(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014]本議論は代表的な態様のみの説明であり、本発明のより広い形態を限定することは意図していないことが当業者に理解される。
【0010】
[0015]一般的に言えば、本発明は、ファインピッチ電気コネクターにおいて用いるための熱可塑性組成物に関する。本熱可塑性組成物は、液晶ポリマー及び複数の繊維を含む。熱可塑性組成物中の繊維の体積平均長さは、本発明によれば、約80〜約250マイクロメートル、幾つかの態様においては約100〜約200マイクロメートル、幾つかの態様においては約110〜約180マイクロメートルの範囲内になるように選択的に制御する。繊維はまた狭い長さ分布も有する。即ち、繊維の少なくとも約70体積%、幾つかの態様においては繊維の少なくとも80体積%、幾つかの態様においては繊維の少なくとも約90体積%は、約80〜約250マイクロメートル、幾つかの態様においては約100〜約200マイクロメートル、幾つかの態様においては約110〜約180マイクロメートルの範囲内の長さを有する。
【0011】
[0016]本発明者らは、液晶ポリマー、並びに特定の重量平均長さ及び狭い長さ分布の繊維を用いることによって、得られる熱可塑性組成物は強度及び流動性の望ましい組み合わせを達成することができ、これによりファインピッチコネクターの壁部に特異的に適するようにすることができることを見出した。例えば、本熱可塑性組成物を用いて、コネクターハウジングの対向する壁部を形成することができる。壁部は、約500マイクロメートル以下、幾つかの態様においては約100〜約450マイクロメートル、幾つかの態様においては約200〜約400マイクロメートルの比較的小さい幅を有する。本発明の熱可塑性組成物から形成した場合には、繊維の体積平均長さに対する少なくとも1つの壁部の厚さの比は、約0.8〜約3.2、幾つかの態様においては約1.0〜約3.0、幾つかの態様においては約1.2〜約2.9である。
【0012】
[0017]熱可塑性組成物中において用いる繊維は、一般にそれらの質量に対して高い程度の引張り強さを有する。例えば、繊維の極限引張り強さ(ASTM−D2101にしたがって測定)は、通常は約1,000〜約15,000メガパスカル(MPa)、幾つかの態様においては約2,000MPa〜約10,000MPa、幾つかの態様においては約3,000MPa〜約6,000MPaである。コネクターハウジングのために望ましい絶縁特性の維持を促進するためには、高強度繊維を、ガラス、セラミックス(例えばアルミナ又はシリカ)、アラミド(例えばイー・アイ・デュポン ドゥ ヌムール、ウィルミントン、デラウェア(E.I. DuPont de Nemours, Wilmington, Delaware)によって販売されているケブラー(Kevlar)(登録商標))、ポリオレフィン、ポリエステル等、並びにこれらの混合物のようなこれも概して絶縁性の性質を有する材料から形成することができる。E−ガラス、A−ガラス、C−ガラス、D−ガラス、AR−ガラス、R−ガラス、S1−ガラス、S2−ガラス等、及びこれらの混合物のようなガラス繊維が特に好適である。上述の長さ特性を有することに加えて、繊維はまた、得られる熱可塑性組成物の機械特性の向上を促進させるために、比較的高いアスペクト比(平均長さをみかけ直径で割った値)も有していてよい。例えば、繊維は、約2〜約50、幾つかの態様においては約4〜約40のアスペクト比を有していてよく、幾つかの態様においては約5〜約20が特に有益である。繊維は例えば、約10〜約35マイクロメートル、幾つかの態様においては約15〜約30マイクロメートルのみかけ直径を有していてよい。
【0013】
[0018]熱可塑性組成物中における繊維の相対量も、その流動性のような組成物の他の特性に悪影響を与えることなく所望の機械特性の達成を促進するように選択的に制御する。例えば、繊維は、通常は、熱可塑性組成物の約2重量%〜約40重量%、幾つかの態様においては約5重量%〜約35重量%、幾つかの態様においては約6重量%〜約30重量%を構成する。繊維は上述の範囲内で用いることができるが、本発明の1つの特に有益で驚くべき特徴は、所望の機械特性をなお達成しながら少ない繊維含量を用いることができることである。理論に限定されることは意図しないが、繊維の狭い長さ分布によって優れた機械特性の達成を促進することができ、これによってより少ない量の繊維を用いることが可能になると考えられる。例えば、繊維は、約2重量%〜約20重量%、幾つかの態様においては約5重量%〜約16重量%、幾つかの態様においては約6重量%〜約12重量%のような少量で用いることができる。
【0014】
[0019]繊維に加えて、本発明の熱可塑性組成物は、電気コネクターの壁部を形成するのに用いる金型の小さい空間を有効に充填するのを可能にする高い結晶化度を有する少なくとも1種類のサーモトロピック液晶ポリマーを用いる。かかる液晶ポリマーの量は、通常は、熱可塑性組成物の約20重量%〜約90重量%、幾つかの態様においては約30重量%〜約80重量%、幾つかの態様においては約40重量%〜約75重量%である。好適なサーモトロピック液晶ポリマーとしては、芳香族ポリエステル、芳香族ポリ(エステルアミド)、芳香族ポリ(エステルカーボネート)、芳香族ポリアミド等を挙げることができ、更に、1種類以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミノカルボン酸、芳香族アミン、芳香族ジアミン等、並びにこれらの組合せから形成される繰り返し単位を含んでいてよい。
【0015】
[0020]芳香族ポリエステルは、例えば、(1)2種類以上の芳香族ヒドロキシカルボン酸;(2)少なくとも1種類の芳香族ヒドロキシカルボン酸、少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸、及び少なくとも1種類の芳香族ジオール;及び/又は(3)少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸、及び少なくとも1種類の芳香族ジオール;を重合することによって得ることができる。好適な芳香族ヒドロキシカルボン酸の例としては、4−ヒドロキシ安息香酸;4−ヒドロキシ−4’−ビフェニルカルボン酸;2−ヒドロキシ−6−ナフトエ酸;2−ヒドロキシ−5−ナフトエ酸;3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸;2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸;4’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸;3’−ヒドロキシフェニル−4−安息香酸;4’−ヒドロキシフェニル−3−安息香酸等、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体が挙げられる。好適な芳香族ジカルボン酸の例としては、テレフタル酸;イソフタル酸;2,6−ナフタレンジカルボン酸;ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸;1,6−ナフタレンジカルボン酸;2,7−ナフタレンジカルボン酸;4,4’−ジカルボキシビフェニル;ビス(4−カルボキシフェニル)エーテル;ビス(4−カルボキシフェニル)ブタン;ビス(4−カルボキシフェニル)エタン;ビス(3−カルボキシフェニル)エーテル;ビス(3−カルボキシフェニル)エタン等、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体が挙げられる。好適な芳香族ジオールの例としては、ヒドロキノン;レゾルシノール;2,6−ジヒドロキシナフタレン;2,7−ジヒドロキシナフタレン;1,6−ジヒドロキシナフタレン;4,4’−ジヒドロキシビフェニル;3,3’−ジヒドロキシビフェニル;3,4’−ジヒドロキシビフェニル;4,4’−ジヒドロキシビフェニルエーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体が挙げられる。
