特許第6185705号(P6185705)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6185705-一時貯留槽 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185705
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】一時貯留槽
(51)【国際特許分類】
   E03C 1/122 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   E03C1/122 Z
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-239230(P2012-239230)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-88705(P2014-88705A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年7月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005278
【氏名又は名称】株式会社ブリヂストン
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(74)【代理人】
【識別番号】100099025
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 浩志
(72)【発明者】
【氏名】丸山 秀行
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−315036(JP,A)
【文献】 特開2011−256557(JP,A)
【文献】 実開昭50−040727(JP,U)
【文献】 実開平03−012916(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03C 1/12−1/122
E02B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁で囲まれた領域が仕切壁により区画されて構成され、水廻り器具からの排水を夫々一時貯留でき、かつ所定の水位以上で互いに連通する第1個別貯留部及び第2個別貯留部を有し、
前記第1個別貯留部の側壁には前記排水の流入口が設けられ、
前記第1個別貯留部及び第2個別貯留部には、前記排水の排出口が設けられ、
排水の流入方向における前記流入口から前記仕切壁までの距離をD1とし、排水の流入方向における前記第1個別貯留部の側壁から前記仕切壁までの距離をD2とすると、前記第1個別貯留部は、D2<D1となる部位を有し、
前記第1個別貯留部の容量が前記第2個別貯留部の容量より小さく、
前記第1個別貯留部の前記側壁の両端部が、前記第1個別貯留部の内側へ張り出すように形成され、二重床の脚ボルトを避けた形状となっている、サイフォン排水で使用される一時貯留槽。
【請求項2】
排水の流入方向における前記第1個別貯留部の側壁から前記仕切壁までの距離D2が、流入口から離れるにしたがって漸減するように形成されている部分を有する請求項1に記載の一時貯留槽。
【請求項3】
排水の流入方向は、前記仕切壁の長さ方向と直角となる方向に対して傾斜している請求項1又は請求項2に記載の一時貯留槽。
【請求項4】
前記距離D1は、80mm以上である請求項1〜請求項の何れか1項に記載の一時貯留槽。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サイフォン排水システムに用いられる一時貯留槽に関する。
【背景技術】
【0002】
貯水部付きサイフォン排水システムにおいて、水廻り器具と貯水部とが連結管(流入管)によって接続され、貯水部が仕切り部材によって二つに分割された構造が開示されている(特許文献1参照)。仕切り部材は、連結管が接続される貯水部の壁面に対して平行に配置されており、仕切り部材と壁面との間隔が一定となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−315036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
内部仕切りが形成された一時貯留槽において、水廻り器具からの流入が接続される区画(流入区画)をなるべく狭くすることで、早くその区画の水位を上げることができ、サイフォン起動を早める事が可能である。またこれによって、一時貯留槽全体の容量を小さくでき、同じ容量の一時貯留槽であれば、二次側配管である横引き管をより長く設定でき、排水システムにおける設計の自由度が向上する。
【0005】
しかしながら、流入管の接続口(流入口)が設けられている側壁から内部仕切りまでの距離が一定であるため、流入区画を狭くしすぎて、当該距離が極端に短くなると、下記の様な不具合が生じ易くなり、設計の自由度の低下につながる。
(1)一時貯留槽内に流入した排水が、内部仕切りに勢いよくぶつかる為、その排水が跳ねて通気管及び、通気管接続口に入り込み通気不良が生じる。
(2)流入区画自体は満水になっていないのに、接続口付近のみ水が滞留することで、水廻り器具側の排水口のところで溢れが生じた状態になる。
