【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の要旨構成は、次の通りである。
【0008】
本発明による配管装置は、
水の流出入を制御する配管装置であって、
配管装置の軸線方向に沿って配列された第1弁箱部と第2弁箱部とが一体的に構成されてなり、断面円環状の内周面を有する、弁箱と、
前記弁箱内に収容され、該弁箱に対して配管装置の軸線の周りに回転可能に支持されるとともに、前記軸線方向に沿って配列された第1水室と第2水室とを有し、断面円環状の外周面を有する、弁体と、
を備え、
前記第1弁箱部は、水が流入する第1流入口と、水が流出する第1流出口とを有するとともに、前記第1水室の、配管装置の径方向外側に配置され、
前記第2弁箱部は、水が流入する第2流入口と、水が流出する第2流出口とを有し、前記第2水室の、配管装置の径方向外側に配置され、
前記弁体は、
前記第1流入口又は前記第1流出口と重なり合うことによって前記第1水室と配管装置の外部との間の水流を許容する第1開口と、前記第2流入口又は前記第2流出口と重なり合うことによって前記第2水室と配管装置の外部との間の水流を許容する第2開口とを有し、
前記第2水室から前記第1水室への水流が、常に禁止されるように構成されている。
この発明によれば、例えば、第1流入口及び第2流出口がそれぞれ上水道配水管への接続口及び需要先への接続口に接続され、複数の第1流出口及び第2流入口が複数のポンプの各吸込口及び各吐出口にそれぞれ接続される場合に、各ポンプへの水流を、1つの弁体の回転によって制御することができる。これにより、配管装置の小型化と操作性の向上とが可能になる。また、上記の場合に、少なくとも水圧が十分でないときに水をポンプに送って昇圧させることができるとともに、需要先の水が上水道配水管に逆流するのを防止することができる。
なお、本発明において「断面円環状」とは、配管装置の軸線に対して垂直な方向の断面において円環状であることを意味する。また、「接続」とは、複数の流路どうしが直接接続される場合に限られず、複数の流路どうしが連通管等の部品を介して接続される場合も含む。
【0009】
この発明の配管装置において、
前記弁体は、
前記第1水室と前記第2水室とを接続するバイパス管と、
前記バイパス管内に設けられ、前記第1水室から前記第2水室への水流のみを許容する逆止弁と、
をさらに備えてもよい。
この構成によれば、例えば、第1流入口及び第2流出口がそれぞれ上水道配水管への接続口及び需要先への接続口に接続され、第1流出口及び第2流入口がポンプの吸込口及び吐出口にそれぞれ接続される場合に、ポンプへの流路を遮断するときに、上水道配水管から流れる水のすべてをバイパス管を介して需要先に送ることができるとともに、このときに需要先の水が上水道配水管に逆流するのを防止することができる。また、バイパス管及び逆止弁が弁体内に設けられるので、配管装置が大型化することはない。
【0010】
この発明の配管装置において、
前記弁体は、前記第1水室と前記第2水室との間の水流を禁止するように構成された隔壁をさらに備えてもよい。
この構成によれば、例えば、第1流入口及び第2流出口がそれぞれ受水槽への接続口及び需要先への接続口に接続され、第1流出口及び第2流入口がポンプの吸込口及び吐出口にそれぞれ接続される場合に、受水槽から流れる水のすべてをポンプに送って昇圧させてから需要先に送ることができる。
【0011】
この発明の配管装置において、
前記弁箱は、
前記第1流入口又は第1流出口に接続された第1連通管と、
前記第2流入口又は第2流出口に接続された第2連通管と、
前記第1連通管と前記第2連通管とのそれぞれに開口するバイパス管と、
前記バイパス管内に設けられ、前記第1連通管から前記第2連通管への水流のみを許容する逆止弁と、
をさらに備えてもよい。
この構成によれば、例えば、第1流入口及び第2流出口がそれぞれ上水道配水管への接続口及び需要先への接続口に接続され、第1流出口及び第2流入口がポンプの吸込口及び吐出口にそれぞれ接続される場合に、ポンプを運転させないときに、上水道配水管から流れる水のすべてをバイパス管を介して需要先に送ることができるとともに、このときに需要先の水が上水道配水管に逆流するのを防止することができる。
【0012】
この発明の配管装置において、
前記第1流入口が給水元への接続口に接続され、
複数の前記第1流出口が複数のポンプの各吸込口にそれぞれ接続され、
複数の前記第2流入口が前記複数のポンプの各吐出口にそれぞれ接続され、
前記第2流出口が需要先への接続口に接続されることが好ましい。
この構成によれば、各ポンプへの水流を、1つの弁体の回転によって制御することができるので、配管装置の小型化と操作性の向上とが可能になる。
【0013】
本発明による配管システムは、上述したような配管装置を複数備えており、
隣接する2つの前記配管装置のうちの、
一方の配管装置の複数の前記第1流出口のうち1つが、他方の配管装置の前記第1流入口と接続され、
一方の配管装置の複数の前記第2流入口のうち1つが、他方の配管装置の前記第2流出口と接続されているものである。
