(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、外来患者(特に、再来患者)の待ち時間自体を抑制するために、診療予約を前提として診療が行う医療機関が増加している。
【0006】
しかしながら、診療予約制度を導入している医療機関であっても、最終的な診療の順番は医師の判断により決定されることから、急患等の予約外の患者が発生した場合に予約患者の診療が急患の診療よりも後回しになることがある。このため、予約患者の診療が予約した診療時刻に開始されず、医療機関で想定外の待ち時間が発生してしまうことがある。特に、急患が多い診療科ほどこのような事態が生じやすく、または、想定外の待ち時間も大きなものとなり易い。
【0007】
以上のような実情を踏まえ、本発明は、外来患者の待ち時間を精度良く算出して、外来患者の診療待ちに関する負担を軽減する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、診療予定時刻と、診療内容を示す診療種別と、予約の患者と予約外の患者とを区別する患者種別とを、患者毎に記憶する第1の記憶手段と、前記診療種別毎の診療時間を記憶する第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段から取得した利用者の前に診療される予約外の患者の診療内容を示す診療種別と、前記第2の記憶手段から取得した前記診療種別毎の診療時間とに基づいて、前記利用者の診療が開始されるまでの時間を特定する情報である前記利用者の診療待ち時間情報を算出する演算装置と、前記演算装置で算出された前記利用者の診療待ち時間情報を
、前記利用者からの要求に応じて携帯型の端末である表示装置に表示させる表示制御装置と、を備え、前記演算装置は、前記第1の記憶手段から取得した前記利用者の前に診療される予約外の患者の診療種別と、前記第2の記憶手段から取得した前記診療種別毎の診療時間とに基づいて、前記予約外の患者による遅延時間を算出し、前記算出した遅延時間と、前記第1の記憶手段から取得した前記利用者の診療予定時刻と、に基づいて、前記利用者の診療待ち時間情報を算出する診療待ち情報表示システムを提供する。
【0009】
本発明の別の態様は、第1の記憶手段から利用者の前に診療される予約外の患者の診療内容を示す診療種別を取得し、第2の記憶手段から前記診療種別毎の診療時間を取得し、前記予約外の患者の診療種別と前記診療種別毎の診療時間とに基づいて、前記予約外の患者による遅延時間を算出し、前記算出した遅延時間と前記利用者の診療予定時刻とに基づいて、前記利用者の診療が開始されるまでの時間を特定する情報である前記利用者の診療待ち時間情報を算出し、前記算出した前記利用者の診療待ち時間情報を
、前記利用者からの要求に応じて携帯型の端末である表示装置に表示させる診療待ち情報表示方法を提供する。
【0012】
本発明の更に別の態様は、第1の記憶手段から利用者の前に診療される予約外の患者の診療内容を示す診療種別を取得し、第2の記憶手段から前記診療種別毎の診療時間を取得し、前記予約外の患者の診療種別と前記診療種別毎の診療時間とに基づいて、前記予約外の患者による遅延時間を算出し、前記算出した遅延時間と前記利用者の診療予定時刻とに基づいて、前記利用者の診療が開始されるまでの時間を特定する情報である前記利用者の診療待ち時間情報を算出
し、前記算出した前記利用者の診療待ち時間情報を、前記利用者からの要求に応じて携帯型の端末である表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させるプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、外来患者の待ち時間を精度良く算出して、外来患者の診療待ちに関する負担を軽減する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る診療待ち情報表示システム100の構成を示す図である。診療待ち情報表示システム100は、利用者からの要求に応じて利用者の診療までの待ち時間や待ち人数などの診療待ち情報を利用者端末1などの表示装置に表示させるシステムである。診療待ち情報表示システム100は、各病院内に構築される院内システムと、院内システムにインターネット3を介して接続されるWebサーバ2とを備えている。
