(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6185924
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ホウ素含有溶液の脱塩方法
(51)【国際特許分類】
C02F 1/42 20060101AFI20170814BHJP
B01J 49/07 20170101ALI20170814BHJP
B01J 47/026 20170101ALI20170814BHJP
【FI】
C02F1/42 E
B01J49/00 112
B01J47/02 120
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-543022(P2014-543022)
(86)(22)【出願日】2012年10月22日
(86)【国際出願番号】JP2012077263
(87)【国際公開番号】WO2014064754
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2014年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004400
【氏名又は名称】オルガノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】横田 治雄
(72)【発明者】
【氏名】田辺 円
(72)【発明者】
【氏名】磯部 峻一
【審査官】
高橋 成典
(56)【参考文献】
【文献】
特開2003−053342(JP,A)
【文献】
特開昭52−090164(JP,A)
【文献】
特開昭58−081482(JP,A)
【文献】
特開2001−335315(JP,A)
【文献】
特開2001−335314(JP,A)
【文献】
特開2001−322811(JP,A)
【文献】
特開平08−117744(JP,A)
【文献】
特開昭61−008190(JP,A)
【文献】
特開2000−126764(JP,A)
【文献】
特開昭49−128874(JP,A)
【文献】
特開昭57−081881(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/42
B01J 39/00 − 49/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン及び亜硫酸イオンのいずれか1つ以上のアニオンを含むホウ素含有溶液の中から、ホウ素以外のアニオンを低減する脱塩方法において、
H形強酸性カチオン交換樹脂が充填されたカチオン交換樹脂充填塔の出口に対し、いずれも遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂が充填されて前記カチオン交換樹脂充填塔の出口からの液が順次通過する2段のアニオン交換樹脂充填塔を配置したイオン交換装置を用い、前記イオン交換装置に対し、前記カチオン交換樹脂充填塔の入口から前記ホウ素含有溶液を通液する脱塩工程を備え、
前記2段のアニオン交換樹脂充填塔のうち前記ホウ素含有溶液の通液経路において前記カチオン交換樹脂充填塔に近い方のアニオン交換樹脂充填塔の出口液中での前記アニオンの濃度を監視して、前記アニオンのいずれかのブレークを検出するまで前記脱塩工程を継続することを特徴とする、脱塩方法。
【請求項2】
前記脱塩工程の後に少なくとも前記カチオン交換樹脂充填塔内及び前記カチオン交換樹脂充填塔に近い方のアニオン交換樹脂充填塔内のイオン交換樹脂を再生する樹脂再生工程をさらに有し、
前記樹脂再生工程の実施ごとに前記イオン交換装置内において、前記2段のアニオン交換樹脂充填塔の間で前記ホウ素含有溶液の通液順序を入れ換え、前記脱塩工程と前記樹脂再生工程とを繰り返して実行する、請求項1に記載の脱塩方法。
【請求項3】
前記脱塩工程の終了後、前記樹脂再生工程を実施する前に、前記カチオン交換樹脂充填塔の内部の液及び前記2段のアニオン交換樹脂充填塔のうち前記ホウ素含有溶液の通液経路において前記カチオン交換樹脂充填塔に近い方のアニオン交換樹脂充填塔の内部の液を抜き出し、該抜き出した液を、前記脱塩工程に供給される前記ホウ素含有溶液を貯える原水槽に戻す脱液工程をさらに備える、請求項2に記載の脱塩方法。
【請求項4】
前記脱液工程の終了後、前記カチオン交換樹脂充填塔及び前記2段のアニオン交換樹脂充填塔のうち前記ホウ素含有溶液の通液経路において前記カチオン交換樹脂充填塔に近い方のアニオン交換樹脂充填塔において、イオン交換樹脂がすべて水に浸かる状態になるまで清澄水を送水する張り込み工程をさらに有し、
前記張り込み工程を実施したのちに前記樹脂再生工程を実施する、請求項3に記載の脱塩方法。
【請求項5】
