特許第6185722号(P6185722)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6185722基板処理装置、基板移載方法及び半導体装置の製造方法並びに状態検知プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185722
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板移載方法及び半導体装置の製造方法並びに状態検知プログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20170814BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20170814BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   H01L21/68 A
   H01L21/31 E
   C23C16/44 F
【請求項の数】15
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2013-14548(P2013-14548)
(22)【出願日】2013年1月29日
(65)【公開番号】特開2013-214723(P2013-214723A)
(43)【公開日】2013年10月17日
【審査請求日】2016年1月25日
(31)【優先権主張番号】特願2012-52046(P2012-52046)
(32)【優先日】2012年3月8日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】川崎 潤一
(72)【発明者】
【氏名】安彦 一
【審査官】 梶尾 誠哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−60924(JP,A)
【文献】 特開2010−56469(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
H01L 21/31
C23C 16/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を載置する保持部材を装着された基板保持具と、複数枚又は一枚の基板を搬送する様に構成された基板搬送部と、前記基板保持具に装着された前記保持部材及び前記保持部材に載置された基板の状態を検知する検知部と、前記検知部により取得された前記保持部材及び前記保持部材に載置された基板の状態を示すデータと、予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となる第1マスターデータ及び前記保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータとを比較して基板の載置状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて前記基板保持具への基板の移載を行う前記基板搬送部を制御する搬送制御部と、少なくとも前記保持部材の位置の基準となるデータを有する第1マスターデータ、少なくとも前記保持部材に載置された基板の位置の基準となるデータを有する第2マスターデータ及び検知許容値を算出するための基準値を格納する記憶部と、を具備し、
前記搬送制御部は、
前記検知部に前記保持部材の状態を検知させて波形データを取得させ、
前記保持部材の状態を示す波形データと前記第1マスターデータとを比較し、
前記判定部の判定結果が異常なしであれば、前記保持部材に対して基板の搬送を前記基板搬送部に行わせ、
前記判定部の判定結果が異常有りであれば、処理を中断して前記基板搬送部を待機させる様に構成され、
前記基板保持具に前記基板を移載後、
前記検知部に前記保持部材に載置された基板の状態を検知させて波形データを取得させ、
前記判定部に前記保持部材に載置された基板の状態を示す波形データと前記記憶部に格納された前記第2マスターデータに前記基板の種別に応じて前記記憶部に格納された厚み基準値を加算した検知許容値データとを比較させ、前記基板の載置状態を判定させる基板処理装置。
【請求項2】
前記基板保持具は、前記保持部材を装着する装着部が所定数設けられ、前記判定部による比較が前記装着部の数だけ繰返し行われる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記判定部の判定結果が異常なしであれば、前記保持部材に対して基板の搬送が繰返し行われる請求項1記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記判定部の判定結果が異常有りであれば、前記装着部で発生した異常を解除する処理が終了する迄前記基板搬送部が待機する様に構成された請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1マスターデータは、リング下基準値、リング上基準値、リングズレ許容範囲のうち少なくとも一つで構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記記憶部は、基板保持具の全スロットに対して設定される検知許容値を微調整するための検知許容値設定パターン及び前記検知許容値を設定するための検知許容値パターンを格納する請求項の基板処理装置。
【請求項7】
前記第2マスターデータは、リング下基準値、リング上基準値、リングズレ許容範囲、ウェーハ下基準値、ウェーハ上基準値、ウェーハズレ許容範囲のうち少なくとも一つで構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記搬送制御部は、前記基板が処理された後、
前記検知部に前記保持部材に載置された基板の状態を検知させて波形データを取得させ、
前記基板の状態を示す波形データと前記第2マスターデータとを比較するように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記搬送制御部は、前記基板が処理された後、
前記検知部に前記保持部材の状態を検知させて波形データを取得させ、
前記保持部材の状態を示す波形データと前記第1マスターデータとを比較するように構成されている請求項1記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板が載置される保持部材の状態を検知させて波形データを取得させ、前記保持部材の状態を示す波形データと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となる第1マスターデータとを比較し、前記保持部材自体の状態を判定する工程と、
保持部材が装着された基板保持具に対して、前記基板を移載する移載工程と、
前記保持部材に載置された基板の状態を検知させて波形データを取得させ、取得された前記基板の状態を示す波形データと、前記保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータに前記基板の種別に応じて前記記憶部に格納された厚み基準値を加算した前記検知許容値データとを比較して前記保持部材に載置された基板の載置状態を判定する判定工程を有し、
前記保持部材自体の状態の判定結果が異常なしであれば、前記移載工程を実行し、
前記保持部材自体の状態の判定結果が異常有りであれば、処理を中断する様に構成され、
前記移載工程後、前記判定工程を実行する基板移載方法。
【請求項11】
基板が載置される保持部材の状態を検知させて波形データを取得させる工程と、
前記保持部材の状態を示す波形データと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となる第1マスターデータとを比較し、前記保持部材自体の状態を判定する工程と、
