(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
廃棄物及び/又は生産廃棄物のような粉砕すべき材料のための粉砕装置(1)であって、当該装置が、その外周上に設けられた少なくとも1つの粉砕ロータ(100,200,400,500)を駆動する駆動装置と、前記粉砕ロータ(100,200,400,500)の軸方向に対して傾斜して延在するいくつかのナイフ列(101〜104;201〜204)の形成のために、前記粉砕ロータに固定された複数の粉砕工具(170,270)とを備えており、処理されるべき材料の破壊のために、前記粉砕工具(170,270)が少なくとも1つのカウンタナイフ装置と協働し、該カウンタナイフ装置がその形状に関して工具を備えた前記粉砕ロータの回転面に適合されている、前記粉砕装置において、
前記ナイフ列(101〜104,201〜204,401〜406)内で隣接する前記粉砕工具(170,270)が、互いに隣接して、それぞれに連結された側面(173,174,274,275)において互いに隣り合って配置されているとともに、前記ロータの外周上において互いにオフセットされており、隣接した前記粉砕工具の同様の切刃(171,271,271’;272,272’)が、ロータ軸に対して同一の距離を有しているとともに、それぞれ前記ロータ軸(A)に対して平行に延びる一平面内に位置していること、及び前記ナイフ列のうち2つが、互いに間隔をおいて前記粉砕ロータ(100;200;400;500)の外周にそれぞれ配置されているとともに、粉砕されるべき材料への軸方向の動作成分の適用の相互の相殺のために互いに逆向きに配置されていることを特徴とする粉砕装置。
前記粉砕工具(170,270)がそれぞれ連結された工具ホルダ(150,250)によって前記ロータ(100,200,400,500)に着脱自在に取り付けられており、それぞれの前記工具ホルダが、前記粉砕ロータに統合されたホルダシート(110,210)内に配置されていることを特徴とする請求項1記載の粉砕装置。
前記ホルダシートが、連結された前記工具ホルダ(150;250)のためにほぼ接線方向へ向けられた接触面(151;251)を備えており、前記工具ホルダが、接線方向において前記接触面に対して支持されていることを特徴とする請求項2又は3記載の粉砕装置。
前記ロータ(100;200)の内部で径方向に延在する複数のピン(191,291)が設けられており、該ピンが、前記ホルダシート(110;210)から連結された前記工具ホルダ(150;250)へ延びていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の粉砕装置。
前記粉砕工具(170;270)が、それぞれの工具ホルダ(150,250)を貫通して延びる固定ボルト(190,290)によって固定されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の粉砕装置。
隣接する前記ナイフ列(101〜104;201〜204;401〜406,501〜506)の前記粉砕工具(170,270)の前記工具ホルダ(150;250)が、連結された前記側面(157a,b;254,255)で互いに隣り合うように配置されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載の粉砕装置。
前記ナイフ列に平行に延びる連続した凹部が、前記ロータの回転方向(R)において前記ナイフ列(101〜104;201〜204;401〜406,501〜506)の上流においてチップポケット(130,230)を形成するために前記粉砕ロータに統合されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載の粉砕装置。
前記取り付けられた位置における前記粉砕工具(170;270)の上流での前記凹部の外周延長部が、径方向における前記粉砕工具の高さ(h)にほぼ対応していることを特徴とする請求項8記載の粉砕装置。
