(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記側方エア吹き出し口が、前記用紙束を前記給紙台上で位置決めするための基準として用いられる固定側面ガイドに配設されることを特徴とする、請求項1に記載の給紙装置。
前記後端押さえ部材が、前記用紙束の後面を規制するための後面ガイドに対して、又は、前記一対の側面ガイドのいずれか一方に対して配設されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の給紙装置。
前記後端押さえ部材が、積載される用紙に応じて、用紙後端での押さえる状態を変えることができるように構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の給紙装置。
前記側方エア吹き出し口が配設されない側の前記側面ガイドの長さは、用紙搬送方向に調整可能に構成されていることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一つに記載の給紙装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1では、紙押さえローラが用紙の進行方向後端の中央部に設けられているため、用紙の進行方向先端から吹き付けられたエアが、用紙の後端に達する手前で左右の側方に逃げてしまっている。すなわち、進行方向先端から吹き付けられた捌き用エアが左右の側方で分かれて逃げてしまい、用紙の後端まで到達していない。その結果、捌き用エアが用紙間隙の広い領域にわたって流通することができない。したがって、特許文献1の発明では、用紙間で静電気が発生するような乾燥した環境下で、エアによる捌き作用が十分に機能しなくなるため、用紙の重送が発生しやすいという問題がある。
【0007】
特許文献2では、給送方向に直交する左右の側面に設置された第1送風部及び第2送風部と、給送方向下流側且つ吸着ベルトの近傍に設置された第3送風部と、によって、用紙の分離を行おうとしている。しかしながら、第1送風部及び第2送風部の給送方向下流には用紙を規制する部材が設置されていないとともに、用紙の後端を規制する後端規制部材が用紙幅方向の中央に設置されているため、捌き用エアが用紙の後端に達するより手前の左右の後方側部で逃げてしまっている。したがって、特許文献2の発明では、エアによる捌き作用が不十分であることに加えて、第1送風部及び第2送風部という2つの送風部を設置するため、構造が複雑になりコストが高くなるという問題もある。
【0008】
したがって、この発明の解決すべき技術的課題は、簡易且つ安価な構成であるにもかかわらず、静電気が発生するような環境下でも用紙の重送の発生を抑制する給紙装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記技術的課題を解決するために、この発明によれば、以下の給紙装置が提供される。
【0010】
すなわち、本発明の請求項1に係る給紙装置は、
給紙台上に載置された用紙束の上方に設置されて前記用紙束における最上位用紙の上面をエア吸着して搬送する吸着搬送機構と、
前記用紙束の用紙搬送直交方向の側面をガイドして規制する一対の側面ガイドと、
前記最上位用紙の前コーナー部の少なくとも一方に向けて分離用エアを吹き出す分離用エア吹き出し口と、
前記最上位用紙の前端に向けて捌き用エアを吹き出す前方エア吹き出し口と、
前記一対の側面ガイドのいずれか一方に配設されて、前記最上位用紙の側端に向けて捌き用エアを吹き出す側方エア吹き出し口と、
前記最上位用紙の後端のうち、前記側方エア吹き出し口が配設される側の一部分を押さえる後端押さえ部材と、を備え
、
前記分離用エア吹き出し口が、前記最上位用紙の前記前コーナー部の前方側に向けて分離用前方エアを吹き出す分離用前方エア吹き出し口と、前記最上位用紙の前記前コーナー部の側方側に向けて分離用側方エアを吹き出す分離用側方エア吹き出し口とから構成されることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項2に係る給紙装置では、前記側方エア吹き出し口が、前記用紙束を前記給紙台上で位置決めするための基準として用いられる固定側面ガイドに配設されることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項3に係る給紙装置では、前記後端押さえ部材が、前記用紙束の後面を規制するための後面ガイドに対して、又は、前記一対の側面ガイドのいずれか一方に対して配設されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項4に係る給紙装置では、前記後端押さえ部材が、積載される用紙に応じて、用紙後端での押さえる状態を変えることができるように構成されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項5に係る給紙装置では、前記側方エア吹き出し口からのエア吹き出し方向は、用紙搬送直交方向であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項6に係る給紙装置では、前記側方エア吹き出し口の位置は、調整可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項7に係る給紙装置では、前記側方エア吹き出し口が配設されない側の前記側面ガイドの長さは、用紙搬送方向に調整可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る本発明では、