(3)跳ねた排水が、一時貯留槽の蓋等に付着して汚れとなる。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、内部仕切りが形成された一時貯留槽において、上記不具合が生じることを抑制しつつ、排水時のサイフォン起動を早めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、側壁で囲まれた領域が仕切壁により区画されて構成され、水廻り器具からの排水を夫々一時貯留でき、かつ所定の水位以上で互いに連通する第1個別貯留部及び第2個別貯留部を有し、前記第1個別貯留部の前記側壁には前記排水の流入口が設けられ、前記第1個別貯留部及び第2個別貯留部には、前記排水の排出口が設けられ、排水の流入方向における前記流入口から前記仕切壁までの距離をD1とし、排水の流入方向における前記側壁から前記仕切壁までの距離をD2とすると、前記第1個別貯留部は、D2<D1となる部位を有し、前記第1個別貯留部の容積が前記第2個別貯留部の容積より小さく、前記第1個別貯留部の前記側壁の両端部が、前記第1個別貯留部の内側へ張り出すように形成され、二重床の脚ボルトを避けた形状となっており、サイフォン排水で使用される。
【0008】
請求項1に記載の一時貯留槽では、第1個別貯留部が、D2<D1となる領域を有しており、排水の流入方向における流入口から仕切壁までの距離が、比較的大きく設定されているので、流入した排水が仕切壁で跳ねることが抑制される。また、流入口付近での排水の滞留及び溢れが抑制される。このため、上記(1)〜(3)の不具合が生じることを抑制しつつ、第1個別貯留部の容積を最小限に設定し、排水時のサイフォン起動を早めることができる。
また、一時貯留槽を二重床の下に設置する場合に、二重床の脚ボルトを容易に避けることができる。このため、二重床の下の限られたスペースにも、大きな一時貯留槽を容易に設置することが可能となる。またこれによって、サイフォン排水管の横引き管部分の長さを長くすることができるので、設計の自由度が向上する。
【0009】
請求項2に記載の一時貯留槽では、第1個別貯留部の距離D2が、流入口から離れるにしたがって漸減するように形成されている部分を有しているので、流入した排水が滑らかに第1個別貯留部全体に行き渡り、仕切壁で跳ねることが抑制される。また、流入口付近での排水の滞留及び溢れが抑制される。また、仕切壁を平面状に形成しても、第1個別貯留部の側壁部から仕切壁までの距離に変化を付けることができる。この場合、メンテナンスが容易となる。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明に係る一時貯留槽によれば、上記(1)〜(3)のような不具合が生じることを抑制しつつ、排水時のサイフォン起動を早めることができる、という優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】(A)参考例1に係る一時貯留槽を模式的に示す平面図である。(B)参考例2に係る一時貯留槽を模式的に示す平面図である。(C)実施形態に係る一時貯留槽を模式的に示す平面図である。(D)参考例3に係る一時貯留槽を模式的に示す平面図である。(E)参考例4に係る一時貯留槽を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態及び参考例を図面に基づき説明する。
参考例1
図1(A)において、参考例1に係る一時貯留槽10は、サイフォン排水で使用され、第1個別貯留部11及び第2個別貯留部12を有している。一時貯留槽10は、長さが比較的短い一対の側壁16と、長さが比較的長い一対の側壁18を有し、平面視で例えば長方形(四角形)に形成されている。一対の側壁16は互いに平行に配置されている。一対の側壁18も互いに平行に配置されている。
【0015】
第1個別貯留部11及び第2個別貯留部12は、側壁16,18により囲まれた領域が仕切壁14により区画されて構成され、水廻り器具(図示せず)からの排水を夫々一時貯留できるようになっている。本参考例では、仕切壁14が2つ設けられており、2つの第1個別貯留部11の間に、1つの第2個別貯留部12が設けられている。
【0016】
第1個別貯留部11及び第2個別貯留部12は、所定の水位以上で互いに連通している。第2個別貯留部12の容積は、第1個別貯留部11の容積よりも大きい。ここで、所定の水位は、例えば仕切壁14の高さで設定される。仕切壁14の高さは、側壁16,18よりも低く設定される。この構成では、第1個別貯留部11及び第2個別貯留部12の一方の水位が仕切壁14の高さを越えたときに、該仕切壁14に対する越流が生じ、他方へ流入する。なお、所定の水位を、仕切壁14に設けた貫通孔や切欠き等(図示せず)の高さで設定することもできる。
【0017】
第1個別貯留部11の側壁16には、排水の流入口22が設けられている。この流入口22には、流入管32が接続されている。流入管32の上流側には、水廻り器具(図示せず)が接続される。第1個別貯留部11には、排水の排出口24が設けられている。この排出口24には、サイフォン排水管34が接続されている。第2個別貯留部12には、排水の排出口26が設けられている。この排出口26には、サイフォン排水管36が接続されている。なお、図示の例では、排出口24,26が側壁18に位置しているが、これに限られず、各個別貯留部の底部に位置していてもよい。第1個別貯留部11については、排出口24が側壁16に位置していてもよい。
【0018】
