溶接部においてのマンガンとアルミニウムの合金化を最適化することが重要である。
【0015】
本発明者は、また、溶接部において希土類金属を追加することが、所望の高シャルピーVノッチ靱性(例えば、−40゜Fで少なくとも100ft-lbs)を維持しながら衝撃靱性を大きく有利にし、拡散性水素の含量をH5レベル(すなわち、最大拡散性水素の含量が5ml/100gである溶接金属を蒸着することができる電極または電極−フラックス組合)に減少させる効果的な方式であるという点を見つけた。
【0016】
希土類金属は、拡散性水素の減少を有利にするアーク安定性効果に加えて、溶接部の拡散性水素を停止させるトラッピングサイト(trapping site)として機能することができる。本開示内容は、セルフシールドフラックスコアワイヤ内に希土類金属を0.001〜0.11重量%添加することによって、拡散性水素をH5レベルまで効果的に減少させることができることを示す。希土類酸化物は、セリウム(Ce)、ランタン(La)、ネオジム(Nd)、プラセオジム(Pr)、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)を含む多様な希土類金属を含有するが、このような例に限定されないことが分かる。適切な希土類金属酸化物の例示的なリストには、SC
2O
3、Y
2O
3、La
2O
3、Ce
2O
3、CeO
2、Nd
2O
3、及びPr
2O
3があるが、このような例に限定されない。
【0017】
大量のアルミニウムがセルフシールドフラックスコアアーク溶接によって溶接された鋼に導入される場合、鋼溶接部は、アルミニウムによって過飽和され得る。
図1によれば、[Al]が溶接部で1重量%を超過すれば、大きいデルタフェライト粒子が液体凝固から誘導され得る。デルタフェライトの粗粒(Coarse grain)は、シャルピーVノッチ衝撃靱性を著しく劣化させることができる。
図2によれば、鋼においての適切量のマンガンは、デルタフェライトからオステナイトとアルファフェライトへの位相変換を促進して粒子微細化を引き起こすようにアルミニウム飽和領域を効果的に膨張させることができる。多様な溶接消耗性コードによって特定される溶接部での[Mn]限界値を考慮する場合、[Mn]の1.1〜1.45重量%が、−40゜Fで100ft-lbsを超過するシャルピーVノッチ衝撃靱性を達成するのに効果的であることが明らかになった。
【0018】
[実施例]
調査のための基本製法(base formula)として機能する5/65”ESABE71T−8タイプのセルフシールドFCAWワイヤを採択した。フラックスコアワイヤの実施例は、表示されたようにフラックス値が修正された冷間ストリップ(cold−rolled strip)(低炭素鋼)を使用して製造された。フラックス混合物の充填比(fill ratio)または通常的な重量%は、約20.75%であった。適切な製造及びワイヤ供給能力のために潤滑剤をサンプルに塗布した。
【0019】
Feed 3004ワイヤ供給器に連結されたEsab Origo Mig 6502C溶接マシンを使用してAWS A5.29によって1G位置ですべての溶接板を用意した。すべての板溶接に対して、使用された溶接パラメータは、19.5V、250A、移動速度14ipm(分当たりのインチ)、及び電極突出長さ(electrode extension)7/8”であった。同一の溶接パラメータを使用して各溶接部の化学的組成を決定するためのケムパッド(chempad)を用意した。各溶接板は、放射線透過試験を施した。放射線透過試験が満たされた後、引張及びシャルピーVノッチ衝撃テストのための見本を各板から抽出して、AWS A5.29よって機械加工した。また、マクロサンプルを各板の中心で切断した。
【0020】
引張強度と−40゜FにおけるCVN衝撃靱性を含む機械的特性を評価した後、各マクロサンプルのキャップ層での溶接された金属マイクロ構造を光学顕微鏡(Olympus PMG3)を使用して調査した。得られる機械的特性をさらに良好に理解するために、ポイントカウント(point count)定量化技術を利用して、マイクロ構造の構成成分の容積分率を決定した。そのような溶接部に対して10x10グリッドによって10〜15個のフィールドを検査した。また、Hitachi S−3400N SEMを利用してマイクロ構造構成成分を必要に応じて検査した。また、マイクロ構造に対する詳細なSEM作業のために、Oak Ridge National LaboratoryのEDAX Genesisを備えたJeol 6500 FEG/OIMを利用した。
前記のものに加えて、ワイヤは、AWS A4.3によって拡散性水素試験を施した。
【0021】
[試験のためのサンプル]
前述したように、ESAB E71T−8タイプのセルフシールドFCAWワイヤは、1T−8タイプワイヤのための例示的な製法は、次の通りである。
6個のサンプル電極(E1〜E6)を製造するための基本製法として機能する。このE71T−8タイプワイヤのための例示的な製法は、次の通りである。
【0022】
焼結フッ化物(BaLiF
3) 10.00%
焼結酸化物(Li
2O−CaO−SiO
2−Fe
3O
4) 4.56%
焼結フッ化物(KLiF
2) 0.31%
Al 2.02
Mg 1.84%
Mn 0.83%
Ni 0.85%
C 0.01%
Fe 0.32%
鋼ストリップ 残り(balance)
【0023】
基本製法では、ワイヤ内の0.001重量%〜0.109重量%範囲の(酸化物形態の)希土類金属の追加ドーズ(dose)を採択した(以下の表1参照)。
【0025】
6個のサンプル電極(E1〜E6)を使用して製造された溶接部の化学的組成と機械的特性に対する結果を(下記)表2に整理し、
図3に例示した。
【0027】
例示したように、すべての6個のサンプル電極は、5.4ml/100gであるタイプH5最大拡散性水素の限界値を満たした。6個のサンプル電極のうち4個は、100ft-lbsであるシャルピーVノッチ靱性限界値を満たした。サンプルE1、E4、及びE5は、両方の要件を満たした。