前記粉砕工具(170;270)が、リバーシブルプレートとして構成されているとともに、取り付けられた位置で一列のナイフ歯を備え、前記リバーシブルプレートが前記工具ホルダ(150,250)のプリズム状のシート内に配置されていることを特徴とする請求項2〜9のいずれか1項に記載の粉砕装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的とするところは、上述の従来の粉砕装置の処理量を改善をするとともに、そのメンテナンスを簡易化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、本発明により、請求項1の特徴を備えた粉砕装置のみによって、少なくとも部分的に上記目的が達成される。本発明による粉砕装置は、ナイフ列内で隣接する粉砕工具が、互いに隣接して、特にそれぞれに連結された側面において互いに隣り合って配置されているとともに、ロータの外周上において互いにオフセットされており、隣接した粉砕工具の同様の切刃が、ロータ軸に対して同一の距離を有しているとともに、それぞれロータ軸に対して平行に延びる一平面内に位置していることを特徴としている。粉砕工具が傾斜してロータに固定され、それゆえそのナイフエッジ又はナイフエッジ平面に対してロータ軸への異なる距離を有する従来技術以外にも粉砕工具の同様の切刃それぞれがロータ軸に対して同一の距離を有するよう粉砕工具が固定されているという事実により、実際に同一でありそれゆえ粉砕すべき材料の最適な粉砕のために同様に対称にデザインされたカウンタナイフ装置と同一の形態で各粉砕工具の軌跡が得られる。ロータ上における各粉砕工具の本発明による配置は、カウンタナイフ装置の切刃とロータ上のナイフ列の切刃の間の非常に小さく一定の間隙をナイフ列の軸方向延長部全体にわたって提供するものである。そして、この配置は、本発明による粉砕装置の処理量を大幅に増大させるものである。
【0006】
ナイフ列を形成する粉砕工具は、互いに隣接して、好ましくは互いに隣り合って、ロータの周方向において、すなわちロータの接線方向において、ロータの周方向における工具のあらかじめ定められた延長部によって、互いに2つの隣接する粉砕工具と重なり合って配置されている。好ましくは、接線方向における取り付けられた位置での工具の延長部はロータの周方向における隣接する粉砕工具のオフセットよりも大幅に大きいため、ロータの周方向における延長部の大部分にわたって、前記周方向において隣接する工具が互いに重なり合う。
【0007】
ロータ上の粉砕工具の配置は、好ましくは、製作公差を考慮して、便宜上隣接する粉砕工具間に隙間がない、特に隣接する粉砕工具の切刃間に隙間がないようになされている。実際、製作公差により隣接する粉砕工具間に隙間が生じた場合、並べて配置されつつロータの外周においてオフセットされた粉砕工具が連続したブレードを実質上形成するよう、この隙間が各ナイフ列の方向における工具の延長部よりもはるかに小さなものであることが好ましい。ここで、ロータの周方向において互いに隣接する粉砕工具の通常は小さなオフセットは、全ての前記粉砕工具に対する理想的な軌跡を規定する目的で受け入れられる。
【0008】
本発明の更なる有利な実施形態及び特徴は、以下の一般的かつ明確な説明及び従属請求項から明らかである。
【0009】
本発明による粉砕装置の粉砕工具は、取り付けられた位置及びナイフ列の一部として、この粉砕工具がそれぞれナイフ列の直線状の形状における一列の切刃を備えるか、又は例えばナイフ列ののこぎり状のブレードがデザインされている場合に、互いに所定の角度で延在するいくつかの切刃を備えるようにデザインされている。後者の場合、これら粉砕工具の1つのみが、取り付けられた位置において、この1つが個々に隣接又は隣り合う全ての切刃及び周方向のオフセットされた切歯が切れ目のない本質的に連続したのこ歯状のブレードを構成するよう粉砕ロータ上の連続したブレードの個々ののこ歯を提供するようデザインされることが特に設定されている。
【0010】
粉砕工具上に摩耗が生じる場合のフレキシブルなメンテナンスを提供するために、粉砕工具がそれぞれ連結された工具ホルダによってロータに着脱自在に取り付けられており、それぞれの工具ホルダが、粉砕ロータに統合されたホルダシート内に配置されている。これにより、工具ホルダによって支持された粉砕工具が、容易に交換可能であり、そのため、メンテナンス中に過度に摩耗したか、又は例えば異物によって損傷した粉砕工具のみを交換又は取り換えることが可能である。摩耗していない工具は、一列の連続したブレードを形成するために各ナイフ列に保持される。本発明によれば、このようなホルダシートはポケットの形態であり得るとともに、好ましくはこのポケットが、ロータの回転方向に力が伝達されないことによりこの方向に解放され得るようになっている。