分離用前方エア吹き出し口から最上位用紙の前コーナー部の前方に向けて分離用前方エアが吹き出されるとともに、分離用側方エア吹き出し口から最上位用紙の前コーナー部の側方に向けて分離用側方エアが吹き出されることによって、最上位用紙の前コーナー部が浮上して用紙間に隙間が形成され、用紙間に形成された間隙に対して捌き用エアが流通しやすくなる。すなわち、分離用前方エアおよび分離用側方エアの吹き付けが、一連の捌き動作のきっかけになる。そして、最上位用紙の後端のうち側方エア吹き出し口が配設される側の一方の部分が後端押さえ部材で押さえられてエアの流通がブロックされることによって、用紙後端の他方の部分が後端エア出口となり、用紙の間隙を流通する捌き用エアが、後端エア出口を通じて流出する。すなわち、最上位用紙から数枚程度の用紙間隙においては、捌き用エアが広い領域にわたって流通するエア流通経路が確保されている。その結果、静電気で用紙同士が強く密着している場合であって、捌き用エアによって当該密着力が低下して用紙の分離いわゆる捌きが促進される。したがって、簡易で安価な構成であるにもかかわらず、重送が防止されるという効果を奏する。
【0018】
請求項2に係る本発明では、側方エアを吹き出すための構成が容易になるという効果を奏する。
【0019】
請求項3に係る本発明では、後端押さえ部材の設置の自由度が高いという効果を奏する。
【0020】
請求項4に係る本発明では、安価な構成で様々な用紙状態にも対応できるという効果を奏する。
【0021】
請求項5に係る本発明では、重送防止に効果的な捌き用エアの流通経路が形成されるという効果を奏する。
【0022】
請求項6に係る本発明では、用紙同士の密着度合いや様々な用紙サイズに対応して、捌き用エアの流通経路が最適化されるという効果を奏する。
【0023】
請求項7に係る本発明では、用紙サイズに対応して、捌き用エアの流通経路が最適化されるという効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1乃至
図11は、この発明の給紙装置7を用紙加工装置1に適用した実施形態を説明する図である。説明の都合上、
図1等に記載しているように、用紙搬送方向Tを前方、用紙搬送方向Tと反対方向を「後方」と呼び、また、用紙幅方向(用紙搬送方向Tと直交する水平方向)を「左右方向」と呼び、後方から見た状態で「右方」と「左方」を規定して、以下に説明する。なお、この発明の給紙装置7は、孔版印刷機や複写機やプリンタ等の画像形成装置にも適用可能である。
【0026】
(用紙加工装置の全体構成)
図1は、この発明の給紙装置7が適用される用紙加工装置1の全体を示す模式的側面図である。この用紙加工装置1は、積載された多数枚の用紙P(用紙束Q)から用紙Pを1枚ずつ矢印Tで示す用紙搬送方向に搬送して送り出す給紙装置7と、給紙装置7から送り出された用紙Pを搬送しながら加工する加工装置本体2と、排紙トレイ18と、を備えている。給紙装置7から排紙トレイ18に至る経路においては、複数個の対のローラ4からなる搬送手段によって用紙搬送経路10が形成されている。
【0027】
用紙搬送経路10上には、給紙装置7の側から順に、少なくとも、第1加工ユニット5A、第2加工ユニット5B、及び第3加工ユニット(例えば、余白裁断ユニット)5Cが設けられている。これらの加工ユニット5A,5B,5Cは、加工装置本体2に対して着脱自在なユニットとして設けられているが、加工装置本体2に対して固設されていてもよい。加工ユニット5A,5B,5Cは、いずれの設置場所にも着脱できるように、外観上同じ寸法や形状を有するように構成されている。また、これらの加工ユニット5A,5B,5C及びローラ4には、駆動手段(図示せず)が連結されている。なお、第1加工ユニット5A、第2加工ユニット5Bは、2つの加工ユニットだけを意味するのでなく、2つ以上の加工ユニットを含むことができる。加工ユニットとして、縦裁断用ユニット、横裁断用ユニット、縦折り型用ユニット、横折り型用ユニット、丸め加工用ユニット又はミシン目加工用ユニット等を例示することができる。加工用途に応じて、これらの各種加工ユニットの中から必要とされる加工ユニットが選択され、選択された加工ユニットが加工装置本体2内の適宜の位置に組み込まれる。更に、用紙加工装置1は、用紙Pの裁断によって発生する裁断屑を回収するためのゴミ箱5を加工装置本体2内の底部に有している。
