(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明は、改質された表面張力、新規な化学官能性、および化学分解に対する向上された耐性によって様々に特徴付けられる表面改質芳香族ポリイミドナノウェブを提供する。本明細書の表面改質芳香族ポリイミドナノウェブは、ろ過媒体として、および電池、特にリチウムイオン電池のセパレータとして有用である。
【0023】
本発明の趣旨では、「不織」という用語のISO 9092の定義を使用するものとする:紙ならびに、結合用の糸またはフィラメントを組み込んだ、織物製品、編物製品、タフト化された(tufted)製品、ステッチボンドされた(stitch−bonded)製品、または追加のニードリングの有無にかかわらず湿式縮絨によってフェルト化された製品を除く、摩擦、および/または粘着および/または接着によって結合される、方向性のあるまたはランダムに配向された繊維の製造されたシート、ウェブまたはバット(batt)。これらの繊維は、天然由来または合成由来のものであり得る。それらは、ステープルフィラメントまたは連続フィラメントであっても、またはその場で形成されてもよい。本明細書において用いられる「ナノウェブ」という用語は、繊維が、1マイクロメートル未満の断面直径を特徴とする指定された「ナノ繊維」である不織物品の部分集合を表す。本明細書において用いられるナノウェブは、比較的平坦で、可撓性でかつ多孔質の平面構造を画定し、1つ以上の連続フィラメントを敷置することによって形成される。
【0024】
本明細書において使用される際の「ナノ繊維」という用語は、1000nm未満、さらには800nm未満、さらには約50nm〜500nm、さらには約100〜400nmの数平均直径を有する繊維を指す。非円形断面のナノ繊維の場合、本明細書において使用される際の「直径」という用語は、最大断面寸法を指す。
【0025】
本発明に用いられるナノ繊維は、1つ以上の全芳香族ポリイミドから本質的になる。例えば、本発明に用いられるナノ繊維は、80重量%超の1つ以上の全芳香族ポリイミド、90重量%超の1つ以上の全芳香族ポリイミド、95重量%超の1つ以上の全芳香族ポリイミド、99重量%超の1つ以上の全芳香族ポリイミド、99.9重量%超の1つ以上の全芳香族ポリイミド、または100重量%の1つ以上の全芳香族ポリイミドから製造され得る。
【0026】
本発明に適したナノウェブは、ポリアミド酸(PAA)溶液のエレクトロブロー、静電紡糸、またはメルトブローからなる群から選択されるプロセスによって作製することができ、続いて、このように作製されたPAAナノウェブのイミド化が行われる。以下に示される特定の実施形態に用いられるナノウェブは、エレクトロブローによって製造された。ナノウェブを形成するためのポリマー溶液のエレクトロブローは、Kim et al.の米国特許出願公開第2005/0067732号明細書にかなり詳細に記載されている。
【0027】
芳香族ポリイミドのナノ繊維を含むナノウェブは、本発明の実施に適している。芳香族ポリイミドは、そのポリマー主鎖繰り返し単位中に少なくとも1つの芳香族部分を有すると特徴付けられる。簡潔にするために、本明細書において用いられる際の「ナノウェブ」という用語は、「芳香族ポリイミドのナノ繊維を含むナノウェブ」を意味することが理解されるものとする。好適なナノウェブは、そのポリマー主鎖繰り返し単位中に少なくとも1つの芳香族部分を有すると特徴付けられるポリアミド酸のイミド化によって形成される。好適なPAAは、少なくとも1つのカルボン酸二無水物と、少なくとも1つのジアミンと(そのうちの少なくとも1つは芳香族である)の縮合重合によって製造される。
【0028】
一実施形態において、芳香族ポリイミドは全芳香族ポリイミドである。「全芳香族ポリイミドナノウェブ」という用語は、PAAが少なくとも1つの芳香族カルボン酸二無水物と少なくとも1つの芳香族ジアミンとの縮合重合によって製造されるPAAナノウェブのイミド化によって形成されるナノウェブを指す。一実施形態において、本明細書において使用するのに適した全芳香族ポリイミドナノウェブは、少なくとも90%がイミド化されたポリイミドを含み、ここで、ポリマー主鎖中の隣接するフェニル環の間の結合の少なくとも95%が、共有結合またはエーテル結合によって行われる。最大で25%、好ましくは最大で20%、最も好ましくは最大で10%の結合が、脂肪族炭素、硫化物、スルホン、リン化物、またはホスホン(phosphone)官能基またはそれらの組合せによって行われ得る。ポリマー主鎖を構成する芳香環の最大で5%が、脂肪族炭素、硫化物、スルホン、リン化物、またはホスホンの環置換基を有し得る。90%がイミド化されたとは、ポリアミド酸前駆体のアミド酸官能基の90%がイミドに転化されたことを意味する。好ましくは、全芳香族ポリイミドは、脂肪族炭素、硫化物、スルホン、リン化物、またはホスホンを含有しない。
【0029】
好適な芳香族二無水物としては、限定はされないが、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、およびそれらの混合物が挙げられる。好適な芳香族ジアミンとしては、限定はされないが、オキシジアニリン(ODA)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(RODA)、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましい二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、およびそれらの混合物が挙げられる。好ましいジアミンとしては、オキシジアニリン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、およびそれらの混合物が挙げられる。最も好ましいのは、PMDAおよびODAである。
【0030】
好適な全芳香族ポリイミドは、構造式
【化1】
によって表され、式中、n≧500、好ましくは≧1000であり、ArおよびAr’がそれぞれ、独立して、限定はされないが、ベンゼン、ナフタレン、ビフェニル、ジフェニルアミン、ベンゾフェノン、ジフェニルアルケニルを含む芳香族化合物から形成される芳香族基であり、ここで、アルケニルは、1〜3個の炭素、ジフェニルスルホン、ジフェニルスルフィド、ジフェニルホスホン(diphenylphosphone)、リン酸ジフェニル、ピリジン、
【化2】
を含み、式中、R1、R2、およびR3が、独立して、1〜3個の炭素を有するアルケニル基である。
【0031】
一実施形態において、ポリイミドナノウェブは、以下の構造によって表される繰返し単位を有する、ピロメリット酸二無水物(PMDA)およびオキシ−ジアニリン(ODA)から形成されるポリイミドナノ繊維から本質的になる。
【化3】
ポリイミドは、典型的に、繰り返し単位を形成する縮合反応物の名前で呼ばれる。本明細書においてはその慣例にしたがう。したがって、構造Iによって表される繰返し単位から本質的になるポリイミドは、PMDA/ODAと表される。
【0032】