【0011】
好ましくは、このような工具ホルダは、角のあるベース範囲、特に四角形のベース範囲となっており、連結された粉砕工具を収容するためのシートがロータの回転方向に対抗する工具ホルダの前面に設けられている。
【0012】
また、動作中に生じる力をロータへ向けるために、ホルダシートが、連結された工具ホルダのためにほぼ接線方向へ向けられた接触面を備えており、工具ホルダが、接線方向において接触面に対して支持されている。
【0013】
ロータ上のホルダシートにおける工具ホルダの支持を改善するために、又は例えば後の溶接作業のためにロータへの工具ホルダのあらかじめの取付のために、好ましくは、ロータの内部で径方向に延在する特に複数の固定ピンである要素が設けられており、該ピンが、ホルダシートから連結された工具ホルダへ延びている。
【0014】
工具ホルダは、例えば溶接又は螺着によってロータに固定され得る。
【0015】
粉砕工具と連結された工具ホルダとの間の着脱自在な結合は、特にそれぞれの工具ホルダを貫通して延びる固定ボルトによって固定された粉砕工具によって達成され得る。粉砕工具はねじ山を備えることができ、固定ボルトは、ねじ山内に螺合可能となっている。好ましくは、固定ボルトは、ロータ軸に対してほぼ接線方向に工具ホルダ及び少なくとも部分的に工具を貫通して延在可能である。
【0016】
優勢な動作力にもかかわらず工具ホルダがそのホルダシート内に強固に支持されるのを確実にするために、好ましくは、連結された側面においてナイフ列の隣接する粉砕工具の工具ホルダが互いに隣り合い、それゆえほぼ軸方向において互いに安定するものとなっている。構造は、与えられた製作公差を考慮しつつ通常隣接する工具ホルダ間に隙間が生じないようになっている。そのため、この工具ホルダは、その間で締め付けられるとともに、ロータのほぼ軸方向において、又はナイフ列の方向において隣接する工具ホルダに対して支持される。
【0017】
ロータに固定された粉砕工具が連結されたカウンタナイフ装置と一側においてはさみ状の切断の形態で協働する粉砕装置を提供するため、及び他方で動作中に粉砕されるべき材料がナイフ列の傾斜した配置の結果ロータの軸方向における動作成分を受けるのを防ぐために、複数の粉砕工具で形成されたいくつかのナイフ列が設けられており、これらナイフ列のうち2つが、互いに間隔をおいて粉砕ロータの外周にそれぞれ配置されているとともに、粉砕されるべき材料への軸方向の動作成分の適用の相互の相殺のために互いに逆向きに配置されている。
【0018】
粉砕工具の範囲におけるロータに対して、粉砕されるべき材料の増大した摩擦を避けるために、ナイフ列に平行に延びる連続した凹部が、ロータの回転方向においてナイフ列の上流においてチップポケットを形成するために粉砕ロータに統合されているのが好ましい。「連続した」という用語は、この凹部がナイフ列の軸方向延長部全体にわたって延在していることを意味している。取り付けられた位置における粉砕工具の上流でのこの凹部の外周延長部が、好ましくは径方向における粉砕工具の高さにほぼ対応している。
【0019】
粉砕工具の多様な使用を提供するために、このような工具が、連結された工具ホルダのプリズム状のシート内に配置されたリバーシブルプレートとしてデザインされている。特に、このようなリバーシブルプレートは四角形のベース範囲を備えており、そのため、工具ホルダにおけるリバーシブルプレートの向きに依存して、一列のブレードを備えた工具又は少なくとも2つの切歯を備えた切歯を示す工具が設けられている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、従来の粉砕装置の処理量を改善をするとともに、そのメンテナンスを簡易化することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明による粉砕装置1の斜視図である。機械ハウジング20上において、粉砕ロータが長手方向の両端部の範囲で支持されており、示された実施例においては、三相交流モータ40が2つの端部のそれぞれにギヤレス式にフランジ付けされている。また、パワーユニットが、ホルダ23を通って、かつ、装置の動作中に生じるリアクショントルクを受けるためのトルクサポート部を介して機械ハウジング20に結合されている。