【0028】
(用紙加工装置の電気的構成)
図5は、用紙加工装置1の電気的構成を示すブロック図である。用紙加工装置1は、装置の各種動作を制御する制御部(CPU:中央演算処理装置)6を加工装置本体2に備えている。ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、EEPROM(電気的に消去書き込み可能なメモリ)、操作パネル上のスイッチ類、モータやファンやポンプ及び各種センサが、I/Oポートを介して、制御部(CPU)6に接続されている。操作パネルを用いて、用紙加工条件や設定情報が入力されたり、情報が表示されたりする。操作パネルには、一連の用紙加工動作を開始するためのスタートボタンが設けられている。
【0029】
(給紙装置の全体構成)
図2に示すように、給紙装置7は、給紙ユニット3と、吸着搬送機構8と、斜行搬送機構9と、前面ストッパー11と、を備えている。給紙装置7は、さらに、用紙検出センサ25と、重送検出センサ26と、用紙検出センサ27と、用紙レベル検出センサ35と、用紙前端レベルセンサ37等の各種センサを備えている。給紙装置7は、エアを用いて用紙Pを分離・捌きを行うための各種のエア吹き出し機構を備えている。すなわち、給紙装置7は、分離用エア吹き出し機構(図示せず)と、捌き用の前方エア吹き出し機構(図示せず)及び側方エア吹き出し機構15(
図10に図示)と、を備えている。
【0030】
分離用エア吹き出し機構は、前面ストッパー11に設けられた分離用前方エア吹き出し口61と、固定側面ガイド12に設けられた分離用側方エア吹き出し口62に対して分離用エア21,22をそれぞれ供給する。捌き用の前方エア吹き出し機構は、前面ストッパー11に設けられた捌き用前方エア吹き出し口63に対して捌き用前方エア23を供給する。捌き用の側方エア吹き出し機構15は、固定側面ガイド12に設けられた捌き用側方エア吹き出し口67に対して捌き用側方エア24を供給する。エア供給源として、比較的大きな容量が得られる捌き前方エア用ファン(図示せず)及びファン56がそれぞれ用いられ、比較的大きな圧力が得られる分離エア用ポンプが用いられている。これらのエア供給源は、接続体(ホース又はチューブ)を介して、対応する吹き出し口にそれぞれ接続されている。
【0031】
なお、分離用エア21,22の吹き付けは、そのあとに吹き付けられる捌き用エア23,24が用紙間隙を流通しやすくなるように一連の捌き動作のきっかけとなるものである。また、分離用エア21,22の吹き付け量が捌き用エア23,24のそれよりも少ないので、分離用エア21,22が捌き用エア23,24の流通形態にあまり影響を及ばすことがない。そのため、最上位用紙の前コーナー部の少なくとも一方に向けて分離用エア21,22を吹き出すように構成してもよい。すなわち、固定側面ガイド12の側の用紙Pの前コーナー部(
図3における右前方コーナー部)及び/又は可動側面ガイド13の側の用紙Pの前コーナー部(
図3における左前方コーナー部)に対して分離用エア21,22が吹き付けられてもよい。したがって、分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62は、
図3において、固定側面ガイド12の側の右前方コーナー部の近傍及び/又は可動側面ガイド13の側の左前方コーナー部の近傍に配置してもよい。なお、分離用側方エア吹き出し口62や接続体の設置のしやすさの観点から、分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62は、固定側面ガイド12の側の右前方コーナー部の近傍に配置することが好ましい。
【0032】
給紙ユニット3は、給紙台30と、一対の側面ガイド12,13(
図3に図示)と、後端押さえ部材14と、を備えている。給紙台30は、多数枚の用紙Pが積載されるとともに昇降可能に構成されている。給紙台30は、給紙台昇降モータを駆動源とする昇降装置を用いて電動で昇降する。紙受台30の上限位置及び下限位置は、それぞれ上限リミッタスイッチ及び下限リミッタスイッチによって検知されていて、当該リミッタスイッチは万が一のための安全装置として機能する。一対の側面ガイド12,13は、用紙幅方向に対向して離間配置されている。後端押さえ部材14は、積載された用紙P(すなわち用紙束Q)の後面を揃えるとともに、積載された最上位の用紙Pの後端Pbを自重で押さえることができるように構成されている。
【0033】
給紙台30の前端に隣接するように、前面ストッパー11が立設されている。前面ストッパー11の上方であって固定側面ガイド12寄りのコーナーに形成された傾斜面には、上下方向に延びるスリット状の分離用前方エア吹き出し口61が設けられている。前面ストッパー11の上方であって分離用前方エア吹き出し口61と大略同じ高さの位置には、左右方向に沿って離間した複数の分離用前方エア吹き出し口61が設けられている。
【0034】
(給紙装置の後端押さえ部材)
後端押さえ部材14は、例えば、