【0016】
利用者端末1は、利用者の診療待ち情報を表示する表示装置であり、例えば、利用者個人の携帯電話、スマートフォン、タブレットPCなどの携帯型の端末である。
【0017】
Webサーバ2は、利用者端末1に診療待ち情報を表示させる表示制御装置である。Webサーバ2は、複数の病院(例えば、病院A、病院B、病院C)で共有されてもよく、病院毎に設けられても良い。以降では、複数の病院で共有されているものとして説明する。
【0018】
院内システムは、医師等が記入した患者の診療記録(カルテ)や診療予約を管理する電子カルテシステム10と、待合室に設置した表示盤93に患者の診療の順番等を表示する表示盤システム90に加えて、各種情報を記憶する複数のデータベース(患者DB30、診療種別DB40、表示種別DB50)が構築された外来患者案内サーバ20と、外部連携サーバ60と、院内検索端末80を備えている。
【0019】
電子カルテシステム10は、電子カルテDB12が構築された電子カルテサーバ11と、医師等が操作する電子カルテ端末13を備えている。電子カルテシステム10では、電子カルテ端末13に対する医師等の操作に応じて、電子カルテDB12に記録されている診療記録や診療予約の表示や、電子カルテDB12への診療記録や診療予約の追加等が行われる。
【0020】
外来患者案内サーバ20は、利用者の診療待ち情報を算出するサーバである。その内部には、
図2に示すように、診療待ち情報を算出するプログラムを実行するための構成として、CPU21と、メモリ22と、入出力装置23と、外部記憶装置24と、可搬記録媒体26が収納される可搬記録媒体駆動装置25と、これらを相互に接続するバス27を備えている。外来患者案内サーバ20は、利用者からの問合せを受信すると、電子カルテシステム10及び表示盤システム90と連携して、その利用者の診療待ち情報を算出するように構成されている。
【0021】
なお、CPU21は、プログラムを実行して診療待ち情報を算出する演算装置である。メモリ22は、プログラムの実行の際に、外部記憶装置24または可搬記録媒体26に記憶されているプログラムや、プログラムの実行に必要な情報を一時的に記憶するものであり、例えば、RAM(Random Access Memory)である。入出力装置23は、他のサーバとの間で情報をやり取りするネットワークインターフェース装置である。外部記憶装置24は、プログラムやプログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶するストレージであり、例えば、ハードディスク装置である。第1の記憶手段である患者DB30、第2の記憶手段である診療種別DB40、第3の記憶手段である表示種別DB50は、外部記憶装置24上に構築されている。可搬記録媒体駆動装置25は、光ディスクやコンパクトフラッシュ(登録商標)などの可搬記録媒体26を収容するものであり、可搬記録媒体26は、外部記憶装置24と同様に、プログラムやプログラムの実行に必要な情報を不揮発的に記憶するストレージである。
【0022】
患者DB30は、患者情報を管理するデータベースであり、電子カルテシステム10によって更新される。具体的には、一定時間(例えば、1分)毎にバッチ処理により電子カルテDB12から抽出された患者情報で更新される。患者DB30は、例えば、
図3に示すように、カラム“患者ID”、“患者名”、“受付番号”、“予約時刻”、“診療科”、“担当医師”、“診療種別”、“状態”からなるテーブル構造を有している。患者DB30には、診療を希望する患者毎のレコードが含まれている。
【0023】