【0016】
[0021]1つの特定の態様においては、芳香族ポリエステルは、4−ヒドロキシ安息香酸(HBA)、及び2,6−ヒドロキシナフトエ酸(HNA)及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)から誘導されるモノマー繰り返し単位、並びに場合によってはテレフタル酸(TA)及び/又はイソフタル酸(IA);ヒドロキノン(HQ)、4,4−ビフェノール(BP)、及び/又はアセトアミノフェン(APAP)等、並びにこれらの組合せのような他の繰り返し単位を含む。HBAから誘導されるモノマー単位は、モル基準でポリマーの約40%〜約75%を構成していてよく、HNA及び/又はNDAから誘導されるモノマー単位は、モル基準でポリマーの約1%〜約25%を構成していてよい。TA及び/又はIAから誘導されるモノマー単位は、モル基準でポリマーの約2%〜約25%を構成していてよい。更に、HQ、BP、及び/又はAPAPから誘導されるモノマー単位は、モル基準でポリマーの約10%〜約35%を構成していてよい。好適な芳香族ポリエステルは、ティコナ, エルエルシー(Ticona, LLC)からベクトラ(VECTRA)(登録商標) Aの商品名で商業的に入手できる。これら及び他の芳香族ポリエステルの合成及び構造は、米国特許4,161,470;4,473,682;4,522,974;4,375,530;4,318,841;4,256,624;4,219,461;4,083,829;4,184,996;4,279,803;4,337,190;4,355,134;4,429,105;4,393,191;4,421,908;4,434,262;及び5,541,240;においてより詳細に説明することができる。
【0017】
[0022]更に、液晶ポリエステルアミドは、(1)少なくとも1種類の芳香族ヒドロキシカルボン酸、及び少なくとも1種類の芳香族アミノカルボン酸;(2)少なくとも1種類の芳香族ヒドロキシカルボン酸、少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸、及び場合によってはフェノール性ヒドロキシ基を有する少なくとも1種類の芳香族アミン及び/又はジアミン;並びに(3)少なくとも1種類の芳香族ジカルボン酸、及び場合によってはフェノール性ヒドロキシ基を有する少なくとも1種類の芳香族アミン及び/又はジアミン;を重合することによって得ることができる。好適な芳香族アミン及びジアミンとしては、例えば、3−アミノフェノール;4−アミノフェノール;1,4−フェニレンジアミン;1,3−フェニレンジアミン等、並びにこれらのアルキル、アルコキシ、アリール、及びハロゲン置換体を挙げることができる。1つの特定の態様においては、芳香族ポリエステルアミドは、2,6−ヒドロキシナフトエ酸、テレフタル酸、及び4−アミノフェノールから誘導されるモノマー単位を含む。2,6−ヒドロキシナフトエ酸から誘導されるモノマー単位はモル基準でポリマーの約35%〜約85%(例えば60%)を構成していてよく、テレフタル酸から誘導されるモノマー単位はモル基準でポリマーの約5%〜約50%(例えば20%)を構成していてよく、4−アミノフェノールから誘導されるモノマー単位はモル基準でポリマーの約5%〜約50%(例えば20%)を構成していてよい。かかる芳香族ポリエステルは、ティコナ, エルエルシー(Ticona, LLC)からベクトラ(VECTRA)(登録商標) Bの商品名で商業的に入手できる。他の態様においては、芳香族ポリエステルアミドは、2,6−ヒドロキシナフトエ酸、及び4−ヒドロキシ安息香酸、及び4−アミノフェノール、並びに場合によっては他のモノマー(例えば4,4’−ジヒドロキシビフェニル、及び/又はテレフタル酸)から誘導されるモノマー単位を含む。これら及び他の芳香族ポリ(エステスアミド)の合成及び構造は、米国特許4,339,375;4,355,132;4,351,917;4,330,457;4,351,918;及び5,204,443;においてより詳細に説明することができる。
【0018】
[0023]液晶ポリマーは、適当な1種類又は複数のモノマー(例えば、芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール、芳香族アミン、芳香族ジアミン等)を反応容器中に導入して重縮合反応を開始させることによって製造することができる。かかる反応において用いる特定の条件及び工程は周知であり、Calundannの米国特許4,161,470;Linstid, III.らの米国特許5,616,680;Listid, III.らの米国特許6,114,492;Shepherdらの米国特許6,514,611;及びWaggonerのWO−2004/058851(これらは、全ての関連する目的のためにそれらの全部を参照することによって本明細書中に包含する)においてより詳細に説明することができる。反応のために用いる容器は特に限定されないが、通常は高粘度の流体の反応において通常用いられているものを用いることが望ましい。かかる反応容器の例としては、アンカータイプ、多段式タイプ、螺旋リボンタイプ、スクリューシャフトタイプ等、或いはこれらの変形形状のような種々の形状の撹拌ブレードを有する撹拌装置を有する撹拌タンクタイプの装置を挙げることができる。かかる反応容器の更なる例としては、ニーダー、ロールミル、バンバリーミキサー等のような樹脂の混練において通常用いられている混合装置を挙げることができる。
【0019】
[0024]所望の場合には、反応は、上記に参照し当該技術において公知のモノマーのアセチル化によって進行させることができる。これは、モノマーにアセチル化剤(例えば無水酢酸)を加えることによって行うことができる。アセチル化は、一般に約90℃の温度において開始する。アセチル化の初期段階中においては、還流を用いて、蒸気相温度を、酢酸副生成物及び無水物が蒸留しはじめる点より低く維持することができる。アセチル化中の温度は、通常は90℃〜150℃、幾つかの態様においては約110℃〜約150℃の範囲である。還流を用いる場合には、蒸気相温度は、通常は酢酸の沸点よりも高いが、残留無水酢酸を保持するのに十分に低く維持する。例えば、無水酢酸は約140℃の温度において気化する。而して、反応器に約110℃〜約130℃の温度で蒸気相還流を供給することが特に望ましい。反応を実質的に完了させるのを確保するために、過剰量の無水酢酸を用いることができる。過剰の無水物の量は、還流の存在又は不存在などの用いる特定のアセチル化条件によって変動する。存在する反応物質のヒドロキシル基の合計モル数を基準として約1〜約10モル%の過剰の無水酢酸を用いることはまれではない。
【0020】
[0025]アセチル化は、別の反応容器内で行うことができ、或いは重合反応容器内でin situで行うことができる。別の反応容器を用いる場合には、モノマーの1以上をアセチル化反応器に導入し、続いて重合反応器に移すことができる。更に、1種類以上のモノマーを予めアセチル化にかけないで反応容器に直接導入することもできる。
【0021】