図2、6及び7に示すように給紙台30の上に載置されるブックスタンド形状をしており、
図3に示すように固定側面ガイド12の近傍に配置されている。後端押さえ部材14は、最上位の用紙Pの後端Pbの一部分、具体的には、最上位の用紙Pのうち、固定側面ガイド12の側の後端Pbを押圧する。後端押さえ部材14は、
図6乃至9に示すように、後端押さえ板31と後面ガイド板32とから構成されている。後面ガイド板32は、底面部32a及びガイド部32bを有して、略L字状に折れ曲がった形状をしている。給紙台30の上面に配置される底面部32aの上に用紙束Qが載置され、底面部32aが給紙台30の上面と最下位の用紙Pの下面との間で挟まれている。同時に、ガイド部32bが給紙台30の上に積載された用紙束Qの後面に接している。したがって、後面ガイド板32は、積載された用紙束Qの後面を揃える後面規制部材として機能している。なお、給紙台30が磁性を持った鉄、ニッケル、コバルトを含む金属材料からできている場合、底面部32aの下面において、給紙台30の上面に対して着脱自在に付着する磁性シート等の付着部材32dを貼着することもできる。
【0035】
後端押さえ板31は、押さえ部31aと引っ掛かり部31bと支持部31cとを有して、押さえ部31aが支持部31cに対して略L字状に折れ曲がっているとともに、引っ掛かり部31bが支持部31cに対して略L字状に折れ曲がっている。
【0036】
ガイドピン33が支持部31cに立設されている。ガイド部32bの幅方向略中央部分には、上下方向に延びてガイドピン33が挿通されるガイド孔32cが形成されている。ガイド孔32cの長さが、積載される用紙Pの高さよりも大きく、且つ、ガイド孔32cの幅が、ガイドピン33がガイド孔32cに沿って上下にスライド移動できるように、それぞれ寸法構成されている。後端押さえ板31が後面ガイド板32に対して上下に移動することができるので、積載される用紙Pの枚数(用紙束Qの高さ)に応じて押さえ部31aの位置が適宜に変化する。そして、後端押さえ板31の自重によって、押さえ部31aが、積載された最上位の用紙Pにおいて、固定側面ガイド12の側の後端Pbの上面を押圧することができる。したがって、後端押さえ板31は、最上位の用紙Pの後端Pbの上面を押さえる後端押さえ部材として機能している。積載される用紙Pのサイズに応じて、後端押さえ部材14の設置場所を変えることにより、用紙Pの後端Pbでの押さえる位置を調整できる。
【0037】
後端押さえ板31の押さえ部31aの上に別体の重しを追加で載置することで、後端押さえ板31の押圧力を調整することができる。また、押さえ部31aの下面において、ローラーやボールのような転動体を設けることで、押さえ部31aの用紙Pに対する摩擦抵抗を減らして用紙Pの搬送性を良くして、滑りの悪い用紙にも対応することができる。さらに、後端押さえ板31が用紙Pの後端Pbに加える圧力として自重を利用しているが、バネによる付勢力を追加することで、後端押さえ板31が用紙Pの後端Pbに加える圧力を増加させることもできる。また、適宜の剛性及び長さを持った板状体を押さえ部31aの下面に対して着脱自在に付着することにより、積載される用紙Pのサイズに応じて、用紙Pの後端Pbでの押さえる長さを調節することができる。
【0038】
図6において、左側が固定側面ガイド12の側を示しており、後述する捌き用側方エア24の流通経路の関係から、押さえ部31aが
図6の左側(すなわち固定側面ガイド12の側)に位置するように後端押さえ部材14が組み立てられる。
【0039】
図6及び7は、後端押さえ部材14を、最上位の用紙Pの後端Pbの上面を押さえる後端押さえ部材として使用する場合の形態を示している。また、
図8及び9は、後端押さえ部材14を、積載された用紙Pの後面を揃える後面規制部材として使用する場合の形態を示している。
図6及び7に示した後端押さえ板31を上方にスライド移動させ、後端押さえ板31がガイドピン33を中心に回転可能になった位置で回転させたあと、
図8及び9に示すように、引っ掛かり部31bがガイド部32bの上縁に引っ掛かるようにする。このようにして、後端押さえ部材14を後端押さえ状態から退避状態に切り替えることができる。
【0040】
(給紙装置の側面ガイド)
図3に示すように、給紙ユニット3は、用紙搬送方向Tを後方から見て、右側に固定側面ガイド12を備え、左側に可動側面ガイド13を備える。固定側面ガイド12は、給紙装置7において用紙束Qを用紙幅方向に位置決めするための基準となる側面ガイドであり、給紙ユニット3の右側壁に沿って立設されている。可動側面ガイド13は、給紙台30の上に載置される用紙Pのサイズに応じて、可動側面ガイド13の設置場所を用紙幅方向に適宜に移動することのできる側面ガイドである。
【0041】