カラム“患者ID”には患者を一意に特定する識別子である患者IDが記憶されている。カラム“受付番号”には診療当日の受け付け時に割り当てられる受付番号が記憶されている。なお、受付番号は表示盤93に表示される番号である。予約の患者と予約外の患者を区別できるように、予約の患者に対しては0001から受付番号が採番され、予約外の患者に対しては1001から受付番号が採番されている。つまり、受付番号は予約の患者と予約外の患者とを区別する患者種別としても機能している。カラム“予約時刻”には、予約患者が診療を予約している予約時刻が記憶されている。ただし、予約外の患者のレコードのカラム“予約時刻”には、診療順番を考慮して受付時等に医師等が電子カルテ端末13から指定した時刻が記憶されている。カラム“診療科”、カラム“担当医師”には、診療を受ける診療科、医師の情報が記憶されている。カラム“診療種別”には、診療内容を示す診療種別が記憶されている。カラム“状態”には診療済み、診療中、診療待ちなどの患者の状態が記憶されている。
【0024】
診療種別DB40及び表示種別DB50には、診療待ち情報表示システム100のマスタデータが記憶されている。診療種別DB40は、診療種別毎の診療時間を管理するデータベースであり、例えば、
図4に示すように、カラム“診療種別”、“診療時間”からなるテーブル構造を有している。診療種別DB40には、診療種別毎のレコードが含まれている。
【0025】
カラム“診療種別”には、薬処方、問診、検査、手術などの診療内容を示す診療種別が記憶されている。カラム“診療時間”には、診療種別に対応する診療の診療予定時間(例えば、分単位)が記憶されている。
【0026】
表示種別DB50は、診療科毎の診療待ち情報表示システム100の表示モードを管理するデータベースであり、例えば、
図5に示すように、カラム“診療科”、“表示種別”からなるテーブル構造を有している。表示種別DB50には、診療科毎のレコードが含まれている。
【0027】
カラム“表示種別”には、診療待ち時間を表示する表示モード(第1の表示モード)と診療待ち人数を表示する表示モード(第2の表示モード)を区別する表示種別が記憶されている。なお、
図5では、表示種別“1”が診療待ち時間を表示する表示モードを示し、表示種別“2”が診療待ち人数を表示する表示モードを示している。
【0028】
なお、各診療科の表示種別は、過去の実績等を踏まえて予約の患者の診療が遅延しやすい診療科か否かを考慮して予め設定されていることが望ましく、遅延しやすい診療科には表示種別“1”が設定されていることが望ましい。
【0029】
外部連携サーバ60は、高いセキュリティを確保するためにインターネット3との境界に配置されるゲートウェイとして機能するサーバであり、外来患者案内サーバ20と専用線70によって接続されている。
【0030】
院内検索端末80は、病院内に配置された端末であり、利用者端末1と同様に、利用者の診療待ち情報を表示する表示装置である。なお、利用者端末1がインターネット3経由で診療待ち情報表示システム100にアクセスし診療待ち情報を取得するのに対して、院内検索端末80は、病院内のネットワーク経由で利用者の診療待ち情報を取得する点が利用者端末1とは異なっている。
【0031】
表示盤システム90は、表示盤DB92が構築された表示盤サーバ91と、表示盤93を備えている。表示盤サーバ91は、表示盤DB92に記憶されている情報に基づいて表示盤93に患者の診療順番等を表示させる。
【0032】
表示盤DB92は、表示盤93に表示する情報を管理するデータベースであり、例えば、
図6に示すように、カラム“診療科”、“診療室”、“担当医師”、“診療中”、“診療待ち1”、“診療待ち2”、“診療待ち3”からなるテーブル構造を有している。なお、表示盤DB92は、診療の進行に伴って更新されるが、その更新は、患者DB30の更新に伴って自動的に行われてもよく、また、医師等の電子カルテ端末13の操作により行われてもよい。
【0033】
カラム“診療中”には、現在診療中の患者の受付番号が記憶されている。カラム“診療待ち1”、“診療待ち2”、“診療待ち3”には、現在診療中の患者の後、1番目、2番目、3番目にそれぞれ診療される予定の患者の受付番号が記憶されている。
【0034】
表示盤93は、例えば、診療待ちの患者が待機する待合室に配置されている液晶ディスプレイなどであり、表示盤サーバ91の制御の下で、診療が近い患者の受付番号など表示して、診療順番等の情報を患者に提供する。なお、
図7は、表示盤93の表示の一例を示した図である。
【0035】
図8は、
