(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185729
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ビルトインコンロのガス配管接続構造
(51)【国際特許分類】
A47B 77/08 20060101AFI20170814BHJP
F24C 3/00 20060101ALI20170814BHJP
F24C 15/08 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
A47B77/08 A
F24C3/00 N
F24C15/08 G
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-51127(P2013-51127)
(22)【出願日】2013年3月14日
(65)【公開番号】特開2014-176437(P2014-176437A)
(43)【公開日】2014年9月25日
【審査請求日】2015年7月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000221834
【氏名又は名称】東邦瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107490
【弁理士】
【氏名又は名称】杉原 鉄郎
(72)【発明者】
【氏名】堅田 兼史
(72)【発明者】
【氏名】広瀬 実
(72)【発明者】
【氏名】秋山 順一
(72)【発明者】
【氏名】松本 俊一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雅之
(72)【発明者】
【氏名】小森 浩治
(72)【発明者】
【氏名】石木 達也
(72)【発明者】
【氏名】木村 充志
(72)【発明者】
【氏名】塚本 保夫
(72)【発明者】
【氏名】片桐 滋
(72)【発明者】
【氏名】長坂 洋子
【審査官】
大谷 純
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−279047(JP,A)
【文献】
実開昭50−152953(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 77/08
F24C 3/00
F24C 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムキッチンキャビネットにビルトインされるビルトインコンロのガス管接続構造(20)であって、
キャビネット背面パネル(7a)と壁面との間に形成されるキャビネット背面空間を立ち上がり配管されるガス供給管(3)と、
筐体背面下端部の切欠部分(21a)にガス接続口(22)を備えたビルトインコンロ(21)と、
ガス接続口(22)に接続されるガス栓(24)と、
キャビネット上面パネル(7e)に開口部(23)と、を備えて成り、
ガス供給管(3)は、背面パネル(7a)を貫通してガス栓(24)に接続し、かつ、
該開口部(23)からガス栓(24)の開閉操作を可能に構成した、
ことを特徴とするビルトインコンロのガス配管接続構造。
【請求項2】
請求項1に記載のガス配管接続構造を可能に構成したことを特徴とするビルトインコンロ。
【請求項3】
請求項1に記載のガス配管接続構造を可能に構成したことを特徴とするシステムキッチンキャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシステムキッチンキャビネットにビルトインされるガスコンロ(ビルトインコンロ)のガス配管接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、
図8に示すように、システムキッチンのキャビネット102にビルトインされるビルトインコンロ101のガス接続については、使用者によるガス栓の開閉操作を可能とするため、ガス栓103、配管104を収納庫内に露出状態で配管することが一般的である。このため、キャビネット引出し又は押入れの際に収納物が配管部に当たり、衝撃等による配管接続部損傷のおそれがあった。
さらに、配管接続部スペースの分、実質的に収納容積が小さくなり、他競合エネルギー機器と比較して不利になるという問題もある。
【0003】
