【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の開示は、固体燃料を利用し、同時炭素回収を達成する高効率出力発生のための系および方法を提供する。特に、開示される系および方法は、固体燃料が燃焼されて、部分酸化生成物を含むPOX流を生じる部分酸化(POX)反応器を利用し得る。POX流は、燃焼器に向けられ得るが、ここで、部分酸化生成物のうちの少なくともいくつかは実質的に完全に酸化されて、燃焼生成物流を生じる。ある実施形態では、POX反応器は、燃焼器中の圧力より低い圧力で操作され得る。
【0006】
具体的実施形態では、POX反応器は、急冷流体を利用するよう適応され得る。例えば、急冷冷却流体は、POX反応温度から急冷POX流温度にPOX流を冷却するために導入され得る。例示的実施形態では、POX反応温度対急冷POX流温度の比は、約3.25以上(例えば、約3.5:1または約4:1)であり得る。非限定例として、POX反応温度は、約1300℃以上(例えば、約1300℃〜約1600℃)であり、そして急冷POX流温度は約200℃〜約400℃の温度であり得る。急冷冷却は、POX反応器または別個の容器中でPOX流と直接混合することにより実行され得る。
【0007】
他の実施形態では、一次POX燃料の部分酸化中に生成される固体(例えば、固体灰分粒子)は、気体燃料ガス+蒸発急冷流体からの分離により除去され得る。代替的には、急冷流体は、付加的液相として、ならびに気相中に存在し得るし、灰分粒子の大部分を除去するための洗浄流体として作用し得る。固体点素がCO分子の反応から生成されるブードワ反応を遅くすることによりメタルダスティングを防止するためには、約400℃以下の急冷温度が有用であり得る。さらに、伴出灰分粒子を伴う単一相気体POX生成物がサイクロンおよびフィルター系に通されて、灰分粒子を除去し得るよう、急冷系を操作することが好ましい。
【0008】
さらなる実施形態では、POX流および急冷流体蒸気の混合物は、例えば約100℃以下の温度に付加的に冷却されて、冷却POX流を提供する。POX流の急冷および/または冷却は、好ましくは、POX反応温度で急冷POX流ガス中に存在する有用な熱の大多数が回収されるというようなやり方で実行される。回収熱は、例えば、出力発生系に移されて、出力発生系の効率を最大にし得る低温加熱を提供し得るが、これは、本明細書中でさらに記載される。いくつかの実施形態では、急冷流体の一部または全部が、冷却POX流から分離され得る。回収急冷流体は、POX反応器に再循環され得る。
【0009】
開示される系および方法は、市販のPOX反応器を、出力発生系との効率的統合に適応させ得る。さらに、開示される系および方法は、気体生成物の分離に適応され得る。例えば、実質的に純粋なH
2、COまたはその混合物は、冷却POX流から分離され得る。開示される系および方法は、さらに、POX流中に存在する燃料およびPOX由来不純物の一部または全部が、出力発生系の燃焼器中で酸化され得る、という点で有益である。その後、このような不純物は、例えば凝縮水流を用いて(例えば、酸および塩として)除去され得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、本開示は、POX反応器中での酸素との併合による炭素系または炭化水素燃料の部分酸化を包含する工程に関する。燃料は、少なくともイオウ化合物を含み得る。POX反応は、少なくともH
2、COおよびH
2Sを含む燃料ガス混合物を生じ得る。POX反応は、さらに、少なくともH
2、CO、H
2S、NH
3およびHCNを含む燃料ガス混合物を生じ得る。POX系は、出力発生系(PPS)と連結され得るが、ここでは、燃料ガスは酸素で燃焼され得るし、燃焼により生成される熱エネルギーは、出力に変換され得る。統合POX系およびPPSを利用する方法は、種々の実施形態により明示され得る。例示的実施形態を以下に提示する。
・ 急冷、固体灰分除去およびPPSからの再循環高圧CO
2を伴う熱交換による冷却後のPOX系からのPOX燃料ガス中に存在する炭素系または炭化水素燃料、POX工程、および酸素プラント(例えば空気分離ユニット)から得られる酸素に由来するすべての不純物が、PPS中で燃焼される。例示的不純物は、過剰量のH