排水の流入方向(矢印I方向)における流入口22から仕切壁14までの距離をD1とし、排水の流入方向(矢印I方向)における側壁16から仕切壁14までの距離をD2とすると、第1個別貯留部11は、D2<D1となる部位を有している。換言すれば、流入口22から仕切壁14までの距離D1は、比較的大きく設定されている。具体的には、仕切壁14のうち、流入口22と対向する部位は、第2個別貯留部12側に凹んだ凹部14Aとされている。排水の流入方向(矢印I方向)における凹部14Aの最深部は、平面視で円筒面や放物面等の曲面となっている。凹部14Aの入口14Cの開口幅は、流入口22の直径と同等又はそれ以上となっている。
【0019】
距離D1は、排水の流入方向(矢印I方向)における流入口22から凹部14Aの最深部までの距離である。仕切壁14における凹部14A以外の一般部14Bは、側壁16と略平行である。排水の流入方向(矢印I方向)において、側壁16から一般部14Bまでの距離をD2とすると、D1>D2に設定されている。具体的には、距離D1は、80mm以上であり、距離D1が80mmを下回ると、上記(1)〜(3)の不具合が生じ易くなる。
【0020】
図1(A)において、二点鎖線は、比較例としての平板状の仕切壁28を仮想的に示したものである。排水の流入方向(矢印I方向)において、側壁16から仕切壁14までの距離は、D1で一定である。このような仕切壁28と比較すると、本参考例の仕切壁14では、一般部14Bが側壁16と接近している。これによって、第1個別貯留部11の容積が縮小されている。
【0021】
(作用)
参考例は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1(A)において、本参考例に係る一時貯留槽10では、図示しない水廻り器具から流された排水が、流入管32及び流入口22を通じて、第1個別貯留部11内へ流入する。このとき、排水の流入方向(矢印I方向)における流入口22から仕切壁14までの距離D1が比較的大きく、かつ適切に設定されているので、流入した排水が仕切壁14で跳ねることが抑制される。これにより、排水が通気管接続口(図示せず)に入り込むことは抑制される。また、流入口22付近での排水の滞留及び水廻り器具側の排水口(図示せず)での溢れが抑制される。更に、一時貯留槽10の蓋等の汚れが抑制される。
【0022】
一方、仕切壁14の一般部14Bは、側壁16と接近しているため、第1個別貯留部11の容積が小さく、水位上昇に要する時間が少ない。従って、排水口24及びサイフォン排水管34から排水する際のサイフォン起動を早めることができる。サイフォン起動が生ずると、第1個別貯留部11内の排水が、排水口24及びサイフォン排水管34を通じて排出される。
【0023】
このように、本参考例に係る一時貯留槽10によれば、上記(1)〜(3)の不具合が生じることを抑制しつつ、第1個別貯留部11の容積を最小限に設定し、排水時のサイフォン起動を早めることができる。また、第1個別貯留部11の容積を小さくすることにより、一時貯留槽10自体を小型化できる。更に、同じ容量の第1個別貯留部11であれば、サイフォン排水管34,36の横引き管部分の最大長さを長くできる。このため、排水システムの設計の自由度が向上する。
【0024】
第1個別貯留部11に対する排水の単位時間当たりの流入量が、排水口24及びサイフォン排水管34からの単位時間当たりの排水量よりも多く、第1個別貯留部11の水位が仕切壁14の高さを上回った場合には、該仕切壁14に対する越流が発生し、第2個別貯留部12に排水が流入する。第2個別貯留部12の水位がある程度に達すると、サイフォン起動が生じ、第2個別貯留部12内の排水が排水口26及びサイフォン排水管36を通じて排出される。
【0025】
参考例2
図1(B)において、本参考例に係る一時貯留槽20では、第1個別貯留部11の側壁16が、平面視において曲面で形成されている。第2個別貯留部12の側壁18も、平面視において曲面で形成されている。具体的には、側壁16,18は平面視で円形となる円筒形に形成されている。
【0026】
仕切壁14は2つ設けられ、何れも平板状となっているが、これに限られず、排水の流入方向に凸とした曲面状であってもよい。参考例1と同様に、一時貯留槽20には2つの第1個別貯留部11が設けられている。一方の第1個別貯留部11の側壁16には2つの流入口22が設けられ、流入管32が夫々接続されている。他方の第1個別貯留部11の側壁16には1つの流入口22が設けられ、流入管32が接続されている。これにより、一時貯留槽20に対して、3種類の水廻り器具(図示せず)を接続できるようになっている。流入管32からの排水の流入方向(矢印I方向)は、仕切壁14の長さ方向と交差する方向となっている。つまり、排水の流入方向は、仕切壁14の長さ方向と直角方向には限定されず、該直角方向に対して傾斜していてもよい。流入口22の位置での距離D1は、必ずしも側壁16から仕切壁14までの最大距離である必要はなく、第1個別貯留部11に、距離D2(<D1)となる部位が存在していればよい。他の参考例及び実施形態についても同様である。
【0027】
参考例では、第1個別貯留部11の側壁16が曲面で形成されているので、仕切壁14を平面状に形成しても、側壁16から仕切壁14までの距離に変化を付けることができる。仕切壁14を平面状に形成できるため、メンテナンスが容易となる。また、側壁16,18が円筒形に形成されているので、成形し易い。更に、側壁16,18を円筒形とすることにより、上部に蓋(図示せず)をねじ嵌合させることができるため、蓋の固定性及び止水性が良好となる。
