特許第6185784号(P6185784)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185784
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】カウルカバー構造
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/08 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   B62D25/08 H
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-160229(P2013-160229)
(22)【出願日】2013年8月1日
(65)【公開番号】特開2015-30343(P2015-30343A)
(43)【公開日】2015年2月16日
【審査請求日】2016年5月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000229955
【氏名又は名称】日本プラスト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】安倍 良輔
【審査官】 森本 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−167952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウィンドシールドの下端部が挿入される溝部が設けられたカウルカバー構造であって、
前記溝部は、車幅方向に連続して設けられ、該車幅方向の両端近傍に前記ウィンドシールドから離れる方向への流路を形成する排水穴が開設され
前記溝部における前記排水穴近傍に、該排水穴から前記溝部への逆流を防止するための逆流防止壁が設けられたことを特徴とするカウルカバー構造。
【請求項2】
前記カウルカバー構造における車幅方向の両端側には、前記カウルカバー構造が載置される車両のフレームに沿う形状の載置面が形成され、
前記排水穴は、前記溝部と前記載置面とを連通させる流路を形成するよう開設されたことを特徴とする請求項1記載のカウルカバー構造。
【請求項3】
前記載置面における前記ウィンドシールド側には立壁部が設けられ、
前記立壁部における前記載置面と反対側の面には、前記溝部の車幅方向における両端近傍が接続され、
前記排水穴は、前記立壁部に開設されたことを特徴とする請求項2記載のカウルカバー構造。
【請求項4】
前記立壁部は、下方であるほど前記ウィンドシールドに近づくよう、鉛直方向に対して傾斜した面として形成され、
前記排水穴は、前記立壁部における前記載置面との接続位置よりも高い位置に設けられたことを特徴とする請求項3記載のカウルカバー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば自動車のフロントガラスなどのウィンドシールドの下方に配置されるカウルカバー構造に関する。
なお、本明細書では、車両の直進時における前進方向を基準として前後左右方向を定めることとする。また、上下方向は、車両が水平面に置かれた時の天地の方向を上下方向とし、車幅方向は、車両における左右方向とする。
【背景技術】
【0002】
一般に、ウィンドシールドの下方に配置されるカウルカバー構造では、後端部にウィンドシールドに当接する溝部が形成され、ウィンドシールドの下端部を保持する構成となっている。また、前端部は、ボンネットフードの下方に配設されて、ボンネットフードに当接するフード当接部を有する構成になっている。
【0003】
こうした構成により、カウルカバー構造は、車両におけるエンジンルームと車室とを画成するとともに、外気を車室内に取入れるエアボックスとして配設されている。また、カウルカバー構造の下部には、ワイパ用の駆動モータなどの被水を避けるべき部品も配置されるため、カウルカバー構造は、こうした被水を避けるべき部品を覆うように構成される。
【0004】
被水を避けるべき部品の配置は車種によって様々である。このため、被水を避けるべき部分の配置に応じて、その部分への被水を避けるように遮水板を設ける構成が知られている。
【0005】
また、遮水板を不要とするカウルカバー構造の例として、特許文献1,2が知られている。特許文献1を参照すると、ウィンドシールドに当接する溝部からさらに下方に膨出した水受けカバーを備え、この水受けカバーに設けた穴から排水するようにした構成が記載されている。
【0006】
また、特許文献2を参照すると、カウルトップカバー本体部材の後端側から別部材のガター部材を取り付けてウィンドシールドの保持部を構成し、そのガター部材に水路部を設ける構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−247224号公報
【特許文献2】特開2012−116297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、カウルカバー構造とは別部材としての遮水板を設ける場合、部材が増えることによりコスト高となるおそれがある。
【0009】
また、上述した特許文献1は、溝部からさらに下方に膨出した水受けカバーを備えるため、上下方向の大きさがそれだけ大きくなっていた。このため、車両にカウルカバー構造を設置するための設置空間が上下方向に一定以上狭い場合についてまで考慮されたものではなかった。