2、CO、CH
4、CO
2、H
2O、N
2およびAr中に存在する不純物であり得る。
・ POX燃料ガス中に存在するすべての酸化可能不純物は、PPS燃焼により酸化され得る。
・ POX燃料ガス中に存在するイオウ化合物、例えばH
2S、COSおよびCS
2は、SO
2、SO
3、H
2OおよびCO
2に酸化され得る。POX燃料ガス中に存在する任意のNH
3およびHCNは、NO、NO
2、H
2OおよびCO
2に酸化され得る。
・ POX工程は、好ましくは、約2MPa以上の圧力で操作する。
・ PPSは、約10MPa以上の入口圧を有するタービンを利用する出力の発生により明示され得る。
・ PPSは、約12以下の圧力比(入口対出口)を有するタービンを利用する出力の発生により明示される。
・ POX反応は、約1300℃〜約1600℃の断熱火炎温度で実行され得る。
・ POX反応器への供給物は、水、CO
2またはその組合せ中の粉末化固体燃料でスラリー化され得る。
・ POX反応器への供給物は、粉末化固体燃料の伴出流を含むと定義され得る。
・ POX反応器への供給物は、ビチューメンの加熱流のような液体を含むと定義され得る。
・ POX反応器は、約250℃以上の温度でPPSから獲得され、そしてPPSレキュペレータ熱交換器を出る高圧再循環流の出口温度より低い温度でPPSに戻される高圧再循環流の一部分に輻射熱を伝達する内部伝熱セクションを包含するよう適応され得る。
・ POX反応の直接生成物は、急冷POX燃料ガスの再循環部分と、急冷POX燃料ガスから凝縮される液体水の一部分と、PPSから再循環されるCO
2と、あるいはこれら3つの組合せと直接混合することにより急冷され得る。
・ POX工程に用いられる燃料から生じる灰分は、POX生成物の急冷後、そしてPOX燃料ガスのさらなる冷却前に、除去され得る。
・ POX流の急冷において達成される温度は、炭素沈着またはメタルダスティング腐食がPOX系またはPPSにおける任意の下流設備で起きないよう、約400℃またはそれより低い温度、あるいはブードワ反応の速度が十分に低い温度であり得る。
・ 急冷および灰分除去後のPOX生成物は、PPSから獲得され、そして戻される高圧再循環流体流を加熱することを用いることにより、約100℃以下の温度に冷却され得る。
・ PPSは、PPS燃焼器中の燃焼生成物を加圧再循環流と混合し、そして全体流を出力発生のために適応される少なくとも1つのPPSタービンに通すことにより、明確にされ得る。
・ PPSは、約0.1MPa以上、他の実施形態では、約1MPa以上の最終放出圧での単数または複数のタービンの操作により明確にされ得る。
・ PPSは、少なくとも全タービン排気流(単数または複数)に対して予め圧縮された高圧再循環流を加熱する1つ以上のレキュペレータ熱交換器の使用により明確にされ得る。
・ PPSは、O
2、液体H
2O、NO
2およびNOとの反応により、SO
2およびSO
3をH
2SO
4に変換することにより明確にされ得る。
・ PPSは、NO、NO
2および液体H
2OをHNO
3に変換することにより明確にされ得る。
・ PPS酸変換は、レキュペレータ熱交換器の冷却終了時に水および酸が冷却タービン排気ガスから分離される温度より低い、水が凝縮する点に対応する操作温度で実行され得る。
・ 酸+酸との反応により生成され、任意にPPS燃焼器からの凝縮水で希釈される可溶性無機構成成分は、さらなる処理のために除去され得る。
・ 高圧CO
2再循環流体流(単数または複数)は、灰分除去後に急冷POX生成物ガスを冷却するために用いられ得る。
・ 高圧CO
2再循環流体流は、任意に、1つより多い温度レベルで、PPSから獲得される1つより多い流体流を含み得る。
・ 1つより多い高圧CO
2再循環流体流は、1つより多い温度レベルでPPSに戻され得る。
・ 一流体流は、PPSから獲得され、1つより多い温度レベルで、1つより多い流れとしてPPSに戻され得る。
・ 1つより多い流体流は、PPSから獲得され、単一加熱流としてPPSに戻され得る。