図1に示す診療待ち情報表示システム100により行われる診療待ち情報表示処理のシーケンス図である。
図8を参照しながら、診療待ち情報表示システム100で行われる診療待ち情報表示処理について、利用者の利用者端末1に診療待ち情報を表示する場合を例にして説明する。なお、以降では、利用者がすでに受付を済ませた予約の患者又は予約外の患者(つまり、受付番号が発行された患者)であるものとして説明する。
【0036】
図8に示すように、利用者が利用者端末1を操作し、利用者の患者IDと診療を受ける病院(ここでは、例えば、病院A)の病院IDとを含むURLを指定してWebブラウザを立ち上げる(ステップS100)と、URLにより指定されたWebサーバ2は、URLに含まれる病院IDに対応する病院Aの外来患者案内サーバ20に利用者の患者IDを送信して、利用者の診療待ち情報の提供を依頼する(ステップS200)。
【0037】
患者IDを受信した外来患者案内サーバ20は、
図9に示す診療待ち情報算出処理を行って、利用者の診療待ち情報を算出し(ステップS300)、算出した診療待ち情報をWebサーバ2に送信する(ステップS400)。このとき、外来患者案内サーバ20は、診療待ち情報に加えて、利用者の名称(患者名)や利用者が予約した診療科などの情報をWebサーバ2に送信する。
【0038】
Webサーバ2は、外来患者案内サーバ20から受信した情報に基づいて、利用者の診療待ち情報を含むWeb画面を生成する(ステップS500)。さらに、Webサーバ2は、利用者端末1に生成したWeb画面を送信(ステップS600)し、利用者端末1に利用者の診療待ち情報を表示させる。
【0039】
図9は、
図1に示す外来患者案内サーバ20により行われる診療待ち情報算出処理のフローチャートである。
図9を参照しながら、外来患者案内サーバ20で行われる診療待ち情報算出処理(
図8のステップS300)について詳細に説明する。なお、
図9に示す診療待ち情報算出処理は、外来患者案内サーバ20のCPU21が外部記憶装置24又は可搬記録媒体26に記憶されているプログラムをメモリ22にロードして実行することにより行われる。
【0040】
外来患者案内サーバ20は、
図9に示す処理を開始後、利用者の患者IDを受信する(ステップS301)と、表示盤DB92を検索して表示盤DB92にその利用者の受付番号が記憶されているか否かを判断する(ステップS303)。詳細には、まず、患者DB30を検索して、患者DB30からカラム“患者ID”の値が利用者の患者IDであるレコードを抽出して、そのレコードのカラム“受付番号”の値により利用者の受付番号を特定する。その後、利用者の受付番号で表示盤DB92を検索する。
【0041】
利用者の受付番号が表示盤DB92に記憶されている場合(ステップS303YES)、つまり、表示盤93に利用者の受付番号が表示されている場合には、外来患者案内サーバ20は、利用者の受付番号が記憶されている表示盤DB92のカラムを特定し、そのカラム名から利用者の診療待ち人数を決定する(ステップS305)。
【0042】
具体的には、利用者の受付番号がカラム“診療待ち1”に記憶されている場合であれば、外来患者案内サーバ20は、ステップS305で診療待ち人数を“1”に決定する。また、利用者の受付番号がカラム“診療待ち2”、“診療待ち3”に記憶されている場合であれば、外来患者案内サーバ20は、それぞれ診療待ち人数を“2”、“3”に決定する。
【0043】
その後、外来患者案内サーバ20は、ステップS305で算出した診療待ち人数を利用者の診療待ち情報としてWebサーバ2へ送信し(ステップS307)、診療待ち情報算出処理を終了する。
【0044】
利用者の受付番号が表示盤DB92に記憶されていない場合(ステップS303NO)、つまり、表示盤93に利用者の受付番号が表示されていない場合には、外来患者案内サーバ20は、患者DB30を検索して利用者が診療を受ける診療科である担当診療科を特定する(ステップS309)。詳細には、患者DB30からカラム“患者ID”の値が利用者の患者IDであるレコードを抽出して、そのレコードのカラム“診療科”の値により担当診療科を特定する。
【0045】