【0028】
このような結果は、ワイヤ内に0.109%希土類金属を添加することによって、−20゜F及び−40゜F両方における衝撃靱性が100ft-lbsまで増加することができることを示す。フラックス製法において希土類金属を導入することによって、靱性の改善が明確で且つ効果的に行われたという点は、疑心の余地がない。さらに、予測通り、希土類金属を添加することによって、そのような溶接部においての拡散性水素の制御も有利になることができる。
図4は、希土類金属で処理されたそのようなすべてのワイヤが溶接部の拡散性水素の含量、すなわち5.4ml/100g未満に対するABS H5要件を満たすことを示す。また、これらワイヤすべては、E71T8−Ni1 Jクラス要件を満たすように、AWS A5.29仕様による適格性を満たす。
【0029】
例示的な電極製法
本開示内容の範囲内にある下記の溶接電極の例は、その例示的な電極が−40゜Fで100ft-lbsを超過するシャルピーVノッチ衝撃靱性を有するH5タイプセルフシールドフラックスコアワイヤとして適格性を満たすことを示す。表3は、3個の例示的なフラックスコア電極の各々で使用されたフラックス製法の組成を示す(表3のすべてのパーセント値は、ワイヤの全体重量に対する重量%値であるという点に注目されたい)。
【0031】
製法NX−4858
この製法によるワイヤを使用して製造された溶接部は、[Mn]1.34重量%及び[Al]0.80重量%を有する(表2)。また、製造されたワイヤ内の0.07重量%の希土類金属によって、拡散性水素([H]diff)4.3ml/100g及び−40゜FにおけるシャルピーVノッチ靱性114ft-lbsを有する溶接部を形成した。
【0032】
製法NX−4897
この製法によるワイヤを使用して製造された溶接部は、[Mn]1.36重量%及び[Al]0.82重量%を有する(表2)。また、製造されたワイヤ内の0.04重量%の希土類金属によって、拡散性水素([H]diff)5.0ml/100g及び−40゜FにおけるシャルピーVノッチ靱性115ft-lbsを有する溶接部を形成した。
【0033】
代替例では、基本フラックス製法に含まれた希土類金属の重量%を調節することができ、例えば、下記の通りである。
【0034】
製法NX−4947
この製法によるワイヤを使用して製造された溶接部は、[Mn]1.30重量%及び[Al]0.71重量%を有する。また、製造されたワイヤ内の0.03重量%の希土類金属によって、拡散性水素([H]diff)4.7ml/100g及び−40゜FにおけるシャルピーVノッチ靱性96ft-lbsを有する溶接部を形成した。
セルフシールドフラックスコアワイヤ内に0.001〜0.11重量%範囲の希土類金属を添加することによって、T8−Ni1タイプの溶接部の拡散性水素の含量をH5レベルまで効果的に低減することができる。
【0035】
0.001重量%〜0.11重量%範囲の量の希土類金属をT8−Ni1タイプのセルフシールドフラックスコアワイヤ内に添加することによって、溶接金属シャルピーVノッチ衝撃靱性を著しく改善することができる。この場合、シャルピーVノッチ衝撃靱性の観点から、希土類金属の最適の添加量は、約0.04重量%であることが明らかになった。
【0036】
ワイヤ内のアルミニウム、マンガン、希土類金属の組成範囲は、2.0〜3.0重量%[Al](これは、溶接部で0.7〜1.0重量%の[Al]を形成する)、1.0〜2.0重量%[Mn](これは、溶接部で1.1〜1.5重量%の[Mn]を形成する)、及びLa、Ce、Nd、Prなどの最大0.11重量%の希土類金属になるように定義されるが、このような希土類金属の例に限定されない。
【0037】
このようなタイプのワイヤは、海洋構造物、パイプライン、及びその他鋼構造の製造に適用され得ることが分かる。
【0038】
所定の実施形態を参照して本発明を開示したが、請求範囲で定義されたような本発明の思想と範囲を逸脱することなく、説明した実施形態に対して様々な修正、改造、及び変更を行うことができる。これによって、本発明は、説明した実施形態に限定されるものではなく、以下の請求範囲の言語及びその均等物によって定義される全体範囲を有するものである。
本発明の第1の態様は、フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアとを備え、
前記コア成分は、フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
アルミニウム2.0〜3.0と、
マンガン1.0〜2.0と、
希土類金属酸化物0.001〜0.35と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極である。
本発明の第2の態様は、前記希土類金属酸化物の希土類金属は、前記フラックスコア溶接電極の全体質量の最大0.11質量%を含む、第1の態様に記載のフラックスコア溶接電極である。
本発明の第3の態様は、希土類金属酸化物は、複数の希土類金属酸化物を含む、第1の態様に記載のフラックスコア溶接電極である。
本発明の第4の態様は、前記希土類金属酸化物は、Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3を含む、第3の態様に記載のプラスコア溶接電極である。
本発明の第5の態様は、フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアとを備え、
前記コア成分は、フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.54と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.00と、
ニッケル0.87と、
Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3 0.21と、
鉄0.36と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極である。