・ 冷却正味POX燃料ガス生成物は、POX急冷再循環流体の冷却および分離後、それがPOX系を出る圧力からPPS燃焼器の入口圧と実質的に同一の圧力に圧縮され得る。
・ 急冷POX生成物ガスを冷却するのに用いるためのPPSから獲得される流体流は、PPSからの加圧再循環流の一部であり得る。
・ POX系に用いられる酸素は、90モル%より高い、好ましくは95モル%より高い純度を有し得る。
・ 部分酸化ガスは水で急冷されて、少なくともH
2、CO、CO
2、1つ以上のイオウ化合物(例えばH
2S)およびH
2Oを含有するガス混合物を生じる。
・ 急冷POX燃料ガスの冷却は、PPSからの加圧再循環ガスの2つの流れを伴って実行され得る;POX熱変換器に進入する第一再循環流の入口温度は、PPS再循環CO
2圧縮器の放出温度であり得る;そしてPOX熱交換器に進入する第二再循環CO
2流の入口温度は、PPSタービン排出流における水露点の20℃以内であり得る。
・ 燃料ガスを含むPOX流は、水で急冷されて、存在する過剰な液体水を有する水蒸気で飽和されたPOXガスを生成し;そしてPPSからの加圧再循環ガス2つの入口流は、POXガス露点温度の20℃以内の温度で単一流としてPOX熱変換器を退出し得る。
・ POX流は、水で急冷されて、その露点温度を上回り、そして400℃より低い急冷POX流を生じ得る;POX熱交換器に進入する2つの入口流は、加熱され、第二入口流温度に対応する温度点で併合され得る;第一出口加熱流体流は、POX流露点温度の20℃以内の温度で除去され、そして残りの流れはさらに加熱され、約380℃〜399℃の温度でPOX熱交換器を出る。
・ 急冷後のPOX燃料ガスの一部分は、除去され、触媒シフト反応器に通されて、COおよびH
2OをH
2およびCO
2に変換し得る。
・ シフト反応器からの出口ガスは、PPSから獲得され、そしてPPSに戻される再循環ガスに対して急冷POX熱交換器中で冷却され得る。
・ シフト化ガスは、非シフト化ガスの一部分と混合され、さらに加工処理されて、水、CO
2、イオウ化合物、水銀およびその他の揮発性無機構成成分を分離して、H
2およびCOを0.8:1〜2.5:1の割合であとに残す。
・ シフト化ガス単独は、さらに加工処理されて、99モル%より高い純度のH
2流を生じ得る。
・ H
2またはH
2およびCO流中のイオウ化合物、NH
3、HCNおよび水の含量は、各々、1ppmモル未満であり得る。
・ 分離装置は、多床型圧力変動吸着(PSA)系として明示され得る。
・ PSA系からの吸着生成物を含む前記PSAからの低圧廃棄ガスは、PPS燃焼器により必要とされる圧力に圧縮され、PPS燃焼器への総POX燃料ガス流中に混合され得る。
・ 第一燃料のPOXのために用いられる酸素は、POX熱変換器中で350℃までの温度に加熱され得る。
・ PPS燃焼器中で用いられる酸素は、POX熱変換器中で350℃までの温度に加熱され得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、本発明の開示は、POX系およびPPSの組合せを用いる出力の発生のための方法であって、以下のステップ:
燃料を部分的に酸化して、燃料ガスを含むPOX流を生成するのに十分な条件下で、POX反応器中で固体または液体燃料および酸素を併合すること;
約400℃以下の温度で急冷POX流を生成し、POX流中に存在する任意の溶融固体の少なくとも一部分を固化するのに十分な条件下で、急冷流体との組合せによりPOX流を急冷すること;
そこに存在する任意の固体の少なくとも一部分を除去するために、急冷POX流を処理すること;
急冷POX流をPOX熱交換器に送り、冷却流に対して急冷POX流を約100℃以下の温度に冷却することにより急冷POX流からある量の熱を引き出して、POX燃料ガス流を生成すること;
POX燃料ガスを分離容器に通して、POX燃料ガス流中に存在する任意の水の少なくとも一部分を分離すること;
POX燃料ガス流を約12MPa以上の圧力に圧縮すること;
少なくとも約10MPaの圧力で、少なくとも約800℃の温度で、PPS燃焼器中で(任意に過剰量酸素の一部分を伴って)POX燃料ガスを燃焼して、燃焼生成物流を形成すること;