本明細書における本発明は、それによって限定されないが、重合方法が、芳香族ポリイミドナノウェブの化学的不活性に影響を与え得ると考えられる。過剰の二無水物は、化学的に活性な水素を有するアミン末端基を有するポリイミドをもたらす。やや過剰な二無水物を有するように化学量論量を調整することによってまたは無水フタル酸などの一無水物でアミンを末端封止することによって、それらの活性な水素は非活性化される。
【0033】
ポリアミド酸は、まず、溶液中で製造され;典型的な溶媒は、ジメチルアセトアミド(DMAC)またはジメチルホルムアミド(DMF)である。本発明の実施に適した一方法において、ポリアミド酸の溶液は、Kim et al.(前掲)に記載され、以下に詳細に記載されるように、エレクトロブローによってナノウェブへと成形される。本発明の実施に適した代替的な方法において、ポリアミド酸の溶液は、Huang et al.,Adv.Mat.DOI:10.1002/adma.200501806に記載されるように、静電紡糸によってナノウェブへと成形される。本発明に用いられる全芳香族ポリイミドは、高度に不溶性である。本発明の実施者は、まず、ポリアミド酸からナノウェブを形成した後、このように形成されたナノウェブをイミド化しなければならない。
【0034】
そのように形成されるポリアミド酸ナノウェブのイミド化は、まず、ナノウェブを、窒素パージによって真空オーブン中約100℃の温度で溶媒抽出にさらすことによって好都合に行うことができ;抽出後、次に、ナノウェブを、約10分以下、好ましくは5分以下にわたって300〜350℃の温度に加熱して、ナノウェブを完全にイミド化する。本明細書の方法にしたがうイミド化により、少なくとも90%、好ましくは100%のイミド化が得られる。大抵の状況下で、分析方法は、長いイミド化時間の後でさえ、100%のイミド化がめったに達成されないことを示す。実用的な目的のために、時間曲線に対するイミド化のパーセンテージの傾きがゼロであるとき、完全なイミド化が達成される。
【0035】
本発明の実施に適した芳香族ポリイミドナノウェブは、少なくとも0.2の結晶化指数を特徴とするいわゆる強化されたナノウェブであり得る。一実施形態において、強化されたナノウェブは、少なくとも0.2の結晶化指数を有するPMDA/ODAのナノ繊維から本質的になる。強化された芳香族ポリイミドナノウェブは、強化されていない対応する芳香族ポリイミドナノウェブに対して、より高い強度、より低い電解質溶媒吸収、および電解質溶媒による物理的特性の低下の減少を特徴とする。強化された芳香族ポリイミドナノウェブの特性の観察される強化は、強化されたナノウェブを製造するためのプロセス中に進行する結晶化度の増加によって少なくとも部分的に説明されると考えられる。
【0036】
本発明に使用するのに適した、強化された芳香族ポリイミドナノウェブは、アニーリング範囲内で芳香族ポリイミドナノウェブを加熱することによって製造される。アニーリング範囲は、材料の組成に大きく左右される。PMDA/ODAの場合、アニーリング範囲は400〜500℃である。BPDA/RODAの場合、アニーリング範囲は約200℃であり;BPDA/RODAは、400℃まで加熱されると分解する。一般的には、本明細書の方法において、アニーリング範囲は、そのイミド化温度を少なくとも50℃超える温度で開始する。本発明の趣旨では、所与の芳香族ポリアミド酸ナノウェブのためのイミド化温度は、熱重量分析において、50℃/分の加熱速度で、重量損失%/℃が、±0.005%(単位は重量%)および±0.05℃の精度で、1.0未満、好ましくは0.5未満まで減少する500℃未満の温度である。全芳香族ポリイミドナノウェブは、5秒間〜20分間、好ましくは5秒間〜10分間の期間にわたってアニーリング範囲内で加熱される。
【0037】
一実施形態において、溶液からの縮合重合と、その後のナノウェブのエレクトロブローによって生成されるPMDA/ODAアミド酸ナノウェブは、まず、真空オーブン中約100℃まで加熱されて、残留溶媒が除去される。溶媒除去の後、ナノウェブは、300〜350℃の範囲の温度まで加熱され、アミド(amic)官能基の少なくとも90%がイミド官能基に転化(イミド化)されるまで、好ましくは、アミド官能基の100%がイミド化されるまで、15分未満、好ましくは10分未満、最も好ましくは5分未満の期間にわたって保持される。次に、このようにイミド化されたナノウェブは、0.2の結晶化指数が得られるまで、5秒間〜20分間の期間にわたって、400〜500℃の範囲、好ましくは400〜450℃の範囲の温度まで加熱される。
【0038】
本明細書において用いられるパラメータ「結晶化指数」は、広角X線回折(WAXD)から測定される相対的な結晶化度パラメータを指す。WAXD走査は、1)バックグラウンド信号;2)秩序正しいが非晶質の領域からの散乱;3)結晶領域からの散乱からなる。バックグラウンドを差し引いた走査曲線全体の下側の積分に対する、結晶ピークとして同定されるピークの下側の積分の比率が結晶化指数である。
【0039】
一態様において、本発明は、芳香族ポリイミドのナノ繊維を含むナノウェブを含む物品であって、前記ナノウェブが、表面を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む物品を提供する。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0040】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0041】
本明細書において使用するのに適したナノウェブは、自由表面積を有すると特徴付けられるランダムに重なり合う繊維で構成される。ナノウェブの自由表面積は、液体または気体試薬による接触に利用できる表面積である。ナノウェブの自由表面積は、実質的に、各構成繊維の表面積の合計から、2つ以上の繊維の重なりによって塞がれる面積を差し引いたものである。窒素吸着、水銀ポロシメトリー、およびヘリウムピクノメトリーなどの、自由表面積を直接測定するための方法が周知である。本発明の趣旨では、好適なポリイミドナノウェブは、20〜80%の多孔率を特徴とする。一実施形態において、多孔率は、30〜60%の範囲である。
【0042】
別の態様において、本発明は、芳香族ポリイミドナノウェブの表面を化学的に変化させるための方法であって、1〜240分間の期間にわたって室温から150℃までの範囲の温度で、芳香族ポリイミドナノウェブを、第一級アミンの溶液と接触させる工程を含み、前記第一級アミンが、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む方法を提供する。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0043】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0044】
アミン溶液の濃度に対する制限は特にないが、約1重量%以下の濃度における本発明の実施において、ポリイミドナノウェブ表面に対する観察可能な影響がほとんどないことが分かっている。
【0045】