なお、ビルトインコンロのガス接続口を筐体前面のパネル下部に配置し、キャビネット収納庫内にガス栓を配設することなく、パネル前面から開閉操作可能とする構造のビルトインコンロ及びガス配管接続構造が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−298224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、既存のビルトインコンロをそのまま利用可能、又は、機器内部の部品・配管等の配置関係を大幅に変更することなく、かつ、収納庫引き出し又は押入れ時におけるガス栓又は配管部への接触による損傷を生じることのないビルトインコンロのガス配管接続構造を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は以下の内容を要旨とする。すなわち、本発明に係るビルトインコンロのガス配管接続構造は、
(1)システムキッチンキャビネットにビルトインされるガスコンロのガス配管接続構造(1)であって、
キャビネット背面パネル(7a)と壁面との間に形成されるキャビネット背面空間を立ち上がり配管されるガス供給管(3)と、
ガス供給管(3)の端部に接続されるガス栓(2)と、
背面パネル(7a)を貫通して、ガス栓(2)と、ビルトインコンロ(6)の筐体背面に突出して設けられるガス接続口(6a)と、を接続する機器接続管(4)と、を備えて成り、
ガス栓(2)は、背面パネル(7a)に設けた開口部(7b)に配置され、かつ、背面パネル前面側から開閉操作を可能に構成した、ことを特徴とする。
【0007】
(2)システムキッチンキャビネットにビルトインされるビルトインコンロのガス管接続構造(20)であって、
キャビネット背面パネル(7a)と壁面との間に形成されるキャビネット背面空間を立ち上がり配管されるガス供給管(3)と、
筐体背面下端部の切欠部分(21a)にガス接続口(22)を備えたビルトインコンロ(21)と、
ガス接続口(22)に接続されるガス栓(24)と、
キャビネット上面パネル(7e)に開口部(23)と、を備えて成り、
ガス供給管(3)は、背面パネル(7a)を貫通してガス栓(24)に接続し、かつ、
該開口部(23)からガス栓(24)の開閉操作を可能に構成した、ことを特徴とする。
【0008】
(3)また、本発明に係るビルトインコンロは、上記(1)又は(2)に記載のガス配管接続構造を可能に構成したことを特徴とする。
【0009】
(4)また、本発明に係るシステムキッチンキャビネットは、上記(1)又は(2)に記載のガス配管接続構造を可能に構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、キャビネット収納庫内にガス栓及び接続配管がないため、収納庫引き出し又は押入れ時における、ガス栓又は配管部への接触による損傷リスクをなくし、かつ、収納庫の実質収納容積を大きくすることができるという効果がある。
【0011】
また、ビルトインコンロの筐体背面側のガス接続口に接続する発明にあっては、既存のビルトインコンロをそのまま用いて、これまで通りのガス栓開閉操作が可能という効果がある。
【0012】
また、筐体背面下端部の切欠部分にガス接続口を備えたビルトインコンロを用いる発明にあっては、筐体全体に対する切欠き部分の容積を最小限に抑えることができるため、機器内部の部品・配管等の配置関係の変更を最小限に抑えることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1(a)】第一の実施形態に係るビルトインコンロのガス配管接続構造1の全体構成(側断面)を示す図である。
【
図2】ビルトインコンロ6のガス接続口6a,6bの配置関係を示す図である。
【
図3】ガス供給管3(フレキ管)の詳細構成を示す図である。
【
図4】ガス栓2(UIガス栓)の詳細構成を示す図である。
【
図5(a)】第一の実施形態におけるビルトインコンロ6のガス配管接続方法を示す図である。
【
図6】第二の実施形態に係るビルトインコンロのガス配管接続構造20の全体構成(側断面)を示す図である。
【
図7】ビルトインコンロ21のガス接続口22部分の構成を示す図である。
【
図8】従来のビルトインコンロのガス配管接続構造100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係るビルトインコンロガス配管接続構造の実施形態について、
図1(a)乃至
図7を参照してさらに詳細に説明する。なお、本発明の範囲は特許請求の範囲記載のものであって、以下の実施形態に限定されないことはいうまでもない。
【0015】
<第一の実施形態>
図1を参照して、本実施形態に係るビルトインコンロのガス配管接続構造1は、システムキッチン用キャビネットに設置されるビルトインコンロのガス栓(開閉栓)を、安全かつキャビネット収納容積拡大可能な位置に取り付けるためのガス管接続構造である。