[0026]モノマー及び場合によって用いるアセチル化剤に加えて、重合の促進を助けるために他の成分を反応混合物内に含ませることもできる。例えば、場合によっては、金属塩触媒(例えば、酢酸マグネシウム、酢酸スズ(I)、チタン酸テトラブチル、酢酸鉛、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム等)、及び有機化合物触媒(例えばN−メチルイミダゾール)のような触媒を用いることができる。かかる触媒は、通常は、繰り返し単位前駆体の全重量を基準として約50〜約500ppmの量で用いる。別の反応器を用いる場合には、重合反応器ではなくアセチル化反応器に触媒を加えることが通常は望ましいが、これは決して必須要件ではない。
【0022】
[0027]反応混合物は、一般に重合反応容器内で昇温温度に加熱して、反応物質の溶融重縮合を開始させる。重縮合は、例えば約210℃〜約400℃、幾つかの態様においては約250℃〜約350℃の温度範囲内で行うことができる。例えば、芳香族ポリエステルを形成するための1つの好適な方法には、前駆体モノマー(例えば、4−ヒドロキシ安息香酸及び2,6−ヒドロキシナフトエ酸)、並びに無水酢酸を反応器中に充填し、混合物を約90℃〜約150℃の温度に加熱してモノマーのヒドロキシル基をアセチル化し(例えばアセトキシを形成し)、次に温度を約210℃〜約400℃の温度に上昇させて溶融重縮合を行うことを含ませることができる。最終重合温度に近付いたら、反応の揮発性副生成物(例えば酢酸)を除去して、所望の分子量を容易に達成することができるようにすることもできる。反応混合物は、一般に重合中に撹拌にかけて、良好な熱及び物質の移動、及びその結果として良好な材料の均一性を確保する。撹拌器の回転速度は、反応の過程中に変動させることができるが、通常は約10〜約100の毎分回転数(rpm)、幾つかの態様においては約20〜約80rpmの範囲である。溶融体における分子量を構築するために、重合反応はまた真空下で行うこともでき、これを加えると重縮合の最終段階中に形成される揮発性化合物の除去が促進される。真空は、約5〜約30ポンド/平方インチ(psi)、幾つかの態様においては約10〜約20psiの範囲内のような吸引圧を加えることによって生起させることができる。
【0023】
[0028]溶融重合の後、溶融したポリマーは、通常は所望の形状のダイを取り付けた押出しオリフィスを通して反応器から排出し、冷却し、回収することができる。通常は、溶融体は、有孔ダイを通して排出してストランドを形成し、これを水浴内で巻き取り、ペレット化し、乾燥する。樹脂はまた、ストランド、粒状物、又は粉末の形態であってもよい。必須ではないが、引き続き固相重合を行って分子量を更に上昇させることができることも理解すべきである。溶融重合によって得られたポリマーに対して固相重合を行う場合には、溶融重合によって得られたポリマーを固化させ、次に粉砕して粉末状又はフレーク状のポリマーを形成し、次に不活性雰囲気(例えば窒素)下、200℃〜350℃の温度範囲における熱処理のような固相重合法を行う方法を選択することが通常は望ましい。
【0024】
[0029]用いる特定の方法に関係なく、得られる液晶ポリマーは、通常は、約2,000g/モル以上、幾つかの態様においては約4,000g/モル以上、幾つかの態様においては約5,000〜約30,000g/モルの高い数平均分子量(M
n)を有することができる。勿論、本発明の方法を用いて約2,000g/モル未満のようなより低い分子量を有するポリマーを形成することもできる。一般に分子量に比例するポリマーの固有粘度も比較的高くすることができる。例えば、固有粘度は、約4デシリットル/グラム(dL/g)以上、幾つかの態様においては約5dL/g以上、幾つかの態様においては約6〜約20dL/g、幾つかの態様においては約7〜約15dL/gにすることができる。固有粘度は、ISO−1628−5にしたがって、ペンタフルオロフェノールとヘキサフルオロイソプロパノールの50/50(v/v)混合物を用いて測定することができる。
【0025】
[0030]上述の成分に加えて、組成物中に含ませることができる更に他の添加剤としては、例えば、抗菌剤、充填剤、顔料、酸化防止剤、安定剤、界面活性剤、ワックス、流動促進剤、固体溶媒、並びに特性及び加工性を向上させるために加える他の材料を挙げることができる。例えば、熱可塑性組成物中において無機充填剤を用いて、所望の機械特性及び/又は外観の達成を促進させることができる。用いる場合には、かかる無機充填剤は、通常は、熱可塑性組成物の約1重量%〜約40重量%、幾つかの態様においては約2重量%〜約35重量%、幾つかの態様においては約5重量%〜約30重量%を構成する。粘土鉱物は本発明において用いるのに特に好適である可能性がある。かかる粘土鉱物の例としては、例えば、タルク(Mg
3Si
4O
10(OH)
2)、ハロイサイト(Al
2Si
2O
5(OH)
4)、カオリナイト(Al
2Si
2O
5(OH)
4)、イライト((K,H
3O)(Al,Mg,Fe)
2(Si,Al)
4O
10[(OH)
2,(H
2O)])、モンモリロナイト(Na,Ca)
0.33(Al,Mg)
2Si
4O
10(OH)
2・nH
2O)、バーミキュライト((MgFe,Al)
3(Al,Si)
4O
10(OH)
2・4H
2O)、パリゴルスカイト((Mg,Al)
2Si
4O
10(OH)・4(H
2O))、パイロフィライト(Al
2Si
4O
10(OH)
2)等、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。クレイ鉱物の代わりか又はそれに加えて、更に他の無機充填剤を用いることもできる。例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、マイカ、珪藻土、珪灰石などのような他の好適なシリケート充填剤を用いることもできる。例えば、マイカは特に好適である可能性がある。地質学的存在状態における相当な相違を有する幾つかの化学的に異なるマイカ種が存在するが、全て実質的に同じ結晶構造を有する。本明細書において用いる「マイカ」という用語は、モスコバイト(KAl
2(AlSi
3)O
10(OH)
2)、バイオタイト(K(Mg,Fe)
3(AlSi
3)O
10(OH)
2)、フロゴパイト(KMg
3(AlSi
3)O
10(OH)
2)、レピドライト(K(Li,Al)
2〜3(AlSi
3)O
10(OH)
2)、グローコナイト(K,Na)(Al,Mg,Fe)
2(Si,Al)
4O
10(OH)
2)等、並びにこれらの組み合わせのような任意のこれらの種を総称的に包含すると意図される。
【0026】
[0031]また、実質的に分解することなく液晶ポリマーの加工条件に耐えることができる潤滑剤を、熱可塑性組成物中において用いることもできる。かかる潤滑剤の例としては、脂肪酸エステル、その塩、エステル、脂肪酸アミド、有機ホスフェートエステル、及びエンジニアリングプラスチック材料の加工において潤滑剤として通常的に用いられているタイプの炭化水素ワックスが挙げられ、これらの混合物が包含される。好適な脂肪酸は、通常は、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、モンタン酸、オクタデカン酸、パリナリン酸などのように、約12〜約60個の炭素原子の骨格炭素鎖を有する。好適なエステルとしては、脂肪酸エステル、脂肪アルコールエステル、ワックスエステル、グリセロールエステル、グリコールエステル、及びコンプレックスエステルが挙げられる。脂肪酸アミドとしては、脂肪酸第1級アミド、脂肪酸第2級アミド、メチレン及びエチレンビスアミド、並びにアルカノールアミド、例えば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、N,N’−エチレンビスステアラミドなどが挙げられる。ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどのような脂肪酸の金属塩;パラフィンワックス、ポリオレフィン及び酸化ポリオレフィンワックスなどの炭化水素ワックス、並びに微結晶質ワックス;も好適である。特に好適な潤滑剤は、ステアリン酸の酸、塩、又はアミド、例えばペンタエリトリトールテトラステアレート、カルシウムステアレート、又はN,N’−エチレンビスステアラミドである。用いる場合には、1種類又は複数の潤滑剤は、通常は、熱可塑性組成物の約0.05重量%〜約1.5重量%、幾つかの態様においては約0.1重量%〜約0.5重量%を構成する。