ポリイミドナノウェブ表面のアミド化の後、このように処理されたナノウェブを、数種のトルエン洗浄剤ですすいで、未反応のアミンを除去するのが望ましい。場合によっては、アミド化されたポリイミドナノウェブを乾燥させるのが望ましい。乾燥は、95℃で行うことができる。
【0046】
本明細書の方法の一実施形態において、第一級アミンの溶液は、0.1〜0.5Mの範囲の濃度を有する。一実施形態において、期間は、1〜60分間の範囲である。
【0047】
脂肪族アミンの溶液を形成するのに適した溶媒としては、限定はされないが、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、トルエン、およびキシレンが挙げられる。一実施形態において、溶媒は、N,N−ジメチルホルムアミドである。本発明の実施に適した脂肪族アミンとしては、限定はされないが、オクタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、またはドデシルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒスタミン、エチレンジアミンが挙げられる。
【0048】
別の態様において、本発明は、固体と流体との混合物を、表面改質ポリイミドナノウェブの表面に湿式に衝突させて、前記混合物の流体富化部分が、前記表面改質ポリイミドナノウェブを通って輸送される一方、前記混合物の固体富化部分が輸送されないようにする工程を含むろ過方法であって;前記表面改質ポリイミドナノウェブが、芳香族ポリイミドのナノ繊維を含むナノウェブを含み、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む方法を提供する。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0049】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0050】
本方法の一実施形態において、ナノ繊維は、1000nm未満、さらには800nm未満、さらには約50nm〜500nm、さらには約100〜400nmの数平均直径を有すると特徴付けられる。非円形断面のナノ繊維の場合、本明細書において使用される際の「直径」という用語は、最大断面寸法を指す。
【0051】
本方法の一実施形態において、芳香族ポリイミドは全芳香族ポリイミドである。他の実施形態において、全芳香族ポリイミドはPMDA/ODAである。
【0052】
本明細書のナノウェブは、流体流れから微粒子物質を除去するためのいわゆる深層ろ過に適している。一実施形態において、流体混合物は、中に取り込まれた粒状物質を保持するガスである。代替的な実施形態において、流体混合物は、中に取り込まれた粒状物質を保持する液体である。他の実施形態において、ガスは、複数種のガスの混合物である。代替的な実施形態において、液体は、複数種の液体の混合物である。本発明の表面改質芳香族ポリイミドナノウェブは、液体に対するその表面の親和性が第二級アミドのヒドロカルビル基の具体的な選択に応じて調整可能であるという特性を有する。例えば、比較例Aに示されるように、アミド化によって表面改質しなかった芳香族ポリイミドナノウェブの水接触角が105°であった一方、実施例9において、オクタデシルアミンによるアミド化の後、接触角は146°であった。これは、疎水性の大幅な増加を示す。本明細書の表面改質芳香族ポリイミドナノウェブは、強塩基性条件および高い水蒸気含量を特徴とする環境におけるろ過用途に特に適している。本明細書の表面改質ポリイミドナノウェブは、水蒸気の存在下で、かなり減少された膨張を示すと同時に緩和された寸法不安定性を示す。流体の輸送は、重力、圧力、および毛管作用などの従来の手段によって行われ得る。
【0053】
別の態様において、本発明は、分離される混合物を導入するための第1のポートと、ろ液を排出するための第2のポートとを備えたハウジングを含むろ過装置であって、前記ハウジングが、表面改質芳香族ポリイミドナノウェブを含み、表面改質芳香族ポリイミドナノウェブは、前記混合物の流体富化部分が前記表面改質ポリイミドナノウェブを通って輸送される一方、前記混合物の固体富化部分が輸送されないように、前記混合物がその表面に湿式に衝突するように封止的に配置され;前記表面改質ポリイミドナノウェブが、芳香族ポリイミドのナノ繊維を含むナノウェブを含み、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む装置を提供する。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0054】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0055】
ろ過装置の一実施形態において、ナノ繊維は、1000nm未満、さらには800nm未満、さらには約50nm〜500nm、さらには約100〜400nmの数平均直径を特徴とする。非円形断面のナノ繊維の場合、本明細書において使用される際の「直径」という用語は、最大断面寸法を指す。
【0056】
ろ過装置の一実施形態において、芳香族ポリイミドは全芳香族ポリイミドである。他の実施形態において、全芳香族ポリイミドはPMDA/ODAである。
【0057】
一実施形態において、ろ過装置は、表面改質芳香族ポリイミドナノウェブの厚さにわたる圧力差の結果としての前記ナノウェブの変形を防ぐための剛性支持部材をさらに含む。前記剛性支持部材は、ナノウェブを出るときのろ液の自由な流れを可能にする開放設計構造のものである。ろ過装置の一実施形態が、
図1に示される。
図1を参照すると、11は、内部空間12を画定するハウジングである。好適なハウジングは、具体的なろ過用途に適した任意の材料から作製され得る。多くの用途では、特に316型のステンレス鋼が、許容可能なハウジング材料である。図示されるように、ハウジングは、ろ過される混合物が内部空間12に導入される入力ポート13と、ろ液が除去される出口ポート14とを備えている。本明細書の表面改質芳香族ポリイミドナノウェブ15は、開放構造を有する剛性支持部材16と組み合わされて、フィルタ部材17が形成される。フィルタ部材17は、ろ液と固体を隔てるように内部空間12内に配置され、漏れを防ぐためのシール18の使用によって内部に封止的に取り付けられる。当該技術分野において公知であり、かつ具体的なろ過用途に適した任意の封止手段が、本発明の実施に適している。好適な封止手段としては、Oリング、ガスケット(ゴム製および金属製の両方)、コーキング、グリースなどが挙げられる。
【0058】
上記の説明において、「適した」という用語は、一方で、構成材料が、腐食、亀裂、または他の劣化を起こさないように、他方で、流体流れの汚染を避けるように考慮して、ろ過装置の構成材料が、分離される混合物の化学的性質、およびろ過の温度によって選択されなければならないことを意味することが理解されるものとする。
【0059】