この構成によれば、例えば、いずれか1つの配管装置の第1流入口及び第2流出口がそれぞれ上水道配水管への接続口及び需要先への接続口に接続され、各配管装置における複数の第1流出口及び第2流入口のうち、他の配管装置と接続されていない1つ以上の第1流出口及び第2流入口が、1つ以上のポンプの各吸込口及び各吐出口にそれぞれ接続される場合に、配管システムの小型化と操作性の向上とが可能になる。
【0014】
本発明による配管システムにおいて、
前記複数の配管装置のうち少なくとも1つの配管装置の前記弁体が、
前記第1水室と前記第2水室とを接続するバイパス管と、
前記バイパス管内に設けられ、前記第1水室から前記第2水室への水流のみを許容する逆止弁と、
をさらに備えており、
他の配管装置の前記弁体が、それぞれ、前記第1水室と前記第2水室との間の水流を禁止するように構成された隔壁をさらに備えてもよい。
この構成によれば、例えば、少なくとも1つの配管装置の第1流入口及び第2流出口がそれぞれ上水道配水管への接続口及び需要先への接続口に接続され、各配管装置における複数の第1流出口及び第2流入口のうち、他の配管装置と接続されていない1つ以上の第1流出口及び第2流入口が、1つ以上のポンプの各吸込口及び各吐出口にそれぞれ接続される場合に、ポンプへの流路を遮断するときに、上水道配水管から流れる水のすべてを上記バイパス管を介して需要先に送ることができるとともに、このときに需要先の水が上水道配水管に逆流するのを防止することができる。また、バイパス管及び逆止弁が配管装置の弁体内に設けられるので、配管システムが大型化することはない。
【0015】
本発明による配管システムにおいて、
前記複数の配管装置の前記弁体が、それぞれ、前記第1水室と前記第2水室との間の水流を禁止するように構成された隔壁をさらに備えてもよい。
この構成によれば、例えば、いずれか1つの配管装置の第1流入口及び第2流出口がそれぞれ受水槽への接続口及び需要先への接続口に接続され、各配管装置における複数の第1流出口及び第2流入口のうち、他の配管装置と接続されていない1つ以上の第1流出口及び第2流入口が、それぞれ1つ以上のポンプの各吸込口及び各吐出口にそれぞれ接続される場合に、受水槽から流れる水のすべてをポンプに送って昇圧させてから需要先に送ることができる。
【0016】
本発明による配管システムは、
前記複数の配管装置のうちいずれか1つの、前記第1流入口又は第1流出口に接続された第1連通管と、
前記複数の配管装置のうちいずれか1つの、前記第2流入口又は第2流出口に接続された第2連通管と、
前記第1連通管と前記第2連通管とのそれぞれに開口するバイパス管と、
前記バイパス管内に設けられ、前記第1連通管から前記第2連通管への水流のみを許容する逆止弁と、
をさらに備えてもよい。
この構成によれば、例えば、少なくとも1つの配管装置の第1流入口及び第2流出口がそれぞれ上水道配水管への接続口及び需要先への接続口に接続され、各配管装置における複数の第1流出口及び第2流入口のうち、他の配管装置と接続されていない1つ以上の第1流出口及び第2流入口が、1つ以上のポンプの各吸込口及び各吐出口にそれぞれ接続される場合に、ポンプを運転させないときに、上水道配水管から流れる水のすべてを上記バイパス管を介して需要先に送ることができるとともに、このときに需要先の水が上水道配水管に逆流するのを防止することができる。
【0017】
本発明による配管システムにおいて、
前記複数の配管装置のうちいずれか1つの配管装置の前記第1流入口及び第2流出口が、それぞれ給水元への接続口及び需要先への接続口に接続され、
前記複数の配管装置の各々における前記複数の第1流出口及び第2流入口のうち、他の配管装置と接続されていない1つ以上の第1流出口及び第2流入口が、1つ以上のポンプの各吸込口及び各吐出口にそれぞれ接続されることが好ましい。
この構成によれば、配管システムの小型化と操作性の向上とが可能になる。
【0018】
本発明による他の配管装置は、
液体の流出入を制御する配管装置であって、
配管装置の軸線方向に沿って配列された第1弁箱部と第2弁箱部とが一体的に構成されてなり、断面円環状の内周面を有する、弁箱と、
前記弁箱内に収容され、該弁箱に対して配管装置の軸線の周りに回転可能に支持されるとともに、前記軸線方向に沿って配列された第1液体室と第2液体室とを有し、断面円環状の外周面を有する、弁体と、
を備え、
前記第1弁箱部は、複数の第1弁箱開口を有するとともに、前記第1液体室の、配管装置の径方向外側に配置され、
前記第2弁箱部は、複数の第2弁箱開口を有するとともに、前記第2液体室の、配管装置の径方向外側に配置され、
前記弁体は、
前記第1弁箱開口と重なり合うことによって前記第1液体室と配管装置の外部との間の液体の流動を許容する第1弁体開口と、前記第2弁箱開口と重なり合うことによって前記第2液体室と配管装置の外部との間の液体の流動を許容する第2弁体開口とを有し、
前記第2液体室から前記第1液体室への液体流が、常に禁止されるように構成された、仕切り部を、前記第1液体室と前記第2液体室との間に有する。
この構成によれば、配管装置の小型化と操作性の向上とが可能になる。