【0027】
[0032]液晶ポリマー、繊維、及び他の場合によって用いる添加剤は、約200℃〜約450℃、幾つかの態様においては約220℃〜約400℃、幾つかの態様においては約250℃〜約350℃の温度範囲内で一緒に溶融ブレンドして熱可塑性組成物を形成することができる。一般に、任意の種々の溶融ブレンド技術を本発明において用いることができる。例えば、成分(例えば液晶ポリマー、繊維等)は、バレル(例えば円筒形のバレル)内に回転可能に取り付けられ収容されている少なくとも1つのスクリューを含み、スクリューの長さに沿って供給セクション及び供給セクションの下流に配置されている溶融セクションを画定することができる押出機に別々か又は組み合わせて供給することができる。
【0028】
[0033]押出機は、一軸又は二軸押出機であってよい。例えば、
図3を参照すると、ハウジング又はバレル114、及び好適な駆動装置124(通常はモーター及びギヤボックスを含む)によって一端上で回転可能に駆動されているスクリュー120を含む一軸押出機80の一態様が示されている。所望の場合には、2つの別々のスクリューを含む二軸押出機を用いることができる。スクリューの形状は本発明に対して特に重要ではなく、当該技術において公知なように任意の数及び/又は配向のネジ山及びネジ溝を含んでいてよい。例えば、
図3に示すように、スクリュー120は、スクリュー120のコアの周りに放射状に伸びる概して螺旋状のネジ溝を形成するネジ山を含む。バレル114内の開口を通して液晶ポリマー及び/又は他の材料を供給セクション132に供給するためのホッパー40が、駆動装置124に隣接して配置されている。駆動装置124の反対側は押出機80の出口端144であり、ここで押出されたプラスチックが更なる加工のために排出される。
【0029】
[0034]供給セクション132及び溶融セクション134が、スクリュー120の長さに沿って画定されている。供給セクション132はバレル114の入口部分であり、ここで液晶ポリマーが加えられる。溶融セクション134は相変化セクションであり、この中で液晶ポリマーが固体から液体に変化する。押出機を製造する際にはこれらのセクションは明確に規定されて示されていないが、供給セクション132、及び固体から液体への相変化を行う溶融セクション134を確実に識別することは当業者の範囲内である。必ずしも必須ではないが、押出機80にはまた、バレル114の出口端に隣接して且つ溶融セクション134の下流に配置されている混合セクション136を与えることもできる。所望の場合には、押出機の混合セクション及び/又は溶融セクション内において、1以上の分配及び/又は分散混合部材を用いることができる。一軸押出機のために好適な分配ミキサーとしては、例えばサクソン(Saxon)ミキサー、ダルメージ(Dulmage)ミキサー、キャビティートランスファーミキサー等を挙げることができる。更に、好適な分散ミキサーとしては、ブリスターリングミキサー、レロイ/マドック(Leroy/Maddock)ミキサー、CRDミキサー等を挙げることができる。当該技術において周知なように、混合は、バス(Buss)ニーダー押出機、キャビティートランスファーミキサー、及びボルテックスインターメッシュピンミキサーにおいて用いられているもののようなポリマー溶融体の折り畳み及び再配向を生起させるバレル内のピンを用いることによって更に向上させることができる。
【0030】
[0035]熱可塑性組成物の繊維は、一般に押出機の任意の位置において、例えばホッパー40へ、又はその下流の位置において加えることができる。1つの特定の態様においては、繊維は、液晶ポリマーを供給する点の下流であるが、未だ溶融セクションの前の位置に加えることができる。例えば、
図3においては、押出機80の供給セクション132の区域内に配置されているホッパー42が示されている。ホッパー42に供給する繊維は、初めは比較的長く、例えば約1,000〜約5,000マイクロメートル、幾つかの態様においては約2,000〜約4,500マイクロメートル、幾つかの態様においては約3,000〜約4,000マイクロメートルの体積平均長さを有していてよい。しかしながら、本発明者らは、これらの長繊維を液晶ポリマーが未だ固体状態である位置において供給することによって、ポリマーを、繊維の体積平均長さを上述の範囲に減少させる研磨剤として作用させることができることを見出した。本発明者らはまた、長さの減少は組成物全体で一貫しており、これによって狭い長さ分布を与えることができることも見出した。
【0031】
[0036]押出中に繊維の長さを減少させる度合いの制御を助けるために、種々の異なるパラメータを選択的に制御することもできる。例えば、スクリューの長さ(L)/直径(D)の比は、処理量と繊維長さの減少との間の最適なバランスが達成されるように選択することができる。L/D値は、例えば、約15〜約50、幾つかの態様においては約20〜約45、幾つかの態様においては約25〜約40の範囲にすることができる。スクリューの長さは、例えば約0.1〜約5メートル、幾つかの態様においては約0.4〜約4メートル、幾つかの態様においては約0.5〜約2メートルの範囲にすることができる。更にスクリューの直径は、約5〜約150ミリメートル、幾つかの態様においては約10〜約120ミリメートル、幾つかの態様においては約20〜約80ミリメートルにすることができる。おそらくスクリューの全L/D比よりも更に重要なものは、繊維を供給する点の後のスクリューのL/D比である。より詳しくは、スクリューは、繊維を押出機に供給する点からスクリューの端までで規定されるブレンド長さ(L
B)を有し、ブレンド長さはスクリューの全長よりも短い。上述したように、液晶ポリマーが溶融する前に繊維を加えることが望ましい可能性があり、これはL
B/D比が相対的に高くなることを意味する。しかしながら、過度に高いL
B/D比はポリマーの劣化を引き起こす可能性がある。したがって、繊維を供給する点の後のスクリューのL
B/D比は、通常は約4〜約20、幾つかの態様においては約5〜約15、幾つかの態様においては約6〜約10である。
【0032】
[0037]長さ及び直径に加えて、押出機の他の特徴も所望の繊維長さを達成するように選択することができる。例えば、スクリューの速度は、所望の滞留時間、剪断速度、溶融加工温度等を達成するように選択することができる。一般に、摩擦エネルギーの増加は、押出機内の材料に対して回転しているスクリューによって与えられる剪断に起因し、繊維の破断を引き起こす。破断の程度は、少なくとも部分的にはスクリュー速度によって定まる可能性がある。例えば、スクリュー速度は、約50〜約200の毎分回転数(rpm)、幾つかの態様においては約70〜約150rpm、幾つかの態様においては約80〜約120rpmの範囲にすることができる。また、溶融ブレンド中のみかけ剪断速度は、約100秒
−1〜約10,000秒
−1、幾つかの態様においては約500秒
−1〜約5000秒
−1、幾つかの態様においては約800秒
−1〜約1200秒
−1の範囲にすることができる。みかけ剪断速度は、4Q/πR
3(式中、Qはポリマー溶融体の体積流量(m