別の態様において、本発明は、第1の電極材料と、第2の電極材料と、第1の電極材料と第2の電極材料との間に配置され、それらと接触する多孔質セパレータとを含む多層物品であって、多孔質セパレータは、複数のナノ繊維を含むナノウェブを含み、ナノ繊維が、芳香族ポリイミドから本質的になり、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む多層物品を提供する。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0060】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0061】
ろ過装置の一実施形態において、ナノ繊維は、1000nm未満、さらには800nm未満、さらには約50nm〜500nm、さらには約100〜400nmの数平均直径を特徴とする。非円形断面のナノ繊維の場合、本明細書において使用される際の「直径」という用語は、最大断面寸法を指す。
【0062】
多層物品の一実施形態において、芳香族ポリイミドは全芳香族ポリイミドである。他の実施形態において、全芳香族ポリイミドはPMDA/ODAである。
【0063】
一実施形態において、第1および第2の電極材料は異なっており、本明細書の多層物品は、電池に有用である。代替的な実施形態において、第1および第2の電極材料は同じであり、本明細書の多層物品は、コンデンサ、特に「電気二重層コンデンサ」として知られている種類のコンデンサに有用である。
【0064】
一実施形態において、第1の電極材料、セパレータ、および第2の電極材料は、積層体の形態で互いに接着して接触している。一実施形態において、各電極材料は、1つ以上のポリマーおよび他の添加剤と組み合わされて、2つの反対面を有するナノウェブセパレータの表面に接着して塗布されるペーストが形成される。接着積層体を形成するために、圧力および/または熱が加えられ得る。
【0065】
本発明の多層物品がリチウムイオン電池に有用である一実施形態において、第1の電極材料は、Liイオンのための挿入材料(intercalating material)を含む負極材料である。一実施形態において、負極材料は、炭素、黒鉛、コークス、チタン酸リチウム、Li−Sn合金、Si、C−Si複合体、およびそれらの混合物からなる群から選択される。他の実施形態において、第2の電極材料は、リチウムコバルト酸化物、リン酸鉄リチウム、リチウムニッケル酸化物、リン酸マンガンリチウム、リン酸コバルトリチウム、MNC(LiMn(1/3)Co(1/3)Ni(1/3)O2)、NCA(Li(Ni1−y−zCoyAlz)O2)、リチウムマンガン酸化物、およびそれらの混合物からなる群から選択される正極材料である。
【0066】
一実施形態において、本明細書の多層物品は、第1または第2の電極材料の少なくとも1つと接着して接触する少なくとも1つの金属製集電器をさらに含む。好ましくは、本明細書の多層物品は、各電極材料と接着して接触する金属製集電器をさらに含む。
【0067】
本発明の多層物品の他の実施形態において、少なくとも1つの電極材料は、集電器として働く非多孔質の金属製シート上に塗布される。好ましい実施形態において、両方の電極材料がそのように塗布される。本明細書の電気化学セルの電池実施形態において、金属製集電器は、異なる金属を含む。本明細書の電気化学セルのコンデンサ実施形態において、金属製集電器は、同じ金属を含む。本発明に使用するのに適した金属製集電器は、好ましくは金属箔である。
【0068】
図2は、本発明の多層物品の一実施形態を示す。
図2を参照すると、図中に示される本発明の多層物品は、負極22と正極23との間に配置される、全芳香族ポリイミドから本質的になるポリイミドナノ繊維から本質的になる多孔質ナノウェブセパレータ21を含み、各電極はそれぞれ、非多孔質の導電性の金属箔24aおよび24b上に付着される。一実施形態において、負極22は、炭素、好ましくは黒鉛を含み、金属箔24aは銅箔である。別の実施形態において、正極23は、リチウムコバルト酸化物、リン酸鉄リチウム、またはリチウムマンガン酸化物であり、金属箔24bはアルミニウム箔であり、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、ヒドロカルビル基はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0069】
一実施形態において、多層物品は、
第1の金属製集電器を含む第1の層と;
第1の金属製集電器と接着して接触する、第1の電極材料を含む第2の層と;
第1の電極材料と接着して接触する、芳香族ポリイミドナノウェブを含む第3の層であって、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む第3の層と、
芳香族ポリイミドナノウェブと接着して接触する、第2の電極材料を含む第4の層と;
第2の電極材料と接着して接触する、第2の金属製集電器を含む第5の層とを含む。
【0070】
ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0071】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0072】
一実施形態において、第1の層は銅箔であり、第2の層は、炭素、好ましくは黒鉛である。他の実施形態において、第3の層の芳香族ポリイミドナノウェブは、強化された芳香族ポリイミドナノウェブである。他の実施形態において、第3の層の芳香族ポリイミドナノウェブは、全芳香族ポリイミドナノウェブである。他の実施形態において、第3の層の全芳香族ポリイミドナノウェブは、強化された全芳香族ポリイミドナノウェブである。他の実施形態において、第3の層の全芳香族ポリイミドナノウェブは、PMDA/ODAである。他の実施形態において、第3の層のPMDA/ODAナノウェブは、強化されたPMDA/ODAナノウェブである。別の実施形態において、第4の層はリチウムコバルト酸化物であり、第5の層はアルミニウム箔である。
【0073】
一実施形態において、第1の層は銅箔であり、第2の層は、炭素、好ましくは黒鉛であり、第3の層は、PMDA/ODAのナノ繊維から本質的になるナノウェブであり、第4の層はリチウムコバルト酸化物であり、第5の層はアルミニウム箔であり、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0074】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0075】
他の実施形態において、箔は、両面に正または負の電気活性材料が塗布される。
図3に示されるように、これにより、両面の箔を、本明細書の芳香族ポリイミドナノウェブと交互に層状に重ねることによって、任意のサイズ(および電圧)の角型のスタックを迅速に形成することができる。そのように示されるスタックは、典型的に、電解質溶液32で満たされたハウジング31中に配置される。
図2に示されるように、スタックは、本発明の複数の相互に連結された多層物品を含む。