PPSタービンを横断して燃焼生成物流を拡張して、粉末を生成し、拡張PPS燃焼生成物流を形成すること
を包含する方法に関する。
【0012】
具体的実施形態では、出力発生方法は、上記のような方法に独立して適用され得る種々の特質によりさらに明示され得る。例えば、固体または液体燃料は、炭素系燃料であり得る。POX反応器中で併合される燃料は、粉末化固体燃料の伴出流であり得る。炭素系燃料は、石炭であり得る。石炭は、水またはCO
2でスラリー化され得る。急冷POX流は、灰分、スラグまたはその組合せを含み得るし、そして固体を除去するステップは、急冷POX流を水スクラバーユニットに通すことを包含し得る。固体を除去するステップは、急冷POX流中の燃料ガスのダスト負荷を、1平方メートル当たり約4mg以下に低減するよう、急冷POX流を濾過することを包含し得る。POX反応器はPOX温度で操作され、POX温度対急冷POX流の温度の比は約2:1以上であり得る。POX温度は、約1300℃〜約1600℃であり得る。POX反応器は、約2MPa以上の圧力で操作され得る。急冷することは、POX流を以下の:熱交換器を出る冷却POX燃料ガス流の再循環部分;冷却POX燃料ガス流から分離される水の一部分;PPSから再循環されるCO
2、水またはその組合せと混合することを包含し得る。熱交換器中の冷却流は、PPSから引き出され、そして戻される高圧再循環流体流を含み得る。高圧再循環流体流は、再循環CO
2流体流であり得る。再循環CO
2流体流は、PPS燃焼器中のPOX燃料ガスの燃焼で生成されるCO
2を含み得る。POX反応器は、内部熱伝達構成要素を含み得る。内部熱変換構成要素は、約250℃以上の温度でPPSの一構成要素から得られる高圧再循環流の一部分に輻射熱を伝達するために適応され得る。内部熱伝達構成要素は、PPSの構成要素に高圧再循環流を戻すために適応され得る。PPSタービンは、約10MPa以上の入口圧力を有し得る。PPSタービンは、タービン入口対タービン出口の比として定義される出口圧を有し得る。例示的一実施形態では、比は約10以下であり得る。
【0013】
さらなる実施形態では、POX系およびPPSの組合せを用いる出力発生方法は、さらにまた、以下の:
拡張PPS燃焼生成物流をPPSレキュペレータ熱交換器に通して、それによりPPS燃焼生成物流から熱を引き出して、冷却PPS燃焼生成物流を形成すること;
任意に、冷却PPS燃焼生成物流を冷水器に通すこと;
PPS燃焼生成物流をPPS洗浄器中で処理して、H
2SO
4、HNO
3または水溶解化Hg塩のうちの少なくとも1つを分離して、再循環CO
2流を形成すること;そして
再循環CO流をPPS圧縮器中で加圧して、圧縮再循環CO
2流を形成すること
を包含し得る。
【0014】
具体的実施形態では、分離ステップは、SO
2、SO
3、NO、NO
2、H
2OおよびO
2に+凝縮水および溶解化Hg塩の反応により形成される変換生成物H
2SO
4およびHNO
3を分離することを包含し得る。拡張PPS燃焼生成物流をPPSレキュペレータ熱交換器に通すことは、PPS燃焼生成物流を水の露点より低い温度に冷却し得る。PPS燃焼器に進入するPOX燃料ガス流中の燃料ガスは、H
2、COおよびCH
4から選択される少なくとも1つの燃料ガス構成成分を含み得る。PPS燃焼室に進入するPOX燃料ガス流は、燃料ガスから分離され、固体または液体燃焼、その部分酸化および酸素に由来する1つ以上の不純物を含み得る。1つ以上の不純物は、イオウ化合物、NH
3およびHCNのうちの少なくとも1つを含み得る。不純物の実質的にすべてが、POX燃料ガス流中に依然として存在し、PPS燃焼器中で燃焼され得る。POX燃料ガス流中に存在する酸化可能不純物はすべて、PPS燃焼器中での燃焼により酸化され得る。PPS燃焼器からの燃焼生成物流は、燃焼生成物および圧縮再循環CO
2流の少なくとも一部分の混合物を含み得る。PPS燃焼生成物流から引き出される熱は、圧縮再循環CO
2流の少なくとも一部分を加熱し得る。POX流は、水で急冷され得る。水急冷POX流は、少なくともH
2、CO、CO
2、H
2SおよびH
2Oを含み得る。POX熱交換器中の冷却流は、圧縮再循環CO
2の2つの流れを含み得る。POX熱交換器に進入する第一圧縮再循環CO