3/秒)であり、Rはそれを通って溶融ポリマーが流れる毛細管(例えば押出機ダイ)の半径(m)である)に等しい。
【0033】
[0038]上記に記載の態様においては、繊維の長さは押出機内で減少させる。しかしながら、これは決して本発明の必須要件ではないことを理解すべきである。例えば、繊維は単純に所望の長さで押出機に供給することができる。かかる態様においては、繊維は、例えば押出機の混合セクション及び/又は溶融セクションにおいて、或いは更には液晶ポリマーに関する供給セクションにおいて供給することができる。
【0034】
[0039]それを形成する方法に関係なく、得られる熱可塑性組成物の溶融粘度は一般に十分に低いので、金型のキャビティ中に容易に流入させてファインピッチコネクターの壁部を形成することができる。例えば、1つの特定の態様においては、熱可塑性組成物は、1000秒
−1の剪断速度において測定して約0.5〜約100Pa・秒、幾つかの態様においては約1〜約80Pa・秒、幾つかの態様においては約5〜約50Pa・秒の溶融粘度を有することができる。溶融粘度は、ASTM試験1238−70にしたがって350℃の温度で測定することができる。
【0035】
[0040]所望の溶融粘度の達成を促進するために、液晶ポリマーと相互作用してその溶融粘度を低下させる流動調整剤として、1種類以上の官能性化合物を用いることができる。本発明において用いる官能性化合物は、一官能性、二官能性、三官能性等であってよく、ヒドロキシル、カルボキシル、カルボキシレート、エステル、及び第1級又は第2級アミンのような1以上の反応性官能基を含んでいてよい。ヒドロキシ官能性化合物は、ポリマー鎖と反応してその長さを短くして、それによって溶融粘度を低下させることができるヒドロキシル官能基を含んでいるので特に好適な流動調整剤である。用いる場合には、かかるヒドロキシ官能性化合物は、通常は熱可塑性組成物の約0.05重量%〜約4重量%を構成する。かかるヒドロキシル官能性化合物の1つの例は、ヒドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ビフェノール等、及びこれらの組み合わせのような芳香族ジオールである。かかる芳香族ジオールは、熱可塑性組成物の約0.01重量%〜約1重量%、幾つかの態様においては約0.05重量%〜約0.4重量%を構成することができる。水もまた好適なヒドロキシル官能性化合物であり、単独か又は他のヒドロキシル官能性化合物と組み合わせて用いることができる。所望の場合には、水はプロセス条件下で水を生成する形態で加えることができる。例えば、水は、プロセス条件(例えば高温)の下で有効に水を「失う」水和物として加えることができる。かかる水和物としては、アルミナ三水和物、硫酸銅五水和物、塩化バリウム二水和物、硫酸カルシウム二水和物等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。用いる場合には、水和物は、熱可塑性組成物の約0.02重量%〜約2重量%、幾つかの態様においては約0.05重量%〜約1重量%を構成することができる。
【0036】
[0041]上述したものに加えて、更に他の官能性化合物を流動調整剤として熱可塑性組成物中で用いることもできる。例えば、一般に他のタイプの官能性化合物によって切断された後のポリマーのより小さい鎖を一緒に結合させるように作用する芳香族ジカルボン酸を用いることができる。これにより、組成物の機械特性が、その溶融粘度が低下した後においても維持される。この目的のために好適な芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸、4,4’−ビ安息香酸、2−メチルテレフタル酸等、並びにこれらの組み合わせを挙げることができる。用いる場合には、かかるジカルボン酸は、通常は熱可塑性組成物の約0.001重量%〜約0.5重量%、幾つかの態様においては約0.005重量%〜約0.1重量%を構成する。1つの特定の態様においては、本発明の熱可塑性組成物は、芳香族ジオール、水和物、及び芳香族ジカルボン酸の組合せを含む混合物を用いる。本発明者らは、この成分の特定の組み合わせによって、機械特性に悪影響を与えることなく溶融粘度を低下させて流動性を向上させることができることを見出した。通常は、熱可塑性組成物中において用いる流動調整剤の、芳香族ジオールは約15重量%〜約45重量%を構成し、水和物は約45重量%〜約75重量%を構成し、芳香族ジカルボン酸は約1重量%〜約15重量%を構成する。
【0037】
[0042]従来は、上述のかかる低い粘度を有する熱可塑性組成物は、それらを幾つかのタイプの用途において用いることを可能にするのに十分に良好な熱特性及び機械特性は有しないと考えられていた。しかしながら、従来の見解に反して、本発明の熱可塑性組成物は優れた熱特性及び機械特性の両方を有することが分かった。例えば、本組成物は、ファインピッチコネクターの薄い壁部を形成する際に有用な高い衝撃強さを有することができる。例えば、本組成物は、ISO試験179−1(ASTM−D256方法Bと技術的に同等)にしたがって23℃において測定して、約4kJ/m
2より大きく、幾つかの態様においては約5〜約40kJ/m
2、幾つかの態様においては約6〜約30kJ/m
2のシャルピーノッチ付き衝撃強さを有することができる。組成物の引張及び曲げ機械特性も良好である。例えば、本熱可塑性組成物は、約20〜約500MPa、幾つかの態様においては約50〜約400MPa、幾つかの態様においては約100〜約350MPaの引張り強さ;約0.5%以上、幾つかの態様においては約0.6%〜約10%、幾つかの態様においては約0.8%〜約3.5%の引張破断歪み;及び/又は約5,000MPa〜約20,000MPa、幾つかの態様においては約8,000MPa〜約20,000MPa、幾つかの態様においては約10,000MPa〜約15,000MPaの引張弾性率;を示すことができる。引張特性は、ISO試験527(ASTM−D638と技術的に同等)にしたがって23℃において測定することができる。本熱可塑性組成物はまた、約20〜約500MPa、幾つかの態様においては約50〜約400MPa、幾つかの態様においては約100〜約350MPaの曲げ強さ;約0.5%以上、幾つかの態様においては約0.6%〜約10%、幾つかの態様においては約0.8%〜約3.5%の曲げ破断歪み;及び/又は約5,000MPa〜約20,000MPa、幾つかの態様においては約8,000MPa〜約20,000MPa、幾つかの態様においては約10,000MPa〜約15,000MPaの曲げ弾性率;も示すことができる。曲げ特性は、ISO試験178(ASTM−D790と技術的に同等)にしたがって23℃において測定することができる。
【0038】
[0043]更に本組成物の溶融温度は、約250℃〜約400℃、幾つかの態様においては約270℃〜約380℃、幾つかの態様においては約300℃〜約360℃にすることができる。溶融温度は、当該技術において周知なように、示差走査熱量測定(DSC)を用いて測定することができ、例えばISO試験11357によって測定することができる。かかる溶融温度においても、短時間耐熱性の指標である荷重撓み温度(DTUL)/溶融温度の比を、なお比較的高く維持することができる。例えば、この比は、約0.65〜約1.00、幾つかの態様においては約0.66〜約0.95、幾つかの態様においては約0.67〜約0.85の範囲にすることができる。具体的なDTUL値は、例えば、約200℃〜約300℃、幾つかの態様においては約210℃〜約280℃、幾つかの態様においては約215℃〜約260℃の範囲にすることができる。かかる高いDTUL値は、とりわけコネクターの製造中にしばしば用いられる高速加工の使用を可能にすることができる。