図1の図示において、ロータの駆動のための第2の三相交流モータは見えないが、ホルダ23は見えており、このホルダを通って、第2のモータがここでもリアクショントルクを受けるトルクサポート部を介してハウジング20に結合されている。
【0024】
ロータの周囲に設けられた粉砕工具は、粉砕すべき材料の破壊のために、粉砕プロセス中にハウジングに対して静止して取り付けられたカウンタナイフ装置と協働する。このとき、図示の実施形態においては、カウンタナイフ装置は、複数のカウンタナイフを支持するトラバース60として構成されている。図において、粉砕されるべき材料は、板金ホッパ
25の開口部
24へ上側から供給され、粉砕ロータで画成された粉砕空間へ落下する。粉砕されるべき材料の粉砕空間への供給をサポートするために、モータ51によって駆動されるチェーンコンベヤの形態の搬送装置50が設けられている。
【0025】
図示の実施形態においては、粉砕装置1は、4つの脚部21によって地面上で支持されている。これら脚部の間には、落下する粉砕材料を受容し、移動させるためにコンベヤベルトが配置されている。
【0026】
図2には、本発明に基づいて構成され、四角形の平坦なナイフのリバーシブルプレート170の形態の、それぞれ相互に隣接した複数の粉砕工具によって形成された4つのナイフ列101,102,103,104を含む粉砕ロータ100の第1の実施形態が示されている。ここで、前記リバーシブルプレートは、連結された工具ホルダ150によってロータ100に個々に固定されている。各ナイフ列101〜104は、ロータ軸に対して幾分傾斜して、本実施形態においては約20°の角度をもって配向されている。それゆえ、粉砕されるべき材料は、粉砕プロセス中にロータ軸に対して平行に運動成分を負荷されている。補正のために、これらナイフ列101〜104のうち2つがそれぞれ互いに逆に配向されている。
【0027】
特にナイフ列102の図示から分かるとおり、各リバーシブルプレート170は、それぞれボルト190によって、連結された工具ホルダ150に固定されている。固定軸周りに180°リバーシブルプレートを回転させることで、第2の切刃がアクセス可能に形成される一方、使用された切刃は、工具ホルダで支持されている。
【0028】
図示の実施形態においては、全てのリバーシブルプレート170及び連結された工具ホルダ150が同様に形成されている。各リバーシブルプレート170は、その取り付けられた位置において、材料の粉砕のために、カウンタナイフ上の連結された刃と協働する露出された切刃171を示している。リバーシブルプレート170の全ての切刃は、それぞれロータ軸Aに対して平行となっている。なお、符号Rは、ロータの回転方向を表している。
【0029】
各工具ホルダ150は、その粉砕ロータへの固定のために、粉砕ロータに結合されたホルダシート110を含んでおり、この各ホルダシートは、互いにオフセット式にロータの周囲に結合されている。工具の回転方向において、及びナイフ列の軸方向延長部全体にわたって、破壊された材料を収集するために、ナイフ列に沿って及びナイフ列に平行に延在するチップポケット130を設けるための凹部がロータに加工されている。
【0030】
ロータ上における工具の配置は、個々の工具の切刃171全てがロータの軸Aに対して同じ間隔を有し、そのため、各工具が同じ軌跡を描くようになっている。ここで、この軌跡は、実際に、カウンタナイフ装置のデザインをかなり容易にするとともに、本発明による粉砕装置の特に高い処理効率を生じさせるものである。この目的のために、1つのホルダシート110が各工具ホルダのためにロータに結合されており、隣接するホルダシートがオフセット式にロータの周囲に結合されている一方、隣接する工具のみならず隣接する工具ホルダも約0.25〜1.5°となり、図示の実施形態において約0.5°である。
【0031】