【0010】
また、上述した特許文献2は、ガター部材を用いてウィンドシールドの保持部を構成することで排水性能を高めているが、カウルトップカバー本体部材に別部材のガター部材を取り付けるため、コスト高となるおそれがあった。
【0011】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、上下方向に大きな設置空間を必要とせず、低コストなカウルカバー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達成するために、本発明に係るカウルカバー構造は、ウィンドシールドの下端部が挿入される溝部が設けられたカウルカバー構造であって、溝部は、車幅方向に連続して設けられ、該車幅方向の両端近傍にウィンドシールドから離れる方向への流路を形成する排水穴が開設され、溝部における排水穴近傍に、該排水穴から溝部への逆流を防止するための逆流防止壁が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、上下方向に大きな設置空間を必要とせず、低コストなカウルカバー構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態としてのカウルトップカバー100の車両への設置状態を、一部部品を省略して模式的に示す図である。
図2】カウルトップカバー100周りの構成を概略的に示す斜視図である。
図3】カウルトップカバー100を図2中の矢印Yから見た部分拡大図である。
図4図2におけるA−A断面を示す断面図である。
図5図2におけるB−B断面を示す断面図である。
図6】カウルトップカバー100を図2中の矢印Zから見た部分拡大図である。
図7図6におけるE−E断面を示す断面図である。
図8】排水穴41の他の構成例を示す図である。
図9】排水穴41のさらに他の構成例を示す図である。
図10】段差42の他の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係るカウルカバー構造を、自動車のカウルトップカバーに適用した一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
なお、本発明に係るカウルトップカバーの構成としては、以下に説明する形状、配置構成以外にも本願発明の課題を解決することができる形状、配置構成であれば、それらの形状、配置構成を本願発明のカウルトップカバーとして採用することができる。このため、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものではなく、多様な変更が可能である。
【0016】
本実施形態のカウルトップカバー100は、図1図2に示すように、後方側がウィンドシールド200の下端部を保持するよう設置される。また、前方側の端部は、エンジンルームの上部開口を覆う不図示のボンネットフードの下方に配置される。この前方側は、不図示のシール部材によりボンネットフードの下方との間を液密状態に保持するように構成される。
【0017】
また、カウルトップカバー100は、自動車のエンジンルームよりも車幅方向の外側に配置されるヒンジ受けフレーム301、302の間に設置される。
ヒンジ受けフレーム301、302は、不図示のボンネットフードがヒンジ部により開閉可能に取り付けられる。このため、閉状態のボンネットフードに沿う形状のフード受け面312が形成され、このフード受け面312には、ヒンジ部を取り付けるための取付穴311が設けられる。
【0018】
また、カウルトップカバー100は、車室内に外気を取入れるための吸気口に対応した開口部、不図示のワイパを駆動する駆動モータ用の開口部、ウィンドウォッシャー液用の開口部など、公知の各種構成を備える。このため、カウルトップカバー100の下方には、これら開口部に対応した構成として、車室内に外気を取入れるための吸気口、駆動モータなどが配置される。こうした公知の各種構成は、車種に応じた設計等により適宜配置されてよい。
【0019】
次に、カウルトップカバー100における本実施形態の特徴となる構成について、図2図7を参照して詳細に説明する。
図2中の矢印Yから見た拡大図を図3に、A−A断面を図4に、B−B断面を図5に、矢印Zから見た拡大図を図6に、それぞれ示す。また、図6のE−E断面を図7に示す。
【0020】
本実施形態のカウルトップカバー100は、図2図3に示すように、カバー本体10の車幅方向における両端側に、カウルトップカバー100が載置されるヒンジ受けフレーム301、302の面に沿う形状の載置面である車両合わせ面30および傾斜面31が形成される。
【0021】
また、図2図4図5に示すように、カバー本体10における後方側の下部には、ウィンドシールド200の下端部201が挿入される溝部20が設けられる。溝部20は、ウィンドシールド200の下端部201に沿って車幅方向に延設される。
【0022】
溝部20は、図4に示すように、カバー本体10に連設されてウィンドシールド200の挿入方向に配置される後壁部22と、この後壁部22に連設されてウィンドシールド200の下面側に配置される底壁部21とを備え、前後方向における縦断面がコの字型となるよう構成される。さらに、底壁部21の下方には、車幅方向における所要の箇所にはめ込み部23が形成される。各はめ込み部23にはシールド受け部材50が嵌め込まれる。シールド受け部材50は、上方の端部に設けられた当接部51によりウィンドシールド200の下面に当接し、溝部20に差し込まれたウィンドシールド200を保持する。