固定側面ガイド12には、分離用側方エア吹き出し口62と捌き用側方エア吹き出し口67とが形成されている。分離用側方エア吹き出し口62は、上下に延びるスリット状の開口であり、前面ストッパー11の傾斜面に設けられた分離用前方エア吹き出し口61と同レベルの位置に配設されている。捌き用側方エア吹き出し口67は、分離用側方エア吹き出し口62よりも後方であって分離用側方エア吹き出し口62とおおよそ同レベルの位置に配設されている。分離エア用ポンプ(図示せず)は、図示しない接続体(ホース又はチューブ)を介して、分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62に接続されている。分離用前方エア21及び分離用側方エア22が、分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62からそれぞれ吹き出される。
【0042】
図10は、側方エア吹き出し機構15を示す。側方エア吹き出し機構15は、ファン56と、接続体57(ホース又はチューブ)と、ダクト58と、スライド板59と、を備えている。ファン56は、接続体57(ホース又はチューブ)を介して、ダクト58に接続されている。ダクト58が、スライド板59の外側面に固設されている。スライド板59においては、複数の捌き用側方エア吹き出し口67が用紙搬送方向T(前後方向)に離間して形成されている。ファン56からのエアは、接続体57及びダクト58を流れた後、複数の捌き用側方エア吹き出し口67から捌き用側方エア24としてそれぞれ吹き出される。
【0043】
用紙搬送方向T(前後方向)に延びる長穴65が固定側面ガイド12に形成されているとともに、長穴65に係合するガイドピン66がスライド板59に立設されている。スライド板59は、長穴65及びガイドピン66の係合構造により、固定側面ガイド12に対して用紙搬送方向T(前後方向)にスライド自在であるように構成されている。したがって、スライド板59が用紙搬送方向T(前後方向)にスライド移動することによって、捌き用側方エア24の吹き出し位置を用紙搬送方向T(前後方向)に適宜に変えることができる。
【0044】
なお、側方エア吹き出し機構15において、ファン56やスライド板59は、捌き用側方エア吹き出し口67の開度又は開閉を調節するためのシャッター(図示せず)を備えてもよい。当該シャッターは、シャッターソレノイドによって駆動される。シャッターの位置を変化させることにより、捌き用側方エア吹き出し口67から吹き出される捌き用側方エア24の吹き出し量を調節することができる。さらに、スライド板59はルーバーを備えて、捌き用側方エア24の吹き出し方向を調節することもできる。また、一対の側面ガイドは、用紙幅方向の中心基準線に対して、左右対称に移動可能な可動型側面ガイドとして構成されて、後端押さえ部材14が配設される側面ガイドのいずれか一方において捌き用側方エア吹き出し口67を備える構成であってもよい。
【0045】
(給紙装置の用紙レベル検出)
固定側面ガイド12の左側(内側)であり且つ用紙Pの前端Pfから後方寄りの場所であって給紙台30の上方には、用紙レベル検出センサ35が配置されている。用紙レベル検出センサ35の検出レバー36が斜め下前方に延在して、検出レバー36の下端が、上昇してくる用紙Pの上面に当接するように、検出レバー36が配置されている。検出レバー36の下端は、基本的には、分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62と同レベルになるように位置決めされている。用紙レベル検出センサ35によって、給紙台30の上の最上位の用紙Pのレベルが検出される。なお、用紙レベル検出センサ35は、吸着搬送機構8の搬送ベルト43における下側部分と最上位の用紙Pとの間隔を調節することで用紙Pに対する吸着特性を調節できる調節ダイアルを備えている。すなわち、調節ダイアルを用いて、用紙Pが厚紙である場合には当該間隔を狭くしたり、用紙Pが薄紙である場合には当該間隔を広くしたりすることができる。
【0046】
ところで、給紙装置の使用される環境(高い湿度)やおもて面と裏面における印刷物の収縮率差によっては用紙Pに反りが発生するため、用紙Pの前端Pfがカールする場合がある。用紙Pの前端Pfが上向き又は下向きにカールしている場合、カールした前端Pfを分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62に対して正確に位置決めすることが困難である。とりわけ、給紙動作開始直後の最上位の用紙Pは、エアを吹き付ける前には静電気等で用紙同士が密着した状態にある可能性があるため、最上位の用紙Pの前端Pfの位置を正確に特定することが困難である。そのため、用紙Pの前端Pfのレベルを検出するための用紙前端レベルセンサ37が、用紙Pの前端Pfの上方に配置されている。用紙前端レベル検出センサ37の検出レバー38が、斜め下後方に延在して、検出レバー38の下端が、上昇してくる用紙Pの前端Pfに当接するように、検出レバー38が配置されている。検出レバー38の下端は、基本的には、分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62と同レベルになるように位置決めされている。