粉砕工具の図示の配置が、ほぼ連続した切刃を形成するナイフ列の粉砕工具の切刃において生じる。ナイフ列は、ロータの軸Aに対して傾斜して、すなわちロータの軸Aに対する平行線に対して鋭角をなして延在している。
【0032】
図3には、
図2のナイフ列101の詳細が示されている。隣接したリバーシブルプレート170は、側方で互いに隣接するとともに互いに接触し、ロータへの軸方向において、好ましくはそれらの連結された側面173,174の主要部分にわたって、互いに対して支持されている。ホルダ150及びリバーシブルプレート170は、ロータの周囲で互いにオフセットされており、対応する切刃171は、互いに一列に揃っていない。他方、これら切刃171のそれぞれは、ロータの軸Aに対して平行に延在している(
図2参照)。3つのリバーシブルプレートの間の図示のオフセットは、図中に2dで示されている。すなわち、プレート間のオフセットはdである。
【0033】
図4には
図3に示された詳細の断面図が示されており、この断面図は、固定ボルト190のうち1つに対して平行に作成されたものであり、それゆえ、工具ホルダ150のロータ100への固定及びリバーシブルプレート170の工具ホルダ150への固定が示されている。図示の実施形態においては、固定ボルト190は、ロータに対してほぼ接線方向に延在しており、それゆえ、対応する平坦な内部の切刃171に対してほぼ垂直に延在している。ロータ100に結合されたホルダシート110はロータの回転方向において接触面111を備えており、この接触面の垂線はロータに対してほぼ接線方向へ配向されており、それゆえ、粉砕力をロータへガイドするための、ホルダ150のための接触部を備えている。
【0034】
2つのピン191は、工具ホルダ150とロータ100の間の結合の改善又はホルダのロータへの固定、ホルダ150の前側及び後側でのナイフ列101〜104全体にわたって延びる溶接継目195,196の形成のために、ロータに対してほぼ径方向へこのロータ内へ延在しているとともに、ホルダシート110から突出して対応するホルダ150における連結された穴へ延びている。
【0035】
図示のとおり、平坦なナイフのリバーシブルプレート170は、中心にねじ穴172を有しているとともに、ボルト190がこのねじ穴に螺合している。そのため、ホルダ150は、平坦なナイフ170の形状に適応したシートを備えている。
【0036】
図5a〜
図5cには、工具ホルダ150が異なる詳細な視点から示されている。平坦なナイフ170のためのシート又は収容構造は、接触面151,152によって形成されている。図示の実施形態においては、ナイフの切刃が当該接触面151の限界切刃と一列に並ぶよう、面151が平坦なナイフのリバーシブルプレート170の収容面に対して適応されている。同様に、接触面152も当該平坦なナイフのリバーシブルプレート170の前側で平坦なナイフのリバーシブルプレートのサイズに適合されている。穴156はボルト190を収容するものであり、穴158はピン191を収容するものである(
図4参照)。
図5cには、穴156の中央を通る工具ホルダの断面図が示されている。粉砕されるべき材料がホルダとカウンタナイフの間でつまるのを防止するために、工具ホルダ150上の工具のシートから傾斜面155が設けられている。
図3、
図5a及び
図5bに示されているように、隣接する工具ホルダ150は、連結された側面157a,157bにおいて互いに隣接しているとともに、ロータの軸方向において互いに支持している。対応するナイフ列の全ての粉砕工具の切刃171は途切れのない連続した切刃を形成しており、隣接した粉砕工具間の間のオフセットにより、ナイフ列がロータ軸Aに対して傾斜状に延在することになる。
【0037】
図6には本発明による粉砕ロータ200の第2の実施形態が示されており、この粉砕ロータは、それぞれロータの軸Aに対して傾斜状に延在するいくつかのナイフ列201〜204を備えている。これらナイフ列それぞれはここでも複数の粉砕工具270を備えており、この粉砕工具は、互いに隣接して配置されているとともに、ロータの周囲において互いにオフセットされている。ここで、隣接する粉砕工具の同様の切刃271,272は、ロータ軸に対して同一の距離を有しているとともに、それぞれロータ軸Aに対して平行に延びる平面内に位置している。