本発明の第6の態様は、前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、第5の態様に記載のフラックスコア溶接電極である。
本発明の第7の態様は、フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアと、を備え、
前記コア成分は、フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.34と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.83と、
アルミニウム2.10と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.01と、
ニッケル0.98と、
Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3 0.10と、
鉄0.03と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極である。
本発明の第8の態様は、前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、第7の態様に記載のフラックスコア溶接電極である。
本発明の第9の態様は、フラックスコア溶接電極(flux cored welding electrode)であって、
鉄金属シース(ferrous metal sheath)と、
コア成分を含む、前記シース内のコアと、を備え、
前記コア成分は、フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.13と、
焼結酸化物4.51と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン0.96と、
ニッケル0.87と、
ジルコニウム二酸化物0.44と、
Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3 0.07と、
鉄0.53と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極である。
本発明の第10の態様は、前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、第9の態様に記載のフラックスコア溶接電極である。
本発明の第11の態様は、コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
アルミニウム2.0〜3.0と、
マンガン1.0〜2.0と、
希土類金属0.001〜0.11と、を含む、フラックス組成物である。
本発明の第12の態様は、前記希土類金属は、希土類金属酸化物を介して提供される、第11の態様に記載のフラックス組成物である。
本発明の第13の態様は、前記希土類金属酸化物は、Ce2O3−La2O3−Nd2O3−Pr2O3を含む、第12の態様に記載のフラックス組成物である。
本発明の第14の態様は、
コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.54と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.00と、
ニッケル0.87と、
Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.07と、
鉄0.36と、を含む、フラックス組成物である。
本発明の第15の態様は、
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、第14の態様に記載のフラックス組成物である。
本発明の第16の態様は、コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.13と、
焼結酸化物4.53と、
第2焼結フッ化物0.83と、
アルミニウム2.10と、
マグネシウム1.77と、
マンガン1.01と、
ニッケル0.98と、
Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.04と、
鉄0.83と、を含む、フラックス組成物である。
本発明の第17の態様は、
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、第16の態様に記載のフラックス組成物である。
本発明の第18の態様は、
コア溶接電極(cored welding electrode)中のフラックス組成物であって、
前記コア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
第1焼結フッ化物9.13と、
焼結酸化物4.51と、
第2焼結フッ化物0.42と、
アルミニウム2.04と、
マグネシウム1.77と、
マンガン0.96と、
ニッケル0.87と、
ジルコニウム二酸化物0.44と、
Ce、La、Nd、Prよりなるリストから選択される希土類金属0.03と、
鉄0.53と、を含む、フラックス組成物である。
本発明の第19の態様は、
前記第1焼結フッ化物は、BaLiF3を含み、前記焼結酸化物は、Li2O−CaO−SiO2−Fe3O4を含み、前記第2焼結フッ化物は、KLiF2を含む、第18の態様に記載のフラックス組成物である。
本発明の第20の態様は、
鉄金属シースと、コア成分を含む前記シース内のコアとを備えるフラックスコア溶接電極であって、
前記フラックスコア溶接電極の全体質量に基づいて質量%で、
アルミニウム2.0〜3.0と、
マンガン1.0〜2.0と、
希土類金属酸化物0.001〜0.5と、を含み、
前記フラックスコア溶接電極は、5ml/100g以下の拡散性水素レベル及び−40゜Fにおける少なくとも100ft-lbsのシャルピーVノッチ靱性を有する溶接部を形成することができる、フラックスコア溶接電極である。