【0039】
[0044]熱可塑性組成物は、当該技術において公知の技術を用いて所望の形状に成形することができる。通常は、成形部品は、乾燥し予備加熱したプラスチック粒状物を金型中に射出する一成分射出成形プロセスを用いて成形する。得られるコネクターは、任意の種々の異なる形状を有することができる。1つの特に好適なファインピッチ電気コネクターを
図1に示す。回路基板Pの表面上に実装することができる基板側部分C2を含む電気コネクター200が示されている。コネクター200にはまた、基板側のコネクターC2に結合させることによって別々の配線3を回路基板Pに接続するような構造を有する配線材料側部分C1も含ませることができる。基板側部分C2には、その中に配線材料側コネクターC1を嵌合させる嵌合凹部10a、及びハウジング10の幅方向において細くて長い形状を有する第1のハウジング10を含ませることができる。更に、配線材料側コネクターC1には、ハウジング20の幅方向において細くて長い第2のハウジング20を含ませることができる。第2のハウジング20においては、複数の端子受容キャビティー22を幅方向において平行に与えて、上側及び下側端子受容キャビティー22を含む2列配置を生起させることができる。別々の配線3の遠位末端に実装されている端子5は、端子受容キャビティー22のそれぞれの中に収容することができる。所望の場合には、締着部28(噛合部)を、基板側コネクターC2上の接続部材(図示せず)に対応するハウジング20の上に与えることもできる。
【0040】
[0045]上記で議論したように、第1のハウジング10及び/又は第2のハウジング20の内壁は、比較的小さい幅寸法を有することができ、本発明の熱可塑性組成物から形成することができる。例えば、壁部を
図2により詳細に示す。示されているように、対向する壁部224の間に、コンタクトピンを収容することができる挿入通路又は空間225が画定されている。壁部224は、上述の範囲内の幅「w」を有する。繊維(例えば成分400)を含む熱可塑性組成物から壁部224を形成する場合、かかる繊維は、壁部の幅に最も良く適合する特定の範囲内の体積平均長さ及び狭い長さ分布を有していてよい。例えば、繊維の体積平均長さに対する少なくとも1つの壁部の幅の比は、約0.8〜約3.2、幾つかの態様においては約1.0〜約3.0、幾つかの態様においては約1.2〜約2.9である。
【0041】
[0046]壁部に加えて又は壁部に代えて、ハウジングの任意の他の部分を本発明の熱可塑性組成物から形成することもできることも理解すべきである。例えば、コネクターには、ハウジングを被包するシールドを含ませることもできる。シールドの一部又は全部を本発明の熱可塑性組成物から形成することができる。例えば、ハウジング及びシールドは、それぞれ熱可塑性組成物から一体成形されるワンピース構造体であってよい。更に、シールドは、第1のシェル及び第2のシェルを含むツーピース構造体であってよく、これらのそれぞれを本発明の熱可塑性組成物から形成することができる。
【実施例】
【0042】
[0047]本発明は、以下の実施例を参照してより良好に理解することができる。
【0043】
試験方法:
[0048]溶融粘度:溶融粘度(Pa・秒)は、ISO試験11443にしたがって、350℃及び1000秒
−1の剪断速度において、ダイニスコ(Dynisco)のLCR7001毛細管流量計を用いて測定した。流量計オリフィス(ダイ)は、1mmの直径、20mmの長さ、20.1のL/D比、及び180°の入口角を有していた。バレルの直径は9.55mm±0.005mmであり、ロッドの長さは233.4mmであった。
【0044】
[0049]溶融温度:溶融温度(Tm)は、当該技術において公知なように示差走査熱量測定(DSC)によって測定した。溶融温度は、ISO試験11357によって測定される示差走査熱量測定(DSC)ピーク溶融温度である。DSC手順においては、ティーエー(TA)のQ2000装置上で行うDSC測定を用いて、ISO標準規格10350に示されているように試料を20℃/分で加熱及び冷却した。
【0045】
[0050]荷重撓み温度(DTUL):荷重撓み温度は、ISO試験75−2(ASTM−D648−07と技術的に同等)にしたがって測定した。より詳しくは、80mmの長さ、10mmの厚さ、及び4mmの幅を有する試験片試料を、規定荷重(最大外繊維応力)が1.8メガパスカルである沿層方向3点曲げ試験にかけた。試験片をシリコーン油浴中に降下させ、0.25mm(ISO試験75−2に関しては0.32mm)歪むまで温度を2℃/分で上昇させた。
【0046】
[0051]引張弾性率、引張応力、及び引張伸び:引張特性は、ISO試験527(ASTM−D638と技術的に同等)にしたがって試験した。80mmの長さ、10mmの厚さ、及び4mmの幅を有する同じ試験片試料について、弾性率及び強度の測定を行った。試験温度は23℃であり、試験速度は1又は5mm/分であった。
【0047】
[0052]曲げ弾性率、曲げ応力、及び曲げ歪み:曲げ特性は、ISO試験178(ASTM−D790と技術的に同等)にしたがって試験した。この試験は64mmの支持材スパンに関して行った。試験は、未切断のISO−3167多目的棒材の中央部分について行った。試験温度は23℃であり、試験速度は2mm/分であった。
【0048】
[0053]ノッチ付きシャルピー衝撃強さ:ノッチ付きシャルピー特性は、ISO試験179−1(ASTM−D256方法Bと技術的に同等)にしたがって試験した。この試験は、タイプAのノッチ(0.25mmの底半径)、及びタイプ1の試験片寸法(80mmの長さ、10mmの幅、及び4mmの厚さ)を用いて行った。試験片は、一枚歯フライス盤を用いて多目的棒材の中央部分から切り出した。試験温度は23℃であった。
【0049】
[0054]繊維長さ:体積平均繊維長さは、まず幾つか(例えば7つ又は8つ)のペレット試料を420℃のマッフル炉内に一晩配置することによって求めた。得られた灰を、グリセロール界面活性剤を含む水溶液中に浸漬してガラス繊維を分散させた。次に、水溶液をガラススライド上に配置し、画像分析システムによって画像を採取した。イメージプロ(ImagePro)(商標)ソフトウエアによって画像からガラス繊維を選択的に選び、ソフトウエアによって較正長さに基づく選択されたガラス繊維の長さを自動的に測定した。少なくとも500のガラス繊維が計数されるまで測定を続けた。次に、体積平均繊維長さ及び分布を計算した。
【0050】
[0055]溶接線強度:溶接線強度は、まず、当該技術において周知なように熱可塑性組成物試料から射出成形ライングリッドアレイ(LGA)コネクター(49mm×39mm×1mmの寸法)を形成することによって求めた。形成したら、LGAコネクターを試料ホルダー上に配置した。次に、コネクターの中央部を、5.08ミリメートル/分の速度で動かすロッドによる引張力にかけた。ピーク応力を溶接線強度の概算値として記録した。
【0051】
実施例1:
[0056]67.375重量%の液晶ポリマー、10重量%のガラス繊維、22重量%のタルク、0.3重量%のグリコルーベ(Glycolube)(商標) P、0.2重量%のアルミナ三水和物、0.1重量%の4
,4’−ビフェノール、及び0.025重量%の2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)から、熱可塑性組成物の3つの試料を形成した。液晶ポリマーは、Leeらの米国特許5,508,374に記載されているような、4−ヒドロキシ安息香酸(HBA)、2,6−ヒドロキシナフトエ酸(HNA)、テレフタル酸(TA)、4,4’−ビフェノール(BP)、及びアセトアミノフェン(APAP)から形成したものであった。ガラス繊維は、オーウェンス コーニング(Owens Corning)から入手し、4ミリメートルの初期長さを有していた。