図6に示された実施形態においては、回転方向へ対応するナイフ列の上流側に配置されつつナイフ列の延長部全体にわたって延びるチップポケット230も設けられている。
【0038】
図2に示された粉砕ロータに対する本質的な差異は、粉砕工具がその取り付けられた位置において切刃171を有する平坦なナイフのリバーシブルプレートとしてデザインされておらず、代わりに、その取り付けられた位置において露出されたナイフ歯を示すリバーシブルプレート270を備えている点にある。ここで、このようなナイフ歯は、互いに傾斜した2つの集束した切刃271,272を含んでいる。両切刃は、仮想のコーナにおいて交差しているものの、大きな機械的負荷に抵抗するものではない。この理由のために、コーナは面取りされており、ここに追加的な刃が形成されている。そして、この刃も切刃としての機能を果たすものとなっている。しかしながら、この切刃の長さは、実際の切刃271,272に比べて無視できるものである。切刃271,272は1つの面内に位置しており、ロータ上での工具の図示の配置により、この面がロータ200の軸Aに対して平行に延在することになる。コーナの面取りによって形成されたナイフ歯270(
図7参照)の中間の切刃271aを含む全ての切刃272,271は、ロータ軸Aに対して平行に配向された対応する面内に位置している。したがって、この実施形態においても、全ての各粉砕工具が、取り付けられた位置で切歯を示す上述のリバーシブルプレート270の形態で、対応して構成されたカウンタナイフ装置との相互作用に関して上述の利点を有する同一の軌跡を描く。
【0039】
示された実施形態において、連結された工具ホルダ250を含む全てのリバーシブルプレート270は、同様の構造を備えている。
【0040】
図7には、
図6に基づくナイフ列201の詳細が示されており、工具ホルダ250又は粉砕工具270が明確化の観点から部分的に省略されている。ここでも、ホルダシートが接触面251を備えており、この接触面に対して工具ホルダ250がロータに対して接線方向に支持されている。穴240は、ロータにおいてほぼ径方向に設けられている。固定ピン291は、上述の溶接継目の形成に重要なホルダ250のロータへの固定のために、前記穴に挿入される。この目的のために、各ホルダ250が対応する穴を工具のためのシートの下方に有している。
【0041】
工具ホルダ250における工具シートは、ロータ及び両面252,253に対してほぼ接線方向の垂直ベクトルを有する平坦な接触面251によって形成されている。ここで、前記両面は互いに傾斜しており、この両面には対応する工具270が側方において取り付けられている一方、前記工具は、工具ホルダ250に対向する収容面を有する接触面251に隣接している。
図7に示すように、3つの前記切刃271,271a,272を備えたナイフ歯を設けるために、カットコーナを示す四角形の基体を有するリバーシブルプレートとしてデザインされており、その両側における工具は、側面274,275を介して隣接する工具に隣接している。この限りにおいて、隣接する両ホルダ250及び隣接する両工具270は、ロータの軸方向においてそれぞれ一方が他方に対して支持されている。さらに、
図7には、それぞれの間隔dによる隣接するホルダ又は工具の周囲のオフセットが示されている。取り付けられた状態において、エッジ272,271は、回転方向に続くホルダの対応する外面と一列に並んでいる。強度を増大させるために、工具ホルダは、溶接又ははんだ付けプロセスによって、極端に耐久性のある合金で形成された表面硬化部で満たされた露出した表面上に凹部259を備えている。
【0042】
図8には
図4と同様にボルト290及びワッシャ292によって挿入及び固定された工具270を備えた工具ホルダ250を通る断面図が示されており、工具ホルダ250は、溶接継目295,296を設けるために、固定ピン291によってロータにあらかじめ取り付けられている。なお、ボルト290は、工具270のねじ穴273に螺合している。
【0043】
図9a〜
図9cには、リバーシブルプレート270を保持するための工具ホルダ250の構造が斜視図、平面図及び断面図で示されている。この工具ホルダ250は、長方形の基礎範囲を有しており、植込みボルトを収容するための穴256は、取り付けられた状態でロータに対してほぼ接線方向に延在している。