【0047】
まず、操作パネルのスタートボタンを通じて給紙開始の信号が入力されると、下記のような吸着・搬送の動作制御が、用紙束Qのうち給紙動作スタート時に最上位にある用紙Pに対して行われる。まず、用紙束Qが載置された給紙台30が上昇する。用紙束Qにおける最上位の用紙Pの前端Pfが、用紙前端レベル検出センサ37の検出レバー38に当接すると、給紙台30の上昇が停止する。給紙台30の停止位置から、最上位の用紙Pの前端Pfのレベルが検出される。給紙台30の停止位置は、最上位の用紙Pの前端Pfの初期位置情報としてRAMに一時的に記憶される。給紙台30は、所定の待機位置まで下降する。そのあと、給紙台昇降モータによる給紙台30の上昇速度が通常の上昇速度の半分程度の低速で、給紙台30が上昇する。そして、最上位の用紙Pの前端Pfの初期位置情報を参照しながら、最上位の用紙Pの前端Pfが、用紙前端レベル検出センサ37の検出レバー38に当接するまで給紙台30が上昇するように、制御部6が制御する。したがって、最上位の用紙Pの前端Pfが検出レバー38の下端位置に対してオーバーランすることなく、最上位の用紙Pの前端Pfが分離用前方エア吹き出し口61及び分離用側方エア吹き出し口62に対向するように、最上位にある用紙Pの位置が正確に決められる。
【0048】
その後、後で詳細に説明されるように、最上位の用紙Pに対して、分離用前方エア21及び分離用側方エア22と、捌き用前方エア23及び捌き用側方エア24とが、吹き付けられる。捌き用前方エア23及び捌き用側方エア24が合流した用紙間隙エア28が、最上位の用紙P及びその下にある数枚程度の用紙Pの間隙に流通することにより、最上位の用紙Pの全体が、上から2番目の用紙Pから離間するように浮揚するので、最上位の用紙Pが捌かれる。そして、浮揚して捌かれた最上位の用紙Pの上面が、搬送ベルト43の下面に吸着する。吸着された最上位の用紙Pが搬送ベルト43によって前方に搬送される。
【0049】
用紙レベル検出センサ35の検出レバー36の下端が、用紙前端レベル検出センサ37の検出レバー38の下端と大略同じレベルに配置されている。そのため、用紙前端レベル検出センサ37を用いて最上位の用紙Pに関する上記吸着・搬送の動作制御を行っているとき、用紙レベル検出センサ35からも最上位の用紙Pの上面に対して当接しているという信号又は非当接であるという信号が発せられる。しかしながら、用紙レベル検出センサ35からの当該信号は、給紙動作開始時に最上位にある用紙Pに関する上記吸着・搬送の制御の利用されることはない。そして、給紙動作開始時に最上位から二番目以降の用紙Pに関する上記吸着・搬送の制御は、用紙レベル検出センサ35を利用して行われて、用紙前端レベル検出センサ37を利用して行われることは無い。
【0050】
(給紙装置の吸着搬送機構)
給紙台30の前部上方に配置された吸着搬送機構8は、前後一対の回転ローラ41,42と、回転ローラ41,42の間に巻き掛けられた吸着式搬送ベルト43と、搬送ベルト43内に配置された吸引ボックス44と、吸引ファン(図示せず)と、を備えている。一対の回転ローラ41,42は、吸着ベルト駆動モータによって回転駆動される。複数の搬送ベルト43が用紙幅方向に離間し且つ用紙搬送方向Tと平行に並んで配置されるとともに、各搬送ベルト43には多数の吸引孔が形成されている。吸引ボックス44の下面には、複数の吸引スリットが形成され、該吸引スリットからエアを吸い込むことができる。
【0051】
吸引ファンの駆動により、吸引ボックス44は、吸引ボックス44の下方にあるエアを上方に吸引し、搬送ベルト43の下面(搬送面)は、分離・捌きの行われた用紙Pの上面を吸着する。その結果、用紙束Qの中から1枚の用紙Pだけが分離される。そして、搬送ベルト43の下面に吸着された用紙Pは、斜行搬送機構9に向けて用紙搬送方向Tに搬送される。
【0052】
吸着搬送機構8においては、用紙幅方向のおおよそ中央に位置する2つの搬送ベルト43の間に、用紙前端レベル検出センサ37が配置されている。用紙前端レベル検出センサ37は、斜め下後方に延びる検出レバー38を有する。検出レバー38の前部が回動自在に支持され、検出レバー38の下端が最上位の用紙Pの前端Pfに当接するように構成されている。また、用紙幅方向のおおよそ中央に位置する2つの搬送ベルト43の間であって搬送ベルト43の下面の近傍には、用紙検出センサ27が配置されている。用紙検出センサ27は、発光素子及び受光素子を備える反射型フォトセンサであり、用紙Pの遮光によって用紙Pの通過を検出することができる。
【0053】
(給紙装置の斜行搬送機構)