前記カチオン交換樹脂充填塔内のH型強酸性カチオン交換樹脂全体の交換容量が、前記カチオン交換樹脂充填塔に近い方のアニオン交換樹脂充填塔内の遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂全体の交換容量よりも大きい、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の脱塩方法。
【請求項6】
前記ホウ素含有溶液は塩化物イオンを含み、前記出口液での塩化物イオンの濃度を監視して、前記塩化物イオンのブレークを検出するまで前記脱塩工程を継続する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の脱塩方法。
【請求項7】
前記ホウ素含有溶液は、さらに、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン及び亜硫酸イオンにいずれか1つ以上のアニオンを含む、請求項6に記載の脱塩方法。
【請求項8】
前記アニオンの濃度を導電率計により監視する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の脱塩方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、塩化物イオンなどのアニオンを含むホウ素含有溶液中からイオン交換樹脂を用いてホウ素以外の塩類を低減する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、メッキ液や金属表面処理液中には、ホウ酸などのホウ素化合物が含まれており、これらの液を取り扱う工場などでは、ホウ素を含む洗浄排水が発生する。ホウ素の環境基準は1mg/L以下と定められており、ホウ素を含有する排水中のホウ素は、除去するか、あるいは回収し精製して再利用することが望ましい。
【0003】
ホウ素含有排水を再利用するためには、その排水中のホウ素以外の不純物を低減する必要がある。例えば、不純物の主体が塩化物イオン等の塩類の場合には、塩類濃度を低減すること、すなわち脱塩処理を行うことが必要となる。なお、どのような処理工程からホウ素含有排水が排出されるかにも依存するが、ホウ素含有排水には、アニオンとして、塩化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、亜硫酸イオン及び亜硝酸イオンの少なくとも1種以上が含まれていることが一般的である。
【0004】
ホウ素含有排水に対する脱塩処理の方法としては、イオン交換処理、すなわちイオン交換樹脂を用いた方法が有効である。イオン交換樹脂を用いる方法では、例えば、カチオンを除去するH形カチオン交換樹脂とアニオンを除去するOH形アニオン交換樹脂とを組み合わせ、排水中での塩類濃度の低減を図る。
【0005】
特許文献1は、ホウ素濃度の高いホウ素含有水を処理して再利用するために、ホウ素含有水をろ過したのち、カチオン交換樹脂を有するカチオン交換塔とアニオン交換樹脂を有するアニオン交換塔にこの順で通液させることや、カチオン交換塔とアニオン交換塔と混床のイオン交換樹脂を有するイオン交換塔とにこの順で通液させることを開示している。特許文献2は、ホウ素溶離液の精製方法として、OH型に調整したI型強塩基性アニオン交換樹脂、OH型に調整したII型強塩基性アニオン交換樹脂、及びOH型に調整した弱塩基性陰イオン交換樹脂の群から選択されたアニオン交換樹脂を充填したイオン交換塔に、酸根を含むホウ素溶離液を通液させて酸根を除去し、高純度のホウ酸溶液を得ることを開示している。さらに特許文献3は、ホウ素溶離液の精製方法として、アニオン交換樹脂を充填したイオン交換塔を2段直列に接続してホウ素溶離液を通液させることを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−53342号公報
【特許文献2】特開2001−316108号公報
【特許文献3】特開2001−335315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
イオン交換処理によってホウ素含有溶液の脱塩処理を行う場合、ホウ素自体についてはイオン交換樹脂に吸着されずに処理水中に残存する方が、ホウ素の効率的な回収の観点からは好ましい。また、イオン交換樹脂の再生処理によって発生する廃液すなわち再生廃液中のホウ素濃度についても、環境への影響を考慮すると、低い方が望ましい。要するに、ホウ酸含有溶液の脱塩処理において、ホウ素がイオン交換樹脂に吸着されないことが望ましい。
【0008】