図3を参照すると、複数の多孔質ポリイミドナノウェブセパレータ21には、負極22、および正極23の交互の層が積み重ねられている。一実施形態において、負極材料22は、銅箔24aの両面に付着される、炭素、好ましくは黒鉛であり、正極材料23は、アルミニウム箔24bの両面に付着されるリチウムコバルト酸化物であり、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0076】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0077】
本発明の物品の代替的な実施形態が、
図4aに示される。
図4aを参照すると、本発明の物品は、負極22と正極23との間に配置される、全芳香族ポリイミドのナノ繊維から本質的になる、本発明に使用するのに適した多孔質ナノウェブセパレータ21を含み、各電極が、ナノウェブの両面に直接付着され、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む。ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0078】
電極材料は、ペースト押し出し、印刷を含む当該技術分野において周知のような方法によってナノウェブ上に付着される。一実施形態において、負極は、炭素、好ましくは黒鉛を含む。別の実施形態において、正極は、リチウムコバルト酸化物、リン酸鉄リチウム、またはリチウムマンガン酸化物、好ましくはリチウムコバルト酸化物を含む。
【0079】
図4aの形態の他の実施形態が、
図4bに示され、
図4bでは、図示されるように、金属箔24の層が、
図4aの構造に追加されている。好ましい実施形態において、
図4bの多層構造は、表面間の密着および層間の接着を得るように積層される。
【0080】
別の態様において、本発明は、内部に配置されるハウジングと、電解質と、電解質に少なくとも部分的に浸漬される多層物品とを含む電気化学セルであって;多層物品が、第1の金属製集電器と、第1の金属製集電器と導電接触する第1の電極材料と、第1の電極材料とイオン伝導接触する第2の電極材料と、第1の電極材料と第2の電極材料との間に配置され、それらと接触する芳香族ポリイミドナノウェブセパレータと;第2の電極材料と導電接触する第2の金属製集電器とを含み、芳香族ポリイミドナノウェブセパレータが、複数のナノ繊維を含むナノウェブを含み、ナノ繊維が、芳香族ポリイミドから本質的になり、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む。
【0081】
ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0082】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0083】
ろ過装置の一実施形態において、ナノ繊維は、1000nm未満、さらには800nm未満、さらには約50nm〜500nm、さらには約100〜400nmの数平均直径を特徴とする。非円形断面のナノ繊維の場合、本明細書において使用される際の「直径」という用語は、最大断面寸法を指す。
【0084】
電気化学セルの一実施形態において、芳香族ポリイミドは全芳香族ポリイミドである。他の実施形態において、全芳香族ポリイミドはPMDA/ODAである。
【0085】
本明細書の電気化学セルの一実施形態において、多層物品の第1の層は銅箔であり、多層物品の第2の層は、炭素、好ましくは黒鉛である。本明細書の電気化学セルの他の実施形態において、第3の層の芳香族ポリイミドナノウェブセパレータは、強化された芳香族ポリイミドナノウェブを含む。他の実施形態において、第3の層の芳香族ポリイミドナノウェブセパレータは、全芳香族ポリイミドナノウェブを含む。他の実施形態において、第3の層の全芳香族ポリイミドナノウェブセパレータは、強化された全芳香族ポリイミドナノウェブを含む。他の実施形態において、第3の層の全芳香族ポリイミドナノウェブは、PMDA/ODAを含む。他の実施形態において、第3の層のPMDA/ODAナノウェブセパレータは、強化されたPMDA/ODAナノウェブを含む。別の実施形態において、第4の層はリチウムコバルト酸化物であり、第5の層はアルミニウム箔である。
【0086】
一実施形態において、第1の層は銅箔であり;第2の層は、炭素、好ましくは黒鉛であり;第3の層は、PMDA/ODAのナノ繊維から本質的になるナノウェブであり;第4の層はリチウムコバルト酸化物であり;第5の層はアルミニウム箔であり、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む。
【0087】
ヒドロカルビル基は、飽和またはオレフィン性不飽和であり得、芳香族置換基を含み得る。一実施形態において、ヒドロカルビル基は飽和炭化水素である。他の実施形態において、炭化水素はアルキル基である。他の実施形態において、アルキル基は、n−アルキル基の形態である。他の実施形態において、n−アルキル基は、10〜30個の炭素長の範囲である。さらに他の実施形態において、n−アルキル基は、15〜20個の炭素長である。
【0088】
一実施形態において、前記官能基は、酸素、窒素、または硫黄を含む官能基をさらに含む。他の実施形態において、酸素、窒素、または硫黄を含む前記官能基はアミノ基である。
【0089】
本明細書の電気化学セルの一実施形態において、第1および第2の電極材料は異なっており、本明細書の電気化学セルは、電池、好ましくはリチウムイオン電池である。本明細書の電気化学セルの代替的な実施形態において、第1および第2の電極材料は同じであり、本明細書の電気化学セルは、コンデンサ、好ましくは電気二重層コンデンサである。電極材料が同じであることが本明細書に記載されている場合、電極材料が同じ化学組成を含むことを意味する。しかしながら、電極材料は、粒度などのいくつかの構造構成要素が異なり得る。
【0090】
図3を再度参照すると、本発明の電気化学セルは、
図3に示される層状のスタックが、液密ハウジング31中に収容されると形成され、液密ハウジング31は、液体電解質32を含有する金属製の「缶」であり得る。他の実施形態において、液体電解質は、有機溶媒およびそれに溶解可能なリチウム塩を含む。他の実施形態において、リチウム塩は、LiPF6、LiBF4またはLiClO4である。さらに他の実施形態において、有機溶媒は、1つ以上の炭酸アルキルを含む。他の実施形態において、1つ以上の炭酸アルキルは、炭酸エチレンと炭酸ジメチルとの混合物を含む。塩および溶媒濃度の最適範囲は、用いられる具体的な材料、および予想される使用条件に応じて;例えば、意図される動作温度に応じて変化し得る。一実施形態において、溶媒は70体積部の炭酸エチレンであり、30体積部の炭酸ジメチルであり、塩はLiPF6である。あるいは、電解質塩は、ヘキサフルオロヒ酸リチウム、ビス−トリフルオロメチルスルホンアミドリチウム、ビス(オキサレート)ボロン酸リチウム、ジフルオロオキサラトボロン酸リチウム(lithium difluorooxalatoboronate)、または多フッ素化クラスターアニオンのLi+塩、またはこれらの組合せを含み得る。
【0091】