【0052】
[0057]熱可塑性組成物を形成するために、液晶ポリマーのペレットを150℃において一晩乾燥した。その後、ポリマー及びグリコルーベ(Glycolube)(商標) Pを、ZSK-25 WLE共回転完全噛み合い二軸押出機(スクリューの長さは750ミリメートルであり、スクリューの直径は25ミリメートルであり、L/D比は30であった)の供給口に供給した。押出機は、それぞれ次の温度:330℃、330℃、310℃、310℃、310℃、310℃、320℃、320℃、及び320℃に設定することができる温度区域1〜9を有していた。試料1〜2に関しては、スクリューのデザインは、溶融が区域4の後に起こるように選択した。試料3に関しては、スクリューのデザインは、溶融が区域4の前に開始されるように選択した。定量供給機を用いてポリマーを供給口に供給した。下表に示すように、ガラス繊維及びタルクは区域4及び/又は6に供給した。溶融ブレンドしたら、単一ホールストランドダイを通して試料を押出し、水浴を通して冷却し、ペレット化した。
【0053】
[0058]次に、上記に示すようにして試料を繊維長さに関して試験した。結果を下表1に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
[0059]また、試料1〜3の繊維の長さ分布をそれぞれ
図4〜6に示す。表1及び
図4〜6に示されるように、ガラス繊維を区域#4において供給した場合(試料1、ガラス繊維供給後のL/D=7.75)には、繊維長さは有効により短くなり、その分布はより狭かった。しかしながら、区域#6において供給した場合(試料2、ガラス繊維供給後のL/D=3.90)、又は区域#4においてであるがポリマーが溶融した後に供給した場合(試料3、ガラス繊維供給後のL/D=4.80)には、長さにおける大きな変化は観察されなかった。
【0056】
[0060]試料1〜3から部品を射出成形し、それらの熱特性及び機械特性に関して試験した。結果を下表2に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
実施例2:
[0061]49.375重量%の液晶ポリマー、30重量%のガラス繊維、20重量%のタルク、0.3重量%のグリコルーベ(Glycolube)(商標) P、0.2重量%のアルミナ三水和物、0.1重量%の4
,4’−ビフェノール、及び0.025重量%の2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)から、熱可塑性組成物の6つの試料を形成した。液晶ポリマー及びガラス繊維は実施例1において用いたものと同じであった。熱可塑性組成物を形成するために、液晶ポリマーのペレットを150℃において一晩乾燥した。その後、ポリマー及びグリコルーベ(Glycolube)(商標) Pを、ZSK-25 WLE共回転完全噛み合い二軸押出機(スクリューの長さは750ミリメートルであり、スクリューの直径は25ミリメートルであり、L/D比は30であった)の供給口に供給した。押出機は、それぞれ次の温度:330℃、330℃、310℃、310℃、310℃、310℃、320℃、320℃、及び320℃に設定することができる温度区域1〜9を有していた。スクリューのデザインは、溶融が区域4において開始されるように選択した。定量供給機を用いてポリマーを供給口に供給した。下表に示すように、ガラス繊維及びタルクは区域4及び/又は6に供給した。溶融ブレンドしたら、単一ホールストランドダイを通して試料を押出し、水浴を通して冷却し、ペレット化した。
【0059】
[0062]次に、上記に示すようにして試料を繊維長さに関して試験した。結果を下表3に示す。
【0060】
【表3】
【0061】
[0063]また、試料4〜9の繊維の長さ分布をそれぞれ
図7〜12に示す。表3及び
図7〜12に示されるように、ガラス繊維を区域#4において供給した場合(試料4〜7、ガラス繊維供給後のL/D=7.75)には、繊維長さは有効により短くなり、その分布はより狭かった。しかしながら、区域#6において供給した場合(試料8〜9、ガラス繊維供給後のL/D=3.90)には、長さにおける大きな変化は観察されなかった。
【0062】
[0064]試料4〜9から部品を射出成形し、それらの熱特性及び機械特性に関して試験した。結果を下表4に示す。
【0063】
【表4】
【0064】
実施例3:
[0065]49.375重量%の液晶ポリマー、0.3重量%のグリコルーベ(Glycolube)(商標) P、0.2重量%のアルミナ三水和物、0.1重量%の4
,4’−ビフェノール、0.025重量%の2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)、並びに種々の割合のガラス繊維及び無機充填剤(タルク又はマイカ)から、熱可塑性組成物の6つの試料を形成した。試料10〜15の液晶ポリマーは実施例1において用いたものと同じであった。試料16〜17の液晶ポリマーは、4−ヒドロキシ安息香酸(HBA)、NDA、テレフタル酸(TA)、イソフタル酸(IA)、ヒドロキノン(HQ)、及びアセトアミノフェン(APAP)から形成した。
【0065】
[0066]熱可塑性組成物を形成するために、液晶ポリマーのペレットを150℃において一晩乾燥した。その後、ポリマー及びグリコルーベ(Glycolube)(商標) Pを、ZSK-25 WLE共回転完全噛み合い二軸押出機(スクリューの長さは750ミリメートルであり、スクリューの直径は25ミリメートルであり、L/D比は30であった)の供給口に供給した。押出機は、それぞれ次の温度:330℃、330℃、310℃、310℃、310℃、310℃、320℃、320℃、及び320℃に設定することができる温度区域1〜9を有していた。スクリューのデザインは、溶融が区域4において開始されるように選択した。定量供給機を用いてポリマーを供給口に供給した。ガラス繊維及びタルクは区域4に供給した。溶融ブレンドしたら、単一ホールストランドダイを通して試料を押出し、水浴を通して冷却し、ペレット化した。
【0066】
[0067]次に、上記に示すようにして試料を繊維長さに関して試験した。結果を下表5に示す。
【0067】
【表5】
【0068】
[0068]また、試料10〜17の繊維の長さ分布をそれぞれ
図13〜20に示す。示されるように、充填剤の比及び充填剤含量を変化させることによって、繊維長さ及び分布における大きな変化は観察されなかった。
【0069】
[0069]試料10〜17から部品を射出成形し、それらの熱特性及び機械特性に関して試験した。結果を下記に示す。
【0070】
【表6A】
【0071】
実施例4:
[0070]64.375重量%の液晶ポリマー、18重量%のガラス繊維、18重量%のタルク、0.3重量%のグリコルーベ(Glycolube)(商標) P、0.2重量%のアルミナ三水和物、0.1重量%の4
,4’−ビフェノール、及び0.025重量%の2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)から、熱可塑性組成物の2つの試料を形成した。液晶ポリマー及びガラス繊維は実施例1において用いたものと同じであった。熱可塑性組成物を形成するために、液晶ポリマーのペレットを150℃において一晩乾燥した。その後、ポリマー及びグリコルーベ(Glycolube)(商標) Pを、ZSK-25 WLE共回転完全噛み合い二軸押出機(スクリューの長さは750ミリメートルであり、スクリューの直径は32ミリメートルであり、L/D比は30であった)の供給口に供給した。押出機は、それぞれ次の温度:330℃、330℃、310℃、310℃、310℃、310℃、320℃、320℃、及び320℃に設定することができる温度区域1〜9を有していた。スクリューのデザインは、溶融が区域4の後に起こるように選択した。定量供給機を用いてポリマーを供給口に供給した。ガラス繊維及びタルクはそれぞれ区域4及び6に供給した。溶融ブレンドしたら、単一ホールストランドダイを通して試料を押出し、水浴を通して冷却し、ペレット化した。
