【実施例】
【0149】
実施例1:
390nmおよび404nmの波長における、溶媒に依存する5PyS4EtNPPOC−チミジンの半減期の評価
PLPGの半減期を評価するため、5PyS4EtNPPOC−チミジンを
図1および2において示した溶媒中でc=0.3mmol/Lの濃度で溶解させた。溶媒として、ジメチルスルホキシド(DMSO)、n−メチルピロリドン(NMP)、アセトニトリル(MeCN)およびイソプロパノールを用いた。イミダゾール、ヒドロキシルアミンまたは水を、その表において示したようにその溶媒に添加した。390nmの照射波長の場合(
図1)、光曝露をそれぞれ2、4、6秒間または2、4、6、8秒間または2、4、6、8、12秒間実施して、スレオニンの脱保護を誘導した。404nmの照射波長の場合(
図2)、光曝露をそれぞれ1、2、3、4分間または1、2、3、5分間実施して、チミジンの脱保護を誘導した。続いて、保護されたチミジンの初期量の50%を脱保護するために必要な期間を評価するために、その溶液をHPLCにより分析した。次いでその半減期を、その曝露時間の結果もたらされる期間から外挿した。
図1および2から理解することができるように、390nmの波長の場合、最も速い脱保護はDMSO(2.1秒)、NMP+0.5%ヒドロキシルアミン(1.8秒)、MeCN+1% H
2O(2.0秒)およびイソプロパノール+12% H
2O+1%イミダゾール(2.2秒)で達成された。404nmの波長の場合、最も速い脱保護はDMSO+1%イミダゾール(2.5分)、NMP+0.5%ヒドロキシルアミン(1.8分)、MeCN+1% H
2O+1%イミダゾール(2.6分)およびイソプロパノール+12% H
2O+1%イミダゾール(3.8分)で達成された。390nm(数秒)および404nm(数分)の間の著しい時間の差に関して、前者の場合ランプの電力出力が15Wであり、一方で後者の場合ランプの電力出力が0.08Wであったことを考慮しなければならない。
【0150】
実施例2:
PLPGの紫外吸収特性
一般的に用いられる波長における様々なPLPGに関する紫外吸収を
図3において示す。本発明に従うPLPGを有するフェニルアラニンの適切な誘導体を、UVグレードのメタノール中で1mg/mLの濃度で溶解させた。紫外スペクトルを走査光度計で記録し、所与の波長において吸収値を得た。モル吸光係数を分子量からランベルト・ベールの法則を用いて計算した。あらゆるPLPGの脱保護速度は、おおよそ三重項(triplett)量子収率×モル吸光係数の積である。従って、PhS−フェニルアラニンは390nmの照射波長においてBTA−フェニルアラニンよりも15倍効率的に脱保護され、NPPOC−フェニルアラニンよりも約25倍効率的に脱保護されると概算することができる。
【0151】
実施例3:
ジスルフィド−PLPG−アミノ酸を用いた、抗V5抗体の標的配列を含有するペプチドアレイの合成
標的エピトープ:(H)G K P I P N P L L G L D S T−(OH)
アレイ上のペプチド特徴を、Roche Nimblegenマスクレスアレイ合成装置上で、
図8における合成スキームに従って、次の光量(light dose)で、変動する密度のパターンで合成した:
アレイ1:190mW/平方cm[365nm]で2.5秒間の照射
アレイ2:190mW/平方cm[365nm]で3.5秒間の照射
アレイ3:190mW/平方cm[365nm]で4.5秒間の照射
曝露はNMP/ヒドロキシルアミン(1%)中で行われた。このランプ強度でのNPPOCアミノ酸に関する標準的な照射時間は50秒であったであろう。そのアレイの全ての特徴は、同じV−5抗原配列を含有していた。カップリングは標準的な条件下(ペプチドグレードのDMF中の30mMアミノ酸、30mM活性化剤(HBTUおよびHOBT)および60mMヒューニッヒ塩基)であり、順次Greiner 3D−アミノ官能基化スライドガラスとカップリングさせた。サイクル間ならびにカップリングおよび照射の間の洗浄は、NMPを用いた。そのアレイの最後の脱保護は、トリフルオロ酢酸、水、トリイソプロピルシラン 97.5:2:0.5中に1時間浸すことにより達成された。水で完全に洗浄した後、そのアレイを、製造業者が推奨する緩衝系中で1:10000希釈(0.1μg/mL)したSigmaから得た(Cy−3蛍光色素で標識された)抗V5抗体と共に、室温で一夜保温した。緩衝液での洗浄および乾燥の後、そのアレイを、Roche Nimblegen MS 200蛍光走査装置において、適切なフィルター設定で、2μmの分解能で走査した。画像をNimblescanおよびGenepix(Molecular Dynamics)ソフトウェアパッケージで分析した。
【0152】
その結果は、
図8bにおいて示したように、その3通りの光量(doses)にわたって優秀なシグナル強度を示し、それは500mW
*s未満での完全な光脱保護を示し、一方でNPPOC−アミノ酸は同じ結果を達成するのに約10,000mW
*sを必要とするであろう。
【0153】
加えて、同じ実験を、Roche Nimblegenマスクレスアレイ合成装置上で、
図8aにおける合成スキームに従って、次の光量で実施した:
領域1〜30:90mW/平方cm[390nm]で1〜30秒間の照射
保温、染色および洗浄は上記で言及した通りに行った。
【0154】
その結果は、
図8cにおいて示したように、390nmでの約21秒間の照射において最大値を有する優秀なシグナル強度を示し、それは2,000mW
*s未満での完全な光脱保護を示し、一方でNPPOC−アミノ酸は390nmでは不十分に脱保護され、作製したペプチドに起因すると考えられるシグナルを与えない。
【0155】
実施例4:
ジスルフィド−PLPG−アミノ酸の合成
合成経路を下記で示すようにそれぞれの図において示す。
【0156】
フェニル−チオ−NPPOC−アミノ酸の一般式
【0157】
【化22】
【0158】
a)2−(2−ニトロ−4−エチル−5−チオフェニル−フェニル)プロパノール(“PhSNPPOH”)
1,4-ジエチルベンゼン 1902.6 g 14.18 mol 1等量
臭素 2288 g 14.32 mol 1.01等量