図10bも、固定ピン291を収容するための2つの穴258を示している(
図8参照)。隣接し、隣り合う工具ホルダ250が軸方向において互いに支持し合う側面は、符号254,255で示されている。
【0044】
図10には、
図6に基づく粉砕ロータ上の粉砕工具の、これに対応して適合されたカウンタナイフ300との協働の詳細を示している。そして、このカウンタナイフは、図示の実施形態において、共に締め付けられた複数のプレート状のカウンタナイフ片310で構成されている。
【0045】
複数の粉砕工具270によって形成されつつロータに対して傾斜して延在するナイフ列のはさみ状の連結されたカウンタナイフ装置300との協働が軸方向において明確に見えている。図示において、左側の粉砕工具がその連結された歯溝に噛合している一方、右側の粉砕工具は、図示において、いまだにその対応する歯溝に対して増大する距離を有している。
【0046】
各カウンタナイフ片310は切刃311,312,313によって形成された複数の歯溝を含んでおり、これら切刃は、当該平面に対してロータ軸Aが平行に延びる一平面内に位置している。図示の実施形態においては、切刃311,312,313の前記平面はカウンタナイフ片310によって固定された平面に対応しており、ロータ軸Aは、この平面内には位置せず、単にこの平面に対して平行となっている。このことは、粉砕工具270上の対応する歯がカウンタナイフ上の連結された歯溝へ最初にその先端部又は切刃271aと共に入り込むように、ロータ工具の切刃271,272のはさみ状の、カウンタナイフ装置の連結された切刃311,312との協働においても生じる。これは、取り付けられた状態において露出するリバーシブルプレート270の各歯構造径方向における断面図において生じており、取り付けられた状態においては、切刃271,271a,272は、粉砕されるべき材料の破壊のために、カウンタナイフの切刃313,312,311と協働する。
【0047】
図11には、本発明に基づいて構成された粉砕ロータ400の第3の実施形態が示されており、この粉砕ロータは、それぞれ軸Aに対して傾斜状に延在するいくつかのナイフ列401〜406を備えている。粉砕工具のデザイン並びにそのロータ基体上への固定及び配置は、
図6〜
図10に示されたものと相違しないため、同一の部分及び構造には同様の符号が付されている。したがって、各ナイフ列401〜406は、ここでもロータの周方向において互いにオフセットされた、隣接し、本実施の形態においては互いに接した複数の粉砕工具270,270’を備えている。隣接する粉砕工具の同様の切刃271,271’又は272,272’は、ロータ軸に対して同一の距離を有している。そして、これは、例えば、切刃271,271’上の等しい点がロータ軸に対して等しい間隔を有していることを意味している。切刃271,272又は271’,272’は、ここでも、一平面内で延在しているか、又はロータ軸Aに対して平行に延びる平面を規定している。
【0048】
図6に示された実施形態とは異なり、
図11に示された実施形態は、4つのナイフ列の代わりに対応して互いに所定の角度をもって延在する6つのナイフの列を備えている。更なる相違点は、少なくとも1つの、通常は全てのナイフ列は、
図6の実施形態においては直線状のナイフ列を形成していないもののその代わりにロータ上で「V型」に配置されている。そのため、各ナイフ列は、線形の2つのナイフ列部分によって構成されており、これらナイフ列部分は、ロータの側方範囲で互いに所定の角度をなして延在している。ナイフ列405に対して、対応するナイフ部分501a,405bが示されている。ナイフ列のナイフ又は工具のV型の配置にもかかわらず、各工具が、上述の態様で、すなわち切刃271,272又は271’、272’によって規定された平面が常にロータ軸Aに対して平行であるようにロータ上に配置されていることにここでも注意すべきである。さらに、隣接する粉砕工具は、結合されており、特にその対応して連結された側面において二次元的に隣り合っているとともに、ロータの周囲において互いにオフセットされている。
【0049】