吸着搬送機構8の前方に位置する斜行搬送機構9は、吸着搬送機構8によって前方に搬送されてきた用紙Pを、一対の回転ローラ51,52に掛け渡された吸着式搬送ベルト53に載せながら、搬送するようになっている。一対の回転ローラ51,52は、斜行補正駆動モータによって回転駆動される。吸着式搬送ベルト53内には吸引ボックス54が配置されている。搬送ベルト43の上面(搬送面)は、用紙Pの下面を吸着することができる。吸着式搬送ベルト53は、用紙搬送方向Tと平行に延びるガイド壁(図示せず)に対して、少しだけ傾斜するように配設されている。斜行搬送機構9では、用紙Pが、ガイド壁の側に押しやられながら搬送されるので、用紙Pの一側縁がガイド壁に沿った状態で用紙搬送方向Tに搬送される。したがって、吸着搬送機構8によって搬送された用紙Pが用紙搬送方向Tに対して傾斜して搬送されていたとしても、斜行搬送機構9によって用紙Pが用紙搬送方向Tに搬送されるように修正することができる。なお、用紙Pが厚紙である場合には、吸引ボックス54による吸着を可能にして吸着式搬送ベルト53で用紙Pを吸着搬送する。また、用紙Pが薄紙である場合には、吸引ボックス54による吸着を不可にして搬送ベルト53のグリップ力だけで用紙Pを搬送する。
【0054】
用紙幅方向のおおよそ中央に位置する2つの搬送ベルト53の間に、用紙前検出センサ25及び重送検出センサ26が配置されている。用紙検出センサ25は、発光素子及び受光素子を用紙搬送経路10を挟んで配置された透過型フォトセンサであり、用紙Pの遮光によって用紙Pの通過を検出することができる。重送検出センサ26は、超音波の発振器および受振器を用紙搬送経路10を挟んで配置された超音波センサであり、搬送される用紙Pに超音波を当てて、用紙Pを透過した超音波の強度を測定することにより、搬送される用紙Pの重送を検出することができる。
【0055】
(用紙間隙におけるエアの流れ)
図3及び4を参照しながら、給紙工程において用紙Pへのエア吹き付けが行われたとき、用紙Pの間隙においてエアがどのように流れて用紙Pが捌かれるかについて説明する。
【0056】
分離エア用ポンプ(図示せず)、捌き前方エア用ファン(図示せず)及びファン56のそれぞれが起動すると、分離用前方エア吹き出し口61と分離用側方エア吹き出し口62、複数の捌き用前方エア吹き出し口63及び複数の捌き用側方エア吹き出し口67を通じて、分離用前方エア21と分離用側方エア22、捌き用前方エア23及び捌き用側方エア24のそれぞれが、用紙束Qのうちの最上位の用紙Pに向けて吹き出される。すなわち、分離用前方エア吹き出し口61と分離用側方エア吹き出し口62からは、分離用前方エア21と分離用側方エア22が、最上位の用紙Pの右前方コーナー部Prcに向けて略水平に吹き出される。複数の捌き用前方エア吹き出し口63からは、捌き用前方エア23が最上位の用紙Pの前端Pfに向けて略水平に吹き出される。捌き用側方エア吹き出し口67からは、捌き用側方エア24が、最上位の用紙Pの右端Prに向けて略水平に吹き出される。
【0057】
比較的高圧の分離用前方エア21及び分離用側方エア22によって、最上位の用紙Pの右前方コーナー部Prcが、上から2枚目の用紙Pから少し浮き上がって局部的に分離される。比較的大きな容量の捌き用前方エア23が、局部的に分離された用紙Pの右前方コーナー部Prcを基点にして、最上位の用紙Pの前方から後方に向けて、最上位の用紙P及びその下にある数枚程度の用紙Pにおける各用紙間隙に送り込まれる。同様に、比較的大きな容量の捌き用側方エア24も、局部的に分離された用紙Pの右前方コーナー部Prcを基点にして、最上位の用紙Pの右端Prから左端Plに向けて、最上位の用紙P及びその下にある数枚程度の用紙Pにおける各用紙間隙に送り込まれる。捌き用側方エア24は、前方から後方に流れる捌き用前方エア23によって斜め後方に偏向されるとともに、可動側面ガイド13の内面でブロックされることで後方に偏向される。各用紙間隙に送り込まれた捌き用側方エア24は、用紙Pの中央部分付近で捌き用前方エア23と合流し、用紙間隙エア28を形成する。用紙間隙エア28は、各用紙間隙を流通しながら用紙Pの後端Pbに向けて流れる。なお、エアが用紙間隙を流通する過程で、各用紙Pの広い領域が膨らもうとし、特に、
図4に示すように、可動側面ガイド13の側の用紙Pの左端Plが大きく膨らもうとする。
【0058】
ところで、固定側面ガイド12の側の用紙Pの後端Pbでは、用紙Pの後端Pbが後端押さえ部材14で押さえつけられて用紙間隙が実質的に閉じられているため、用紙間隙エア28が流通することができない。これに対して、可動側面ガイド13の側の用紙Pの後端Pbでは、用紙Pの後端Pbが後端押さえ部材14で押さえつけられていないため、後端エア出口29(すなわち用紙間隙エア28が流通する開口)が用紙Pの後端Pbに形成される。このように、用紙Pの後端Pbにおいて、固定側面ガイド12の側の一部分が後端押さえ部材14で押さえつけられてエアの流通がブロックされているのに対して、可動側面ガイド13の側の他の部分がフリーになってエアの流通が可能になっている。その結果、用紙間隙エア28は、後端エア出口29に向けて各用紙間隙を流通して、後端エア出口29を通じて用紙Pの後端Pbから流出する。
【0059】
最上位の用紙P及びその下にある数枚程度の用紙Pにおいては、捌き用前方エア23及び捌き用側方エア24が、用紙間隙エア28として、各用紙間隙に流通して用紙Pの広い領域に行き渡る。これにより、