鉄(粉末) 26 g
対応する合成経路を
図4aにおいて示す。数滴の臭素を1902.6gの1,4−ジエチルベンゼンおよび26gの鉄粉の混合物に添加する。その混合物を周囲温度でHBrの放出が開始するまで撹拌する。次いでその混合物を氷浴中で冷却し、さらに2288gの臭素を強い撹拌の下でおおよそ5時間の期間をかけて添加する。次いで氷浴を取り外し、その混合物を周囲温度で一夜撹拌する。その反応混合物を水、飽和NaHCO
3溶液で、そして再度水で洗浄する。その粗生成物をトルエンで希釈し、真空中で濃縮および蒸留する(おおよそ5mbar/82〜84℃)。
【0159】
2740gの2,5−ジエチル−ブロモベンゼン(無色の液体)が得られる(収率:理論値の90%)
1H-NMR (300MHz, DMSO):
7.37 ppm (d, 1H, Ar-H); 7.20 ppm (d, 1H, Ar-H); 7.12 ppm (dd, 1H, Ar-H); 2.65 ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 2.56 ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3), 1.20-1.15 ppm (m, 6H, 2x CH
3)。
【0160】
b)2,5−ジエチル−4−ニトロ−ブロモベンゼン
2,5-ジエチル-ブロモベンゼン 426 g 2 mol
HNO
3(65%) 202 ml
濃H
2SO
4 241 ml
対応する合成経路を
図4bにおいて示す。氷冷下で241mLの濃H
2SO
4を202mLのHNO
3(65%)にゆっくりと添加する。氷冷および強い撹拌の下で、この混合物を426gの2,5−ジエチル−ブロモベンゼンの中にゆっくりと滴下する(添加時間:2時間)。その反応混合物を周囲温度で一夜撹拌する。次いでその混合物を氷上に注ぎ、ジクロロメタンで希釈し、水で2回洗浄し、最後に飽和NaHCO
3溶液で洗浄する。その有機相をトルエンで希釈し、真空中で濃縮し、速い濾過(シリカゲル、移動相イソヘキサン)により精製する。
【0161】
217gのわずかに黄色の油が得られる(収率:理論値の42%)。
1H-NMR (300MHz, DMSO):
7.74 ppm (s, 2H, Ar-H); 4.72 ppm (t, 1H, OH); 3.54-3.48 ppm (m, 2H, HO-C
H2), 3.26-3.14 ppm (m, 1H, HO-CH
2-C
H); 2.74 ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 1.25-1.15 ppm (m, 6H, 2x CH
3)。
【0162】
c)2−(2−ニトロ−4−エチル−5−ブロモフェニル)プロパン−1−オール(“BrEtNPPOH”)
2,5-ジエチル-4-ニトロ-ブロモベンゼン 1000 g 3.87 mol 1等量
パラホルムアルデヒド 418.8 g 4.65 mol 1.2等量
トリトンB (メタノール中40%) 1090 ml
DMSO 5.2 l
酢酸 400 ml
対応する合成経路を
図4cにおいて示す。1000gの2,5−ジエチル−4−ニトロ−ブロモベンゼン、418.8gのパラホルムアルデヒド、1090mLのトリトンB(メタノール中40%)および5.2LのDMSOの混合物を、80〜90℃で2時間加熱する。加熱のスイッチを切り、その混合物をさらに4時間撹拌する。400mLの酢酸を添加する。その混合物を水でおおよそ15Lの量まで希釈し、2Lのトルエンで2回抽出する。そのトルエン抽出物を1Lの水で2回洗浄し、次いで真空中で濃縮する。その粗生成物をクロマトグラフィー(シリカゲル、勾配:イソヘキサン〜イソヘキサン/EtOAc 30%)により精製する。
【0163】
収量:521gの2−(2−ニトロ−4−エチル−5−ブロモフェニル)プロパン−1−オールが褐色の油として得られ(理論値の46%)、加えてより低い純度のものが77g得られた。
【0164】
1H-NMR (300MHz, DMSO):
7.74 ppm (s, 2H, Ar-H); 4.72 ppm (t, 1H, OH); 3.54-3.48 ppm (m, 2H, HO-C
H2), 3.26-3.14 ppm (m, 1H, HO-CH
2-C
H); 2.74ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 1.25-1.15 ppm (m, 6H, 2x CH
3)。
【0165】
d)2−(2−ニトロ−4−エチル−5−チオフェニルフェニル)プロパノール(PhSNPPOH)
BrEtNPPOH 450 g 1.56 mol 1等量
チオフェノール 172 g 156 mol 1等量
K
2CO
3 324 g 2.34 mol 1.5等量
DMF 2 L
対応する合成経路を
図4dにおいて示す。反応物およびDMFの混合物を、140〜160℃で5時間撹拌した。110に冷却した後、溶媒を真空下での蒸留により除去した。残留物をおおよそ2.5Lの水で処理し、おおよそ1Lのジクロロメタンで抽出した。その有機相を希NaOHおよび水で洗浄し、次いで真空中で蒸発させて乾燥させ、さらに共沸性トルエン/エタノール混合物で蒸留し、シリカゲル上でのヘキサン類中5〜30%酢酸エチル中でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。
【0166】
収量:352gの透明な黄色の油(71%)。
e)2−(2−ニトロ−4−エチル−5−チオフェニルフェニル)プロパノール クロロカーボネート(“PhSNPPOC−Cl”)
PhSNPPOH 352 g 1.11 mol 1等量
トリエチルアミン 112.2 g 1.11 mol 1等量
トリホスゲン 219.4 g 2.22 mol ホスゲン 2等量
THF 約1.7 L
対応する合成経路を
図4eにおいて示す。219.4gのトリホスゲンを1Lの乾燥THF中で30分間の撹拌の下で溶解させた。氷冷下で、700mLの乾燥THF中の352gのPhSNPPOHおよび112.2gのNEt