しかしながらホウ素は、酸性溶液中では一般にホウ酸分子の形態で存在するものの、中性及びアルカリ性溶液内で一部がアニオンで(例えばホウ酸イオン)として解離する性質があり、アニオンとして解離したホウ素はイオン交換樹脂(アニオン交換樹脂)に吸着されてしまう。脱塩処理においてOH形強塩基性アニオン交換樹脂を用いた場合には、OH形強塩基性アニオン交換樹脂との界面付近で溶液が中性またはアルカリ性雰囲気となっており、その結果、ホウ素がアニオンに解離し、OH形強塩基性アニオン交換樹脂の官能基へのホウ素の吸着が起こり、処理水におけるホウ素濃度が低下するという問題が生じる。また、OH形強塩基性アニオン交換樹脂へのホウ素の吸着により、再生廃液におけるホウ素濃度も高くなってしまうという問題も生じる。
【0009】
脱塩処理に遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた場合には、樹脂に吸着されるホウ素量はOH形強塩基性アニオン交換樹脂を用いた場合に比べ大きく低減するが、それでも、遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂の官能基の中に強塩基性のものがいくらか存在することなどの理由により、ホウ素の一部は遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂に吸着されてしまい、その分、処理水におけるホウ素濃度の減少と再生廃液におけるホウ素濃度の増加が起きる。
【0010】
そこで本発明の目的は、塩化物イオン等のアニオンを含むホウ素含有溶液の中からイオン交換樹脂を用いてホウ素以外の塩類を低減する脱塩方法であって、処理水でのホウ素濃度の減少と再生廃液でのホウ素濃度の増加とを抑制することが可能な方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の脱塩方法は、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン及び亜硫酸イオンのいずれか1つ以上のアニオンを含むホウ素含有溶液の中から、ホウ素以外の塩類を低減する脱塩方法において、H形強酸性カチオン交換樹脂が充填されたカチオン交換樹脂充填塔の出口に対し、いずれも遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂が充填されてカチオン交換樹脂充填塔の出口からの液が順次通過する2段のアニオン交換樹脂充填塔を配置したイオン交換装置を用い、このイオン交換装置に対し、カチオン交換樹脂充填塔の入口からホウ素含有溶液を通液する脱塩工程を備え、2段のアニオン交換充填塔のうちホウ素含有溶液の通液経路においてカチオン交換樹脂充填塔に近い方のアニオン交換樹脂充填塔の出口液中でのアニオンの濃度を監視して、アニオンのいずれかのブレークを検出するまで脱塩工程を継続することを特徴とする。
【0012】
以下、本発明の脱塩方法の原理を説明する。
【0013】
本発明では、まず、ホウ素含有溶液をH形強酸性カチオン交換樹脂に通液して、溶液中のカルシウムイオン(Ca
2+)、ナトリウムイオン(Na
+)などのカチオンを除去し、溶液の液性を酸性にする。次に、液性を酸性とした溶液を遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂に通液して、溶液中の塩化物イオンなどのアニオン類を除去する。ここでOH形強塩基性アニオン交換樹脂ではなく遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂を用いるのは、OH形強塩基性アニオン交換樹脂を用いたとするとイオン交換樹脂に対する選択性の低いホウ素までを多量に除去してしまうからである。しかしながら、遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた場合であっても、一部に強塩基性の官能基が存在するなどの理由で、通液初期にホウ素が吸着除去される。そこで、遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂に一度吸着したホウ素を完全に脱着する方法を検討した結果、その遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂に対し、塩化物イオンなど、ホウ酸イオンよりも選択性の高いイオンを吸着できなくなる、すなわちブレークするまで通液を継続することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