あるいは、電解質溶媒は、炭酸プロピレン、エチレングリコールまたはポリ(エチレングリコール)のエステル、エーテル、またはトリメチルシラン誘導体あるいはこれらの組合せを含み得る。さらに、電解質は、例えばK.XuによってChem.Rev.,104,4303(2004)に、およびS.S.ZhangによってJ.Power Sources,162,1379(2006)に概説されるように、Liイオン電池の性能または安定性を高めることが知られている様々な添加剤を含有し得る。
【0092】
層状のスタックに関して、
図3に示されるスタックの代わりに、
図2に示される多層物品を用いることができる。また、図示されていないが、セルを外部の電気負荷に接続するための手段または充電手段も存在するであろう。好適な手段としては、ワイヤ、タブ、コネクタ、プラグ、クランプ、および電気接続を形成するのに一般的に使用される任意の他のこのような手段が挙げられる。
【0093】
スタック中の個々のセルが、正から負へ互いに直列に電気接続される場合、スタックからの出力電圧は、各セルからの合計電圧に等しい。スタックを構成する個々のセルが、並列に電気接続される場合、スタックからの出力電圧は、1つのセルの電圧に等しい。電気技術分野の平均的な実践者は、直列配列が適切な場合、および並列配列が適切な場合を認識しているであろう。
【0094】
リチウムイオン電池は、円筒形、角型、袋状、巻回型、および積層形状を含む様々な形状で利用可能である。リチウムイオン電池は、様々な用途(例えば家庭用電化製品、電動工具、およびハイブリッド電気自動車)に使用される。リチウムイオン電池の製造方法は、NiCdおよびNiMHなどの他の電池の製造方法と同様であるが、Liイオン電池に使用される材料の反応性のために、より慎重に行うべきものである。
【0095】
本発明の一実施形態に使用するのに適したリチウムイオンセルの正極および負極は、互いに形状が類似しており、同様のまたは同一の設備で同様の方法によって作製される。一実施形態において、セルの中およびセルの外に電流を伝導する集電器として働く、金属箔、好ましくはAl箔またはCu箔の両面に、活性材料が塗布される。一実施形態において、負極は、銅箔に黒鉛炭素を塗布することによって作製される。一実施形態において、正極は、Al箔にリチウム金属酸化物(例えばLiCoO2)を塗布することによって作製される。他の実施形態において、このように塗布される箔は、大型のリールに巻き取られ、100〜150℃の範囲の温度で乾燥されてから、セル作製のために乾燥室の中に入れられる。
【0096】
図5を参照すると、各電極について、活性材料51が、バインダー溶液52、およびアセチレンブラックなどの導電性充填材53と組み合わされる。このように形成される組合せは、精密レギュレータ54を通って、混合タンク55に供給され、ここで、この組合せは、均一な外観が得られるまで混合される。好適なバインダーとしては、限定はされないが、ポリ(フッ化ビニリデン)ホモポリマーおよびコポリマー、スチレンブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、およびポリイミドが挙げられる。次に、このように形成されるスラリーは、ポンプ56に重力送りまたは圧力送りされ、ポンプ56は、スラリーをフィルタ57に通して、そこから塗布ヘッド58へと送り込む。塗布ヘッドは、制御される量のスラリーを、供給ロール510から供給される移動金属箔59の表面に付着させる。このように塗布される箔は、一連のロール511によって、100〜150℃に設定されるオーブン512を通って搬送される。オーブンの入口に配置されるナイフエッジ513が、箔の上の調整可能な距離に位置決めされ;それによって形成される電極の厚さが、ナイフエッジと箔との間の間隙を調整することによって制御される。オーブン中、溶媒は、典型的に溶媒回収ユニット514を通って揮発される。次に、このように乾燥される電極が、巻き取りロール515に搬送される。
【0097】
乾燥後に得られる電極厚さは、典型的に50〜150マイクロメートルの範囲である。箔の両面に塗膜を形成するのが望ましい場合、このように片面を塗布された箔が、塗布機に送り戻されるが、塗布されていない面が、スラリー付着を受けるように配置される。塗布の後、次に、そのように形成される電極がカレンダー加工され、様々なサイズの電池のために幅の狭いストリップに切り裂かれてもよい。箔ストリップの縁部のバリは、セル内の内部短絡を引き起こすおそれがあるため、切断機は、非常に精密に製造され、維持されなければならない。
【0098】
本発明の電気化学セルの一実施形態において、本明細書の電極アセンブリは、円筒形のセルに使用される渦巻き型構造である。渦巻き型電極アセンブリに使用するのに適した構造が
図6に示される。代替的な実施形態において、本明細書の電極アセンブリは、角型のセルに使用するのに適した
図3の構造と類似した層状構造である。角型のセルも、巻回形状で作製され得る。角型のセルの場合、巻回型のセルは、矩形の構造を形成するように加圧され、次に、それが、矩形のハウジングの中に押し込まれる。
【0099】
本発明のLiイオンセルの円筒形実施形態を形成するために、電極アセンブリは、まず、
図6に示されるような渦巻き型構造になるように巻き付けられる。次に、タブが、電極をその対応する端子に接続するために電極の縁部に貼り付けられる。高出力セルの場合、高電流を流すために電極ストリップの縁部に沿って溶接された複数のタブを用いることが望ましい。次に、タブが、缶に溶接され、渦巻き型電極アセンブリは、円筒形ハウジング中に挿入される。次に、ハウジングは密閉されるが、電解質をハウジング中に注入するための開口部を残しておく。次に、セルは、電解質で満たされてから密閉される。電解質は、通常、塩(LiPF6)とカーボネート系溶媒との混合物である。
【0100】
電解質が水と反応するため、セルの組み立ては、好ましくは「乾燥室」中で行われる。水分は、LiPF6を加水分解してHFを形成することがあり、これは、電極を劣化させ、セルの性能に悪影響を与え得る。
【0101】
セルが組み立てられた後、セルは、少なくとも1回の精密に制御された充電/放電サイクルを経て作用物質を活性化することによって形成(状態調節)される。ほとんどのリチウムイオンの化学作用では、これは、SEI(固体電解質界面)層を負(炭素)極上に形成することを含む。これは、リチウム化炭素の、電解質とのさらなる反応を防ぐのに不可欠な不動態化層である。
【0102】
別の態様において、本発明は、電気化学的二重層コンデンサ(EDLC)を提供する。EDLCは、数ファラッド程度であり得る高いキャパシタンスを有するエネルギー貯蔵装置である。二重層電気化学的コンデンサにおける電荷貯蔵は、電極、典型的に炭素と、電解質との界面で起こる表面現象である。本明細書の二重層コンデンサでは、本明細書の芳香族ポリイミドナノウェブは、電解質を吸収し、保持し、それによって、電解質と電極との密着を維持するセパレータとして働く。本明細書の芳香族ポリイミドナノウェブのセパレータとしての役割は、負極から正極を電気的に絶縁すること、および充電および放電中の、電解質中のイオンの移動を促進することである。電気化学的二重層コンデンサは、典型的に、2つの炭素電極およびセパレータが一緒に巻かれた、円筒形に巻かれた設計で作製され、高強度を有する芳香族ポリイミドナノウェブセパレータは、2つの電極間の短絡を避ける。