3を3時間の期間をかけてゆっくりと添加した。一夜静置した後、氷浴を40℃の水浴と取り替え、過剰なホスゲンおよび約1LのTHFを真空中で除去した。その懸濁液を濾過し、残留物を少量のTHFで洗浄し、濾液を真空中で蒸発させて乾燥させた。
【0167】
収量:410.3gの黄色の結晶(97%)
その物質は精製しないでもさらなる使用に関して純粋である。
f)PhSNPPOC−グリシン−OH
グリシン 5.81 g 0.0774 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 29.4 g 0.0774 mol 1等量
Na
2CO
3 18.1 g 0.1703 mol 2.2等量
水 190 mL
THF 150 mL
対応する合成経路を
図4fにおいて示す。5.81gのグリシンおよび18.1gのNa
2CO
3を190mLの水および60mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、29.4gのPhSNPPOC−Clの90mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させ、その溶液をpH11に調節する。その溶液をおおよそ500mLのヘキサン/酢酸エチル 1:1で2回抽出し、pHを希HClで2.5に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜3%)を用いて精製する。
【0168】
収量:21gの淡黄色の非晶質の泡状物質(65%)。
g)PhSNPPOC−プロリン−OH
プロリン 8.6 g 0.075 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 28.5 g 0.075 mol 1等量
Na
2CO
3 17.5 g 0.165 mol 2.2等量
水 1000 ml
THF 1200 ml
対応する合成経路を
図4gにおいて示す。8.6gのプロリンおよび17.5gのNa
2CO
3を1000mLの水および1000mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、28.5gのPhSNPPOC−Clの200mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させ、その溶液をpH11に調節する。その溶液をおおよそ500mLの酢酸エチルで2回抽出し、pHを希HClで2.5に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜2%)を用いて精製する。
【0169】
収量:21.7gの淡黄色の非晶質の泡状物質(63%)。
h)PhSNPPOC−イソロイシン−OH
イソロイシン 9.97 g 0.076 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 28.9 g 0.076 mol 1等量
Na
2CO
3 26.8 g 0.25 mol 3.3等量
水 300 ml
THF 300 ml
対応する合成経路を
図4hにおいて示す。9.97gのイソロイシンおよび26.8gのNa
2CO
3を300mLの水および200mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、28.9gのPhSNPPOC−Clの90mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させ、その溶液のpHを9.5に調節する。
【0170】
その溶液をおおよそ500mLのヘキサン/酢酸エチル 1:1で2回抽出し、pHを希HClで3.2に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜2%)を用いて精製する。
【0171】
収量:15gの淡黄色の油(42%)。
i)PhSNPPOC−アスパラギン酸−OH
アスパルテート 10.5 g 0.0789 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 30.0 g 0.0789 mol 1等量
Na
2CO
3 23.0 g 0.22 mol 2.8等量
水 1000 ml
THF 1200 ml
対応する合成経路を
図4iにおいて示す。10.5gのアスパルテートおよび23gのNa
2CO
3を1000mLの水および1000mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、30gのPhSNPPOC−Clの200mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。その溶液をおおよそ500mLのヘキサン/酢酸エチル 1:1で2回抽出し、pHを希HClで2に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜2%)を用いて精製する。
【0172】
収量:28gの淡黄色の非晶質の泡状物質(74%)。
j)PhSNPPOC−アスパラギン−OH
アスパラギン 12.7 g 0.0848 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 32.2 g 0.0848 mol 1等量
Na
2CO
3 19.8 g 0.1866 mol 2.2等量
水 1000 ml
THF 1200 ml
対応する合成経路を
図4jにおいて示す。12.7gのアスパラギンおよび19.8gのNa
2CO
3を1000mLの水および1000mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、32.2gのPhSNPPOC−Clの200mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。その溶液をおおよそ500mLのエーテルで2回抽出し、pHを希HClで2に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、酢酸エチルからの結晶化により精製する。