イオン交換樹脂に対する選択性の高いイオンが、そのイオン交換樹脂に既に吸着されている選択性の低いイオンを脱着することは当然のことであり、この現象はOH形強塩基性アニオン交換樹脂でも起こり得ることである。しかしながらOH形強塩基性アニオン交換樹脂では、ホウ素が多量に吸着されてしまうとともに、ホウ素がある程度官能基に残留した状態で選択性の高いイオンとホウ酸イオンとの平衡に達してしまうので、ホウ素の完全な脱着は困難である。遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂を用いた場合には、ホウ酸イオンよりも選択性の高いイオンによって、既に吸着されているホウ酸イオンを完全に脱着させることができる。ホウ酸イオンが完全に脱着した状態では、ホウ酸イオンよりも選択性の高いイオンが遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂の官能基サイトのほぼ全部に吸着している状態にある、すなわち、その選択性の高いイオンに対して遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂がブレークする状態にあると考えられる。したがって、ホウ酸イオンよりも選択性の高いイオンがブレークする前に通液を終えてしまうと、アニオン交換樹脂においてホウ素形のままの官能基が残ってしまい、処理水でのホウ素濃度の減少、再生廃液でのホウ素濃度の増加につながってしまう。
【0015】
ホウ酸イオンより選択性の高いイオンがブレークするまで遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂を充填したアニオン交換樹脂充填塔に対して通液するということは、そのアニオン交換樹脂充填塔の出口液において処理水中でのホウ素以外の塩類濃度の上昇をもたらすが、本発明では、2段目のアニオン交換樹脂充填塔を備えることで、イオン交換装置全体として考えたときにその処理水でのホウ素以外の塩類濃度の上昇を防止することができる。
【0016】
弱塩基性アニオン交換樹脂は、通液される液の液性が酸の状態でないとアニオンを吸着できないため、弱塩基性アニオン交換樹脂の前段でホウ素含有溶液を酸の状態とする必要があり、本発明では前段に、H形強酸性カチオン交換樹脂を充填したカチオン交換樹脂充填塔を設けている。また、この強酸性カチオン交換樹脂がブレークすると、アニオン交換樹脂充填塔に供給されるホウ素含有溶液の液性を酸性に保てなくなる場合があるから、本発明では、カチオン交換樹脂充填塔内のH形強酸性カチオン交換樹脂全体の交換容量が、1段目のアニオン交換樹脂充填塔内の遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂全体の交換容量よりも大きくなるようにすることが好ましい。
【0017】
本発明の脱塩方法では、ホウ酸イオンよりも選択性の高いイオンに関して1段目のアニオン交換樹脂充填塔内の遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂がブレークした時点で通液を中止し、イオン交換樹脂の再生処理を実行する必要がある。ここで、再生処理の実施ごとに2段のアニオン交換樹脂充填塔の間でホウ素含有溶液の通液順序を入れ換え、その後、脱塩処理のための通液を再開するようにしてもよい。このような構成により、遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂の再生は、常に1段目のアニオン交換樹脂充填塔にのみに対して行えばよいようになり、脱塩方法を実施するイオン交換装置全体として考えたときに効率的な運用が図れるようになる。また、1段目のアニオン交換樹脂充填塔を通過したホウ素のうちのいくばくかは2段目のアニオン交換樹脂充填塔の遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂に吸着されてしまう可能性があるが、1段目と2段目のアニオン交換樹脂充填塔との間で通液順序を入れ替えることにより、通液順序の入れ替え前に2段目のアニオン交換樹脂充填塔において吸着されたホウ素も、通液順序の入れ替えによってそのアニオン交換樹脂充填塔が1段目のものとされたときにその遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂から脱着するので、長期的に見てホウ素は遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂に吸着されないことになる。
【0018】
また本発明においては、1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液中でのアニオン濃度の監視に導電率計を用いることができる。塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン及び亜硫酸イオンなどのアニオン交換樹脂に対して高い選択性を有するイオンは解離しやすく、導電率への寄与も大きい。これに対し、ホウ素は解離度が低く、導電率への寄与が小さい。