【0072】
[0071]次に、上記に示すようにして試料を繊維長さに関して試験した。結果を下表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
[0072]試料18から部品を射出成形し、その熱特性及び機械特性に関して試験した。結果を下表7に示す。
【0075】
【表7】
【0076】
実施例5:
[0073]64.375重量%の液晶ポリマー、18重量%のガラス繊維、18重量%のタルク、0.3重量%のグリコルーベ(Glycolube)(商標) P、0.2重量%のアルミナ三水和物、0.1重量%の4
,4’−ビフェノール、及び0.025重量%の2,6−ナフタレンジカルボン酸(NDA)から、熱可塑性組成物の試料(試料19)を形成した。液晶ポリマー及びガラス繊維は実施例1において用いたものと同じであった。熱可塑性組成物を形成するために、液晶ポリマーのペレットを150℃において一晩乾燥した。その後、ポリマー及びグリコルーベ(Glycolube)(商標) Pを、ZSK-25 WLE共回転完全噛み合い二軸押出機(スクリューの長さは750ミリメートルであり、スクリューの直径は32ミリメートルであり、L/D比は30であった)の供給口に供給した。押出機は、それぞれ次の温度:330℃、330℃、310℃、310℃、310℃、310℃、320℃、320℃、及び320℃に設定することができる温度区域1〜9を有していた。スクリューのデザインは、溶融が区域4の後に起こるように選択した。定量供給機を用いてポリマーを供給口に供給した。ガラス繊維及びタルクはそれぞれ区域4及び6に供給した。溶融ブレンドしたら、単一ホールストランドダイを通して試料を押出し、水浴を通して冷却し、ペレット化した。
【0077】
[0074]次に、上記に示すようにして試料を繊維長さに関して試験した。結果を下表8に示す。
【0078】
【表8】
【0079】
[0075]試料から部品を射出成形し、その熱特性及び機械特性に関して試験した。結果を下表9に示す。
【0080】
【表9】
【0081】
[0076]本発明のこれら及び他の修正及び変更は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく当業者によって実施することができる。更に、種々の態様の複数の特徴は全体的か又は部分的に交換することができることを理解すべきである。更に、当業者であれば、上記の記載は例示のみのためであり、特許請求の範囲において更に記載される発明を限定することは意図しないことを認識するであろう。
本発明の具体的態様は以下のとおりである。
[1]
その間にコンタクトピンを受容するための通路が画定されている少なくとも2つの対向する壁部を含む電気コネクターであって、
壁部は約500マイクロメートル以下の幅を有し、壁部は、約20重量%〜約90重量%の少なくとも1種類のサーモトロピック液晶ポリマー及び約2重量%〜約40重量%の繊維を含む熱可塑性組成物から形成されており、繊維の体積平均長さに対する少なくとも1つの壁部の幅の比は約0.8〜約3.2であり、繊維は約80〜約250マイクロメートルの体積平均長さを有し、繊維の少なくとも約70体積%は約80〜約250マイクロメートルの長さを有する
前記電気コネクター。
[2]
壁部が約200〜約400マイクロメートルの厚さを有する、[1]に記載の電気コネクター。
[3]
繊維の体積平均長さに対する少なくとも1つの壁部の幅の比が約1.2〜約2.9である、[1]又は[2]に記載の電気コネクター。
[4]
繊維が約110〜約180マイクロメートルの体積平均長さを有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の電気コネクター。
[5]
繊維の少なくとも約70体積%が約110〜約180マイクロメートルの長さを有する、[4]に記載の電気コネクター。
[6]
繊維の少なくとも約90体積%が約80〜約250マイクロメートルの長さを有する、[1]〜[5]のいずれかに記載の電気コネクター。
[7]
繊維がガラス繊維である、[1]〜[6]のいずれかに記載の電気コネクター。
[8]
サーモトロピック結晶質ポリマーが、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸、又は両方から誘導される繰り返し単位を含む芳香族ポリエステルである、[1]〜[7]のいずれかに記載の電気コネクター。
[9]
芳香族ポリエステルが、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノン、4,4’−ビフェノール、又はこれらの組合せから誘導される繰り返し単位を更に含む、[8]に記載の電気コネクター。
[10]
熱可塑性組成物が少なくとも1種類の無機充填剤を更に含む、[1]〜[9]のいずれかに記載の電気コネクター。
[11]
熱可塑性組成物が、ASTM試験1238−70にしたがって1000秒−1の剪断速度及び350℃の温度において測定して約0.5〜約100Pa・秒の溶融粘度を有する、[1]〜[10]のいずれかに記載の電気コネクター。
[12]
熱可塑性組成物が流動調整剤として官能性化合物を更に含む、[1]〜[11]のいずれかに記載の電気コネクター。
[13]
官能性化合物が、芳香族ジオール、水和物、芳香族ジカルボン酸、又はこれらの組み合わせを含む、[12]に記載の電気コネクター。
[14]
約20重量%〜約90重量%の少なくとも1種類のサーモトロピック液晶ポリマー、約2重量%〜約40重量%のガラス繊維、及び約1重量%〜約40重量%の少なくとも1種類の無機充填剤を含み、
ガラス繊維は約100〜約200マイクロメートルの体積平均長さを有し、ガラス繊維の少なくとも約70体積%は約100〜約200マイクロメートルの長さを有する
熱可塑性組成物。
[15]
ガラス繊維が約110〜約180マイクロメートルの体積平均長さを有する、[14]に記載の組成物。
[16]
ガラス繊維の少なくとも約70体積%が約110〜約180マイクロメートルの長さを有する、[15]に記載の組成物。
[17]
ガラス繊維の少なくとも約90体積%が約100〜約200マイクロメートルの長さを有する、[14]に記載の組成物。
[18]
サーモトロピック結晶質ポリマーが、4−ヒドロキシ安息香酸、2,6−ヒドロキシナフトエ酸、又は両方から誘導される繰り返し単位を含む芳香族ポリエステルである、[14]に記載の組成物。
[19]
芳香族ポリエステルが、テレフタル酸、イソフタル酸、ヒドロキノン、4,4’−ビフェノール、又はこれらの組合せから誘導される繰り返し単位を更に含む、[18]に記載の組成物。
[20]
熱可塑性組成物が、ASTM試験1238−70にしたがって1000秒−1の剪断速度及び350℃の温度において測定して約0.5〜約100Pa・秒の溶融粘度を有する、[14]に記載の組成物。
[21]
熱可塑性組成物が流動調整剤として官能性化合物を更に含む、[14]に記載の組成物。
[22]
官能性化合物が、芳香族ジオール、水和物、芳香族ジカルボン酸、又はこれらの組み合わせを含む、[21]に記載の組成物。
[23]
[14]に記載の熱可塑性組成物を含む成形ハウジング。
[24]
ハウジングが、その間に通路が画定されている対向する壁部を画定し、壁部が約500マイクロメートル以下の幅を有する、[23]に記載の成形ハウジング。