【0173】
収量:28gの淡黄色の結晶(73%)。
k)PhSNPPOC−ロイシン−OH
ロイシン 12.1 g 0.092 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 35.0 g 0.092 mol 1等量
Na
2CO
3 21.5 g 0.202 mol 2.2等量
水 250 ml
THF 250 ml
対応する合成経路を
図4kにおいて示す。12.1gのロイシンおよび21.5gのNa
2CO
3を250mLの水および200mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、35gのPhSNPPOC−Clの50mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。その溶液をおおよそ300mLのヘキサン/酢酸エチル 1:1で2回抽出し、pHを希HClで3に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜3%)を用いて精製する。
【0174】
収量:40gの黄色の油(91%)。
l)PhSNPPOC−C6−スペーサー
6-アミノ-ヘキサン酸 3.45 g 0.0263 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 10.0 g 0.0263 mol 1等量
Na
2CO
3 6.1 g 0.0579 mol 2.2等量
水 300 ml
THF 200 ml
対応する合成経路を
図4lにおいて示す。3.45gの6−アミノ−ヘキサン酸および6.1gのNa
2CO
3を、300mLの水および120mLのTHF中で溶解させる。その溶液を氷浴中で撹拌し、10gのPhSNPPOC−Clの80mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。pHを10.5に調節した。その溶液をおおよそ300mLのエーテルで2回抽出し、pHを希HClで2.3に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜5%および酢酸0.5%)を用いて精製する。
【0175】
収量:10.4gの淡黄色の油(83%)。
m)PhSNPPOC−リシン(Boc)−OH
Fmoc-リシン(Boc)-OH 37.0 g 0.079 mol 1等量
ピペリジン 33.6 g 0.395 mol 5等量
THF 1400 ml
Na
2CO
3 18.4 g 0.174 mol 2.2等量
PhSNPPOC-Cl 30.0 g 0.079 mol 1等量
37.0gのFmoc−リシン(Boc)−OHを400mlのTHF中で溶解させ、33.6gのピペリジンで、機械式撹拌器のブレードによる撹拌の下で3時間処理する。その期間の後、TLCは完全なFMOCの除去を示した。水(おおよそ2L)を添加し、さらに30分間撹拌した。沈殿を吸引により濾過した。その透明な濾液に18.4gのNa
2CO
3を入れ、蒸発させて乾燥させた。繰り返し水を添加して蒸留することにより、全てのピペリジンが除去されるまで蒸発を継続した。その残留物をおおよそ1Lの水中で溶解させ、800mLのTHFで処理した。その溶液を氷浴中で撹拌し、30gのPhSNPPOC−Clの200mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。pHを希HClで2に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜1%)を用いて精製する。
【0176】
収量:28.3gの淡橙色の非晶質の泡状物質(60%)。
n)PhSNPPOC−セリン(t−Bu)−OH
Fmoc-セリン(t-Bu)-OH 30.3 g 0.079 mol 1等量
ピペリジン 33.6 g 0.395 mol 5等量
THF 1600 ml
Na
2CO
3 18.4 g 0.174 mol 2.2等量
PhSNPPOC-Cl 30.0 g 0.079 mol 1等量
30.3gのFmoc−セリン(Boc)−OHを600mLのTHF中で溶解させ、33.6gのピペリジンで、機械式撹拌器のブレードによる撹拌の下で3時間処理する。その期間の後、TLCは完全なFMOCの除去を示した。水(おおよそ2L)を添加し、さらに60分間撹拌した。沈殿を吸引により濾過した。その透明な濾液に18.4gのNa
2CO
3を入れ、蒸発させて乾燥させた。繰り返し水を添加して蒸留することにより、全てのピペリジンが除去されるまで蒸発を継続した。その残留物をおおよそ600mLの水中で溶解させ、濾過し、800mLのTHFで処理した。その溶液を氷浴中で撹拌し、30gのPhSNPPOC−Clの200mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。pHを希HClで2に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜1%)を用いて精製する。
【0177】
収量:30.9gの淡黄色の非晶質の泡状物質(77%)。
o)PhSNPPOC−スレオニン(t−Bu)−OH
Fmoc-Thr(t-Bu)-OH 31.4 g 0.079 mol 1等量
ピペリジン 33.6 g 0.395 mol 5等量
THF 1300 ml
Na
2CO
3 18.4 g 0.174 mol 2.2等量
PhSNPPOC-Cl 30.0 g 0.079 mol 1等量
31.4gのFmoc−Thr(t−Bu)−OHを600mLのTHF中で溶解させ、33.6gのピペリジンで、機械式撹拌器のブレードによる撹拌の下で4時間処理する。その期間の後、TLCは完全なFMOCの除去を示した。水(おおよそ3L)を添加し、さらに30分間撹拌した。沈殿を吸引により濾過した。その透明な濾液に18.4gのNa
2CO