このため、塩化物イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン及び亜硫酸イオンなどについては、そのイオン濃度を直接測定しなくても、導電率計によって導電率の変化を追跡することによって、アニオン交換樹脂充填塔におけるそれらイオンのブレーク状況を容易に把握することが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、H形強酸性カチオン交換樹脂が充填されたカチオン交換樹脂充填塔の出口に対し、いずれも遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂が充填されてカチオン交換樹脂充填塔の出口からの液が順次通過する2段のアニオン交換樹脂充填塔を配置したイオン交換装置を用い、このイオン交換装置に対しカチオン交換充填塔の入口からホウ素含有溶液を通液し、1段目のアニオン交換装置の出口液中でのアニオン濃度を監視してアニオンのいずれかのブレークが検出するまで通液を継続することにより、処理水でのホウ素濃度の減少と再生廃液でのホウ素濃度の増加とをともに抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施の一形態の脱塩方法の実施に用いられる構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態及び実施例は、本発明を実施するための一例を示すものであり、本発明は、以下の実施の形態及び実施例に限定されるものではない。
【0022】
図1に示す脱塩装置は、本発明の実施の一形態の脱塩方法を実施するものであり、イオン交換樹脂が充填された充填塔として、H形強酸性カチオン交換樹脂が充填されたカチオン交換樹脂充填塔5と、いずれも遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂が充填された2つのアニオン交換樹脂充填塔6,7を備えている。カチオン交換樹脂充填塔5はH形強酸性カチオン交換装置であり、アニオン交換樹脂充填塔6,7は遊離塩基形弱塩基性アニオン交換装置である。以下に説明するように、アニオン交換樹脂充填塔6,7は、カチオン交換樹脂充填塔5の出口に対して直列に接続するようになっている。ここでは、後述するように、アニオン交換樹脂充填塔6,7の間で通液順序を入れ替えること可能であり、これによって、アニオン交換樹脂充填塔6,7のどちらを1段目とし他方を2段目とするかを任意に設定できるようになっている。本実施形態では、塩化物イオンなどのアニオンを含むホウ素含有溶液を原水とし、イオン交換処理によってホウ素以外の塩類を低減するものとする。ここでいうホウ素以外の塩類を構成するアニオンとしては、塩化物イオンの他に、例えば、硝酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン及び亜硫酸イオンが挙げられる。本明細書において1段目とは、原水の流れる経路においてカチオン交換樹脂充填塔5に近い方のアニオン交換樹脂充填塔のことを指し、2段目とはカチオン交換樹脂充填塔5から遠い方のアニオン交換樹脂充填塔のことを指すものとする。
【0023】
脱塩装置には、さらに、原水として貯える原水槽1と、原水槽1内の原水をバルブ21を介してカチオン交換樹脂充填塔5の入口に供給する供給ポンプ8と、イオン交換樹脂を再生する再生処理に使用する清澄水を貯える清澄水槽2と、清澄水槽2内の清澄水を清澄水配管51に供給する供給ポンプ9と、再生処理に使用する塩酸を貯える塩酸貯槽3と、バルブ39を介して塩酸貯槽3内の塩酸をカチオン交換樹脂充填塔5の入口に供給する供給ポンプ10と、再生処理に使用する水酸化ナトリウム溶液を貯える水酸化ナトリウム溶液貯槽4と、バルブ41を介して水酸化ナトリウム溶液貯槽4内の水酸化ナトリウム溶液を中間配管52に供給する供給ポンプ11と、を備えている。中間配管52は、カチオン交換樹脂充填塔5の出口からの液をアニオン交換樹脂充填塔6,7に供給するためのものであり、バルブ22を介してカチオン交換樹脂充填塔5の出口に接続するとともに、バルブ23,26を介してアニオン交換樹脂充填塔6,7の入口にそれぞれ接続している。第1のアニオン交換樹脂充填塔6の出口と第2のアニオン交換樹脂充填塔7の入口を接続する配管53が設けられ、配管53の途中にはバルブ24と導電率計12とが設けられている。同様に、第2のアニオン交換樹脂充填塔7の出口と第1のアニオン交換樹脂充填塔6の入口を接続する配管54が設けられ、配管54の途中にはバルブ27と導電率計13とが設けられている。処理水配管55は、この脱塩装置によって処理された処理水を外部に供給するためのものであり、バルブ28を介してアニオン交換樹脂充填塔6の出口に接続し、バルブ25を介してアニオン交換樹脂充填塔7の出口に接続している。この構成では、配管53,54とバルブ23〜28を設けたことにより、バルブ23〜28の開閉によって、任意に、アニオン交換樹脂充填塔6,7のいずれか一方を1段目とし他方を2段目とすることができる。
【0024】