保持部材が装着された基板保持具に対して、前記基板を移載する移載工程と、
前記保持部材に載置された基板の状態を検知させて波形データを取得させ、取得された前記基板の状態を示す波形データと、前記保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータに前記基板の種別に応じて前記記憶部に格納された厚み基準値を加算した前記検知許容値データとを比較して前記保持部材に載置された基板の載置状態を判定する判定工程と、前記基板保持具を処理炉内に装填して基板を処理する処理工程を有し、
前記保持部材自体の状態の判定結果が異常なしであれば、前記移載工程は、実行され、
前記保持部材自体の状態の判定結果が異常有りであれば、処理を中断する様に構成され、
前記移載工程後、前記判定工程を実行する半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記処理工程は、
前記保持部材に載置された基板の状態の判定結果が異常なしであれば実行されるよう構成されている請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項13】
前記処理工程後、前記判定工程を実行するよう構成されている請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項14】
前記処理工程後、前記検知部に前記保持部材の状態を検知させて波形データを取得させ、
前記保持部材の状態を示す波形データと前記第1マスターデータとを比較するように構成されている請求項11記載の半導体装置の製造方法。
【請求項15】
基板を載置する保持部材を装着された基板保持具と、複数枚又は一枚の基板を搬送する様に構成された基板搬送部と、前記基板保持具に装着された前記保持部材及び前記保持部材に載置された基板の状態を検知する検知部と、前記検知部により取得された前記保持部材及び前記保持部材に載置された基板の状態を示すデータと、予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となる第1マスターデータ及び前記保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータとを比較して基板の状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて前記基板保持具への基板の移載を行う前記基板搬送部を制御する搬送制御部と、少なくとも前記保持部材の位置の基準となるデータを有する第1マスターデータ、少なくとも前記保持部材に載置された基板の位置の基準となるデータを有する第2マスターデータ及び検知許容値を算出するための基準値を格納する記憶部と、を具備する基板処理装置に、
前記検知部に前記保持部材の状態を検知させて波形データを取得させ、前記保持部材の状態を示す波形データと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となる第1マスターデータとを比較して前記保持部材の状態を判定する第1判定手順と、
前記保持部材が装着された基板保持具に対して、前記基板を移載する移載手順と、
前記検知部に前記保持部材に載置された基板の状態を検知させて波形データを取得させ、前記保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータに前記基板の種別に応じて前記記憶部に格納された厚み基準値を加算した前記検知許容値データとを比較して前記保持部材に載置された基板の載置状態を判定する第2判定手順と、を有する状態検知プログラムを実行させ、
前記第1判定手順の結果が異常なしであれば、前記移載手順を実行させ、
前記第1判定手順の結果が異常有りであれば、処理を中断させる様に構成され、
前記移載手順後、前記第2判定手順を実行させるよう構成されている状態検知プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコンウェーハ、ガラス基板等の基板に薄膜の生成、酸化処理、不純物の拡散、アニール処理、エッチング等の処理を行い、特に基板及び基板を載置する保持部材の変形や割れの検知が可能な基板処理装置、基板移載方法及び半導体装置の製造方法並びに状態検知プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する処理装置として、縦型の反応炉と、所定数の被処理基板(以下ウェーハと称す)を水平姿勢で多段に保持する基板保持具であるボートと、該ボートにウェーハを移載する基板移載機とを具備し、前記ボートにウェーハを保持した状態で前記反応炉にてウェーハを処理するバッチ式の基板処理装置がある。
【0003】
従来では、反応炉内での昇温時、該反応炉から取出された際の冷却時に、熱応力によりウェーハに割れや反り、ズレ等の異常が生じた場合、ウェーハに異常が生じた状態で基板処理が続行されない様、基板処理装置にウェーハの異常を検知する為のウェーハ割れ検知機構を設けている。
【0004】
該ウェーハ割れ検知機構はフォトセンサを有し、前記ボート上に保持されたウェーハ周縁から5mm〜10mm程度中心側でフォトセンサが水平方向に照射した光軸を上下させ、得られる光量の増減の波形により各スロットに於けるウェーハの有無や割れ、脱落等を検知している。
【0005】
ウェーハが正常に保持されている場合には、ウェーハにより光軸がウェーハの下端から光量が減少し始め、上端で光量が回復する様になっており、この値が基準値内に存在しているかどうかでウェーハの状態を判断している。光軸とウェーハが重なる領域にウェーハ以外の物が存在する場合には、ウェーハ以外の物が光量の波形に反映され、ウェーハの状態が異常であると判定される。
【0006】
又、プロセス性能条件向上の為、前記ボート上にリング状の保持部材を装着し、該保持部材上にウェーハを載置する基板処理装置もあるが、前記ボートに保持部材を装着した状態では、該保持部材がウェーハ割れ検知機構の光軸上に存在し、前記保持部材が光量の波形に影響する為、前記ウェーハ割れ検知機構を使用できないという問題があった。
【0007】
又、前記保持部材は前記ボートに装着された状態で基板処理が行われる。従って、前記保持部材自体に対しても熱による形状の変化やズレが生じる為、該保持部材の変形やズレを事前に検知する仕組が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2005/31851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
斯かる実情に鑑み、本発明の目的は、保持部材が装着された基板保持具に基板が保持された場合でも、前記保持部材の異常及び前記基板の異常の発生を事前に検知する基板処理装置、基板移載方法及び半導体装置の製造方法並びに状態検知プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様によれば、基板を載置する保持部材を装着した基板保持具と、複数枚又は一枚の基板を搬送する様に構成された基板搬送部と、前記基板保持具に装着された前記保持部材の状態を検知する検知部と、前記検知部により取得された前記保持部材の状態を示すデータと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となるマスターデータとを比較して前記保持部材自体の状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて前記基板搬送部を制御する搬送制御部とを具備する基板処理装置が提供される。
【0011】