3を入れ、蒸発させて乾燥させた。繰り返し水を添加して蒸留することにより、全てのピペリジンが除去されるまで蒸発を継続した。その残留物をおおよそ600mLの水中で溶解させ、濾過し、800mLのTHFで処理した。その溶液を氷浴中で撹拌し、30gのPhSNPPOC−Clの100mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。pHを希HClで2に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタン中メタノール(0〜1%)を用いて精製する。
【0178】
収量:30.9gの淡黄色の非晶質の泡状物質(69%)。
p)PhSNPPOC−ヒスチジン(Trt)−OH
工程1:
Fmoc-His(Trt)-OH 100 g 0.161 mol 1等量
ピペリジン 140 g 1.614 mol 10等量
THF 2000 ml
100gのFmoc−His(Trt)−OHを2000mLのTHF中で溶解させ、140gのピペリジンで、機械式撹拌器のブレードによる撹拌の下で2時間処理する。その期間の後、TLCは完全なFMOCの除去を示した。
【0179】
水(おおよそ4L)を添加し、さらに30分間撹拌した。沈殿を吸引により濾過した。その透明な濾液を濃縮して全てのTHFを除去した。pHを希HClで2.5に調節し、その混合物を一夜撹拌した。
【0180】
濾過すると53gの無色の結晶が得られ(83%)、それを空気中で一夜乾燥させた。
工程2:
H-His(Trt)-OH 20.9 g 0.0526 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 20.0 g 0.0526 mol 1等量
Na
2CO
3 12.3 g 0.116 mol 2.2等量
THF 800 ml
上記からの結晶20gおよび12.3gのNa
2CO
3を、おおよそ800mLの水および700mLのTHF中で溶解させた。その溶液を氷浴中で撹拌し、20gのPhSNPPOC−Clの100mLのTHF中における溶液で1滴ずつ処理する。撹拌を20分間継続する。THFを蒸発させた。pHを希HClで1.5に調節し、おおよそ500mLの酢酸エチルで抽出する。有機相をおおよそ500mLの水で洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ジクロロメタンおよび酢酸(0.01%)中0〜1%メタノールを用いて精製する。
【0181】
収量:10gの淡い非晶質の泡状物質(26%)。
実施例5:
ジスルフィド−PLPG−ヌクレオチドの合成
5’−PhSNPPOC−dB−3’−PA’s
a)5’−PhSNPPOC−dT
チミジン 19.1 g 0.0789 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 30.0 g 0.0789 mol 1等量
ピリジン 300 ml
ジクロロメタン 50 ml
19.1gのチミジンの300mLの乾燥ピリジン中における溶液を、氷浴中で撹拌する。1滴ずつ、30.0gのPhSNPPOC−Clの50mLのジクロロメタン中における溶液を添加する。10分間撹拌を継続した後、その溶液を800mLの水で2回洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その残留物をトルエン/エタノールの混合物と同時蒸発させる。精製はシリカゲル上でのジクロロメタン中メタノール(0〜2.5%)中でのカラムクロマトグラフィーにより成し遂げられた。
【0182】
収量:28gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(60%)。
b)5’−PhSNPPOC−dT−3’−PA
5’-PhSNPPOC-dT 27.1 g 0.0463 mol 1等量
DCI 2.7 g 0.0232 mol 0.5等量
P-試薬 13.5 g 0.0449 mol 0.97等量
ジクロロメタン 300 ml
強く乾燥させた防湿下での反応物の混合物を、室温で一夜撹拌した。ヘキサンをわずかに濁りが残るまで添加した。10分間撹拌した後、沈殿を吸引により濾過し、粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中65%から80%酢酸エチルまでの勾配を用いて精製する。
【0183】
収量:29.7gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(81%)
P-NMR: 144,4 (m) ppm , 純度94%。
c)5’−PhSNPPOC−dCAc
dC
Ac 28.3 g 0.105 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 40 g 0.105 mol 1等量
ピリジン 650 ml
ジクロロメタン 100 ml
28.3gのN−(アセチル)−2’−デオキシ−シチジンの溶液を200mLのピリジンと共に2回同時蒸発させ、250mLの乾燥ピリジン中で溶解させ、氷浴中で撹拌した。1滴ずつ、40.0gのPhSNPPOC−Clの100mLのジクロロメタン中における溶液を添加する。10分間撹拌を継続した後、その溶液を800mLの水で2回洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その残留物をトルエン/エタノールの混合物と同時蒸発させる。精製はシリカゲル上でのジクロロメタン中メタノール(0〜2.5%)中でのカラムクロマトグラフィーにより成し遂げられた。
【0184】
収量:31gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(48%)。
d)5’−PhSNPPOC−dCAc−3’−PA
5’-PhSNPPOC-dC
Ac 29.0 g 0.0473 mol 1等量
DCI 2.8 g 0.0237 mol 0.5等量
P-試薬 13.8 g 0.0459 mol 0.97等量
ジクロロメタン 300 ml
強く乾燥させた防湿下での反応物の混合物を、室温で一夜撹拌した。ヘキサンをわずかに濁りが残るまで添加した。その粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中65%から80%酢酸エチルまでの勾配を用いて精製する。