2の入口温度は、PPS圧縮器から放出される圧縮再循環CO
2流の温度と実質的に同一であり得る。POX熱交換器に進入する第二圧縮再循環CO
2流の入口温度は、拡張PPS燃焼工程流における水の露点の20℃以内であり得る。水急冷POX流は、過剰液体水を含むよう水蒸気で飽和され得る。2つの圧縮再循環CO
2流は、POX熱交換器中で併合されて単一流を形成し得る。POX熱交換器を出る単一圧縮再循環CO
2流は、POX燃料ガス露点温度の約20℃以内である温度であり得る。水急冷POX流は、その露点温度を上回り、約400℃より低い温度を有し得る。2つの圧縮再循環CO
2流は加熱され、そして2つの圧縮再循環CO
2流が併合されて単一流を形成する点は、第二圧縮再循環CO
2流の入口温度に実質的に対応する温度であり得る。単一流は、以下の:POX流露点温度の約20℃以内である温度でPOX熱交換器を出る第一流出加熱および圧縮再循環CO
2流;ならびに約380℃〜約399℃の温度でPOX熱交換器を出る第二流出加熱および圧縮再循環CO
2流に分割され得る。
【0015】
付加的実施形態では、急冷POX燃料ガスの一部分は、POX触媒シフト反応器を通して向けられ得る。POX触媒シフト反応器は、COおよびH
2Oの混合物をH
2およびCO
2の混合物を含むシフト反応器出口ガスに変換するよう適応され得る。シフト反応器出口ガスは、PPSから得られ、PPSに戻される再循環ガスに対してPOX熱交換器中で冷却され得る。シフト反応器出口ガスは、急冷POX流の一部分と混合され、さらに加工処理されて、水、CO
2、イオウ化合物、Hgおよび揮発性無機化合物を分離して、したがって、H
2およびCOを約0.8:1〜約2.5:1の比で含む混合物を形成し得る。シフト反応器出口ガスはさらに加工処理されて、純H
2流を99モル%より以上の純度で形成し得る。POX触媒プロセッサーは、多床型圧力変動吸着(PSA)系であり得る。PSA系からの吸着生成物を含むPSA系からの低圧廃棄ガスはPPS燃焼器圧に圧縮され、PPS燃焼器に進入する総燃料ガス流中に混合され得る。POX反応器中で用いられる酸素は、POX熱変換器中で約350℃までの温度に加熱され得る。PPS燃焼器中で用いられる酸素は、POX熱変換器中で約350℃の温度に加熱され得る。
【0016】
他の実施形態では、本開示は、複合POX系およびPPSを提供し得るし、複合系は、非気体である出発燃料から、電力のような出力を発生するために有用であり得る。いくつかの実施形態では、POX系およびPPSは、以下の要素:
酸素の存在下で液体または固体燃料を部分的に酸化して、燃料ガスを含むPOX流を形成するよう適応されるPOX反応器;
POX流を急冷流体と接触するよう適応される1つ以上の構成要素;
POX燃料ガスからの急冷POX流中に存在する任意の固体を分離するよう適応される任意のPOX洗浄器;
圧縮再循環CO
2流の一部分に対してPOX燃料ガスから熱を引き出し、冷却POX燃料ガスを出すよう適応されるPOX熱交換器;
POX燃料ガスから任意の液体水を分離するよう適応される任意の分離器;
冷却POX燃料ガスを約12MPa以上の圧力に圧縮するよう適応される圧縮器;
酸素および圧縮再循環CO
2流の一部分の存在下でPOX燃料ガスを燃焼して、約12MPa以上の圧力でPPS燃焼生成物流を形成するよう適応されるPPS燃焼器;
PPS燃焼生成物を拡張し、連結発生器中で出力を発生するよう適応されるタービン;
拡張PPS燃焼生成物流から熱を引き出し、圧縮再循環CO
2流に熱を付加するよう適応されるレキュペレータ熱交換器;
拡張PPS燃焼生成物流からの任意の酸化不純物を分離し、再循環CO
2流を出すよう適応されるPPS洗浄塔;
再循環CO
2流を約12MPa以上の圧力に圧縮して、圧縮再循環CO
2流を形成するよう適応されるPPS圧縮器;
圧縮再循環CO
2流の一部分をPOX熱変換器に向けるよう適応される流動構成要素;
圧縮再循環CO
2流の一部分をPPSレキュペレータ熱変換器に向けるよう適応される流動構成要素;ならびに
POX熱交換器からの圧縮再循環CO
2流をPPSレキュペレータ熱変換器に向けるよう適応される流動構成要素
を含み得る。