本発明の他の態様によれば、基板が載置される保持部材が装着された基板保持具に対して、前記基板を移載する移載工程を少なくとも有する基板移載方法であって、前記保持部材の状態を示すデータと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となるマスターデータとを比較して前記保持部材自体の状態を判定する判定工程を有し、前記判定工程の判定結果に応じて前記基板保持具に基板を移載する基板移載方法が提供される。
【0012】
本発明の更に他の態様によれば、基板が載置される保持部材が装着された基板保持具に対して、前記基板を移載する移載工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法であって、前記保持部材の状態を示すデータと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となるマスターデータとを比較して前記保持部材自体の状態を判定する判定工程を有し、前記判定工程の判定結果に応じて前記基板保持具に基板を移載する半導体装置の製造方法が提供される。
【0013】
本発明の更に他の態様によれば、保持部材の状態を検知する検知部に波形データを取得させ、判定部に前記波形データより前記保持部材の下端と上端を示すデータを取得させると共に、取得した各波形データと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となるマスターデータとを比較させることで前記保持部材の状態を判定させ、判定により異常が検知された際に処理を中断させる基板処理装置の保持部材状態検知プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、基板保持具に装着された保持部材に基板が載置される際、前記保持部材の状態検知と前記保持部材に載置された基板の状態検知を両立させることができるので、前記保持部材に起因する異常の発生と前記基板に起因する異常の発生の両方を事前に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施例に係る基板処理装置を示す斜視図である。
図2】本発明の実施例に係る基板処理装置を示す断面図である。
図3】該基板処理装置に用いられる基板保持具を示す斜視図である。
図4】本発明の実施例に係る基板処理装置に用いられる処理炉及びその周辺を示す断面図である。
図5】本発明の実施例に係る基板処理装置に用いられる基板移載機を示す側面図である。
図6】本発明の実施例に係る基板移載機に用いられる検知部による状態検知を示す平面図であり、(A)は基板が載置されていない状態を示し、(B)は基板が載置された状態を示している。
図7】本発明の実施例に係る基板移載機に用いられる検知部により保持部材のみを検知した場合を示す説明図である。
図8】本発明の実施例に係る基板移載機に用いられる検知部により保持部材と該保持部材に載置された基板を検知した場合を示す説明図である。
図9】本発明の実施例に係る基板処理の動作を説明するフローチャートである。
図10】本発明の実施例に係る保持部材の状態検知を説明するフローチャートである。
図11】本発明の実施例に係る保持部材と該保持部材に載置された基板の状態検知を説明するフローチャートである。
図12】本発明の実施例に係る基板保持具の各スロットにおける保持部材と該保持部材に載置された基板の変形率の違いによる状態検知の判定結果の違いを説明する図である。
図13】本発明の実施例2に係る基板保持具の各スロットにおける状態検知に使用する許容値範囲の設定を説明する図である。
図14】本発明の実施例3に係る基板保持具の各スロットにおける状態検知に使用する許容値範囲をウェーハ種別に応じた設定を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
【0017】
先ず、図1図2に於いて、本発明の実施例に係る基板処理装置1について説明する。
【0018】
尚、以下の説明では、基板処理装置として基板に拡散処理やCVD処理等を行う縦型炉を具備する縦型基板処理装置を適用した場合について述べる。
【0019】
シリコン等からなるウェーハ2等の基板を収納した密閉式の基板収納容器(FOUP)(以下カセット3)を、外部から筐体4内へ搬入する為、及びその逆に該筐体4内から外部へ搬出する為のI/Oステージ(基板収納容器授受部)5が前記筐体4の前面に設けられ、該筐体4内には搬入された前記カセット3を保管する為のカセット棚(保管手段)6が設けられている。
【0020】
又、ウェーハ2の搬送エリアであり、後述のボート(基板保持具)7のローディング、アンローディング空間となる気密室8が設けられている。
【0021】
ウェーハ2に処理を行う時の前記気密室8の内部は、ウェーハ2の自然酸化膜を防止する為にN2 ガス等の不活性ガスが充満される様になっている。
【0022】
前記カセット3としては、現在FOUPというタイプが主流で使用されており、前記カセット3の一側面に設けられた開口部を蓋体(図示せず)で塞ぐことで大気からウェーハ2を隔離して搬送でき、前記蓋体を取去ることで前記カセット3内へウェーハ2を入出させることができる。前記カセット3の蓋体を取外し、該カセット3内と前記気密室8とを連通させる為に、該気密室8の前面側には、カセット載置ステージ(基板収納容器載置手段)9,11が複数組(図示では2組)設けられ、前記気密室8の前記カセット載置ステージ9,11対峙部分にはそれぞれカセットオープナ12,13(開閉手段)が設けられている。該カセットオープナ12,13は独立して駆動可能となっており、前記カセット載置ステージ9,11に載置された前記カセット3を個別に開閉可能となっている。
【0023】
前記カセット載置ステージ9,11、前記カセット棚6、及び前記I/Oステージ5間の前記カセット3の搬送は、カセット搬送機14(キャリア搬送部)によって行われる。前記カセット搬送機14による前記カセット3の搬送空間15には、前記筐体4に設けられたクリーンユニット(図示せず)によって清浄化した空気をフローさせる様にしている。
【0024】
前記気密室8の内部には、複数のウェーハ2を水平多段に積載する前記ボート7と、ウェーハ2のノッチ(又はオリエンテーションフラット)の位置を任意の位置に合せる基板位置合せ装置16が設けられ、又前記カセット載置ステージ9,11上の前記カセット3と前記基板位置合せ装置16と前記ボート7との間でウェーハ2の搬送を行うウェーハ移載機(基板搬送部)17が1組設けられている。又、前記気密室8の上部にはウェーハ2を処理する為の処理炉18が設けられており、該処理炉18の下端開口部である炉口は炉口ゲートバルブ19によって開閉される。該炉口ゲートバルブ19の開状態で、前記ボート7はボートエレベータ(昇降部)21によって前記処理炉18へローディング、又は該処理炉18からアンローディングされ、前記ボート7へのウェーハ2移載時には前記炉口ゲートバルブ19が閉じられる様になっている。
【0025】
図3は、本実施例に於ける前記ボート7を示している。
【0026】
本実施例に於ける該ボート7はリングボートであり、円板状の天板(図示せず)と底板(図示せず)が、例えば石英、炭化ケイ素等からなる4本の円柱状の支柱22によって連結されている。該支柱22には所定の間隔で装着溝(図示せず)が刻まれ、該装着溝により装着部であるスロットが形成される。該スロットにウェーハ2を保持する保持部材である略リング状のプレート(以下、ウェーハ保持リング)23が装着される様になっており、該ウェーハ保持リング23は水平又は略水平状態となる様垂直方向に所定の間隔で積層して前記支柱22に多数装着される。
【0027】
前記ウェーハ保持リング23には、ウェーハ2が挿入される側(図3中紙面に対して下側)にリングの一部を切欠いた第1切欠き部24が形成されると共に、該第1切欠き部24と対向する位置に外周側に突出する突出部25が形成され、該突出部25の内縁が切欠かれることで第2切欠き部26が形成される。