【0185】
収量:21.5gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(56%)
P-NMR: 144,6 (m) ppm , 純度99%。
e)5’−PhSNPPOC−dAtac
dA
tac 46.3 g 0.105 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 40 g 0.105 mol 1等量
ピリジン 650 ml
ジクロロメタン 100 ml
46.3gのN−(tert−ブチル−フェノキシアセチル)−2’−デオキシ−アデノシンの溶液を200mLのピリジンと共に2回同時蒸発させ、250mLの乾燥ピリジン中で溶解させ、氷浴中で撹拌した。1滴ずつ、40.0gのPhSNPPOC−Clの100mLのジクロロメタン中における溶液を添加する。10分間撹拌を継続した後、その溶液を800mLの炭酸水素ナトリウム溶液および水で2回洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その残留物をトルエン/エタノールの混合物と同時蒸発させる。精製はシリカゲル上でのジクロロメタン中メタノール(0〜1.5%)中でのカラムクロマトグラフィーにより成し遂げられた。
【0186】
収量:35gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(42%)。
f)5’−PhSNPPOC−dAtac−3’−PA
5’-PhSNPPOC-dA
tac 32.3 g 0.0412 mol 1等量
DCI 2.4 g 0.0206 mol 0.5等量
P-試薬 12.0 g 0.0399 mol 0.97等量
ジクロロメタン 300 ml
強く乾燥させた防湿下での反応物の混合物を、室温で一夜撹拌した。ヘキサンをわずかに濁りが残るまで添加した。10分間撹拌した後、その沈殿を吸引により濾過し、その粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中50%から65%酢酸エチルまでの勾配を用いて精製する。
【0187】
収量:32gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(79%)
P-NMR: 144,3 (m) ppm , 純度99%。
g)5’−PhSNPPOC−dGtac
dG
tac 48.2 g 0.105 mol 1等量
PhSNPPOC-Cl 40 g 0.105 mol 1等量
ピリジン 800 ml
ジクロロメタン 60 ml
48.2gのN−(tert−ブチル−フェノキシアセチル)−2’−デオキシ−グアノシンの溶液を200mLのピリジンと共に2回同時蒸発させ、400mLの乾燥ピリジン中で溶解させ、氷浴中で撹拌した。1滴ずつ、40.0gのPhSNPPOC−Clの600mLのジクロロメタン中における溶液を添加する。10分間撹拌を継続した後、その溶液を800mLの水で2回洗浄し、蒸発させて乾燥させる。その残留物をトルエン/エタノールの混合物と同時蒸発させる。精製はシリカゲル上でのジクロロメタン中メタノール(0〜5%)中でのカラムクロマトグラフィーにより成し遂げられた。
【0188】
収量:35gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(42%)。
h)5’−PhSNPPOC−dGtac−3’−PA
5’-PhSNPPOC-dG
tac 34.0 g 0.0425 mol 1等量
DCI 2.5 g 0.0212 mol 0.5等量
P-試薬 12.4 g 0.0412 mol 0.97等量
ジクロロメタン 500 mL
強く乾燥させた防湿下での反応物の混合物を、室温で一夜撹拌した。ヘキサンをわずかに濁りが残るまで添加した。その粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中50%から65%酢酸エチルまでの勾配を用いて精製する。
【0189】
収量:24.5gの淡い黄色がかった非晶質の泡状物質(58%)
P-NMR: 144,5 (m) ppm , 純度98%。
実施例6:
本発明に従うさらなるジアリールスルフィドPLPGの合成
a)5−(t−ブチルフェニル−チオ)−4−エチル−2−ニトロフェニル−2’−プロパン−1’−オール (t−ブチルチオ−NPPOH)
4-t-Bu-チオフェノール 25.0 g 0.150 mol 1.1等量
BrEt-NPPOH 39.0 g 0.135 mol 1等量
K
2CO
3 31.1 g 0.225 mol 1.7等量
DMF 200 mL
反応物の混合物を100℃で3時間撹拌した。DMFを真空中で蒸留して除いた。その残留物をジクロロメタン中で溶解させ、水で2回洗浄し、真空中で蒸発させて乾燥させた。得られた残留物をヘキサン類中で懸濁し、一夜撹拌し、吸引により濾別した。その結晶を乾燥させた。
【0190】
収量:43gの淡黄色粉末(85%)
1H-NMR (300MHz, DMSO):
7.72ppm (s, 1H, ニトロ-Ar-H); 7.50ppm (m, 2H, Ar-H t-Bu-Ph); 7.38ppm (m, 2H, Ar-H t-Bu-Ph); 6.88ppm (s, 1H, ニトロ-Ar-H); 4.67ppm (s, 1H, O
H); 3.25- 3.21ppm (m, 3H, Ar-C
H(Me)-C
H2-OH); 2.73ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 1.29ppm (s, 9H, C
H3t-Bu); 1.20ppm (t, 3H, Ar-CH
2-C
H3; 0.95ppm (d, 3H, Ar-CH(C
H3)-CH
2-OH)。
【0191】
b)ナフチル−チオ−NPPOH
BrEt-NPPOH 20.6 g 0.0715 mol 1等量
2-チオナフトール(2-Thionaphtol) 11.5 g 0.0715 mol 1等量
炭酸カリウム 14.8 g 0.107 mol 1.5等量
DMF 100 mL