【0103】
本発明は、以下の特定の実施形態によってさらに説明されるが、それによって限定されるものではない。
【実施例】
【0104】
実施例1〜8および比較例A
ポリマーの製造
[HMT E115199−39PI=ポリマー21109、紡糸SF44P1DBX001D15IR20IM501]
DMF溶媒中のPMDAおよびODAのポリアミド酸を、過剰なODAを用いて業界標準方法にしたがって製造して、97%の化学量論量および23重量%の固体を得た。ポリアミド酸を、0.04重量%の無水フタル酸(末端封止剤の重量%を確認する必要がある)で末端封止した。
【0105】
ナノウェブの製造
そのように製造されたPAA溶液を、
図7に示される装置に充填した。
図7は、好適なエレクトロブロー装置の一実施形態を示す。34℃の温度および55℃のプロセスガス温度および5833メートル/分の速度で、5.5バールの溶液圧力で(本発明者らの仮特許出願に)記載されるエレクトロブロープロセスにしたがって、ポリアミド酸溶液を紡糸してナノ繊維ウェブにした。得られたナノウェブは、63%の多孔率で厚さ21〜26ミクロンであった。
【0106】
さらに
図7を参照して、ナノウェブ105を、180℃で1.13分間、熱風乾燥機107に通過させた。次に、このように乾燥されたナノウェブを、巻き取ってロールにした。次に、このように製造されたポリアミド酸ナノウェブを巻き出してから、Glenro中波長赤外線オーブン中で、約325℃の温度まで0.87分間加熱することによってイミド化し、再度巻き取った。次に、ウェブを巻き出し、BF Perkinsカレンダー上で、ステンレス鋼製カレンダーロールと綿で被覆されたカレンダーロールとの間でリニアインチ当たり2700ポンドの圧力でカレンダー加工してから、再度巻き取った。次に、カレンダー加工されたウェブを巻き出し、約450℃の温度で2.6分間、2度目の熱処理を行い、再度巻き取った。
【0107】
アミド化および試験の結果
それぞれ重さ約35mgの、そのように製造されたポリイミドナノ繊維ウェブの8つの試料を、加熱マントルが装着されたPyrex(登録商標)容器中で、窒素下で、100mLの無水N,Nジメチルホルムアミド(DMF)(Aldrich 227056)に溶解させた5.0gmのオクタデシルアミン(Aldrich 305391)の予め加熱された溶液に加えた。表1に示される各期間の後、示される溶液温度で、1つの試料を取り出し、トルエン中で4回すすぎ、真空オーブン中、減圧下で95℃で1時間乾燥させた。未処理の出発材料の試料を比較のために確保した。
【0108】
各試料について、減衰反射赤外分光法(ATR/IR)は、芳香族CH伸張モードによる、3092cm−1におけるピークと比較して、脂肪族CH伸張モードによる、2920cm−1における吸収ピークによって示される試料表面におけるオクタデシル基の組み込みを示した。脂肪族基の組み込みには、第二級アミドの形成と一致する3360cm−1における幅の広い吸収の増加も伴った。表にまとめられるように、これらの測定値は、最初の60分間の後の反応速度の大幅な低下を示した。
【0109】
表1に示されるように、オクタデシルアミンの組み込みの増加とともに、ナノ繊維ウェブにおける脱イオン水の静的接触角は、104.7°から146.8°まで増加し、これは、高度に疎水性の表面を示し、一方、質量は、ポリイミドのモル当たり0.039当量のオクタデシルアミド基に相当するわずか2.5%だけ増加した。本発明の範囲を限定するものではないが、ポリイミド繊維の芯を比較的変化させないままにして、反応が、主にナノ繊維の表面において起こるモデルにデータが一致すると考えられる。
【0110】
【表1】
【0111】
比較例Aおよび実施例9の試験片の部分を、それぞれ
図8aおよび8bに示されるように、走査電子顕微鏡法によって調べた。オクタデシルアミンによる処理に起因する差が、繊維形態または格子間空間(interstitial spacing)に見られなかった。
【0112】
実施例10および11:n−アルキルアミンで部分的にアミド化されたポリイミドナノウェブ
5gのn−ドデシルアミンを、100mLのDMF溶媒に溶解させた。実施例1のポリイミドナノウェブの試料を、50℃でそれぞれ1時間および20時間の期間にわたって溶液中に浸漬した。試料を同時に浸漬させ、異なる時間間隔の後に取り出し、次に、イソプロパノールで3回すすいだ。走査電子顕微鏡法は、未反応の対照と比べて繊維形態の変化を示さなかった。
【0113】
拡散反射赤外分光法は、脂肪族基を確認する2852および2919cm−1における吸収ピークを示した。1545、1650および3267cm−1におけるピークにより、第二級アミド基が確認された。反応生成物の赤外線スペクトルは、元のポリイミドの1700および1500cm−1における強い吸収ピークを保ち、これは、アミド化反応が主にナノ繊維の表面上のポリマーの薄層に限定されることを示唆していた。
【0114】
実施例12および13:n−アルキルアミンで部分的にアミド化されるポリイミドナノウェブ
DMF中のn−ヘキサデシルアミンの5重量%溶液を製造した。実施例1のポリイミドナノウェブの試料を、それぞれ1時間および20時間の期間にわたって50℃で溶液中に浸漬し、次に、イソプロパノールで3回すすいだ。走査電子顕微鏡法は、未反応の対照と比べて繊維形態の変化を示さなかった。拡散反射赤外分光法は、脂肪族基を確認する2852および2919cm−1における吸収ピークを示した。1545、1650および3267cm−1におけるピークにより、第二級アミド基が確認された。反応生成物の赤外線スペクトルは、元のポリイミドの1700および1500cm−1における強い吸収ピークを保ち、これは、アミド化反応が主にナノ繊維の表面上のポリマーの薄層に限定されることを示唆していた。
【0115】
実施例14〜17および比較例B〜D
2つの1インチ×3インチ幅のストリップを、実施例10〜13のアミド化されたナノウェブのそれぞれから切断し、真空チャンバ中、90℃で一晩乾燥させた。このように乾燥された試験片を、電気化学的コイン電池中に組み込んだ。
【0116】
真空チャンバ中、90℃で一晩乾燥された構成要素からLiイオンコイン電池(CR232)を以下のとおりに組み立てた。電極を、Pred Materials International,NY,NY 10165から入手した。アノードおよびカソードはそれぞれ、Cu箔に塗布された天然黒鉛およびAl箔に塗布されたLiCoO2の層を含んでいた。電解質は、炭酸エチルメチルと炭酸エチレンとの70:30混合物中の1モルのLiPF6(Ferro Corp.,Independence,OH 44131)を含んでいた。
【0117】