【0028】
前記第1切欠き部24及び前記第2切欠き部26により、前記ウェーハ保持リング23上にウェーハ2を載置する際に、前記ウェーハ移載機17のウェーハ支持部(ツイーザ)が前記ウェーハ保持リング23に接触しない様になっている。
【0029】
図4は、前記処理炉18の周辺構成を示している。該処理炉18は、例えば石英(SiO2)等の耐熱性材料からなるアウタチューブ31を有している。該アウタチューブ31は有天筒状であり、該アウタチューブ31内には上端及び下端が開放されたインナチューブ32が同心に配置されている。又、前記アウタチューブ31の外周には、加熱手段としてのヒータ33が同心に配置され、該ヒータ33はヒータベース34を介して前記筐体4上に保持されている。
【0030】
図5にも示す様に、前記ボート7は、装着された前記ウェーハ保持リング23上でウェーハ2を保持する。前記ウェーハ移載機17は、上下方向に移動し、回転する移載機本体35と、該移載機本体35上で往復動する主ツイーザ本体36とを有している。該主ツイーザ本体36には、例えば板状の4つのツイーザ37a,37b,37c,37dが平行に延びる様に固定されている。又、前記移載機本体35上には、副ツイーザ本体38が前記主ツイーザ本体36と一体に往復動できると共に、該主ツイーザ本体36とは独立して往復動できる様に設けられている。前記副ツイーザ本体38には、ツイーザ37eが前述した4つのツイーザ37a〜37dの下位置で平行に固定されている。この為、図5に示す様に、前記ウェーハ移載機17は5つのツイーザ37a〜37eにより5枚のウェーハ2を一括移載することができ、又最下段の前記ツイーザ37eを用いて1枚のモニタウェーハを移載(枚葉移載)することもできる。モニタウェーハを移載する場合には、図6に示す様に、一括移載した5枚のウェーハ2との間を1スロット分開け、通常のウェーハ2とは異なるカセット3からモニタウェーハを取出し、5枚のウェーハセット間に挿入する。
【0031】
前記カセット3には、例えば25枚のウェーハ2が収納されており、前記ウェーハ移載機17によりウェーハ2を前記ボート7に装着された前記ウェーハ保持リング23上に移載する、又は該ウェーハ保持リング23上から回収する場合、ウェーハ2が載置された5つのウェーハ保持リング23(スロット群)の中に異常状態のウェーハ保持リング23、或はウェーハ2がない時には、5つのツイーザ37a〜37eにより5枚のウェーハ2を一括移載又は回収し、スロット群の中に異常状態の前記ウェーハ保持リング23又はウェーハ2がある時には、正常状態のウェーハ2のみを最下段の前記ツイーザ37eを用いて回収できる。尚、前記モニタウェーハについては、挿入時と同様に1枚ずつ回収してもよい。
【0032】
ウェーハ2、前記ウェーハ保持リング23を検出する検知部41は、前記移載機本体35に設けられている。該検知部41は、平行な2つのアーム42a,42bを有し、該アーム42a,42bは前記移載機本体35の両側面にそれぞれ回転可能に取付けられ、一体に回動できる様に設けられている。又、図6(A)(B)に示される様に、該アーム42a,42bの先端付近には、一方が投光素子、他方が受光素子からなる透過型のフォトセンサ43a,43bが前記ボート7の前面側に配置される様に設けられており、該フォトセンサ43a,43bにより前記ウェーハ保持リング23の状態、及び該ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の状態が検知される様になっている。
【0033】
前記ボート7に装着された前記ウェーハ保持リング23の状態を検知する場合は、前記アーム42a,42bを前記ボート7側に回動固定し、前記フォトセンサ43a,43bの光軸が前記ウェーハ保持リング23を通過する様にし、前記ウェーハ移載機17を前記ボート7の下端から上端迄移動させ、前記フォトセンサ43a,43bの検知出力をモニタする。一方、前記ウェーハ移載機17によりウェーハ2を前記ボート7に移載する場合には、前記アーム42a,42bが前記ボート7の反対側に回動し、前記アーム42a,42bが前記ボート7や前記ウェーハ保持リング23と干渉するのを防止する様になっている。
【0034】
又、該ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の状態を検知する場合も、前記ウェーハ保持リング23の場合と同様に、前記フォトセンサ43a,43bの光軸が前記ウェーハ保持リング23及び該ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2を通過する様にし、前記ウェーハ移載機17を前記ボート7の下端から上端迄移動させ、前記フォトセンサ43a,43bの検知出力をモニタする。
【0035】
図4に示される様に、前記フォトセンサ43a,43bから出力されるアナログ信号は、例えばPC等のコンピュータからなる制御装置44に出力される。前記制御装置44はCPU等の演算制御部45と、メモリやHDD等からなる記憶部46と、前記検知部41により検知されたデータをA/D変換する等の信号処理をして後述する検出値を取得すると共に、該検出値と前記記憶部46に格納されたデータを比較する判定部47と、前記判定部47の判定結果に基づき、例えばモータ等からなる駆動部48を介して前記ウェーハ移載機17(基板搬送部)を制御する搬送制御部49とを有している。
【0036】
前記記憶部46は、データ格納領域51とプログラム格納領域52とを有し、前記データ格納領域51には後述するマスターデータ等の各種データが格納される様になっている。又、前記プログラム格納領域52には前記判定部47にマスターデータと検出値との比較を行わせることで前記ウェーハ保持リング23の状態検知を行う為の保持部材状態検知プログラム53と、前記判定部47にマスターデータと検出値の比較を行わせることで前記ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の状態検知を行う為の基板状態検知プログラム54とが格納されている。尚、図示しないが、ウェーハ2の基板処理を行うための各種データ及び各種プログラムもそれぞれ前記データ格納領域51及び前記プログラム格納領域52に格納されている。
【0037】
前記ウェーハ保持リング23の状態検知、及び該ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の状態検知を行うにあたって、先ず前記判定部47が判定を行う為のマスターデータが取得され、前記データ格納領域51に格納される。
【0038】
先ず、前記ウェーハ保持リング23の状態検知を行う為の第1マスターデータの取得について説明する。該ウェーハ保持リング23を前記ボート7に装着した後、ウェーハ2を載置しない状態で前記フォトセンサ43a,43bを下から上へと移動させ、図7に示される様な、前記ウェーハ保持リング23についての光量の波形データ(未載置波形データ)55を取得し、ボート7の各スロットに装着されたウェーハ保持リング23毎に関連付けられて前記データ格納領域51に格納する。又、前記判定部47が各未載置波形データ55から、前記ウェーハ保持リング23の下端、即ち光量が減少し始める点の光量をリング下基準値56として取得し、前記ウェーハ保持リング23の上端、即ち減少した光量が回復した点の光量をリング上基準値57として取得し、前記データ格納領域51に格納する。
【0039】
又、前記ウェーハ保持リング23の状態が正常であるとみなす範囲、即ち許容できるズレの許容範囲(リングズレ許容範囲)58を設定し、前記データ格納領域51に格納する。前記データ格納領域51に格納された前記リング下基準値56、前記リング上基準値57、前記リングズレ許容範囲58により第1マスターデータが構成され、該第1マスターデータは前記ボート7の各段のスロットに関連付けられて前記データ格納領域51に格納される。