反応物の混合物を1.5時間還流し、室温でさらに一夜撹拌した。その残留物を1.5Lの水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。その有機性抽出物を水で2回洗浄し、真空中で蒸発させて乾燥させ、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中酢酸エチル(0〜30%)を用いて精製した。
【0192】
収量:9.0gの黄色の油(34%)
1H-NMR (300MHz, DMSO):
8.07ppm (m, 1H, ナフチル-H), 8.00 - 7.90ppm (m, 3H, ナフチル-H); 7.77ppm (s, 1H, ニトロ芳香族-H); 7.61-7.54ppm (m, 2H, ナフチル-H); 7.47-7.41ppm (m, 1H, ナフチル-H); 7.11ppm (s, 1H, ニトロ芳香族-H); 4.65ppm (t, 1H, O
H); 3.30-3.15ppm (m, 3H, Ar-C
H(CH
3)-C
H2-OH); 2.77ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 1.21ppm (t, 3H, Ar-CH
2-C
H3); 0.92ppm (d, Ar-CH(C
H3)-CH
2-OH)。
【0193】
c)ニトロベンズイミダゾール−S−NPPOH
BrEt-NPPOH 6.0 g 0.0208 mol 1等量
2-メルカプト-5-ニトロ-ベンズイミダゾール 4.06 g 0.0208 mol 1等量
炭酸カリウム 4.3 g 0.0312 mol 1.5等量
DMF 50 mL
反応物の混合物を3時間還流し、室温でさらに一夜撹拌した。その残留物を0.5Lの水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。その有機性抽出物を水で2回洗浄し、真空中で蒸発させて乾燥させ、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中酢酸エチル(0〜30%)を用いて精製した。
【0194】
収量:5.8gの黄色の油(69%)
1H-NMR (300MHz, DMSO):
13.35ppm (s, 1H, N
H); 8.35ppm (dd, 1H, ニトロベンズイミダゾール-H); 7.95ppm (s, 1H, ニトロ芳香族-H); 7,75ppm (s, 1H, ニトロ芳香族-H); 7.63ppm (1H, d, ニトロベンズイミダゾール-H); 4.71ppm (s, 1H, O
H); 3.47ppm (d, 2H, HO-C
H2); 3.19ppm (m, 1H, Ar-C
H(CH
3)-CH
2-OH); 2.79ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3), 1.21-1.15ppm (m, 6H, 2 x C
H3)。
【0195】
d)ピリジル−S−NPPOH
BrEt-NPPOH 133.5 g 0.463 mol 1等量
2-メルカプトピリジン 51.5 g 0.463 mol 1等量
炭酸カリウム 96.0 g 0.695 mol 1.5等量
DMF 600 mL
反応物の混合物を140℃で4時間撹拌した。DMFを真空中で蒸留して除いた。その残留物をジクロロメタン中で溶解させ、水で2回洗浄し、真空中で蒸発させると油になった。その残留物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより、ヘキサン中酢酸エチル(0〜30%)を用いて精製した。
【0196】
収量:87.9gの透明な黄色の油(60%)
1H-NMR (300MHz, DMSO):
8.43ppm (m,1H, Py-H); 7.82ppm (s, 1H, ニトロ芳香族-); 7.70ppm (m, 1H, Py-H); 7.65ppm (s, 1H, Py-H), 7.21ppm (m, 1H, Py-H); 4.75ppm (t, 1H, O
H); 3.47ppm (t, 2H, HO-C
H2); 3.20ppm (m, 1H, HO-CH
2-C
HCH
3); 2.72ppm (q, 1H, C
H2-ベンジル); 1.15 (m, 6H, 2 x CH
3)。
【0197】
e)2,5−ジエチル−4−フェノキシ−ニトロベンゼン
フェノール 8.0 g 0.085 mol 1.1等量
NaH (パラフィン(Parafine)中60%) 3.4 g 0.085 mol 1.1等量
4-ブロモ-2,5-ジエチル-ニトロベンゼン(nitrobenze) 20.0 g 0.078 mol 1等量
DMF 60 ml
強い撹拌の下で、3.4gのNaH(パラフィン(parafine)中60%)を、8.0gのフェノールの60mlのDMF中における溶液に注意深く添加した。ガスの放出が終わった時に、20.0gの4−ブロモ−2,5−ジエチル−ニトロベンゼン(nitrobenze)をその混合物に添加した。その反応混合物を170℃で1.5時間撹拌した。次いでその反応混合物を周囲温度まで冷却し、600mlの水の中に注いだ。結果として得られたエマルジョンをヘキサンで抽出した。ヘキサンを蒸留して除き(distilled of)、その蒸留残留物を真空中で一夜乾燥させた。その蒸留残留物をヘキサン中で溶解させ、カラムクロマトグラフィー(シリカ/ヘキサン)により精製した。
【0198】
収量:2.2gのわずかに色のついた油
1H-NMR (DMSO):
7.96ppm (s, 1H, Ar-H); 7.48 - 7.40ppm (m, 2H, Ph-H); 7.25-7.18ppm (m, 1H, Ph-H); 7.09-7.03ppm (m, 2H, Ph-H); 6.78ppm (s, 1H, Ar-H); 2.72ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 2.68ppm (q, 2H, Ar-C
H2-CH
3); 1.18ppm (t, 3H, Ar-CH
2-C