【0023】
ウィンドシールド200は水平面に対して傾斜しているため、溝部20の底壁部21も水平面に対して傾斜しており、このため、溝部20は水をためて流す流路としての機能も実現する。
【0024】
カバー本体10の車幅方向における両端側に設けられたヒンジ受けフレーム301、302の面に沿う載置面は、図2図3図5に示すように、前方側が車両合わせ面30とされ、後方側が傾斜面31となっている。すなわち、ウィンドシールド200が水平面に対して傾斜しているため、この載置面の前方側が、ヒンジ受けフレーム301、302のフード受け面312に沿う形状の車両合わせ面30となっており、ウィンドシールド200に近い後方側が、ウィンドシールド200の傾斜に合わせた傾斜面31となっている。
【0025】
傾斜面31と溝部20の間には、図3図5図6に示すように、立壁部40が設けられる。すなわち、立壁部40の後方側の面には溝部20の車幅方向における端部が接続され、立壁部40の前方側の面には、傾斜面31が連設される。
なお、図3ではカウルトップカバー100における左側の端部周りを示すが、右側も同様の構成であり、以降、左側の端部周りを例として説明する。
【0026】
立壁部40における溝部20が接続された部分には、立壁部40における溝部20側と、傾斜面31側とを連通させる排水穴41が開設される。排水穴41は、図5図6に示すように、下端が底壁部21の接続位置まで開口し、図6図7に示すように、車幅方向における溝部20の端部近傍に開設される。端部近傍とは、車幅方向における溝部20の端部が最も好ましく、設計に応じて所定距離だけ離れた位置に配置されてもよい。
【0027】
また、図3図5に示すように、立壁部40の前方側の面には傾斜面31が連設されるが、上下方向における傾斜面31の接続位置は、立壁部40の後方側の面への底壁部21の接続位置よりも低い位置となっている。このため、傾斜面31と排水穴41の間には上下方向における段差42が設けられる。
【0028】
このため、排水穴41により、溝部20から傾斜面31へと流下する流路501が形成される。この流路501が形成されることにより、溝部20に水が浸入した場合であっても、浸入した水は溝部20から傾斜面31、車両合わせ面30へと流下し、さらに図1に示すヒンジ受けフレーム301、302の車幅方向における外側へと排水される。
【0029】
ここで、カバー本体10の後端部11と、ウィンドシールド200との間は、不図示のシール部材等により液密状態に保持されるが、カウルトップカバー100への積雪や振動などの各種要因により水が浸入することがある。この場合、浸入した水は、図4図5に示す流路503として溝部20に流れ込む。
【0030】
こうした場合であっても、本実施形態のカウルトップカバー100では、溝部20の水を、流路501により排水穴41を通ってウィンドシールド200の下端部201が挿入される溝部20の裏側となる車両前方方向、すなわちウィンドシールド200から離れる方向へと排水し、さらに図1に示すヒンジ受けフレーム301、302から車幅方向の外側へと排水することができる。
【0031】
また、ウィンドシールド200の車幅方向における両端には、不図示のサイドフレームが設けられる。このため、降雨時などには、ウィンドシールド200の車幅方向両端を伝って流下してくる水がカウルトップカバー100の傾斜面31、車両合わせ面30へと流入し、図3図5に示す載置面での流路502ができあがる。
【0032】
本実施形態のカウルトップカバー100では、上述のように排水穴41が立壁部40への上下方向における傾斜面31の接続位置よりも高い位置に開設され、傾斜面31と排水穴41の間に段差42が設けられる。さらに、ウィンドシールド200が水平面に対して傾斜しているため、立壁部40も下方に行くにつれてウィンドシールド側となる方に、鉛直方向に対して傾斜している。図5中、立壁部40の鉛直方向に対する傾斜角度をθ1として示す。
【0033】
このため、ウィンドシールド200の車幅方向両端を伝って流下してきた水が勢いをもって載置面の流路502として流れ込み、立壁部40に向かって逆流してきた場合であっても、段差42により水流の勢いを止め、排水穴41から溝部20への流入を抑止することができる。
【0034】
また、図6図7に示すように、立壁部40の後方側の面への後壁部22の接続部分が、逆流防止壁22aとなっている。すなわち、図7に示すように、立壁部40の後方側の面と、逆流防止壁22aとの角度θ2が90度以下となるように逆流防止壁22aが形成される。
【0035】
このため、載置面の流路502による水が勢いを持ち、段差42を乗り越えて排水穴41から溝部20へと逆流してきた場合であっても、その流路502による逆流に逆流防止壁22aが立ちふさがり、逆流してきた水流の勢いを止めることができる。このため、逆流防止壁22aにより、排水穴41から溝部20への水の流入をさらに抑止することができる。
なお、逆流防止壁22aと立壁部40との角度θ2は、逆流防止の機能を実現しやすい角度であれば、設計等に応じた任意の角度であってよい。
【0036】