【0040】
次に、前記ウェーハ2の状態検知を行う為の第2マスターデータの取得について説明する。前記ウェーハ保持リング23を前記ボート7に装着した後、前記ウェーハ保持リング23上にウェーハ2を載置した状態で、前記フォトセンサ43a,43bを下から上へと移動させ、図8に示される様な、前記ウェーハ保持リング23の波形データとウェーハ2の波形データが混ざり合った波形データ(載置波形データ)59を装着部としてのスロット毎に取得し、前記スロットに関連付けられて前記データ格納領域51に格納する。又、前記判定部47は各載置波形データ59から、前記ウェーハ保持リング23の下端、即ち光量が減少し始める点の光量をウェーハ下基準値61として取得し、ウェーハ2の上端、即ち減少した光量が回復した点の光量をウェーハ上基準値62として取得し、前記データ格納領域51に格納する。尚、前記ウェーハ下基準値61は前記リング下基準値56と等しいので、前記ウェーハ下基準値61は省略してもよい。
【0041】
又、第1マスターデータと同様、ウェーハ2の状態が正常であるとみなす範囲、即ち許容できるズレの許容範囲(ウェーハズレ許容範囲)63を設定し、前記データ格納領域51に格納する。
【0042】
尚、前記ウェーハ保持リング23上のウェーハ2の有無に拘らず、前記フォトセンサ43a,43bの光軸が前記ウェーハ保持リング23を通過することで波形データが取得される為、単純に波形データの有無によりウェーハ2の有無を判定することができない。従い、ウェーハ2を前記ボート7の各スロットへ移載するかどうかの設定に基づくウェーハ2の有無情報も必要である。そして、ウェーハ有無情報、前記リング下基準値56、前記リング上基準値57、前記リングズレ許容範囲58、前記ウェーハ下基準値61、前記ウェーハ上基準値62、前記ウェーハズレ許容範囲63により、ウェーハ2の有無や割れ、落下等の状態検知に用いる第2マスターデータが構成され、該第2マスターデータは前記ボート7の各段のスロットに関連付けられて前記データ格納領域51に格納される。
【0043】
(実施例1)
次に、本発明の第一の実施形態(実施例1)について、図9図11のフローチャートを用いて説明する。図9は本発明の実施例に係る基板処理装置1の動作を説明するフローチャートである。図10は、本発明の実施例に係る前記ウェーハ保持リング23の状態検知処理を説明するフローチャートである。図11は本発明の実施例に係る前記ウェーハ保持リング23及び前記ウェーハ保持リング23に載置されたウェーハ2の状態検知処理について説明するフローチャートである。尚、本実施形態における前記ウェーハ保持リング23の状態検知処理及び前記ウェーハ2の状態検知処理は、前記プログラム格納領域52に格納された前記保持部材状態検知プログラム53及び前記基板状態検知プログラム54のそれぞれを演算制御部45により実行される。
【0044】
STEP:01 基板処理装置1の動作は、先ずAGVやOHT等により前記筐体4の外部から前記I/Oステージ5に前記カセット3が載置されることにより開始される。前記I/Oステージ5に載置された前記カセット3は、前記カセット搬送機14によって前記カセット載置ステージ9,11上に搬送されるか、一旦、前記カセット棚6にストックされた後に前記カセット載置ステージ9,11上に搬送される。前記カセット載置ステージ9,11上に搬送された前記カセット3は、前記カセットオープナ12,13によって蓋体が取外され、前記カセット3の内部雰囲気が前記気密室8の雰囲気と連通される。
【0045】
STEP:02 次に、演算制御部45により前記保持部材状態検知プログラム53が起動される。起動されると、図10のフローチャートに示される、前記ボート7に装着された前記ウェーハ保持リング23の状態検知処理(以下、後述するSTEP:11〜STEP17)が行われる。
【0046】
STEP:11 ウェーハ保持リング23の状態検知処理が開始されると、前記保持部材状態検知プログラム53を実行する演算制御部45の指示に基づき、前記搬送制御部49が前記駆動部48を介して前記ウェーハ移載機17を駆動させ、前記フォトセンサ43a,43bにより前記ボート7のスロット毎に装着された前記ウェーハ保持リング23の波形データが取得され、各スロットに関連付けられて前記データ格納領域51に格納される。
【0047】
STEP:12 前記ウェーハ保持リング23の波形データ取得後、該波形データより光量が減少し始める点の光量であるリング下検出値が取得され、前記判定部47によりリング下検出値と第1マスターデータとが比較され、リング下検出値と前記リング下基準値56が同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であるかが判定される。
【0048】
STEP:13 前記ウェーハ保持リング23が歪んでいる、或は装着されていない等、前記ウェーハ保持リング23に異常がある場合には、STEP:12にてリング下検出値が前記リングズレ許容範囲58の範囲外であると判定され、検知が行われた前記ウェーハ保持リング23が装着されたスロットについてエラーが出力される。
【0049】
STEP:14 STEP:12にてリング下検出値が前記リング下基準値56と同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であると判定された後、又はSTEP:13にてエラーが出力された後、前記ウェーハ保持リング23の波形データより光量が回復した点の光量であるリング上検出値が取得され、前記判定部47によりリング上検出値と第1マスターデータとが比較され、リング上検出値と前記リング上基準値57が同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であるかが判定される。
【0050】
STEP:15 前記ウェーハ保持リング23が歪んでいる、装着されていない等の前記ウェーハ保持リング23の異常、或はウェーハ2が載置されている場合には、STEP:14にてリング上検出値が前記リングズレ許容範囲58の範囲外と判定され、検知が行われた前記スロットについてエラーが出力される。
【0051】
STEP:16 STEP:14にてリング上検出値が前記リング上基準値57と同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であると判定された後、又はSTEP:15にてエラーが出力された後、全スロットについて前記ウェーハ保持リング23の状態検知が行われたかどうかが判断され、全スロットで状態検知が行われていない場合には、次のスロットに装着された前記ウェーハ保持リング23についてSTEP:12〜STEP:15の処理が行われる。
【0052】
STEP:17 STEP:16にて全スロットについて前記ウェーハ保持リング23の状態検知が行われたと判断されると、エラーが出力されたスロットが存在するかどうかが判断され、エラーが出力されたスロットが存在しない場合には基板処理が続行され、エラーが出力されたスロットが存在する場合には、基板処理が中断され、作業者により前記ウェーハ保持リング23の交換等のリカバリ処理が行われる。
【0053】
STEP:03 STEP:02の前記ウェーハ保持リング23の状態検知処理で異常が検知されなかった場合には基板処理が続行され、前記ウェーハ移載機17により、前記気密室8の雰囲気と連通した状態の前記カセット3内からウェーハ2を取出す。取出されたウェーハ2は、前記基板位置合せ装置16によって任意の位置にノッチ又はオリエンテーションフラットが定まる様に位置合せが行われ、位置合せ後、前記ボート7へと搬送される。
【0054】
STEP:04 該ボート7へとウェーハ2が移載されると、前記基板状態検知プログラム54が起動され、図11のフローチャートに示される、前記ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の状態検知処理(STEP21〜STEP32)が行われる。