アノードおよびカソードを、厚さ15〜25ミクロンの、実施例10〜13のアミド化されたポリイミドナノウェブのうちの1つの単層で隔てた。このように組み立てられたLiイオンコイン電池を、電池試験装置(Series 4000,Maccor Inc.,2805 W.40th St.,Tulsa,OK 74107)に取り付け、0.25mAで2.75Vから4.2Vまでの3回のサイクルを繰り返すことによって状態調節した。2.5mAにおけるさらなる250サイクルの後に容量保持を測定した。10Cにおける4.2から2.75までの放電能力を測定することによってレート能力(rate capability)を測定した。ここで、Cは、ちょうど1時間で全セル容量を回復するのに必要な電流を表す。250番目のサイクルにおける容量は、セルの安定性の指標とみなされる。結果を表2にまとめる。
【0118】
【表2】
【0119】
実施例18〜21
ポリ(アミド酸)溶液2(PAA2)
97%の化学量論量および23.5重量%の固体で、DMF中のPMDA/ODAのポリアミド酸を製造した。アミド酸を、0.04重量%の無水フタル酸で末端封止した(確認する必要がある)。
【0120】
ナノウェブ#2(NW−2)
そのように製造されたPAA溶液を、
図7に示される装置に充填した。
図7は、好適なエレクトロブロー装置の一実施形態を示す。37℃の温度および72℃のプロセスガス温度および5833メートル/分の速度で、5.5バールの溶液圧力で、(本発明者らの仮特許出願に)記載されるエレクトロブロープロセスにしたがって、ポリアミド酸溶液を紡糸してナノ繊維ウェブにした。
【0121】
次に、ナノウェブを、手作業で巻き出し、手動のローリングブレードカッター(rolling blade cutter)を用いて、長さ約12インチで幅10インチのハンドシート(hand sheet)へと切断した。得られたナノウェブは、85±5%の多孔率、および18±2g/m2の坪量を特徴としていた。
【0122】
実施例18:および比較例E−ヒスタミンで部分的にアミド化されたポリイミドナノウェブ
このように形成されるナノウェブの2×2インチ試料をイミド化し、空気対流炉中、350℃で2分間、および450℃で2分間アニーリングした。このようにイミド化され、アニーリングされた試料を、10mLの塩化メチレンとともに20mLのガラスシンチレーションバイアルに入れ、Branson超音波浴中で15分間超音波処理した。このように超音波処理された試料を取り出し、窒素下で、真空オーブン中、100℃で10分間、窒素下で乾燥させた。
【0123】
ヒスタミン(Aldrich)の溶液を、エタノール中0.06Mの濃度で100mLのガラスビーカー中で製造した。固体ヒスタミンをガラスビーカーに加え、0.06Mの最終濃度に達するようにエタノールを撹拌しながら加えた。上記のように乾燥されたナノウェブ試料を、50℃で1時間、ヒスタミン溶液中に浸漬した。このように浸漬されたナノウェブ試料を取り出し、真空オーブン中、100℃で10分間、窒素下で乾燥させ、その後、10mLのエタノールで満たされたシンチレーションバイアルに入れ、Branson超音波浴中で15分間超音波処理した。このように超音波処理された試料を取り出し、真空オーブン中、100℃で10分間、窒素下で乾燥させた。アミド化された表面生成物の存在を、2920cm−1および2850cm−1における特性吸収の存在によって、減衰全反射(ATR)アタッチメントを用いたFTIR分析によって確認した。接触角の分析も行った。アミド化されていないナノウェブ対照(比較例E)が、150°±4°の静的水接触角を示した一方、ヒスタミンで処理した試料は、0°の静的水接触角を示した。水滴が構造中に完全に吸い上げられるのが観察された。各データ点は、少なくとも3つの試験のそれぞれの平均であった。
【0124】
実施例19:N,Nジエチルエチレンジアミンで部分的にアミド化されたポリイミドナノウェブ
実施例18の0.06Mのヒスタミン溶液の代わりにエタノール中のN,N−ジエチルエチレンジアミン(Aldrich)の0.086Mの溶液を用いたことを除いて、実施例18の手順を、実施例18のナノウェブのさらなる2×2インチ試料を用いて繰り返した。アミド化された表面生成物の存在を、2920cm−1および2850cm−1における特性吸収の存在によって、減衰全反射(ATR)アタッチメントを用いたFTIR分析によって確認した。N,N−ジエチルエチレンジアミンで処理された試料は、0°の静的水接触角を示した。
【0125】
実施例20:ヘキサメチレンジアミンで部分的にアミド化されたポリイミドナノウェブ
実施例18の0.06Mのヒスタミン溶液の代わりに、エタノール中のヘキサメチレンジアミン(Aldrich)の0.05Mの溶液を用い、浸漬時間が実施例18の1時間の代わりに20時間であったことを除いて、実施例18の手順を、実施例18のナノウェブのさらなる2×2インチ試料を用いて繰り返した。アミド化された表面生成物の存在を、実施例18と同様に、FTIR分析によって確認した。接触角の分析も行った。ヘキサメチレンジアミンで処理された試料は、0°の静的水接触角を示した。
【0126】
実施例21:
それぞれ実施例18、19および20にしたがって製造されたアミド化されたナノウェブ試料のそれぞれの1つの6mg(約2cm×2cm)のアリコート、ならびに正規化された対照の6mgのアリコートを、個々に、2mLのパスツールピペットに充填した。脱イオン水の0.20mLのアリコートを各ピペットに加え、水が、ナノウェブが充填されたカラムを通過するのに必要な時間を記録した。24時間後、水は、対照試料を保持するピペットを通過していなかった。水は、実施例18、19、および20において製造された材料が充填されたピペットを、10分間以内に完全に通過した。
次に、本発明の態様を示す。
1. 芳香族ポリイミドのナノ繊維を含むナノウェブを含む物品であって、前記ナノウェブが、自由表面積を有し、その少なくとも一部が、ヒドロカルビル基を含む官能基を含む第二級アミドを含む物品。
2. 前記官能基が、酸素、硫黄または窒素を含む官能基をさらに含む、上記1に記載の物品。
3. 前記官能基がアミンである、上記2に記載の物品。
4. 前記ナノ繊維が、50〜500ナノメートルの範囲の数平均直径を特徴とする、上記1に記載の物品。
5. 前記ナノ繊維が、100〜400ナノメートルの範囲の数平均直径を特徴とする、上記4に記載の物品。
6. 前記ヒドロカルビル基が飽和ヒドロカルビル基である、上記1に記載の物品。
7. 前記飽和ヒドロカルビル基がアルキル基である、上記6に記載の物品。
8. 前記アルキル基がn−アルキル基である、上記7に記載の物品。
9. 前記n−アルキル基が、15〜20個の炭素原子を有する、上記8に記載の物品。
10. 前記芳香族ポリイミドが全芳香族ポリイミドである、上記1に記載の物品。
11. 1〜240分間の範囲の期間にわたって室温から150℃までの範囲の温度で、芳香族ポリイミドナノウェブを、第一級アミンの溶液と接触させる工程を含む方法であって、前記第一級アミンがヒドロカルビル基を含む方法。
12. 前記ヒドロカルビル基が、酸素、硫黄または窒素を含む官能基をさらに含む、上記11に記載の方法。
13. 前記官能基がアミンである、上記12に記載の方法。
14. 前記ナノウェブが、50〜500ナノメートルの範囲の数平均直径を特徴とするナノ繊維を含む、上記11に記載の方法。
15. 前記芳香族ポリイミドが全芳香族ポリイミドである、上記11に記載の方法。