さらに、外来患者案内サーバ20は、表示種別DB50を検索して担当診療科の表示種別を特定する(ステップS311)。詳細には、表示種別DB50からカラム“診療科”の値が担当診療科であるレコードを抽出して、そのレコードのカラム“表示種別”の値により、担当診療科の表示種別を特定する。
【0046】
担当診療科の表示種別が“1”の場合(ステップS313YES)、つまり、担当診療科の表示モードが待ち時間表示モードである場合には、外来患者案内サーバ20は、患者DB30を検索して利用者の前に診療される予約外の患者の診療種別を取得する(ステップS315)。詳細には、患者DB30からカラム“患者ID”の値が利用者の患者IDであるレコードを抽出して、そのレコードのカラム“予約時刻”、カラム“診療科”、カラム“担当医師”の値を取得する。さらに、患者DB30から、カラム“予約時刻”の値が取得した予約時刻よりも前の時刻であって、カラム“診療科”の値が取得した診療科(担当診療科)であり、カラム“担当医師”の値が取得した担当医師である、予約外の患者のすべてのレコードを抽出する。そして、その(それらの)レコードのカラム“診療種別”の値を取得する。
【0047】
次に、外来患者案内サーバ20は、診療種別DB40を検索してステップS315で取得した診療種別毎の診療時間を取得する(ステップS317)。詳細には、診療種別DB40からカラム“診療種別”の値がステップS315で取得した診療種別に該当するすべてのレコードを抽出して、その(それらの)レコードのカラム“診療時間”の値を取得する。
【0048】
さらに、外来患者案内サーバ20は、ステップS315及びステップS317で得られた情報に基づいて、予約外の患者によって生じる利用者の診療の遅延時間を算出する(ステップS319)。詳細には、ステップS315で抽出されたレコードの診療種別に対応する診療時間の合計を遅延時間として算出する。
【0049】
その後、外来患者案内サーバ20は、ステップS319で算出した遅延時間に基づいて、利用者の診療が開始されるまでの時間である、利用者の診療待ち時間を算出する(ステップS321)。詳細には、利用者の予約時刻と現在時刻との差分に遅延時間を加算した時間を、利用者の診療待ち時間として算出する。そして、算出した診療待ち時間を利用者の診療待ち情報としてWebサーバ2へ送信し(ステップS323)、診療待ち情報算出処理を終了する。なお、診療待ち時間とともに遅延時間をWebサーバ2に送信してもよい。
【0050】
利用者が診療を受ける診療科の表示種別が“1”以外の場合(ステップS313NO)、つまり、その診療科の表示モードが待ち人数表示モードである場合には、外来患者案内サーバ20は、患者DB30を検索して、利用者の前に担当診療科で利用者と同じ医師に診療を受ける未診療の患者(予約の患者と予約外の患者の両方)の数を決定し(ステップS325)、その数に1を加えた数を利用者の診療待ち人数として決定する(ステップS327)。
【0051】
その後、外来患者案内サーバ20は、ステップS327で決定した診療待ち人数を利用者の診療待ち情報としてWebサーバ2へ送信し(ステップS329)、診療待ち情報算出処理を終了する。
【0052】
なお、
図9では、ステップS303で表示盤DB92を検索して表示盤DB92にその利用者の受付番号が記憶されているか否かを判断し、記憶されている場合には診療待ち人数を診療待ち情報として算出する例を示している。しかしながら、診療待ち情報表示システム100は、ステップS303で患者DB30を検索して利用者の前に診療される患者の数が所定数(表示盤93に表示される診療待ちの患者数であり、ここでは“3”である)以内であるかを判断し、所定数以内である場合には診療待ち人数を診療待ち情報として算出してもよい。このように変形しても、表示盤DB92に表示される診療の順番が患者DB30の予約時刻の順番に一致している限り、同じ診療待ち情報が得られるからである。
【0053】
以上のように動作する診療待ち情報表示システム100によれば、表示盤93に受付番号が表示されている利用者からの問合せに対しては、利用者端末1に利用者の診療待ち人数を含む画面を表示させて、表示盤93と同等の情報を利用者に提供することができる。
【0054】