ナイフ列が本実施の形態では直線状の部分である異なる部分で構成された、ナイフ列401〜406のいずれかのデザインは、粉砕工具270又は連結されつつ列全体にわたって一定ではなく変化する所定の周囲の角度によって周方向においてオフセットされた工具ホルダ250を直接隣接させるか、又は隣り合わせることで得られる。
図11に示す実施の形態においては、隣接する粉砕工具間のこの周囲のオフセットは、例えば部分405a内のナイフ列405においては一定であるが、ナイフ列の第2の部分405b内での周方向でのオフセット角度とは異なる。
【0050】
図6に示された実施形態と比べて、各ナイフ列が、ロータ軸の長手方向延長部全体にわたって、このロータ軸に対して一定の角度を示さないものの、長手方向延長部の長さにわたって角度が変化するというデザインによれば、ナイフ列部分がロータ軸に対してまだ比較的大きな角度を示すとしても、ロータ上に多数のナイフ列を配置することができるという利点が得られる。
図6に示された実施形態に対応したロータのために、
図11に基づくロータ内のカウンタナイフ装置が
図10に基づくカウンタナイフ装置と同様にデザインされ得ることも、当業者にとって明白である。さらに、
図11に示されたナイフ列のデザインは、特有の粉砕工具270の使用に限定されるものではないことに注意すべきである。このようなナイフ列又は粉砕ロータは、
図3に示された粉砕工具及び連結されたホルダ150を使用した対応する態様でデザインされてもよい。
【0051】
図12には、本発明に基づき構成されつつ本発明に基づく粉砕装置において使用される粉砕ロータ500の更なる実施形態が示されている。ここで、
図11に示すように、ロータは、6つのナイフ列501〜506を支持している。各ナイフ及びホルダのデザイン及びこれらのロータ上での配置は、上述の実施形態と相違していない。粉砕ロータの上述の実施形態との唯一の相違点は、各ナイフ列内で、隣接する粉砕工具のオフセット角度が変化する点である。そして、この相違点は、ナイフ列505のためのこの図においてより詳細に図示されている。しるしが付された範囲505a〜505dの内部では、隣接する粉砕工具又はそのホルダの周方向における各オフセット角度が一定であるが、それぞれ隣接するナイフ列においては異なっている。
図12から分かるように、隣接する工具の周囲のオフセットは、方向すなわちオフセットの周方向を変更することが可能である。そのため、図に示された各ナイフ列のW型の配置が得られる。このデザインによれば、ロータ上に配置された様々なナイフ列501〜506を差し込むことが可能である。
【0052】
他方、本発明によれば、ナイフ列は、非線形の部分、すなわち湾曲部分を含んでいる。そして、この湾曲部分は、一定ではなくナイフ列の長手方向延長部にわたって変化する隣接する工具の周囲のオフセットによって、例えばロータ上のナイフ列の波状の配置が得られることによって、得られる。
【0053】
図12に示された実施形態及びその修正において、ナイフ列501〜506の隣接する粉砕工具が連結された側面においても互いに隣り合っているとともにロータの周囲において互いにオフセットされていることが議論された。このとき、隣接する粉砕工具の同様の切刃271,271’又は272,272’は、ロータ軸に対して同一の距離を有しており、工具270又は270’のこの対応する切刃271,272又は271’,272がロータ軸に対して平行に延びる一平面内に位置しているため、ここでも、
図10に示されたカウンタナイフ装置との最適な協働が得られる。
【0054】
意図する使用及び本発明による粉砕装置の実施形態に応じて、4つ以上、特に6つ又は7つのナイフ列をロータに設けることができる。上述のような差込式でロータの周囲へ配置されるナイフ列の数が増大することで、本発明による粉砕装置の粉砕効率を更に向上させることが可能である。また、本発明による粉砕装置を、各粉砕作業に対してフレキシブルに適合することができる。当該ロータ上に配置された粉砕工具のロータの実用的な有効径は、特に、40〜200cmであり得る。上述のようにロータに着脱自在に取り付けられた複数の粉砕工具の使用により、ナイフ列の最小部分内でブレード又は工具の交換が可能であるとともに、これにより、このような粉砕工具が1m当たり30より多く、特に50より多く、最も好ましくは80より多く設けられていれば有用であることが判明した。