清澄水配管51は、バルブ36を介してカチオン交換樹脂充填塔5の出口に接続し、バルブ37を介してアニオン交換樹脂充填塔6の出口に接続し、バルブ38を介して処理水配管55に接続し、バルブ40を介してカチオン交換樹脂充填塔5の入口に接続し、バルブ42を介して中間配管52に接続している。各充填塔5〜7の底部に設けられた排出口は、それぞれ、バルブ32〜34を介して配管56に接続し、配管56からはバルブ43を介して再生廃液が排出されるようになっているとともに、配管56内の液はバルブ35を介して原水槽1に戻されるようになっている。また、各充填塔5〜7の上部には、それぞれ、充填塔内を大気と連通するためのバルブ29〜31が設けられている。
【0025】
次に、
図1に示した脱塩装置の動作について説明する。
【0026】
この脱塩装置の運転は、カチオン交換樹脂充填塔5の出口に対してアニオン交換樹脂充填塔6,7を直列に接続して原水中のホウ素以外の塩類をイオン交換処理により低減し脱塩処理がなされた処理水を生成する脱塩工程と、カチオン交換樹脂充填塔5の内部の液とアニオン交換樹脂充填塔6,7のうちの1段目のものの内部の液を抜く脱液工程と、脱液工程で脱液した充填塔内に、ホウ素を含まない清澄水をその充填塔の下部から張り込む張り込み工程と、カチオン交換樹脂充填塔5内のH形強酸性カチオン交換樹脂と1段目のアニオン交換樹脂充填塔内の遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂を再生する再生工程とを1サイクルとして、これらの工程を繰り返して実施する。アニオン交換樹脂充填塔6,7のうちの1段目のものとは、カチオン交換樹脂充填塔5の直後に位置する方のアニオン交換樹脂充填塔を指す。脱塩工程に用いられるアニオン交換樹脂充填塔6,7に関し、カチオン交換樹脂充填塔5の出口に対するアニオン交換樹脂充填塔6,7間での接続順は変更可能としており、再生工程の実施ごとに、アニオン交換樹脂充填塔6,7において1段目のものと2段目のものとを入れ替えるようにしている。脱液工程及び張り込み工程は、再生工程のための準備段階として再生工程に付随するものである。
【0027】
以下、各工程について説明する。なお、一番最初の状態では、バルブ21〜43は閉じられており、各供給ポンプ8〜11は停止しているものとする。
【0028】
〈脱塩工程〉
供給ポンプ8を稼働させ、バルブ21,22を開き、さらに、アニオン交換樹脂充填塔6を1段目とするのであればバルブ23〜25を開き、アニオン交換樹脂充填塔7を1段目とするのであればバルブ26〜28を開け、原水槽1内の原水を各充填塔5〜7内へ順次送液する。原水は、各充填塔5〜7内のイオン交換樹脂によりイオン交換処理される。このとき、アニオン交換樹脂充填塔6が1段目となっていれば、原水は、カチオン交換樹脂充填塔5からアニオン交換樹脂充填塔6を通りアニオン交換樹脂充填塔7を経て、脱塩処理がなされた処理水として処理水配管55から外部に供給される。アニオン交換樹脂充填塔7が1段目となっていれば、原水は、カチオン交換樹脂充填塔5からアニオン交換樹脂充填塔7を経てアニオン交換樹脂充填塔6に流れる。
【0029】
脱塩工程は、1段目のアニオン交換樹脂充填塔と2段目のアニオン交換樹脂充填塔との間に設けられている導電率計、すなわちアニオン交換樹脂充填塔6が1段目なら導電率計12、アニオン交換樹脂充填塔7が1段目なら導電率計13によって測定される導電率が上昇傾向を示すまで継続する。1段目のアニオン交換樹脂充填塔の直後の導電率計においてそこを流れる液の導電率が上昇傾向を示すということは、塩化物イオンなどの導電率に対する寄与が大きいイオンが1段目のアニオン交換樹脂充填塔から漏出していることであり、そのことは、そのイオンに関して1段目のアニオン交換樹脂充填塔がブレークしたことを意味する。1段目のアニオン交換樹脂充填塔の直後の導電率計において導電率が上昇傾向を示したら、供給ポンプ8を停止し、開いているバルブをすべて閉じて脱塩工程を終了させる。
【0030】
〈脱液工程〉
脱塩工程の終了後、バルブ29,32、35を開け、さらに、アニオン交換樹脂充填塔6が1段目であればバルブ30,33を開け、アニオン交換樹脂充填塔7が1段目であればバルブ31,34を開け、カチオン交換樹脂充填塔5内の液と1段目のアニオン交換樹脂充填塔内の液を抜く。抜かれた液は配管56を通って原水槽1に戻される。
【0031】
〈張り込み工程〉
脱液工程の実施後、バルブ32〜35が全て閉じた状態となるようにし、供給ポンプ9を稼働し、バルブ36を開け、さらに、アニオン交換樹脂充填塔6が1段目であればバルブ37を開け、アニオン交換樹脂充填塔7が1段目であればバルブ38を開け、カチオン交換樹脂充填塔5と1段目のアニオン交換樹脂充填塔においてイオン交換樹脂が全て水に浸かる状態になるまで清澄水槽2内の清澄水をこれらの充填塔に送水する。
【0032】
〈再生工程〉
張り込み工程の実施後、供給ポンプ9を停止し、開いているバルブをすべて閉じる。続いて、供給ポンプ10を稼働させ、バルブ39,