また、表示盤93に受付番号が表示されていない利用者からの問合せに対しては、利用者端末1に利用者の診療科に応じた診療待ち情報を含む画面を表示させることができる。即ち、各診療科の診療の実態を考慮して診療科毎に利用者に提供する診療待ち情報の形式を変更することができる。例えば、利用者の診療科が診療が遅延しやすい診療科である場合には、利用者端末1に
図10に例示されるような診療待ち時間を含む画面を表示させ、遅延しにくい診療科であれば、利用者端末1に
図11に例示されるような診療待ち人数を含む画面を表示させることができる。このように設定することで、診療が遅延しにくい診療科については、利用者が見慣れている表示盤DB92の表示と同等の情報を利用者に提供しつつ、診療が遅延しやすい診療科については、診療待ちに関する負担をさらに軽減する詳細な情報(診療待ち時間)を提供することができる。
【0055】
また、診療の遅延の主要な要因は急患などの予約外の患者の診療であるが、診療待ち情報表示システム100では、利用者端末1に表示される診療待ち時間は、予約外の患者の診療種別から予測される予約外の患者に要する診療時間を勘案して算出される。従って、診療待ち情報表示システム100によれば、精度の高い診療待ち時間を算出して表示させることができるため、外来患者の診療待ちに関する負担を大幅に軽減することができる。
【0056】
なお、上述した実施形態は、発明の理解を容易にするために本発明の具体例を示したものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。診療待ち情報表示システム及び方法、診療待ち情報算出装置及び方法、並びに、プログラムは、特許請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。
【0057】
例えば、
図9では、予約外の患者を特定して予約外の患者の情報に基づいて診療待ち時間を算出する例を示したが、診療待ち情報表示システム100は、診療待ち時間を異なる手順で算出してもよい。
【0058】
図12は、
図1に示す外来患者案内サーバ20により行われる診療待ち情報算出処理の変形例のフローチャートである。
図12に示す診療待ち情報算出処理は、ステップS315、ステップS319、ステップS321の代わりに、ステップS401、ステップS403、ステップS405を含む点が、
図9に示す診療待ち情報算出処理と異なっている。
【0059】
図12に示す診療待ち情報算出処理では、担当診療科の表示モードが待ち時間表示モードである場合には、外来患者案内サーバ20は、患者DB30を検索して利用者の前に診療されるすべての患者(予約の患者と予約外の患者の両方)の診療種別を取得する(ステップS401)。詳細には、患者DB30からカラム“患者ID”の値が利用者の患者IDであるレコードを抽出して、そのレコードのカラム“予約時刻”、カラム“診療科”、カラム“担当医師”の値を取得する。さらに、患者DB30から、カラム“予約時刻”の値が取得した予約時刻よりも前の時刻であって、カラム“診療科”の値が取得した診療科(担当診療科)であり、カラム“担当医師”の値が取得した担当医師であるすべてのレコードを抽出する。そして、その(それらの)レコードのカラム“診療種別”の値を取得する。
【0060】
その後、外来患者案内サーバ20は、ステップS401及びステップS317で得られた情報に基づいて、利用者の前に診療されるすべての患者の合計の診療時間を算出し(ステップS403)、算出した合計の診療時間に基づいて、利用者の診療待ち時間を算出する(ステップS405)。詳細には、病院が診療を開始してから利用者の予約時刻までの時間とステップS403で算出した合計の診療時間との差分を、利用者の診療待ち時間として算出する。
【0061】
図12に示す診療待ち情報算出処理を行う場合であっても、診療待ち情報表示システム100は、
図9に示す診療待ち情報算出処理を行うと同様の効果を得ることができる。
【0062】
また、
図12に示す診療待ち情報算出処理では、ステップS403で患者の合計の診療時間を算出する際に、診療済みの患者については実際に診療にかかった時間を用いてもよい。この場合、更に精度の高い診療待ち時間を算出することができる。