【0055】
STEP:21 ウェーハ2の状態検知処理が開始されると、前記基板状態検知プログラム54を実行する演算制御部45の指示に基づき、前記搬送制御部49が前記駆動部48を介して前記ウェーハ移
載機17を駆動させ前記フォトセンサ43a,43bにより前記ウェーハ保持リング23、及び該ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の光量の波形データが取得され、前記ウェーハ保持リング23がそれぞれ装着されている各スロットに関連付けられて前記データ格納領域51に格納される。
【0056】
STEP:22 前記波形データの取得後、該波形データより光量が減少し始める点の光量であるウェーハ下検出値が取得され、前記判定部47によりウェーハ下検出値と第2マスターデータとが比較され、ウェーハ下検出値と前記ウェーハ下基準値61が同等又は前記ウェーハズレ許容範囲63の範囲内であるかが判定される。
【0057】
STEP:23 前記ウェーハ保持リング23に異常がある場合には、STEP:22にてウェーハ下検出値が前記ウェーハズレ許容範囲63の範囲外であると判定され、検知が行われたスロットについてエラーが出力される。
【0058】
STEP:24 STEP:22にてウェーハ下検出値が前記ウェーハ下基準値61と同等又は前記ウェーハズレ許容範囲63の範囲内であると判定された後、又はSTEP:23にてエラーが出力された後、ウェーハ有無情報に基づき前記ウェーハ保持リング23上にウェーハ2が載置されたスロットかどうかが判断される。
【0059】
STEP:25 STEP:24にて前記ウェーハ保持リング23上にウェーハ2が載置されていないスロットであると判断されると、前記ウェーハ保持リング23の波形データより光量が回復した点の光量であるリング上検出値が取得され、前記判定部47によりリング上検出値と第2マスターデータとが比較され、リング上検出値と前記リング上基準値57が同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であるかが判定される。
【0060】
STEP:26 前記ウェーハ保持リング23に異常がある、或はウェーハ2が載置されている場合には、STEP:25にてリング上検出値が前記リングズレ許容範囲58の範囲外であると判定され、状態検知が行われたスロットについてエラーが出力される。
【0061】
STEP:27 STEP:24にて前記ウェーハ保持リング23上にウェーハ2が載置されたスロットであると判断されると、前記ウェーハ保持リング23及び該ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2の波形データより光量が回復した点の光量であるウェーハ上検出値が取得される。前記判定部47によりウェーハ上検出値と第2マスターデータとが比較され、ウェーハ上検出値が前記リング上基準値57と同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であるかが判定される。
【0062】
STEP:28 前記ウェーハ保持リング23上にウェーハ2が載置されていない場合には、STEP:27にてウェーハ上検出値が前記リング上基準値57と同等又は前記リングズレ許容範囲58の範囲内であると判定され、状態検知が行われたスロットについてエラーが出力される。
【0063】
STEP:29 STEP:27にてウェーハ上検出値が前記リングズレ許容範囲58外であると判定された後、又はSTEP:28でエラーが出力された後、前記判定部47によりウェーハ上検出値と第2マスターデータとが比較され、ウェーハ上検出値が前記ウェーハ上基準値62と同等又は前記ウェーハズレ許容範囲63の範囲内であるかが判定される。
【0064】
STEP:30 前記ウェーハ保持リング23からウェーハ2が落下している、ウェーハ2に割れが生じている等ウェーハ2に異常がある場合には、STEP:29にてウェーハ上検出値が前記ウェーハズレ許容範囲63の範囲外であると判定され、状態検知が行われたスロットについてエラーが出力される。
【0065】
STEP:31 STEP:25にてリング上検出値が前記リング上基準値57の範囲内であると判定された後、又はSTEP:26でエラーが出力された後、又はSTEP:29にてウェーハ上検出値が前記ウェーハズレ許容範囲63内であると判定された後、又はSTEP:30でエラーが出力された後、全スロットについてウェーハ2の状態検知が行われたかどうかが判断され、全スロットで状態検知が行われていない場合には、次のスロットに装着された前記ウェーハ保持リング23上に載置されたウェーハ2について、STEP:22〜STEP:30の処理が行われる。
【0066】
STEP:32 STEP:31にて全スロットについて前記ウェーハ保持リング23の状態検知が行われたと判断されると、エラーが出力されたスロットが存在するかどうかが判断され、エラーが出力されたスロットが存在しない場合には基板処理が続行され、エラーが出力されたスロットが存在する場合には、基板処理が中断され、作業者により前記ウェーハ保持リング23の交換、ウェーハ2の取出し等のリカバリ処理が行われる。
【0067】
STEP:05 STEP:04のウェーハ2の状態検知処理で異常が検知されなかった場合には基板処理が続行される。次に、前記処理炉18の前記炉口ゲートバルブ19を開放し、ウェーハ2が移載された前記ボート7を前記ボートエレベータ21により前記処理炉18内にローディングした後、前記処理炉18にてウェーハ2に所定の処理が実施される。
【0068】
STEP:06 前記処理炉18内でウェーハ2に所定の処理が実施された後、前記処理炉18内から前記ボート7がアンローディングされ、所定の温度まで冷却される。そして、前記基板状態検知プログラム54が起動されることでウェーハ2に対して再度状態検知処理、即ち図11のSTEP:21〜STEP:32の処理が行われる。
【0069】
STEP:07 STEP:06のウェーハ2の状態検知処理で異常が検知されなかった場合には基板処理が続行され、前記ボート7から前記ウェーハ移載機17によりウェーハ2が回収され、回収されたウェーハ2が前記カセット3内に搬送される。
【0070】
STEP:08 ウェーハ2が回収された後、前記保持部材状態検知プログラム53が再度起動され、前記ボート7に装着された前記ウェーハ保持リング23に対して再度状態検知処理、即ち図10のSTEP:11〜STEP:17の処理が行われる。
【0071】
STEP:09 STEP:08の前記ウェーハ保持リング23の状態検知処理で異常が検知されなかった場合には基板処理が続行され、前記カセット搬送機14により前記カセット載置ステージ9,11から前記I/Oステージ5を介して前記筐体4の外部へと払出され、基板処理が終了する。
【0072】
尚、本実施例1に於いては、前記ウェーハ保持リング23の状態検知処理、ウェーハ2の状態検知処理にて異常が検知された際に、基板処理を中断する様にしているが、例えば異常が検知されなかった前記ウェーハ保持リング23に対してのみウェーハ2を移載し、又回収してもよいし、異常が検知されなかったウェーハ2のみを前記ボート7から前記カセット3に回収する様にしてもよい。
【0073】
本発明の第一の実施形態(実施例1)において、以下の効果を奏する。
【0074】
本発明の第一の実施形態では、ボート7に装着された前記ウェーハ保持リング23にウェーハ2が載置される際、前記ウェーハ保持リング23の状態検知と前記ウェーハ保持リング23に載置されたウェーハ2の状態検知を両立させることができるので、前記ウェーハ保持リング23に起因する異常の発生と前記ウェーハ2に起因する異常の発生の両方を事前に検知することができる。