ガス配管接続構造1は、ガス供給管3、ガス栓(UI型ガス栓)2、機器接続管4、ビルトインコンロ6が備える接続口6aを主要構成とし、上流側からこの順に配管接続される。
【0016】
図2を参照して、ビルトインコンロ6は、機器下面に配設される下面側接続口6b、及び、機器背面に突出して配設され、ビルトインオーブン設置の場合にオーブン経由の連絡管への接続に用いられる背面側接続口6a、の2つのガス接続口を備えている。本実施形態では、オーブン設置の有無に関わらず背面側接続口6aを用いることになる。
【0017】
図3を参照して、ガス供給管3はステンレスフレキシブル管(以下、フレキ管と略記)により構成され、コルゲート管部3cの一端側には雄ねじ3aが設けられ、他端側には自在継手3bが設けられている。自在継手3b側は不図示のガスメータに接続され、雄ねじ3a側はガス栓2に接続される。
なお詳細図示を省略するが、機器接続管4もガス供給管3と同一構造のフレキ管により構成されている。
【0018】
図4を参照して、ガス栓2は、上流側端部には雌ねじ2aが切られており、下流側端部には自在継手2bが取り付けられている。中央部にはガス閉止操作を可能とする操作つまみ2cが設けられている。
【0019】
ガス配管接続構造1は以上のように構成され、次に
図5(a)、5(b)を参照して、本実施形態におけるビルトインコンロのガス配管接続方法について説明する。
施工に先立って予めガス供給管3をガスメータ(図示せず)から床下空間8aを横引き配管し、キッチン床面8に設けた貫通口8bを通して、キャビネット7の背面パネル7aとキッチン壁面9の間に形成される背面空間9aを立ち上げて配管しておく。また、キャビネット7の背面パネル7aのガス栓2取付予定位置に、開閉操作用の開口部7bを設けておく(
図5(a)(ア)参照)。
【0020】
まず、ガス供給管3の雄ねじ側端部3aと、ガス栓2の自在継手側端部2bとを螺合接続する(
図5(a)(イ))。
次に、ガス栓2の雌ねじ側端部2aと、機器接続管4の雄ねじ側端部4aと、を接続する(
図5(b)参照)。
さらに、ビルトインコンロ6の背面側接続口6aと、機器接続管4の自在継手側端部4bとを、自在継手により螺合接続することにより配管接続を完了する(
図5(ウ)参照)。
【0021】
接続完了後に、ビルトインコンロ6をトッププレート7cの機器用開口7d上部から差し込み、機器上端部6cをトッププレート7cに担持させた状態で固定する(
図1参照)。
最後に、ガス栓2の操作つまみ2cを背面パネル7aの開口部中央に位置するように合わせ、
図5(b)に示すように固定枠10にガス栓2を固定し、はさみプレート(図示せず)を用いて背面パネル7aに固定して、施工完了となる。
【0022】
<第二の実施形態>
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態は、キャビネット上面パネルに設けた開口部からガス栓を閉止操作可能とする形態に係る。
【0023】
本実施形態に係るビルトインコンロのガス配管接続構造20が、上述のガス配管接続構造1と異なる点は以下の通りである。
図6を参照して、本実施形態に係るビルトインコンロ21は、筐体側面下端部に切欠部21aが設けられており、この部分に機外に突出する接続口22が設けられていることである。
【0024】
次に、
図7を参照して、ガス栓24が機器接続管を介することなく、直接、ガス接続口22に接続されていることである。さらに、キャビネット7の上面側パネル7eには、ガス栓24取り付け位置の直下に該当する開口部23が設けられており、ここからガス栓24の開閉操作を可能に構成されていることである。その他の構成については第一の実施形態と同様であるので、重複説明を省略する。
また、ビルトインコンロ21のガス接続方法についても、ガス栓24を機器接続管を介することなく、直接、ガス接続口22に接続する点を除き、第一の実施形態における接続方法と同様であるので、重複説明を省略する。
【0025】
以上説明したように、本実施形態では機器接続管4を必要とせず、また、ガス栓24が機器に直接接続されるため、上述の実施形態のような固定作業も不要であり、作業時間の短縮、部品・施工コストの低減が可能となる。
【符号の説明】
【0026】
1、20・・・・・ガス配管接続構造
2、24・・・・・ガス栓
3・・・・・ガス供給管
4・・・・・機器接続管
6、21・・・・・ビルトインコンロ
6a、22・・・・・ガス接続口
7・・・・・システムキッチン用キャビネット