【0028】
他の部分については、参考例1と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0029】
実施形態]
図1(C)において、本実施形態に係る一時貯留槽30では、仕切壁14が2つ設けられ、何れも平板状となっている。また、第1個別貯留部11の側壁16の両端部16Aが、第1個別貯留部11の内側へ張り出すように形成されている。これにより、側壁16が平板状である場合と比較して、第1個別貯留部11の容積が縮小されている。両端部16Aの形状は、平面視で第1個別貯留部11の内側へ凸となる例えば円弧形である。なお、両端部16Aの形状を平板状としてもよい。
【0030】
側壁16の両端部16Aが第1個別貯留部11の内側へ張り出すようにすることで、一時貯留槽30の四隅には、他の部材を配置することが可能となる。従って、一時貯留槽30を二重床(図示せず)の下に設置する場合に、二重床の脚ボルト42を容易に避けることができる。このため、二重床の下の限られたスペースにも、大きな一時貯留槽30を容易に設置することが可能となる。またこれによって、サイフォン排水管34,36の横引き管部分の長さを長くすることができるので、設計の自由度が向上する。
【0031】
他の部分については、参考例1又は参考例2と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
参考例3
図1(D)において、本参考例に係る一時貯留槽40は、平面視で略菱形となっている。具体的には、一時貯留槽40は、正方形を45°回転させた形状となっている。側壁16,18は、夫々菱形の頂点を含んで一対ずつ設けられており、平面視で夫々略V字形に形成されている。2つの仕切壁14は、何れも平板状に構成され、側壁18の頂点同士を結ぶ対角方向と平行に配置されている。菱形の一辺における側壁16,18は一体的に構成されており、仕切壁14の両端が接合されている位置を、側壁16,18の境界としている。なお、側壁16,18を夫々別部材で構成してもよい。
【0033】
流入口22は、第1個別貯留部11における菱形の頂点付近に設けられている。これは、排水の流入方向(矢印I方向)における流入口22から仕切壁14までの距離D1が、菱形の頂点付近で最も大きくなるからである。
【0034】
参考例では、第1個別貯留部11の側壁16が平面視で略V字形に形成されているので、仕切壁14を平面状に形成しても、側壁16から仕切壁14までの距離に変化を付けることができる。仕切壁14を平面状に形成できるため、メンテナンスが容易となる。また、菱形の一辺における側壁16,18が一体的に構成されているので、成形し易い。
【0035】
他の部分については、参考例1又は参考例2と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0036】
参考例4
図1(E)において、本参考例に係る一時貯留槽50では、仕切壁14が平面視でV字形となっており、排水の流入方向(矢印I方向)における側壁16から仕切壁14までの距離が変化している。
【0037】
参考例1と同様に、一時貯留槽50には2つの第1個別貯留部11が設けられている。一方の第1個別貯留部11において、排水の流入方向(矢印I方向)における流入口22から仕切壁14までの距離D1は、V字形の谷部14Dの位置で設定されている。他方の第1個別貯留部11における距離D1は、仕切壁14の端部と谷部14Dとの間の位置で設定されている。仕切壁14を対称に配置し、双方の第1個別貯留部11を同等の容量とした場合、他方の第1個別貯留部11での距離D1は、一方の第1個別貯留部11での距離D1よりも小さくなる。但し、何れの距離D1も、80mm以上である。
【0038】
他方の第1個別貯留部11において、流入口22から流入した排水は、仕切壁14に沿って谷部14D側へ流れ易い。従って、他方の第1個別貯留部11における距離D1が、一方の第1個別貯留部11における距離D1よりも小さくても、流入した排水が仕切壁14で跳ねることが抑制される。
【0039】
なお、双方の第1個別貯留部11の距離D1が同等となるように、仕切壁14を非対称に配置してもよい。また、2つの流入口22に対向する位置に、谷部14Dを夫々設けてもよい。この場合、仕切壁14は平面視でW字形となる。
【0040】
他の部分については、参考例1と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
【0041】
[他の実施形態]
上記参考例及び実施形態では、第1個別貯留部11が2つ、第2個別貯留部12が1つ設けられるものとしたが、第1個別貯留部11及び第2個別貯留部12の数はこれに限られず、第1個別貯留部11は1つでもよく、また3つ以上であってもよいし、第2個別貯留部12は2つ以上であってもよい。また上記参考例及び実施形態の構造は、適宜組み合わせて用いることが可能である。
【符号の説明】
【0042】
10 一時貯留槽,11 第1個別貯留部,12 第2個別貯留部,14 仕切壁,16 側壁,16A 両端部,18 側壁,20 一時貯留槽,22 流入口,24 排出口,26 排水口,28 仕切壁,30 一時貯留槽,40 一時貯留槽,42 脚ボルト,50 一時貯留槽,D1 距離,D2 距離
図1