【0075】
又、本発明の第一の実施形態では、判定部47に前記ウェーハ保持リング23の検出値と、正常な該ウェーハ保持リング23の基準値等を含む第1マスターデータを比較させ、判定させることで前記ウェーハ保持リング23の状態検知を行い、該ウェーハ保持リング23に異常があれば処理を中断する様にしているので、異常が検知された該ウェーハ保持リング23に前記ウェーハ移載機17のツイーザ37a〜37eが衝突することによるパーティクルの発生、前記ボート7の転倒等を防止することができる。
【0076】
又、本発明の第一の実施形態では、前記ウェーハ保持リング23の状態検知データを蓄積することで、基板処理後や処理回数による前記ウェーハ保持リング23の変形の解析に利用することができ、該解析結果に基づき前記ウェーハ保持リング23の交換等のメンテナンスの周期の基準値を決定することができる。更に、メンテナンスを行う為の基準値を決定し、前記ウェーハ保持リングの状態検知処理で前記基準値を超える異常が検知された場合に、作業者に対してアラームにて通知する様にすることで、無駄なくメンテナンスを行うことができ、作業性を向上させることができる。
【0077】
又、本発明の第一の実施形態では、判定部47にウェーハ2の検出値と、正常なウェーハ2や前記ウェーハ保持リング23の基準値等を含む第2マスターデータを比較させ、判定させる様にしているので、ウェーハ2が前記ウェーハ保持リング23上に載置されている場合であっても、ウェーハ2の状態検知を行うことができる。
【0078】
又、本発明の第一の実施形態では、ウェーハ2に割れや変形等の異常があれば処理を中断する様にしているので、割れ、変形をしたウェーハ2と前記ツイーザ37a〜37eが衝突することによる前記ボート7の転倒等を防止することができる。
【0079】
更に、本発明の第一の実施形態では、前記ウェーハ保持リング23の状態検知と同様の構成でウェーハ2の状態を検知できるので、ウェーハ2の状態検知の為に別途機構を追加する必要がなく、コストの低減を図ることができる。
【0080】
(実施例2)
次に、本発明の第二の実施形態(実施例2)について、図12及び図13を用いて説明する。尚、本実施例(実施例2)では、以下、実施例1と同じ構成である基板処理装置1と制御装置44、実施例1と同じフローである図9及び図10に示される状態検知を説明するフローチャート等について、同じ符号を用いて使用する場合があり、また、説明を省略する場合がある。
【0081】
先ず、図12を用いてボート7の各スロットにおける変形率の違いについて説明する。
【0082】
保持部材としてのウェーハ保持リング23の変形検知や前記ウェーハ保持リング23上のウェーハ2の割れ検知はマスターデータと実測した検知データとの差を算出し、そして、算出された結果を検知許容値(実施例1では、リングズレ許容範囲58、ウェーハズレ許容範囲にそれぞれ該当)を使用して判断している。前記ウェーハ保持リング23の変形検知や前記ウェーハ保持リング23上のウェーハ2の割れ検知において、ボート7の中心部と頂上部(トップ)及び下端部(ボトム)等で変形量の差異が発生し、パラメータ(マスターデータ)として保持している1つの許容値(リングズレ許容範囲58、ウェーハズレ許容範囲63)に固定されている場合には判断できないケース発生した。このような状況からリングボート23の変形検知やリングボート23上のウェーハ2の割れ検知において、ボート7のスロット(若しくは、スロット毎に装着されたリングボート23)毎に判断する仕組みが必要になった。
【0083】
まず、前記ウェーハ保持リング23の変形検知に関して説明する。前記ウェーハ保持リング23の変形検知の場合、現状は実測した検知データがマスターデータから検知許容値範囲(リングズレ許容範囲58)内かどうかで変形異常を検知していたが、検知許容値が1つであった為、スロット毎に装着されたウェーハ保持リング23の変形量に差異がある場合、正確にウェーハ保持リング23の変形異常が検知できない場合があった。
【0084】
図13は、ボート7の全スロットに対して設定される検知許容値設定パターンを使用した、前記ウェーハ保持リング23の変形検知及び前記ウェーハ保持リング23上のウェーハ2の割れ検知をする際に検知許容値を設定する図である。図示されていないが、予め記憶部46(データ格納領域51)内に、各検知許容値設定パターンと、及び各検知許容値パターンが格納されている。
【0085】
本実施の形態においては、ボート7の全スロットに対して、リング検知許容値設定パターンを用意し、リング検知許容値パターンNoを設定可能とし、該パターンNoに0が設定されている場合は既存の検知許容値を使用し、0以外が設定されている場合は、該当するリング検知許容値パターンに設定されている許容値を使用する方式とした。これにより、スロット毎に検知許容値を設定でき、且つリング検知許容値パターンの許容値を変更することによって、同じパターンが設定されているスロット全てに許容値を設定することが可能である。尚、ウェーハ保持リング23の変形検知処理については、実施例1と同様に図9に示すフローチャートが実行される。従い、実施例1と同じ処理であるため、ここでは詳細説明を省略する。
【0086】
次に、本実施の形態においては、ウェーハ保持リング23上のウェーハ2割れ検知の場合も、同様に、全スロットに対してウェーハ割れ検知許容値設定パターンを用意し、ウェーハ割れ検知許容値パターンNoを設定可能とし、パターンNoに0が設定されている場合は既存の検知許容値を使用し、0以外が設定されている場合は、該当するウェーハ割れ検知許容値パターンに設定されている許容値を使用する。これにより、スロット毎に検知許容値を設定でき、且つウェーハ割れ検知許容値パターンの許容値を変更することによって、同じパターンが設定されているスロット全てに許容値を設定することが可能である。尚、ウェーハ保持リング23上のウェーハ2の割れ検知処理については、実施例1と同様に図10に示すフローチャートが実行される。従い、実施例1と同じ処理であるため、ここでは詳細説明を省略する。
【0087】
本実施の形態における各検知許容値パターン(リング割れ検知許容値パターン、ウェーハ割れ検知許容値パターン)を使用した方式は、前記ウェーハ保持リング23の変形検知の微上・微下、前記ウェーハ保持リング23上のウェーハ2の割れ検知の微上・微下に関してそれぞれ許容値設定パターンと許容値パターンを持つことで設定が可能である。
【0088】
本発明の第二の実施形態(実施例2)においては、上述した第一の実施形態における効果を奏するのに加え、以下の効果を奏する。
【0089】
リング変形検知、ウェーハ割れ検知処理において、スロットの位置に関わらずボート7の全てのスロットに検知許容値を設定可能となることで、各スロットにおいて変形量が異なる場合での検知が行える。
【0090】
ボート7のリング変形検知及びウェーハ割れ検知が行えるので、各スロットでの変形量の違いによる誤検知がなくなるので、不必要なエラーが発生すること無く、無駄に基板処理を停止させることがなくなる。
【0091】
(実施例3)
次に、本発明の第三の実施形態(実施例3)について、図14を用いて説明する。尚、本実施例(実施例3)では、以下、実施例1と同じ構成である基板処理装置1と制御装置44、実施例1と同じフローである図9及び図10に示される状態検知を説明するフローチャート等について、同じ符号を用いて使用する場合があり、また、説明を省略する場合がある。
【0092】
次に、図14を用いてウェーハ種別による変形率の差を考慮した厚み基準値パターンについて説明する。ウェーハ保持リング23上のウェーハ2割れ検知に関しては、ウェーハ2の種類によって厚みが異なることで、判定に差異が出てくる場合がある為、ウェーハ種別毎に厚み基準値パターンの基準値を設定可能と指定した。つまり、検知データが、マスターデータ+ウェーハ種別毎の厚み基準値+スロット毎の検知許容値とマスターデータ+ウェーハ種別毎の厚み基準値−スロット毎の検知許容値の範囲内かどうかで判定される。ウェーハ2の割れ検知処理については、実施例1と同様に図10に示すフローチャートが実行される。尚、実施例1との違いは、図10の許容範囲が上記計算式に入れ替わっただけで、後の処理は実施例1と同じ処理であるため、ここでは詳細説明を省略する。