図4に示すように、最上位の用紙Pの全体が、上から2番目の用紙Pから離間するように浮揚するので、最上位の用紙Pが捌かれる。そして、浮揚して捌かれた最上位の用紙Pの上面が、搬送ベルト43の下面に吸着する。吸着された最上位の用紙Pが搬送ベルト43によって前方に搬送される。
【0060】
(この発明の変形例)
図12は、可動側面ガイド13の変形例を示す。変形例に係る可動側面ガイド13は、略L字状に折れ曲がった形状のベース部材41と、ガイド板42と、を備えている。ベース部材41は、底面部41a及びガイド部41bを有する。底面部41aが、給紙台30の上面に配置され、底面部41aの上に用紙束Qが載置され、底面部41aが給紙台30の上面と最下位の用紙Pの下面との間で挟まれる。ガイド部41bは、用紙束Qの可動側の側面を規制する。ガイド部41bには、着脱自在のタブ47が取り付けられている。用紙搬送方向に延びるガイド板42は、用紙搬送方向Tに延びる長穴42aを有する。タブ47及び長穴42aの係合構造により、ガイド板42がベース部材41のガイド部41bに対して用紙搬送方向T(前後方向)にスライド自在であるように構成されている。したがって、ベース部材41のガイド部41bに対するガイド板42の係合位置を変えることによって可動側面ガイド13の用紙搬送方向Tの長さを調節することができる。変形例に係る可動側面ガイド13は、用紙サイズに応じて用紙搬送方向Tの長さを調節でき、用紙間隙を流通する用紙間隙エアが流出しにくくする可変長のブロック壁として機能する。なお、給紙台30が磁性を持った鉄、ニッケル、コバルトを含む金属材料からできている場合、ベース部材41の底面部41aの下面において、給紙台30の上面に対して着脱自在に付着する磁性シート等の付着部材41dを貼着することもできる。
【0061】
用紙搬送方向長さの異なった複数の可動側面ガイド13を準備して、用紙サイズに応じて可動側面ガイド13を使い分けることもできるが、変形例に係る1つの可動側面ガイド13では、可動側面ガイド13の長さを用紙搬送方向T(前後方向)に調節することによって様々な用紙サイズに対応することができる。したがって、部品点数及びコストの削減に寄与する。
【0062】
図13は、後端押さえ部材14の変形例を示す。変形例に係る後端押さえ部材14は、後端押さえ板31及び側面支持板34を備えている。後端押さえ板31は、押さえ部31a及び支持部31cを有して、押さえ部31aが支持部31cに対して略L字状に折れ曲がっている。押さえ部31aは、用紙幅方向に延びて、用紙Pの上面に当接する。側面支持板34の支持部34bは、上下方向に延びる長穴34cを有する。側面支持板34は、固定側面ガイド12又は可動側面ガイド13のいずれか一方の内面に取り付けられる。好ましくは、側面支持板34が固定側面ガイド12に取り付けられる。
【0063】
ガイドピン33が支持部31cに立設されている。ガイド部34bの幅方向略中央部分には、上下方向に延びてガイドピン33が挿通されるガイド孔34cが形成されている。ガイド孔34cの長さが、積載される用紙Pの高さよりも大きく、且つ、ガイド孔34cの幅が、ガイドピン33がガイド孔34cに沿って上下にスライド移動できるように、それぞれ寸法構成されている。後端押さえ板31が側面支持板34に対して上下に移動することができるので、積載される用紙Pの量(用紙束Qの高さ)に応じて押さえ部31aの位置が適宜に変化する。そして、後端押さえ板31の自重によって、押さえ部31aが、積載された最上位の用紙Pにおいて、固定側面ガイド12の側の後端Pbの上面を押圧することができる。したがって、後端押さえ板31は、最上位の用紙Pの後端Pbの上面を押さえる後端押さえ部材として機能する。
【0064】
例えば、
図13に示すように、側面支持板34が、捌き用側方エア吹き出し口67を有する固定側面ガイド12に取り付けられる場合、押さえ部31aが、用紙Pの後端Pbのうち固定側面ガイド12側の一部分を押圧するように、押さえ部31aが構成されている。また、固定側面ガイド12が捌き用側方エア吹き出し口67を有するとともに、側面支持板34が、捌き用側方エア吹き出し口67を有しない可動側面ガイド13に取り付けられる場合であっても、固定側面ガイド12側の一部分だけを押圧することができる。すなわち、押さえ部31aとしての当接下面が下方に突出し、当接下面を支える支持上面が固定側面ガイド12の近傍まで延びるように構成した段差構造により、用紙Pの後端Pbのうち可動側面ガイド13側の一部分を押圧することなく、固定側面ガイド12側の一部分を押圧するようにすることもできる。
【0065】
なお、固定側面ガイド12又は可動側面ガイド13が磁性を持った鉄、ニッケル、コバルトを含む金属材料からできている場合、支持部34bの外側面において、固定側面ガイド12又は可動側面ガイド13の内面に対して着脱自在に付着する磁性シート等の付着部材34dを貼着することもできる。