H3); 1.07ppm (t, 3H, Ar-CH
2-C
H3)。
【0199】
実施例7:
R3=H[式I]であるジアリールスルフィド−PLPGの代替合成
a)3−アセトアミド−エチルベンゾール(3−Acetamido−ethylbenzol)
3-エチル-アニリン 550 g 4.54 mol
無水酢酸(Acetanhydride) 1100 mL
おおよそ4時間以内に、550gの3−エチル−アニリンを無水酢酸(acetanhydride)に添加した。その混合物を室温で一夜撹拌した(DC−対照 ヘキサン/EtOAc 1:1)。その反応混合物を真空中で蒸発させて乾燥させた。その蒸留残留物を、高真空中で蒸留した(温度:210℃、ヘッド温度(Head−Temp.):145℃)。
【0200】
収量:710gの黄色の油(96%)。
b)3−アセトアミド−6−ニトロ−エチルベンゾール
3-アセトアミド-エチルベンゾール 237.0 g 1.452 mol
濃H
2SO
4 622 mL
濃HNO
3 91.0 g
237.0gの3−アセトアミド−エチルベンゾールを622mLの濃H
2SO
4に滴加し、ここでその混合物の温度は20℃を超えなかった。その混合物を−30℃に冷却した。続いて、91.0gの濃HNO
3を滴加し、ここでその混合物の内部温度は−20℃を超えなかった。その混合物を−10℃に戻し、1800gの氷の中に注いだ。その水相を分離し、2×200mLのエーテルで抽出した。3−アセトアミド−6−ニトロ−エチルベンゾールの沈殿をそのエーテル抽出物と組み合わせ、その中で溶解させた。そのエーテル溶液を100mLの水で洗浄し、蒸発させた。
【0201】
c)3−エチル−4−ニトロ−アニリニウムブロミド
3-アセトアミド-6-ニトロ-エチルベンゾール(粗生成物) おおよそ1.45 mol
臭化水素酸(48%) 400 mL
その粗生成物を400mLの臭化水素酸(48%)中で懸濁し、0.5時間加熱して沸騰させた(3−エチル−4−ニトロ−アニリニウムブロミドが結晶し始め、それは反応体積の著しい増大を伴う)。その混合物を撹拌下で室温まで冷却し、続いて氷上で5℃に冷却した。その懸濁液を吸引により除去し、200mLの冷えた臭化水素酸(48%)中で再懸濁し、再度濾過し、続いてヌッチェ(nutsch)フィルター上でおおよそ50mLの冷えた臭化水素酸(48%)を用いて洗浄した。
【0202】
収量:450gの湿った生成物。
d)3−ブロモ−6−ニトロ−エチルベンゾール
3-エチル-4-ニトロ-アニリニウムブロミド 約450 g 約1.45 mol
(粗生成物、湿っていた)
臭化水素酸(48%) 250 mL
水 400 mL
NaNO
2 107.6 g
水 550 mL
前のアプローチの湿った生成物を、250mLの臭化水素酸(48%)の400mLの水中における溶液中で懸濁した。107.6gのNaNO
2の溶液を550mLの水に氷上で滴加し、ここでその混合物の温度は12℃を超えなかった。その混合物を0℃で30分間撹拌し、濾過した。
【0203】
ザンドマイヤー(Sandmayer)変換:
ジアゾニウム塩溶液 約1.45 mol
銅粉末 84.9 g
CuSO
4x 5H
2O 212.3 g
臭化水素酸(48%) 670 mL
そのジアゾニウム塩溶液を、84.9gの銅粉末、212.3gのCuSO
4 x 5H
2Oおよび670mLの臭化水素酸(48%)の混合物に氷上で滴加し、ここでその混合物の温度は15℃を超えなかった。その混合物を室温で一夜撹拌し、濾過し、有機相を分離した。水相をジクロロメタンで抽出した。有機相を合わせてシリカゲルの薄層の使用の下で濾過し、次いで真空中で蒸発させて乾燥させた。167.8gの粗生成物が得られた。その蒸留残留物を高真空中で蒸留した(温度:155℃、ヘッド温度(Head−Temp.):85℃)。収量:144.3g、黄色の油(4工程を経て43%)。
【0204】
e)2−(2−ニトロ−5−ブロモ−フェニル)プロパノール(2−(2−Nitro−5−brom−phenyl)propanol)
3-ブロモ-6-ニトロ-エチルベンゾール 309.6 g 1.346 mol 1等量
パラホルムアルデヒド 42.4 g 1.413 mol 1.05等量
カリウム-tert-ブチレート 37.8 g 0.337 mol 0.25等量
DMSO 900 mL
309.6gの3-ブロモ-6-ニトロ-エチルベンゾールおよび42.4gのパラホルムアルデヒドの300mLのDMSO中における溶液に、37.8gのカリウム-tert-ブチレートを少しずつ添加し、ここでその温度は40〜50℃まで上昇した。その混合物を室温で一夜撹拌した。900mLのトルオールをその混合物に添加し、3×450mLの水性NaOH(10%)で、続いて450mLの水で洗浄した。その有機相を真空中で蒸発させて乾燥させた。319gの粗生成物が得られ、次いでそれをクロマトグラフィーを用いて精製した:
カラム:700gシリカゲル、直径8.5cm、n−ヘキサンで平衡化した。その粗生成物を100mLのトルオール中で溶解させ、カラム上に装填した(loaded)。以下の勾配を用いて溶離を実施した:2.5L n−ヘキサン、
酢酸エチル/n−ヘキサン 1:100 1L
1:50 1.5L
1:20 1L
1:6 2L
1:5 1.5L
収量:236.06gの2−(2−ニトロ−5−ブロモ−フェニル)プロパノール(67%)。
【0205】
f)エチル基を有しないPhSNPPOH
Br-NPPOH 5.0 g 0.0192 mol 1等量
Ph-SH 2.3 g 0.0211 mol 1.1等量
K
2CO
3 4.5 g 0.0326 mol 1.7等量
DMF 50 mL
上記で列挙した構成要素の混合物を、120℃で3時間、次いで70℃で一夜混合した。その反応混合物を真空中で蒸発させて乾燥させた。ジクロロメタンをその蒸留残留物に添加し、水で、希釈した水酸化ナトリウムで、そして再度水で洗浄した。有機相を蒸発させ、クロマトグラフィーを用いて精製した(固定相:イソヘキサンで平衡化したシリカゲル;勾配:イソヘキサン/5%酢酸エチル〜イソヘキサン/20%酢酸エチル)。
【0206】
収量:2.7gの赤褐色の油(48%)。