以上のように、上述した本発明の実施形態では、溝部20の車幅方向における両端近傍に排水穴41を開設することにより、溝部20から排水穴41を通って傾斜面31の方向へ、すなわちウィンドシールド200から離れる方向へと排水する流路501を形成する。このため、溝部20に水が浸入した場合であっても、浸入した水を排水穴41によりいったんウィンドシールド200から離れる方向へと流下させ、さらに載置面である傾斜面31、車両合わせ面30から図1に示すヒンジ受けフレーム301、302の車幅方向における外側へと排水することができる。
【0037】
このため、例えばワイパ用の駆動モータや吸気口などの被水を避けるべき部分が、カウルトップカバー100の下方におけるどの位置に配置された車両構造であっても、そうした被水を避けるべき部分の配置に関わらず、溝部20に浸入した水を排水することができる。すなわち、溝部20に浸入した水を、エンジンルームよりも車幅方向における外側へ向けてヒンジ受けフレーム301、302から排水できるため、被水を避けるべき部分がカウルトップカバー100の下方におけるどの位置に配置されても、遮水板を別途設ける必要がない。
このため、被水を避けるべき部分の配置に関わらず対応可能でありながら低コストなカウルカバー構造を提供することができる。
【0038】
また、こうした溝部20から傾斜面31へと排水する流路501を、立壁部40に排水穴41を開設するだけで形成できるため、流路を形成するための部分を溝部20とは上下方向に異なる位置に別途設けた構造とする必要もない。また、流路を形成するための別部材をさらに設ける必要もない。
このため、車両に設置するための設置空間が上下方向に狭い車両構造の場合であっても対応可能、かつ低コストなカウルトップカバー100を提供することができる。
【0039】
また、立壁部40における傾斜面31と排水穴41の間には上下方向における段差42が設けられ、この立壁部40は下方に行くにつれてウィンドシールド側となるように傾斜して形成される。さらに、立壁部40の後方側の溝部20には逆流防止壁22aが設けられる。
このため、ウィンドシールド200の車幅方向両端を伝って流下してきた水が勢いをもって載置面の流路502として流れ込んできた場合であっても、排水穴41から溝部20へと水が逆流してくるのを抑止することができる。このため、排水性能および水の浸入防止性能に優れたカウルトップカバー100を提供することができる。
【0040】
なお、上述した実施形態は本発明の好適な実施形態であり、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々変形して実施することが可能である。
【0041】
例えば、排水穴41の形状は矩形に限定されず、図8に示す角丸長方形など、排水可能であれば任意の形状であってよい。
また、排水穴41は1つに限定されず、図9に示すように2つ以上設けられた構成であっても、排水可能であれば任意の形状であってよい。
【0042】
また、排水穴41と傾斜面31との間の上下方向における段差42は、立壁部40における単一面に限定されず、図10に示すように2段分けされた面などであってもよい。すなわち、傾斜面31と立壁部40との接続位置よりも排水穴41を高い位置に配設することができれば、排水穴41と傾斜面31との間の形状は任意であってよい。
【0043】
また、逆流防止壁22aは、排水穴41の後方側の近傍に配置される壁であれば、上述した後壁部22の立壁部40への接続部分として設けられるものに限定されない。この排水穴41の近傍とは、立壁部40に隣接して設けられることが最も好ましく、設計に応じて所定距離だけ離れた位置に配置されてもよい。
【0044】
また、カウルトップカバー100が設置される車両構造などの条件によっては、上述した段差42、逆流防止壁22aの何れか一方だけを設け、載置面の流路502による排水穴41から溝部20への水の逆流を抑止する構成としてもよい。
すなわち、段差42が上述した実施形態と同様に形成された構成で、逆流防止壁22aを設けず、立壁部40の後方側の面と後壁部22とが滑らかな連続面とされた構成であってもよい。
また、逆流防止壁22aが上述した実施形態と同様に形成された構成で、段差42を設けずに底壁部21と傾斜面31とが立壁部40を挟んで等しい高さとされた構成であってもよい。この場合、傾斜面31は上述した実施形態と同様であってもよく、あるいは、傾斜面31の前後方向における所定位置に上下方向の段差を形成してもよい。
さらに、車両構造などの条件によっては段差42も逆流防止壁22aも設けずに、溝部20の水を排水孔41を通してウィンドシールド200から離れる方向へ排水させるようにすることも当然可能である。
【0045】
また、上述した実施形態は、フロントウィンドシールドの下端部が挿入される溝部が設けられたカウルトップカバー100について説明したが、車両後部のリヤウィンドシールドの側に配置されるカウルトップカバーにも本発明は同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
100 カウルトップカバー(カウルカバー構造の一例)
200 ウィンドシールド
201 下端部
301、302 ヒンジ受けフレーム
311 取付穴
312 フード受け面
501、502 流路
10 カバー本体
11 後端部
12 取付穴
20 溝部
21 底壁部
22 後壁部
22a 逆流防止壁
23 はめ込み部
30 車両合わせ面(載置面の一例)
31 傾斜面(載置面の一例)
40 立壁部
41 排水穴
42 段差
50 シールド受け部材
51 当接部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10