【0093】
これによって、前記ウェーハ保持リング23上のウェーハ2割れ検知の判定時に、該当するスロットのウェーハ種別を判断し、この厚み基準値を加算することで、ウェーハ種別の違いによる検知誤差を無くすことが可能となった。この方式はリングボートを使用しない従来のウェーハ割れ検知におけるスロット毎のウェーハ変形検知判定においても使用可能である。
【0094】
本発明の第三の実施形態(実施例3)においては、上述した第一の実施形態(実施例1)及び第二の実施形態(実施例2)における効果を奏するのに加え、以下の効果を奏する。
【0095】
ウェーハ割れ検知の場合、ウェーハ種別における厚み基準値を加算することでウェーハ種別の違いによる検知誤差を無くすことができる。
【0096】
この方式はリングボートを使用しない従来のウェーハ割れ検知におけるスロット毎のウェーハ変形検知判定においても使用可能であり、特別な構成を用いる必要も無いため、改造コストが低く抑えられる。
【0097】
尚、本発明の実施形態に於ける前記基板処理装置1は、半導体製造装置だけではなく、LCD装置の様なガラス基板を処理する装置でも適用可能であり、又露光装置、リソグラフィ装置、塗布装置、プラズマを利用した処理装置等の各種装置にも適用可能であるのは言う迄もない。
【0098】
更に、成膜処理には、CVD、PVD、ALDや酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理でも実施可能である。
【0099】
(付記)
又、本発明は以下の実施の態様を含む。
【0100】
(付記1)本発明の一実施態様によれば、基板を載置する保持部材と、前記保持部材を装着して基板を保持する基板保持具と、複数枚又は一枚の基板を搬送する様に構成された基板搬送部と、前記基板保持具に装着された前記保持部材の状態を検知する検知部と、前記検知部により取得された前記保持部材の状態を示すデータと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となるマスターデータとを比較して前記保持部材自体の状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて前記基板搬送部を制御する搬送制御部とを具備する基板処理装置が提供される。
【0101】
(付記2)本発明の他の態様によれば、保持部材の状態を検知する検知部に波形データを取得させ、判定部に前記波形データより前記保持部材の下端と上端を示すデータを取得させると共に、取得した各波形データと予め正常な状態の前記保持部材を検知して取得した基準となるマスターデータとを比較させることで前記保持部材の状態を判定させ、判定により異常が検知された際に処理を中断させる基板処理装置の保持部材状態検知プログラムが提供される。
【0102】
(付記3)本発明の更に他の態様によれば、基板を載置する保持部材と、前記保持部材を装着して基板を保持する基板保持具と、前記基板保持具に装着された前記保持部材と前記保持部材に載置された基板の状態を検知する検知部と、前記検知部により取得された検知データと予め正常な状態の前記保持部材及び該保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータとを比較して基板の状態を判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて前記基板保持具への基板の移載を行う基板搬送部とを具備する基板処理装置が提供される。
【0103】
(付記4)更に前記基板保持具は、前記保持部材を装着する装着部が所定数設けられ、前記判定部による比較が前記装着部の数だけ繰返し行われる付記1又は付記3の基板処理装置が提供される。
【0104】
(付記5)前記判定部の判定結果が異常なしであれば、前記保持部材に対して基板の搬送が繰返し行われる付記4の基板処理装置が提供される。
【0105】
(付記6)前記判定部の判定結果が異常有りであれば、前記装着部で発生した異常を解除する処理が終了する迄前記基板搬送部が待機する様に構成された付記4の基板処理装置が提供される。
【0106】
(付記7)本発明の更に他の態様によれば、保持部材及び該保持部材に載置された基板の状態を検知する検知部に波形データを取得させ、判定部に前記波形データにより前記保持部材の下端と基板の上端を示すデータを取得させると共に、取得したデータと予め正常な状態の前記保持部材及び該保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータとを比較させることで前記保持部材及び基板の状態を判定させ、判定により異常が検知された際に処理を中断させる基板処理装置の基板状態検知プログラムが提供される。
【0107】
(付記8)本発明の更に他の態様によれば、保持部材が装着された基板保持具に対して基板を移載する移載工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法であって、前記保持部材に基板が載置された状態での前記保持部材の下端と基板の上端を示すデータを検知手段に取得させるデータ取得工程と、前記データ取得工程で取得されたデータと予め正常な状態の前記保持部材及び該保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータとを判定部に比較させることで前記保持部材及び基板の状態を判定させる判定工程とを有し、前記判定工程で異常が検知された際に処理を中断する基板移載方法が提供される。
【0108】
(付記9)本発明の更に他の態様によれば、保持部材が装着された基板保持具に対して基板を移載する移載工程を少なくとも有する半導体装置の製造方法であって、前記保持部材に基板が載置された状態での前記保持部材の下端と基板の上端を示すデータを検知部に取得させるデータ取得工程と、前記データ取得工程で取得されたデータと予め正常な状態の前記保持部材及び該保持部材に載置された基板を検知して取得した基準となる第2マスターデータとを判定手段に比較させることで前記保持部材及び基板の状態を判定させる判定工程とを有し、前記判定工程で異常が検知された際に処理を中断する半導体装置の製造方法。
(付記10)更に、少なくとも前記保持部材の位置の基準となるデータを有する第1マスターデータ及び少なくとも前記基板保持部材に載置された基板の位置の基準となるデータを有する第2マスターデータを格納する記憶部を備えた付記1の基板処理装置が提供される。
(付記11)前記記憶部は、基板保持具の全スロットに対して設定される検知許容値を微調整するための検知許容値設定パターン及び前記検知許容値を設定するための検知許容値パターンを格納する付記10の基板処理装置が提供される。
(付記12)前記記憶部は、基板の種別に応じて検知許容値を変更するための基準値パターンを格納する付記10または付記11の基板処理装置が提供される。
【符号の説明】
【0109】
1 基板処理装置
2 ウェーハ
7 ボート
17 ウェーハ移載機
18 処理炉
41 検知部
43 フォトセンサ
44 制御装置
46 記憶部
47 判定部
49 搬送制御部
53 保持部材状態検知プログラム
54 基板状態検知プログラム
56 リング下基準値
57 リング上基準値
58 リングズレ許容範囲
61 ウェーハ下基準値
62 ウェーハ上基準値
63 ウェーハズレ許容範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14