32,43を開くことにより、塩酸貯槽3内の塩酸をカチオン交換樹脂充填塔5に供給し、H形強酸性カチオン交換樹脂の再生を行う。同時に、供給ポンプ11を稼働させ、バルブ41を開け、さらに、アニオン交換樹脂充填塔6が1段目であればバルブ23,33を開け、アニオン交換樹脂充填塔7が1段目であればバルブ26,
34を開けることにより、水酸化ナトリウム溶液貯槽4内の水酸化ナトリウム溶液を1段目のアニオン交換樹脂充填塔に供給し、そのアニオン交換樹脂充填塔内の遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂の再生を行う。再生廃液は、配管56及びバルブ43を介して外部に排出される。
【0033】
イオン交換樹脂が十分に再生されたら、供給ポンプ10,11を停止し、バルブ39,41を閉じる。そののち、供給ポンプ9を稼働させ、バルブ40,42を開くことにより、再生処理を行った充填塔に対して清澄水槽2内の清澄水を送水し、それらの充填塔内に残っている薬液の押出を実施する。このときの廃液も配管56及びバルブ43を介して外部に排出される。
【0034】
残薬液の押出が完了すれば再生工程の終了なので、供給ポンプ9を停止させ、すべてのバルブを閉めることにより、次サイクルの脱塩工程を実施できるようになる。
【0035】
ここで説明した脱塩装置では、上述の脱塩工程、脱液工程、張り込み工程及び再生工程を1サイクルとして運転を行うが、次のサイクルでは、脱塩工程の開始時にバルブ23〜25を開けるのかバルブ26〜28を開けるのかを選択することにより、1段目のアニオン交換樹脂充填塔と2段目のアニオン交換樹脂充填塔とを入れ替えて処理を行う。すなわち、前サイクルで1段目だったアニオン交換樹脂充填塔が次サイクルでは2段目となり、前サイクルでは2段目であったアニオン交換樹脂充填塔が次サイクルでは1段目となるようにする。これにより、アニオン交換樹脂の再生は、常に1段目のアニオン交換樹脂充填塔にのみに対して行えばよいようになり、脱塩方法を実施する装置全体として考えたときに効率的な運用が図れるようになる。
【実施例】
【0036】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0037】
[実施例1]
図1に示したものと同様の装置を試験装置として製作し、上記の発明の実施の形態に記載した通りに各工程を進行させた。採用した条件は以下の通りである。
【0038】
〈条件〉
(1)H形強酸性カチオン交換樹脂:
H形強酸性カチオン交換樹脂として商品名「アンバーライトIR120BH」(ダウ・ケミカル社製、総交換容量1.9eq/L−R(樹脂))体積300mLを使用し、このカチオン交換樹脂を樹脂製カラムに充填してカチオン交換樹脂充填塔を構成した。樹脂製カラムは円筒形状のものであり、その内直径は25.4mm、長さは1000mmであった。
【0039】
(2)遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂:
遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂として商品名「アンバーライトIRA96SB」(ダウ・ケミカル社製、総交換容量1.3eq/L−R(樹脂))体積300mLを使用し、このアニオン交換樹脂を樹脂製カラムに充填してアニオン交換樹脂充填塔を構成した。樹脂製カラムは円筒形上のものであり、その内直径は25.4mm、長さは1000mmであった。このようなアニオン交換樹脂充填塔を2つ製作した。
【0040】
(3)供給液質:
原水として用いられたホウ素含有溶液の液質は、ホウ素濃度が2000mg/L、塩化物イオン濃度が3000mg/L、硫酸イオン濃度が200mg/L、pHが7.5、導電率が18000μS/cmであった。
【0041】
(4)清澄水質:
清澄水の液質は、ホウ素濃度が0.1mg/L未満、塩化物イオン濃度が10mg/L、硫酸イオン濃度が10mg/L、pHが7.0、導電率が100μS/cmであった。
【0042】
(5)通水LV(流量):
脱塩工程での各充填塔での流量は、10m/hr(5.1L/hr)であった。
【0043】
(6)脱塩工程終点:
脱塩工程は、1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液での導電率が2000μS/cmになるまで行った。この時点を脱塩工程の終点とした。結果として、通液量は3.6Lとなった。
【0044】
(7)脱液時間:
脱液工程において、その開始から、カラム下部から液が出てこなくなるまでの時間は、10分であった。
【0045】
(8)各充填塔への張り込み水量:
張り込み工程において各充填塔に張り込んだ清澄水の量は200mLであった。
【0046】
(9)再生条件(カチオン交換樹脂):
H形強酸性カチオン交換樹脂の再生では、再生剤として5%塩酸(HCl)を使用した。再生レベルを60gHCl/L−R(樹脂)に設定し、再生剤の流量及び清澄水による押出しの流量を4BV/時間とし、押出時間を45分とした。
【0047】
(10)再生条件(アニオン交換樹脂)
遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂の再生では、再生剤として、4%水酸化ナトリウム(NaOH)を使用した。再生レベルを60gNaOH/L−R(樹脂)とし、再生剤の流量及び清澄水による押出しの流量を4BV/時間とし、押出時間を45分とした。
【0048】
[比較例1]
実施例1において、脱塩工程の終点を1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液での導電率が上昇傾向を示す前の2.4L通液時点とした。他の条件は実施例1と同じである。
【0049】
[比較例2]
実施例1において、アニオン交換樹脂充填塔に充填されるアニオン交換樹脂として、遊離塩基形弱塩基性アニオン交換樹脂の代わりにOH形強塩基性アニオン交換樹脂(商品名「アンバーライトIRA−402BL(OH)」、ダウ・ケミカル社製)体積300mLを用いた。樹脂製カラムのサイズや他の条件については実施例1と同じにした。比較例2では、通液量が3.0Lとなった時点で1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液での導電率が2000μS/cmに到達した。この時点を脱塩工程の終点とした。
【0050】
〈結果〉
実施例1及び比較例1,2において、1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液でのホウ素濃度と再生廃液でのホウ素濃度を測定した。結果を表1に示す。再生廃液でのホウ素濃度は、再生剤を供給しているときの廃液と押出を行っているときの廃液とをまとめて測定した。なお、再生処理は、カチオン交換樹脂に対するものとアニオン交換樹脂に対するものとを別々に実行したので、カチオン交換樹脂に対する再生処理に関するものが表中「カチオン」の欄に記載され、アニオン交換樹脂に関するものが表中「アニオン」の欄に記載され、得られた再生廃液全体に対するものが「全体」の欄に記載されている。
【0051】
【表1】
表1より、実施例1では、各比較例と比較して、1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液でのホウ素濃度は高くなり、再生廃液でのホウ素濃度は低くなった。実施例1において1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液でのホウ素濃度が各比較例よりも高いということは、2段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液でのホウ素濃度も各比較例より高くなるということを意味する。したがって、塩化物イオン等のアニオンを含むホウ素含有溶液の中からイオン交換樹脂を用いてホウ素以外の塩類を低減する際に、本発明によれば、処理水でのホウ素濃度の減少と再生廃液でのホウ素濃度の増加とを抑制することが可能となることがわかる。なお、実施例1において再生廃液からホウ素が検出されるのは、イオン交換樹脂内部に保持される水分、すなわち脱液工程で除去しきれない水分に起因する。このことは、カチオン交換樹脂からの再生廃液においてもホウ素が検出されることなどからも支持される。
【0052】
次に、ブレークを検出するのに適したアニオンの種類を検討した結果を説明する。
【0053】
上述の実施例1及び比較例2において、それぞれの脱塩工程終点での1段目のアニオン交換樹脂充填塔出口液での塩化物イオン濃度と硫酸イオン濃度を測定した。結果を表2に示す。
【0054】
脱塩工程終点での1段目のアニオン交換樹脂充填塔の各イオンのリーク率は、いずれの場合においても、塩化物イオンの方が硫酸イオンよりも大きくなった。実施例1と比較例2は、いずれも、導電率2000μS/cmに到達した時点を脱塩工程終点としているが、表2に示される結果は、導電率上昇の主要因が塩化物イオンのブレークであることを示している。
【0055】
以上のことから、ホウ素含有排水が、アニオンとして、塩化物イオンと、硫酸イオンなどのその他のアニオンとを含有する場合に、1段目のアニオン交換樹脂充填塔の出口液におけるブレーク検出の対象とするアニオンとして、塩化物イオンを用いることが好ましいことが分かる。
【0056】
【表2】
【符号の説明】
【0057】
1 原水槽
2 清澄水槽
3 塩酸貯槽
4 水酸化ナトリウム溶液貯槽
5 強酸性カチオン交換樹脂充填塔
6,7 弱塩基性アニオン交換樹脂充填塔
8〜11 供給ポンプ
12,13 導電率計
21〜43 バルブ
51 清澄水配管
52 中間配管
53,54,56 配管
55 処理水配管